JP3398939B2 - 硬化被膜を有する光学部材及びその製造方法 - Google Patents

硬化被膜を有する光学部材及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化被膜を有する
光学部材、その製造方法及び硬化被膜形成用コーティン
グ組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、プラス
チック光学基材に密着性向上のために通常行われている
処理を施すことなく、その表面に、耐擦傷性や審美性な
どの各種機能を付与するための硬化被膜を密着性よく設
けてなる光学部材、このものを効率よく製造する方法、
及びプラスティック基材上に密着性のよい硬化被膜を形
成させるためのコーティング組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック成形品に耐擦傷性や
審美性を付与する方法として、一般に光学基材表面に硬
化被膜が設けられている。しかしながら、これら硬化被
膜は、プラスチック光学基材表面に設けた場合に、該光
学基材との密着性に不具合を生じてしまう。そこで、硬
化被膜とプラスチック光学基材との密着性を改善するた
めに該光学基材表面をプラズマ、コロナ火焔、紫外線な
どによる物理的処理、酸やアルカリ、各種有機溶剤によ
る化学的処理などといった基材前処理を施すことが提案
されている。しかしながら、これらの基材前処理は、い
ずれも工程の煩雑さを招く上、高価な前処理装置を必要
とするなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、従来技術が有する欠点を克服し、工程の煩雑
さを招き、かつ高価な前処理装置を必要とするプラスチ
ック光学基材の前処理をなくし、耐擦傷性や審美性など
の各種機能を付与するための硬化被膜を、プラスチック
光学基材表面に密着性よく設けてなる光学部材を提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、基材に通常
行われている前処理を施すことなく、密着性に優れる硬
化被膜を有する光学部材を開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、金属酸化物コロイド粒子と、有機ケイ素化合物
と、特定の化合物からなる密着性向上剤とを組み合わせ
たコーティング組成物を用いて硬化被膜を形成させるこ
とにより、その目的を達成しうることを見出した。本発
明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すな
わち、本発明は、(1)プラスチック光学基材表面に硬
化被膜を有する光学部材であって、記記硬化被膜が
(A)金属酸化物コロイド粒子と、(B)有機ケイ素化
合物と、(C)一般式(I)
【0005】
【化3】
【0006】(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル
基、pは1又は2を示し、Rが2つある場合、2つのR
はたがいに同一でも異なっていてもよい。)で表される
フェノール系化合物からなる密着性向上剤とを組み合わ
せたコーティング組成物を用いて形成されたものである
ことを特徴とする硬化被膜を有する光学部材、(2)
プラスチック光学基材表面に、(A)金属酸化物コロイ
ド粒子と、(B)有機ケイ素化合物と、(C)一般式
(I)で表されるフェノール系化合物からなる密着性向
上剤とを含むコーティング組成物を塗布したのち、硬化
処理することを特徴とする硬化被膜を有する光学部材の
製造方法、(3)(C) 一般式(I)で表されるフェノ
ール系化合物からなる密着性向上剤を含む水系溶液又は
有機溶剤溶液中に、プラスチック光学基材を浸漬したの
ち、この基材表面に、(A)金属酸化物コロイド粒子
と、(B)有機ケイ素化合物とを含むコ−ティング剤を
塗布したのち、硬化処理することを特徴とする硬化被膜
を有する光学部材の製造方法、及び(4)プラスチック
基材上に硬化被膜を形成させるためのコーティング組成
物であって、(A)金属酸化物コロイド粒子と、(B)
有機ケイ素化合物と、(C)一般式(I) で表されるフェ
ノール系化合物からなる密着性向上剤とを組み合わせた
ことを特徴とする硬化被膜形成用コーティング組成物、
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の光学部材は、プラスチッ
ク光学基材表面に、(A)金属酸化物コロイド粒子と、
(B)有機ケイ素化合物と、(C)密着性向上剤とを組
み合わせたコーティング組成物を用いて形成された硬化
被膜を有するものである。上記コーティング組成物にお
ける(A)成分の金属酸化物コロイド粒子としては、特
に制限はなく、従来公知のものの中から、任意のものを
選択して用いることができる。この金属酸化物コロイド
粒子の例としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸
化アンチモン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化ケイ
素、酸化セリウム、酸化鉄などの単体金属酸化物微粒
子、あるいは、特開平6−25603号公報に開示され
ている酸化スズ−酸化ジルコニウム−酸化タングステン
の複合体微粒子、特開平3−217230号公報に開示
されている酸化スズ−酸化タングステンの複合体微粒
子、特開平8−113760号公報に開示されている酸
化チタン、酸化セリウム、及び酸化ケイ素の複合金属酸
化物微粒子、特開平10−306258号公報に開示さ
れている酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化スズの複
合体微粒子、特開平9−21901号公報に開示されて
いる酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化ケイ素の複合
体微粒子、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム−酸化タン
グステンの複合体微粒子などの複合体微粒子を挙げるこ
とができる。この金属酸化物コロイド粒子の平均粒径
は、通常1〜500nm、好ましくは40〜100n
m、より好ましくは40〜50nmの範囲で選定され
る。この(A)成分の金属酸化物コロイド粒子は一種を
単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。また、(B)成分の有機ケイ素化合物としては、
例えば、一般式(II) (R1)a (R3)b Si(OR2)4-(a+b) (II) (式中、R1 及びR3 はそれぞれ独立して、官能基を有
する若しくは有しない炭素数1〜10の一価の炭化水素
基、R2 は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10
のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基又は炭素
数1〜8のアシル基、a及びbはそれぞれ0又は1を示
し、複数のOR2 はたがいに同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物、一般式(III)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R4 及びR5 は、それぞれ独立し
て、官能基を有する若しくは有しない炭素数1〜5の一
価の炭化水素基、X1 及びX2 は、それぞれ独立して、
炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアシル
基、Yは炭素数1〜20の二価の炭化水素基、m及びn
はそれぞれ0又は1を示し、複数のOX1 はたがいに同
一でも異なっていてもよく、また、複数のOX2 はたが
いに同一でも異なっていてもよい。)で表される化合物
及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも一
種を用いることができる。
【0010】前記一般式(II)において、R1 及びR3
示される炭素数1〜10の一価の炭化水素基としては、
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケ
ニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10
のアラルキル基を挙げることができる。上記のアルキル
基及びアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれ
であってもよい。炭素数1〜10のアルキル基の例とし
ては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピ
ル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert
- ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、炭
素数2〜10のアルケニル基の例としては、ビニル基、
アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基な
どが挙げられる。また、炭素数6〜10のアリール基の
例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフ
チル基などが挙げられ、炭素数7〜10のアラルキル基
の例としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメ
チル基などが挙げられる。これらの炭化水素基には官能
基が導入されていてもよく、該官能基としては、例えば
ハロゲン原子、グリシドキシ基、エボキシ基、アミノ
基、シアノ基、メルカプト基、(メタ) アクリルオキシ
基などが挙げられる。この官能基を有する炭素数1〜1
0の一価の炭化水素基の例としては、グリシドキシメチ
ル基、α−グリシドキシエチル基、β−グリシドキシエ
チル基、α−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキ
シプルピル基、γ−グリシドキシプロピル基、α−グリ
シドキシブチル基、β−グリシドキシブチル基、γ−グ
リシドキシブチル基、δ−グリシドキシブチル基、(3,4
−エポキシシクロヘキシル) メチル基、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル) エチル基、γ−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル) プロピル基、δ−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル) ブチル基、クロロメチル基、γ−クロロプロ
ピル基、3,3,3 −トリフルオロプロピル基、γ−メタク
リルオキシプロピル基、γ−アクリルオキシプロピル
基、γ−メルカプトプロピル基、β−シアノエチル基、
N−( β−アミノエチル) −γ−アミノプロピル基、γ
−アミノプロピル基などが挙げられる。一方、R2 のう
ち炭素数1〜8のアルキル基は直鎖状、分岐状、環状の
いずれであってもよく、その例としては、メチル基、エ
チル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、
イソブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などが挙げられ、炭素数6〜10のアリール基の例と
しては、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げ
られ、炭素数7〜10のアラルキル基の例としては、ベ
ンジル基、フェネチル基などが挙げられる。また、炭素
数1〜8のアシル基としては、例えばアセチル基などが
挙げられる。a及びbはそれぞれ0又は1を示し、複数
のOR2 はたがいに同一でも異なっていてもよい。
【0011】前記一般式(II)で表される化合物の例とし
ては、メチルシリケート、エチルシリケート、n−プロ
ピルシリケート、イソプロピルシリケート、n−ブチル
シリケート、sec −ブチルシリケート、tert−ブチルシ
リケート、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリア
セトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルト
リアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メ
チルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチル
オキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラ
ン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、α−グリ
シドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシ
エチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルト
リエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリ
メトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシ
シラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
ブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルト
リメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
トリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシ
ラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラ
ン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルト
リエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキ
シシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラ
ン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、
α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−
グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリ
シドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチ
ルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニル
ジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジ
エトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセト
キシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−
シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメ
トキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジア
セトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエト
キシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビ
ニルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0012】一方、前記一般式(III) において、X1
びX2 のうちの炭素数1〜4のアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル
基などが挙げられ、炭素数1〜4のアシル基としては、
例えばアセチル基が好ましく挙げられる。このX1 及び
2 はたがいに同一でも異なっていてもよい。また、R
4 及びR5 で示される炭素数1〜5の一価の炭化水素基
としては、炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数2〜5
のアルケニル基が挙げられる。これらは直鎖状、分岐状
のいずれであってもよく、アルキル基の例としては、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基、ペンチル基
などが挙げられ、アルケニル基の例としては、ビニル
基、アリル基、ブテニル基などが挙げられる。これらの
炭化水素基には官能基が導入されていてもよく、該官能
基及び官能基を有する炭化水素基としては、前記一般式
(II)のR1 及びR3 の説明で例示したものと同じものを
挙げることができる。このR4 及びR5 は、たがいに同
一であっても異なっていてもよい。Yで示される炭素数
1〜20の二価の炭化水素基としては、アルキレン基及
びアルキリデン基が好ましく、例えばメチレン基、エチ
レン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へ
キシレン基、オクチレン基、エチリデン基、プロピリデ
ン基などを挙げることができる。m及びnはそれぞれ0
又は1を示し、複数のOX1 はたがいに同一でも異なっ
ていてもよく、また、複数のOX2 はたがいに同一でも
異なっていてもよい。
【0013】前記一般式(III) で表される化合物の例と
しては、メチレンビス(メチルジメトキシシラン)、エ
チレンビス(エチルジメトキシシラン)、プロピレンビ
ス(エチルジエトキシシラン)、ブチレンビス(メチル
ジエトキシシラン)などが挙げられる。本発明における
コーティング組成物においては、(B)成分の有機ケイ
素化合物として、前記一般式(II)、(III) で表される化
合物及びその加水分解物の中から適宜一種選択して用い
てもよく、二種以上を選択し、組み合わせて用いてもよ
い。また、加水分解物は一般式(II)、(III) で表される
化合物に、水酸化ナトリウムやアンモニウム水溶液など
の塩基性水溶液、酢酸水溶液やクエン酸水溶液などの酸
性水溶液を添加し攪拌することにより調製することがで
きる。一方、(C)成分の密着性向上剤としては、一般
式(I)
【0014】
【化5】
【0015】( 式中、Rは炭素数1〜20のアルキル
基、pは0,1又は2を示し、Rが2つある場合、2つ
のRはたがいに同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れるフェノール系化合物が用いられる。この一般式
(I)において、Rで示される炭素数1〜20のアルキ
ル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
密着性向上性能はRが導入されていないフェノールが最
も大きいが、このフェノールは毒性が強い。一方、該フ
ェノールにアルキル基を導入した場合、一般にアルキル
基が大きいほど、また導入量が多いほど、毒性が弱めら
れるが、その一方で、密着性向上性能が低下する。した
がって、密着性向上性能と毒性のバランスから、このR
の好ましい炭素数は1〜10であり、特に1〜4が好適
である。該Rの例としては、メチル基、エチル基、n-プ
ロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル
基、sec-ブチル基、tert- ブチル基などが挙げられる。
pは0,1又は2を示し、Rが2つある場合、2つのR
はたがいに同一でも異なっていてもよい。前記一般式
(I)で表されるフェノール系化合物の例としては、フ
ェノール、各種クレゾール、各種エチルフェノール、各
種n-プルピルフェノール、各種イソプロピルフェノー
ル、各種キシレノール、各種ジ−n −プロピルフェノー
ル、各種ジ−イソプロピルフェノール、各種エチルメチ
ルフェノール、各種イソプロピルメチルフェノール、各
種メチル−n −プロピルフェノール、各種エチルイソプ
ロピルフェノール、各種エチル−n −プロピルフェノー
ル、各種ブチルフェノールなどが挙げられる。毒性を考
慮すると、これらのフェノール系化合物の中で、フェノ
ールよりモノアルキルフェノールが、モノアルキルフェ
ノールよりジアルキルフェノールが好ましい。このフェ
ノール系化合物は一種を単独で用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0016】本発明の光学部材に用いるプラスチック光
学基材としては、例えばメチルメタクリレート単独重合
体、メチルメタクリレートと一種以上の他のモノマーと
をモノマー成分とする共重合体、ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート単独重合体、ジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネートと一種以上の他のモノマー
とをモノマー成分とする共重合体、イオウ含有共重合
体、ハロゲン含有共重合体、ポリカーボネート、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリチオウレタ
ンなどが挙げられる。本発明の光学部材は、上記プラス
チック光学基材表面に、前記(A)成分と、(B)成分
と、(C)成分とを組み合わせたコーティング組成物に
より、硬化被膜を形成させたものであって、該コーティ
ング組成物としては、(A)成分の金属酸化物コロイド
粒子と、(B)成分の有機ケイ素化合物と、(C)成分
のフェノール系化合物からなる密着性向上剤とを含むも
の(以下、コーティング組成物Iと称す。) 、及び上記
(A)成分と、(B)成分を含むコーティング剤と、
(C)成分とを組み合わせたコーティング組成物(以
下、コーティング組成物IIと称す。) の二つの態様があ
る。本発明のコーティング組成物I及びIIにおいては、
所望により、反応を促進するために硬化剤を、また、塗
布時における濡れ性を向上させ、硬化被膜の平滑性を向
上させる目的で各種の有機溶媒や界面活性剤を含有させ
ることができる。さらに、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
光安定剤等も硬化被膜の物性に影響を与えない限り添加
することも可能である。なお、これらの添加成分は、コ
ーティング組成物Iでは、該組成物そのものに、コーテ
ィング組成物IIでは、(A)成分と(B)成分とを含む
コーティング剤に含有させればよい。前記硬化剤の例と
しては、アリルアミン、エチルアミン等のアミン類、ま
たルイス酸やルイス塩基を含む各種酸又は塩基、例えば
有機カルボン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、過塩
素酸、臭素酸、亜セレン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、
チオシアン酸、亜硝酸、アルミン酸、炭酸などを有する
塩又は金属塩、さらにアルミニウム、ジルコニウム、チ
タニウムを有する金属アルコキシドまたはこれらの金属
キレート化合物などが挙げられる。コーティング組成物
の硬化は、熱風乾燥又は活性エネルギー線照射によって
行い、硬化条件としては、70〜200℃の熱風中にて
行うのがよく、特に好ましくは90〜150℃が望まし
い。なお活性エネルギー線としては遠赤外線等があり、
熱による損傷を低く抑えることができる。
【0017】上記コーティング組成物Iにおける各成分
の割合については、(B)成分の有機ケイ素化合物10
0重量部あたり、(A)成分の金属酸化物コロイド粒子
を、固形分として1〜500重量部、好ましくは10〜
200重量部、より好ましくは50〜150重量部の割
合で、(C)成分のフェノール系化合物を0.01〜10
重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは
0.5〜1重量部の割合で含有させるのが望ましい。一
方、コーティング組成物IIにおけるコーティング剤にお
いては、(A)成分と(B)成分とを、上記の割合で含
有させるのが望ましい。
【0018】本発明の光学部剤は、以下に示す本発明の
方法により、効率よく製造することができる。本発明の
方法は、前記コーティング組成物Iを用いる方法と、コ
ーティング組成物IIを用いる方法の二つの態様がある。
まず、コーティング組成物Iを用いる方法について説明
する。この方法においては、前記のプラスチック光学基
材表面に、コーティング組成物Iを塗布したのち、前記
の条件で硬化処理して、硬化被膜を形成させる。この
際、基材表面に、コーティング組成物Iを塗布する手段
としては、例えばディッピング法、スピンコーティング
法、スプレー法など、通常行われる方法が適用できる
が、面精度の面から、ディッピング法及びスピンコーテ
ィング法が特に望ましい。この本発明の方法によれば、
プラスチック光学基材に予め物理的処理や化学的処理を
施さなくとも、基材に対する密着性に優れた硬化被膜を
形成させることができるが、もちろん、従来公知の密着
性を向上させるための処理、例えば、酸、アルカリ、各
種有機溶媒による化学的処理、プラズマ、紫外線等によ
る物理的処理、各種洗剤を用いる洗剤処理、サンドブラ
スト処理、更には各種樹脂を用いたプライマー処理を予
め基材に施すことによって、基材と硬化被膜との密着性
をさらに向上させることができる。
【0019】次に、コーティング組成物IIを用いる方法
について説明する。この方法においては、(C)成分で
ある前記一般式( I) で表されるフェノール系化合物か
らなる密着性向上剤を含む水系溶液又は有機溶剤溶液中
に、プラスチック光学基材を浸漬したのち、この基材表
面に、コーティング組成物IIにおけるコーティング剤を
塗布し、前記の条件で硬化被膜を形成させる。上記フェ
ノール系化合物の有機溶剤溶液の調製に用いられる溶媒
の有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジメチルケトンなどのケトン類、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、
ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類
などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。また、フェノール系
化合物の水系溶液は、溶媒として水又は水と上記の有機
溶剤との混合液を用いて調製することができる。該溶媒
としては、入手性、毒性、作業性を考慮すると、好まし
くは、水が挙げられるが、これら溶媒の選択は、(C)
成分の溶解性や溶媒の毒性・蒸発性、作業性、生産性な
どを考慮して、適宜選択するのがよい。
【0020】上記フェノール系化合物の水系溶液又は有
機溶剤溶液は、溶媒100重量部に対して、フェノール
系化合物を、好ましくは0. 01〜100重量部、より
好ましくは1 〜20 重量部の割合で溶解させて調製する
のが望ましい。また、基材の浸漬方法としては、ディッ
ピング法により、フェノール系化合物の水系溶液または
有機溶剤溶液中に浸漬する方法が用いられる。その際、
浸漬効果を高めるために、液温を上げたり、超音波等を
施すことができる。浸漬の際の液温としては0〜100
℃が好ましく、有機溶剤の蒸気圧やその密着発現効果を
考慮すると20〜50℃がさらに好ましい。浸漬の際の
浸漬時間としては、1 分から24時間程度が好ましく、
生産性やその密着発現効果を考慮すると5分から2時間
程度が更に好ましい。また、コーティング剤の塗布方法
としては、前記コーティング組成物Iの場合と同様であ
る。本発明の光学機材においては、このようにして形成
された硬化被膜の上に、所望により、無機酸化物の蒸着
膜からなる反射防止膜を設けることができる。この反射
防止膜は、特に限定されず、従来、知られている無機酸
化物の蒸着膜からなる単層、多層の反射防止膜を使用す
ることができる。その反射防止膜の例としては、例え
ば、特開平2−262104号公報、特開昭56−11
6003号公報に記載された反射防止膜が挙げられる。
また、本発明におけるコーティング組成物よりなる硬化
被膜は高屈折率膜として反射膜に使用することができ、
更に防曇、フォトクロミック、防汚等の機能性分を加え
ることにより、多機能膜として使用することもできる。
本発明はまた、プラスチック基材上に硬化被膜を形成さ
せるためのコーティング組成物であって、前述の(A)
金属酸化物コロイド粒子と、(B)有機ケイ素化合物
と、(C)一般式(I)で表されるフェノール系化合物
からなる密着性向上剤とを組み合わせてなるコーティン
グ組成物をも提供する。このコーティング組成物として
は、前記のコーティング組成物I及びIIを挙げることが
できる。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定され
るものではない。なお、各例で得られた光学基材におけ
る硬化被膜と光学基材との密着性は、下記の要領に従っ
て評価した。硬化膜に1.5mm間隔で100目クロスカ
ットし、このクロスカットした所に粘着テープ(商品
名:セロテープ ニチバン(株)製品)を強く貼り付け
た後、粘着テープを急速に剥がした後の硬化膜の剥離の
有無を調べた。 製造例変性酸化第二スズ−酸化ジルコニウム ケイ素複合体メタノール水性ゾルの製造 <酸化第二スズ水性ゾルの調製>金属スズ粉末と塩酸水
溶液と過酸化水素水溶液との反応により得られた比重
1.420、pH0.40、撹拌直後の粘度32mPa
・s、SnO2 含量33.0重量%、HCl含量2.5
6重量%、電子顕微鏡による紡錘状コロイド粒子径10
nm以下、BET法による粒子の比表面積120m2
g、この比表面積からの換算粒子径7.2nm、米国コ
ールター社製N4 装置による動的光散乱法粒子径107
nm、淡黄色透明の酸化第二スズ水性ゾル1200gを
水10800gに分散させた後、これにイソプロピルア
ミン4.8gを加え、次いで、この液を水酸基型陰イオ
ン交換樹脂充填のカラムに通すことにより、アルカリ性
の酸化第二スズ水性ゾル13440gを得た。このゾル
は、安定であり、コロイド色を呈しているが、透明性が
非常に高く、比重1.029、pH9.80、粘度1.
4mPa・s、SnO2 含量2.95重量%、イソプロ
ピルアミン含量0.036重量%であった。
【0022】(a)工程 試薬のオキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2 ・8H2
O)を水に溶解して調製したオキシ塩化ジルコニウム水
溶液(ZrO2 として2.0重量%)3043g(Zr
2 として60.87g含有する。)に撹拌下に、室温
で、上記調製したアルカリ性の酸化第二スズ水性ゾル1
0791g(SnO2 として409.5g)を添加し、
二時間撹拌を続行した。混合液はZrO2 /SnO2
量比0.15、pH1.50でコロイド色を有する透明
性の良好なゾルであった。 (b)工程(酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合ゾル
の作製) (a)工程で調製した混合液を撹拌下に、90℃で5時
間加熱処理を行い、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複
合ゾル13834gを得た。このゾルはSnO 2 として
2.96重量%、ZrO2 として0.44重量%、Sn
2 +ZrO2として3.40重量%、pH1.45
で、粒子径9.0nm、コロイド色を有するが、透明性
は良好であった。
【0023】(c)工程(酸化タングステン−酸化第二
スズ−二酸化珪素複合ゾルの作製) 3号珪そう(SiO2 として29.0重量%含有す
る。)113gを水2353.7gに溶解し、次いで、
タングステン酸ナトリウムNa2 WO4 ・2H2 O(W
3 として71重量%含有する。)33.3gおよびス
ズ酸ナトリウムNaSnO3 ・H2 O(SnO2 として
55重量%含有する。)42.45gを溶解する。次い
でこれを水素型陽イオン交換樹脂のカラムに通すことに
より酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪
素複合ゾル(pH2.1、WO3 として0.75重量
%、SnO2 として0.75重量%、SiO2 として
1.00重量%を含有し、WO3 /SnO2 重量比1.
0、SiO2 /SnO2 重量比1.33であり、粒子径
2.5nmであった。)3150gを得た。
【0024】(d)工程 (c)工程で調製した酸化タングステン−酸化第二スズ
−二酸化珪素複合ゾル3150g(WO3 +SnO2
SiO2 として78.83gを含有する。)に撹拌下
に、室温で(b)工程で調製した酸化第二スズ−酸化ジ
ルコニウム複合ゾル11592.6g(ZrO2 +Sn
2 として394.1g含有する。)を20分で添加
し、30分間撹拌を続行した。得られた混合液は酸化第
二スズ−酸化ジルコニウム複合コロイド(ZrO2 +S
nO2 )と酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化珪
素複合コロイド(WO3 +SnO2 +SiO2 )の比は
(WO 3 +SnO2 +SiO2 )/(ZrO2 +SnO
2 )重量比0.20、pH2.26、全金属酸化物3.
2重量%であり、コロイド粒子のミクロ凝集による白濁
傾向を示した。
【0025】(e)工程(変性酸化第二スズ−酸化ジル
コニウム複合ゾルの完成) (d)工程で得た混合液14742.6gにジイソブチ
ルアミンを9.5g添加し、次いで水酸基型陰イオン交
換樹脂(アンバーライト410)を充填したカラムに室
温で通液、次いで80℃で1hr加熱熟成することによ
り変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合水性
ゾル(希薄液)16288gを得た。このゾルは全金属
酸化物2.90重量%、pH10.43で、コロイド色
は呈するが透明性は良好であった。 (e)工程で得られた変性された酸化第二スズ−酸化ジ
ルコニウム複合水性ゾル(希薄液)を、分画分子量5万
の限外濾過膜の濾過装置により室温で濃縮し、高濃度の
変性された酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合水性ゾ
ル2182gを得た。このゾルはpH8.71、全金属
酸化物(ZrO2 +SnO2 +WO3 +SiO2 )1
8.3重量%で、安定であった。上記高濃度の変性され
た酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合水性ゾル218
2gに撹拌下に、室温で酒石酸4.0g、ジイソブチル
アミン6.0g、消泡剤(サンノプコ社製SNディフォ
ーマー483)1滴を加え、1時間撹拌した。このゾル
を攪拌機付き反応フラスコで常圧下、メタノール20リ
ットルを少しずつ加えながら水を留去することにより、
水性ゾルの水をメタノールで置換した変性された酸化第
二スズ−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル1171
gを得た。このゾルは比重1.124、pH7.45
(水との等重量混合物)、粘度2.3mPa・s、全金
属酸化物(ZrO2 +SnO2 +WO3 +SiO2 )3
2.7重量%、水分0.47重量%、電子顕微鏡観察に
よる粒子径は10〜15nmであった。このゾルはコロ
イド色を呈し、透明性が高く、室温で3ケ月放置後も沈
降物の生成、白濁、増粘などの異常は認められず安定で
あった。またこのゾルの乾燥物の屈折率は1.76であ
った。
【0026】実施例1 (1)コーティング組成物の調製 5℃雰囲気下、(B)成分であるγ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン15重量部と、(A)成分であ
る製造例で得られた変性酸化第二スズ−酸化ジルコニウ
ムケイ素複合体メタノールゾル49重量部を混合し、1
時間攪拌した。その後、0.001モル/リットル塩酸
3.5重量部を添加し、50時間攪拌した。その後、溶
媒としてプロピレングリコ−ルモノメチルエーテル30
重量部、アルミニウムアセチルアセトネート0.6重量
部、(C)成分として2−メチル−5 −イソプロピルフ
ェノール0.2重量部を添加し80時間攪拌した。得ら
れた混合液を0.5μmのフィルターでろ過したものを
コーティング組成物とした。 (2)硬化被膜の形成 基材前処理を何ら行っていないプラスチックレンズ基材
(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率
1.60)を用いて、該基材に前記コーティング組成物
を塗布し、120℃、60分間の条件で硬化を行って、
硬化被膜を形成し、光学部材を得た。その結果、硬化被
膜と光学基材との密着性に優れた光学部材が得られた。
【0027】実施例2 (1)コーティング組成物の調製 (A)成分を固形分量が同じになるように特開平6−2
5603号公報に記載されている酸化第二スズ−酸化ジ
ルコニウム複合体ゾルに変え、(C)成分として3−メ
チルフェノールを用いた以外は、すべて実施例1と同様
にしてコーティング組成物の調製を行った。 (2)硬化被膜の形成 基材前処理を何ら行っていないプラスチックレンズ基材
(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率
1.60)を用いて、該基材に前記コーティング組成物
を塗布し、120℃、60分間の条件で硬化を行って、
硬化被膜を形成し、光学部材を得た。その結果、硬化被
膜と光学基材との密着性に優れた光学部材が得られた。 実施例3 (1)コーティング組成物の調製 (A)成分を固形分量が同じになるように特開平6−2
5603号公報に記載されている酸化第二スズ−酸化ジ
ルコニウム複合体ゾルに変えた以外は、すべて実施例1
と同様にしてコーティング組成物の調製を行った。 (2)硬化被膜の形成 基材前処理を何ら行っていないプラスチックレンズ基材
(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率
1.60)を用いて、該基材に前記コーティング組成物
を塗布し、120℃、60分間の条件で硬化を行って、
硬化被膜を形成し、光学部材を得た。その結果、硬化被
膜と光学基材との密着性に優れた光学部材が得られた。
【0028】実施例4 (1)コーティング組成物の調製 (A)成分として固形分量が同じになるように水分散二
酸化ケイ素微粒子ゾルに変えた以外は、すべて実施例1
と同様にしてコーティング組成物の調製を行った。 (2)硬化被膜の形成 基材前処理を何ら行っていないプラスチックレンズ基材
(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率
1.50)を用いて、該基材に前記コーティング組成物
を塗布し、120℃、60分間の条件で硬化を行って、
硬化被膜を形成し、光学部材を得た。その結果、硬化被
膜と光学基材との密着性に優れた光学部材が得られた。 実施例5 (1)コ−ティング組成物の調製 (B)成分として、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシランを用いた以外は. すべて実施例1と
同様にしてコ−ティング組成物の調製を行った。 (2)硬化被膜の形成 基材前処理を何ら行っていないプラスチックレンズ基材
(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率
1.50)を用いて、該基材に前記コーティング組成物
を塗布し、120℃、60分間の条件で硬化を行って、
硬化被膜を形成し、光学部材を得た。その結果、硬化被
膜と光学基材との密着性に優れた光学部材が得られた。
【0029】比較例1 (1)コーティング組成物の調製 (C)成分を用いなかった以外は、実施例1と同様にし
てコーティング組成物の調製を行った。 (2)硬化被膜の形成 アルカリ処理(60℃の10重量%NaOH水溶液中
に、超音波28kHzをかけて180秒間レンズを浸漬)
を行ったプラスチックレンズ基材(ホーヤ(株)製、眼
鏡用プラスチックレンズ、屈折率1.60)を用いて、
実施例1と同様にして硬化被膜を有する光学部材を得
た。その結果、良好な密着性は得られたが作業は煩雑な
ものであった。
【0030】比較例2 (1)コーティング組成物の調製 比較例1と同様のコーティング組成物を用いた。 (2)硬化被膜の形成 プラズマ処理(使用ガス:酸素、ガス流量:50cc/
min,出力:200W、処理時間:60秒間)を行っ
たプラスチックレンズ基材(ホーヤ(株)製、眼鏡用プ
ラスチックレンズ、屈折率1.60)を用いて、実施例
1と同様にして硬化被膜を有する光学部材を得た。その
結果、良好な密着性は得られたが作業は煩雑なものであ
った。 比較例3 (1)コーティング組成物の調製 (C)成分を用いなかった以外は実施例1と同様にして
コーティング組成物の調製を行った。 (2)硬化被膜の形成 何ら前処理を行なっていないプラスチックレンズ基材
(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率
1.60)を用いて、実施例1と同様にして硬化被膜を
有する光学部材を得た。その結果、良好な密着性は得ら
れなかった。以上の結果を第1表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】第1表から分かるように、実施例1〜5の
硬化被膜は、各種の前処理を施さなくとも光学基材との
密着が良好である。これに対して、比較例1、2 のもの
は密着性を発現するために前処理装置を必要とし、この
前処理工程により工程の煩雑さを招き、比較例3のもの
は密着性を有しなかった。 実施例6 <コーティング剤の調製>5℃雰囲気下、(B)成分で
あるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15
重量部と、(A)成分である変性酸化第二スズ−酸化ジ
ルコニウムケイ素メタノール複合体ゾル49重量部を混
合し、1時間攪拌した。その後、0.001モル/リッ
トル塩酸3.5重量部を添加し、50時間攪拌を行っ
た。その後、溶媒として、プロピレングリコ−ルモノメ
チルエーテル30重量部、硬化触媒としてアルミニウム
アセチルアセトネート0.6重量部を添加し80時間攪
拌した。得られた溶液を0.5μmのフィルターでろ過
したものをコーティング剤とした。水100重量部にフ
ェノール5重量部を溶解した水溶液に、何ら前処理を行
っていないプラスチックレンズ基材(ホーヤ(株)製、
眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率1.60)を水溶液
温度50℃、1時間の条件で光学基材を浸漬した。その
後、アルカリ処理を行わずに、プラスチックレンズ基材
に上記コーティング剤を塗布し、120℃、60分間硬
化して光学部材を作製した。その結果、硬化被膜と光学
基材との密着性に優れた光学部材が得られた。
【0033】実施例7 n−ブタノール100重量部に、(C)成分である3−
メチルフェノール10重量部を溶解した溶液に、溶液温
度20℃、2時間にて、何ら前処理を行っていないプラ
スチックレンズ基材(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチ
ックレンズ、屈折率1.60)を漬浸した後、実施例6
と同様の硬化被膜を施した。その結果、硬化被膜と光学
基材との密着性に優れた光学部材が得られた。 実施例8 n−ブタノール100重量部に、(C)成分である3−
メチルフェノール10重量部を溶解した溶液に、何ら前
処理を行っていないプラスチックレンズ基材(ホーヤ
(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率1.6
0)を溶液温度20℃、28MHzの超音波をかけて2時
間浸漬した。その後(A)成分を固形分量が同じになる
ように特開平6−25603号公報に記載されている酸
化第二スズ−酸化ジルコニウム複合体ゾルに変えた以外
は、実施例6と同様のコーティング剤に、レンズを漬浸
したのち、硬化させて硬化被膜を施した。その結果、硬
化被膜と光学基材との密着性に優れた光学部材が得られ
た。
【0034】実施例9 nブタノール100重量部に(C)成分である2−メチ
ル−5 −イソプロピルフェノール5重量部を溶解した水
溶液に、何ら前処理を行っていないプラスチックレンズ
基材(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈
折率1.60)を水溶液温度50℃、1時間浸漬した
後、実施例6と同様の硬化被膜を施した。その結果、硬
化被膜と光学基材との密着性に優れた光学部材が得られ
た。 実施例10 nブタノール100重量部に(C)成分である2−メチ
ル−5 −イソプロピルフェノール5重量部を溶解した水
溶液に、何ら前処理を行っていないプラスチックレンズ
基材(ホーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈
折率1.60)を水溶液温度50℃、1時間にて浸漬し
た後、実施例8と同様の硬化被膜を施した。その結果、
硬化被膜と光学基材との密着性に優れた光学部材が得ら
れた。
【0035】比較例4 何ら前処理を行っていないプラスチックレンズ基材(ホ
ーヤ(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ、屈折率1.
60)を(C)成分溶液に浸漬することなしに、該基材
に実施例6記載のコーティング剤を塗布し、実施例6と
同様の硬化条件で、硬化被膜を施した。その結果、硬化
被膜と光学基材との密着性は良好ではなかった。 比較例5 前処理として、プラズマ処理(プラズマ処理条件 使用
ガス:酸素、ガス流量:50cc/ min、出力:20
0W、処理時間:60秒間)を行った以外は、すべて比
較例4と同様にして、硬化被膜を施した。その結果、硬
化被膜と光学基材との密着性は良好であったが、プラズ
マ装置を必要とし、作業上効率の良い方法ではなかっ
た。以上の結果を第2表に示す。
【0036】
【表2】
【0037】第2表から分かるように、実施例6〜10
の硬化被膜は、物理的処理を施さなくとも光学基材との
密着性が良好である。これに対して、比較例5のものは
密着性を発現するために前処理装置を必要とし、この前
処理工程により工程の煩雑さを招き、比較例4のものは
密着性を発現しなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチック光学基材
に密着性向上のために通常行われている処理を施すこと
なく、その表面に耐擦傷性や審美性などの各種機能を付
与するための硬化被膜を密着性よく設けてなる光学部材
を容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 183/14 C08L 101:00 // C08L 101:00 G02B 1/10 Z (56)参考文献 特開 平6−25603(JP,A) 特開 昭57−177052(JP,A) 特開 昭56−86951(JP,A) 特開 平9−21901(JP,A) 特開 平10−306258(JP,A) 特開 平8−113760(JP,A) 特開 平5−78616(JP,A) 特開 平4−213338(JP,A) 特公 昭61−33868(JP,B1) 特公 昭63−37142(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 10/00 C09D 101/00 - 201/10 C09J 1/00 - 5/10 C09J 9/00 - 201/10 C09J 7/04 - 7/06 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16 G02B 1/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック光学基材表面に硬化被膜を
    有する光学部材であって、記硬化被膜が、(A)金属
    酸化物コロイド粒子と、(B)有機ケイ素化合物と、
    (C)一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、pは1又は
    2を示し、Rが2つある場合、2つのRはたがいに同一
    でも異なっていてもよい。)で表されるフェノール化合
    物からなる密着性向上剤とを組み合わせたコーティング
    組成物を用いて形成されたものであることを特徴とする
    硬化被膜を有する光学部材。
  2. 【請求項2】(B)成分の有機ケイ素化合物が、一般式
    (II) (R1a (R3b Si(OR2 4-(a+ b) (II) (式中、R1 及びR3 はそれぞれ独立して、官能基を有
    する若しくは有しない炭素数1〜10の一価の炭化水素
    基、R2 は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10
    のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基又は炭素
    数1〜8のアシル基、a及びbはそれぞれ0又は1を示
    し、複数のOR2 はたがいに同一でも異なってもよ
    い。)で表される化合物、一般式(III) 【化2】 (式中、R4 及びR5 は、それぞれ独立して、官能基を
    有する若しくは有しない炭素数1〜5の一価の炭化水素
    基、X1 及びX2 は、それぞれ独立して、炭素数1〜4
    のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基、Yは炭素
    数1〜20の二価の炭化水素基、m及びnはそれぞれ0
    又は1を示し、複数のOX1 はたがいに同一でも異なっ
    ていてもよく、また、複数のOX2 はたがいに同一でも
    異なっていてもよい。)で表される化合物及びそれらの
    加水分解物の中から選ばれる少なくとも一種である請求
    項1記載の硬化被膜を有する光学部材。
  3. 【請求項3】コーティング組成物が、(B)成分の有機
    ケイ素化合物100重量部当り、(A)成分の金属酸化
    物コロイド粒子を、固形分として1〜500重量部の割
    合で含み、(C)成分のフェノール系化合物を0.01〜
    10重量部の割合で含むものである請求項1又は2記載
    の硬化被膜を有する光学部材。
  4. 【請求項4】(A)成分の金属酸化物コロイド粒子が、
    酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化ス
    ズ、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化
    セリウム及びこれらの複合酸化物の微粒子の中から選ば
    れる少なくとも一種である請求項1,2又は3記載の硬
    化被膜を有する光学部材。
  5. 【請求項5】(C)成分のフェノール系化合物におい
    て、一般式(I)におけるRが炭素数1〜4のアルキル
    基である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化被膜を有
    する光学部材。
  6. 【請求項6】プラスチック光学基材の表面に、(A)金
    属酸化物コロイド粒子と、(B)有機ケイ素化合物と、
    (C)一般式(I)で表されるフェノール系化合物から
    なる密着性向上剤とを含むコーティング組成物を塗布し
    たのち、硬化処理することを特徴とする硬化被膜を有す
    る光学部材の製造方法。
  7. 【請求項7】(C)一般式(I) で表されるフェノール
    系化合物からなる密着性向上剤を含む水系溶液又は有機
    溶剤溶液中に、プラスチック光学基材を浸漬したのち、
    この基材表面に、(A)金属酸化物コロイド粒子と、
    (B)有機ケイ素化合物とを含むコーティング剤を塗布
    したのち、硬化処理することを特徴とする硬化被膜を有
    する光学部材の製造方法。
  8. 【請求項8】プラスチック基材上に硬化被膜を形成させ
    るためのコーティング組成物であって、(A)金属酸化
    物コロイド粒子と、(B)有機ケイ素化合物と、(C)
    一般式(I)で表されるフェノール系化合物からなる密
    着性向上剤とを組み合わせたことを特徴とする硬化被膜
    形成用コーティング組成物。
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