JP2610155B2 - 光学部品の反射防止処理液及び反射防止処理方法並びに反射防止処理光学部品 - Google Patents

光学部品の反射防止処理液及び反射防止処理方法並びに反射防止処理光学部品

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JP2610155B2 JP62506675A JP50667587A JP2610155B2 JP 2610155 B2 JP2610155 B2 JP 2610155B2 JP 62506675 A JP62506675 A JP 62506675A JP 50667587 A JP50667587 A JP 50667587A JP 2610155 B2 JP2610155 B2 JP 2610155B2
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裕久 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 背景技術 従来、光学部品における反射防止処理方法は、真空蒸
着、スパツタリング、イオンプレーテイング等のいわゆ
る乾式メツキ法により無機物(金属酸化物・フツ化物
等)を光学基材の表面に薄膜積層して行なう方法が主流
であつた。
しかし、これらの方法は、真空中で処理する為、被処
理物のサイズにも限界があり、又、コスト高にもなる。
このため、現在主に反射防止処理を利用している光学部
品は、比較的の高価な付加価値の高い製品に限られ、工
業的な汎用品についてはほとんど反射防止処理されてい
ないのが現状である。
そこで、無機ガラス基材の光学部品においては、米国
特許第2490662・4535026号明細書等に記載の様にケイフ
ツ化水素酸又はフツ酸水溶液のシリカ過飽和水溶液を用
いてガラス基板表面をエツチングする方法や、米国特許
4273826号明細書に記載の様にゾルーゲル過程により多
成分ガラス層を基板上に形成、該ガラス層をフツ酸によ
りエツチングする方法等が提案されている。また、実公
昭50−26277号には、四塩化ケイ素をブラウン管表面に
吹き付け、加熱硬化させることにより微細なシリカ粒子
を形成させ反射防止効果を有するブラウン管ガラスを製
造する方法が提案されている。
これらの方法は、低コストで反射防止処理をすること
ができるが、通常、プラスチツク基材には適用できない
とともに、反射防止膜の膜強度・密着性が、上記乾式メ
ツキ法で形成した場合に比して低く、即ち、耐磨耗性・
耐擦傷性に劣り、また素手で取り扱う場合は汚染し易い
という問題点があつた。
一方、プラスチツク基材に適用可能な反射防止処理方
法としては、特公昭58−46301・59−49501号公報等に
記載されている湿式浸漬法による薄膜積層法(上記乾式
メツキ法の場合と同様の原理)特開昭58−126502号等
に記載されている、塗膜にしたとき表面に微少な凹凸が
できるようなコロイド粒子が含まれている処理液を使用
するいわゆる塗膜法がある。
しかし、上記の方法の場合、薄膜を浸漬により2
層,3層と均一に積層形成(膜厚管理を含めて)すること
は、被処理物が大きな形状であつたり、曲率が大きかっ
たりすると非常に難しく、生産管理状問題が生じやす
い。そこで、本発明者は、生産管理の容易な上記の方
法に着目した。
上記におけるコロイド粒子は、コロイダルシリカ
(粒径1〜100nmのシリカ超微粒子を水またはアルコー
ル分散媒に分散せしめたゾルまたはこのゾルから分散媒
を除去した乾燥粉末)であり、無機ケイ素化合物(ケイ
酸)である上、コロイド同士の重合は、低温度(80〜13
0℃)ではほとんど進まない。このため、上記乾式メツ
キ法の場合に比して、膜強度が低く、汚れやすい(表面
が凹凸であるため)、基材に対しての密着が悪い等の問
題点があることが分かつた。
発明の開示 本発明の光学部品の反射防止処理液及び反射防止処理
方法並びに反射防止処理光学部品は、上記問題点を解決
する為に、下記の構成より成り立つ。
本発明の反射防止処理液は、珪酸エステルの加水分解
誘導物を塗膜成分の主成分とするものにおいて、珪酸エ
ステルの加水分解誘導物が珪酸エステルに対して化学当
量を超える加水分解水を加えた混合物を両者と相溶可能
な溶剤の存在下で加水分解させ、該加水分解終了後、さ
らに、pH3〜7に条件下でコロイド溶液化させたもので
あることを特徴とし、反射防止処理方法は、当該処理液
を浸漬塗りし、続いて加熱硬化させて、反射防止膜を形
成することを特徴とし、また、反射防止処理光学部品
は、当該反射防止膜を有することを特徴とする。
当該特徴により、本発明は、100℃前後の低温度で加
熱硬化させるだけで、反射防止膜の膜強度、耐汚染性、
及び基材に対する密着性等を大幅に向上させることが可
能となる。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の反射防止処理後における被処理物の
一例を示す概略断面図、 第2図は同じく他の例を示す概略断面図、 第3図は同じくさらに他の例を示す概略断面図であ
る。
発明を実施するための最良の形態 I.反射防止処理液の調製: 1)珪酸エステルからのコロイド溶液(第一成分)の調
製: ここで珪酸エステルとしては、下記一般式(A)で示
されるものを使用する。
(A)Si(OR1)4 (但し、R1は炭素数が1〜4のアルキル基,アルコキ
シアルキル基,アシル基である。) 具体的には、テトラメチルオルトシリケート、テトラ
エチルオルトシリケート、テトラn−プロピルオルトシ
リケート、テトラi−プロピルオルトシリケート、テト
ラn−ブチルオルトシリケート、テトラsec−ブチルオ
ルトシリケート等を挙げることができる。
加水分解: 上記珪酸エステル(テトラアルコキシシラン)1モル
に対して加水分解水6〜60モル(望ましくは12〜25モ
ル)を添加した混合物を両者と相溶可能な溶剤の存在下
で加水分解(通常,還流法により1〜2h)させる。当量
比で示すと、前者1当量に対して1.25〜15当量となる。
ここで、加水分解水は、純水でもよいが、本発明の加
水分解は、酸触媒の存在化で進行するので、通常、0.1
〜1Nの塩酸水を使用する。また、上記溶剤としては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、
酢酸メチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル、
グリコールエーテル等のエーテル類を挙げることがで
き、単独で又は混合して使用する。
珪酸エステルの加水分解反応の概要は、下記の如くで
あると推定される。
珪酸エステルの各アルコキシ基が加水分解されること
により、シラノール基になる。この、シラノール基は反
応性が非常に高いため、シラノール基相互あるいはシラ
ノール基とアルコキシ基とが縮合反応してシロキサン結
合が生成する。
上記において、加水分解水が5モル未満では、加水分
解を行なつたとき、後述のコロイド溶液化工程におい
て、反射防止に必要な粒径のコロイド粒子を有するもの
を得ることが出来ず、また、60モルを超えると、反射処
理膜の膜強度が低く、また、膜表面が乱反射して白つぽ
く濁る現象が発生し、しかも処理液寿命も短い。
なお、珪酸エステルとしてテトラエチルオルトシリケ
ートを使用する場合、重量単位に換算して表現すると、
珪酸エステル1重量部に対して加水分解水0.5〜5重量
部(望ましくは2〜4重量部)及び溶剤10〜94重量部と
なる。
コロイド溶液化: 加水分解終了後、溶液のpHを3〜7に調整し、必要と
する粒径のコロイド粒子が作られるまで還流を続行する
(通常5〜20h)。なお、pHが低いと還流時間が長く、p
Hが高いと短く、必要とするコロイド溶液を得るまでの
還流時間は、pHと逆比の関係にある。
通常、上記加水分解後は、溶液のpHは、1.5〜2.5の範
囲にあるので、アンモニア水等を添加してpH調製を行な
う。
溶液のpHが3未満になるとコロイド粒子が出来にく
く、また、pHが7を超すと、急激に安定性が悪くなりゲ
ル化するため、pH調整は厳格に行なう必要がある。この
ようにして調製されたコロイド溶液は、シラノール基含
有のケイ素化合物,シロキサン含有ケイ素化合物とコロ
イドとの混溶体と推定される(低温度で硬化可能とな
り、コロイダルシリカ単体と比較して、膜の密着性等に
おいて大幅に改善される)。
2)特定の珪素化合物の加水分解物(第二成分)及びコ
ロイダルシリカ(第三成分の添加: 上記1)で調製したコロイド溶液(第一成分)には下
記第二成分又は第三成分の一方又は双方を添加する。
第二成分は、下記一般式(B)で示される珪素化合物
の加水分解物であり、反射防止処理膜の膜性能(膜強度
・密着性・対汚染性)をさらに向上させるために添加す
る。
(但し、R1は炭素数が1〜6のアルキル基,ビニル
基、エポキシ基,メタクリルオキシ基,フエニル基であ
り、R2は炭素数1〜6のアルキル基,ハロゲン化アルキ
ル基であり、R3は炭素数1〜4のアルキル基,アルコキ
シアルキル基,アシル基であり、a及びbは、0,1又は
2であつて、a+b=1,2,3のいずれかである。) 一般式(B)で示される具体的な珪素化合物として
は、下記のものを例示できる。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、 ビニルトリメトキシシラン、 メチルトリメトキシシラン、 メチルトリエトキシシラン、 メチルトリメトキシエトキシシラン、 メチルトリアセトキシシラン、 メチルトリプトキシシラン、 メチルトリプロポキシシラン、 グリシドキシメチルトリメトキシシラン、 グリシドキシメチルトリエトキシシラン、 α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、 α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、 β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、 β−グエシドキシエチルトリエトキシシラン、 α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、 β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラ
ン、 γ−グリシドキシプロピルトリフエノキシシラン、 α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、 α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、 β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、 β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、 γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、 γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、 δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、 δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、 (3.4−エポキシシクロヘキシル) メチルトリメトキシシラン、 (3.4−エポキシシクロヘキシル) メチルトリエトキシシラン、 β−(3.4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、 β−(3.4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリエトキシシラン、 β−(3.4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリプロポキシシラン、 β−(3.4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリブトキシシラン β−(3.4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシエトキシシラン、 β−(3.4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリフエノキシシラン、 γ−(3.4−エポキシシクロヘキシル) プロピルトリメトキシシラン、 γ−(3.4−エポキシシクロヘキシル) プロピルトリエトキシシラン、 δ−(3.4−エポキシシクロヘキシル) ブチルトリメトキシシラン、 δ−(3.4−エポキシシクロヘキシル) ブチルトリエトキシシラン、 グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、 グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、 α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、 α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、 β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、 β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、 α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、 α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、 β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン、 γ−グリシドキシプロピルメチルジプトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシ
シラン、 γ−グリシドキシプロピルメチルジフエノキシシラ
ン、 γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルフエニルジメトキシシラ
ン、 γ−グリシドキシプロピルフエニルジエトキシシラ
ン、 エチルトリメトキシシラン、 エチルトリエトキシシラン、 ビニルトリメトキシシラン、 ビニルトリエトキシシラン、 ビニルトリアセトキシシラン、 ビニルトリメトキシエトキシシラン、 フエニルトリエトキシシラン、 フエニルトリアセトキシシラン、 γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、 γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、 γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、 クロロメチルトリメトキシシラン、 クロロメチルトリエトキシシラン、 ジメチルジメトキシシラン、 フエニルメチルジメトキシシラン、 ジメチルジエトキシシラン、 フエニルメチルジエトキシシラン、 γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、 γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、 ジメチルジアセトキシシラン、 γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、 γ−メタクロオキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、 メチルビニルジメトキシシラン、 メチルビニルジエトキシシラン等。
これらの珪素化合物の選択は基材の種類及び基材の上
のハードコート膜の種類により決定される。
第三成分は、コロイダルシリカであり、反射処理膜の
膜強度を上昇させるために適宜添加する。コロイダルシ
リカとは、安定シリカゾルのことで、通常SiO2濃度10〜
30%、粒径10〜100μmのものが望ましい。
そして、これらの第二成分及び第三成分の第一成分に
対する添加量は、固形分比で略等量以下とする。
3)処理液の調製: 上記2)で調製した処理液は、通常被処理物に塗布す
る為には粘度が高すぎて適さず、被処理物の形状及び大
きさにより、必要な粘度,比重,ぬれ性を得るために、
適宜溶剤及び界面活性剤を添加し、さらには、塗膜の硬
化速度を速くするために触媒を添加して最終調製を行な
う。
通常、処理液中の塗膜成分(固形分)が0.5〜5重量
%の範囲となる。
上記溶剤としては、イソプロピルアルコール、エチル
セロソルブ、メチルアルコール等のアルコール系低沸点
のものが適当であるが、これらに限定されるものではな
い。
上記界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤の
非イオン系:ジメチルシロオキサンとアルキレンオキシ
ドのブロツク又はグラフト共重合体及びフツ素系界面活
性剤の非イオン系のもの等を挙げることが出来る。
上記触媒としては、シリコン系縮合触媒と同様の下記
に例示のものが使用出来る。
酸類: リン酸,塩酸,硫酸,酢酸,アクリル酸,酒石酸,修
酸,マレイン酸,没食子酸,クエン酸等。
塩基類: 炭酸塩類: ナトリウム,カリウム,アンモニウム等。
ホウフツ化塩類: ナトリウム,カリウム,アンモニウム等。
有機金属塩類: オクチル酸錫,ラウリル酸錫,ジブチル錫ジアセテー
ト,ジブチル錫ラウレート,ジブチル錫ジアセテート
等。
有機カルボン酸類: 酢酸,ナフテン酸,カプリル酸,安息香酸,サルチル
酸,ステアリル酸等。
有機多価カルボン酸類: マレイン酸,無水マレイン酸,フマル酸,イタコン
酸,無水イタコン酸,シトラコン酸,テトラヒドロフタ
ル酸,無水ナジン酸,クロロマイレン酸,ヘツト酸,ト
リメリツト酸,無水トリメリツト酸,ピロメリツト酸,
無水ピロメリツト酸等。
有機カルボン酸及び多価カルボン酸塩類: アミン類:3級及び4級アミン類: ジシアンジアミド,イミダゾール化合物等。
アセチルアセトン金属塩類: 亜鉛,コバルト,鉄,クロム,アルミニウム等の金属
塩。
チタネートエステル類: テトラプロピルチタネート,テトラブチルメチタネー
ト等。
アルミニウムアルコキシド類: II.反射防止処理液の使用方法 1)ガラス及びプラスチック透明基材の片面又は両面
に、上記Iで調製して得た反射防止処理液を塗布、加熱
硬化(熱重合)させ、反射防止膜を形成する。
上記プラスチック透明基材としては、ボリジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート(CR−39)、ポリメ
チルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)
等を挙げることができる。また、プラスチック透明基材
の場合は、表面硬度が小さく耐擦傷性に劣るため、両面
又は片面に、ポリシロキサン系,アクリルポリマー系,
メラミン系,ポリエステル系,ポリウレタン系及びこれ
らの誘導体から選ばれる一種又は二種以上でハードコー
ト処理されているものを使用することが望ましい。
塗布方法は、浸漬液下げ方式,浸漬引き上げ方式,ス
ピンコート方式等の浸漬塗りとするが、他の塗布方法、
たとえば、スプレーコート,フローコート,コールコー
ト等であってもよい。また塗布量は、乾燥膜厚で、0.1
〜0.7μmとなるような量とする。
塗膜硬化の加熱条件は、主として基材の耐熱性により
決るが、通常、プラスチック基材の場合、100℃前後、
ガラス基材の場合、120℃前後、でそれぞれ、1〜2hと
する。
2)上記のようにして基材上に形成された反射防止膜
の表面には、耐汚染性,耐磨耗性,耐水性等を向上させ
るため下記各一般式(C),(D),(E)で示される
滑性付与ケイ素化合物を塗布・加熱して、上記1)で得
られた反射効果を低減させない程度の薄膜(20〜100
Å)を形成させて、滑性処理を行なうことが望ましい。
(但し、R1は炭素数1〜4のアルキル基,アルコキシ
アルキル基,アシル基であり、aは1〜4,bは1〜7の
整数である。) (但し、R1、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基,ヒド
ロキシ基,アミノ基,ビニル基,メタクロキシ基,エポ
キシ基,カルボキシル基であり、R1、R2は同一基又は異
なつた基でもよい。aは0〜10の整数である。) (E) F3C−(CF2)a−(R1)−Si−(OR2)3 (但し、R1は炭素数1〜4のアルキレン基,R2は炭素
数1〜4のアルキル基,アルコキシアルキル基,アシル
基である。aは1〜10の整数である。) 上記滑性処理における塗布方法は、上記1)同様、通
常、浸漬塗りとする。又加熱条件は、基材及び滑性処理
剤の種類により異なるが、通常,100℃前後で、5〜10分
とする。
本発明の反射防止処理液及び反射防止処理方法は、反
射防止膜に耐久性を要求される光学用レンズ(眼鏡用レ
ンズ,カメラレンズ等),TV用フイルター,計器類カバ
ーレンズ等に、反射防止膜を浸漬塗りで、かつ100℃前
後の低温加熱で形成可能となる。
次に、本発明の効果を確認するために行なつた参照
例、実施例、及び従来例について説明をする。
<参照例> (1)加水分解の条件: テトラアルコキシシランと水(酸度と添加量)の相関
について; テトラアルコキシシランとして、テトラエチルオルト
シリケート(キシダ化学製)を93g、溶剤としてメチル
アルコール、加水分解水(以下「水」と略すことがあ
る)として、塩酸濃度0,10-3,10-2,1Nと、添加量を23
g,50g,100g,200g,400gを取り、各々添加して還流により
加水分解反応を行う。なお、還流時間は2時間と規定し
た。
処理条件: 被処理物;CR−39板 (7cm×7cm×2mm) 塗布方法;浸漬引き上げ法 加熱条件;100℃×1時間 上記条件で板半分を塗布し、乾燥後、反射色、透
過率、処理膜外観、処理液寿命の各試験項目につい
て判定をした。
膜性能試験方法 反射色;卓上蛍光灯(15W)から30cmの距離に、CR−3
9板を手で持ち反射し易い角度にセツトし無処理部、処
理部の反射色をそれぞれ見る。
透過率;550nmの波長を使い、無処理部、処理部の透過
率をそれぞれ測定することにより、反射率の変化を見
る。
処理膜外観;目視判定により、タレ等コート膜の影響
(コート膜の外観) 液寿命;コート液作成時から2週間室温に放置し、液
の特性が変化するかを見る。(コート液を500mlガラス
ビンに250ml取り、中蓋、外蓋をし室温放置)。
第1表に各項目の試験結果を示す。
反射率変化を示すから、加水分解水の酸濃度0〜1
N,水添加量50g〜400gの範囲が、塗膜にした時の外観
(処理液の塗りやすさ)を示すから水添加量23g〜200
gの範囲が、処理液寿命を示すから酸濃度0〜10-2
の範囲にあることがそれぞれ要求されることが分る。
〜の総合的評価から、加水分解水の酸濃度及び添加量
は、それぞれ、10-3〜10-2N、100〜200g(モル換算
で、12〜25モル)が適正と判断されるが、添加量は50〜
500g(モル換算で、6.22〜62.22モル)でも可能であ
る。この段階ではコロイド溶液化されていないが、塗膜
の屈折率が基材より低い為、反射防止効果がある。平均
の膜厚0.5±0.1μである。
(2)コロイド溶液化;加水分解物とpHの相関につい
て: まず、テトラエチルオルトシリケート93g,メチルアル
コール632g,水100g(酸濃度10-2NHClを添加して、還流
を2時間続けて加水分解物を得た。珪素分重量残査3.2w
t%であった。
この加水分解物のpHを2.0〜7.0まで、pH1ピツチで変
化させ7種類調製し(但し、pH調整は、酢酸とアンモニ
ア水をメタノール希釈して使用)、コロイド溶液化(液
の白濁)されるまで還流を続行した。この結果をpHと還
流時間,初期粘度(pH調整後)と終期粘度(還流後),
透明度(還流後)の各試験項目について判定をした。
第2表にそれらの試験結果を示す。
pH2で加水分解をした場合は、144時間還流を続けても
液は透明で、粘度もあまり変化していない。ところが、
pH2からpHを上昇させるに従い白濁現象(コロイド溶液
化)するまでの還流時間が加速度的に短くなることが分
る。pH7以上においてはすぐゲル化してしまい、反応制
御が非常に難しいことが分る。なお、pH3,4,5で加水分
解還流して得た各コロイド溶液について、コロイドの粒
径をコールター社(米国)製の“ColterN4A"(商品名)
を用いたレーザー散乱法により測定して結果、10nmと50
nmより構成されていることが実測された。
(3)処理液調整について: 上記(2)で得たコロイド溶液は、粘度が高くて、塗
布するときタレが発生して、反射色のムラ(干渉色)が
発生する為、各溶剤により希釈する事により、タレひい
ては干渉色の発生を無くす必要がある。
上記(2)においての加水分解pH4で得たコロイド溶
液を500g採取し、該コロイド溶液に第3表に示す各溶剤
を表示の量添加して各処理液を調製した。
下記処理条件で、上記(1)と同一条件のCR−39基板
に各処理液を塗布して各試験片を得た。
処理条件;浸漬引き上げ方式 こうして得た各試験について、上記(1)と同様にし
て膜性能試験を行なつた。
それらの試験結果を第3表に示す。なお、透過率の欄
は、処理部透過率のみ表示した(無処理部の透過率はい
ずれも92%)。第3表から、良好な塗り性を得るには、
コロイド溶液500gに対して、少なくとも、溶剤200〜300
g添加する必要があることが分る。
<実施例> 第1〜3図はそれぞれ、反射防止処理後の各実施例の
モデル図であり、第1図は実施例1・5に、第2図は実
施例2・3・6に、第3図は実施例7・8にそれぞれ対
応する。なお、図例中、1は透明基材、3は反射防止
膜、5はハードコート、7は滑性処理層である。
(1)実施例1: この処理液は、下記,,の工程により調製をし
た。
加水分解;テトラエチルオルトシリケート93g、メチ
ルアルコール632g,水(塩酸濃度10-2N)100gを混合
し、還流時間を2時間とする。
コロイド溶液化;の加水分解終了後pHを4に調整
し、還流を14時間続行する。
液調製;のコロイド500gに対してイソプロピルアル
コール500gを添加する。
こうして調製した処理液を、ガラス板(30×30×0.2c
m)に上記参照例におけるのと同様の条件で塗布し、100
℃×1時間加熱して反射防止処理を施した。
(2)実施例2: 実施例1で調製した処理液1000重量部にメチルトリメ
トキシシラン加水分解物[メチルトリメトキシシラン15
重量部,メチルアルコール30重量部,水(10-2NHCl)15
重量部を添加攪拌]60重量部を添加し、24時間室温で攪
拌する。さらにシリコーン系界面活性剤10%、イソプロ
ピルアルコール希釈液を10ml添加し、反射防止処理液と
した。
あらかじめ、ハードコート(特許1313933号の実施例1
7に記載方法)を施したCR−39(度数0.00)レンズに反
射防止コート液を浸漬引き上げ方式[浸漬30秒,引き上
げ速度100mm/2分30秒,液温10℃]で塗布し、100℃×1
時間加熱して反射防止処理を施した。
(3)実施例3: あらかじめ実施例1で調製した処理液1000重量部に、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン加水分解
物[γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15重
量部,メチルアルコール30重量部,水(10-2N塩酸)15
重量部を添加攪拌]60重量部を添加し、24時間室温で攪
拌する。さらにフツ素系界面活性剤10%メチルアルコー
ル希釈液を10ml添加し、反射防止コート液とした。あら
かじめハードコート(特許1313933号の実施例4に記載
されている方法)を施したPCサングラスレンズ(射出成
形品)に反射防止処理液を浸漬引き上げ法[浸漬30秒,
引き上げ速度120mm/2分30秒,液温10℃]で塗布し、110
℃×1時間加熱して反射防止処理を施した。
(4)実施例4: 実施例1で調製した処理液1000重量部に、ビニルトリ
メトキシシラン加水分解物[ビニルトリメトキシシラン
15重量部,メチルアルコール30重量部,水(10-2N塩
酸)15重量部を添加攪拌]60重量部を添加し、24時間室
温で攪拌する。さらにフツ素系界面活性剤10%エチルセ
ロソルブ希釈液を10ml1添加し、反射防止コート液とし
た。ガラス板(30×30×0.2cm)を浸漬液下げ方式[浸
漬30秒,液下げ速度100mm/2分30秒,液温10℃]で塗布
し、120℃×1時間加熱し、反射防止処理を施し、さら
に、ポリエトキシジメチルシロオキサンの加水分解物
[ポリエトキシジメチルシロオキサン:商品名AZ6301
(日本ユニカ製)5重量部,イソプロピルアルコール90
0重量部,水(10-2N塩酸)5重量部を添加攪拌し、24
時間放置]を浸漬引き上げ法[浸漬30秒,引き上げ速度
100mm/80秒,液温10℃]により塗布し、乾燥後、100℃
×5分間加熱して反射防止処理を施した。
(5)実施例5: テトラエチルオルトシリケート63g、メタノール632
g、水(塩酸濃度10-2N)100g、メタノールシリカゾル
(日産化学製;固形分30%)33gを添加し、還流を2時
間続行し、加水分解を終了後、さらに、pHを5に調整後
還流を7時間続行し、コロイド溶液化を行ない、イソプ
ロピルアルコール200g、メチルアルコール300gを添加
し、反射防止処理液とした。
こうして調製した処理液を、ガラス板(30×30×0.2c
m)に、浸漬引き上げ方式[浸漬時間30秒,引き上げ速
度35mm/1分間,液温10℃]により塗布し80℃×2時間加
熱して反射防止処理を施した。
(6)実施例6: あらかじめ実施例5で作成した処理液1000重量部に、
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン加水
分解物[γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン30重量部,メチルアルコール60重量部,水(10-2
塩酸)105重量部]を添加し、24時間室温で攪拌する。
さらに、シリコーン系界面活性剤10%,メチルアルコー
ル希釈液を10ml添加し、触媒として、アセチルアセトン
アルミニウムを2部添加し、反射防止処理液とした。あ
らかじめハードコート(特許1313933号の実施例3に記
載されている方法)を施したPCレンズ(射出成形品)80
mmレンズ両面にスピン塗布方法(回転数3000rpmでコー
トし、遠赤外線(ジヤード製インフラジエツトSF型面状
ヒーター)250Wで5分間処理後、オーブンで110℃×2
時間加熱し反射防止処理を施した。
(7)実施例7: あらかじめ実施例5で作成した処理液1000重量部にメ
チルトリメトキシシラン加水分解物[メチルトリメトキ
シシラン30重量部,メチルアルコール60重量部,水(10
-2NHCl)15重量部を添加攪拌]105重量部を添加し、24
時間室温で攪拌し、さらにフツ素系界面滑性剤10%、イ
ソプロピルアルコール希釈液を10ml添加し、反射防止処
理液とした。
あらかじめ、ハードコート(特許1313933号の実施例1
7に記載方法)を施したCR−39(度数0.00)70φレンズ
に反射防止処理液を浸漬引き下げ方式[浸漬30秒,引き
下げ速度100mm/2分30秒,液温10℃]で塗布し、100℃×
1時間重合し反射防止処理を施した。さらに、アルコキ
シ変性シリコーンオイル処理液[アルコキシ変性シリコ
ーンオイル;商品名YH1587(日本ユニカ製)5重量部,
メチルエチルケトン100重量部,フロンソルブ(フツ素
系洗浄剤(旭硝子製))600重量部を添加攪拌,24時間放
置]を浸漬引き上げ方式[浸漬30秒,引き上げ速度100m
m/80秒,液温10℃]により塗布し、100℃×5分間加熱
して滑性処理を施した。
(8)実施例8: 実施例7と同様に、CR−39レンズに反射防止処理を施
し、最終層をフルオロアルキルシラン;商品名xC95−47
0(東芝シリコーン製)5重量部、イソプロピルアルコ
ール100重量部,フロンソルブ(フツ素系洗浄剤(旭硝
子製)500重量部を添加攪拌,24時間室温で放置後コート
し、(50℃×5分間)乾燥加熱して滑性処理を施した。
(9)従来例1: イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカ(日産
化学(株)製;固形分30%)33重量部にイソプロピルア
ルコール300重量部添加した処理液を、あらかじめ洗浄
したCR−39平板に硬化膜厚が0.12μm(光学的膜厚0.17
μm)となる様、浸漬引き下げ方式[浸漬30秒,引き下
げ速度100mm/2分,液温10℃]で塗布し、120℃×1時間
熱風乾燥炉で処理を施した。
(10)従来例2: 水分散コロイダルシリカ(日産化学(株)製;固形分
20%:スノーテツクス−S)40部にメチルアルコール30
0部添加した処理液を、あらかじめ洗浄したCR−39平板
に硬化膜厚が0.1μmとなる様に浸漬引き下げ方式[浸
漬30秒,引き下げ速度100mm/2分30秒,液温10℃]で塗
布し120℃×1時間熱風乾燥炉で処理を施した。
(11)従来例3: テトラエチルオルトシリケート(キシダ化学(株)
製)15重量部にイソプロピルアルコール90重量部メチル
アルコール90重量部、水(10-2NHCl)5重量部を添加攪
拌し加水分解を行つて得た処理液を、あらかじめ洗浄し
たCR−39平板に硬化膜厚が0.1μmとなる様、浸漬引き
下げ方式[浸漬30秒,引き下げ速度100mm/2分30秒,液
温10℃]で塗布し120℃×1時間熱風乾燥炉で処理を施
した。
(12)従来例4: 従来例1で使用した処理液を用いて、あらかじめハー
ドコート(特許1313933号の実施例17に記載方法)を施
したCR−39(度数0.00)70φレンズに施した。
[処理条件:従来例1と同様] (13)従来例5: 従来例2で使用した処理液をあらかじめハードコート
(特許1313933号の実施例4に記載されている方法)を
施したPC(射出成形品)サングラスレンズに施した。
[処理条件:従来例2と同様] (14)従来例6: 従来例3で使用した処理液をあらかじめハードコート
(特許1313933号の実施例17に記載方法されている方
法)を施したCR−39(度数0.00)70φレンズに施した。
[処理条件:従来例3と同様] なお、各実施例・比較例における反射防止処理膜につ
いて、下記各項目の膜性能試験を行なつた。
膜性能試験方法: 耐磨耗性試験; #0000のスチールウールにより表面をこすり、次の様
に判定した。
A…殆ど傷つかない。
B…少しの傷がつく。
C…多くの傷がつく。
耐熱水性試験; 沸騰水の中に1時間浸漬し、浸漬前後の外観,反射色
の変化を見る。
A…反射色変化せず。
B…反射色が薄くなる。
C…反射色が変化する。
D…反射色が無くなる。
染色性試験−1 被処理物の半分に反射防止処理を施したものについて
の方法;92℃の温水100部に染料(三菱化成工業製;ブル
ー BGFS)0.4部と、界面活性剤(日本染化工業製;GNK
−01)0.4部を添加し、攪拌後30分浸漬し、未処理部、
反射防止コート部の染色性を見る。上段に反射防止コー
ト処理部の、下段に未処理部の各染色率をそれぞれ表示
する。
染色性試験−2 被処理物の全面に反射防止処理を施したものについ
て、染色性試験−1の方法にて、ニコン社製のボカシ染
め機械を使用して15分間ぼかし(ハーフ染色)を行い染
色性の良否を見る。
耐染色性試験 準備;染色性試験−2と同条件にてサンプルを造る。
方法;染色性試験−1の染色方法にて2時間染料に浸漬
して反射色の変化を見る。
密着性試験 JISD−0202に従い、桝目100個(1mm角)を造り、セロ
ハン粘着テープにより剥離試験を10回行ない残った桝目
の数で示す。
耐候性試験 JISL−1096に従い、200時間、400時間後の試験で反射
色の変化、反射防止膜の剥離等変化を見る。
反射防止性能試験 各被処理物の半分に反射防止処理を施したものについ
て、方法;自記分光光度計(日立、U3400型)を使用し
て波長550nmの反射処理部/無処理部の透過率を測定
し、反射防止性能を見る。
上記各試験結果を第4・5表に示す。なお、反射防
止性能試験の欄は、処理部透過率のみ表示した(無処理
部の透過率はCR−39、ガラス板のいずれも92%)。
第4・5表から、本発明の各実施例における反射防止
処理膜は、良好な膜性能を示すことが分る。
本願発明により、従来困難とされていた反射防止膜の
耐久性(耐熱,耐熱水性)を大幅に改善し、蒸着処理方
法に比べ、品物の形状に制限されにくい為、安価に反射
防止処理を施すことが出来る。
例えば、在来の眼鏡レンズ等(基材CR−39)に処理使
用されていた真空蒸着法の場合、耐熱、耐熱水性に対し
て蒸着膜のクラツク,蒸着膜の溶解により、反射色が変
化,無色等が発生したりするおそれがあり、また、蒸着
処理は、本来可能であるプラスチック基材に対する染色
を不可能とする。
ところが、本願発明は、反射防止処理膜の上からでも
染色が可能となり、使用者のニーズに広く対応出来る。
また、安価に出来る事により、各種計器類カバーレン
ズ,各種光学フイルターに適用が可能となつた。
,,の試験結果について: 実施例1・4・5については、基材がいずれもガラス
板であるため、染色性試験を行わなかった。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 Si(OR)4 (但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシア
    ルキル基、アシル基である。) で示される珪酸エステルの加水分解誘導物を塗膜成分の
    主成分とする反射防止処理液において、前記珪酸エステ
    ルの加水分解誘導物が、 前記珪酸エステル/加水分解=1/6〜1/60(モル比)の
    混合物を、両者と相溶可能な溶剤の存在下で加水分解さ
    せ、該加水分解終了後、さらに、pH3〜7の条件下でコ
    ロイド溶液化させたものであることを特徴とする光学部
    品の反射防止処理液。
  2. 【請求項2】前記塗膜成分として、前記珪酸エステルの
    加水分解生成物に、 下記一般式 (但し、R1は炭素数が1〜6のアルキル基、ビニル基、
    エポキシ基、メタクリロキシ基、フエニル基であり、R2
    は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で
    あり、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアル
    キル基、アシル基であり、a及びbは、0,1又は2であ
    つて、a+b=1,2,3のいずれかである。) で示される珪素化合物の加水分解物、及び コロイダルシリカの中から選ばれる一種又は二種以上が
    添加混合されていることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載の光学部品の反射防止処理液。
  3. 【請求項3】下記一般式 Si(OR)4 (但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシア
    ルキル基、アシル基である。) で示される珪酸エステルの加水分解誘導物を塗膜成分の
    主成分とする反射防止処理液を、光学基材の表面に塗布
    し加熱硬化させて、反射防止膜を形成する光学部品の反
    射防止処理方法において、 前記珪酸エステルの加水分解誘導物として、 前記珪酸エステル/加水分解水=1/6〜1/60(モル比)
    の混合物を、両者と相溶可能な溶剤の存在下で加水分解
    させ、該加水分解終了後、さらに、pH3〜7に条件下で
    コロイド溶液化させたものを使用することを特徴とする
    光学部品の反射防止処理方法。
  4. 【請求項4】前記塗膜成分として、前記珪酸エステルの
    加水分解誘導物に、 下記一般式 (但し、R1は炭素数が1〜6のアルキル基、ビニル基、
    エポキシ基、メタクリロキシ基、フエニル基であり、R2
    は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で
    あり、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアル
    キル基、アシル基であり、a及びbは、0,1又は2であ
    つて、a+b=1,2,3のいずれかである。) で示される珪素化合物の加水分解物、及び コロイダルシリカの中から選ばれる一種又は二種以上が
    添加混合されたものを使用することを特徴する特許請求
    の範囲第3項に記載の光学部品の反射防止処理方法。
  5. 【請求項5】前記反射防止処理膜の表面が、下記一般式
    (A),(B),(C)のいずれかで示される珪素化合
    物を含む処理コート液で滑性処理されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第3項又は第4項に記載の光学部
    品の反射防止処理方法。 (R1は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル
    基、アシル基であり、aは1〜4の、bは1〜7のそれ
    ぞれ整数である。) (R1、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基,ヒドロキシル
    基,アミノ基,ビニル基,メタクリロキシ基,エポキシ
    基,カルボキシル基であり、R1、R2は同一基または異な
    つた基であつてもよい。aは0〜10の整数である。) (C) F3C−(CF2)a−(R1)−Si−(OR2)3 (但し、R1は炭素数1〜4のアルキレン基、R2は炭素数
    1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル基
    であり、aは1〜10の整数である。)
  6. 【請求項6】下記一般式 Si(OR)4 (但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシア
    ルキル基、アシル基である。) で示される珪酸エステルの加水分解誘導物を塗膜成分の
    主成分とする反射防止処理液を、光学基材の表面に塗布
    し加熱硬化させて、反射防止膜を形成してなる反射防止
    処理光学部品において、 前記珪酸エステルの加水分解誘導物として、 前記珪酸エステル/加水分解水=1/6〜1/60(モル比)
    の混合物を、両者と相溶可能な溶剤の存在下で加水分解
    させ、該加水分解終了後、さらに、pH3〜7に条件下で
    コロイド溶液化させたものを使用することを特徴とする
    反射防止処理光学部品。
  7. 【請求項7】前記塗膜成分として、前記珪酸エステルの
    加水分解誘導物に、 下記一般式 (但し、R1は炭素数が1〜6のアルキル基、ビニル基、
    エポキシ基、メタクリロキシ基、フエニル基であり、R2
    は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で
    あり、R3は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアル
    キル基、アシル基であり、a及びbは、0,1又は2であ
    って、a+b=1,2,3のいずれかである。) で示される珪素化合物の加水分解物、及び コロイダルシリカの中から選ばれる一種又は二種以上が
    添加混合されたものを使用することを特徴する特許請求
    の範囲第6項に記載の反射防止処理光学部品。
  8. 【請求項8】前記反射防止処理膜の表面が、下記一般式
    (A),(B),(C)のいずれかで示される珪素化合
    物を含む処理コート液で滑性処理されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第6項又は第7項に記載の反射防
    止処理光学部品。 (R1は炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル
    基、アシル基であり、aは1〜4の、bは1〜7のそれ
    ぞれ整数である。) (R1、R2は炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ
    基、アミノ基、ビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ
    基、カルボキシル基であり、R1、R2は同一基または異な
    つた基であつてもよい。aは0〜10の整数である。) (C) F3C−(CF2)a−(R1)−Si−(OR2)3 (但し、R1は炭素数1〜4のアルキレン基、R2は炭素数
    1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル基
    であり、aは1〜10の整数である。)
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