JP2015065159A - リチウムイオン電池用外装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた印刷適性を有するリチウムイオン電池用外装材の提供。【解決手段】少なくとも1層の基材層と、第一の接着剤層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、接着性樹脂層または第二の接着剤層と、シーラント層とがこの順に積層してなる積層体から構成され、前記基材層側の表面に印刷が施されるリチウムイオン電池用外装材であって、前記基材層側の表面に、前記印刷に使用されるインクに含まれるインク溶媒の液滴を着滴させたときに、前記液滴の着滴から5秒後における接触角が10?以上30?以下であり、前記液滴の着滴から5秒間での接触角の変化が6?以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池用外装材に関する。
パソコン、携帯電話などの携帯端末装置、ビデオカメラなどに用いられる民生用途の二次電池として、高エネルギーながらも超薄型化、小型化が可能なリチウムイオン電池が盛んに開発されている。
リチウムイオン電池の外装材としては、従来の金属製の缶に代えて、軽量でかつ電池形状を自由に選択出来るという利点から、多層構成のラミネートフィルム(例えば、耐熱性を有する基材層/アルミニウム箔層/シーラント(熱融着フィルム)層のような構成)が用いられるようになっている。また、このようなラミネートフィルムを使用した外装材は、電池形状の自由度だけでなく、軽量で放熱性が高く、更に低コストであることから、近年発展の著しい、環境負荷の小さいハイブリッド車、電気自動車のバッテリーへの適用も試みられている。
ラミネートフィルムタイプの外装材を用いたリチウムイオン電池は、例えば、上述したラミネートフィルムを冷間成形により深絞りした成形品中に、電池本体部分として正極材、負極材、およびセパレータと共に、電解液、もしくは該電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層が収容され、ヒートシールにより熱封止されて形成される。電解液としては、非プロトン性溶媒(炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等)にリチウム塩を溶解した電解液が使用される。
前記電解液は、シーラント層に対して浸透性が高い。そのため、リチウムイオン電池においては、シーラント層に浸透した電解液がアルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度を低下させ、最終的に電解液が漏れ出すことがある。また、電解質である、LiPF、LiBF等のリチウム塩は、加水分解反応によりフッ酸を発生させることがある。フッ酸は、金属面の腐食、ラミネートフィルムの各層間のラミネート強度の低下を引き起こす。そのため、外装材には、電解液やフッ酸に対する腐食防止性能が求められる。
このような要求に対し、電解液やフッ酸に対する腐食防止性能を付与するために、アルミニウム箔表面に、脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理等の腐食防止処理を施すことが行われている。
上記のように冷間成形により深絞りされる外装材には優れた成形性が求められる。つまり、リチウムイオン電池内にセル、電解液をいかに収容できるかでエネルギー密度が決まることから、それらの収容量をより多くするため、外装材を電池形状に成形する際に、より成形深さを深くできることが求められる。
外装材の成形は一般的に金型による冷間成形(深絞り成形)で行われるが、このとき成形深さが深すぎると、成形によって延伸した部分にクラックやピンホールが発生し、電池としての信頼性が失われる。そのため、いかに信頼性を損なわずに成形深さを深くできるかが重要となる。特に、電気自動車などの大型用途では、大電流を取り出したいという電池性能面から、よりエネルギー密度を高めたいとの要望がある反面、優れた信頼性、長期保存安定性も同様に求められる。
冷間成形における成形性には、冷間成形用金型に対する外装材の滑り性が影響することが知られている。そこで、外装材の滑り性を向上させるために、スリップ剤を用いることが行われている。例えば基材層である二軸延伸ポリエステルフィルム層の外側の表面にシリコーン処理を施し、該表面の動摩擦係数を0.3以下とした外装材(特許文献1)、少なくとも基材層の表面に脂肪酸アマイド系のスリップ剤をコーティングまたは噴霧した外装材(特許文献2、3)、所定量のスリップ剤をシーラント層を形成するフィルムに添加し、外装材製造時におけるラミネート後、エージングの温度と時間を制御することで、アルミニウムとの密着性能を高めつつ、スリップ剤をブリードアウトさせて滑り性を発現させた外装材(特許文献4)等が提案されている。
一方、リチウムイオン電池の製造工程においては、ロットトレース等のため、外装材の外表面にインクジェットなどの手法によりバーコード、ロゴ等を印刷することが行われている。また、外装材の外表面には、意匠性の向上、偽造防止等のため、マット処理等の特殊加工が施される場合がある。
しかし、外表面に特殊加工を施すことは、成形性や電解液耐性の低下、印刷適性の悪化などのデメリットも発生しやすい。例えば印刷を安定的に行うことができず、インクの滲み等の印刷不良が生じやすくなる。印刷不良はバーコードの読み取り不良等の原因となるため、外装材には、外表面への印刷を安定的に行える印刷適性が求められる。
特許文献1〜4の外装材は、優れた成形性を得ようとすると、印刷適性が悪化する問題がある。例えばシリコーンや脂肪酸アマイド系などのスリップ剤が基材層の表面に付着していると、該表面への印刷を行ったときにインクの滲みが発生し、良好な印刷を得ることは出来ない。
このような問題に対し、成形性とバーコード印字性とを両立できる外装材として、基材層の一方の面に、第1接着層、少なくとも片面に腐食防止処理層を設けたアルミニウム箔層、第2接着層およびシーラント層が順次積層されたリチウムイオン電池用外装材における基材層の外側の表面の静摩擦係数(μs−A)を0.1〜0.25、シーラント層の外側の表面の静摩擦係数(μs−B)を0.1〜0.5とした外装材が提案されている(特許文献5)。しかし、特許文献5の外装材の印刷適性には未だ改善の余地がある。
特開2002−56824号公報 特開2002−216713号公報 特開2002−216714号公報 特開2005−32456号公報 特開2012−124068号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた印刷適性を有するリチウムイオン電池用外装材を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]少なくとも1層の基材層と、第一の接着剤層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、接着性樹脂層または第二の接着剤層と、シーラント層とがこの順に積層してなる積層体から構成され、前記基材層側の表面に印刷が施されるリチウムイオン電池用外装材であって、
前記基材層側の表面に、前記印刷に使用されるインクに含まれるインク溶媒の液滴を着滴させたときに、前記液滴の着滴から5秒後における接触角が10°以上30°以下であり、前記液滴の着滴から5秒間での接触角の変化が6°以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
[2]前記基材層の表面に表面処理が施されており、該表面処理によって、前記接触角が10°以上30°以下、前記接触角の変化が6°以下となっている、[1]に記載のリチウムイオン電池用外装材。
[3]前記表面処理が、表面改質剤の塗布である、[2]に記載のリチウムイオン電池用外装材。
[4]前記表面改質剤が、シリコーンオイルである、[3]に記載のリチウムイオン電池用外装材。
[5]前記印刷がインクジェット印刷である[1]〜[4]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用外装材。
[6]前記インク溶媒が有機溶媒である[1]〜[5]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用外装材。
[7]前記インク溶媒がメチルエチルケトン、またはメチルエチルケトンを主成分とする混合溶媒である[6]に記載のリチウムイオン電池用外装材。
本発明によれば、優れた印刷適性を有するリチウムイオン電池用外装材を提供できる。
本発明の第1実施形態のリチウムイオン電池用外装材の概略断面図である。 本発明の第2実施形態のリチウムイオン電池用外装材の概略断面図である。 本発明の第3実施形態のリチウムイオン電池用外装材の概略断面図である。
本発明のリチウムイオン電池用外装材(以下、単に「外装材」ということがある。)は、少なくとも1層の基材層と、第一の接着剤層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、接着性樹脂層または第二の接着剤層と、シーラント層とがこの順に積層してなる積層体から構成される。
外装材は、かかる層構成を有することにより、リチウムイオン電池用外装材に必要とされる性能を発現できる。
外装材は、基材層を最外層、シーラント層を最内層として使用される。
本発明の外装材において、腐食防止処理層は、アルミニウム箔層の片面に設けられても両面に設けられてもよい。耐電解液性の点から、少なくともシーラント層側(最内層側)に腐食防止処理層が設けられていることが好ましい。
前記アルミニウム箔層の基材層側(最外層側)に、下地処理層が設けられてもよい。これにより、基材層とアルミニウム箔層との間の密着性がさらに向上し、外装材の成形性、電解液雰囲気下での密着性が向上する。
本発明の外装材は、基材層側の表面、つまり最外層側の表面に、印刷が施される。例えば外装材を用いてリチウムイオン電池を製造した後、該外装材の基材層側の表面(リチウムイオン電池の外表面)に対し、バーコート、ロゴ等が印刷される。
本発明の外装材は、前記基材層側の表面に、前記印刷に使用されるインクに含まれるインク溶媒の液滴を着滴させたときに、前記液滴の着滴から5秒後における接触角(以下「5秒後の接触角」ともいう。)が10°以上30°以下であり、前記液滴の着滴から5秒間での接触角の変化(以下「接触角の時間変化(5秒間)」ともいう。)が6°以下である。これにより、本発明の外装材は優れた印刷適性を有する。
前記5秒後の接触角は、15°以上25°以下が好ましい。
前記接触角の時間変化(5秒間)は3°以下が好ましい。
前記5秒後の接触角が10°未満であると、インクの濡れが良すぎて、インクの滲みによる印刷不良が生じやすい。例えばインクの液滴を印刷面(基材層側の表面)に直接吹き付けるインクジェット印刷では、インクの滲みが発生して形状を維持できないおそれがある。前記5秒後の接触角が30°超であると、インクのハジキによる印刷不良が生じやすい。
前記接触角の時間変化(5秒間)が6°を超える場合、インクを用いて前記基材層側の表面にデザインやバーコードを印刷する際に、適切な印刷が出来なくなるおそれがある。つまり、該表面にインクを塗布してインクが乾燥するまでには数秒間の時間を要する。インクが乾燥するまでの間に該表面のインクの濡れやすさ(インクに対する接触角)が大きく変化すると、該表面にてインクの滲みやハジキが発生するおそれがある。
接触角とは、水平面を有する固体と前記水平面上に滴下された液体(液滴)とが接触する点における液体表面に対する接線と固体表面とがなす角であり、液体を含む側の角度で定義される。
本発明において、接触角の測定は、23℃50%RHの環境下で実施し、前記基材層側の表面に着滴させる液滴の液量は4μLとする。
接触角の時間変化(5秒間)は、前記基材層側の表面に液滴が着滴した時点の接触角と、液滴が着滴した時点から5秒後の時点での接触角(5秒後の接触角)との差の絶対値を示す。液滴が着滴した時点とは、液滴の形状が固定された時点を示す。
前記5秒後の接触角および前記接触角の時間変化(5秒間)は、外装材の最外層に配置される基材層を構成するフィルムによって調整することができる。
例えば該フィルムの材質、成膜法、成膜条件、延伸処理の有無、表面処理の有無、それらの処理が施される場合は該処理の種類や程度等を選択することで、前記5秒後の接触角および前記接触角の時間変化(5秒間)を調整できる。
表面処理としては、基材層を構成するフィルムの表面(印刷が施される面)への表面改質剤の塗布、コロナ処理、プラズマ処理等の表面改質処理等が挙げられる。
インクの溶媒が有機溶媒(例えばメチルエチルケトン)である場合、通常、表面改質剤の塗布によって、前記5秒後の接触角が大きくなり、コロナ処理やプラズマ処理によって、前記5秒後の接触角が小さくなる傾向がある。例えば、表面処理前のフィルムの表面における前記5秒後の接触角が10°未満であったとしても、適量の表面改質剤を塗布することによって、前記5秒後の接触角が10°以上30°以下、前記接触角の時間変化(5秒間)が6°以下であるものとすることができる。また、表面処理前のフィルムの表面における前記5秒後の接触角30°超であったとしても、コロナ処理を施すことによって、前記5秒後の接触角が10°以上30°以下、前記接触角の時間変化(5秒間)が6°以下であるものとすることができる。
表面改質剤としては、シリコーンオイル、フッ素化合物等が挙げられる。表面改質剤としては、撥水性コントロールの点から、シリコーンオイルが好ましく、特に溶媒への相溶性の点から、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどの非反応性変性シリコーンオイルが好ましい。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、前述の特許文献1ではシリコーンオイルを外装材の滑り性を向上させるために用いているが、印字適性については考慮されていない。すなわち特許文献1では滑り性が高いほど、言い換えれば動摩擦係数が低ければ低いほど好ましい。
しかし、本発明では、接触角を所定の範囲にしなければならない。シリコーンオイルの量が多すぎるとインクのハジキが生じてしまい、印字適性が悪化してしまう。そのため、滑り性と印字適性とを両立させるために、シリコーンオイル等の表面改質剤と、脂肪酸アマイド等のスリップ剤とを併用することが好ましい。
複数の表面処理を組合わせてもよい。たとえば表面改質剤の塗布と、コロナ処理、プラズマ処理等の表面改質処理とを組合わせてもよい。
表面処理が施される場合、基材を構成するフィルムは、表面処理前において、前記接触角の時間変化(5秒間)が6°以下であることが好ましい。
基材を構成するフィルムには、表面に保護層などが形成されていてもよい。
以下、本発明の外装材について、添付の図面を用い、実施形態例を示して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の外装材1の概略断面図である。
外装材1は、基材層11の一方の面に、第一の接着剤層12と、アルミニウム箔層13と、接着性樹脂層15と、シーラント層16とがこの順で積層した積層体から構成され、アルミニウム箔層13のシーラント層16側の面には腐食防止処理層14が設けられている。
外装材1は、基材層11の第一の接着剤層12側とは反対側の表面、つまり外装材1の基材層11側の表面1aに印刷が施される。前記印刷に使用されるインクに含まれるインク溶媒の液滴を表面1aに着滴させたとき、5秒後の接触角は10°以上30°以下であり、接触角の時間変化(5秒間)は6°以下である。
(基材層)
基材層11は、リチウムイオン電池を製造する際のヒートシール工程における耐熱性の付与、成形加工や流通の際に起こり得るピンホールの発生の抑制等の役割を果たす。特に大型用途のリチウムイオン電池の外装材の場合等は、耐擦傷性、耐薬品性、絶縁性等も付与できる。
基材層11としては、絶縁性を有する樹脂により形成された樹脂フィルムが好ましい。該樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の延伸又は未延伸フィルムが挙げられる。
基材層11は、1層でも2層以上でもよい。例えば基材層11は、前記の樹脂フィルムのいずれか1種からなる単層構成の樹脂層であってもよく、前記の樹脂フィルムを2種以上積層した複層構成の樹脂層であってもよい。これらの樹脂層としては、例えば、延伸または無延伸ポリアミドフィルム、延伸または無延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリアミドフィルムと延伸ポリエステルフィルムとの2層フィルム等が挙げられる。
基材層11としては、特に、成形性、耐熱性に優れる点で、延伸ポリアミドフィルムを含む単層または複層構成の樹脂層が好ましい。さらに耐酸性を付与できる点で、延伸ポリアミドフィルムを含む複層構成の樹脂層が好ましく、延伸ポリアミドフィルムと延伸ポリエステルフィルムとの2層フィルムが特に好ましい。
基材層11の厚みは、成形性、耐熱性、耐ピンホール性、絶縁性を向上させるという点で、6μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。また、薄膜化、高放熱性の点では、60μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。基材層11が複層構成の樹脂層である場合、前記厚みは、その全体の厚さである。
基材層11の、第一の接着剤層12側とは反対側の表面(外装材1の最外層側の表面1a)には各種添加剤、例えば表面改質剤、耐酸性付与剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤などが塗布されていてもよい。また、コロナ処理、プラズマ処理等の表面改質処理が施されていてもよい。
表面改質剤は、前記で挙げたものと同様である。
耐酸性付与剤としては、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、セルロースエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
スリップ剤としては、脂肪酸アミド、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。
アンチブロッキング剤としては、シリカなどの各種フィラー系のものが好適である。
これらの添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(第一の接着剤層)
第一の接着剤層12は、基材層11とアルミニウム箔層13とを接着する層である。
第一の接着剤層12は、樹脂フィルムとアルミニウム箔のラミネートに用いられる接着剤として公知のものを用いて形成できる。該接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオールなどのポリオールからなる主剤と、2官能以上のイソシアネート化合物からなる硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤が挙げられる。前記主剤に対し前記硬化剤を作用させることでポリウレタン系樹脂が形成される。
ポリエステルポリオールとしては、少なくとも1種の多塩基酸と、少なくとも1種のジオールを反応させて得られるものを用いることが可能である。多塩基酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系二塩基酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系二塩基酸等の二塩基酸などが挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなど脂肪族系ジオール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコールなどの脂環式系ジオール、キシリレングリコールなどの芳香族系ジオール等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、上記ポリエステルポリオールの両末端の水酸基を、イソシアネート化合物の単体、または少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体もしくはイソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールなどが挙げられる。イソシアネート化合物としては、例えば2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエーテル系のポリオールや、鎖長伸長剤として上述したイソシアネート化合物を作用させたポリエーテルウレタンポリオールを用いることが可能である。
アクリルポリオールとしては、ポリ(メタ)アクリル酸を主成分とする共重合体が挙げられる。該共重合体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマーを筆頭に、アルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー、さらには、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド、(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー、
(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシランなどのシラン含有モノマー、(メタ)アクリロキシプロピルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマーを共重合させたものが挙げられる。
カーボネートポリオールとしては、カーボネート化合物とジオールとを反応させて得られるものを用いることが可能である。前記カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネートなどを用いることができる。前記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリール、などの脂環式ジオール、キシリレングリール、など芳香族ジオールなどを用いることができる。
また、上記カーボネートポリオールの末端の水酸基を、上述したイソシアネート化合物により鎖伸長したポリカーボネートウレタンポリオールを用いることが可能である。
これらの各種ポリオールは、求められる機能や性能に応じて、いずれか1種単独で、または2種以上のブレンドの状態で用いても構わない。
硬化剤として用いられる2官能以上のイソシアネート化合物としては、鎖伸張剤として用いた類のイソシアネート化合物を用いることが可能であり、繰り返しにはなるが、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどから選ばれるイソシアネート化合物の単体、あるいは上記イソシアネート化合物から選択される少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体が挙げられる。
硬化剤の配合量としては、主剤100質量部に対し1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。1質量部より少ないと、密着性や電解液耐性という点で性能が発現しないおそれがある。100質量部より多いと過剰なイソシアネート基が存在することになり、未反応物の残留による接着剤膜質への影響や、硬さに影響を与えるおそれがある。
前記ポリウレタン系接着剤に、さらに、接着促進のため、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物、シランカップリング剤などを配合することも可能である。
カルボジイミド化合物としては、N,N’−ジ−o−トルイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,2−ジ−t−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、およびN,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミドなどが挙げられる。
オキサゾリン化合物としては、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,5−ジメチル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニル−2−オキサゾリンなどのモノオキサゾリン化合物、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,2−エチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−ブチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)などのジオキサゾリン化合物が挙げられる。
エポキシ化合物としては、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールのような脂肪族のジオールのジグリシジルエーテル、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、グリセロール、トリメチロールプロパンなどの脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族、芳香族の多価カルボン酸のジグリシジルエステルまたはポリグリシジルエステル、レゾルシノール、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンなどの多価フェノールのジグリシジルエーテルもしくはポリグリシジルエーテル、N,N’−ジグリシジルアニリン、N,N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタンのようにアミンのN−グリシジル誘導体、アミノフェールのトリグリシジル誘導体、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、オルソクレゾール型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシが挙げられる。
リン化合物としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなど各種シランカップリング剤を使用することが可能である。
その他、接着剤に求められる性能に応じ、各種添加剤や安定剤を配合しても構わない。
第一の接着剤層12の厚みは、1〜10μmが好ましく、3〜5μmがより好ましい。1μm以上であると、接着剤としてのラミネート強度が向上し、10μm以下であると、外装材1を冷間成形により深絞り成形品としたときに、該深絞り成形品の絞り隅部においても、電解液雰囲気下での基材層11−アルミニウム箔層13間の浮きを充分に抑制できる。
(アルミニウム箔層)
アルミニウム箔層13を構成するアルミニウム箔としては、一般に用いられている軟質アルミニウム箔を用いることができる。さらなる耐ピンホール性、及び成形時の延展性を付与させる目的で、鉄を含むアルミニウム箔を用いることが好ましい。
アルミニウム箔(100質量%)中の鉄の含有量は、0.1〜9.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。鉄含有率が0.1質量%以上であると耐ピンホール性、延展性が十分に付与され、9.0質量%以下であると柔軟性が良好である。
アルミニウム箔層13の厚みは、バリア性、耐ピンホール性、加工性の点から、9〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
アルミニウム箔層13は、耐電解液性の点から、脱脂処理が施されたアルミニウム箔からなることが好ましい。
脱脂処理としては、大きく区分するとウェットタイプ、ドライタイプが挙げられる。
ウェットタイプの脱脂処理としては、酸脱脂、アルカリ脱脂などが挙げられる。酸脱脂に使用する酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸等の無機酸が挙げられる。これらの酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの無機酸には、アルミニウム箔のエッチング効果が向上する点から、必要に応じてFeイオンやCeイオン等の供給源となる各種金属塩を配合してもよい。アルカリ脱脂に使用するアルカリとしては、例えば、エッチング効果が高いものとして水酸化ナトリウム等が挙げられる。また、弱アルカリ系や界面活性剤を配合したものが挙げられる。ウェットタイプの脱脂処理は、浸漬法やスプレー法で行われる。
ドライタイプの脱脂処理としては、アルミの焼鈍工程で行う方法が挙げられる。また、フレーム処理、コロナ処理、特定波長の紫外線を照射により発生した活性酸素により汚染物質を酸化分解・除去するような脱脂処理、等も挙げられる。
脱脂処理が施されるのは、アルミニウム箔の片側面であも両側面でもよい。
(腐食防止処理層)
腐食防止処理層14は、基本的には、電解液あるいはフッ酸によるアルミニウム箔層13の腐食を防止するために設けられる層である。
腐食防止処理としては、脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、腐食防止性能を有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理あるいはこれら処理の2種以上の組み合わせが挙げられる。
上述した処理のうち脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、特に熱水変性処理や陽極酸化処理は、処理剤によって金属箔(アルミニウム箔)表面を溶解させ、耐腐食性に優れるアルミニウム化合物(ベーマイト、アルマイト)を形成させることから、金属箔から腐食防止処理層まで共連続構造を形成している形になるために、化成処理の定義に包含されるケースもあるが、後述する希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いる方法のような、化成処理の定義に含まれない純粋なコーティング処理のみで腐食防止処理層14を形成させることも可能である。
脱脂処理としては、酸脱脂、アルカリ脱脂が挙げられる。酸脱脂としては上述した硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸などの無機酸を単独あるいはこれらを混合して得られたものを用いる方法などが挙げられる。また酸脱脂として、一ナトリウム二フッ化アンモニウムなどのフッ素含有化合物を上記無機酸で溶解させた酸脱脂剤を用いることで、金属箔の脱脂効果だけでなく不動態である金属のフッ化物を形成させることが可能であり、耐フッ酸性という点で有効である。アルカリ脱脂としては、水酸化ナトリウムなどを用いる方法が挙げられる。
熱水変成処理としては、例えば、トリエタノールアミンを添加した沸騰水中に金属箔を浸漬処理することで得られるベーマイト処理が挙げられる。
陽極酸化処理としては、例えば、アルマイト処理が挙げられる。
化成処理としては、例えば、クロメート処理、ジルコニウム処理、チタニウム処理、バナジウム処理、モリブデン処理、リン酸カルシウム処理、水酸化ストロンチウム処理、セリウム処理、ルテニウム処理、あるいはこれらの混合相からなる各種化成処理が挙げられる。
これらの熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理は、事前に上述した脱脂処理を施した方が好ましい。またこれらの化成処理は湿式型に限らず、これらの処理剤を樹脂成分と混合した塗布型タイプでも適用が可能である。
腐食防止性能を有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理に用いられるコーティング剤としては、希土類元素酸化物ゾル、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものが挙げられる。特に、希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いる方法が好ましい。
希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いる方法は、純粋なコーティングタイプの腐食防止処理であり、この方法を用いることで、一般的なコーティング方法でも金属箔に腐蝕防止効果を付与させることが可能である。また、希土類元素酸化物ゾルを用いて形成される層は、金属箔の腐蝕防止効果(インヒビター効果)を有し、かつ環境側面的にも好適な材料である。
希土類元素酸化物ゾルは、液体分散媒中に希土類元素酸化物の微粒子(例えば平均粒径100nm以下の粒子)が分散したものである。
希土類元素酸化物としては、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ネオジウム、酸化ランタン等が挙げられる。中でも酸化セリウムが好ましい。
希土類元素酸化物ゾルの液体分散媒としては、例えば水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤など各種溶媒を用いることができる。なかでも、水が好ましい。
希土類元素酸化物ゾルは、希土類元素酸化物粒子の分散を安定化させるために、分散安定化剤として、硝酸、塩酸、リン酸などの無機酸、酢酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、乳酸などの有機酸、それらの塩等を含有することが好ましい。
これらの分散安定化剤のうち、特にリン酸またはリン酸塩は、希土類元素酸化物粒子の分散安定化だけでなく、リチウムイオン電池用外装材の用途において、リン酸のキレート能力を利用した、アルミニウム箔との密着性向上、フッ酸の影響で溶出した金属物イオンを捕獲(不動態形成)することよる電解液耐性の付与、低温でもリン酸の脱水縮合起こしやすいことによる希土類元素酸化物層の凝集力向上などの効果が期待できることから好ましい。
分散安定化剤として用いられるリン酸またはリン酸塩としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、これらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。
リン酸またはリン酸塩としては、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、ウルトラメタリン酸などの縮合リン酸、あるいはこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が、リチウムイオン電池用外装材としての機能発現に好ましい。特に、希土類元素酸化物ゾルを含むコーティング組成物を用いて、各種コーティング法により希土類酸化物を含む層を形成させる時の乾燥造膜性(乾燥能力、熱量)を考慮すると、低温での反応性に優れる剤が好ましく、低温での脱水縮合性に優れる点から、ナトリウム塩が好ましい。リン酸塩としては、水溶性の塩が好ましい。
希土類元素酸化物ゾル中、リン酸あるいはその塩の配合量としては、希土類元素酸化物100質量部に対し、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。1質量部以上であると、ゾルの安定化が良好であると共に、リチウムイオン電池用外装材としての機能を満たすことが容易である。希土類元素酸化物100質量部に対するリン酸あるいはその塩の配合上限は、希土類元素酸化物ゾルの機能低下を伴わない範囲であればよく、希土類元素酸化物100質量部に対し、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
ただし、上述した希土類元素酸化物ゾルから形成される層は無機粒子の集合体であるため、乾燥キュアの工程を経ても、その層自身の凝集力は低い。そこでこの層の凝集力を補うために、アニオン性ポリマーで複合化させることが好適である。
アニオン性ポリマーとしては、カルボキシ基を有するポリマーが挙げられ、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸(あるいはその塩)、あるいはポリ(メタ)アクリル酸を主成分として共重合した共重合体が挙げられる。
該共重合体の共重合成分としては、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等。);(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等。)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド、(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等。)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシラン等のシラン含有モノマー;(メタ)アクリロキシプロピルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。また、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等が挙げられる。
アニオン性ポリマーは、希土類元素酸化物ゾルを用いて得られた腐食防止処理層14(希土類元素酸化物層)の安定性を向上させる役割を果たす。これは、硬くて脆い希土類元素酸化物層をポリマーで保護する効果、および、希土類酸化物ゾルに含まれるリン酸塩由来のイオンコンタミ(特にナトリウムイオン)を捕捉する(カチオンキャッチャー)効果によって達成される。つまり、希土類元素酸化物ゾルを用いて得られた腐食防止処理層14中に、特にナトリウム等のアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンが含まれると、該イオンを含む場所を起点にして腐食防止処理層14が劣化しやすくなる。そのため、アニオン性ポリマーによって希土類酸化物ゾルに含まれるナトリウムイオン等を固定化することで、腐食防止処理層14の耐性が向上する。
アニオン系ポリマーと希土類元素酸化物ゾルと組み合わせた腐食防止処理層14は、アルミニウム箔にクロメート処理を施して形成した腐食防止処理層14と同等の腐食防止性能を有する。
アニオン系ポリマーは、本質的に水溶性であるポリアニオン系ポリマーが架橋された構造であることが好ましい。
該構造の形成に用いる架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシ基、オキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。さらにはシランカップリング剤を用いてシロキサン結合を有する架橋部位を導入することも可能である。
イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートあるいはその水素添加物、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートあるいはその水素添加物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネート類;あるいはこれらのイソシアネート類を、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールと反応させたアダクト体、水と反応させることで得られたビューレット体、あるいは三量体であるイソシアヌレート体などのポリイソシアネート類;あるいはこれらのポリイソシアネート類をアルコール類、ラクタム類、オキシム類などでブロック化させたブロックポリイソシアネートなどが挙げられる。
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とエピクロルヒドリンを作用させたエポキシ化合物、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンを作用させたエポキシ化合物、フタル酸、テレフタル酸、シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸とエピクロルヒドリンとを作用させたエポキシ化合物などが挙げられる。
カルボキシ基を有する化合物としては、各種脂肪族あるいは芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにはポリ(メタ)アクリル酸やポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ(土類)金属塩を用いることも可能である。
オキサゾリン基を有する化合物としては、例えば、オキサゾリンユニットを2つ以上有する低分子化合物、あるいはイソプロペニルオキサゾリンのような重合性モノマーを用いる場合には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等のアクリル系モノマーを共重合させたものが挙げられる。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが挙げられ、特にアニオン性ポリマーとの反応性を考慮すると、エポキシシラン、アミノシラン、イソシアネートシランが好ましい。
架橋剤の配合量は、アニオン性ポリマー100質量部に対し、1〜50質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましい。架橋剤の比率がアニオン性ポリマー100質量部に対して1質量部以上であれば、架橋構造が充分に形成されやすい。架橋剤の比率がアニオン性ポリマー100質量部に対して50質量部以下であれば、塗液のポットライフが向上する。
アニオン性ポリマーを架橋する方法は、前記架橋剤に限らず、チタニウム、ジルコニウム化合物を用いてイオン架橋を形成する方法等であってもよい。
以上説明した腐食防止処理層14において、クロメート処理に代表される化成処理による腐食防止処理層14は、アルミニウム箔との傾斜構造を形成させるため、特にフッ酸、塩酸、硝酸、硫酸あるいはこれらの塩を配合した化成処理剤を用いてアルミニウム箔に処理を施し、次いでクロムやノンクロム系の化合物を作用させて化成処理層をアルミニウム箔に形成させるものである。しかし、前記化成処理は、化成処理剤に酸を用いていることから、作業環境の悪化やコーティング装置の腐食を伴う。
一方、前述したコーティングタイプの腐食防止処理層14は、クロメート処理に代表される化成処理とは異なり、アルミニウム箔層13に対して傾斜構造を形成させる必要がない。そのため、コーティング剤の性状は、酸性、アルカリ性、中性等の制約を受けることがなく、良好な作業環境を実現できる。加えて、クロム化合物を用いるクロメート処理は、環境衛生上、代替案が求められている点からも、コーティングタイプの腐食防止処理層14が好ましい。
腐食防止処理層14は、必要に応じて、さらにカチオン性ポリマーを積層した積層構造としてもよい。
カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーとからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンあるいはこれらの誘導体、アミノフェノール樹脂等が挙げられる。
イオン高分子錯体を形成する「カルボン酸を有するポリマー」としては、例えば、ポリカルボン酸(塩)、ポリカルボン酸(塩)にコモノマーを導入した共重合体、カルボキシ基を有する多糖類等が挙げられる。ポリカルボン酸(塩)としては、例えばポリアクリル酸あるいはそのイオン塩などが挙げられる。カルボキシ基を有する多糖類としては、例えばカルボキシメチルセルロースあるいはそのイオン塩などが挙げられる。イオン塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
1級アミングラフトアクリル樹脂は、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた樹脂である。該アクリル主骨格としては、ポリ(メタ)アクリル酸など、上述したアクリルポリオールで用いられる各種モノマーが挙げられる。該アクリル主骨格にグラフトさせる1級アミンとしては、エチレンイミン等が挙げられる。
ポリアリルアミンまたはその誘導体としては、アリルアミン、アリルアミンアミド硫酸塩、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミンなどの単独重合体あるいは共重合体を用いることが可能であり、さらに、これらのアミンはフリーのアミンでも酢酸あるいは塩酸による安定化物でも用いることが可能である。またさらに共重合体成分として、マレイン酸、二酸化イオウなどを用いることも可能である。さらには1級アミンを部分メトキシ化させることで熱架橋性を付与させたタイプも用いることが可能である。
これらのカチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カチオン性ポリマーとしては、上記の中でも、ポリアリルアミンおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
カチオン性ポリマーは、カルボキシ基やグリシジル基等のアミン/イミンと反応が可能な官能基を有する架橋剤と併用することが好ましい。
カチオン性ポリマーと併用する架橋剤としては、ポリエチレンイミンとイオン高分子錯体を形成するカルボン酸を有するポリマーも使用でき、例えば、ポリアクリル酸あるいはそのイオン塩等のポリカルボン酸(塩)、あるいはこれにコモノマーを導入した共重合体、カルボキシメチルセルロースあるいはそのイオン塩等のカルボキシ基を有する多糖類等が挙げられる。
本発明においては、カチオン性ポリマーも腐食防止処理層14を構成する一構成要素として記載している。その理由は、リチウムイオン電池用外装材で要求される電解液耐性、フッ酸耐性を付与させるべく様々な化合物を用い鋭意検討を行った結果、カチオン性ポリマー自体にも、電解液耐性、耐フッ酸性を付与することが可能な化合物であることが判明したためである。この要因は、フッ素イオンをカチオン性基で捕捉する(アニオンキャッチャー)ことで、アルミニウム箔が損傷することを抑制しているためであると推測される。また、カチオン性ポリマーは、腐食防止処理層14と接着性樹脂層15の接着性の向上の点でも非常に好ましい。
また、カチオン性ポリマーは、前述したアニオン性ポリマーと同様に水溶性であるため、前記架橋剤を用いて架橋構造を形成させることで耐水性を向上させることができる。このように、カチオン性ポリマーを用いても架橋構造を形成させることができることから、腐食防止処理層14の形成に希土類酸化物ゾルを用いた場合には、その保護層としてアニオン性ポリマーの代わりにカチオン性ポリマーを用いてもよい。
以上のことから、コーティングタイプの腐食防止処理によって形成される腐食防止処理層の例として、以下の処理層(α)、処理層(β)、処理層(γ)等が挙げられる。
処理層(α)希土類酸化物を含有する層。
処理層(β)アニオン性ポリマーを含有し、希土類酸化物を含有しない層。
処理層(γ)カチオン性ポリマーを含有し、希土類酸化物を含有しない層。
処理層(α)としては、例えば、以下の処理層(α1)〜(α10)等が挙げられる。
(α1)希土類元素酸化物ゾルのみを用いて形成された、希土類元素酸化物を含む層。
(α2)希土類元素酸化物とアニオン性ポリマーとを含む混合層。
(α3)希土類元素酸化物とカチオン性ポリマーとを含む混合層。
(α4)希土類元素酸化物とアニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーとを含む混合層。
(α5)前記(α1)の層上にアニオン性ポリマーで形成した層を積層(複合化)した複層。
(α6)前記(α1)の層上にカチオン性ポリマーで形成した層を積層(複合化)した複層。
(α7)前記(α2)の混合層上にカチオン性ポリマーで形成した層を積層(多層化)した複層。
(α8)前記(α3)の混合層上にアニオン性ポリマーで形成した層を積層(多層化)した複層。
(α9)前記(α5)の複層上にカチオン性ポリマーで形成した層を積層(多層化)した複層。
(α10)前記(α6)の複層上にアニオン性ポリマーで形成した層を積層(多層化)した複層。
処理層(α2)〜(α4)は、塗液の安定性を考慮する必要があるが、希土類元素酸化物ゾルと、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの少なくとも一方とを事前に一液化したコーティング剤(処理剤)で形成できる。
腐食防止処理層14としては、上記のなかでも処理層(α)が好ましく、電解液によってアルミニウム箔層13が侵食されることを抑制する効果が高い点から、処理層(α2)〜(α10)がより好ましい。
また、カチオン性ポリマーは、後述する接着性樹脂層15で挙げる変性ポリオレフィン樹脂との接着性が良好である。そのため、接着性樹脂層15に変性ポリオレフィン樹脂を用いる場合は、処理層(α3)、(α4)、(α6)、(α7)、(α9)がより好ましい。
ただし腐食防止処理層14は上述した層には限定されない。例えば公知技術である塗布型クロメートのように、樹脂バインダー(アミノフェノール樹脂など)にリン酸とクロム化合物を配合した剤を用いて形成してもよい。該処理剤を用いれば、腐食防止機能と密着性を双方兼ね備えた層を形成することが可能になる。
また、上述した化成処理層(脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、あるいはこれら処理の組み合わせにより形成した層)に対して、密着性を向上させるために、上述してきたカチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーを用いて複合的な処理を施したり、あるいはこれらの処理の組み合わせに対して多層構造としてカチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーを積層させることも可能である。
腐食防止処理層14の単位面積あたりの質量は0.005〜0.200g/mの範囲内が好ましく、0.010〜0.100g/mの範囲内がより好ましい。0.005g/m以上であれば、アルミニウム箔層13に腐食防止機能を付与しやすい。また、前記単位面積当たりの質量が0.200g/mを超えても、腐食防止機能は飽和してあまり変らない。一方、希土類酸化物ゾルを用いた場合には、塗膜が厚いと乾燥時の熱によるキュアが不充分となり、凝集力の低下を伴うおそれがある。
なお、上記内容では単位面積あたりの質量で記載しているが、比重がわかればそこから厚みを換算することも可能である。
(接着性樹脂層)
接着性樹脂層15は、腐食防止処理層14が形成されたアルミニウム箔層13とシーラント層16とを接着する層である。
接着性樹脂層15を形成する熱接着性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂に対し、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物、又は不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物のエステルをラジカル開始剤の存在下でグラフト変性してなる変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。以下、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物と、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物のエステルを合わせてグラフト化合物ということがある。
前記変性ポリオレフィン樹脂は、グラフト化させたグラフト化合物が有する官能基と、各種金属又は官能基を含有するポリマーとの反応性を利用して接着性を付与する。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物のエステルとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマール酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。
変性ポリオレフィン樹脂中のグラフト化合物の割合は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、0.2〜100質量部が好ましい。
グラフト反応の温度条件は、50〜250℃が好ましく、60〜200℃がより好ましい。
反応時間は製造方法にも左右されるが、二軸押出機による溶融グラフト反応の場合、押出機の滞留時間内が好ましい。具体的には、2〜30分が好ましく、5〜10分がより好ましい。
グラフト反応は、常圧、加圧いずれの条件下においても実施できる。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物が挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、アルキルパーオキサイド、アリールパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、温度条件と反応時間によって適宜選択できる。前記した二軸押出機による溶融グラフト反応の場合、アルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステルが好ましく、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシ−ヘキシン−3、ジクミルペルオキシドがより好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂としては、無水マレイン酸により変性された変性ポリオレフィン樹脂が好ましい。このような変性ポリオレフィン樹脂としては、三井化学製アドマー、三菱化学製モディック、日本ポリエチレン製アドテックス等が挙げられる。
接着性樹脂層15では、前記変性ポリオレフィン樹脂に熱可塑性エラストマーを配合してもよい。熱可塑性エラストマーを配合することで、変性ポリオレフィン樹脂をラミネートする際に発生する残留応力が開放され、接着性がさらに高まる。
熱可塑性エラストマーとしては、三井化学製タフマー、三菱化学製ゼラス、モンテル製キャタロイ、三井化学製ノティオ、スチレン系エラストマーが好ましい。スチレン系エラストマーとしては、水添スチレン系エラストマー(AKエラストマー製タフテック、クラレ製セプトン/ハイブラー、JSR製ダイナロン、住友化学製エスポレックスなど、クレイトンポリマー製クレイトンG等。)がより好ましい。
接着性樹脂層15には、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤等の各種添加剤を配合してもよい。
接着性樹脂層15の厚みは、3〜50μmが好ましく、10〜40μmがより好ましい。接着性樹脂層15の厚みが下限値以上であれば、優れた接着性が得られやすい。接着性樹脂層15の厚みが上限値以下であれば、外装材1の側端面から透過する水分量が低減される。
(シーラント層)
シーラント層16は、外装材1にヒートシールによる封止性を付与する層である。
シーラント層16を構成する材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロック、あるいはランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体あるいはそのエステル化物あるいはイオン架橋物などが挙げられる。
シーラント層16は、上述した樹脂のいずれか1種または2種以上のブレンドからなる単層であってもよく、シーラントに求められる他の要求性能に応じて多層構造としてもよい。多層構造のシーラント層16としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全ケン化物、ポリ酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全ケン化物等のガスバリア性を有する樹脂を介在させたシーラント層等が挙げられる。
(外装材1の製造方法)
外装材1は、たとえば以下の工程(1)〜(4)を有する製造方法により製造できる。
(1)アルミニウム箔層13の片面に、腐食防止処理を施して腐食防止処理層14を形成する工程。
(2)アルミニウム箔層13の、腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、第一の接着剤層12を介して基材層11を貼り合わせる工程。
(3)アルミニウム箔層13の腐食防止処理層14を形成した側に、接着性樹脂層15を介してシーラント層16を貼り合わせる工程。
(4)基材層11、第一の接着剤層12、アルミニウム箔層13、腐食防止処理層14、接着性樹脂層15およびシーラント層からなる積層体を熱処理する工程。
工程(1):
腐食防止処理層14は、アルミニウム箔層13の片面(基材層11を貼り合わせる側と反対側の面)に、腐食防止処理を施すことにより形成できる。
腐食防止処理については前述したとおりである。具体的には、脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、腐食防止性能を有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理などが挙げられる。
脱脂処理方法としては、焼鈍、スプレー法、浸漬法等が挙げられる。
熱水変成処理方法、陽極酸化処理方法としては、浸漬法等が挙げられる。
化成処理方法としては、化成処理のタイプに応じて、浸漬法、スプレー法、コート法等を選択できる。
腐食防止性能を有するコーティング剤のコート法としては、グラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコートなど各種方法を採用できる。
腐食防止性能を有するコーティング剤の塗布量は、前述した腐食防止処理層14の単位面積当たりの質量を満たす範囲内が好ましい。また、乾燥キュアが必要な場合は、用いる腐食防止処理層14の乾燥条件に応じて、母材温度として60〜300℃の範囲で実施できる。
工程(2):
アルミニウム箔層13の、腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、第一の接着剤層12を介して基材層11を貼り合わせる方法としては、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウェットラミネーションなどの公知の手法を採用できる。これらの中でもドライラミネートの手法を用いることが好ましい。
第一の接着剤層12を形成する接着剤としては、上述した第一の接着剤層12で説明したポリウレタン系接着剤が好ましい。
接着剤のドライ塗布量は、1〜10g/mが好ましく、3〜7g/mがより好ましい。
貼り合わせた後、接着促進のため、室温〜100℃の範囲内でエージング(養生)処理を行ってもかまわない。
工程(3):
アルミニウム箔層13の腐食防止処理層14側に、接着性樹脂層15を介してシーラント層16を貼り合わせる方法としては、サンドラミネーション、共押出などの公知の手法を採用できる。例えば、押出ラミネート機を用いたサンドラミネーションを行うことで、基材層11/第一の接着剤層12/アルミニウム箔層13/腐食防止処理層14/接着性樹脂層15/シーラント層16となる層構造を形成することができる。また、接着性樹脂層15とシーラント層16を共押出により製膜しても構わない。
接着性樹脂層15の押出温度としては、200〜340℃が好ましい。
工程(4):
工程(1)〜(3)により形成した積層体(基材層11/第一の接着剤層12/アルミニウム箔層13/腐食防止処理層14/接着性樹脂層15/シーラント層16)に、熱処理を施すことで、各層間の密着性が向上し、電解液耐性および耐フッ酸性を向上させることができる。
熱処理方法としては、前記積層体をエージング炉の中に保管する方法、前記積層体に熱圧着ロールを密着させる方法、前記積層体を熱ドラムに抱かせる方法、前記積層体をアニール炉に通過させる方法等が挙げられる。
熱処理温度は、前記積層体の最高到達温度が、40℃〜220℃となるように設定することが好ましく、80℃〜200℃となるように設定することがより好ましい。処理時間は処理温度に依存するが、低温なほど長時間、高温なほど短時間の処理を施すことが好ましい。
外装材1の製造方法は上記の製造方法に限定されない。
例えば、工程(1)において、アルミニウム箔層の両面に腐食防止処理層を設けてもよい。
また、工程(3)を行った後に工程(2)を行ってもよい。
また、工程(4)を行わない方法であってもよい。
工程(2)の前に、基材層11を構成するフィルムの、アルミニウム箔層13と貼り合わせる側とは反対側の表面(外装材1の最外層側の表面1aとなる面)に、前記表面改質剤の塗布、表面改質処理等の表面処理を施して基材層11を得る工程を行ってもよい。工程(2)にて、基材層11の代わりに、前記5秒後の接触角が10°未満または30°超のフィルムを用い、工程(2)、工程(3)または工程(4)の後、得られた積層体の前記フィルム側の表面に、前記表面改質剤の塗布、表面改質処理等の表面処理を施して、前記フィルムを前記基材層11とする工程を行ってもよい。
表面改質剤は溶媒に溶解・分散して塗布することが好ましい。塗布は、スプレーコート法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、グラビアコート法など公知のコーティング手法により実施できる。表面改質剤の塗布量は、目的の5秒後の接触角等に応じて設定される。コロナ処理、プラズマ処理等の表面改質処理は、公知の手法により実施できる。
工程(4)の後、または工程(3)の後、必要に応じて、得られた積層体の最外層および/または最内層にスリップ材および/またはアンチブロッキング材を塗布する工程を行ってもよい。スリップ材および/またはアンチブロッキング材を塗布することにより、静摩擦係数を低下させることができ、成形性能が向上する。スリップ剤および/またはアンチブロッキング剤は溶媒に溶解・分散して塗布することが好ましい。塗布は、公知のコーティング手法により実施できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の外装材の第2実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態において、第1実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2は、本発明の第2実施形態の外装材2の概略断面図である。
外装材2は、基材層11の一方の面に、第一の接着剤層12と、アルミニウム箔層13と、第二の接着剤層25と、シーラント層16とがこの順で積層した積層体から構成され、アルミニウム箔層13のシーラント層16側の面には腐食防止処理層14が設けられている。
外装材2は、基材層11の第一の接着剤層12側とは反対側の表面、つまり外装材2の基材層11側の表面2aに印刷が施される。前記印刷に使用されるインクに含まれるインク溶媒の液滴を表面2aに着滴させたとき、5秒後の接触角は10°以上30°以下であり、接触角の時間変化(5秒間)は6°以下である。
外装材2は、接着性樹脂層15の代わりに第二の接着剤層25を有している以外は外装材1と同じである。
(第二の接着剤層)
第二の接着剤層25は、接着性樹脂層15と同様に、腐食防止処理層14が形成されたアルミニウム箔層13とシーラント層16とを接着する層である。
接着性樹脂層15によるアルミニウム箔層13とシーラント層16との貼り合せが主に熱ラミネートに適しているのに対し、第二の接着剤層25による貼り合せはドライラミネートにも容易に適用できる。
第二の接着剤層25を形成する接着剤としては、第一の接着剤層12で挙げた接着剤と同様の接着剤が挙げられる。例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオールなどのポリオールからなる主剤と、2官能以上のイソシアネート化合物からなる硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤が挙げられる。また、主剤としては上述したポリオール系だけでなく、酸変性ポリオレフィンを溶剤中に溶解あるいは分散させた溶液を用いることも可能である。この場合の硬化剤としては、上述したイソシアネート化合物やカルボジイミド化合物やエポキシ化合物を用いることが可能である。
第二の接着剤層25を形成する接着剤の組成(例えばポリウレタン系接着剤における主剤やポリイソシアネート系硬化剤の種類やそれらの配合量)は、第一の接着剤層12を形成する接着剤と同じであっても異なってもよい。
ただし、第二の接着剤層25に用いる接着剤は、電解液が充填される側の面を貼り合せる接着剤であるため、電解液による膨潤や、フッ酸による加水分解に関して注意を払う必要がある。そのため、加水分解されにくい骨格を有する主剤を用いた接着剤、架橋密度を向上させた接着剤等を用いることが好ましい。
たとえば、ポリエステルポリオール系接着剤組成物の架橋密度を向上させる手法として、多塩基酸としてダイマー脂肪酸あるいはそのエステルあるいはその水素添加物、あるいはダイマー脂肪酸あるいはそのエステルあるいはその水素添加物の還元グリコールを用いることが挙げられる。ダイマー脂肪酸とは、各種不飽和脂肪酸を2量体化させたものであり、その構造としては非環型、単環型、多環型、芳香環型が挙げられるが、本接着剤で用いるポリエステルポリオールの原料である多塩基酸としては特に制限を受けることはない。ダイマー脂肪酸の出発物質である不飽和脂肪酸としては特に制限受けることはなく、モノ不飽和脂肪酸、ジ不飽和脂肪酸、トリ不飽和脂肪酸、テトラ不飽和脂肪酸、ペンタ不飽和脂肪酸、ヘキサ不飽和脂肪酸等が適宜使用できる。モノ不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸などが挙げられる。ジ不飽和脂肪酸としてはリノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸などが挙げられる。トリ不飽和脂肪酸としては、リノレン酸、ビノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸などが挙げられる。テトラ不飽和脂肪酸としてはステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸などが挙げられる。ペンタ不飽和脂肪酸としては、ボセオペンタエン酸、エイコサベンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサベンタエン酸などが挙げられる。ヘキサ不飽和脂肪酸としてはドコサヘキサエン酸、ニシン酸などが挙げられる。不飽和脂肪酸を二量体するときの不飽和脂肪酸の組み合わせは、どのような組み合わせでもかまわない。このダイマー脂肪酸のバルキーな疎水性ユニットが接着剤としての架橋密度を向上させる。
このような上記ダイマー脂肪酸を必須成分として、通常のポリエステルポリオールで用いられるような二塩基酸も導入してもかまわない。該二塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系から選択することが可能である。
第二の接着剤層25を形成する接着剤としては、主剤としてポリエステルポリオールを含むポリウレタン系接着剤が好ましい。該ポリエステルポリオールとして好ましいものとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなど脂肪族系、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコールなどの脂環式系、キシリレングリコールなどの芳香族系ジオールの一種以上を用いて得られた成分が挙げられる。また、このポリエステルポリオールの両末端の水酸基を、イソシアネート化合物の単体、または少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体もしくはイソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールなどが挙げられる。イソシアネート化合物としては、例えば2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。また後述するイソシアネート成分もポリエステルポリオールの鎖伸張剤として用いることも可能である。
上記主剤に対する硬化剤としては、上記ポリエステルポリオールの鎖伸張剤として用いた類のイソシアネート化合物を用いることが可能であり、繰り返しにはなるが、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどから選ばれるイソシアネート化合物の単体、あるいは上記イソシアネート化合物から選択される少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体が挙げられる。さらに電解液耐性(特に電解液に対する溶解性・膨潤性)を改善させるといった目的で、クルードトリレンジイソシアネート、クルード(あるいはポリメリック)ジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれるポリイソシアネートの単体あるいは混合物、あるいはこれらのアダクト体を用いることが有効である。これらの硬化剤を用いることは、接着剤塗膜の架橋密度の向上による溶解性や膨潤性の改善につながると共に、ウレタン基濃度がアップすることから、腐食防止処理層14とシーラント層16との密着性の改善も期待される。上述したポリエステルポリオールの鎖伸張剤として、上記クルードトリレンジイソシアネート、クルード(あるいはポリメリック)ジフェニルメタンジイソシアネートを用いることも、リチウムイオン電池用外装材として用いるにあたり好適な材料といえる。
硬化剤の配合量としては、主剤100質量部に対し1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。1質量部より少ないと、密着性や電解液耐性という点で性能が発現しないおそれがある。100質量部より多いと過剰なイソシアネート基が存在することになり、未反応物の残留による接着剤膜質への影響や、硬さに影響を与えるおそれがある。
前記ポリウレタン系接着剤に、さらに、接着促進のため、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物、シランカップリング剤などを配合することも可能である。これらの化合物の具体例は前記で挙げたとおりである。
その他、接着剤に求められる性能に応じ、各種添加剤や安定剤も配合しても構わない。
第二の接着剤層25の厚みは、1〜10μmが好ましく、3〜5μmがより好ましい。1μm以上であると、電解液耐性とラミネート強度が向上し、10μm以下であると、ラミネート材の端面から透過する水分量が改善される。
(外装材2の製造方法)
外装材2は、たとえば以下の工程(1’)〜(4’)を有する製造方法により製造できる。
(1’)アルミニウム箔層13の片面に、腐食防止処理を施して腐食防止処理層14を形成する工程。
(2’)アルミニウム箔層13の、腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、第一の接着剤層12を介して基材層11を貼り合わせる工程。
(3’)アルミニウム箔層13の腐食防止処理層14側に、第二の接着剤層25を介してシーラント層16を貼り合わせる工程。
(4’)基材層11、第一の接着剤層12、下地処理層31、アルミニウム箔層13、腐食防止処理層14、接着性樹脂層15およびシーラント層からなる積層体を熱処理する工程。
工程(1’)、(2’)、(4’)はそれぞれ、前記外装材1の製造方法として説明した製造方法における工程(1)、(2)、(4)と同様に行うことができる。
工程(3’):
アルミニウム箔層13の腐食防止処理層14側に、第二の接着剤層25を介してシーラント層16を貼り合わせる方法としては、前記工程(2)において説明した、アルミニウム箔層13の腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、第一の接着剤層12を介して基材層11を貼り合わせる方法と同様の方法が採用できる。
外装材2の製造方法は上記の製造方法に限定されない。
例えば、工程(1’)において、アルミニウム箔層の両面に腐食防止処理層を設けてもよい。
また、工程(3’)を行った後に工程(2’)を行ってもよい。
また、工程(4’)を行わない方法であってもよい。
工程(2’)の前に、基材層11を構成するフィルムの、アルミニウム箔層13と貼り合わせる側とは反対側の表面(外装材2の最外層側の表面2aとなる面)に、前記表面改質剤の塗布、表面改質処理等の表面処理を施して基材層11を得る工程を行ってもよい。工程(2’)にて、基材層11の代わりに、前記5秒後の接触角が10°未満または30°超のフィルムを用い、工程(2’)、工程(3’)または工程(4’)の後、得られた積層体の前記フィルム側の表面に、前記表面改質剤の塗布、表面改質処理等の表面処理を施して、前記フィルムを前記基材層11とする工程を行ってもよい。
工程(4’)の後、または工程(3’)の後、必要に応じて、得られた積層体の最外層および/または最内層にスリップ材および/またはアンチブロッキング材を塗布する工程を行ってもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の外装材の第3実施形態について説明する。
図3は、本発明の第3実施形態の外装材3の概略断面図である。
外装材3は、基材層11の一方の面に、第一の接着剤層12と、アルミニウム箔層13と、第二の接着剤層25と、シーラント層16とがこの順で積層した積層体から構成され、アルミニウム箔層13の基材層11側の面には下地処理層31が設けられ、シーラント層16側の面には腐食防止処理層14が設けられている。
外装材3は、基材層11の第一の接着剤層12側とは反対側の表面、つまり外装材1の基材層11側の表面3aに印刷が施される。前記印刷に使用されるインクに含まれるインク溶媒の液滴を表面3aに着滴させたとき、5秒後の接触角は10°以上30°以下であり、接触角の時間変化(5秒間)は6°以下である。
外装材3は、下地処理層31を有している以外は外装材2と同じである。
(下地処理層)
下地処理層31は、アルミニウム箔層13と第一の接着剤層12との接着性を向上させることで、アルミニウム箔層13と基材層11との間の密着性をさらに高める役割を果たす。該密着性がさらに高まることで、外装材の成形性等が向上する。
下地処理層31としては、例えば、下記成分(A)を含有する層が挙げられる。
(A)2以上の含窒素官能基を有する樹脂(A1)と、前記含窒素官能基と反応する反応性官能基を有する樹脂(A2)とから形成された架橋樹脂。
成分(A)は、主に、耐熱密着性の向上に寄与する。下地処理層31が各種プロセスにより設けられる際に、樹脂(A1)の含窒素官能基と樹脂(A2)の反応性官能基とが反応することで、窒素原子を含む架橋部位が形成される。該架橋部位が形成されることで、基材層11とアルミニウム箔層13との間の密着性が向上する。また、窒素原子を含む架橋部位を含有する下地処理層31は、アルミニウム箔層13に対して良好な耐熱密着性を付与する。
樹脂(A1)が有する含窒素官能基としては、例えば、オキサゾリン基、アミノ基等が挙げられる。樹脂(A2)が有する反応性官能基は、樹脂(A1)が有する含窒素官能基に応じて適宜選択できる。
成分(A)における樹脂(A1)と樹脂(A2)との組み合わせとしては、例えば、下記の(A−1)、(A−2)等が挙げられる。
(A−1):樹脂(A1)が、2以上のオキサゾリン基を含有するオキサゾリン基含有樹脂(以下、樹脂(A1−1)ともいう。)であり、樹脂(A2)が、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と他の重合性モノマーとの共重合体、およびそれらのイオン中和物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアクリル系樹脂(以下、樹脂(A2−1)ともいう。)である。
(A−2):樹脂(A1)が、2以上のアミノ基を含有するアミノ基含有樹脂(以下、樹脂(A1−2)ともいう。)であり、樹脂(A2)が、グリシジル基含有化合物(以下、樹脂(A2−2)ともいう。)である。
樹脂(A1−1)は、1分子中に少なくとも2個のオキサゾリン基を有している樹脂であれば特に限定されない。
樹脂(A1−1)としては、例えば、主鎖がアクリル骨格で2以上のオキサゾリン基を含有するオキサゾリン基含有樹脂、主鎖がスチレン/アクリル骨格で2以上のオキサゾリン基を含有するオキサゾリン基含有樹脂等のスチレン/アクリル系樹脂、主鎖がスチレン骨格で2以上のオキサゾリン基を含有するスチレン系樹脂、主鎖がアクリロニトリル/スチレン骨格で2以上のオキサゾリン基を含有するアクリロニトリル/スチレン系樹脂等が挙げられる。
樹脂(A1−1)は、例えば、イソプロペニルオキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマーと、該オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能な、各種アクリル系モノマー、スチレン、アクリロニトリル等の他の重合性モノマーとを共重合させることにより得られる。
樹脂(A1−1)を形成するオキサゾリン基含有モノマーの割合は、0.5mmol/g〜50mmol/gが好ましく、1mmol〜10mmol/lがより好ましい。オキサゾリン基含有モノマーが0.5mmol/g未満であると、充分な密着性が得られ難い。オキサゾリン基含有モノマーは50mmol/gを超えても構わないが、その性能は飽和する。
樹脂(A2−1)は、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と他の重合性モノマーとの共重合体、およびそれらのイオン中和物からなる群から選ばれる少なくとも1種のアクリル系樹脂である。
樹脂(A2−1)は、(メタ)アクリル酸に由来するカルボキシ基を有しており、該カルボキシ基が、成分(A1)のオキサゾリン基と反応してアミドエステル部位を形成する。
樹脂(A2−1)のアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のイオン塩(アンモニウム塩、ナトリウム塩等)を主成分とする樹脂であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸と共重合させる他の重合性モノマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー等が挙げられる。また、他の重合性モノマーとして、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等を用いてもよい。
樹脂(A2−1)は、イオン中和物であってもよい。イオン中和物としては、前記樹脂のアンモニウム塩あるいはナトリウム塩等のイオン塩が挙げられる。
樹脂(A1−2)のアミノ基含有樹脂としては、1分子中に少なくとも2個のアミノ基を有している樹脂であれば特に限定されず、例えばポリアリルアミン、アミノフェノール樹脂等が挙げられる。
樹脂(A2−2)のグリシジル基含有化合物としては、1分子中に少なくとも2個のグリシジル基を有する樹脂が好ましく、例えばポリグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
成分(A)としては、上記の中でも、(A−1)の組み合わせが好ましい。下地処理層31が、樹脂(A1−1)のオキサゾリン基と樹脂(A2−1)のカルボキシ基とが反応することで形成されるアミドエステル部位を有していることで、基材層11とアルミニウム箔層13の密着性が向上する。
また、密着性のさらなる向上を図るという点では、アルミニウム箔層13を構成するアルミニウム箔が両性化合物であることを利用することが好ましい。つまり、アミドエステル部位による効果だけではなく、樹脂(A2−2)が有するカルボキシ基を「酸性基」として作用させ、酸・塩基相互作用を付与することで密着性がさらに向上する。このためには、樹脂(A1−1)に含まれるオキサゾリン基に対して樹脂(A2−2)に含まれるカルボキシ基が等量から過剰になるように配合することが好ましい。
樹脂(A1−1)のオキサゾリン基と樹脂(A2−1)のカルボキシ基の比は、主に樹脂(A1−1)に含まれるオキサゾリン基による「オキサゾリン価」と、樹脂(A2−1)に含まれるカルボキシ基による「酸価」を用いて決定できる。
樹脂(A1−1)と樹脂(A1−2)との質量比は、各成分の共重合成分やそのモル比(あるいは質量比)によっても異なり特に限定されないが、(A1−1)/(A1−2)=1/99〜99/1が好ましく、1/99〜45/55がより好ましい。樹脂(A1−1)と樹脂(A1−2)の合計量に対する樹脂(A1−1)分の割合が1質量%以上であれば、充分な架橋密度が得られやすく、アミドエステル部位の量も多くなることで耐熱性および密着性が向上する。また、樹脂(A1−1)と樹脂(A1−2)との合計量に対する樹脂(A1−1)の割合は、少ないほど前述したカルボン酸による効果が得られやすく、45質量%以下であれば、オキサゾリン基と反応しなかったカルボキシ基によって密着性を向上させることが容易になる。
下地処理層31は、成分(A)に加えて、下記成分(B)をさらに含有してもよい。
(B)希土類元素酸化物。
成分(B)の希土類元素酸化物としては、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ネオジウム、酸化ランタン等が挙げられる。中でも酸化セリウムが好ましい。
成分(B)としては、通常、微粒子(例えば平均粒径100nm以下の粒子)状のものが用いられ、希土類元素酸化物ゾルの状態で下地処理層31の形成に用いられる。希土類元素酸化物ゾルは、液体分散媒中に希土類元素酸化物の微粒子が分散したものである。
希土類元素酸化物ゾルの液体分散媒としては、例えば水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤など各種溶媒を用いることができる。なかでも、水が好ましい。
下地処理層31に含まれる成分(B)は1種でも2種以上でもよい。
成分(B)を含む場合、下地処理層31は下記成分(C)をさらに含有することが好ましい。
(C)リン酸またはリン酸塩。
成分(C)は、前記希土類元素酸化物ゾル中での成分(B)の分散を安定化させる分散安定化剤として配合され、特に希土類酸化物の表面処理剤として成分(C)を用いたほうが好ましい。また、下地処理層31が成分(C)を含有することで、成分(B)の分散安定化だけでなく、リチウムイオン電池用外装材の用途において、リン酸のキレート能力を利用した、アルミニウム箔層13との密着性向上、フッ酸の影響で溶出した金属物イオンを捕獲(不動態形成)することよる電解液耐性の付与、低温でもリン酸の脱水縮合起こしやすいことによる下地処理層31の凝集力の向上、などの効果が得られる。
成分(C)としては、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、これらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。
成分(C)としては、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、ウルトラメタリン酸などの縮合リン酸、あるいはこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が、リチウムイオン電池用外装材としての機能発現に好ましい。特に、希土類元素酸化物ゾルを含むコーティング組成物を用いて、各種コーティング法により希土類酸化物を含む層を形成させる時の乾燥造膜性(乾燥能力、熱量)を考慮すると、低温での反応性に優れる剤が好ましく、低温での脱水縮合性に優れる点から、ナトリウム塩が好ましい。リン酸塩としては、水溶性の塩が好ましい。
下地処理層31に含まれる成分(C)は1種でも2種以上でもよい。
下地処理層31中、成分(C)の含有量は、成分(B)100質量部に対し、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。1質量部以上であると、成分(B)の分散安定化等の効果が充分に得られると共に、リチウムイオン電池用外装材としての機能を満たすことが容易である。成分(C)の配合上限は、成分(B)の機能低下を伴わない範囲であればよく、成分(B)100質量部に対し、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
下地処理層31中、成分(A)100質量部に対する成分(B)と成分(C)との合計量は、200〜12000質量部が好ましく、300〜10000質量部がより好ましく、500〜10000質量部がさらに好ましく、1000〜8000質量部が特に好ましい。成分(B)と成分(C)との合計量が成分(A)100質量部に対して200〜12000質量部であると、基材層11とアルミニウム箔層13との間の密着性、特に電解液雰囲気下での密着性が向上する。
下地処理層31は、密着性をさらに向上させるために、成分(A)に加えて、下記成分(E)をさらに含有することが好ましい。成分(E)は、下地処理層31が各種プロセスにより設けられる際に、アルミニウム箔層13との密着性を向上させる役割を果たす。
(E)下式(1)で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物、およびそれらの誘導体(以下、「成分(E1)」という。)、ならびに下式(2)で表される金属アルコキシド、該金属アルコキシドの加水分解物、およびそれらの誘導体(以下、「成分(E2)」という。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物。
−Si(OR …(1)
M(OR …(2)
(ただし、式中、Rはアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アミノ基、エポキシ基またはイソシアネート基を含む有機基であり、Rはアルキル基であり、Mは金属イオンであり、Rはアルキル基であり、nは前記金属イオンの価数と同じ数である。)
成分(E1)におけるRとしては、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、ビニル基、アミノアルキル基、グリシドオキシアルキル基、イソシアネートアルキル基等が挙げられる。
成分(E1)としては、例えば、エチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン等、その加水分解物、その縮合物(二量体、三量体等)等が挙げられる。なかでも、エポキシ基が含まれているグリシドオキシトリメトキシシラン、エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランが特に好ましい。
成分(E2)におけるMとしては、Si、Al、Ti、Zr等が挙げられる。
成分(E2)としては、例えば、テトラエトキシシラン、トリプロポキシアルミニウム等、その加水分解物、その縮合物等が挙げられる。
成分(E1)および成分(E2)における加水分解物またはその縮合物を得る方法としては、前記オルガノシランや金属アルコキシドに、直接酸やアルカリ等を添加して加水分解を行う方法等、既知の方法を採用できる。また、必要に応じて、錫化合物等の反応を促進させる反応触媒を添加してもよい。
下地処理層31に含まれる成分(E)は1種でも2種以上でもよい。
下地処理層31中の成分(E)の含有量は、成分(A)100質量部に対して0.1〜100質量部が好ましく、0.3〜50質量部がより好ましい。成分(E)の含有量が成分(A)100質量部に対して0.1質量部以上であれば、密着性の向上効果が得られやすい。一方、成分(E)の含有量が成分(A)100質量部に対して100質量部を超えても、密着性の向上効果が飽和状態となる。
下地処理層31が各種プロセスにより設けられる際に、成分(A)を構成する樹脂(A1)と樹脂(A2)とが反応して架橋部位が形成されることで耐熱性が向上する。下地処理層31において、このようにして形成される架橋部位とは別の架橋部位を形成させることで、耐熱性をさらに向上させることができる。
該別の架橋部位を形成させる添加剤としては、下記成分(F)が挙げられる。つまり、成分(F)によって下地処理層31の架橋密度がさらに高まることで、下地処理層31の耐熱性がさらに向上する。
(F)前記成分(E)以外の金属化合物。
成分(F)としては、下地処理層31を形成する成分と液体媒体(溶媒又は分散媒)を含むコーティング組成物中に配合された際、この溶液状態においてイオン解離する金属化合物を使用できる。各種コーティング方法によって前記コーティング組成物をアルミニウム箔層13上に塗布した後に液体媒体を揮散させることで、樹脂(A1)と樹脂(A2)とが反応し、また成分(F)から解離した金属イオンが成分(A)に作用して(例えば前記樹脂(A2−1)の未反応のカルボキシ基や前記樹脂(A1−2)の未反応のアミノ基に作用して)イオン架橋を形成する。
成分(F)としては、コーティング組成物中に配合された際にイオン解離し(溶媒に対して溶解性を有する)、解離した金属イオンが成分(A)に作用してイオン架橋を形成するものであればよく、水溶性の金属化合物が好ましい。例えば、下記成分(F1)および成分(F2)が挙げられる。
(F1)水溶液が酸性となる金属化合物。
(F2)水溶液が塩基性となる金属化合物。
成分(F1)としては、例えば、各種金属の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ酸塩等が挙げられる。前記金属化合物の前記金属としては、亜鉛、鉄、マンガン、銅、クロム、ジルコニウム、コバルト等が挙げられる。また、金属は、ナトリウム、カルシウム等のアルカリ(土類)金属であってもよい。
成分(F2)としては、例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウム化合物等が挙げられる。
前記成分(F1)を含む水溶液は酸性を示す。この場合、成分(A)としては、同じく水溶性の酸性溶液という点で検討すると、樹脂(A1−1)と樹脂(A2−1)とからなるものを用い、かつ樹脂(A2−1)として、ポリ(メタ)アクリル酸、または(メタ)アクリル酸と他の重合性モノマーの共重合体を用いることが必要となる。しかし、樹脂(A1−1)はオキサゾリン基(塩基性)を有することから、塗工前にコーティング組成物中で樹脂(A1−1)と樹脂(A2−1)が次第に反応し、塗工適正を低下させるおそれがある(コーティング組成物のポットライフへの影響)。この点では、樹脂(A2−1)として、アンモニウム塩あるいはナトリウム塩といったイオン塩(イオン中和物)を用いて、塗工前のコーティング組成物中でのカルボキシル基とオキサゾリン基の反応を抑制し、コーティング組成物が乾燥・造膜する際に、カルボキシル基とオキサゾリン基が反応するようにすることが好ましい。また、この場合の樹脂(A2−1)は、コーティング組成物の乾燥・造膜の際、不純物として残存しにくいアンモニウム塩であることがより好ましい。
以上のように、下地処理層31を形成するコーティング組成物は、塗工前の段階では塩基性の溶液であることが好ましいため、成分(F)を含む水溶液も塩基性であることが好ましい。したがって、成分(F)としては、コーティング組成物のポットライフや安定性の点から、成分(F2)が好ましく、炭酸ジルコニウムアンモニウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウム化合物が特に好ましい。
下地処理層31に含まれる成分(F)は1種でも2種以上でもよい。
下地処理層31中の成分(F)の金属換算での含有量は、成分(A)100質量部に対して0.1〜100質量部が好ましく、0.5〜50質量部がより好ましく、1〜30質量部がさらに好ましい。成分(F)の金属換算での含有量が成分(A)100質量部に対して0.1質量部以上であれば、成分(F)による密着性の向上効果が得られやすい。成分(F)の金属換算での含有量が成分(A)100質量部に対して100質量部以下であれば、成分(F)が未反応物として下地処理層31中に残存して凝集力が低下すること抑制しやすい。
下地処理層31は、成分(A)を形成する樹脂(A1)および樹脂(A2)と、液体媒体(溶媒または分散媒)と、必要に応じて他の成分とを含むコーティング組成物をアルミニウム箔層13上に塗工し、乾燥キュアすることにより形成できる。下地処理層31が成分(B)をさらに含む場合、成分(B)は、成分(A)を形成する樹脂(A1)および樹脂(A2)と同じコーティング組成物に配合さてもよく、異なるコーティング組成物に配合されてもよい。異なるコーティング組成物に配合される場合、それらのコーティング組成物を順次塗工、乾燥することで、成分(A)および成分(B)を含む層を形成することができる。下地処理層31の形成方法については後で詳しく説明する。
下地処理層31の厚みは、0.001〜1μmが好ましい。下地処理層31の厚みが0.001μm以上であれば、基材層11とアルミニウム箔層13との間の密着性が充分に向上する。下地処理層31の厚みが1μm以下であれば、成形性が向上し、また架橋反応に必要な熱量が大きくなりすぎず乾燥キュア工程が容易になるので生産性が向上する。
(外装材3の製造方法)
外装材3は、たとえば以下の工程(1”)〜(5”)を有する製造方法により製造できる。
(1”)アルミニウム箔層13の片面に、腐食防止処理を施して腐食防止処理層14を形成する工程。
(2”)アルミニウム箔層13の、腐食防止処理層14を形成した側と反対側に、下地処理層31を形成する工程。
(3”)アルミニウム箔層13の下地処理層31を形成した側に、第一の接着剤層12を介して基材層11を貼り合わせる工程。
(4”)アルミニウム箔層13の腐食防止処理層14を形成した側に、第二の接着剤層25を介してシーラント層16を貼り合わせる工程。
(5”)基材層11、第一の接着剤層12、下地処理層31、アルミニウム箔層13、腐食防止処理層14、第二の接着剤層25およびシーラント層からなる積層体を熱処理する工程。
工程(1”)、(3”)、(4”)、(5”)はそれぞれ、前記外装材2の製造方法として説明した製造方法における工程(1’)、(2’)、(3’)、(4’)と同様に行うことができる。
工程(2”):
下地処理層31は、樹脂(A1)、樹脂(A2)を含む層を形成し、硬化させることにより形成できる。
該層は、各成分と液体媒体とを含むコーティング組成物を塗工、乾燥することにより形成できる。
液体媒体としては、例えば水、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤など各種溶媒を用いることができる。なかでも、水が好ましい。液体媒体の使用量は、コーティング組成物が塗工可能となる範囲内であれば特に限定されない。
下地処理層31が成分(B)を含む(さらに成分(C)を含む)場合、これらの成分は、樹脂(A1)、樹脂(A2)とともに1つのコーティング組成物に配合されてもよく、異なるコーティング組成物に配合されてもよい。たとえば樹脂(A1)及び樹脂(A2)を含むコーティング組成物、成分(B)及び成分(C)を含むコーティング組成物をそれぞれ調製し、それらのコーティング組成物を順次塗工、乾燥することで、樹脂(A1)、樹脂(A2)、成分(B)、成分(C)を含む層を形成することができる。
前記コーティング組成物の塗工方法としては、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、マイクログラビアコート、コンマコート、エアナイフコート、メイヤーバーコート、ディップコート、ダイコート、スプレーコート等の各種塗工方法が採用できる。
前記層の乾燥と硬化(乾燥キュア)は、母材温度として80〜250℃の範囲内となるように行うことが好ましい。
ただし工程(5”)を行う場合、工程(2”)の終了時点では、樹脂(A1)、樹脂(A2)が架橋樹脂(成分(A))を形成していなくてもよい。
外装材3を構成する積層体の製造方法は上記の製造方法に限定されない。
例えば、工程(2”)を行ってから工程(1”)を行ってもよい。
工程(1”)において、アルミニウム箔層の両面に腐食防止処理層を設け、工程(2”)で、片方の腐食防止処理層上に下地処理層31を設けてもよい。
また、工程(4”)を行った後に工程(3”)を行ってもよい。
また、工程(5”)を行わない方法であってもよい。
工程(3”)の前に、基材層11を構成するフィルムの、アルミニウム箔層13と貼り合わせる側とは反対側の表面(外装材3の最外層側の表面3aとなる面)に、前記表面改質剤の塗布、表面改質処理等の表面処理を施して基材層11を得る工程を行ってもよい。工程(3”)にて、基材層11の代わりに、前記5秒後の接触角が10°未満または30°超のフィルムを用い、工程(3”)、工程(4”)または工程(5”)の後、得られた積層体の前記フィルム側の表面に、前記表面改質剤の塗布、表面改質処理等の表面処理を施して、前記フィルムを前記基材層11とする工程を行ってもよい。
工程(5”)の後、または工程(4”)の後、必要に応じて、得られた積層体の最外層および/または最内層にスリップ材および/またはアンチブロッキング材を塗布する工程を行ってもよい。
以上、第1実施形態〜第3実施形態を示して本発明の外装材を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
たとえば、第1実施形態〜第3実施形態の外装材1〜3において、アルミニウム箔層13の両面に腐食防止処理層14が設けられてもよい。
第3実施形態の外装材3において、第二の接着剤層25の代わりに、接着性樹脂層15を有してもよい。
本発明の外装材は、リチウムイオン電池の製造に用いられる。
本発明の外装材が用いられるリチウムイオン電池の形態としては、ラミネートフィルムで筐体の一部または全部が構成されるものであれば特に限定されず、公知の形態を採用でき、例えば冷間成形が施された成形品で筐体の一部または全部が構成されるものが挙げられる。かかる用途において、本発明の外装材は、冷間成形により成形品とすることができる。冷間成形では、通常、電池セル(正極、セパレータ、負極)を収納するための凹部が形成される。冷間成形は、常温で行う成形方法であり、たとえば深絞り成形、張り出し成形等のプレス成形などが挙げられる。
本発明の外装材を用いたリチウムイオン電池の製造は、公知の製造方法を採用できる。
リチウムイオン電池の製造工程において、本発明の外装材の最外層側の表面にインクを用いて印刷が施される。例えば外装材を用いてリチウムイオン電池を製造した後、該外装材の基材層側の表面(リチウムイオン電池の外表面)に対し、バーコート、ロゴ等が印刷され、印刷層付きリチウムイオン電池とされる。
インクの印刷方法としては、ロットトレースを考慮して連続した番号を自動的に印刷できる点で、インクジェット印刷が好ましい。
インクとしては、印刷方法等を考慮して、公知のインクのなかから適宜選択できる。例えばインクジェット印刷の場合、インクとしては、速乾性の点で、インク溶媒が有機溶媒であるものが好ましく、インク溶媒がメチルエチルケトン、またはメチルエチルケトンを主成分とする混合溶媒であるものが好ましい。
「メチルエチルケトンを主成分とする混合溶媒」とは、メチルエチルケトンと他の有機溶媒との混合溶媒であって、該混合溶媒中のメチルエチルケトンの含有量が90質量%以上100質量%未満であるものを示す。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の各例で用いた材料は下記の通りである。
<使用材料>
[基材層11]
基材A:2軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社の「N1102」、厚み25μm)。
基材B:チューブラー法により製造されたナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ社の「RX」、厚み25μm)。
基材C:チューブラー法により製造されたナイロンフィルム(出光ユニテック社の「G100」、厚み25μm)。
基材D:2軸延伸ナイロンフィルム(三菱樹脂社の「SNR」、厚み25μm)。
基材E:2軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社の「N1102」、厚み15μm)。
基材F:2軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡社の「N1202」、厚み15μm)。
[第一の接着剤層12]
接着剤AD−1:ポリエステルポリオール系主剤に対して、トリレンジイソシアネートのアダクト体系硬化剤を配合したポリウレタン系接着剤(東洋インキ製)。
[下地処理層31]
下地処理剤PL−1:ポリアクリル酸アンモニウム塩(東亞合成製)90質量%とアクリル−イソプロペニルオキサゾリン共重合体(日本触媒製)10質量%とからなる混合物と、酸化セリウム100質量部に対してリン酸のナトリウム塩を10質量部配合したポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾルとを混合したコーティング組成物。ポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾルの配合量は、前記混合物100質量部に対して、4000質量部とした。
[アルミニウム箔層13]
アルミニウム箔AL−1:焼鈍脱脂処理した厚み40μmの軟質アルミニウム箔8079材(東洋アルミニウム製)。
[腐食防止処理層14]
処理剤CL−1:酸化セリウム100質量部に対してリン酸のナトリウム塩を10質量部配合し、溶媒として蒸留水を用いて固形分濃度10質量%に調整したポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾル。
処理剤CL−2:ポリアクリル酸アンモニウム塩(東亞合成製)90質量%とアクリル−イソプロペニルオキサゾリン共重合体(日本触媒製)10質量%とからなる混合物を、溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5質量%に調整した組成物。
処理剤CL−3:ポリアリルアミン(日東紡製)90質量%とポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製)10質量%とからなる混合物を、溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5質量%に調整した組成物。
[第二の接着剤層25]
接着剤AD−2:トルエンに溶解させた無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、イソシアヌレート構造のポリイソシアネート化合物を10質量部(固形分比)で配合した接着剤組成物。
[接着性樹脂層15]
接着性樹脂AR−1:ランダムポリプロピレン(PP)に対して無水マレイン酸をグラフト変性させた変性PPに対し、ゴム成分(エラストマー相)を配合した変性ポリオレフィン樹脂(三井化学製)。
[シーラント層16]
フィルムSL−1:トータル厚みが30μmのランダムPP/ブロックPP/ランダムPPからなる2種3層からなる多層フィルム(オカモト製)。
<実施例1〜3、比較例1〜2>
図3に示す層構成の外装材を、以下の手順で製造した。
工程(I):
アルミニウム箔層13(アルミニウム箔AL−1)の片面(電解液が充填される側)に、CL−1を塗工、乾燥し、その後、CL−2を塗工、乾燥し、さらにその後、CL−3を塗工、乾燥して腐食防止処理層14を設けた。各処理剤の塗工はマイクログラビアコートにより行った。処理剤CL−1〜CL−3の塗工量は、トータルのドライ塗布量が70〜100mg/mとなるようにし、塗工後の乾燥(焼き付け処理)は、乾燥ユニットにおいてコーティング剤のタイプに応じて150〜250℃で行った。
工程(II):
腐食防止処理層14を設けたアルミニウム箔層13の反対面に、下地処理剤PL−1を塗工、乾燥して下地処理層31(厚み0.030μm)を設けた。下地処理剤の塗工はマイクログラビアコートにより行った。塗工量は、ドライ塗布量として70〜100mg/mとなるようにし、塗工後の乾燥(焼き付け処理)は、120〜200℃で行った。
工程(III):
一方の面に腐食防止処理層14、他方の面に下地処理層31を設けたアルミニウム箔層13の下地処理層31側に、接着剤AD−1を用いて、表1に示す基材(基材A〜Eのいずれか1つ)を貼りあわせた。この際、グラビアリバースコートにより、接着剤AD−1がドライ塗布量として4〜5g/mになるようにラミネートを行った。その後、エージング処理を施すことで、接着剤AD−1を硬化させた。これにより、基材層11/第一の接着剤層12/下地処理層31/アルミニウム箔層13/腐食防止処理層14の層構成の積層体を得た。
工程(IV):
工程(III)で得た積層体の腐食防止処理層14側に、接着剤AD−2を用いてフィルムSL−1を貼りあわせることにより、第二の接着剤層25を介してシーラント層16を積層させた。この際、グラビアリバースコートにより、接着剤がドライ塗布量として3〜5g/mになるようにラミネートを行った。その後、エージング処理を施すことで、接着剤を硬化させた。これにより、基材層11/第一の接着剤層12/下地処理層31/アルミニウム箔層13/腐食防止処理層14/第二の接着剤層25/シーラント層16の層構成の積層体を得た。
工程(V):
工程(IV)で得た積層体を、150〜200℃に加温した熱圧着ロール間に通過させて熱処理を行い、外装材を得た。
得られた外装材について、以下の測定および評価を行った。
[接触角の時間変化および5秒後の接触角の測定]
外装材の基材層11側の表面にメチルエチルケトン(MEK)の液滴が着滴してから2秒間または5秒間での接触角(MEK接触角)の時間変化、着滴から5秒後のMEK接触角をそれぞれ前述の手順で測定した。結果を表1に示す。
[印刷適性の評価]
外装材の基材層11側の表面に、インクジェットプリンターで、インク溶媒がMEKであるインクを用いて、バーコードを印刷し、評価サンプルを作成した。
10個の評価サンプルそれぞれについて、バーコードスキャナーを用いて、バーコードの読み込みが可能かどうか評価した。また、目視にて印刷したインクドットの広がり具合を評価した。これらの結果から、以下の判定基準で印刷適性を評価した。結果を表2に示す。
<判定基準>
◎:バーコードの読み取りが可能であり、かつインクドットの広がりが無かった。
○:バーコードの読み取りが可能であったが、インクドットの広がりが有った。
×:バーコードの読み取りが不可であった。
また、10個の評価サンプルの評価結果から、以下の判定基準で総合評価を行った。結果を表2に示す。
<判定基準>
◎:10個の評価サンプルの評価結果がすべて◎であった。
○:10個の評価サンプルの評価結果が○または◎であり、少なくとも1つが○であった。
×:10個の評価サンプルの評価結果の少なくとも1つが×であった。
Figure 2015065159
Figure 2015065159
上記結果に示すように、基材層11側の表面におけるMEK接触角の時間変化(5秒間)が6°以下であり、5秒後のMEK接触角が10°以上30°以下である実施例1〜3の外装材は、インク溶媒がMEKであるインクによる印刷を良好に行うことができた。
一方、MEK接触角の時間変化(5秒間)が6°超であり且つ5秒後のMEK接触角が10°未満の比較例1、MEK接触角の時間変化(5秒間)が6°超の比較例2の外装材は、インク溶媒がMEKであるインクによる印刷を行ったときに、印刷不良が生じた。
<実施例4、比較例3>
基材表面への表面処理の効果を確かめるために、以下の手順で外装材を製造した。
実施例4では、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製「TSF410」)をイソプロピルアルコールに固形分濃度0.04質量%となるように分散させ、基材Fの一方の面に、ドライ塗布量が2.5mg/mとなるようにワイヤーバーで塗布し、乾燥させた。これを基材F(表面処理あり)とした。この基材F(表面処理あり)を、シリコーンオイルによる表面処理面が外側(第一の接着剤層の接着面の反対面)となるように用いた以外は、実施例1と同様の手順で外装材を作製した。
比較例3では、基材Fを、表面処理を行わずにそのまま用いた以外は、実施例4と同様の手順で外装材を作製した。
得られた外装材について、前記と同じ方法で、[接触角の時間変化および5秒後の接触角の測定]および[印刷適性の評価]を行った。結果を表3及び表4に示す。
Figure 2015065159
Figure 2015065159
上記結果に示すように、5秒後のMEK接触角が10°未満の基材F(表面処理なし)を用いた比較例3の外装材は、インク溶媒がMEKであるインクによる印刷を行ったときに、印刷不良が生じた。これに対し、同一の基材に表面処理を施すことで、基材層11側の表面におけるMEK接触角の時間変化(5秒間)を6°以下、5秒後のMEK接触角を10°以上30°以下とした実施例4の外装材は、インク溶媒がMEKであるインクによる印刷を良好に行うことができた。
本発明の外装材によれば、該外装材を用いてリチウムイオン電池を組み立てた後、偽造防止やデザインによる意匠性、ロットトレースなどのために、外装材の外表面にデザインの印刷やインクジェットプリンターによるバーコード印刷などを行ったときに、印刷不良が生じにくい。そのため、上記のような印刷が施されたリチウムイオン電池を安定的に生産することが可能になる。
1 リチウムイオン電池用外装材
2 リチウムイオン電池用外装材
3 リチウムイオン電池用外装材
11 基材層
12 第一の接着剤層
13 アルミニウム箔層
14 腐食防止処理層
15 接着性樹脂層
16 シーラント層
25 第二の接着剤層
31 下地処理層

Claims (7)

  1. 少なくとも1層の基材層と、第一の接着剤層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、接着性樹脂層または第二の接着剤層と、シーラント層とがこの順に積層してなる積層体から構成され、前記基材層側の表面に印刷が施されるリチウムイオン電池用外装材であって、
    前記基材層側の表面に、前記印刷に使用されるインクに含まれるインク溶媒の液滴を着滴させたときに、前記液滴の着滴から5秒後における接触角が10°以上30°以下であり、前記液滴の着滴から5秒間での接触角の変化が6°以下であることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
  2. 前記基材層の表面に表面処理が施されており、該表面処理によって、前記接触角が10°以上30°以下、前記接触角の変化が6°以下となっている、請求項1に記載のリチウムイオン電池用外装材。
  3. 前記表面処理が、表面改質剤の塗布である、請求項2に記載のリチウムイオン電池用外装材。
  4. 前記表面改質剤が、シリコーンオイルである、請求項3に記載のリチウムイオン電池用外装材。
  5. 前記印刷がインクジェット印刷である請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用外装材。
  6. 前記インク溶媒が有機溶媒である請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用外装材。
  7. 前記インク溶媒がメチルエチルケトン、またはメチルエチルケトンを主成分とする混合溶媒である請求項6に記載のリチウムイオン電池用外装材。
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