JP2002067255A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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JP2002067255A
JP2002067255A JP2000265104A JP2000265104A JP2002067255A JP 2002067255 A JP2002067255 A JP 2002067255A JP 2000265104 A JP2000265104 A JP 2000265104A JP 2000265104 A JP2000265104 A JP 2000265104A JP 2002067255 A JP2002067255 A JP 2002067255A
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polyester film
resin
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water
laminated polyester
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JP2000265104A
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Arimichi Shirakawa
有理 白河
Hagumu Takada
育 高田
Takashi Mimura
尚 三村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット印刷における印刷インク受容層
に代表されるポリビニルアルコールなどの水溶性、親水
性樹脂を主成分とする水系機能層との接着性および耐湿
熱性を満足し得る積層ポリエステルフィルムを提供する
こと。 【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、水滴接触角が60度以上であり、かつエチレングリ
コール液滴またはホルムアミド液滴の接触角が40度以
下である樹脂層が形成されてなる積層ポリエステルフィ
ルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層ポリエステル
フィルムに関し、さらに詳しくは、本発明は、インクジ
ェット印刷における印刷インク受容層に代表されるポリ
ビニルアルコールなどの水溶性、親水性樹脂を主成分と
する水系機能層との接着性および耐湿熱性を満足し得る
積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、寸法
安定性、機械的性質、耐熱性、透明性および電気的性質
などに優れた性質を有することから、磁気記録材料、包
装材料、電気絶縁材料、各種写真材料およびグラフィッ
クアーツ材料などの多くの用途の基材フィルムとして広
く使用されている。
【0003】一般に、二軸配向ポリエステルフィルムは
表面が高度に結晶配向しているため、各種塗料や樹脂、
インクとの接着性に乏しいという欠点を有している。こ
のため、従来から、ポリエステルフィルム表面に種々の
方法で接着性を与えるための検討がなされてきた。
【0004】従来、接着性付与の方法としては、例え
ば、基材となるポリエステルフィルム表面のコロナ放電
処理、紫外線照射処理、プラズマ処理などを行なう表面
活性化法、酸、アルカリ、アミン水溶液などの薬剤によ
る表面エッチング法、フィルム表面にアクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂な
どの各種樹脂をプライマー層として設ける方法などが知
られている(特開昭58−29626号公報、特開昭6
0−149442号公報、特開昭62−152850号
公報および特開平1−108037号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ポリエステルフィルムは、インクジェット印刷における
印刷インク受容層に代表されるポリビニルアルコールな
どの水溶性、親水性樹脂を主成分とする水系機能層との
接着性が不足するという問題があった。本発明は、この
ような従来技術の欠点を改良し、インクジェット印刷に
おける印刷インク受容層に代表されるポリビニルアルコ
ールなどの水溶性、親水性樹脂を主成分とする水系機能
層との接着性および耐湿熱性を満足し得る積層ポリエス
テルフィルムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に、水滴接触角が60度以上であ
り、かつエチレングリコール液滴またはホルムアミド液
滴の接触角が40度以下である樹脂層が形成されてなる
ことを特徴とする積層ポリエステルフィルムであり、本
発明においては、上記樹脂層には親水性官能基が含有さ
れることが好ましい態様として含まれている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の積層ポリエステルフィル
ムにおいて、ポリエステルフィルムのポリエステルと
は、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の
総称であって、好ましいポリエステルとしては、エチレ
ンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、
ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2
−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシ
レート等から選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要
構成成分とするものを用いることができる。これら構成
成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、
中でも品質、経済性などを総合的に判断するとエチレン
テレフタレートを主要構成成分とするポリエステルを用
いることが特に好ましい。また、フィルムに熱が作用す
る場合には、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,
6−ナフタレートが更に好ましい。
【0008】また、これらポリエステルには、更に他の
ジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは2
0モル%以下共重合されていてもよい。更に、このポリ
エステル中には、各種添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱
安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔
料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止
剤および核剤などがその特性を悪化させない程度に添加
されていてもよい。
【0009】上記ポリエステルを使用したポリエステル
フィルムは、樹脂層が設けられた状態においては二軸配
向されたものであることが好ましい。二軸配向ポリエス
テルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステル
シートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々
2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理が施され
て、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で
二軸配向のパターンを示すものをいう。
【0010】ポリエステルフィルムの厚みは特に限定さ
れるものではなく、適宜選択されるが、機械的強度やハ
ンドリング性などの点から、通常1〜500μm、好ま
しくは5〜300μmである。また、得られたフィルム
を各種の方法で貼り合わせて用いることもできる。
【0011】また、本発明では、透明タイプのポリエス
テルフィルムの他に、白色ポリエステルフィルムも好適
に用いられる。この白色ポリエステルフィルムは、白色
に着色されたポリエステルフィルムであれば特に限定さ
れるものではなく、好ましくは白色度が85〜150
%、より好ましくは90〜130%であり、光学濃度が
好ましくは0.5〜5、より好ましくは1〜3の場合で
ある。例えば、白色度が小さい基材のポリエステルフィ
ルムを使用した場合、反対面の模様や着色が透過し表面
の印刷層の美観が損なわれ易く、一方、光学濃度が小さ
い場合、十分な光線反射が得られず、肉眼で見た場合白
さが減少する、反対面の影響を受けるなど好ましくな
い。
【0012】本発明の積層ポリエステルフィルムにおい
ては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、水滴
接触角が60度以上であり、かつエチレングリコール液
滴またはホルムアミド液滴の接触角が40度以下である
樹脂層が形成されている。
【0013】本発明にかかる樹脂層における各接触角
は、後述の[特性の測定方法ならびに効果の評価方法]
に記載の方法によって測定されるが、水滴接触角は60
度以上であり、かつエチレングリコール液滴またはホル
ムアミド液滴の接触角が40度以下である。さらに、該
樹脂層においては、水滴接触角が60度以上であり、か
つインクジェット用インキに含有され得るエチレングリ
コールの液滴接触角が40度以下であることが好まし
い。また、該樹脂層の水滴接触角が60度以上であり、
かつホルムアミド液滴の接触角が40度以下のときは、
ホルムアミドの表面張力57×10-3N/mとエチレン
グリコールの表面張力48×10-3N/m(25℃にお
ける値。化学便覧基礎編改訂4版・社団法人日本化学会
編)から、エチレングリコール液滴およびホルムアミド
液滴の接触角がいずれも40度以下となる傾向があるこ
とが一般に推測される。したがって、本発明では、エチ
レングリコール液滴の接触角およびホルムアミド液滴の
接触角がともに40度以下であることがより好ましい態
様として含まれる。
【0014】本発明では、水滴接触角が60度未満で
は、耐湿熱性、すなわち湿熱処理した後に、水溶性、親
水性樹脂を主成分とする水系機能層との良好な接着性が
得られない。該エチレングリコール液滴およびホルムア
ミド液滴の接触角がいずれも40度より大きいときに
は、水溶性、親水性樹脂を主成分とする水系機能層との
良好な接着性が得られない。
【0015】本発明にかかる上記の特性を有する樹脂層
には、親水性官能基を有する化合物が含有されるが、こ
こでいう親水性官能基としては、親水性および水分散性
機能を有する官能基であれば、特に限定されるものでは
ないが、例えば、カルボン酸基およびカルボン酸塩基、
スルホン酸基およびスルホン酸塩基、エステル基、アミ
ド基、アミノ基、水酸基、グリシジル基、アセチル基な
どが挙げられ、これらの官能基は併用することができ
る。該親水性官能基量が少なすぎると、該エチレングリ
コール液滴およびホルムアミド液滴の接触角がいずれも
40度より大きくなる場合がある。該親水性官能基量と
しては、例えば、該樹脂層に含有される親水性官能基の
うち、特に、樹脂の重合に作用しないカルボン酸基およ
びカルボン酸塩基、スルホン酸基およびスルホン酸塩
基、アミノ基、水酸基を有する構成成分に着目し、該構
成成分のモル%と、該構成成分からなる樹脂および化合
物の重量部量の積の和量を用いたとき、該積の和量が1
000以上であることが好ましい。
【0016】本発明の樹脂層に用いられる樹脂として
は、上記の要件を満足するものであれば特に限定される
ものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、変性ポリ
エステル共重合体(例えば、アクリル、ウレタン、エポ
キシなどで変性したブロック共重合体、グラフト共重合
体など)、アクリル樹脂、変性アクリル共重合体(例え
ば、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどで変性した
ブロック共重合体、グラフト共重合体など)、ウレタン
樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコー
ン樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、
スチレン樹脂、ポリビニル樹脂および水溶性化合物など
が挙げられる。
【0017】ここでいう水溶性化合物とは、水溶性を示
すものであれば特に限定されないが、例えば、セルロー
ス化合物、デンプン類、寒天、にかわ、ゼラチン、完全
または部分ケン化ポリビニルアルコールおよびそのアニ
オン、カチオン変性物、アセタール化度またはブチラー
ル化度が30%以下のポリビニルアルコール、ポリアク
リルアミドおよびその共重合体、ポリビニルピロリドン
およびその共重合体、ポリ−N−ビニルアセトアミド及
びその共重合体、ポリエチレンオキサイド、エチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイド共重合体、ポリブチレ
ンオキサイド、カルボキシル化ポリエチレンオキサイ
ド、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸およ
びそのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、エチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられ
る。これらの樹脂は、1種または2種以上を混合しても
よい。
【0018】さらに、本発明にかかる樹脂層には、本発
明の効果が損なわれない範囲内で、各種の添加剤、例え
ば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収
剤、易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充
填剤、帯電防止剤、核剤および界面活性剤などが配合さ
れていてもよい。
【0019】本発明にかかる樹脂層に、粒子や架橋剤を
添加することは任意であるが、これらの添加によって易
滑性や耐ブロッキング性が向上するので好適である。該
粒子としては、特に限定されないが、シリカ、コロイダ
ルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タル
ク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができ
る。該架橋剤としては、特に限定されないが、メチロー
ル化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、
アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、エポキシ化合
物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物、ア
ジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタ
ネート系カップリング剤などを用いることができる。
【0020】また、本発明にかかる樹脂層の厚みは、特
に限定されないが、好ましくは0.02〜5μm、より
好ましくは0.03〜2μm、最も好ましくは0.05
〜0.5μmである。該層の厚みが薄すぎると、水系機
能層との接着性が不良となる場合がある。
【0021】基材であるポリエステルフィルム上に上記
の樹脂層を形成する方法は、特に限定されないが、通
常、塗布方法、共押出方法などが使用される。基材であ
るポリエステルフィルム上への塗布の方法は、各種の塗
布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート
法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法およ
びプレーコート法などを用いることができる。好ましく
は、ポリエステルフィルムの製造工程において、有機溶
媒あるいは水に溶解、分散させた樹脂を塗布する方法を
使用することができる。
【0022】本発明にかかる積層ポリエステルフィルム
の樹脂層上には、さらに水溶性、親水性樹脂を主成分と
する水系機能層を設けることが可能である。該水系機能
層は、例えばインクジェット印刷における印刷インク受
容層に代表されるように、その機能を果たすものであれ
ば、特に限定されるものではないが、水溶性、親水性樹
脂を主成分とするものである。
【0023】該水溶性、親水性樹脂としては、例えば、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、セルロース
サルフェート、かんしょデンプン、馬鈴薯デンプン、酸
化デンプン、リン酸デンプン、カルボキシル化デンプ
ン、ヒドロキシエチル化デンプン、シアノエチル化デン
プン、アクリル酸グラフトデンプン、デキストリン、コ
ーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、アルギン酸
ナトリウム、トロロアオイ、トラガントガム、アラビア
ゴム、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、カ
ラギニン、にかわ、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、ア
ルブミン、完全または部分ケン化ポリビニルアルコール
及びそのアニオン、カチオン変性物、アセタール化度ま
たはブチラール化度が30%以下のポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ポリビニル
ピロリドン及びその共重合体、ポリ−N−ビニルアセト
アミド及びその共重合体、ポリエチレンオキサイド、エ
チレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、ポ
リブチレンオキサイド、カルボキシル化ポリエチレンオ
キサイド、ポリアクリル酸及びそのナトリウム塩、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレイ
ン酸共重合体などが挙げられるが、これらの化合物に特
に限定されるものではない。これらの水溶性樹脂または
水分散性樹脂は、1種または2種以上を混合してもよ
い。
【0024】また、該水系機能層に、カチオン性物質や
粒子、架橋剤を添加することは任意であるが、これらの
添加によって、例えばインクジェット印刷における印刷
インク受容層の場合のインク吸収性や吸着性、発色性な
どが向上するので好適である。 該カチオン性物質とし
ては、特に限定されないが、組成物中に4級アンモニウ
ム塩を有し、対イオンとしてクロリド、サルフェート、
ナイトレートなどが使用されたものが好ましく、カチオ
ン性界面活性剤、カチオン基を有するポリマーを適用す
ることができる。また該粒子としては、特に限定されな
いが、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ
ゾル、ゼオライト、酸化チタン、カオリン、カオリナイ
ト、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いること
ができる。該架橋剤としては、特に限定されないが、メ
チロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミ
ン系、アクリルアミド系、ポリアミド系樹脂、エポキシ
化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン系化合
物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各
種チタネート系カップリング剤などを用いることができ
る。さらに、該水系機能層には、各種の添加剤、例え
ば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収
剤、易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充
填剤、帯電防止剤および核剤などが配合されていてもよ
い。
【0025】また、該水系機能層の厚みは、特に限定さ
れないが、5〜100μm、好ましくは7〜50μmで
ある。該水系機能層が薄すぎると、水系機能層の特性
(例えば、インクジェット印刷における印刷インク受容
層の場合のインク吸収性、画像解像性など)が不良とな
る場合がある。また、該水系機能層が厚すぎると、乾燥
速度が遅く生産効率が悪くなる場合がある。
【0026】上記の水系機能層は、水系機能層形成塗液
を塗工装置を用いて基材のポリエステルフィルム上に塗
工、乾燥する方法により形成される。塗工方法として
は、例えば、ブレードコート方式、エアナイフ方式、ロ
ールコート方式、ブラッシュコート方式、グラビアコー
ト方式、キスコート方式、エクストルージョン方式、ス
ライドホッパー(スライドビート)方式、カーテンコー
ト方式およびスプレー方式などを用いることができる。
【0027】次に、本発明の積層ポリエステルフィルム
の製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以
下、「PET」と略称する)フィルムを用いた例につい
て説明するが、本発明は、これに限定されるものではな
い。
【0028】例えば、PETペレットを真空乾燥した
後、押し出し機に供給し、260〜300℃で溶融し、
T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト
法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティング
ドラムに巻き付けて冷却固化せしめ、未延伸PETフィ
ルムを作成した。この未延伸フィルムを70〜120℃
に加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向)
に2.5〜5倍延伸した。このフィルムの少なくとも片
面にコロナ放電処理を施し、その処理面に本発明の樹脂
層形成塗液を塗布した。この塗布されたフィルムをクリ
ップで把持して70〜150℃に加熱された熱風ゾーン
に導いて乾燥した後、幅方向に2.5〜5倍延伸し、引
き続き160〜250℃の熱処理ゾーンに導いて、1〜
30秒間の熱処理を行ない、結晶配向を完了させた。こ
の熱処理工程中で必要に応じて幅方向あるいは長手方向
に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は、
縦、横逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよ
く、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸
してもよい。また、この場合に用いられる塗液は環境汚
染や防爆性の点で水系の塗液が好ましい。
【0029】[特性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明における特性の測定方法および効果の評価方
法は、次のとおりである。
【0030】(1)接触角 協和界面科学(株)製接触角計CA−D型を用いて、2
3℃、65%RHにおいて、水、エチレングリコール、
ホルムアミド各液滴をフィルム表面に滴下後20秒後に
測定し、それぞれの液滴接触角としてn=3の値を平均
した値を用いた。 (2)接着性 積層ポリエステルフィルムの樹脂層上にポリビニルアル
コール樹脂(日本合成化学工業(株)製ゴーセノールG
H−23)の10%水溶液を用いて、乾燥後の塗布厚み
が約8μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、8
0℃で乾燥した。評価用フィルムを23℃、65%RH
にて1日間調湿後、ポリビニルアルコール樹脂層上に、
1mm2 のクロスカットを100個入れ、セロハンテー
プを張り付けてゴムローラーを用いて押しつけた(荷重
19.6Nで3往復)後、90度方向に剥離した。接着
性は、ポリビニルアルコール樹脂層の残存した個数によ
り評価した(◎:90〜100、○:75〜89、△:
50〜74、×:0〜49)。このとき、「◎」及び
「○」を接着性良好とした。
【0031】(3)耐湿熱性 上記(2)において、60℃、90%RHにて1週間調
湿に変更した以外は上記(2)の方法と同様にして接着
性を評価した。
【0032】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明の実施態様を説
明するが、本発明は必ずしもこれに限定されるものでは
ない。
【0033】(実施例1)平均粒径0.4μmのコロイ
ダルシリカを0.015重量%および平均粒径1.5μ
mのコロイダルシリカを0.005重量%含有するPE
Tを、180℃で減圧乾燥した後、押出機に供給して2
80℃で溶融し、これらのポリマーを高精度濾過した
後、T字型口金よりシート状に押し出した。
【0034】これを静電印加キャスト法を用いて、表面
温度25℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固
化し、未延伸フィルムをつくった。この未延伸フィルム
を、90℃で長手方向に3.3倍延伸した。
【0035】このフィルムに空気中でコロナ放電処理を
3秒間2回施し、その処理面に25℃に保った樹脂層形
成塗液(表1)を塗布した。塗布された一軸延伸フィル
ムをクリップで把持しながら95℃に加熱し、フィルム
上の塗液中の水分率が50重量%以下の状態で幅方向に
3.3倍延伸し、210℃で8秒の熱処理を施して、基
材のPETフィルムの厚みが100μm、樹脂層の厚み
が0.15μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得
られた積層ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示
す。
【0036】(実施例2、比較例1〜2)実施例1にお
いて樹脂層形成塗液を表1のとおり変更した他は、実施
例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。結
果を表1に示す。
【0037】(比較例3)実施例1の樹脂層を形成しな
い以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成した。
結果を表1に示す。
【0038】上記の実施例と比較例において、樹脂層形
成のために用いた樹脂などは以下のとおりである。
【0039】A1:ポリエステル樹脂(酸成分としてテ
レフタル酸(25モル%)、イソフタル酸(15モル
%)、トリメリット酸(10モル%)、グリコール成分
としてエチレングリコール(20モル%)、ネオペンチ
ルグリコール(20モル%)、ジエチレングリコール
(10モル%)を含有する共重合ポリエステル) A2:ポリエステル樹脂(酸成分としてテレフタル酸
(42モル%)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
(8モル%)、グリコール成分としてエチレングリコー
ル(40モル%)、ジエチレングリコール(10モル
%)を含有する共重合ポリエステル) A3:アクリル樹脂(2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト(20モル%)、メタクリル酸メチル(45モル
%)、アクリル酸メチル(28モル%)、アクリル酸ブ
チル(5モル%)、アクリル酸(2モル%)からなる共
重合体) A4:アクリル樹脂(メタクリル酸メチル(10モル
%)、4−ナトリウムスルホブチルメタクリレート(6
0モル%)、アクリル酸エチル(28モル%)、アクリ
ル酸(1モル%)、N−メチロールアクリルアミド(1
モル%)からなる共重合体) B1:ポリビニルアルコール樹脂(けん化度70モル
%) B2:ジエチレングリコール B3:ポリエチレングリコール(分子量4000)
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェット印刷に
おける印刷インク受容層に代表されるポリビニルアルコ
ールなどの水溶性、親水性樹脂を主成分とする水系機能
層との接着性および耐湿熱性を満足し得る優れた積層ポ
リエステルフィルムが得られる。また、本発明の積層ポ
リエステルフィルムは、印刷用水性インキとの接着性も
良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA15 BA19 BA41 4F100 AK01B AK41A AK42 BA02 BA15 EH46 EJ38 JB05B JB20B JJ03 JK06 JL11 YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、水滴接触角が60度以上であり、かつエチレングリ
    コール液滴またはホルムアミド液滴の接触角が40度以
    下である樹脂層が形成されてなることを特徴とする積層
    ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 樹脂層のエチレングリコール液滴の接触
    角が40度以下であることを特徴とする請求項1記載の
    積層ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 樹脂層のエチレングリコール液滴の接触
    角およびホルムアミド液滴の接触角が40度以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 樹脂層に親水性官能基が含有されること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層ポリ
    エステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104425775A (zh) * 2013-08-30 2015-03-18 凸版印刷株式会社 锂离子电池用外包装材料
KR20230047076A (ko) 2020-08-06 2023-04-06 도요보 가부시키가이샤 적층 폴리에스테르 필름

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