JP2015045861A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温定着性に優れ、また、画像欠損の発生が抑制されており、安定した画像濃度を有する画像を得ることができるトナーを提供すること。
【解決手段】 結着樹脂、磁性体を含有するトナー母粒子と、有機無機複合微粒子とを有するトナーであって、
該トナー母粒子表面に、有機無機複合微粒子が存在しており、
該有機無機複合微粒子は、ビニル系樹脂粒子に無機微粒子が埋め込まれており、該有機無機複合微粒子の表面には、該無機微粒子が露出しており、
該有機無機複合微粒子の容積比熱と該トナー母粒子の容積比熱とが所定の規定を満たすことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法などに用いられるトナーに関する。
電子写真装置の高速化、長寿命化に伴い、トナーには、物理的負荷に対する耐性が求められている。
トナーの物理的負荷に対する耐性を高める観点で、トナー表面に存在する外添剤のトナー表面への埋め込みを抑制する検討が以前よりなされてきた。トナー表面への外添剤の埋め込みは、多数枚の画像形成を行った際などに起こり、トナーの流動性の低下、帯電性能の低下、物理的付着力の増大などが起こる。その結果、現像性が低下し、画像欠損や濃度低下が生じたり、部材融着が発生したりする。
そこで、外添剤のトナー表面への埋め込みを抑制するために、大粒径外添剤を使用する試みが多くなされている。例えば、大粒径外添剤として、有機無機複合微粒子を用いることが提案されていた(特許文献1及び2)。
WO2013/063291号公報 特開2013−92748号公報
本発明者らの検討では、上記特許文献1及び2に記載されているような大粒径の無機微粒子の添加が、トナーの低温定着性に影響を及ぼすことが明らかとなった。大粒径化によりトナー同士の間隔が広がり、トナーの熱溶融による合一化や紙への定着が阻害されるためだと考えられる。また、大粒径外添剤でトナー表面を一定面積被覆するためには、添加される外添剤の体積が大きくなる。この場合、外添剤全体としての熱容量が大きくなり、定着時にトナー母粒子の溶融に十分な熱エネルギーを供給することが困難になる。この点も、低温定着性が低下する理由の1つと考えられる。
上述の通り、多数枚の画像形成時における現像性の維持と低温定着性との両立は困難であり、これらの両立は電子写真装置における長年の課題であった。
また大粒径化によりトナー表面に対する外添剤の付着力は低下するため、トナーからの大粒径外添剤の脱離が発生しやすくなり、長期使用時はそれによる部材汚染が発生するという課題がある。
このように、高速化・長寿命化への対応策としての大粒径外添剤の添加は有効であるものの課題も多く、さらなる対策が求められてきた。
本発明の目的は、上記問題点を解決できるトナーを提供することにある。
具体的には、本発明の目的は、
i)低温定着性に優れ、
ii)多数枚のプリントアウト後であっても、現像性の低下が抑制され、また、部材汚染や融着などに起因する画像欠損の発生が抑制されており、安定した画像濃度を有する画像を得ることができる、
トナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂、磁性体を含有するトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に存在する有機無機複合微粒子とを有するトナーであって、
該有機無機複合微粒子は、ビニル系樹脂粒子と、該ビニル系樹脂粒子の表面に、埋め込まれた無機微粒子とを有し、
該有機無機複合微粒子の表面には、該無機微粒子が露出しており、
該トナー母粒子は、80℃における容積比熱が3450kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であり、
該有機無機複合微粒子は、80℃における容積比熱が2900kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であり、個数平均粒径が50nm以上200nm以下であり、
該トナー母粒子の80℃における容積比熱と、該有機無機複合微粒子の80℃における容積比熱との差の絶対値が、740kJ/(m・℃)以下である、
ことを特徴とするトナーに関する。
本発明により、低温定着性に優れ、多数枚のプリントアウト後であっても、現像性の低下が抑制され、また、部材汚染や融着などに起因する画像欠損の発生が抑制されており、安定した画像濃度を有する画像が得られるトナーを得ることができる。
FT−4測定専用23.5mm径プロペラ型ブレードの模式図
本発明は、結着樹脂、磁性体を含有するトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に存在する有機無機複合微粒子とを有するトナーであって、
該有機無機複合微粒子は、ビニル系樹脂粒子と、該ビニル系樹脂粒子の表面に、埋め込まれた無機微粒子とを有し、
該有機無機複合微粒子の表面には、該無機微粒子が露出しており、
該トナー母粒子は、80℃における容積比熱が3450kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であり、
該有機無機複合微粒子は、80℃における容積比熱が2900kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であり、個数平均粒径が50nm以上200nm以下であり、
該トナー母粒子の80℃における容積比熱と、該有機無機複合微粒子の80℃における容積比熱との差の絶対値が、740kJ/(m・℃)以下である、
ことを特徴とするトナーに関する。
本発明者らの検討によれば、上記のようなトナーを用いることにより、使用環境によらず、多数枚のプリントアウト後であっても、部材汚染や融着などによる画像欠損の発生が抑制されており、安定した画像濃度を有する画像が得られる。また、本発明のトナーは、優れた低温定着性を有し、低温での定着が可能となる。
先述の通り、外添剤としてトナー母粒子に大粒径無機粒子や熱硬化性の樹脂粒子を添加することは、高速化・長寿命化に対して有効であるものの、低温定着性の低下や部材汚染の原因となるといった弊害がある。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、大粒径外添剤及びトナー母粒子の容積比熱を特定の範囲とし、大粒径外添剤の材質/構造を特定なものとすることにより、上記の課題を解決できることを見出した。以下にその詳細を説明する。
まず大粒径外添剤が定着性を阻害するメカニズムを考えると、物理的な原因と熱的な原因の二つが挙げられる。
物理的な原因としては、大粒径外添剤によってトナー同士の間隔が拡大してしまい、定着時の熱や圧力がトナー粒子間において伝わりにくくなり、トナー粒子の溶融と合一が阻害される点である。
また熱的な原因としては、所望の効果を得るために、トナー表面をある程度被覆するように大粒径外添剤を添加した場合、外添剤の熱容量が大きくなってしまい、定着時にトナー全体に十分な熱量が付与されにくくなるという点である。
前者は大粒径外添剤である以上避けられない事象である。そこで我々は後者に着目し、その改善を試みた。具体的には、トナー母体の溶融と合一を阻害しにくい熱的特性を持つ外添剤の材質・構成を検討した。
検討の結果、大粒径外添剤の材質的な構成としては、従来のシリカに代表される無機微粒子やアクリルなどの樹脂微粒子ではなく、両者を合体させた有機無機複合微粒子が最適であるという結論に至った。
従来使用されていた大粒径の無機微粒子の中には、トナーに高い帯電性と流動性を付与することができるものもある。しかしながら、無機微粒子は、結着樹脂との親和性が低いため、溶解した結着樹脂と無機微粒子との間には明確な界面が残る。その結果、トナー粒子同士の速やかな合一が阻害される。その結果、大粒径外添剤として無機微粒子を用いた場合には、どうしても低温定着性が低下してしまう。
一方、大粒径外添剤として、樹脂微粒子を用いた場合には、無機微粒子を用いる場合と比べて、トナーに対する帯電性と流動性の付与能に劣ってしまう。
しかしながら、有機無機複合微粒子であれば、良好な流動性及び帯電性を維持しつつ、定着時においては、トナー粒子の合一を阻害しないことがわかった。特に、有機材料と無機材料の複合形態としては、ビニル系樹脂粒子に無機微粒子が埋め込まれた構造を有し、且つ、ビニル系樹脂粒子の表面に無機微粒子が露出している構造を有することが重要であることがわかった。更には、該ビニル系樹脂粒子の表面に、該無機微粒子に由来する凸部を有する構造が好ましい。尚、粒子の表面に無機微粒子が存在していれば良く、ビニル系樹脂粒子内部における無機微粒子の有無は特に限定されない。
例えば無機微粒子の表面を有機材料で完全に被覆した場合、その複合粒子の表面性は有機材料としての挙動が支配的になり、樹脂微粒子と同様の課題が生じる。逆に樹脂微粒子の表面を無機材料で完全に被覆した場合には、無機微粒子と同様の課題が生じる。そのため、有機無機複合微粒子に、有機材料と無機材料の両者の特性を同時に発揮させることのできる有機無機複合微粒子が最適であり、上記の構成が好適である。
さらに、本願発明者らは、外添剤粒子の熱的特性を示す指標として、外添剤の容積比熱に着目した。容積比熱(kJ/(m・℃))とは、単位体積の物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量のことである。
一般的な“比熱”は、単位質量あたりの物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量を意味するが、“体積(容積)”を基準とする方がより適切と考え、本発明においては、“容積比熱”を指標として採用した。
本発明者らは、まず外添剤の容積比熱が十分に低ければ、定着時のトナー母粒子の熱溶融を阻害せず、トナーとして十分な低温定着性を達成できると考えた。これは外部から一定の熱量が加えられた場合、容積比熱が小さい方が、より早く温度が上昇し、トナー粒子を迅速に溶融させることが可能となるためである。
また外添剤とトナー母粒子との容積比熱の関係性も重要である。本発明者らの検討では、トナー母粒子の容積比熱(Cv−t)(kJ/(m・℃))と外添剤である有機無機複合微粒子の容積比熱(Cv−a)(kJ/(m・℃))との差の絶対値が、740kJ/(m・℃)以下である必要がある。即ち、下式を満たす必要がある。
|Cv−t−Cv−a|≦740
トナー母粒子と外添剤である有機無機複合微粒子の容積比熱の差が大き過ぎる場合、容積比熱の不均一さに起因する、さまざまな弊害が発生する。
v−t−Cv−a>740を満たすということは、外添剤の熱に対する追従性が、トナー母粒子の熱に対する追従性よりも大幅に高いことを意味する。このような場合には、定着工程において、外添剤の温度が上昇しやすいため、トナー粒子が十分に溶融する熱量を加えると、外添剤が存在するトナー母粒子表面の樹脂だけが、過度に粘度の低下を起こしてしまい、ホットオフセットなどの弊害を引き起こしてしまう。一方、外添剤の熱容量を考慮して、定着工程における供給熱量を抑制した場合、トナー内部を十分に溶融させることが困難となるため、トナー母粒子同士の合一が十分に行われず、低温定着性に劣るようになる。
また、Cv−a−Cv−t>740を満たすということは、トナー母粒子の熱に対する追従性が、外添剤の熱に対する追従性よりも大幅に高いことを意味する。このような場合には、定着工程において、トナー粒子が十分に溶融する熱量を加えた場合でも、外添剤の温度が十分に上昇しないため、トナー粒子同士の合一が十分に起きず、低温定着性が低下する。一方、外添剤の温度を十分に高めることができる熱量を投入した場合、定着後のトナー像の温度が下がりにくくなり、排紙接着などの問題を引き起こしてしまう。
上記のような弊害の発生を抑制するためには、外添剤の容積比熱をトナー粒子の容積比熱に比較的近い領域で制御する必要がある。本発明に係るトナー母粒子は、結着樹脂と磁性体とを含有する複合粒子であるため、外添剤として、有機無機複合微粒子を用いると、容積比熱をトナー母粒子に近い範囲で制御しやすく、この点からも外添剤としては、有機無機複合微粒子が好適である。
本発明のトナーに外添剤として使用する有機無機複合微粒子は、個数平均粒径が50nm以上200nm以下であることが重要である。
有機無機複合微粒子の個数平均粒径が上記範囲内である場合、高速化・長寿命化された電子写真プロセスによる強い物理的負荷を受けても、トナー母粒子に埋め込まれにくく、トナーの流動性能と帯電性能を長期にわたり維持することが可能となる。これらの効果は個数平均粒径が70nm以上130nm以下であるとより良好に発揮されるため好ましい。
また外添剤である有機無機複合微粒子の80℃における容積比熱は、2900kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であることが重要である。有機無機複合微粒子の容積比熱が上記範囲内である場合、定着時においてトナー粒子の溶融を阻害しないため、トナー粒子が有する低温定着性を損なうことなく、維持することができる。これらの効果は、3100kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であるとより良好に発揮されるため好ましい。
有機無機複合微粒子の容積比熱は、無機微粒子の種類を変更したり、ビニル系樹脂微粒子に対する無機微粒子の量を変えたりすることによって調整することができる。
容積比熱は物体の温度により変化する熱的特性値であるが、一般的なプリンター及び複写機の熱定着工程における紙上の温度を考慮し、トナーの熱的な変化を表現する上では80℃が最適な値であると本発明者らは考えた。そのため、本発明においては、80℃での容積比率を規定している。
また、トナー母粒子の80℃における容積比熱は、3450kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であることが重要である。トナー母粒子の容積比熱が上記範囲内である場合、高速化・長寿命化された電子写真プロセス中でも、融着などの弊害を引き起こすことなく、定着プロセスにおいても迅速にトナーが熱溶融し、低温定着性を発揮させることが可能となる。また、外添剤の埋め込みによる流動性低下が抑制され、現像スリーブへのトナーの搬送不良の発生も抑制される。この効果は3600kJ/(m・℃)以上4000kJ/(m・℃)以下でより顕著に発揮される。
尚、トナー母粒子の容積比熱は、結着樹脂や磁性体等の種類を変更したり、結着樹脂に対する磁性体の量を変えたりすることによって調整することができる。
このように、トナー母体の容積比熱と有機無機複合微粒子の容積比熱、及び両者の差が上記規定を満足する場合、長期使用時においても部材汚染や部材融着などによる画像欠損を引き起こすことなく安定した画像濃度を得ることができる。また同時に優れた低温定着性を発揮することが可能となる。
上述した通り、有機材料と無機材料の複合形態としては、ビニル系樹脂粒子に無機微粒子が埋め込まれており、且つ、ビニル系樹脂粒子の表面に無機微粒子が露出している構造を有することが重要である。更には、該ビニル系樹脂粒子の表面に、該無機微粒子に由来する凸部を有する構造が好ましい。
また、上記の構造を有する有機無機複合微粒子は、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した該有機無機複合微粒子の拡大画像を用いて測定した形状係数SF−1が100以上150以下であることが好ましい。より好ましくは、形状係数SF−1が110以上140以下である。形状係数SF−1は粒子の丸さの度合いを表す指標であり、値が100であると真円となり、数値が大きくなるほど円から遠ざかり不定形になることを示す。
有機無機複合微粒子は、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した有機無機複合微粒子の拡大画像を用いて測定した形状係数SF−2が、103以上120以下であることが好ましい。形状係数SF−2は粒子の凹凸度合いの指標であり、その値が100であると真円となり、数値が大きくなるほど凹凸の度合いが増していく。
SF−1及びSF−2が上記範囲内であると、表面が適度な凹凸を有することによって、有機無機複合微粒子がトナー表面にアンカリングされる。そのため長期使用でトナーが撹拌され互いに衝突を繰り返しても、トナー母粒子表面の凸部に存在する有機無機複合微粒子が凸部に留まり続け、トナー母粒子表面の凹部に局所的に集められるなどの現象が発生し難くなる。これにより、付着性が高いトナー母粒子の表面が露出して部材に融着したり、トナー凝集塊が発生して流動性が低下したり、局所的に吸湿して帯電性が低下したりといった弊害の発生が抑制される。
またトナー母粒子は、平均円形度が0.950以上0.965以下であることが好ましい。トナー母粒子の平均円形度が上記範囲内であると、有機無機複合微粒子と、表面凹凸が適度に噛み合い、長期使用時においても有機無機複合微粒子がトナー表面で凹部に掃き寄せられて偏在しにくくなるため好ましい。
外添剤としての有機無機複合微粒子は、トナー母粒子100質量部に対して、0.50質量部以上2.00質量部以下添加されていることが好ましい。有機無機複合微粒子の添加部数が上記範囲内であると、低温定着性を阻害することなく、高速化・長寿命化された装置構成であっても、トナーに十分な帯電性と流動性を付与することができる。有機無機複合微粒子の添加部数が0.75質量部以上1.50質量部以下であると、上記効果がより顕著となる。
本発明の有機無機複合微粒子が外添されたトナーは、最大引張応力が0.40N以上0.60N以下であることが好ましい。最大引張応力とは、トナーに8kg/cmの圧縮力を加えてトナー層を形成し、該トナー層を分断する際に要する応力のことである。最大引張応力が上記範囲内であると、トナー間の流動性が十分に確保され長期耐久でも安定的に画像出力が可能となり、またプロセス中での部材に対する融着などの発生も低減されるため好ましい。
本発明のトナーは粉体流動性測定装置により測定される撹拌速度が10mm/s時のTotal Energy(TE)量が90mJ以上140mJ以下であることが好ましい。このTEはトナーの圧密状態からの解れ易さを示す指標である。TEが90mJ以上140mJ以下である場合、現像スリーブ等の周辺部材へのトナーの融着が発生しにくくなる。
本発明のトナーは、容積比熱が3800kJ/(m・℃)以上4100kJ/(m・℃)以下であることが好ましい。外添剤も含めたトナーとしての容積比熱が上記範囲内であると、排紙接着や部材融着、ホットオフセットといった弊害を抑えつつ、低温定着性を発揮することができるため好ましい。
次に、無機有機複合微粒子の構成について説明する。
本発明の有機無機複合微粒子の有機粒子を構成する樹脂成分としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等を用いることができ、これらは単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る有機無機複合微粒子を構成する無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム等の微粒子が挙げられる。特に無機微粒子がシリカ微粒子の場合、優れた帯電性が優られやすく好ましい。シリカ微粒子は、ヒュームドシリカのように乾式法で得られたものでも、ゾルゲルシリカのように湿式法で得られたものでも構わない。
有機無機複合微粒子中における無機微粒子の含有割合は、有機無機複合微粒子を基準として、30質量%以上80質量%以下であることが、製造安定性及び粒度分布制御の観点から好ましい。
無機微粒子は、個数平均粒径が10nm以上100nm以下であることが好ましい。この範囲内の粒径を有することによって、有機無機複合微粒子に対して適度な凹凸を付与することができ、また有機無機複合微粒子からの脱離を抑制することができる。
有機無機複合微粒子は、その表面が有機ケイ素化合物又はシリコーンオイルによって処理されていることが好ましい。有機ケイ素化合物又はシリコーンオイルで処理すると、疎水性が高くなるため、安定した現像性が得られやすい。
表面処理としては、有機無機複合微粒子に処理を施しても構わないし、表面処理を施した無機微粒子を樹脂と複合化させても構わない。
表面処理は、有機ケイ素化合物による化学的に処理が好ましい。有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。
ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位にSiに結合した1個の水酸基を有するジメチルポリシロキサン。これらは1種あるいは2種以上の混合物として用いられる。
有機ケイ素化合物は、シリコーンオイルであってもよい。また、上記した化合物とシリコーンオイルの両方で処理してもよい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好ましく、中でも25℃における粘度が30mm/s以上1000mm/s以下となるようなものが好ましい。
シリコーンオイル処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。シランカップリング剤で処理されたシリカ微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法。ベースとなるシリカ微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粒子を加え混合し溶剤を除去する方法がより好ましい。
本発明に係る有機無機複合微粒子は、WO2013/063291号公報に記載の方法で製造することができる。その他、i)有機粒子に後から無機微粒子を打ち込んで製造しても良く、ii)溶剤に溶解した樹脂を、無機微粒子が分散した分散媒体中に分散させて造粒し、その後、脱溶剤して、有機無機複合微粒子を作成する方法等が挙げられる。
有機粒子に後から無機微粒子を打ち込んで、有機無機複合微粒子を作成する場合は、まずは有機粒子を作成する。有機粒子の作成方法は、樹脂を冷凍粉砕して微粒子化する方法や、溶解した樹脂を溶液中で乳化・懸濁し微粒子を得る方法、樹脂成分の単量体を乳化重合や懸濁重合により重合し樹脂粒子を得る方法が挙げられる。
有機粒子に無機微粒子を打ち込むことが可能な装置としては、ハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ハイフレックスグラル(アーステクニカ社製)等を用いることができる。
以下に本発明のトナーの構成を示す。
まず本発明のトナー母粒子に用いられる結着樹脂について記載する。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。特に、定着性に優れたポリエステル樹脂を含有すること好ましい。
ポリエステル樹脂を合成する際に用いることができるアルコール成分及び酸成分は以下の通りである。
2価のアルコール成分としては、鎖状の脂肪族ジオールを含有することが好ましい。脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。鎖状の脂肪族ジオールを含有すると、ポリエステル分子内で分子が配列した結晶部位を有する場合があり、結晶構造を有する荷電制御剤との混ざりが良好になる。そのため、荷電制御剤が、トナー中で合一したり、トナー表面に染み出したりするのを抑えることができ、本発明の効果を得られやすくなる。鎖状の脂肪族ジオールは、全アルコール成分の50%以上含有することが好ましい。
芳香族ジオールとしては、下記式[2]で表わされるビスフェノール及びその誘導体、下記式[3]で示されるジオール類、が挙げられる。
Figure 2015045861
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、x+yの平均値は2〜10である。)
Figure 2015045861
(式中、R’は、
Figure 2015045861
Figure 2015045861

又は、
Figure 2015045861
を示す。)
2価の酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
本発明においては、芳香族カルボン酸化合物を90モル%以上含有したカルボン酸成分と、アルコール成分を縮重合したポリエステルであり、芳香族カルボン酸化合物の80モル%以上が、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸であることが好ましい。
また、架橋成分として働く3価以上のアルコール成分や3価以上の酸成分を単独で使用するか、もしくは併用することが、磁性酸化鉄やワックスなどの内添剤のより均一な分散性を達成するうえで好ましい。
3価以上の多価アルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
三価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
酸成分及びアルコール成分の合計に対して、アルコール成分としては、40mol%以上60mol%以下であることが好ましく、45mol%以上55mol%以下であることが好ましい。
上記ポリエステル樹脂は通常一般に知られている縮重合によって得られる。
一方、ビニル系樹脂を生成する為のビニル系モノマーとしては、次の様なものが挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレンの誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
更に、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル系樹脂は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有してもよい。
この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレ一ト、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエ一テル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレード、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート化合物類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が掲げられる。
また、多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.03質量部以上5質量部以下用いることができる。
これらの架橋剤のうち好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
また、ビニル系樹脂を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾピス(−2メチルプチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソプチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジーイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−工トキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキンベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
上記結着樹脂は、保存性という観点で、ガラス転移点(Tg)が45℃以上70℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下であることが好ましい。
本発明のトナーは磁性体を含有する。尚、磁性体は、着色剤の役割を兼ねることが一般的である。
本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物が挙げられる。
これらの磁性体は個数平均粒子径が0.05μm以上2.0μm以下、好ましくは0.10μm以上0.50μm以下のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂100質量部に対し30質量部以上120質量部以下が好ましく、特に好ましくは結着樹脂100質量部に対し40質量部以上110質量部以下である。
本発明のトナーは、ワックスを含有してもよい。
本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、或いは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものが好ましく用いられる。また、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
離型剤として使用できるワックスの具体的な例としては、ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)が挙げられる。
本発明のトナーは結晶性樹脂を含有しても良い。
結晶性樹脂の一例としては、結晶性ポリエステルを例示できる。結晶性ポリエステルとしては、炭素数4以上20以下の脂肪族ジオールおよび多価カルボン酸を少なくとも原料として用いることが好ましい。
さらに、前記脂肪族ジオールは直鎖型であることが好ましい。直鎖型であることで、樹脂の結晶性を上げやすい。
本発明にて使用可能な脂肪族ジオールとしては、例えば以下を挙げることが出来るが、これに限定されるものではない。これらのジオールは混合して用いることも可能である。1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールが挙げられる。
また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。前記二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、例えば以下を挙げることができる。2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール、4−オクテン−1,8−ジオールが挙げられる。
次に、結晶性ポリエステルの調製に用いられる酸成分について述べる。結晶性ポリエステルの調製に用いられる酸成分は、多価カルボン酸が好ましい。多価カルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸が好ましく、中でも脂肪族ジカルボン酸が好ましく、結晶性の観点から、特に直鎖型のジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば以下を挙げることができるが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸。あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物。これらのうち、セバシン酸、アジピン酸、1,10−デカンジカルボン酸あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば以下を挙げることができる。テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸が挙げられる。これらのうちテレフタル酸が、入手容易性、低融点のポリマーを形成しやすいという点で好ましい。
二重結合を有するジカルボン酸を用いることもできる。ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸が好ましい。
前記結晶性ポリエステルの製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば直接重縮合、エステル交換法を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
前記結晶性ポリエステルの製造は、重合温度180℃以上230℃以下の間で行うのが好ましく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させるのが好ましい。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させるのがよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分とともに重縮合させることが好ましい。
前記結晶性ポリエステルの製造時に使用可能な触媒としては、例えば以下を挙げることができる。チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシドのチタン触媒、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシドのスズ触媒が挙げられる。
本発明のトナーには、その帯電性を安定化させるために電荷制御剤を用いることが好ましい。電荷制御剤としては、本発明に用いられる結着樹脂の末端に存在する酸基あるいは水酸基と中心金属が相互作用し易い、有機金属錯体、キレート化合物が有効である。その例としては、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩が挙げられる。
使用できる具体的な例としては、Spilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学工業(株))、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学工業(株))が挙げられる。また、電荷制御樹脂も上述の電荷制御剤と併用することもできる。
本発明に係るトナー母粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば、粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、分散重合法等の公知の製造方法を用いることができる。
粉砕法では、
i)結着樹脂及び磁性体粒子、並びに必要に応じてワックス、及びその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分に混合し、
ii)得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練し、
iii)冷却固化後、粉砕し、
iv)分級を行うことによって、本発明に係るトナー母粒子を得ることができる。
またトナー母粒子の形状及び表面性の制御のために、粉砕あるいは分級後に、表面処理工程を有することが好ましい。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
表面改質装置としては、例えばファカルティー(ホソカワミクロン社製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)が挙げられる。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
懸濁重合法によるトナーの製造について説明する。懸濁重合法で得られるトナー母粒子は、個々のトナー母粒子の形状がほぼ球形に揃っているため、帯電量の分布も比較的均一となるために好ましい。
懸濁重合法でトナー母粒子を製造する場合には、例えば以下の工程に沿って製造される。i)重合性単量体及び磁性体、重合開始剤、更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を、均一に溶解又は分散させて重合性単量体組成物を得る。ii)重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する分散媒(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散し、造粒を行う。iii)重合反応を行う。iv)重合粒子を洗浄後、濾別し、乾燥して、トナー母粒子を得る。重合開始剤を添加するタイミングとしては、上記のように重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、造粒する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
懸濁重合法で用いられる重合性単量体としては、ビニル系樹脂を製造する際に用いられるビニル系モノマーとして例示したものを用いることができる。その中でも、スチレンと、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとを混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
懸濁重合法で用いられる重合開始剤としては、ビニル系樹脂を製造する際に用いられる重合開始剤として例示した重合開始剤を用いることができるが、重合反応時における半減期が0.5時間以上30.0時間以下であるものが好ましい。また、重合開始剤の添加量は重合性単量体100質量部に対して0.5質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
懸濁重合法で用いられる架橋剤としては、ビニル系樹脂を製造する際に用いられる架橋剤として例示した架橋剤を用いることができる。架橋剤の好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上10.0質量部以下である。
重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する分散媒中に分散させ、造粒するためには、ホモジナイザー、ボールミル、超音波分散機等の分散機を用いることができる。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような分散機を使用して一気に所望のトナー母粒子のサイズとするほうが、得られるトナー母粒子の粒径の分布がシャープになる。造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
懸濁重合において用いられる分散安定剤としては、公知の界面活性剤や有機分散剤、無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、反応温度に対する安定性が高く、洗浄も容易であるため、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸三カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.20質量部以上20.00質量部以下用いることが好ましい。また、上記分散安定剤は単独で用いても良いし、複数種を併用してもよい。更に、重合性単量体100質量部に対して、1.0×10−4質量部以上1.0×10−1質量部以下の界面活性剤を併用しても良い。
上記重合性単量体を重合する工程において、重合温度は40℃以上、一般には50℃以上90℃以下の温度に設定される。
本発明のトナーは、有機無機複合微粒子以外の外添剤を含んでいることが好ましい。特にトナーの流動性や帯電性を向上させるために、他の外添剤として小粒径(一次粒径の個数平均粒径が5〜30nm程度)である流動性向上剤を添加することが好ましい。
流動性向上剤としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフウルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ;酸化亜鉛、酸化スズの如き酸化物;チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウムやジルコン酸カルシウムの如き複酸化物;炭酸カルシウム及び、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩化合物が挙げられる。
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉末であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl+2H+O→SiO+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカとしてはそれらも包含する。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば、以下のものを例示できる。AEROSIL(日本アエロジル社)130、200、300、380、TT600、MOX170、MOX80、COK84、Ca−O−SiL(CABOT Co.社)M−5、MS−7、MS−75、HS−5、EH−5、Wacker HDK N 20(WACKER−CHEMIE GMBH社)V15、N20E、T30、T40、D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社)、Fransol(Fransil社)。
さらには、本発明に用いられる流動性向上剤としては、前記ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。疎水化処理は、有機無機複合微粒子または有機無機複合微粒子に使用される無機微粒子への表面処理と同様の方法を用いることができる。
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m/g以上300m/g以下であることが好ましい。
流動性向上剤の添加量は、トナー母粒子100質量部に対してを総量で0.01質量部以上8質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上4質量部以下である。
特に、有機無機複合微粒子と流動性向上剤の質量比(流動性向上剤/有機無機複合微粒子)が0.1以上2.2であることが好ましい。質量比が上記範囲内であると、外添剤粒子を多量添加することによる定着阻害などの弊害を抑えつつ、トナーの流動性と帯電性の立ち上がりを良好にし、初期から高い画像濃度を得ることができるため好ましい。また流動性の高い小粒径外添剤が存在することにより、トナー表面における有機無機複合微粒子の存在状態がより均一になる。そのため、トナーの流動性の低下や融着の発生といった問題をより良好に抑えることができる。上記質量比が0.2以上0.8以下である場合に、上記の効果はより顕著となる。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<有機無機複合微粒子の形状係数SF−1、SF−2の測定方法>
有機無機複合微粒子の形状係数SF−1及びSF−2は、走査型電子顕微鏡(SEM)「S−4800」(日立製作所製)を用いて、外添剤が外添されたトナーを観察し、以下のように算出した。
10万倍〜20万倍に拡大した視野において、画像処理ソフト「Image−Pro Plus5.1J」(MediaCybernetics社製)を使用し、100個の有機無機複合微粒子の一次粒子の周囲長および面積を算出した。
SF−1、SF−2は下記の式にて算出し、その平均値をSF−1、SF−2とした。
SF−1=(粒子の最大長)/粒子の面積×π/4×100
SF−2=(粒子の周囲長)/粒子の面積×100/4π
<外添剤の個数平均粒径の測定方法>
有機無機複合微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。有機無機複合微粒子が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。観察倍率は、有機無機複合微粒子の大きさによって適宜調整する。
また、流動性向上剤などの一次粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡「H−800」(日立製作所社製)を用いて、最大100万倍に拡大し、同様に求めることができる。観察倍率は、外添剤の大きさによって適宜調整する。
<外添剤添加部数の測定方法>
トナーを「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を数滴加えたイオン交換水に超音波分散し24時間静置する。上澄み液を採取して乾燥することで、外添剤を単離することができる。トナーに複数の外添剤が外添されている場合は、上澄み液を遠心分離法で分離して単離することで測定することも可能である。
このように単離したトナー母粒子及び外添剤の乾燥質量を測定することで、各外添剤の添加部数を定量する。
<容積比熱の測定方法>
本発明における容積比熱は個別にサンプルの比熱(J/g・℃)と真密度(g/cm)を求め、両値の積から算出した。
比熱の測定には、TA Instruments社製の入力補償型示差走査熱量測定装置DSC8500を用い、StepScanモードにて測定を行った。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンを使用した。サンプルは、20℃で1分間放置後、昇温速度10℃/minで100℃まで昇温し、80℃時の比熱を算出した。
真密度は、島津製作所製の乾式自動密度計アキュピック1330により測定した。
トナー母体及び有機無機複合微粒子の容積比熱を測定する場合は、例えば次のようにしてトナーから母体及び有機無機複合微粒子を単離した。まずトナーを「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を数滴加えたイオン交換水に超音波分散し24時間静置する。上澄み液を採取して乾燥することで、外添剤を単離することができる。トナーに複数の外添剤が外添されている場合は、上澄み液を遠心分離法で分離して単離が可能である。
<トナー付着力の測定方法>
トナーの付着力は圧縮破壊強度・引張破断強度測定装置アグロボットAGR−2(ホソカワミクロン社製)で行う。上下2分割の円筒セル内に一定量の粉体を充填し、粉体を一定圧力下で保持した後、上部セルを持ち上げ粉体層が破断されたときの最大引張応力(g/cm)をトナーの付着力とする。測定条件は下記の通りである。
環境温度:25℃
湿度:50%
セル内径:25mm
セル内高さ:37.5mm
セル温度:25℃
バネ線径:1.0mm
圧縮速度:0.10mm/sec
圧縮応力:8kg/cm
引張速度:0.40mm/sec
引張サンプリング時間:25sec
<トナー母粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー母粒子の重量平均粒径(D4)は、以下のようにして測定する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーの平均円形度>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナーの平均円形度を求める。
<Total Energy(TE)量の測定方法>
本発明における、TEは、回転式プロペラ型ブレードを備えた粉体流動性分析装置(パウダーレオメータFT−4、Freeman Technology社製)(以下、FT−4と省略する)を用いて測定する。
具体的には、以下の操作により測定を行う。尚、全ての操作において、プロペラ型ブレードは、FT−4測定専用23.5mm径ブレード(図1(a)参照。23.5mm×6.5mmのブレード板の中心に法線方向に回転軸が存在する。ブレード板は、両最外縁部分(回転軸から12mm部分)が、70°、回転軸から6mmの部分が35°といったように、反時計回りになめらかにねじられたもので(図1(b)参照)、材質はSUS製)を使用する。
まず、FT−4測定専用容器(直径25mm、容積25mLのスプリット容器(型番:C4031)、容器底面からスプリット部分までの高さ約51mm。以下、単に容器ともいう。)に23℃、60%環境に3日間放置されたトナーを24g入れ圧縮することでトナー粉体層とする。
また、トナーの圧縮は、圧縮試験用ピストン(直径24mm、高さ20mm、下部メッシュ張り)を上記プロペラ型ブレードの代わりに用いる。
(1)トナーの圧密操作
上述のFT−4測定専用容器にトナーを8g加える。FT−4測定専用の圧縮ピストンを取り付け5.8kPaで60秒間圧密を行う。さらにトナーを8g加え、同様に圧縮操作を計3回行い、計24gの圧密されたトナーが専用容器に入っている状態にする。
(2)スプリット操作
上述のFT−4測定専用容器のスプリット部分でトナー粉体層をすり切り、トナー粉体層上部のトナーを取り除くことで、常に同じ体積(25mL)のトナー粉体層を形成する。
(3)測定操作
トナー粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転によりトナー粉体層を押し込まない方向)の回転方向で、周速(ブレードの最外縁部の周速)10mm/secでブレードを回転する。トナー粉体層への垂直方向の進入速度を、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角度(以下、「ブレード軌跡角」)が、5(deg)になるスピードとし、トナー粉体層の底面から10mmの位置までプロペラ型ブレードを進入させる。
上記測定操作において、ブレードをトナー粉体層の最上面から、底面から10mmの位置まで、ブレードを進入させた時に得られる回転トルクと垂直荷重の総和をTEとする。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<ハイブリッド樹脂1の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均2.2mol付加)
100.0mol部
・テレフタル酸 60.0mol部
・無水トリメリット酸 20.0mol部
・アクリル酸 10.0mol部
上記ポリエステル用モノマー混合物60質量部を4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で攪拌する。そこに、スチレンモノマー40質量部と、重合開始剤としてのベンゾイルパーオキサイド1.9質量部を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、160℃で5時間反応した後、230℃に昇温してジブチル錫オキシドを0.2質量%添加した。
反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕してハイブリッド樹脂1を得た。ハイブリッド樹脂1のTgは61℃、軟化点は130℃であった。
<ポリエステル樹脂1の製造例>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均2.2mol付加)
60.0mol部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均2.2mol付加)
40.0mol部
・テレフタル酸 77.0mol部
上記ポリエステルモノマー混合物をモノマー総量に対して、0.2質量%のジブチル錫オキシドとともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、Nガス導入管,温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内にNガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整し、反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕してポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1のTgは58.5℃、軟化点は90℃であった。
<結晶性ポリエステル樹脂1の製造例>
・1,12−ドデカンジオール 100.0mol部
・セバシン酸 100.0mol部
上記原料及びモノマー総量に対して、0.2質量%のジブチル錫オキシド1.0質量%を窒素導入管、脱水管、攪拌装置及び熱電対を装備した容積10Lの四つ口フラスコに入れ、180℃で4時間反応させた。その後、10℃/1時間で210℃まで昇温、210℃で8時間保持した後、8.3kPaにて1時間反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂1の融点は82.0℃であった。
<磁性トナー母粒子1の製造例>
・上記ハイブリッド樹脂1 60.0質量部
・上記ポリエステル樹脂1 40.0質量部
・上記結晶性ポリエステル樹脂1 2.5質量部
・磁性酸化鉄粒子(個数平均粒径=0.20μm、Hc=11.5kA/m、σs=88Am/kg、σr=14Am/kg) 60.0質量部
・離型剤(フィッシャートロプッシュワックス(サゾール社製、C105、融点105℃))
2.0質量部
・荷電制御剤(T−77:保土ヶ谷化学社製) 2.0質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T−250)で粉砕した。得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.0μmの負帯電性の原料トナー粒子を得た。
その原料トナー粒子を、表面改質装置ファカルティー(ホソカワミクロン社製)で分級後処理を行った。その際、分散ローターの回転周速を150m/secとし、微粉砕品の投入量を1サイクル当たり7.6kgとし、表面改質時間(=サイクルタイム、原料供給が終了してから排出弁が開くまでの時間)を82secとした。またトナー母粒子排出時の温度は44℃であった。以上の工程を経て磁性トナー母粒子1を得た。
磁性トナー母粒子1の容積比熱は3818kJ/(m・℃)、平均円形度は0.965であった。
<磁性トナー母粒子2乃至11の製造例>
使用する樹脂と磁性体の量を表1の様に変更した以外は磁性トナー母粒子1と同様にして、磁性トナー母粒子2乃至11を得た。得られた磁性トナー母粒子2乃至11の物性を表1に示す。
<磁性トナー母粒子12の製造例>
イオン交換水720質量部に、0.1mol/L−NaPO水溶液450質量部を投入して60℃に加温した後、1.0mol/L−CaCl水溶液67.7質量部を添加して、分散安定剤(Ca(PO)を含む水系媒体を得た。
・スチレン 74.00質量部
・n−ブチルアクリレート 26.00質量部
・ジビニルベンゼン 0.52質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 1.00質量部
・n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤で疎水化処理した磁性体(体積平均粒径=0.21μm) 90.00質量部
・非晶質ポリエステル(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸との縮合反応により得られる飽和ポリエステル樹脂、Mn=5000、酸価=12mgKOH/g、Tg=68℃)
3.00質量部
上記成分をアトライター(三井鉱山(株))を用いて分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにパラフィンワックス(吸熱ピークトップ温度:77.2℃)15.0質量部を混合溶解した後、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.5質量部を溶解させた。
前記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてクレアミックス(エム・テクニック社製)にて12,000rpmで15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ0.5℃/分の速度で70℃まで昇温し、70℃に保持したまま5時間反応させた。その後、90℃に昇温し、2時間保持した。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてCa(POを溶解し、濾過、水洗、乾燥して、磁性トナー母粒子12を得た。得られた磁性トナー母粒子12の物性を表1に示す。
Figure 2015045861
<有機無機複合微粒子1乃至10の製造例>
有機無機複合微粒子は、WO 2013/063291の実施例の記載に従って製造することができる。
後述の実施例において用いる有機無機複合微粒子としては、表2に示すシリカを用いて、WO 2013/063291の実施例1に従って製造したものを用意した。有機無機複合微粒子1〜10の物性を表2に示す。
<有機粒子1の製造例>
撹拌機を装備した2Lの反応フラスコに、脱イオン水860質量部、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6質量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10質量部を投入撹拌し、同時に窒素置換を行いフラスコ内を窒素雰囲気化に置いた。次に下記材料を混合した単量体組成物液を投入した。
・メタクリル酸 66質量部
・ジビニルベンゼン 5質量部
フラスコ内を撹拌しつつ60℃まで加熱昇温し、有機無機複合乳化粒子を作製した。
その後撹拌した乳化粒子溶液中に重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)50質量%トルエン溶液10質量部を添加し、60℃で4時間保持し重合反応させた。その後さらに80℃まで加熱昇温し、80℃で2時間保持した後室温まで冷却後乾燥し有機粒子1を得た。
<その他の外添剤>
後述のトナー製造例中で、上記外添剤以外に使用する大径外添剤の物性も表2に示す。
Figure 2015045861
<磁性トナー1の製造例>
磁性トナー母粒子100.0質量部に対し、有機無機複合微粒子1を1.1質量部、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体(一次粒子の個数平均粒子径:10nm)を0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーで3200rpmで2分間混合し、磁性トナー1を得た。磁性トナー1の処方、物性を表3、4に示す。
<磁性トナー2乃至20の製造例>
使用する磁性トナー母粒子と大径外添剤の種類と添加量、及び疎水性シリカ微粉体の添加量を表3の様に変更した以外は磁性トナー1と同様にして、磁性トナー2乃至20を得た。得られた磁性トナー2乃至20の処方、物性を表3、4に示す。
Figure 2015045861
Figure 2015045861
<実施例1>
磁性トナー1を以下の様に評価した。評価結果を表5に示す。
<トナーの耐久性能及び部材融着・部材汚染の評価>
HP LaserJet Enterprise600 M603dn(HP社製)を、本来のプロセススピードよりも高速である400mm/sに改造して使用した。
磁性トナー1を所定のプロセスカートリッジに982g充填した。印字率1%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計50000枚の画出し試験を実施した。25000枚目と50000枚目での画像濃度を測定し、同時に画像不良の発生の有無を確認した。評価は母体樹脂を軟化させ外添剤の埋め込みを促進する、より厳しい条件である高温高湿環境下(32.5℃,85%RH)で行った。
画像濃度は、反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、5mm丸のベタ黒画像の反射濃度を測定することにより測定した。数値が大きいほど現像性が良いことを示す。具体的な評価基準を以下に示す。
A:非常に良好(1.45以上)
B:良好(1.40以上1.45未満)
C:普通(1.35以上1.40未満)
D:劣る(1.35未満)
また、画像濃度チェックと同じタイミングで出力したベタ黒画像上の縦スジを目視で確認することにより、現像スリーブに対するトナー融着の程度を評価した。トナーが現像スリーブ表面に融着した場合、融着部位においてトナーを帯電できなくなり、現像不良が起こるため、出力画像に対し縦方向の白いスジが発生する。具体的な評価基準を以下に示す。
A:縦スジは見られない。
B:画像の端部領域の濃度が中央部に比べて低下する。
C:画像の端部領域に微小な縦スジが観察される。
D:画像の端部領域に明確な縦スジが観察される。
また、画像濃度チェックと同じタイミングで出力したベタ黒画像上の白い点状の画像を目視で確認することにより、トナーによる静電潜像担持体の汚染の程度を評価した。外添剤が長期耐久中にトナー母粒子から脱離した場合、静電潜像担持体上で凝集塊を形成し、その領域にトナーが現像しなくなるため、白い点状の画像欠陥となる。具体的な評価基準を以下に示す。
A:白い点状の画像欠陥は見られない。
B:白い点状の画像欠陥が5個未満発生する。
C:白い点状の画像欠陥が5個以上10個未満発生する。
D:白い点状の画像欠陥が10個以上発生する。
<低温定着性の評価>
HP LaserJet Enterprise600 M603dn(HP社製)の定着装置の定着温度を任意に設定できるように改造した。
この装置を用いて、定着器の温度170℃以上220℃以下の範囲で5℃おきに温調して、ボンド紙(坪量75g/m)に画像濃度が0.60〜0.65となるようにハーフトーン画像を出力する。得られた画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率を測定した。定着温度と濃度低下率の関係から、濃度低下率が10%となる温度を算出し、低温定着性の評価とした。この温度が低い方が低温定着性が良いことを示す。画像出力は全て定着装置が温まり難く、低温定着にはより困難な条件である低温低湿環境下(7.5℃/15%RH)で行った。
<耐排紙接着性の評価>
耐排紙接着性の評価では、HP LaserJet Enterprise600 M603dn(HP社製)を、プロセススピードを400mm/sに改造して使用した。評価では、まず印字比率6%のテストチャートを用いてオフィスプランナーA4紙(坪量68g/m)に両面で10枚の連続プリント試験を行った。その後、10枚重ねた状態で未開封のオフィスプランナー用紙の束(500枚/束)を7束(3500枚に相当)重ねて1時間荷重をかけ、剥がした際の状態を評価した。試験は耐排紙接着性にはより厳しい条件である高温高湿環境下(32.5℃,85%RH)で行った。耐排紙接着性の評価基準は以下の通りである。
A:排紙接着が発生しない。
B:紙同士の接着は見られるが剥がした際に画像に欠陥が見られることはない。
C:剥がした際に画像に欠陥が見られるが実用上問題になるレベルではない。
D:剥がした際に画像に顕著な欠陥が見られる。
<耐ホットオフセット性の評価>
耐ホットオフセット性評価では、HP LaserJet Enterprise600 M603dnのプロセススピードを320mm/sとし、定着装置の定着温度を任意に設定できるように改造した。この装置を用い、定着器の温度190℃以上240℃以下の範囲で5℃おきに温調して、普通紙(秤量75g/m)紙にベタ黒画像を出力する。得られた画像上のオフセット現象による汚れを目視で確認し、汚れが発生した最も低い温度をもって耐オフセット性の評価とした。この温度が高い程、耐オフセット性が優れていることを示す。
<実施例2乃至12>
磁性トナー2乃至12を用いる以外は実施例1と同様にして、評価を行った。評価結果を表5に示す。
<比較例1乃至8>
磁性トナー13乃至20を用いる以外は実施例1と同様にして、評価を行った。評価結果を表5に示す。
Figure 2015045861

Claims (10)

  1. 結着樹脂、磁性体を含有するトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に存在する有機無機複合微粒子とを有するトナーであって、
    該有機無機複合微粒子は、ビニル系樹脂粒子と、該ビニル系樹脂粒子の表面に、埋め込まれた無機微粒子とを有し、
    該有機無機複合微粒子の表面には、該無機微粒子が露出しており、
    該トナー母粒子は、80℃における容積比熱が3450kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であり、
    該有機無機複合微粒子は、80℃における容積比熱が2900kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であり、個数平均粒径が50nm以上200nm以下であり、
    該トナー母粒子の80℃における容積比熱と、該有機無機複合微粒子の80℃における容積比熱との差の絶対値が、740kJ/(m・℃)以下である、
    ことを特徴とするトナー。
  2. 該トナーに8kg/cmの圧縮応力を加えて形成したトナー層を分断する際の最大引張応力が0.40N以上0.60N以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該有機無機複合微粒子は、
    i)該ビニル系樹脂粒子を母体として、該ビニル系樹脂粒子の表面に、該無機微粒子に由来する凸部を有する構造を有し、
    ii)形状係数SF−1が100以上150以下であり、形状係数SF−2が103以上120以下である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該有機無機複合微粒子は、80℃における容積比熱が2900kJ/(m・℃)以上4200kJ/(m・℃)以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 該有機無機複合微粒子は、個数平均粒径が70nm以上130nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 該トナー母粒子は、80℃における容積比熱が3600kJ/(m・℃)以上4000kJ/(m・℃)以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 該トナー母粒子は、平均円形度が0.950以上0.965以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 該有機無機複合微粒子が、トナー母粒子100質量部に対して、0.50質量部以上2.00質量部以下添加されていることを特徴とする請求項1に請求項7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 該無機微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 該無機微粒子は、個数平均粒径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトナー。
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