JP2015038163A - 透明保護膜 - Google Patents

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知子 宮原
久江 吉沢
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久江 吉沢
浩 三枝
Hiroshi Saegusa
浩 三枝
一則 穴澤
Kazunori Anazawa
一則 穴澤
鳥越 薫
Kaoru Torigoe
薫 鳥越
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Abstract

【課題】画像形成装置やスキャナ等において画像を光学的に読み取るための原稿が設置されるプラテン用透明板(プラテンガラス)などの擦り傷を抑制する。
【解決手段】自己修復性を有し、且つJISK7125(1999年)に準じて測定されるコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下である透明保護膜、および、自己修復性を有し、且つ表面にサファイヤ針を一定荷重で押し付けながら往復させた際の動摩擦係数が0.4以下である透明保護膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明保護膜に関する。
従来から、様々な分野において、表面での傷付きを抑制する観点から表面に透明保護膜を設けることが行われている。透明保護膜の用途としては、例えば、携帯電話やポータブルゲーム機等の画面を有するポータブル機器、窓ガラス、眼鏡のレンズ、車の窓ガラスやボディ、CD,DVD,BD等の光ディスクの記録面、太陽光電池パネルや太陽光を反射させるパネル、画像形成装置やスキャナ等において画像を光学的に読み取るための原稿が設置されるプラテン用透明板(プラテンガラス等)、ファクシミリの原稿読取装置などを保護するための保護膜が挙げられる。
複写機等の画像形成装置やスキャナ等において、原稿の画像を光学的に読み取る原稿読取装置としては、プラテンガラス上に置いた原稿の画像を読み取るプラテンセット方式と、原稿の搬送工程において画像を読み取る原稿搬送方式とがある。原稿搬送方式では、プラテンガラスを介してプラテンガラス上を搬送される原稿の画像面が読み取られる。
原稿搬送方式の原稿読取装置として、例えば、自動原稿搬送装置にて原稿を読み取りガラスの直上で搬送しつつ読取り位置で原稿画像を光学的に読み取り、読取りガラス上の直上には、ブラシ状の清掃部材が読取り位置に対向して回転し得るよう配置され、原稿搬送方向の下流側には清掃部材との接触で清掃部材に付着したごみをはたき落すはたき部材を配置する方法が試されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−68248号公報
本発明の目的は、擦り傷を抑制することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、
自己修復性を有し、且つJISK7125(1999年)に準じて測定されるコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下である透明保護膜である。
請求項2に係る発明は、
自己修復性を有し、且つ表面にサファイヤ針を一定荷重で押し付けながら往復させた際の動摩擦係数が0.4以下である透明保護膜である。
請求項3に係る発明は、
前記自己修復性が発現される温度が10℃以上100℃以下である請求項1または請求項2に記載の透明保護膜である。
請求項1に係る発明によれば、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たさない場合に比べ、擦り傷を抑制し得る透明保護膜が提供される。
請求項2に係る発明によれば、自己修復性を有し且つサファイヤ針を往復させた際の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たさない場合に比べ、擦り傷を抑制し得る透明保護膜が提供される。
請求項3に係る発明によれば、自己修復性が発現される温度が前記範囲でない場合に比べ、擦り傷を抑制し得る透明保護膜が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置におけるプラテン用透明板および操作パネル部分の斜視図である。
以下、本発明の透明保護膜の実施形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
第1の本実施形態に係る透明保護膜は、自己修復性を有し、且つJISK7125(1999年)に準じて測定されるコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下である。
第1実施形態に係る透明保護膜は、表面にコピー用紙が接触し該コピー用紙との接触により擦り傷が発生し得る物に対してであれば、特に限定されることなく用い得る。表面にコピー用紙が接触し該コピー用紙との接触により擦り傷が発生し得る物の例としては、例えば、画像形成装置やスキャナ等において画像を光学的に読み取るための原稿が設置されるプラテン用透明板(プラテンガラス等)、ファクシミリの原稿読取装置等が挙げられる。
原稿読取装置用のプラテン用透明板は、画像形成装置等における原稿読取装置において読取原稿が載せられる原稿置台に用いられる。このプラテン用透明板では、読取原稿との擦れや、読取原稿とプラテン用透明板との間に介した異物等との擦れによって、プラテン用透明板表面に擦り傷がつくことがあった。特に読取原稿を一枚ずつ、該読取原稿の読取面側がプラテン用透明板の透明保護膜側の表面の少なくとも一部に接するよう搬送する原稿搬送部を有する原稿読取装置の場合には、プラテン用透明板における前記読取原稿との擦れや前記異物等との擦れがより顕著となり、擦り傷の発生がより顕著となる傾向にある。また、設計図面などの長尺な用紙を読取原稿とした場合も擦り傷の問題が発生する。
また、原稿読取装置用のプラテン用透明板に限らず、表面にコピー用紙が接触する物であれば、該コピー用紙との擦れや、コピー用紙と透明保護膜との間に介した異物等との擦れによって、透明保護膜表面に擦り傷がつくことがあった。
これに対し第1の本実施形態に係る透明保護膜は、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前述の範囲であり、表面においてコピー用紙や異物等との擦りが生じても、擦り傷の発生が抑制され、更にたとえ擦り傷が発生した場合であっても該擦り傷が修復されるため、表面に永久に残る擦り傷(永久傷)の発生が効率的に抑制される。
その結果、例えば第1の本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、前記永久傷が読取装置によって読み取られることで形成画像に発生する、前記永久傷に基づく画質欠陥が抑制される。
また、透明保護膜のコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前述の範囲であることによりコピー用紙との滑り性も得られ、例えば第1の本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、特に前記原稿搬送部を有する原稿読取装置に適用する態様において、該原稿搬送部による読取原稿の搬送が良好に行われる。
−自己修復性の定義−
ここで、自己修復性とは、応力によってできた歪を応力の除荷時に復元する性質を指し、具体的に本明細書においては、下記測定方法によって求められる「戻り率」が80%以上であることを表す。
・戻り率の測定方法
測定装置としてフィッシャースコープHM2000(フィッシャー社製)を用い、ポリイミドフィルムに透明保護膜形成用の塗布液を塗布し重合してサンプル用の透明保護膜を形成し、スライドガラスに接着剤で固定し、上記測定装置にセットする。サンプル用透明保護膜に特定の測定温度で0.5mNまで15秒間かけて荷重をかけていき0.5mNで5秒間保持する。その際の最大変位を(h1)とする。その後、15秒かけて0.005mNまで除荷していき、0.005mNで1分間保持したときの変位を(h2)として、戻り率〔{(h1−h2)/h1}×100(%)〕を計算する。
本明細書に記載の戻り率は、該方法によって測定したものである。
−自己修復温度−
尚、第1実施形態における透明保護膜において自己修復性が発現される温度(即ち上記戻り率が80%以上となる温度:自己修復温度)は、透明保護膜を形成する樹脂が透明保護膜として形成された後の形態を保持しうる温度域であれば、いかなる温度であってもよい。従って、前記戻り率の測定方法における“特定の測定温度”は、上記温度域のいかなる温度をも対象とする。
尚、より効率的に傷の修復を行う観点から、第1実施形態の透明保護膜における前述の自己修復温度は10℃以上100℃以下であることが好ましく、10℃以上80℃以下であることがより好ましく、10℃以上50℃以下であることが特に好ましい。
尚、例えば第1の本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、原稿読取装置におけるプラテン用透明板の周囲を形成するプラスチック部品(例えばABS樹脂)等の劣化抑制の観点から、後述の熱を付与する手段による加熱温度は100℃以下であることが好ましく、そのため上記自己修復温度は100℃以下であることが好ましい。一方で、前述の範囲の動摩擦係数を満たす透明保護膜を形成し易いとの観点から、上記自己修復温度は10℃以上であることが好ましい。
−傷修復のための温度−
第1実施形態に係る透明保護膜は、自己修復性が発現される温度(自己修復温度)以外の温度環境におかれた場合であっても、より長い時間(例えば前記戻り率の測定方法と同じ条件で荷重をかけ傷をつけた場合であれば、1分間を超える時間)をかけることで、好適に傷の修復が行われる。
但し、より効率的に傷の修復を行う観点から、第1実施形態に係る透明保護膜が、前述の自己修復性を発現する温度(即ち前記戻り率が80%以上となる温度:自己修復温度)となる環境で使用することが好ましい。
また、第1実施形態に係る透明保護膜に対して熱を付与してもよく、例えばドライヤー等の熱送風装置によって熱風をかける方法や、透明保護膜表面を布等でこすって摩擦熱を付与する方法、人の手で押さえることで体温により温める方法、ヒーターを設けた発熱体を接触させる方法、透明保護膜を一旦剥がして熱湯に浸し再度貼り付ける方法、前記熱湯に浸すことに替えて加熱炉に入れる方法等の、外的に熱を付与する方法を行うことも好ましい。尚、これらの熱を付与する方法では、透明保護膜が前述の自己修復性を発現する温度(自己修復温度)にまで加熱することが好ましい。
例えば第1の本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、該プラテン用透明板の透明保護膜が、前述の自己修復性を発現する温度(即ち前記戻り率が80%以上となる温度:自己修復温度)となる環境で使用することが好ましい。
具体的には、前記プラテン用透明板を、熱定着装置等を備える画像形成装置に適用した場合、該画像形成装置本体から生じる熱によって透明保護膜に熱が付与される(例えば25℃以上45℃以下の温度に加熱される)。そのため、画像形成装置本体から生じる熱によって透明保護膜が到達する温度域において自己修復性を発現する透明保護膜を適用することで、より効率的に傷の修復が行われる。
また、プラテン用透明板の透明保護膜に対して熱を付与する手段を設けてもよく、例えば、前記原稿搬送部によって搬送される読取原稿と接する部分の透明保護膜を加熱する加熱装置を備えることが好ましい。具体的には、前記原稿搬送部の、プラテン用透明板の透明保護膜と読取原稿とが接する部分に対向する位置に加熱装置を配置することが好ましい。
更に、プラテン用透明板の透明保護膜に対してドライヤー等の熱送風装置によって熱風をかける方法や、透明保護膜表面を布等でこすって摩擦熱を付与する方法、人の手で押さえることで体温により温める方法、ヒーターなどを設けた発熱体を接触させる方法、透明保護膜を一旦剥がして熱湯に浸し再度貼り付ける方法、前記熱湯に浸すことに替えて加熱炉に入れる方法等の、外的に熱を付与する方法を行うことも好ましい。
尚、第1の本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合には、原稿読取装置におけるプラテン用透明板の周囲を形成するプラスチック部品(例えばABS樹脂)等の劣化抑制の観点から、前記熱を付与する方法による加熱温度は100℃以下であることが好ましい。
−コピー用紙に対する動摩擦係数−
第1実施形態における透明保護膜は、コピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下であり、更に0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。また特に限定されるものではないが、下限値としては0.01以上であることが好ましい。
透明保護膜のコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が上記範囲であることにより、透明保護膜表面において読取原稿や異物等との擦りが生じても、擦り傷の発生が抑制される。また、スティック・スリップ現象が抑制され、読取原稿との滑り性が得られ、例えば第1の本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、特に前記原稿搬送部を有する原稿読取装置に適用する態様において、該原稿搬送部による読取原稿の搬送が良好に行われる。
・コピー用紙に対する表面の動摩擦係数の測定方法
尚、上記動摩擦係数は以下の方法にて測定される。
JIS規格「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法」(JISK7125(1999年))に準じて行う。すなわち水平架台に置かれた透明保護膜と、ブロック状のおもりの下面に固定されたコピー用紙(本測定方法においては「富士ゼロックスオフィスサプライ社製、カラー/モノクロ兼用紙 C2紙」を用いた)との間に生じる動摩擦係数を測定する。接触部分の面積が40cm(63mm×63mm)で、荷重1.64kPa(200g)をかけて100mm/min(1.67mm/sec)の速度で引っ張ったときの摩擦力を測定し、摩擦力をおもりによる垂直荷重で除して動摩擦係数を求める。摩擦係数の測定では通常誤差を生じるため、5回測定した平均値をとる。
(尚、動摩擦係数が高く0.7を超えるものはスティック・スリップ現象と呼ばれる摩擦力が周期的に大きく変動する現象が現れやすくなり、動摩擦係数の測定は困難である。)
本明細書に記載の数値は、上記方法によって測定されたものである。
・コピー用紙
本明細書において「コピー用紙」とは、プリンターや複写機で使用される上質紙、リサイクル紙、光沢紙、コート紙、長尺紙などを表し、坪量60g/m以上190g/m以下の用紙を指す。
上記コピー用紙の具体例としては、C2紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製、カラー/モノクロ兼用紙):坪量70g/m、C2r紙(富士ゼロックス社製、カラー/モノクロ兼用リサイクル用紙):坪量70g/m、J紙(富士ゼロックス社製、多色カラー複写機用紙):坪量82g/m、E−A1(富士ゼロックス社製、A1判ロール紙用 上質紙):坪量64g/m、JDCOAT157(富士ゼロックス社製、カラーコピー/プリンター用コート紙):坪量95g/m、EPラベル用紙(富士ゼロックス社製、EPラベル用紙中厚口):坪量128g/mなどが挙げられる。
尚、上記に列挙したコピー用紙の、プラテンガラスとの動摩擦係数を、JIS規格「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法」(JISK7125(1999年))に準じて測定(5回測定した平均値として算出)したところ、C2紙:動摩擦係数=0.14、C2r紙:動摩擦係数=0.13、J紙:動摩擦係数=0.14、E−A1:動摩擦係数=0.13、JDCOAT157:動摩擦係数=0.07であった。また、プラテンガラスに人の指による汗などが付着していた場合は動摩擦係数が高くなる傾向にあるが、その場合でも上記に示したコピー用紙の動摩擦係数は0.3以下を示す。
−破断限界応力−
第1実施形態における透明保護膜の破断限界応力は、21kgf/mm以上であることが好ましい。
ここで破断限界応力とは、以下の方法により測定される。
荷重変動型摩擦摩耗試験システム HEIDONトライボギアHHS2000(新東科学社製)の加減重往復測定モードを用い、引掻針(サファイア製、先端半径r=0.01mm)にかける垂直荷重を0gから50gまで増加させながら、透明保護膜の表面を1mm/1secの速度で30mm引っ掻き、引掻針にかかる走査方向の摩擦抵抗をモニターする。荷重を増しながら引掻針を走査するに従い、滑っていた引掻針が不規則に振動し始めた時点で透明保護膜が破断したこと、すなわち永久傷が発生したことがわかる。
得られた破断限界点距離Lから破断限界点荷重を求め、更に破断限界応力が算出される。尚このときの応力は、荷重を接触円の面積で除した値から求まるが、引掻針の半径rを用い接触円面積をπrと近似する。
画像読取装置において一般的に用いられるプラテンガラスに対し、上記の方法で引掻き試験を行った場合、応力が21kgf/mm以上の範囲において微小な傷が入る傾向がある。そのため、プラテンガラス等の透明支持体上に形成する第1実施形態における透明保護膜の破断限界応力が21kgf/mm以上であることにより、自己修復性による微小傷の修復の効果が良好に発現されつつ、且つ透明保護膜の破断すなわち永久傷の発生も効果的に抑制され、より良好に擦り傷が抑制される。
尚、透明保護膜の破断限界応力は、更に60kgf/mm以上であることがより好ましく、80kgf/mm以上であることが特に好ましい。
〔第2実施形態〕
第2の本実施形態に係る透明保護膜は、自己修復性を有し、且つ表面にサファイヤ針を一定荷重で押し付けながら往復させた際の動摩擦係数が0.4以下である。
第2実施形態に係る透明保護膜は、表面に異物との接触により擦り傷が発生し得る物に対してであれば、特に限定されることなく用い得る。表面に異物が接触し該異物との接触により擦り傷が発生し得る物の例としては、例えば、携帯電話やポータブルゲーム機等のポータブル機器の画面、窓ガラス、眼鏡のレンズ、車の窓ガラスやボディ、CD,DVD,BD等の光ディスクの記録面、太陽光電池パネルや太陽光を反射させるパネル、画像形成装置やスキャナ等において画像を光学的に読み取るための原稿が設置されるプラテン用透明板(プラテンガラス等)、ファクシミリの原稿読取装置等が挙げられる。
携帯電話やポータブルゲーム機等のポータブル機器の画面においては、指の先(爪)や操作用のスティックの先端が接触して擦れることにより擦り傷がつくことがあった。
また、窓ガラス、車の窓ガラスやボディ等は、野外環境に曝されるため風によって運ばれる砂、葉、木の枝等との接触や、虫等との接触など、様々な要因により擦り傷がつくことがあった。特に、車のボディのドアノブには指の先(爪)や鍵が接触することによる傷がつくことがあった。
また、眼鏡のレンズ等には、表面に細かい粒子(汚れ)が付着していることがあり、その上から乾拭きを行うことで擦り傷がつくことがあった。
また、CD,DVD,BD等の光ディスクの記録面等には、ケースからの出し入れの際に該ケースの角に接触したり、再生装置,記録装置等からの出し入れの際に該装置の角に接触したり、また指の先(爪)が接触することがあり、これらとの擦れにより擦り傷がつくことがあった。
また、太陽光電池パネルや太陽光を反射させるパネルは、野外環境に曝されるため風によって運ばれる砂、葉、木の枝等との接触や、虫等との接触など、様々な要因により擦り傷がつくことがあった。
更に、原稿読取装置用のプラテン用透明板は、画像形成装置等における原稿読取装置において読取原稿が載せられる原稿置台に用いられ、このプラテン用透明板では、読取原稿との擦れや、読取原稿とプラテン用透明板との間に介した異物等との擦れによって、プラテン用透明板表面に擦り傷がつくことがあった。尚、特に読取原稿を一枚ずつ、該読取原稿の読取面側がプラテン用透明板の透明保護膜側の表面の少なくとも一部に接するよう搬送する原稿搬送部を有する原稿読取装置の場合には、プラテン用透明板における前記読取原稿との擦れや前記異物等との擦れがより顕著となり、擦り傷の発生がより顕著となる傾向にある。また、設計図面などの長尺な用紙を読取原稿とした場合も擦り傷の問題が発生する。
また、上記の態様に限らず、表面に異物が接触する物であれば、該異物との擦れによって、透明保護膜表面に擦り傷がつくことがあった。
これに対し第2の本実施形態に係る透明保護膜は、自己修復性を有し且つサファイヤ針を往復させた際の動摩擦係数が前述の範囲であり、表面において異物との擦りが生じても、擦り傷の発生が抑制され、更にたとえ擦り傷が発生した場合であっても該擦り傷が修復されるため、表面に永久に残る擦り傷(永久傷)の発生が効率的に抑制される。
−自己修復性の定義等−
ここで、自己修復性とは、第1実施形態と同じく、応力によってできた歪を応力の除荷時に復元する性質を指し、具体的に本明細書においては、下記測定方法によって求められる「戻り率」が80%以上であることを表す。
尚、戻り率の測定方法は前記第1実施形態に記載した通りである。
また、自己修復温度や傷修復のための温度についても、前記第1実施形態に記載した通りである。
−サファイヤ針に対する動摩擦係数−
第2実施形態における透明保護膜は、表面にサファイヤ針を一定荷重で押し付けながら往復させた際の動摩擦係数が0.4以下であり、更に0.3以下であることがより好ましく、0.1以下であることが特に好ましい。また特に限定されるものではないが、下限値としては0.001以上であることが好ましい。
透明保護膜の表面にサファイヤ針を往復させた際の動摩擦係数が上記範囲であることにより、スティック・スリップ現象が抑制され、異物との滑り性が得られ、透明保護膜表面において異物との擦りが生じても、擦り傷の発生が抑制される。
・サファイヤ針に対する動摩擦係数の測定方法
尚、上記動摩擦係数は以下の方法にて測定される。
荷重変動型摩擦摩耗試験システム HEIDONトライボギアHHS2000(新東科学社製)の一定荷重往復摩擦測定モードを用い、引掻針(サファイア製、先端半径r=0.3mm)を用いて、垂直荷重10gをかけながら透明保護膜の表面を1mm/1secの速度で10mm往復した際に、前記引掻針にかかる走査方向の動摩擦抵抗を測定し、これにより動摩擦係数を算出した。
本明細書に記載の数値は、上記方法によって測定されたものである。
〔透明保護膜の組成〕
次いで、前記第1実施形態または第2実施形態に係る透明保護膜の組成について説明する。尚、以下においては第1実施形態に係る透明保護膜および第2実施形態に係る透明保護膜の両者を指す場合には、単に「透明保護膜」と称す。
透明保護膜に用いる材料としては、前記第1実施形態における自己修復性およびコピー用紙に対する表面の動摩擦係数の要件または前記第2実施形態における自己修復性およびサファイヤ針に対する表面の動摩擦係数の要件を満たす材料であれば特に限定されるものではない。例えば、アクリル樹脂とイソシアネートとを重合して形成されるウレタン樹脂や、アクリル樹脂とシリコーンとイソシアネートとを重合して形成されるウレタン樹脂等が好適に用いられる。
以下においては、代表して上記ウレタン樹脂について説明する。
・アクリル樹脂
ウレタン樹脂を構成する前記アクリル樹脂としては、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が望ましい。
該アクリル樹脂を形成するためのモノマーとしては、まずヒドロキシル基を有するモノマーとして、例えば、(1)(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシ基を有するエチレン性モノマー等が挙げられる。また、(2)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシ基を有するエチレン性モノマーを用いてもよい。更に、ヒドロキシル基を有しないモノマーとして、(3)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の前記モノマー(1)および(2)と共重合し得るエチレン性モノマーを併用してもよい。
尚、前記アクリル樹脂としては、(a)炭素数が10未満の側鎖ヒドロキシル基(短側鎖ヒドロキシル基)の含有モル量〔A〕および炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基(長側鎖ヒドロキシル基)の含有モル量〔B〕の比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))が80%以上(但し前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有しない場合を含む)であるアクリル樹脂を用いることが特に好ましい。
また、(a')炭素数が10未満の側鎖ヒドロキシル基(短側鎖ヒドロキシル基)の含有モル量〔A〕および炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基(長側鎖ヒドロキシル基)の含有モル量〔B〕の比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))が80%以上(但し前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有しない場合を含む)でありシリコーンモノマーを含有する下記一般式(1)で示される化合物から選択される少なくとも1種のアクリル樹脂を用いることも好ましい。尚、下記一般式(1)で示される化合物から選択される少なくとも1種のアクリル樹脂は、後述のシリコーンを用いる代わりに用いるか、または後述のシリコーンと併用して用いてもよい。

一般式(1)中、Rはアミノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基を、Rはメチル基、フェニル基またはエチル基を表す。尚、上記一般式(1)における−[Si(R−O]−におけるカッコ内の基の数(n)は、特に限定されるものではないが、3以上1000以下が好ましい。
上記比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))は、さらに90%以上であることがより好ましい。
アクリル樹脂に長側鎖ヒドロキシル基を含有させる場合には、アクリル樹脂を形成するためのモノマーとして、ε−カプロラクトンを3−5モル(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルに付加してなるものが好ましい。
アクリル樹脂は1種のみでもよいし2種以上を用いてもよい。
また、上記アクリル樹脂はフッ素原子を含有してもよい。フッ素原子を含有するアクリル樹脂としては、モノマーとして、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、パーフルオロヘキシルエチレン等を更に重合させて得られた共重合体が挙げられる。
上記フッ素原子の含有量は、全ウレタン樹脂の5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
本実施形態における上記アクリル樹脂の合成方法は、前述のモノマーを混合し、通常のラジカル重合やイオン重合等を行った後、精製することによって合成される。
尚、上記アクリル樹脂としては、水酸基価が70mgKOH/g以上400mgKOH/g以下のものを用いることが好ましい。
水酸基価が上記下限値以上であることにより、架橋密度が高いウレタン樹脂が重合され、一方、上記上限値以下であることにより、適度な柔軟性をもつウレタン樹脂が得られるものと推察される。
上記水酸基価は、さらに100mgKOH/g以上350mgKOH/g以下であることがより好ましい。
尚、上記水酸基価とは、試料1g中の水酸基をアセチル化するために要する水酸化カリウムのmg数を表す。本実施形態における上記水酸基価の測定は、JIS K0070−1992に定められた方法(電位差滴定法)に準じて測定される。但しサンプルが溶解しない場合は溶媒にジオキサン、THF等の溶媒が用いられる。
・シリコーン
本実施形態においては、シリコーンとして、(b)下記一般式(2)で示される化合物から選択される少なくとも1種のシリコーンを用いることが好ましい。

一般式(2)中、Rはアミノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基を、Rはメチル基、フェニル基またはエチル基を表す。尚、上記一般式(2)における−[Si(R−O]−におけるカッコ内の基の数(n)は、特に限定されるものではないが、3以上1000以下が好ましい。
また、シリコーンを用いるのではなく、シリコーン鎖を側鎖に備えた前記一般式(1)で示される化合物から選択される少なくとも1種の(a')アクリル樹脂を用いてもよい。
前記一般式(1)および一般式(2)においてRはアミノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基を表し、この中でも、ヒドロキシル基、メトキシ基がより好ましい。
はメチル基、フェニル基またはエチル基を表し、この中でもメチル基、フェニル基がより好ましい。
前記一般式(1)で示される(a')アクリル樹脂に側鎖として結合するシリコーン(シリコーンモノマー)の分子量(重量平均分子量)、または前記一般式(2)で示される(b)シリコーンの分子量(重量平均分子量)としては、250以上50000以下が好ましく、500以上20000以下がより好ましい。
前記一般式(1)で示される(a')アクリル樹脂に側鎖として結合するシリコーンモノマーの具体例としては、例えばサイラプレーンFM−0771、FM−0721、FM−0725(以上チッソ社製)等が挙げられる。また、前記一般式(2)で示される(b)シリコーンの具体例としては、例えばKF9701、KF8008、KF6001(以上信越シリコーン社製)、TSR160、TSR145、TSR165、YF3804(以上モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
・イソシアネート
ウレタン樹脂を構成する(c)イソシアネートは、前記アクリル樹脂と前記シリコーン、またはアクリル樹脂同士、シリコーン同士を架橋する架橋剤として機能する。特に制限されるものではないが、イソシアネートとしては例えば、メチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートが好ましく用いられる。またヘキサメチレンジイソシアネートの多量体である、イソシヌアレート型、ビュレット型、アダクト型等の多官能イソシアネートを用いてもよい。イソシアネートは1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。さらにある特定温度までは反応しないよう官能基をブロック化したイソシアネートを用いてもよい。
尚、上記イソシアネートの含有量(i)としては、前記アクリル樹脂のヒドロキシル基量(ii)に対する比(i)/(ii)が0.1以上3以下であることが好ましく、更には0.5以上1以下であることがより好ましい。
・透明保護膜の形成方法
ついで、本実施形態における透明保護膜の形成方法について、上記ウレタン樹脂を適用した態様を一例にして説明する。
例えば、上記(a),(b),(c)の成分を重合する場合であれば、(a)アクリル樹脂と(b)シリコーンと(c)イソシアネートとを混合し、減圧下で脱泡したのち透明支持体上にキャストして、加熱(例えば85℃で1時間、180℃で1時間)して硬化させる。
また、ブロック化されたイソシアネートを用いる場合には、ブロックが外れる温度以上に加熱して硬化する。また、減圧脱泡のかわりに超音波を用いたり、遠心力を利用した回転ミキサーを用いたり、混合液を放置して脱泡する等の方法によっても行い得る。
また、(a')前記一般式(1)で示される化合物から選択される少なくとも1種のアクリル樹脂と(c)イソシアネートとを重合することによっても形成し得る。
・自己修復性の制御
戻り率の数値を前述の範囲に制御する、即ち自己修復性を有する透明保護膜とするための制御方法は、ウレタン樹脂であれば、シリコーンの量、アクリル樹脂におけるシリコーン鎖の量、架橋剤の種類および量等を制御することにより調整される。更に、上記(a),(b),(c)に示す組成物または上記(a')および(c)に示す組成物によりウレタン樹脂を重合する場合であれば、長側鎖ヒドロキシル基の量、短側鎖ヒドロキシル基の量等を制御することにより調整される。また、用いるアクリル樹脂の水酸基価を高めたり、用いるシリコーンの官能基数を高めたり、架橋効率を高める等の方法にて架橋密度を大きくすることによって、戻り率は大きくなる傾向にある。
・コピー用紙に対する表面の動摩擦係数またはサファイヤ針に対する表面の動摩擦係数の制御
また、コピー用紙に対する表面の動摩擦係数またはサファイヤ針に対する表面の動摩擦係数の数値を前述の範囲に制御するための方法は、上記(a),(b),(c)に示す組成物または上記(a')および(c)に示す組成物によりウレタン樹脂を重合する場合であれば、長側鎖ヒドロキシル基の量、短側鎖ヒドロキシル基の量等を制御する方法や、用いるアクリル樹脂の水酸基価、用いるシリコーンの官能基数、架橋効率等を制御して架橋密度を調整することで透明保護膜の硬さを調整する方法や、アクリル樹脂におけるフッ素原子の量、シリコーンの量等を制御することで調整される。
前記透明保護膜の厚さとしては、特に限定されるものではないが1μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。
〔用途〕
前述の通り、第1の本実施形態に係る透明保護膜は、表面にコピー用紙が接触し該コピー用紙との接触により擦り傷が発生し得る物に対してであれば、特に限定されることなく用い得る。例えば、原稿読取装置用のプラテン用透明板、ファクシミリの原稿読取装置等が挙げられる。
また、第2の本実施形態に係る透明保護膜は、表面に異物との接触により擦り傷が発生し得る物に対してであれば、特に限定されることなく用い得る。例えば、携帯電話やポータブルゲーム機等の画面を有するポータブル機器、窓ガラス、眼鏡のレンズ、車の窓ガラスやボディ、CD,DVD,BD等の光ディスクの記録面、太陽光電池パネルや太陽光を反射させるパネル、原稿読取装置用のプラテン用透明板、ファクシミリの原稿読取装置等が挙げられる。
以下においては、第1および第2実施形態にかかる透明保護膜の用途について説明する。
<プラテン用透明板>
本実施形態に係る原稿読取装置用のプラテン用透明板は、透明支持体と、該透明支持体上に、前記第1実施形態または第2実施形態に係る透明保護膜と、を有し、前記透明保護膜表面に接するよう配置された読取原稿としてのコピー用紙の読取面側を読み取る原稿読取装置に用いられる。
上記本実施形態に係る原稿読取装置用のプラテン用透明板によれば、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜または自己修復性を有し且つサファイヤ針を往復させた際の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜を有さない場合に比べ、透明保護膜表面における擦り傷を抑制し得るプラテン用透明板が提供される。
−透明支持体−
透明支持体としては、例えば、ガラス、アクリル板、ポリスチレン板、ポリカーボネート板等が挙げられる。
透明支持体の厚さとしては、特に限定されるものではないが1mm以上10mm以下が好ましい。
−原稿読取装置および画像形成装置−
本実施形態に係る原稿読取装置は、前記本実施形態に係るプラテン用透明板と、読取原稿としてのコピー用紙を一枚ずつ、該読取原稿の読取面側が前記プラテン用透明板の前記透明保護膜側の表面の少なくとも一部に接するよう搬送する原稿搬送部と、前記プラテン用透明板の前記透明保護膜側の表面に接した際の前記読取原稿の読取面を、前記プラテン用透明板の反対側から読み取る原稿読取部と、を有する。
上記本実施形態に係る原稿読取装置によれば、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜または自己修復性を有し且つサファイヤ針を往復させた際の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜を有するプラテン用透明板を有さない場合に比べ、透明保護膜表面における擦り傷を抑制し得る原稿読取装置が提供される。
尚、本実施形態に係る原稿読取装置においては、前記透明保護膜の、前記原稿搬送部によって搬送される前記読取原稿と接する部分を加熱する加熱装置を備えていてもよい。
前記加熱装置を備えることで、透明保護膜の、原稿搬送部によって搬送される読取原稿と接する部分を加熱する加熱装置を備えない場合に比べ、透明保護膜表面における擦り傷を抑制し得る原稿読取装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係る原稿読取装置を備え、読取原稿から画像情報を読み取る画像情報読取部と、前記原稿読取装置で読み取られた画像情報に基づいて記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、を有する。
上記本実施形態に係る画像形成装置によれば、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜または自己修復性を有し且つサファイヤ針を往復させた際の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜を有するプラテン用透明板を有さない場合に比べ、画質欠陥の発生を抑制し得る画像形成装置が提供される。
次いで、本実施形態に係る原稿読取装置および画像形成装置について、図を参照して説明する。
図1には、本実施形態の一例としての原稿読取装置を備えた電子写真方式の画像形成装置が示されている。
画像形成装置10は、上下方向(矢印V方向)の下側から上側へ向けて、記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録媒体の一例としての記録用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取装置16と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。尚、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向を矢印V方向、水平方向を矢印H方向と記載する。
・用紙収容部
用紙収容部12は、サイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、および第3収容部26が設けられている。第1収容部22、第2収容部24、および第3収容部26には、収容された記録用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられており、搬送路28における送り出しロール32よりも下流側には、記録用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34および搬送ロール36が設けられている。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール36よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで後述する二次転写位置へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
搬送路28の上流側部分は、画像形成装置10の正面視において、矢印V方向に向けて用紙収容部12の左側から画像形成部14の左側下部まで直線状に設けられている。また、搬送路28の下流側部分は、画像形成部14の左側下部から画像形成部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。さらに、搬送路28には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送および反転される両面搬送路29が接続されている。
両面搬送路29は、画像形成装置10の正面視において、搬送路28と両面搬送路29との切り替えを行う第1切替部材31と、画像形成部14の右側下部から用紙収容部12の右側まで矢印V方向(図示の下向きが−V、上向きが+V)に直線状に設けられた反転部33と、反転部33に搬送された記録用紙Pの後端が進入するとともに矢印H方向における図示の左側に搬送される搬送部37と、反転部33と搬送部37との切り替えを行う第2切替部材35と、を有している。そして、反転部33には、一対の搬送ロール42が間隔をあけて複数箇所に設けられており、搬送部37には、一対の搬送ロール44が間隔をあけて複数箇所に設けられている。
第1切替部材31は、三角柱状の部材であり、駆動手段(図示省略)によって先端部が搬送路28または両面搬送路29のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。同様に、第2切替部材35は、正面視で三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が反転部33または搬送部37のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。尚、搬送部37の下流側端部は、搬送路28の上流側部分にある搬送ロール36の手前側に案内部材(図示省略)により接続されている。また、画像形成部14の左側面には、折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から送り込まれる記録用紙Pの搬送経路が、搬送路28の位置合せロール38の手前に接続されている。
・原稿読取装置
原稿読取装置16は、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置(原稿搬送部)52と、原稿搬送装置52の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられる原稿置台の一例としての置原稿読取プラテン用透明板54Aと、原稿搬送装置52の下側に配置され且つ原稿搬送装置52によって搬送される1枚の読取原稿Gの読取面側が接するよう配置された搬送原稿読取プラテン用透明板54Bと、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gまたは置原稿読取プラテン用透明板54Aに載せられた読取原稿Gを、搬送原稿読取プラテン用透明板54Bの反対側または置原稿読取プラテン用透明板54Aの反対側から読み取る読取手段の一例としての原稿読取部56とが設けられている。尚、本実施形態では搬送原稿読取プラテン用透明板54B、または置原稿読取プラテン用透明板54Aとして、前述の第1の実施形態または第2の実施形態にかかる透明保護膜を有する本実施形態に係るプラテン用透明板を用いる。
原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール53が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部は読取原稿Gが搬送原稿読取プラテン用透明板54B上を通るように配置されている。また、原稿読取部56は、搬送原稿読取プラテン用透明板54Bの下部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、または矢印H方向に移動しながら置原稿読取プラテン用透明板54Aに載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
尚、原稿読取装置16では、搬送原稿読取プラテン用透明板54Bにおける透明保護膜の、原稿搬送装置52によって搬送される読取原稿Gと接する部分を加熱するための加熱装置57を備えることがより好ましい。また、置原稿読取プラテン用透明板54Aの読取原稿Gと接する部分を加熱するための加熱装置を備えてもよい。
該加熱装置57としては、接触、非接触を問わず、例えば、電熱線ヒーターやハロゲンランプなどによる加熱機構や、電磁誘導加熱、またそれらを用いた熱風を送る機構等を備えた加熱装置が用いられる。
・操作パネル
図2に示す通り、画像形成装置10におけるプラテン用透明板(置原稿読取プラテン用透明板54Aおよび搬送原稿読取プラテン用透明板54B)の矢印Z方向手前側には、操作者によって操作される操作部の一例としての操作パネルが設けられている。
操作パネル100は、操作ボタン部104および表示パネル106を含んで構成されており、操作ボタン部104および表示パネル106は、装置本体10Aの上部に取り付けられた板材の一例としてのプラテンカバー102の上面に露出されている。即ち、プラテンカバー102は、操作パネル100の外郭を形成している。また、操作ボタン部104は、コピー操作などの各種の操作指示が入力される操作ボタンやテンキーが複数設けられており、表示パネル106は、操作条件の設定、操作状態といった各種のメッセージ等を表示するようになっている。そして、操作パネル100は、プラテン用透明板54Aおよび54Bに対する操作者による操作側に配置されている。尚、表示パネル106は、操作者が触れることで設定が変更されるタッチパネルであってもよい。
・画像形成部
画像形成部14は、原稿読取装置16の下側に設けられトナー(現像剤)を用いて画像を形成する画像形成部の一例としての画像形成ユニット50を有している。画像形成ユニット50は、後述する感光体62、帯電部材64、露光装置66、現像装置72、転写ユニット70、およびクリーニング装置73を含んで構成されている。また、転写ユニット70は、後述する中間転写ベルト68、一次転写ロール67、補助ロール69、および二次転写ロール71を含んで構成されている。
画像形成部14における装置本体10Aの中央には、潜像保持体である円筒状の感光体62が設けられている。感光体62は、駆動手段(図示省略)によって矢印+R方向(図示の時計回り方向)に回転すると共に光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、感光体62の上側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するコロトロン方式の帯電部材64が設けられている。
感光体62の回転方向における帯電部材64よりも下流側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、図示しない半導体レーザ、f−θレンズ、ポリゴンミラー、結像レンズ、および複数のミラーを有しており、画像信号に基づき半導体レーザから出射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、帯電部材64により帯電された感光体62の外周面に照射(露光)して、静電潜像を形成するようになっている。尚、露光装置66は、レーザ光をポリゴンミラーで偏向走査する方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)方式等であってもよい。
感光体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、感光体62の外周面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置72が設けられている。
現像装置72は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナー色にそれぞれ対応する6つの現像器(符号を省略する)が、周方向に(図示の反時計回り方向にこの順番で)並んで配置された構成となっており、モータ(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで、現像処理を行う各現像器が切り替えられ、感光体62の外周面と対向するようになっている。尚、Y、M、C、Kの4色の画像形成を行う場合は、第1特別色(E)および第2特別色(F)を使用しないため、Kに対応する現像器からYに対応する現像器への回転角度が180°となる。
各現像器には、原稿読取装置16の下側に設けられた供給部の一例としてのトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78Fからトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナーおよびキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。また、各現像器には、外周面が感光体62の外周面と対向する現像ロール74が設けられている。現像ロール74は、回転し得るよう設けられた円筒状の現像スリーブと、該現像スリーブの内側に固定された複数の磁極から成る磁性部材とで構成されている。そして、現像装置72は、現像スリーブが回転することで現像剤(キャリア)の磁気ブラシを形成すると共に、感光体62の外周面に形成された潜像(静電潜像)に応じたトナーを付着させて現像を行う。尚、トナーカートリッジ78E、78Fには、例えば、Y、M、Cに比べて淡色のトナーが充填される。
一方、転写ユニット70は、感光体62の外周面に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト68が設けられている。中間転写ベルト68は、無端状のベルトであり、感光体62の回転方向で現像装置72よりも下流側であり且つ感光体62の下側に配置されている。また、中間転写ベルト68は、制御部20により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール65、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール63、および後述する二次転写位置において中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、感光体62と中間転写ベルト68とが接触する位置(これを一次転写位置とする)から中間転写ベルト68の移動方向下流側に離れた位置で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、電源(図示省略)から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で感光体62のトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像を記録用紙Pに二次転写させる二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間が記録用紙Pへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。二次転写ロール71は、接地されると共に中間転写ベルト68の表面に接触しており、電源(図示省略)から通電された補助ロール69と二次転写ロール71との電位差で、中間転写ベルト68のトナー画像を記録用紙Pに二次転写するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを回収するクリーニングブレード59が設けられている。クリーニングブレード59は、開口部が形成された筐体(図示省略)に取り付けられており、クリーニングブレード59の先端部で掻き取られたトナーが、筐体内に回収されるようになっている。
中間転写ベルト68の周囲で搬送ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する位置検出センサ83が設けられている。位置検出センサ83は、中間転写ベルト68に向けて光を照射すると共にマークの表面で反射された光を受光することで、中間転写ベルト68の移動位置を検出するようになっている。
一方、感光体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに感光体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。クリーニング装置73は、感光体62表面に接触するクリーニングブレードおよびブラシロールにより残留トナー等を回収する構成となっている。
また、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の上流側(一次転写ロール67よりも下流側)には、感光体62の外周面に一次転写後に残留したトナーの除電を行うコロトロン81が設けられている。さらに、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の下流側(帯電部材64よりも上流側)には、クリーニング後の感光体62の外周面に光を照射して除電を行う除電装置75が設けられている。
そして、二次転写ロール71によるトナー画像の二次転写位置は、前述の搬送路28の途中に設定されており、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向(図示の矢印A方向)で二次転写ロール71よりも下流側には、二次転写ロール71によってトナー画像が転写された記録用紙Pにトナー画像を定着させる定着装置90が設けられている。定着装置90は、加熱により定着を行う定着ロール92と、定着ロール92へ向けて記録用紙Pを加圧する加圧ロール94とを有している。尚、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で定着装置90よりも下流側には、排紙部15または反転部33へ向けて記録用紙Pを搬送する搬送ロール39が設けられている。
<ポータブル機器>
前記第2実施形態に係る透明保護膜は、少なくとも画像を表示する画面を有するポータブル機器において、該画面の保護膜として用い得る。
携帯電話やポータブルゲーム機等のポータブル機器における画面(例えば液晶画面)には、操作の際に指の先(爪)が接触したり、更に操作用のスティックがある場合には該スティックの先端が接触して擦れることにより擦り傷がつくことがあった。これに対し、第2実施形態に係る透明保護膜を有することで、擦り傷の発生が抑制され、更にたとえ擦り傷が発生した場合であっても該擦り傷が修復されるため、表面に永久に残る擦り傷(永久傷)の発生が効率的に抑制される。
<窓ガラス、車のボディ>
前記第2実施形態に係る透明保護膜は、建物や車等における窓ガラスの保護膜として用い得る。また、前記第2実施形態に係る透明保護膜は、車のボディの保護膜として用い得る。
建物の窓ガラス、車の窓ガラスやボディ等は、野外環境に曝されるため風によって運ばれる砂、葉、木の枝等との接触や、虫等との接触など、様々な要因により擦り傷がつくことがあった。特に、車のボディのドアノブには指の先(爪)や鍵が接触することによる傷がつくことがあった。これに対し、第2実施形態に係る透明保護膜を有することで、擦り傷の発生が抑制され、更にたとえ擦り傷が発生した場合であっても該擦り傷が修復されるため、表面に永久に残る擦り傷(永久傷)の発生が効率的に抑制される。
<眼鏡のレンズ>
前記第2実施形態に係る透明保護膜は、眼鏡のレンズの保護膜として用い得る。
眼鏡のレンズには、表面に細かい粒子(汚れ)が付着していることがあり、その上から乾拭きを行うことで擦り傷がつくことがあった。これに対し、第2実施形態に係る透明保護膜を有することで、擦り傷の発生が抑制され、更にたとえ擦り傷が発生した場合であっても該擦り傷が修復されるため、表面に永久に残る擦り傷(永久傷)の発生が効率的に抑制される。
<光ディスク>
前記第2実施形態に係る透明保護膜は、光ディスクの記録面の保護膜として用い得る。
CD,DVD,BD等の光ディスクの記録面等には、ケースからの出し入れの際に該ケースの角に接触したり、再生装置,記録装置等からの出し入れの際に該装置の角に接触したり、また指の先(爪)が接触することがあり、これらとの擦れにより擦り傷がつくことがあった。その結果、記録面についた傷に起因して、読み取りエラーが生じることがあった。これに対し、第2実施形態に係る透明保護膜を有することで、擦り傷の発生が抑制され、更にたとえ擦り傷が発生した場合であっても該擦り傷が修復されるため、表面に永久に残る擦り傷(永久傷)の発生が効率的に抑制される。その結果、読み取りエラーの発生も効率的に抑制される。
<太陽光パネル>
前記第2実施形態に係る透明保護膜は、太陽光パネルの反射面の保護膜として用い得る。
太陽光電池パネルや太陽光を反射させるパネルは、野外環境に曝されるため風によって運ばれる砂、葉、木の枝等との接触や、虫等との接触など、様々な要因により擦り傷がつくことがあった。これに対し、第2実施形態に係る透明保護膜を有することで、擦り傷の発生が抑制され、更にたとえ擦り傷が発生した場合であっても該擦り傷が修復されるため、表面に永久に残る擦り傷(永久傷)の発生が効率的に抑制される。
尚、前記第2実施形態に係る透明保護膜は、透明支持体の上に形成されるものであっても、支持体なしで用いられるものであってもかまわない。
−透明支持体−
前記第2実施形態に係る透明保護膜の支持体として用いられる透明支持体としては、例えば、ガラス、アクリル板、ポリスチレン板、ポリカーボネート板が挙げられ、これら以外にも、ポリイミト゛シート、ポリエチレンテレフタレートシート、塩化ビニルシート等、可撓性をもつ透明シートが挙げられる。
透明支持体の厚さとしては、特に限定されるものではないが0.001mm以上10mm以下が好ましい。
以下、実施例を交えて本発明を詳細に説明するが、以下に示す実施例のみに本発明は限定されるものではない。尚、以下において「部」および「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
[第1実施形態に係る実施例]
・実施例A1
搬送原稿読取用プラテンガラス(旭ガラス社製、367mm×30mm、厚さ1.8mm)上に、以下の方法により透明保護膜を形成した。
[サンプル調製方法]
<アクリル樹脂プレポリマーA1の合成>
・短側鎖ヒドロキシル基となるモノマーであるヒドロキシエチルメタクリレート
(HEMA、側鎖ヒドロキシル基における炭素数:3):182部
・CHEMINOX FAMAC6
(ユニマテック株式会社製、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、
フッ素原子含有):151部
・サイラプレーンFM−0721
(チッソ株式会社製、ブチル(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチル
シロキサン、シリコン含有):100部
・長側鎖ヒドロキシル基となるモノマーであるプラクセルFM3
(ダイセル化学社製、ラクトン変性メタアクリレート、
側鎖ヒドロキシル基における炭素数:21):165部
・重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO) :27部
・酢酸ブチル :60部
からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を完結させた。尚、反応中は常に110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーA1を合成した。
<プラテン用透明板A1の形成>
下記A液と下記B液とを、下記の割合で混合したのち、10分間減圧下で脱泡した。この液を前述の搬送原稿読取用プラテンガラス上にキャストして、80℃で1時間、さらに180℃で1時間硬化して40μmの膜厚の透明保護膜をもつプラテン用透明板A1を作製した。
・A液(上記アクリル樹脂プレポリマーA1液、45.7%、水酸基価164)
:153部
・B液(イソシアネート、旭化成ケミカルズ社製、デュラネートX1040
化合物名:ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体)
:76部
・実施例A2
<アクリル樹脂プレポリマーA2の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を142部、FAMAC6を135部、プラクセルFM3を221部として用いた以外は、実施例A1に記載の方法によりアクリル樹脂プレポリマーA2を合成した。
<プラテン用透明板A2の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA2液(46.5%、水酸基価147):150部を用い、且つB液を67部に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A2を作製した。
・実施例A3
<アクリル樹脂プレポリマーA3の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を110部、FAMAC6を122部、プラクセルFM3を267部として用いた以外は、実施例A1に記載の方法によりアクリル樹脂プレポリマーA3を合成した。
<プラテン用透明板A3の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA3液(46.3%、水酸基価132):151部を用い、且つB液を61部に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A3を作製した。
・実施例A4
<プラテン用透明板A4の形成>
実施例A3の<プラテン用透明板A3の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA3液:151部を172部に、B液を61部から63部に変更し、さらに下記に示すC液を13部添加した以外は、実施例A3に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A4を作製した。
・C液(イソシアネート、旭化成ケミカルズ社製、デュラネートE402−B80
化合物名:ポリイソシアネートのアダクト体)
・実施例A5
<プラテン用透明板A5の形成>
実施例A3の<プラテン用透明板A3の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA3液:151部を172部に、B液を61部から56部に変更し、さらに前記C液を26部添加した以外は、実施例A3に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A5を作製した。
・実施例A6
<プラテン用透明板A6の形成>
実施例A3の<プラテン用透明板A3の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA3液:151部を172部に、B液を61部から49部に変更し、さらに前記C液を39部添加した以外は、実施例A3に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A6を作製した。
・実施例A7
<アクリル樹脂プレポリマーA7の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の代わりにヒドロキシエチルアクリレート(HEA)212部を、FAMAC6の代わりにFAAC6(ユニマテック株式会社製、化合物名:2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、フッ素原子含有)191部を、プラクセルFM3の代わりにイソボロニルメタクリレート(IBXA)95部を、用いた以外は実施例A1に記載の方法によりアクリル樹脂プレポリマーA7を合成した。
<プラテン用透明板A7の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA7液(47.0%、水酸基価171):212部を用い、B液の代わりにデュラネートTPA−B80(旭化成ケミカルズ社製、化合物名:ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体)48部を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A7を作製した。
・実施例A8
<アクリル樹脂プレポリマーA8の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を100部、FAMAC6を399部、プラクセルFM3を0部として用いた以外は、実施例A1に記載の方法により、アクリル樹脂プレポリマーA8を合成した。
<プラテン用透明板A8の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA8液(46.2%、水酸基価216):108部を用い、B液の代わりに前記C液:132部を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A8を作製した。
・実施例A9
<プラテンガラス用透明板A9の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、前記実施例A8で合成したアクリル樹脂プレポリマーA8液(46.2%、水酸基価216):259部を用い、且つB液を172部に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A9を作製した。
・実施例A10
<プラテン用透明板A10の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、前記実施例A8で合成したアクリル樹脂プレポリマーA8液(46.2%、水酸基価216):259部を用い、B液の代わりにデュラネートV3000(旭化製ケミカルズ社製、化合物名:ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアナートのコビュレット型オリゴマー):119部を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A10を作製した。
・実施例A11
<プラテン用透明板A11の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、前記実施例A8で合成したアクリル樹脂プレポリマーA8液(46.2%、水酸基価216):259部を用い、B液の代わりにデュラネートX2172(旭化製ケミカルズ社製、化合物名:ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアナートのコビュレット型オリゴマー):226部を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A11を作製した。
・比較例A1
<プラテン用透明板A12の準備>
プラテン用透明板として、プラテンガラス(旭ガラス社製、367mm×30mm、厚さ1.8mm)を用い、且つ透明保護膜を有しないプラテン用透明板A12を準備した。
このプラテン用透明板A12上において、後述するHEIDON トライボギアによる引掻針による負荷評価を用い、目視確認の困難な微小キズの発生評価を、実体顕微鏡を用いて行った。
また、このプラテン用透明板A12上において、後述するHEIDON トライボギアの引掻針による負荷評価を用い、容易に目視確認し得る白い傷の発生評価を行った。
・比較例A2
<アクリル樹脂プレポリマーA13の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を32部、FAMAC6を327部、プラクセルFM3を238部、サイラプレーンFM−0721を0部として用いた以外は、実施例A1に記載の方法によりアクリル樹脂プレポリマーA13を合成した。
<プラテン用透明板A13の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA13液(44.3%、水酸基価71):267部を用い、且つB液を56部に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A13を作製した。
・比較例A3
<プラテン用透明板A14の形成>
実施例A2の<プラテン用透明板A2の形成>において、B液の代わりにデュラネートD201(旭化成ケミカルズ社製、化合物名:ポリイソシアネートの2官能型)48部を用いた以外は、実施例A2に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A14を作製した。
・比較例A4
<プラテン用透明板A15の形成>
搬送原稿読取用プラテンガラス(旭ガラス社製、367mm×30mm、厚さ1.8mm)の上に、透明保護膜として、接着層を有するPET(ニッパ株式会社製、CPF50−SA、厚さ50μm)を接着し、プラテン用透明板A15を作製した。
・比較例A5
<プラテン用透明板A16の形成>
搬送原稿読取用プラテンガラス(旭ガラス社製、367mm×30mm、厚さ1.8mm)の上に、透明保護膜としてPFA(テトラフルオロエチレン、厚さ75μm、接着層あり)を接着し、プラテン用透明板A16を作製した。
−戻り率の測定−
測定装置としてフィッシャースコープHM2000(フィッシャー社製)を用いた前述の方法により、透明保護膜の戻り率を求めた。戻り率と、該戻り率を示した温度(下記表1および表2では「傷修復温度」と称す)を、表1および表2に示す。
戻り率の測定は表1および表2の傷修復温度に示す温度で行い、また比較例A4および比較例A5では170℃で行った。
−コピー用紙に対する動摩擦係数の測定−
前述の方法により、コピー用紙に対する表面の動摩擦係数を求めた。得られた動摩擦係数の結果を、表1および表2に示す。
[評価]
−破断限界測定−
以下の方法により、破断限界点距離L,破断限界点荷重,破断限界応力を測定した。
荷重変動型摩擦摩耗試験システム HEIDONトライボギアHHS2000(新東科学社製)の加減重往復測定モードを用いた。引掻針(サファイア製、先端半径r=0.01mm)にかける垂直荷重を0gから50gまで増加させながら、透明保護膜(比較例A1においてはプラテンガラス)の上を1mm/1secの速度で30mm引っ掻き、引掻針にかかる走査方向の摩擦抵抗をモニターした。尚、荷重を増しながら引掻針を走査するに従い、滑っていた引掻針が不規則に振動し始めた時点で透明保護膜が破断したこと、すなわち永久傷が発生したことがわかる。
得られた破断限界点距離Lから破断限界点荷重を求め、更に破断限界応力を算出した。このときの応力は、荷重を接触円の面積で除した値から求まるが、引掻針の半径rを用い接触円面積をπrと近似した。
結果を表1および表2に示す。
−原稿搬送性評価−
下記方法により、読取原稿のプラテン用透明板との接触部における搬送性を評価した。
前記実施例Aおよび前記比較例Aのプラテン用透明版を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCentre Color f450)における搬送原稿読取用プラテンとして設置し、原稿読取装置においてA4のコピー用紙(C2紙、富士ゼロックスオフィスサプライ社製、カラー/モノクロ兼用紙)を搬送して紙詰まりセンサーが作動するかどうか(紙詰まりなし:○、紙詰まりあり:×)により、原稿搬送性の評価を行った。
結果を表1および表2に示す。
−複写機適正評価−
以下の評価基準に従って、複写機適正評価を行った。
◎:紙詰まりなし、破断限界応力100kgf/mm以上、傷修復温度100℃以下
○:紙詰まりなし、破断限界応力21kgf/mm以上100kgf/mm未満、傷修復温度100℃以下
△:紙詰まりなし、破断限界応力21kgf/mm以上100kgf/mm未満、傷修復温度100℃超える
×:紙詰まりエラー発生、または傷修復せず


[第1実施形態および第2実施形態に係る実施例]
・実施例B1〜B10および比較例B1〜B5
支持体として、搬送原稿読取用プラテンガラスの代わりに可撓性を有するポリイミドフィルム(東レ社製、カプトンフィルム300H)を用いた以外は、実施例A1〜A7およびA9〜A11、並びに比較例A1〜A5に記載の方法により透明保護膜を形成し、実施例B1〜B10および比較例B1〜B5のプラスチックフィルムを形成した。
「戻り率」「コピー用紙に対する動摩擦係数」および「破断限界」の測定を、前記実施例Aにおける方法にて行った。
[評価]
−金属ブラシによる傷評価−
人の指先(爪)、砂や木の枝などとの接触による傷に対する有効性を評価するため、以下の方法により金属ブラシによる傷について評価した。
まず、金属ブラシ(トラスコ中山(株)社製、チャンネルブラシ6I型TB−2034:ブラシ材質真鍮0.15mm径)を用い、800gの荷重をかけながら前記実施例Bおよび前記比較例Bのプラスチックフィルムにおける透明保護膜の上を30mm/secの速度で50回擦ることで、プラスチックフィルム上に形成した透明保護膜の表面に多数の傷をつけ、傷の存在を目視により確認した。
上記の方法で傷をつけた各透明保護膜の表面について、それぞれ傷付与前、傷付与後の光沢度をグロスメータ(BYKガードナー社製、マイクロ−トリ−グロス)を用い60°の測定角で測定した。
また、上記の方法で傷をつけた各プラスチックフィルムに対し、100℃のホットプレート上で10秒間加熱し、目視で傷が残っているかどうかを調べると共に、上記方法により光沢度を測定した。
更に、上記の方法で傷をつけた各プラスチックフィルムに対し、下記表3および表4に記載の傷修復温度に設定したホットプレート上で10秒間加熱し、目視で傷が残っているかどうかを調べると共に、上記方法により光沢度を測定した。
−耐傷付評価−
摩擦係数の低い保護層はそもそも傷が付きにくいことを確認するため、以下の方法により金属ブラシによる傷付け評価を行った。
金属ブラシ(トラスコ中山(株)社製、チャンネルブラシ6I型TB−2034:ブラシ材質真鍮0.15mm径)を用い、100gの荷重をかけながら前記実施例Bおよび前記比較例Bのプラスチックフィルムにおける透明保護膜の上を30mm/secの速度で3回擦り、擦った直後の傷の存在を目視により確認した。
以下の評価基準に従って、傷付け評価を行った。
◎:目視キズなし
○:目視キズ1本以上、5本未満
△:目視キズ5本以上、20本未満
×:目視キズ20本以上

上記表3および表4に示されるごとく、傷が確認されるプラスチックフィルムの表面は光沢が失われるため光沢度が低下するが、加熱により傷が修復したプラスチックフィルムの表面は光沢が復活していることがわかる。
[携帯電話の実施例]
・実施例C1
実施例A5に記載の方法で、アクリル樹脂プレポリマーA3液、B液およびC液を混合し、支持体として搬送原稿読取用プラテンガラスの代わりに接着層を有する厚さ50μmのPETフィルム(ニッパ株式会社製、CPF50−SA)上に塗布(キャスト)して、130℃で10分間、および室温(25℃)で24時間硬化して50μmの膜厚の透明保護膜を得た。これを携帯電話(アップル社製iPhone4S)の液晶面、および筺体部に貼った。
・比較例C1
比較例A3に記載の方法で、アクリル樹脂プレポリマーA2液およびデュラネートD201を混合し、支持体として搬送原稿読取用プラテンガラスの代わりに接着層を有する厚さ50μmのPETフィルム(ニッパ株式会社製、CPF50−SA)上に塗布(キャスト)して、130℃で10分間、および室温(25℃)で24時間硬化して50μmの膜厚の透明保護膜を得た。これを携帯電話(アップル社製iPhone4S)の液晶面、および筺体部に貼った。
・比較例C2
保護膜を塗布しないPETフィルム(ニッパ株式会社製、CPF50−SA)を携帯電話(アップル社製iPhone4S)の液晶面、および筺体部に貼った。
<傷つけ試験>
前記実施例Cおよび比較例Cの携帯電話の保護膜上に砂を5mg置き、キムワイプ(日本製紙クレシア社製、キムワイプs200)を重ねて、砂を介したキムワイプの上から保護膜を親指で1cmの円を描くように4周擦り、乾拭きにより円周方向についた傷の本数を目視確認した。
また、その傷の上を人の手のひらで10秒間押さえた後、傷の本数を目視確認した。
−乾拭き後傷の評価基準−
○ :0本以上 5本未満
△ :5本以上 10本未満
× :10本以上 20本未満
××:20以上
−手のひらで押さえた後の傷の評価基準−
○ :0本以上 5本未満
△ :5本以上 10本未満
× :10本以上 20本未満
××:20以上

[窓ガラスの実施例]
・実施例D1
支持体として、搬送原稿読取用プラテンガラスの代わりに、窓ガラス(旭ガラス社製、フロートガラス、厚さ3mm)を用いた以外は、実施例A4に記載の方法により透明保護膜を形成した。
・比較例D1
透明保護膜を有しない窓ガラス(旭ガラス社製、フロートガラス、厚さ3mm)を準備した。
・比較例D2
窓ガラス(旭ガラス社製、フロートガラス、厚さ3mm)に接着層を有するPET保護膜(帝人社製、テイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムG2P2:ポリエチレンテレフタレート、厚さ75μm)を張り付けた。
<傷つけ試験>
前記実施例Dおよび比較例Dの窓ガラス上に紙やすり(#120、1cm×5cm)を置き、その端に30gの重りを乗せて1cm/secで引っ張り、発生した傷の本数を数えた。その後、ドライヤーを5秒間傷にあて、傷の本数を数えた。

[光ディスクの実施例]
・実施例E1
<単独透明保護膜の形成>
支持体として、搬送原稿読取用プラテンガラスの代わりにテフロン(登録商標)板(ニチアス社製、ナフロンPTFEシート スカイブドT #9000)を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜を形成した。その後、支持体から透明保護膜を剥がしとることで、厚さ100μmの単独透明保護膜を形成した。
<透明保護膜の取り付け>
この単独透明保護膜を直径120.0mmに切りだし、中央に15.0mmの穴を設けた。動画を録画したDVD−R(マクセル社製 DRD120CPWW)ディスクの記録面に上記単独透明保護膜を重ね、DVD装着用ツメ6ヶ所を設けた外周フレーム(ポリカーボネート製、外径120.9mm×厚さ1.9mm)を用い、外周フレームのツメをDVDディスクの端部に引っかけることでDVDディスクと単独透明保護膜を固定した。
・比較例E1
PETフィルム(帝人社製、テイジン(登録商標)テトロン(登録商標)フィルムG2、厚さ75μm)を、直径120.0mmに切りだし、中央に15.0mmの穴を設けた。動画を録画したDVD−R(マクセル社製 DRD120CPWW)ディスクの記録面に上記PETフィルムを重ね、DVD装着用ツメ6ヶ所を設けた外周フレーム(ポリカーボネート製、外径120.9mm×厚さ1.9mm)を用い、外周フレームのツメをDVDディスクの端部に引っかけることでDVDディスクとPETフィルムを固定した。
<キズの評価>
前記実施例Eおよび比較例Eの保護膜を設けたDVD−Rの記録面を、人の爪で600gの荷重をかけながら左右に数回引掻いて傷をつけた後、目視による傷の有無を確認し、且つDVD−Rの動画を再生して再生具合の評価を行った。
その後、傷のついた保護膜をDVD−Rディスクから取り外し、家庭用のアイロン温度を低(80℃から120℃)に設定してキズ部の上から3秒間押しあて、DVD−Rディスクに取り付け直した。その後目視による傷の有無を確認し、且つDVD−Rの動画を再生して再生具合の評価を行った。
−目視キズ−
○:目視キズなし
×:目視キズあり
−動画再生−
○:動画再生良好
×:動画再生不良

10 画像形成装置
16 原稿読取装置
50 画像形成ユニット(画像形成部)
52 原稿搬送装置(原稿搬送部)
54A 置原稿読取プラテン用透明板
54B 搬送原稿読取プラテン用透明板
56 原稿読取部
本発明は、透明保護膜に関する。
従来から、様々な分野において、表面での傷付きを抑制する観点から表面に透明保護膜を設けることが行われている。透明保護膜の用途としては、例えば、画像形成装置やスキャナ等において画像を光学的に読み取るための原稿が設置されるプラテン用透明板(プラテンガラス等)、ファクシミリの原稿読取装置などを保護するための保護膜が挙げられる。
複写機等の画像形成装置やスキャナ等において、原稿の画像を光学的に読み取る原稿読取装置としては、プラテンガラス上に置いた原稿の画像を読み取るプラテンセット方式と、原稿の搬送工程において画像を読み取る原稿搬送方式とがある。原稿搬送方式では、プラテンガラスを介してプラテンガラス上を搬送される原稿の画像面が読み取られる。
原稿搬送方式の原稿読取装置として、例えば、自動原稿搬送装置にて原稿を読み取りガラスの直上で搬送しつつ読取り位置で原稿画像を光学的に読み取り、読取りガラス上の直上には、ブラシ状の清掃部材が読取り位置に対向して回転し得るよう配置され、原稿搬送方向の下流側には清掃部材との接触で清掃部材に付着したごみをはたき落すはたき部材を配置する方法が試されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−68248号公報
本発明の目的は、擦り傷を抑制することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、
自己修復性を有し、且つJISK7125(1999年)に準じて測定されるコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下である透明保護膜である
請求項に係る発明は、
前記自己修復性が発現される温度が10℃以上100℃以下である請求項1に記載の透明保護膜である。
請求項1に係る発明によれば、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たさない場合に比べ、擦り傷を抑制し得る透明保護膜が提供される
請求項に係る発明によれば、自己修復性が発現される温度が前記範囲でない場合に比べ、擦り傷を抑制し得る透明保護膜が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置におけるプラテン用透明板および操作パネル部分の斜視図である。
以下、本発明の透明保護膜の実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係る透明保護膜は、自己修復性を有し、且つJISK7125(1999年)に準じて測定されるコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下である。
実施形態に係る透明保護膜は、表面にコピー用紙が接触し該コピー用紙との接触により擦り傷が発生し得る物に対してであれば、特に限定されることなく用い得る。表面にコピー用紙が接触し該コピー用紙との接触により擦り傷が発生し得る物の例としては、例えば、画像形成装置やスキャナ等において画像を光学的に読み取るための原稿が設置されるプラテン用透明板(プラテンガラス等)、ファクシミリの原稿読取装置等が挙げられる。
原稿読取装置用のプラテン用透明板は、画像形成装置等における原稿読取装置において読取原稿が載せられる原稿置台に用いられる。このプラテン用透明板では、読取原稿との擦れや、読取原稿とプラテン用透明板との間に介した異物等との擦れによって、プラテン用透明板表面に擦り傷がつくことがあった。特に読取原稿を一枚ずつ、該読取原稿の読取面側がプラテン用透明板の透明保護膜側の表面の少なくとも一部に接するよう搬送する原稿搬送部を有する原稿読取装置の場合には、プラテン用透明板における前記読取原稿との擦れや前記異物等との擦れがより顕著となり、擦り傷の発生がより顕著となる傾向にある。また、設計図面などの長尺な用紙を読取原稿とした場合も擦り傷の問題が発生する。
また、原稿読取装置用のプラテン用透明板に限らず、表面にコピー用紙が接触する物であれば、該コピー用紙との擦れや、コピー用紙と透明保護膜との間に介した異物等との擦れによって、透明保護膜表面に擦り傷がつくことがあった。
これに対し本実施形態に係る透明保護膜は、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前述の範囲であり、表面においてコピー用紙や異物等との擦りが生じても、擦り傷の発生が抑制され、更にたとえ擦り傷が発生した場合であっても該擦り傷が修復されるため、表面に永久に残る擦り傷(永久傷)の発生が効率的に抑制される。
その結果、例えば本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、前記永久傷が読取装置によって読み取られることで形成画像に発生する、前記永久傷に基づく画質欠陥が抑制される。
また、透明保護膜のコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前述の範囲であることによりコピー用紙との滑り性も得られ、例えば本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、特に前記原稿搬送部を有する原稿読取装置に適用する態様において、該原稿搬送部による読取原稿の搬送が良好に行われる。
−自己修復性の定義−
ここで、自己修復性とは、応力によってできた歪を応力の除荷時に復元する性質を指し、具体的に本明細書においては、下記測定方法によって求められる「戻り率」が80%以上であることを表す。
・戻り率の測定方法
測定装置としてフィッシャースコープHM2000(フィッシャー社製)を用い、ポリイミドフィルムに透明保護膜形成用の塗布液を塗布し重合してサンプル用の透明保護膜を形成し、スライドガラスに接着剤で固定し、上記測定装置にセットする。サンプル用透明保護膜に特定の測定温度で0.5mNまで15秒間かけて荷重をかけていき0.5mNで5秒間保持する。その際の最大変位を(h1)とする。その後、15秒かけて0.005mNまで除荷していき、0.005mNで1分間保持したときの変位を(h2)として、戻り率〔{(h1−h2)/h1}×100(%)〕を計算する。
本明細書に記載の戻り率は、該方法によって測定したものである。
−自己修復温度−
尚、実施形態における透明保護膜において自己修復性が発現される温度(即ち上記戻り率が80%以上となる温度:自己修復温度)は、透明保護膜を形成する樹脂が透明保護膜として形成された後の形態を保持しうる温度域であれば、いかなる温度であってもよい。従って、前記戻り率の測定方法における“特定の測定温度”は、上記温度域のいかなる温度をも対象とする。
尚、より効率的に傷の修復を行う観点から、実施形態の透明保護膜における前述の自己修復温度は10℃以上100℃以下であることが好ましく、10℃以上80℃以下であることがより好ましく、10℃以上50℃以下であることが特に好ましい。
尚、例えば本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、原稿読取装置におけるプラテン用透明板の周囲を形成するプラスチック部品(例えばABS樹脂)等の劣化抑制の観点から、後述の熱を付与する手段による加熱温度は100℃以下であることが好ましく、そのため上記自己修復温度は100℃以下であることが好ましい。一方で、前述の範囲の動摩擦係数を満たす透明保護膜を形成し易いとの観点から、上記自己修復温度は10℃以上であることが好ましい。
−傷修復のための温度−
実施形態に係る透明保護膜は、自己修復性が発現される温度(自己修復温度)以外の温度環境におかれた場合であっても、より長い時間(例えば前記戻り率の測定方法と同じ条件で荷重をかけ傷をつけた場合であれば、1分間を超える時間)をかけることで、好適に傷の修復が行われる。
但し、より効率的に傷の修復を行う観点から、実施形態に係る透明保護膜が、前述の自己修復性を発現する温度(即ち前記戻り率が80%以上となる温度:自己修復温度)となる環境で使用することが好ましい。
また、実施形態に係る透明保護膜に対して熱を付与してもよく、例えばドライヤー等の熱送風装置によって熱風をかける方法や、透明保護膜表面を布等でこすって摩擦熱を付与する方法、人の手で押さえることで体温により温める方法、ヒーターを設けた発熱体を接触させる方法、透明保護膜を一旦剥がして熱湯に浸し再度貼り付ける方法、前記熱湯に浸すことに替えて加熱炉に入れる方法等の、外的に熱を付与する方法を行うことも好ましい。尚、これらの熱を付与する方法では、透明保護膜が前述の自己修復性を発現する温度(自己修復温度)にまで加熱することが好ましい。
例えば本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、該プラテン用透明板の透明保護膜が、前述の自己修復性を発現する温度(即ち前記戻り率が80%以上となる温度:自己修復温度)となる環境で使用することが好ましい。
具体的には、前記プラテン用透明板を、熱定着装置等を備える画像形成装置に適用した場合、該画像形成装置本体から生じる熱によって透明保護膜に熱が付与される(例えば25℃以上45℃以下の温度に加熱される)。そのため、画像形成装置本体から生じる熱によって透明保護膜が到達する温度域において自己修復性を発現する透明保護膜を適用することで、より効率的に傷の修復が行われる。
また、プラテン用透明板の透明保護膜に対して熱を付与する手段を設けてもよく、例えば、前記原稿搬送部によって搬送される読取原稿と接する部分の透明保護膜を加熱する加熱装置を備えることが好ましい。具体的には、前記原稿搬送部の、プラテン用透明板の透明保護膜と読取原稿とが接する部分に対向する位置に加熱装置を配置することが好ましい。
更に、プラテン用透明板の透明保護膜に対してドライヤー等の熱送風装置によって熱風をかける方法や、透明保護膜表面を布等でこすって摩擦熱を付与する方法、人の手で押さえることで体温により温める方法、ヒーターなどを設けた発熱体を接触させる方法、透明保護膜を一旦剥がして熱湯に浸し再度貼り付ける方法、前記熱湯に浸すことに替えて加熱炉に入れる方法等の、外的に熱を付与する方法を行うことも好ましい。
、本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合には、原稿読取装置におけるプラテン用透明板の周囲を形成するプラスチック部品(例えばABS樹脂)等の劣化抑制の観点から、前記熱を付与する方法による加熱温度は100℃以下であることが好ましい。
−コピー用紙に対する動摩擦係数−
実施形態における透明保護膜は、コピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下であり、更に0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。また特に限定されるものではないが、下限値としては0.01以上であることが好ましい。
透明保護膜のコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が上記範囲であることにより、透明保護膜表面において読取原稿や異物等との擦りが生じても、擦り傷の発生が抑制される。また、スティック・スリップ現象が抑制され、読取原稿との滑り性が得られ、例えば本実施形態に係る透明保護膜をプラテン用透明板の表面に用いた場合であれば、特に前記原稿搬送部を有する原稿読取装置に適用する態様において、該原稿搬送部による読取原稿の搬送が良好に行われる。
・コピー用紙に対する表面の動摩擦係数の測定方法
尚、上記動摩擦係数は以下の方法にて測定される。
JIS規格「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法」(JISK7125(1999年))に準じて行う。すなわち水平架台に置かれた透明保護膜と、ブロック状のおもりの下面に固定されたコピー用紙(本測定方法においては「富士ゼロックスオフィスサプライ社製、カラー/モノクロ兼用紙 C2紙」を用いた)との間に生じる動摩擦係数を測定する。接触部分の面積が40cm(63mm×63mm)で、荷重1.64kPa(200g)をかけて100mm/min(1.67mm/sec)の速度で引っ張ったときの摩擦力を測定し、摩擦力をおもりによる垂直荷重で除して動摩擦係数を求める。摩擦係数の測定では通常誤差を生じるため、5回測定した平均値をとる。
(尚、動摩擦係数が高く0.7を超えるものはスティック・スリップ現象と呼ばれる摩擦力が周期的に大きく変動する現象が現れやすくなり、動摩擦係数の測定は困難である。)
本明細書に記載の数値は、上記方法によって測定されたものである。
・コピー用紙
本明細書において「コピー用紙」とは、プリンターや複写機で使用される上質紙、リサイクル紙、光沢紙、コート紙、長尺紙などを表し、坪量60g/m以上190g/m以下の用紙を指す。
上記コピー用紙の具体例としては、C2紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製、カラー/モノクロ兼用紙):坪量70g/m、C2r紙(富士ゼロックス社製、カラー/モノクロ兼用リサイクル用紙):坪量70g/m、J紙(富士ゼロックス社製、多色カラー複写機用紙):坪量82g/m、E−A1(富士ゼロックス社製、A1判ロール紙用 上質紙):坪量64g/m、JDCOAT157(富士ゼロックス社製、カラーコピー/プリンター用コート紙):坪量95g/m、EPラベル用紙(富士ゼロックス社製、EPラベル用紙中厚口):坪量128g/mなどが挙げられる。
尚、上記に列挙したコピー用紙の、プラテンガラスとの動摩擦係数を、JIS規格「プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法」(JISK7125(1999年))に準じて測定(5回測定した平均値として算出)したところ、C2紙:動摩擦係数=0.14、C2r紙:動摩擦係数=0.13、J紙:動摩擦係数=0.14、E−A1:動摩擦係数=0.13、JDCOAT157:動摩擦係数=0.07であった。また、プラテンガラスに人の指による汗などが付着していた場合は動摩擦係数が高くなる傾向にあるが、その場合でも上記に示したコピー用紙の動摩擦係数は0.3以下を示す。
−破断限界応力−
実施形態における透明保護膜の破断限界応力は、21kgf/mm以上であることが好ましい。
ここで破断限界応力とは、以下の方法により測定される。
荷重変動型摩擦摩耗試験システム HEIDONトライボギアHHS2000(新東科学社製)の加減重往復測定モードを用い、引掻針(サファイア製、先端半径r=0.01mm)にかける垂直荷重を0gから50gまで増加させながら、透明保護膜の表面を1mm/1secの速度で30mm引っ掻き、引掻針にかかる走査方向の摩擦抵抗をモニターする。荷重を増しながら引掻針を走査するに従い、滑っていた引掻針が不規則に振動し始めた時点で透明保護膜が破断したこと、すなわち永久傷が発生したことがわかる。
得られた破断限界点距離Lから破断限界点荷重を求め、更に破断限界応力が算出される。尚このときの応力は、荷重を接触円の面積で除した値から求まるが、引掻針の半径rを用い接触円面積をπrと近似する。
画像読取装置において一般的に用いられるプラテンガラスに対し、上記の方法で引掻き試験を行った場合、応力が21kgf/mm以上の範囲において微小な傷が入る傾向がある。そのため、プラテンガラス等の透明支持体上に形成する実施形態における透明保護膜の破断限界応力が21kgf/mm以上であることにより、自己修復性による微小傷の修復の効果が良好に発現されつつ、且つ透明保護膜の破断すなわち永久傷の発生も効果的に抑制され、より良好に擦り傷が抑制される。
尚、透明保護膜の破断限界応力は、更に60kgf/mm以上であることがより好ましく、80kgf/mm以上であることが特に好ましい
〔透明保護膜の組成〕
次いで、前記実施形態に係る透明保護膜の組成について説明する
透明保護膜に用いる材料としては、前記実施形態における自己修復性およびコピー用紙に対する表面の動摩擦係数の要件を満たす材料であれば特に限定されるものではない。例えば、アクリル樹脂とイソシアネートとを重合して形成されるウレタン樹脂や、アクリル樹脂とシリコーンとイソシアネートとを重合して形成されるウレタン樹脂等が好適に用いられる。
以下においては、代表して上記ウレタン樹脂について説明する。
・アクリル樹脂
ウレタン樹脂を構成する前記アクリル樹脂としては、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂が望ましい。
該アクリル樹脂を形成するためのモノマーとしては、まずヒドロキシル基を有するモノマーとして、例えば、(1)(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシ基を有するエチレン性モノマー等が挙げられる。また、(2)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシ基を有するエチレン性モノマーを用いてもよい。更に、ヒドロキシル基を有しないモノマーとして、(3)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の前記モノマー(1)および(2)と共重合し得るエチレン性モノマーを併用してもよい。
尚、前記アクリル樹脂としては、(a)炭素数が10未満の側鎖ヒドロキシル基(短側鎖ヒドロキシル基)の含有モル量〔A〕および炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基(長側鎖ヒドロキシル基)の含有モル量〔B〕の比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))が80%以上(但し前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有しない場合を含む)であるアクリル樹脂を用いることが特に好ましい。
また、(a')炭素数が10未満の側鎖ヒドロキシル基(短側鎖ヒドロキシル基)の含有モル量〔A〕および炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基(長側鎖ヒドロキシル基)の含有モル量〔B〕の比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))が80%以上(但し前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有しない場合を含む)でありシリコーンモノマーを含有する下記一般式(1)で示される化合物から選択される少なくとも1種のアクリル樹脂を用いることも好ましい。尚、下記一般式(1)で示される化合物から選択される少なくとも1種のアクリル樹脂は、後述のシリコーンを用いる代わりに用いるか、または後述のシリコーンと併用して用いてもよい。
一般式(1)中、Rはアミノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基を、Rはメチル基、フェニル基またはエチル基を表す。尚、上記一般式(1)における−[Si(R−O]−におけるカッコ内の基の数(n)は、特に限定されるものではないが、3以上1000以下が好ましい。
上記比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))は、さらに90%以上であることがより好ましい。
アクリル樹脂に長側鎖ヒドロキシル基を含有させる場合には、アクリル樹脂を形成するためのモノマーとして、ε−カプロラクトンを3−5モル(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルに付加してなるものが好ましい。
アクリル樹脂は1種のみでもよいし2種以上を用いてもよい。
また、上記アクリル樹脂はフッ素原子を含有してもよい。フッ素原子を含有するアクリル樹脂としては、モノマーとして、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、パーフルオロヘキシルエチレン等を更に重合させて得られた共重合体が挙げられる。
上記フッ素原子の含有量は、全ウレタン樹脂の5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
本実施形態における上記アクリル樹脂の合成方法は、前述のモノマーを混合し、通常のラジカル重合やイオン重合等を行った後、精製することによって合成される。
尚、上記アクリル樹脂としては、水酸基価が70mgKOH/g以上400mgKOH/g以下のものを用いることが好ましい。
水酸基価が上記下限値以上であることにより、架橋密度が高いウレタン樹脂が重合され、一方、上記上限値以下であることにより、適度な柔軟性をもつウレタン樹脂が得られるものと推察される。
上記水酸基価は、さらに100mgKOH/g以上350mgKOH/g以下であることがより好ましい。
尚、上記水酸基価とは、試料1g中の水酸基をアセチル化するために要する水酸化カリウムのmg数を表す。本実施形態における上記水酸基価の測定は、JIS K0070−1992に定められた方法(電位差滴定法)に準じて測定される。但しサンプルが溶解しない場合は溶媒にジオキサン、THF等の溶媒が用いられる。
・シリコーン
本実施形態においては、シリコーンとして、(b)下記一般式(2)で示される化合物から選択される少なくとも1種のシリコーンを用いることが好ましい。
一般式(2)中、Rはアミノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基を、Rはメチル基、フェニル基またはエチル基を表す。尚、上記一般式(2)における−[Si(R−O]−におけるカッコ内の基の数(n)は、特に限定されるものではないが、3以上1000以下が好ましい。
また、シリコーンを用いるのではなく、シリコーン鎖を側鎖に備えた前記一般式(1)で示される化合物から選択される少なくとも1種の(a')アクリル樹脂を用いてもよい。
前記一般式(1)および一般式(2)においてRはアミノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基またはエトキシ基を表し、この中でも、ヒドロキシル基、メトキシ基がより好ましい。
はメチル基、フェニル基またはエチル基を表し、この中でもメチル基、フェニル基がより好ましい。
前記一般式(1)で示される(a')アクリル樹脂に側鎖として結合するシリコーン(シリコーンモノマー)の分子量(重量平均分子量)、または前記一般式(2)で示される(b)シリコーンの分子量(重量平均分子量)としては、250以上50000以下が好ましく、500以上20000以下がより好ましい。
前記一般式(1)で示される(a')アクリル樹脂に側鎖として結合するシリコーンモノマーの具体例としては、例えばサイラプレーンFM−0771、FM−0721、FM−0725(以上チッソ社製)等が挙げられる。また、前記一般式(2)で示される(b)シリコーンの具体例としては、例えばKF9701、KF8008、KF6001(以上信越シリコーン社製)、TSR160、TSR145、TSR165、YF3804(以上モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
・イソシアネート
ウレタン樹脂を構成する(c)イソシアネートは、前記アクリル樹脂と前記シリコーン、またはアクリル樹脂同士、シリコーン同士を架橋する架橋剤として機能する。特に制限されるものではないが、イソシアネートとしては例えば、メチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートが好ましく用いられる。またヘキサメチレンジイソシアネートの多量体である、イソシヌアレート型、ビュレット型、アダクト型等の多官能イソシアネートを用いてもよい。イソシアネートは1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。さらにある特定温度までは反応しないよう官能基をブロック化したイソシアネートを用いてもよい。
尚、上記イソシアネートの含有量(i)としては、前記アクリル樹脂のヒドロキシル基量(ii)に対する比(i)/(ii)が0.1以上3以下であることが好ましく、更には0.5以上1以下であることがより好ましい。
・透明保護膜の形成方法
ついで、本実施形態における透明保護膜の形成方法について、上記ウレタン樹脂を適用した態様を一例にして説明する。
例えば、上記(a),(b),(c)の成分を重合する場合であれば、(a)アクリル樹脂と(b)シリコーンと(c)イソシアネートとを混合し、減圧下で脱泡したのち透明支持体上にキャストして、加熱(例えば85℃で1時間、180℃で1時間)して硬化させる。
また、ブロック化されたイソシアネートを用いる場合には、ブロックが外れる温度以上に加熱して硬化する。また、減圧脱泡のかわりに超音波を用いたり、遠心力を利用した回転ミキサーを用いたり、混合液を放置して脱泡する等の方法によっても行い得る。
また、(a')前記一般式(1)で示される化合物から選択される少なくとも1種のアクリル樹脂と(c)イソシアネートとを重合することによっても形成し得る。
・自己修復性の制御
戻り率の数値を前述の範囲に制御する、即ち自己修復性を有する透明保護膜とするための制御方法は、ウレタン樹脂であれば、シリコーンの量、アクリル樹脂におけるシリコーン鎖の量、架橋剤の種類および量等を制御することにより調整される。更に、上記(a),(b),(c)に示す組成物または上記(a')および(c)に示す組成物によりウレタン樹脂を重合する場合であれば、長側鎖ヒドロキシル基の量、短側鎖ヒドロキシル基の量等を制御することにより調整される。また、用いるアクリル樹脂の水酸基価を高めたり、用いるシリコーンの官能基数を高めたり、架橋効率を高める等の方法にて架橋密度を大きくすることによって、戻り率は大きくなる傾向にある。
・コピー用紙に対する表面の動摩擦係数の制御
また、コピー用紙に対する表面の動摩擦係数の数値を前述の範囲に制御するための方法は、上記(a),(b),(c)に示す組成物または上記(a')および(c)に示す組成物によりウレタン樹脂を重合する場合であれば、長側鎖ヒドロキシル基の量、短側鎖ヒドロキシル基の量等を制御する方法や、用いるアクリル樹脂の水酸基価、用いるシリコーンの官能基数、架橋効率等を制御して架橋密度を調整することで透明保護膜の硬さを調整する方法や、アクリル樹脂におけるフッ素原子の量、シリコーンの量等を制御することで調整される。
前記透明保護膜の厚さとしては、特に限定されるものではないが1μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。
〔用途〕
前述の通り、本実施形態に係る透明保護膜は、表面にコピー用紙が接触し該コピー用紙との接触により擦り傷が発生し得る物に対してであれば、特に限定されることなく用い得る。例えば、原稿読取装置用のプラテン用透明板、ファクシミリの原稿読取装置等が挙げられる
以下においては、実施形態にかかる透明保護膜の用途について説明する。
<プラテン用透明板>
本実施形態に係る原稿読取装置用のプラテン用透明板は、透明支持体と、該透明支持体上に、前記実施形態に係る透明保護膜と、を有し、前記透明保護膜表面に接するよう配置された読取原稿としてのコピー用紙の読取面側を読み取る原稿読取装置に用いられる。
上記本実施形態に係る原稿読取装置用のプラテン用透明板によれば、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜を有さない場合に比べ、透明保護膜表面における擦り傷を抑制し得るプラテン用透明板が提供される。
−透明支持体−
透明支持体としては、例えば、ガラス、アクリル板、ポリスチレン板、ポリカーボネート板等が挙げられる。
透明支持体の厚さとしては、特に限定されるものではないが1mm以上10mm以下が好ましい。
−原稿読取装置および画像形成装置−
本実施形態に係る原稿読取装置は、前記本実施形態に係るプラテン用透明板と、読取原稿としてのコピー用紙を一枚ずつ、該読取原稿の読取面側が前記プラテン用透明板の前記透明保護膜側の表面の少なくとも一部に接するよう搬送する原稿搬送部と、前記プラテン用透明板の前記透明保護膜側の表面に接した際の前記読取原稿の読取面を、前記プラテン用透明板の反対側から読み取る原稿読取部と、を有する。
上記本実施形態に係る原稿読取装置によれば、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜を有するプラテン用透明板を有さない場合に比べ、透明保護膜表面における擦り傷を抑制し得る原稿読取装置が提供される。
尚、本実施形態に係る原稿読取装置においては、前記透明保護膜の、前記原稿搬送部によって搬送される前記読取原稿と接する部分を加熱する加熱装置を備えていてもよい。
前記加熱装置を備えることで、透明保護膜の、原稿搬送部によって搬送される読取原稿と接する部分を加熱する加熱装置を備えない場合に比べ、透明保護膜表面における擦り傷を抑制し得る原稿読取装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係る原稿読取装置を備え、読取原稿から画像情報を読み取る画像情報読取部と、前記原稿読取装置で読み取られた画像情報に基づいて記録媒体上に画像を形成する画像形成部と、を有する。
上記本実施形態に係る画像形成装置によれば、自己修復性を有し且つコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が前記範囲との要件を満たす透明保護膜を有するプラテン用透明板を有さない場合に比べ、画質欠陥の発生を抑制し得る画像形成装置が提供される。
次いで、本実施形態に係る原稿読取装置および画像形成装置について、図を参照して説明する。
図1には、本実施形態の一例としての原稿読取装置を備えた電子写真方式の画像形成装置が示されている。
画像形成装置10は、上下方向(矢印V方向)の下側から上側へ向けて、記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録媒体の一例としての記録用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取装置16と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。尚、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向を矢印V方向、水平方向を矢印H方向と記載する。
・用紙収容部
用紙収容部12は、サイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、および第3収容部26が設けられている。第1収容部22、第2収容部24、および第3収容部26には、収容された記録用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられており、搬送路28における送り出しロール32よりも下流側には、記録用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34および搬送ロール36が設けられている。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール36よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで後述する二次転写位置へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
搬送路28の上流側部分は、画像形成装置10の正面視において、矢印V方向に向けて用紙収容部12の左側から画像形成部14の左側下部まで直線状に設けられている。また、搬送路28の下流側部分は、画像形成部14の左側下部から画像形成部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。さらに、搬送路28には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送および反転される両面搬送路29が接続されている。
両面搬送路29は、画像形成装置10の正面視において、搬送路28と両面搬送路29との切り替えを行う第1切替部材31と、画像形成部14の右側下部から用紙収容部12の右側まで矢印V方向(図示の下向きが−V、上向きが+V)に直線状に設けられた反転部33と、反転部33に搬送された記録用紙Pの後端が進入するとともに矢印H方向における図示の左側に搬送される搬送部37と、反転部33と搬送部37との切り替えを行う第2切替部材35と、を有している。そして、反転部33には、一対の搬送ロール42が間隔をあけて複数箇所に設けられており、搬送部37には、一対の搬送ロール44が間隔をあけて複数箇所に設けられている。
第1切替部材31は、三角柱状の部材であり、駆動手段(図示省略)によって先端部が搬送路28または両面搬送路29のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。同様に、第2切替部材35は、正面視で三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が反転部33または搬送部37のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。尚、搬送部37の下流側端部は、搬送路28の上流側部分にある搬送ロール36の手前側に案内部材(図示省略)により接続されている。また、画像形成部14の左側面には、折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から送り込まれる記録用紙Pの搬送経路が、搬送路28の位置合せロール38の手前に接続されている。
・原稿読取装置
原稿読取装置16は、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置(原稿搬送部)52と、原稿搬送装置52の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられる原稿置台の一例としての置原稿読取プラテン用透明板54Aと、原稿搬送装置52の下側に配置され且つ原稿搬送装置52によって搬送される1枚の読取原稿Gの読取面側が接するよう配置された搬送原稿読取プラテン用透明板54Bと、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gまたは置原稿読取プラテン用透明板54Aに載せられた読取原稿Gを、搬送原稿読取プラテン用透明板54Bの反対側または置原稿読取プラテン用透明板54Aの反対側から読み取る読取手段の一例としての原稿読取部56とが設けられている。尚、本実施形態では搬送原稿読取プラテン用透明板54B、または置原稿読取プラテン用透明板54Aとして、前述の実施形態にかかる透明保護膜を有する本実施形態に係るプラテン用透明板を用いる。
原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール53が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部は読取原稿Gが搬送原稿読取プラテン用透明板54B上を通るように配置されている。また、原稿読取部56は、搬送原稿読取プラテン用透明板54Bの下部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、または矢印H方向に移動しながら置原稿読取プラテン用透明板54Aに載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
尚、原稿読取装置16では、搬送原稿読取プラテン用透明板54Bにおける透明保護膜の、原稿搬送装置52によって搬送される読取原稿Gと接する部分を加熱するための加熱装置57を備えることがより好ましい。また、置原稿読取プラテン用透明板54Aの読取原稿Gと接する部分を加熱するための加熱装置を備えてもよい。
該加熱装置57としては、接触、非接触を問わず、例えば、電熱線ヒーターやハロゲンランプなどによる加熱機構や、電磁誘導加熱、またそれらを用いた熱風を送る機構等を備えた加熱装置が用いられる。
・操作パネル
図2に示す通り、画像形成装置10におけるプラテン用透明板(置原稿読取プラテン用透明板54Aおよび搬送原稿読取プラテン用透明板54B)の矢印Z方向手前側には、操作者によって操作される操作部の一例としての操作パネルが設けられている。
操作パネル100は、操作ボタン部104および表示パネル106を含んで構成されており、操作ボタン部104および表示パネル106は、装置本体10Aの上部に取り付けられた板材の一例としてのプラテンカバー102の上面に露出されている。即ち、プラテンカバー102は、操作パネル100の外郭を形成している。また、操作ボタン部104は、コピー操作などの各種の操作指示が入力される操作ボタンやテンキーが複数設けられており、表示パネル106は、操作条件の設定、操作状態といった各種のメッセージ等を表示するようになっている。そして、操作パネル100は、プラテン用透明板54Aおよび54Bに対する操作者による操作側に配置されている。尚、表示パネル106は、操作者が触れることで設定が変更されるタッチパネルであってもよい。
・画像形成部
画像形成部14は、原稿読取装置16の下側に設けられトナー(現像剤)を用いて画像を形成する画像形成部の一例としての画像形成ユニット50を有している。画像形成ユニット50は、後述する感光体62、帯電部材64、露光装置66、現像装置72、転写ユニット70、およびクリーニング装置73を含んで構成されている。また、転写ユニット70は、後述する中間転写ベルト68、一次転写ロール67、補助ロール69、および二次転写ロール71を含んで構成されている。
画像形成部14における装置本体10Aの中央には、潜像保持体である円筒状の感光体62が設けられている。感光体62は、駆動手段(図示省略)によって矢印+R方向(図示の時計回り方向)に回転すると共に光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、感光体62の上側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するコロトロン方式の帯電部材64が設けられている。
感光体62の回転方向における帯電部材64よりも下流側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、図示しない半導体レーザ、f−θレンズ、ポリゴンミラー、結像レンズ、および複数のミラーを有しており、画像信号に基づき半導体レーザから出射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、帯電部材64により帯電された感光体62の外周面に照射(露光)して、静電潜像を形成するようになっている。尚、露光装置66は、レーザ光をポリゴンミラーで偏向走査する方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)方式等であってもよい。
感光体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、感光体62の外周面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置72が設けられている。
現像装置72は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナー色にそれぞれ対応する6つの現像器(符号を省略する)が、周方向に(図示の反時計回り方向にこの順番で)並んで配置された構成となっており、モータ(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで、現像処理を行う各現像器が切り替えられ、感光体62の外周面と対向するようになっている。尚、Y、M、C、Kの4色の画像形成を行う場合は、第1特別色(E)および第2特別色(F)を使用しないため、Kに対応する現像器からYに対応する現像器への回転角度が180°となる。
各現像器には、原稿読取装置16の下側に設けられた供給部の一例としてのトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78Fからトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナーおよびキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。また、各現像器には、外周面が感光体62の外周面と対向する現像ロール74が設けられている。現像ロール74は、回転し得るよう設けられた円筒状の現像スリーブと、該現像スリーブの内側に固定された複数の磁極から成る磁性部材とで構成されている。そして、現像装置72は、現像スリーブが回転することで現像剤(キャリア)の磁気ブラシを形成すると共に、感光体62の外周面に形成された潜像(静電潜像)に応じたトナーを付着させて現像を行う。尚、トナーカートリッジ78E、78Fには、例えば、Y、M、Cに比べて淡色のトナーが充填される。
一方、転写ユニット70は、感光体62の外周面に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト68が設けられている。中間転写ベルト68は、無端状のベルトであり、感光体62の回転方向で現像装置72よりも下流側であり且つ感光体62の下側に配置されている。また、中間転写ベルト68は、制御部20により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール65、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール63、および後述する二次転写位置において中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、感光体62と中間転写ベルト68とが接触する位置(これを一次転写位置とする)から中間転写ベルト68の移動方向下流側に離れた位置で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、電源(図示省略)から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で感光体62のトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像を記録用紙Pに二次転写させる二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間が記録用紙Pへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。二次転写ロール71は、接地されると共に中間転写ベルト68の表面に接触しており、電源(図示省略)から通電された補助ロール69と二次転写ロール71との電位差で、中間転写ベルト68のトナー画像を記録用紙Pに二次転写するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを回収するクリーニングブレード59が設けられている。クリーニングブレード59は、開口部が形成された筐体(図示省略)に取り付けられており、クリーニングブレード59の先端部で掻き取られたトナーが、筐体内に回収されるようになっている。
中間転写ベルト68の周囲で搬送ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する位置検出センサ83が設けられている。位置検出センサ83は、中間転写ベルト68に向けて光を照射すると共にマークの表面で反射された光を受光することで、中間転写ベルト68の移動位置を検出するようになっている。
一方、感光体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに感光体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。クリーニング装置73は、感光体62表面に接触するクリーニングブレードおよびブラシロールにより残留トナー等を回収する構成となっている。
また、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の上流側(一次転写ロール67よりも下流側)には、感光体62の外周面に一次転写後に残留したトナーの除電を行うコロトロン81が設けられている。さらに、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の下流側(帯電部材64よりも上流側)には、クリーニング後の感光体62の外周面に光を照射して除電を行う除電装置75が設けられている。
そして、二次転写ロール71によるトナー画像の二次転写位置は、前述の搬送路28の途中に設定されており、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向(図示の矢印A方向)で二次転写ロール71よりも下流側には、二次転写ロール71によってトナー画像が転写された記録用紙Pにトナー画像を定着させる定着装置90が設けられている。定着装置90は、加熱により定着を行う定着ロール92と、定着ロール92へ向けて記録用紙Pを加圧する加圧ロール94とを有している。尚、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で定着装置90よりも下流側には、排紙部15または反転部33へ向けて記録用紙Pを搬送する搬送ロール39が設けられている
以下、実施例を交えて本発明を詳細に説明するが、以下に示す実施例のみに本発明は限定されるものではない。尚、以下において「部」および「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
実施例A1
搬送原稿読取用プラテンガラス(旭ガラス社製、367mm×30mm、厚さ1.8mm)上に、以下の方法により透明保護膜を形成した。
[サンプル調製方法]
<アクリル樹脂プレポリマーA1の合成>
・短側鎖ヒドロキシル基となるモノマーであるヒドロキシエチルメタクリレート
(HEMA、側鎖ヒドロキシル基における炭素数:3):182部
・CHEMINOX FAMAC6
(ユニマテック株式会社製、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、
フッ素原子含有):151部
・サイラプレーンFM−0721
(チッソ株式会社製、ブチル(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチル
シロキサン、シリコン含有):100部
・長側鎖ヒドロキシル基となるモノマーであるプラクセルFM3
(ダイセル化学社製、ラクトン変性メタアクリレート、
側鎖ヒドロキシル基における炭素数:21):165部
・重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO) :27部
・酢酸ブチル :60部
からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を完結させた。尚、反応中は常に110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーA1を合成した。
<プラテン用透明板A1の形成>
下記A液と下記B液とを、下記の割合で混合したのち、10分間減圧下で脱泡した。この液を前述の搬送原稿読取用プラテンガラス上にキャストして、80℃で1時間、さらに180℃で1時間硬化して40μmの膜厚の透明保護膜をもつプラテン用透明板A1を作製した。
・A液(上記アクリル樹脂プレポリマーA1液、45.7%、水酸基価164)
:153部
・B液(イソシアネート、旭化成ケミカルズ社製、デュラネートX1040
化合物名:ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体)
:76部
・実施例A2
<アクリル樹脂プレポリマーA2の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を142部、FAMAC6を135部、プラクセルFM3を221部として用いた以外は、実施例A1に記載の方法によりアクリル樹脂プレポリマーA2を合成した。
<プラテン用透明板A2の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA2液(46.5%、水酸基価147):150部を用い、且つB液を67部に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A2を作製した。
・実施例A3
<アクリル樹脂プレポリマーA3の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を110部、FAMAC6を122部、プラクセルFM3を267部として用いた以外は、実施例A1に記載の方法によりアクリル樹脂プレポリマーA3を合成した。
<プラテン用透明板A3の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA3液(46.3%、水酸基価132):151部を用い、且つB液を61部に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A3を作製した。
・実施例A4
<プラテン用透明板A4の形成>
実施例A3の<プラテン用透明板A3の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA3液:151部を172部に、B液を61部から63部に変更し、さらに下記に示すC液を13部添加した以外は、実施例A3に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A4を作製した。
・C液(イソシアネート、旭化成ケミカルズ社製、デュラネートE402−B80
化合物名:ポリイソシアネートのアダクト体)
・実施例A5
<プラテン用透明板A5の形成>
実施例A3の<プラテン用透明板A3の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA3液:151部を172部に、B液を61部から56部に変更し、さらに前記C液を26部添加した以外は、実施例A3に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A5を作製した。
・実施例A6
<プラテン用透明板A6の形成>
実施例A3の<プラテン用透明板A3の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA3液:151部を172部に、B液を61部から49部に変更し、さらに前記C液を39部添加した以外は、実施例A3に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A6を作製した。
・実施例A7
<アクリル樹脂プレポリマーA7の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の代わりにヒドロキシエチルアクリレート(HEA)212部を、FAMAC6の代わりにFAAC6(ユニマテック株式会社製、化合物名:2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、フッ素原子含有)191部を、プラクセルFM3の代わりにイソボロニルメタクリレート(IBXA)95部を、用いた以外は実施例A1に記載の方法によりアクリル樹脂プレポリマーA7を合成した。
<プラテン用透明板A7の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA7液(47.0%、水酸基価171):212部を用い、B液の代わりにデュラネートTPA−B80(旭化成ケミカルズ社製、化合物名:ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体)48部を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A7を作製した。
・実施例A8
<アクリル樹脂プレポリマーA8の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を100部、FAMAC6を399部、プラクセルFM3を0部として用いた以外は、実施例A1に記載の方法により、アクリル樹脂プレポリマーA8を合成した。
<プラテン用透明板A8の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA8液(46.2%、水酸基価216):108部を用い、B液の代わりに前記C液:132部を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A8を作製した。
・実施例A9
<プラテンガラス用透明板A9の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、前記実施例A8で合成したアクリル樹脂プレポリマーA8液(46.2%、水酸基価216):259部を用い、且つB液を172部に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A9を作製した。
・実施例A10
<プラテン用透明板A10の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、前記実施例A8で合成したアクリル樹脂プレポリマーA8液(46.2%、水酸基価216):259部を用い、B液の代わりにデュラネートV3000(旭化製ケミカルズ社製、化合物名:ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアナートのコビュレット型オリゴマー):119部を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A10を作製した。
・実施例A11
<プラテン用透明板A11の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、前記実施例A8で合成したアクリル樹脂プレポリマーA8液(46.2%、水酸基価216):259部を用い、B液の代わりにデュラネートX2172(旭化製ケミカルズ社製、化合物名:ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアナートのコビュレット型オリゴマー):226部を用いた以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A11を作製した。
・比較例A1
<プラテン用透明板A12の準備>
プラテン用透明板として、プラテンガラス(旭ガラス社製、367mm×30mm、厚さ1.8mm)を用い、且つ透明保護膜を有しないプラテン用透明板A12を準備した。
このプラテン用透明板A12上において、後述するHEIDON トライボギアによる引掻針による負荷評価を用い、目視確認の困難な微小キズの発生評価を、実体顕微鏡を用いて行った。
また、このプラテン用透明板A12上において、後述するHEIDON トライボギアの引掻針による負荷評価を用い、容易に目視確認し得る白い傷の発生評価を行った。
・比較例A2
<アクリル樹脂プレポリマーA13の合成>
実施例A1の<アクリル樹脂ポリマーA1の合成>において、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を32部、FAMAC6を327部、プラクセルFM3を238部、サイラプレーンFM−0721を0部として用いた以外は、実施例A1に記載の方法によりアクリル樹脂プレポリマーA13を合成した。
<プラテン用透明板A13の形成>
実施例A1の<プラテン用透明板A1の形成>において、アクリル樹脂プレポリマーA1液:153部の代わりに、上記アクリル樹脂プレポリマーA13液(44.3%、水酸基価71):267部を用い、且つB液を56部に変更した以外は、実施例A1に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A13を作製した。
・比較例A3
<プラテン用透明板A14の形成>
実施例A2の<プラテン用透明板A2の形成>において、B液の代わりにデュラネートD201(旭化成ケミカルズ社製、化合物名:ポリイソシアネートの2官能型)48部を用いた以外は、実施例A2に記載の方法により透明保護膜をもつプラテン用透明板A14を作製した。
・比較例A4
<プラテン用透明板A15の形成>
搬送原稿読取用プラテンガラス(旭ガラス社製、367mm×30mm、厚さ1.8mm)の上に、透明保護膜として、接着層を有するPET(ニッパ株式会社製、CPF50−SA、厚さ50μm)を接着し、プラテン用透明板A15を作製した。
・比較例A5
<プラテン用透明板A16の形成>
搬送原稿読取用プラテンガラス(旭ガラス社製、367mm×30mm、厚さ1.8mm)の上に、透明保護膜としてPFA(テトラフルオロエチレン、厚さ75μm、接着層あり)を接着し、プラテン用透明板A16を作製した。
−戻り率の測定−
測定装置としてフィッシャースコープHM2000(フィッシャー社製)を用いた前述の方法により、透明保護膜の戻り率を求めた。戻り率と、該戻り率を示した温度(下記表1および表2では「傷修復温度」と称す)を、表1および表2に示す。
戻り率の測定は表1および表2の傷修復温度に示す温度で行い、また比較例A4および比較例A5では170℃で行った。
−コピー用紙に対する動摩擦係数の測定−
前述の方法により、コピー用紙に対する表面の動摩擦係数を求めた。得られた動摩擦係数の結果を、表1および表2に示す。
[評価]
−破断限界測定−
以下の方法により、破断限界点距離L,破断限界点荷重,破断限界応力を測定した。
荷重変動型摩擦摩耗試験システム HEIDONトライボギアHHS2000(新東科学社製)の加減重往復測定モードを用いた。引掻針(サファイア製、先端半径r=0.01mm)にかける垂直荷重を0gから50gまで増加させながら、透明保護膜(比較例A1においてはプラテンガラス)の上を1mm/1secの速度で30mm引っ掻き、引掻針にかかる走査方向の摩擦抵抗をモニターした。尚、荷重を増しながら引掻針を走査するに従い、滑っていた引掻針が不規則に振動し始めた時点で透明保護膜が破断したこと、すなわち永久傷が発生したことがわかる。
得られた破断限界点距離Lから破断限界点荷重を求め、更に破断限界応力を算出した。このときの応力は、荷重を接触円の面積で除した値から求まるが、引掻針の半径rを用い接触円面積をπrと近似した。
結果を表1および表2に示す。
−原稿搬送性評価−
下記方法により、読取原稿のプラテン用透明板との接触部における搬送性を評価した。
前記実施例Aおよび前記比較例Aのプラテン用透明版を、電子写真方式の画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCentre Color f450)における搬送原稿読取用プラテンとして設置し、原稿読取装置においてA4のコピー用紙(C2紙、富士ゼロックスオフィスサプライ社製、カラー/モノクロ兼用紙)を搬送して紙詰まりセンサーが作動するかどうか(紙詰まりなし:○、紙詰まりあり:×)により、原稿搬送性の評価を行った。
結果を表1および表2に示す。
−複写機適正評価−
以下の評価基準に従って、複写機適正評価を行った。
◎:紙詰まりなし、破断限界応力100kgf/mm以上、傷修復温度100℃以下
○:紙詰まりなし、破断限界応力21kgf/mm以上100kgf/mm未満、傷修復温度100℃以下
△:紙詰まりなし、破断限界応力21kgf/mm以上100kgf/mm未満、傷修復温度100℃超える
×:紙詰まりエラー発生、または傷修復せず
実施例B1〜B10および比較例B1〜B5
支持体として、搬送原稿読取用プラテンガラスの代わりに可撓性を有するポリイミドフィルム(東レ社製、カプトンフィルム300H)を用いた以外は、実施例A1〜A7およびA9〜A11、並びに比較例A1〜A5に記載の方法により透明保護膜を形成し、実施例B1〜B10および比較例B1〜B5のプラスチックフィルムを形成した。
「戻り率」「コピー用紙に対する動摩擦係数」および「破断限界」の測定を、前記実施例Aにおける方法にて行った。
[評価]
−金属ブラシによる傷評価−
人の指先(爪)、砂や木の枝などとの接触による傷に対する有効性を評価するため、以下の方法により金属ブラシによる傷について評価した。
まず、金属ブラシ(トラスコ中山(株)社製、チャンネルブラシ6I型TB−2034:ブラシ材質真鍮0.15mm径)を用い、800gの荷重をかけながら前記実施例Bおよび前記比較例Bのプラスチックフィルムにおける透明保護膜の上を30mm/secの速度で50回擦ることで、プラスチックフィルム上に形成した透明保護膜の表面に多数の傷をつけ、傷の存在を目視により確認した。
上記の方法で傷をつけた各透明保護膜の表面について、それぞれ傷付与前、傷付与後の光沢度をグロスメータ(BYKガードナー社製、マイクロ−トリ−グロス)を用い60°の測定角で測定した。
また、上記の方法で傷をつけた各プラスチックフィルムに対し、100℃のホットプレート上で10秒間加熱し、目視で傷が残っているかどうかを調べると共に、上記方法により光沢度を測定した。
更に、上記の方法で傷をつけた各プラスチックフィルムに対し、下記表3および表4に記載の傷修復温度に設定したホットプレート上で10秒間加熱し、目視で傷が残っているかどうかを調べると共に、上記方法により光沢度を測定した。
−耐傷付評価−
摩擦係数の低い保護層はそもそも傷が付きにくいことを確認するため、以下の方法により金属ブラシによる傷付け評価を行った。
金属ブラシ(トラスコ中山(株)社製、チャンネルブラシ6I型TB−2034:ブラシ材質真鍮0.15mm径)を用い、100gの荷重をかけながら前記実施例Bおよび前記比較例Bのプラスチックフィルムにおける透明保護膜の上を30mm/secの速度で3回擦り、擦った直後の傷の存在を目視により確認した。
以下の評価基準に従って、傷付け評価を行った。
◎:目視キズなし
○:目視キズ1本以上、5本未満
△:目視キズ5本以上、20本未満
×:目視キズ20本以上
上記表3および表4に示されるごとく、傷が確認されるプラスチックフィルムの表面は光沢が失われるため光沢度が低下するが、加熱により傷が修復したプラスチックフィルムの表面は光沢が復活していることがわかる。
10 画像形成装置
16 原稿読取装置
50 画像形成ユニット(画像形成部)
52 原稿搬送装置(原稿搬送部)
54A 置原稿読取プラテン用透明板
54B 搬送原稿読取プラテン用透明板
56 原稿読取部
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、
炭素数が10未満の側鎖ヒドロキシル基の含有モル量〔A〕および炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基の含有モル量〔B〕の比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))が60%以上(但し前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有しない場合を含み、前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有する場合該炭素数は63以下である)であるアクリル樹脂と、イソシアネートと、が重合されてなるウレタン樹脂を含有し、自己修復性を有し、且つJISK7125(1999年)に準じて測定されるコピー用紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製、カラー/モノクロ兼用紙 C2紙)に対する表面の動摩擦係数が0.7以下である透明保護膜である。
請求項2に係る発明は、
前記自己修復性が発現される温度が10℃以上100℃以下である請求項1に記載の透明保護膜である。
請求項3に係る発明は、前記ウレタン樹脂は、後述の一般式(1)で示される構成単位を有する前記アクリル樹脂、および後述の一般式(2)で示されるシリコーンから選択される少なくとも1種が重合されてなる請求項1または請求項2に記載の透明保護膜である。
請求項4に係る発明は、前記アクリル樹脂の前記比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))が80%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の透明保護膜である。
請求項5に係る発明は、前記アクリル樹脂の水酸基価が70mgKOH/g以上400mgKOH/g以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の透明保護膜である。
本実施形態に係る透明保護膜は、炭素数が10未満の側鎖ヒドロキシル基の含有モル量〔A〕および炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基の含有モル量〔B〕の比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))が60%以上(但し前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有しない場合を含み、前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有する場合該炭素数は63以下である)であるアクリル樹脂と、イソシアネートと、が重合されてなるウレタン樹脂を含有し、自己修復性を有し、且つJISK7125(1999年)に準じて測定されるコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下である。
透明保護膜に用いる材料としては、前記本実施形態における自己修復性およびコピー用紙に対する表面の動摩擦係数の要件を満たす材料であって、炭素数が10未満の側鎖ヒドロキシル基の含有モル量〔A〕および炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基の含有モル量〔B〕の比(〔A〕/(〔A〕+〔B〕))が60%以上(但し前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有しない場合を含み、前記炭素数が10以上の側鎖ヒドロキシル基を含有する場合該炭素数は63以下である)であるアクリル樹脂と、イソシアネートと、が重合されてなるウレタン樹脂を含有していれば特に限定されるものではない。例えば、上記アクリル樹脂とシリコーンとイソシアネートとを重合して形成されるウレタン樹脂等好適に用いられる。
以下においては、代表して上記ウレタン樹脂について説明する。

Claims (3)

  1. 自己修復性を有し、且つJISK7125(1999年)に準じて測定されるコピー用紙に対する表面の動摩擦係数が0.7以下である透明保護膜。
  2. 自己修復性を有し、且つ表面にサファイヤ針を一定荷重で押し付けながら往復させた際の動摩擦係数が0.4以下である透明保護膜。
  3. 前記自己修復性が発現される温度が10℃以上100℃以下である請求項1または請求項2に記載の透明保護膜。
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