JP6894055B1 - 自己復元性塗料組成物及び自己復元性塗膜 - Google Patents

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【課題】本開示は、良好な耐擦傷性能と良好な補修性との両立を可能とする自己復元性塗料組成物及び自己復元性塗膜を提供することを目的とする。【解決手段】本実施形態に係る自己復元性塗料組成物は、水酸基含有樹脂を含有する主剤と硬化剤とを含有する2液系であり、水酸基含有樹脂は、第一樹脂としてアクリルポリオールと第二樹脂としてポリカーボネート系樹脂若しくはポリエステル系樹脂とを含有し、かつ、第一樹脂の含有量の割合が86〜94質量%であり、アクリルポリオールは、理論水酸基価が90〜130mgKOH/gであり、かつ、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと変性数が2〜3モルのカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価とカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価との割合は70/30〜85/15である。【選択図】なし

Description

本開示は、補修性に優れる自己復元性塗料組成物及び自己復元性塗膜に関する。
車両のパーツ、家電製品又は雑貨などの様々な物品の加飾として高光沢仕上げの塗工がある。高品位な印象及び上質感漂う雰囲気を与え得る手法であり、四輪車又は二輪車のボディ塗装は最たる例である。一方、当然ながら鏡面光沢ゆえの傷の目立ち易さと言う難点があり、美々しい外観品質を損なわないために耐擦傷性の要求は尽きることがない。この耐擦傷性を発現させるために柔軟かつ高弾性な要素を含んだ自己復元性を有する塗料組成物があり(例えば、特許文献1又は2を参照。)、傷が入り難く、一定の深度であれば弾性により傷や凹みが復元される特徴がある。したがい、ユーザーの使用環境にもよるが、擦り傷による視覚上の品質低下を半永続的に防ぎ意匠性を持続させるものである。特許文献1には、ラクトン変性アクリル樹脂とポリカーボネートジオールとを含有する主剤を、ポリイソシアネート化合物で硬化させる自己復元性塗料組成物である。特許文献1の段落0029にはポリカーボネートジオールの含有量が15〜75質量%であることが開示されている。特許文献2には、特定のイソシアネート基当量を有するポリイソシアネート化合物とアクリル系ポリオールとを含有するコーティング樹脂組成物が開示されている。自己復元性を有する塗料組成物としては、これらの塗料組成物のようにアクリル、ポリエステル若しくはポリカーボネートなどを主骨格としたポリオールの主剤とポリイソシアネートの架橋剤とを反応せしめる2液反応型ウレタン塗料、又は紫外線照射によって硬化させる紫外線硬化型塗料が知られている。
特開2012−097127号公報 特開2012−121985号公報
塗装を行う生産ラインには、塗装物品の塗面上の外観不良を補修する工程があり、特に高光沢仕上げにおいては不良が発生し易い実情から、同工程での手直しは救済的な手立てであって生産効率向上へと繋がっている。その概要は、不良因子である塗面上のブツと呼ばれる粗粒異物を削り取り、その周辺全体を丹念に磨き上げ、良品に等しい塗面状態までに仕立てるものである。前述の塗料組成物においても同様に補修適性が求められる。しかし、特許文献1のようにポリカーボネートジオールの含有量を多くした場合、塗膜が柔らかくなるため、高弾性で復元性が高くなる一方、被膜表面が削り難い性質があり、補修作業において設定された時間内で必要数を磨き上げて仕上げることができない場合があった。また、特許文献2は、ポリイソシアネート化合物の数平均分子量が500〜2000と高く、イソシアネート基当量が290〜500g/eqと低いことから、アクリルポリオールに対して多くのポリイソシアネート化合物が必要となる。そのため、耐薬品性などの化学的耐性に限度があり、自動車部品への適用は難しい。加えて、同理由から加飾又はデザイン性において制約が生じ易い。
本開示は、良好な耐擦傷性能と良好な補修性との両立を可能とし、工業製品としての生産性を十分に備えた自己復元性塗料組成物及び自己復元性塗膜を提供することを目的とする。
本発明に係る自己復元性塗料組成物は、水酸基含有樹脂を含有する主剤と、ポリイソシアネート樹脂を含有する硬化剤と、を含有する2液系の自己復元性塗料組成物において、前記水酸基含有樹脂は、第一樹脂としてアクリルポリオールと、第二樹脂としてポリカーボネート系樹脂若しくはポリエステル系樹脂の少なくともいずれか一方と、を含有し、かつ、前記第一樹脂と前記第二樹脂との合計含有量に対する前記第一樹脂の含有量の割合が、86〜94質量%であり、前記アクリルポリオールの理論水酸基価は、90〜130mgKOH/gであり、前記アクリルポリオールは、構成モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、該カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの変性数は、平均で2〜3モルであり、前記2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価と前記カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価との割合は、70/30〜85/15であることを特徴とする。
本発明に係る自己復元性塗料組成物では、前記ポリカーボネート系樹脂は、炭素数3〜6の2種以上のジオールを原料とした共重合ポリカーボネートジオールであることが好ましい。相溶性及び貯蔵安定性により優れる塗料組成物とすることができる。
本発明に係る自己復元性塗料組成物では、前記ポリエステル系樹脂は、ポリカーボネート骨格とポリエステル骨格とを含むポリオールである形態を包含する。
本発明に係る自己復元性塗料組成物では、前記ポリエステル系樹脂は、ポリエステルポリオールである形態を包含する。
本発明に係る自己復元性塗膜は、本発明に係る自己復元性塗料組成物の硬化物からなることを特徴とする。
本開示によれば、良好な耐擦傷性能と良好な補修性との両立を可能とし、工業製品としての生産性を十分に備えた自己復元性塗料組成物及び自己復元性塗膜を提供することができる。
以下、本発明の一態様を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
本実施形態に係る自己復元性塗料組成物は、水酸基含有樹脂を含有する主剤と、ポリイソシアネート樹脂を含有する硬化剤と、を含有する2液系の自己復元性塗料組成物において、前記水酸基含有樹脂は、第一樹脂としてアクリルポリオールと、第二樹脂としてポリカーボネート系樹脂若しくはポリエステル系樹脂の少なくともいずれか一方と、を含有し、かつ、前記第一樹脂と前記第二樹脂との合計含有量に対する前記第一樹脂の含有量の割合が、86〜94質量%であり、前記アクリルポリオールの理論水酸基価は、90〜130mgKOH/gであり、前記アクリルポリオールは、構成モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、該カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの変性数は、平均で2〜3モルであり、前記2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価と前記カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価との割合は、70/30〜85/15である。
自己復元性塗料組成物は、水酸基含有樹脂をポリイソシアネート樹脂で架橋する2液系の塗料組成物である。ここで、自己復元性とは、塗膜の表面に擦傷が生じた場合であっても、ある程度の深度であれば擦傷が目視で確認できないレベルに表面状態が回復する性能をいう。
水酸基含有樹脂の第一樹脂として配合されるアクリルポリオールは、構成モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有する重合体である。
本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。すなわち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)である。
カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートは、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)にε‐カプロラクトンを開環重合した化合物であることが好ましい。カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの変性数は、平均で2〜3モルである。変性数は、重合度とも呼ばれる。変性数の平均(平均変性数ともいう)とは、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート1モルに対して付加されたカプロラクトンのモル数の平均値である。変性数が平均で2モル未満では、塗膜の柔軟性が不足して自己復元性が劣る。変性数が平均で3モルを超えると、塗膜が柔らかすぎて補修性が劣る。本実施形態では、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとして、平均変性数が2モルのものだけを含有する形態、平均変性数が3モルのものだけを含有する形態及び平均変性数が2モルのものと平均変性数が3モルのものとを併用する形態を包含する。また、本実施形態は、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの全体で平均変性数が2〜3モルの範囲内であれば、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとして、平均変性数が1モルのもの及び/又は平均変性数が4モルのものを包含していてもよい。例えば、平均変性数が1モルのものと平均変性数が4モルのものとを1:1で含有し、全体として平均変性数が2.5モルとなる形態であってもよい。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価とカプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価との割合は、70/30〜85/15であり、78/22〜85/15であることがより好ましい。前記割合が70/30未満では、塗膜が柔らかすぎて補修性が劣る。前記割合が85/15を超えると、塗膜の柔軟性が不足して自己復元性が劣る。
アクリルポリオールの理論水酸基価は、90〜130mgKOH/gであり、95〜127mgKOH/gであることがより好ましい。理論水酸基価が90KOH/g未満では、架橋密度が低くなるため、塗膜が柔らかすぎて補修性が劣る。また、耐薬品性が劣る。理論水酸基価が130mgKOH/gを超えると、架橋密度が高くなるため、耐薬品性は向上するが、基材との密着性が劣る。理論水酸基価は、アクリルポリオールを構成する各モノマーの水酸基価に、当該各モノマーの構成割合をそれぞれ乗じた値の総数である。例えば、アクリルポリオールを構成するモノマーが2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとであり、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価がA[mgKOH/g]であり、かつ、構成割合がa質量%、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価がB[mgKOH/g]であり、かつ、構成割合がb質量%である場合、当該アクリルポリオールの理論水酸基価[mgKOH/g]は、A[mgKOH/g]×a[質量%]+B[mgKOH/g]×b[質量%]である。
アクリルポリオールは、構成モノマーとして、その他のモノマーを含有していてもよいが、その他のモノマーとして、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、4‐ヒドロキシブチルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート若しくは4‐ヒドロキシブチルメタクリレートなどの水酸基を有するモノマー類は含有しないことが好ましい。使用可能なその他のモノマーは、特に限定されないが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン誘導体、ビニルエステル、ハロゲン化ビニルモノマー若しくは窒素含有ビニル系モノマーなどのエチレン性不飽和モノマーである。本実施形態は、その他のモノマーの種類及び重合方法に制限されない。
本実施形態では、第二樹脂としてポリカーボネート系樹脂を配合して、ポリエステル系樹脂を配合しない形態、ポリエステル系樹脂を配合して、ポリカーボネート系樹脂を配合しない形態、及び、ポリカーボネート系樹脂とポリエステル系樹脂とを配合する形態を包含する。
本実施形態に係る自己復元性塗料組成物では、ポリカーボネート系樹脂は、炭素数3〜6の2種以上のジオールを原料とした共重合ポリカーボネートジオールであることが好ましい。共重合ポリカーボネートジオールの炭素数は、5〜6であることがより好ましい。相溶性により優れる塗料組成物とすることができる。炭素数3〜6のジオールは、例えば、1,3‐プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール又は1,6−ヘキサンジオールであることが好ましい。このうち、ポリカーボネート系樹脂は、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを共重合した共重合ポリカーボネートジオールであることが好ましい。
本実施形態に係る自己復元性塗料組成物では、ポリエステル系樹脂は、ポリカーボネート骨格とポリエステル骨格とを含むポリオールである形態を包含する。
また、本実施形態に係る自己復元性塗料組成物では、ポリエステル系樹脂は、ポリエステルポリオールである形態であってもよい。
第一樹脂と第二樹脂との合計含有量に対する第一樹脂の含有量の割合は、86〜94質量%であり、88〜92質量%であることがより好ましい。第一樹脂の含有量の割合が多くなるほど、補修性が向上する傾向にあり、第一樹脂の含有割合が少なくなるほど(第二樹脂の含有量が多くなるほど)、自己復元性が向上する傾向にある。第一樹脂の含有量の割合が86質量%未満では、塗膜が柔らかすぎて補修性が劣る。第一樹脂の含有量の割合が94質量%を超えると、初期付着性、耐湿付着性及び自己復元性が劣る。
ポリイソシアネート樹脂は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、2,4‐トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン‐4,4’‐ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、n‐ペンタン‐1,4‐ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートである。これらは、任意の1種を単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
主剤と硬化剤との配合割合は、水酸基含有樹脂の水酸基に対して、ポリイソシアネート樹脂のイソシアネート基が0.5〜2.0モル当量となるようにすることが好ましく、0.7〜1.6モル当量とすることがより好ましい。0.5モル当量未満では、耐候性が劣る場合がある。2.0モル当量を超えると、基材との密着性が劣る場合がある。
主剤又は硬化剤は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、反応溶媒若しくは希釈溶媒などの溶媒、耐候剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、つや消し剤、スリップ剤、顔料、無機フィラー、光輝材、可塑剤、分散剤、乳化剤、流動調整剤、紫外線吸収剤若しくは光安定剤などの各種助剤を含有してもよい。
塗料組成物の固形分濃度は、特に限定されないが、30〜70質量%であることが好ましく、35〜60質量%であることがより好ましい。
本実施形態に係る自己復元性塗膜は、本実施形態に係る自己復元性塗料組成物の硬化物からなる。自己復元性塗料組成物の硬化物は、主剤の水酸基含有樹脂と硬化剤のポリイソシアネート樹脂とが反応・硬化することによって形成されたアクリルウレタン樹脂からなる。自己復元性塗膜の厚さは、5〜50μmであることが好ましく、14〜40μmであることがより好ましい。厚さが5μm未満では、耐化粧品性が劣る場合がある。厚さが50μmを超えると、タレやワキなどの塗装外観不良が発生する場合がある。
自己復元性塗膜の形成方法は、特に限定されないが、主剤と硬化剤とを所定の割合で混合し、必要に応じて希釈溶媒で適度な固形分濃度に調整した本実施形態に係る自己復元性塗料組成物を、基材の表面上又はアンダーコート層の表面上に塗布・乾燥して硬化膜を形成する。塗布方法は、公知の塗布方法を採用でき、例えば、ロールコート法、スプレー法、ディップ法、又ははけ塗り法である。希釈溶媒は、特に限定されず、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒である。アンダーコート層の材質は特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂又はポリエステル系樹脂である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何ら限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(第一樹脂(アクリルポリオール)の樹脂組成物の作製)
攪拌機と冷却機、窒素封入機、温度計、モノマー滴下装置を備えた2000ml容積の4つ口フラスコに溶剤を500g仕込み、内部温度が105℃になるまで加温した。次いで、モノマーと反応開始剤を120分にわたり滴下し、105℃で120分保持し反応を終了しアクリルポリオール樹脂組成物を得た。溶剤、モノマーの種類、反応開始剤の種類及び配合割合は、表1及び表2に示すとおりである。
(主剤の作製)
得られたアクリルポリオール樹脂組成物80gとREGAL 400(Cabot Corporation社製カーボン)1g、TO(トルエン)8.8g、MEK(メチルエチルケトン)10g、BYK-300(BYK-Chemie社製ポリジメチルシロキサン表面調整添加剤)0.2gをペイントシェイカーで10時間分散した。この分散液に第二樹脂を混合し主剤を得た。第二樹脂の種類及び第一樹脂と第二樹脂との配合比率(質量比)は、表1及び表2に示すとおりである。
(硬化剤の作製)
デスモジュールN-3200(住化コベストロウレタン株式会社製ポリイソシアネート樹脂)をEAC(酢酸エチル)にて固形分60%となるよう希釈し硬化剤を得た。
(試験片の作成)
作製した主剤と硬化剤とを当量配合し(NCO/OH=1.0)、粘度調整のためにAT(アセトン)とDAA(ダイアセトンアルコール)とを加え、錫系の反応触媒を添加した溶液を塗布材料とした。ABS基材上に乾燥膜厚が25μmとなるようスプレー塗布し75℃で45分間乾燥した。その後、下記(1)の評価を行い、更にその後、室温で96時間養生した後、下記(2)〜(5)の評価を実施した。評価結果は表1及び表2に示す。
(1)補修性
工程−1ではブツ(粗粒異物)の削り取りが容易か否かを評価し、工程−2では研磨後の塗面状態がすっきりと仕上がっているかを目視で評価した。
<工程−1>
サンディング設備(スリーエムジャパン社製のブツ取りサンダー3125ASDとトライザクトフィルム ディスクロール 266LA)を用いて塗面上のブツを削り取った。評価基準は次のとおりである。
◎:ブツ削り取りが非常に容易である(実用レベル)
〇:ブツ削り取りが容易である(実用レベル)
△:ブツ削り取りはできるものの時間がかかる(実用不適レベル)
×:ブツ削り取りができない(実用不適レベル)
<工程−2>
バフィング設備(スリーエムジャパン社製のバフィングサンダー9025とフィネッセ・イットフィニッシング コンパウンド 13084)を用いてブツを除去した部位を磨き上げた。その後、コンパウンドを、上記13084からフィネッセ・イット ポリッシュエクストラファイン(スリーエムジャパン社製)へ変更し更に磨き上げた。評価基準は次のとおりである。
◎:研磨後の塗面状態が非常にすっきりしている(実用レベル)
〇:研磨後の塗面状態がすっきりしている(実用レベル)
×:研磨後の塗面状態が曇っている(実用不適レベル)
(2)初期付着性
JIS K5600−5−6:1999「クロスカット法」に準じて、塗膜の表面上に1mm×1mmの碁盤目状の切り込みを100個入れ、粘着テープによる剥離試験を行った。評価基準は、次のとおりである。
〇:剥離なし(実用レベル)
×:100升中1升以上の剥離あり(実用不適レベル)
(3)耐湿付着性
50℃、90%RHの雰囲気下で200時間経過後の付着性を評価した。評価方法及び評価基準は、初期付着性と同様である。
(4)耐化粧品性
日焼け止め剤(NEUTROGENA社製Ultra Sheer Dry−Touch SPF10)を100cmあたり0.2g塗布し50℃で4時間放置した。その後、流水で薬剤を洗い落とし塗膜の表面の外観を目視で評価した。評価基準は次のとおりである。
○:跡残りがない(実用レベル)
△:跡残りがわずかにあるが、実用上問題ない(実用下限レベル)
×:跡残りが顕著であり、実用上問題がある(実用不適レベル)
(5)耐擦傷性
研磨剤(UNILEVER社製クレンザージフ)を塗膜上に1.5g滴下し摩耗治具(2cm×2cm)のガーゼを6枚重ね、500gf/4平方cm荷重で50往復摩耗した後の外観性を評価した。評価には、光沢度計(マイクロトリグロス、BYK社製)を用いて試験前後の60°光沢度を測定した。評価基準は次のとおりである。
〇:光沢度保持率が70%以上である(実用レベル)
×:光沢度保持率が70%未満である(実用不適レベル)
Figure 0006894055
Figure 0006894055
表1及び表2における記号の意味は次のとおりである。
MMA:メタクリル酸メチル(アクリエステルM、三菱ケミカル社製)
n‐BMA:メタクリル酸ノルマルブチル(アクリエステルB、三菱ケミカル社製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(アクリエステルHO、三菱ケミカル社製)、水酸基価431mgKOH/g
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル(大阪有機化学工業社製)、水酸基価483mgKOH/g
FM1D:カプロラクトン平均変性数1の2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ダイセル社製)、水酸基価230mgKOH/g
FM2D:カプロラクトン平均変性数2の2−ヒドロキシエチルメタクリレート(株式会社ダイセル製)、水酸基価160mgKOH/g
FM3:カプロラクトン平均変性数3の2−ヒドロキシエチルメタクリレート(株式会社ダイセル製)、水酸基価120mgKOH/g
FM4:カプロラクトン平均変性数4の2−ヒドロキシエチルメタクリレート(株式会社ダイセル製)、水酸基価100mgKOH/g
MAA:メタクリル酸(三菱ケミカル社製)
DEMA:メタクリル酸ジエチルアミノエチル(アクリエステルDE、三菱ケミカル株式会社製)
ABN−E:2,2‐アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(株式会社日本ファインケム社製)
MIBK:メチルイソブチルケトン(三協化学社製)
n−BAC:酢酸ノルマルブチル(三協化学社製)
表1に示すとおり、実施例の自己復元性塗膜は、いずの評価においても実用レベルであった。特に実施例2は、実施例1と比較して第一樹脂の配合割合を増やしたところ、補修性評価が実施例1よりも向上した。また、実施例3は、実施例1と比較して第二樹脂の配合割合を増やしたところ、耐擦傷性評価が実施例1よりも向上した。実施例7は、実施例1と比較してカプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの配合割合を増やしたところ、耐擦傷性評価が実施例よりも向上した。
表2に示すとおり、比較例1は、第一樹脂の配合割合が多すぎたため、塗膜が硬すぎて、耐湿付着性が実用不適レベルであった。比較例2は、第一樹脂の配合割合が少なすぎたため、塗膜が柔らかすぎて、補修性が実用不適レベルであった。比較例3は、アクリルポリオールの理論水酸基価が低すぎたため、塗膜が柔らかすぎて補修性及び耐薬品性が実用不適レベルであった。比較例4は、アクリルポリオールの理論水酸基価が高すぎたため、基材との密着性が劣り、初期付着性及び耐湿付着性が実用不適レベルであった。比較例5は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価の割合が多すぎたため、塗膜が硬すぎて、耐擦傷性が実用不適レベルであった。比較例6は、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価の割合が多すぎたため、塗膜が柔らかすぎて補修性が実用不適レベルであった。比較例7は、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを配合しなかったため、塗膜が硬すぎて、耐擦傷性が実用不適レベルであった。比較例8は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを配合しなかったため、塗膜が柔らかすぎて補修性が実用不適レベルであった。また、塗膜強度が不足して初期付着性及び耐湿付着性も実用不適レベルであった。比較例9は、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの変性数が平均で1モルであったため、塗膜の柔軟性が不足して耐擦傷性が実用不適レベルであった。比較例10は、カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの変性数が平均で4モルであったため、塗膜が柔らかすぎて補修性、初期付着性及び耐湿付着性が実用不適レベルであった。

Claims (5)

  1. 水酸基含有樹脂を含有する主剤と、ポリイソシアネート樹脂を含有する硬化剤と、を含有する2液系の自己復元性塗料組成物において、
    前記水酸基含有樹脂は、第一樹脂としてアクリルポリオールと、第二樹脂としてポリカーボネート系樹脂若しくはポリエステル系樹脂の少なくともいずれか一方と、を含有し、かつ、前記第一樹脂と前記第二樹脂との合計含有量に対する前記第一樹脂の含有量の割合が、86〜94質量%であり、
    前記アクリルポリオールの理論水酸基価は、90〜130mgKOH/gであり、
    前記アクリルポリオールは、構成モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、
    該カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの変性数は、平均で2〜3モルであり、
    前記2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価と前記カプロラクトン変性の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの水酸基価との割合は、70/30〜85/15であることを特徴とする自己復元性塗料組成物。
  2. 前記ポリカーボネート系樹脂は、炭素数3〜6の2種以上のジオールを原料とした共重合ポリカーボネートジオールであることを特徴とする請求項1に記載の自己復元性塗料組成物。
  3. 前記ポリエステル系樹脂は、ポリカーボネート骨格とポリエステル骨格とを含むポリオールであることを特徴とする請求項1に記載の自己復元性塗料組成物。
  4. 前記ポリエステル系樹脂は、ポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項1に記載の自己復元性塗料組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の自己復元性塗料組成物の硬化物からなることを特徴とする自己復元性塗膜。
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