JP2015036414A - エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の樹脂組成物よりもさらに機械的物性、特に靱性が高い樹脂組成物とこれを用いた繊維強化複合材料及びこの繊維強化複合材料を硬化して成形する成形品を提供する。
【解決手段】 [A]分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂を含み、かつ25℃における粘度が20Pa・s以下のエポキシ樹脂と、[B]硬化剤と、[C]セルロースナノファイバーを含む補強材と、を含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、機械的物性、特に靭性を大きく向上させることができるエポキシ樹脂組成物とこのエポキシ樹脂組成物と強化繊維とを含有する繊維強化複合材料及びこれを用いた成形品に関するものである。
近年ナノフィラーが先端的な新材料として脚光を浴びている。ナノフィラーが分散媒、特に樹脂中に分散したナノコンポジットが優れた特性を示し、注目をされている。
ナノフィラーとしてはカーボンナノチューブ、層状珪酸塩などの層状化合物などが知られているが、ナノフィラーの中でも生物由来のセルロースナノファイバーが特に注目されている。
セルロースナノファイバーはパルプなどの植物繊維、セルロース繊維等を解繊及び/又は微細化して得られる、伸びきり鎖結晶からなるナノファイバーである。セルロース繊維は、鋼鉄の1/5の軽さであるにも関わらず、鋼鉄の5倍以上の強度、ガラスの1/50の低熱膨張係数を有する繊維である。
このセルロース繊維を微細化して得られるセルロースナノファイバーをエポキシ樹脂、フェノール樹脂と複合して、ナノコンポジットを作製し、その性能を向上させる試みが検討されている。例えば、セルロースナノファイバーのセルロース分子を化学的に処理し、セルロース誘導体を作製してナノコンポジットの性能を向上する技術が開示されている(特許文献1、2、3参照)。
これらの方法によると、化学的な処理をすることによりマトリクスとしている樹脂とセルロースが結合し、強度等の特性が向上するものの、化学的な処理の際に副生する反応物、または未反応処理剤が残留する。このような副生成物や未反応処理剤がマトリクス樹脂中に残留すると、マトリクスとしている樹脂の硬化阻害等が発生し、性能を向上させることはできない。したがって、このような化学的な処理の場合、セルロースナノファイバーを精製する精製工程を経なければならず、操作が煩雑であった。また熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂に比べ、耐溶剤性、耐熱性に優れるものの、塑性変形が抑制されているため、脆性破壊し易くなる。そこで熱硬化性樹脂の脆性破壊、すなわち靭性を改良する必要があった。
特開2008−266630号公報 特許第5161711号公報 特開2009−293167号公報
本発明は、上記事情に鑑み、従来の樹脂組成物よりもさらに機械的物性、特に靭性が高い成形品を得るのに好適な樹脂組成物とこれを用いた繊維強化複合材料及びこの繊維強化複合材料を硬化して成形した成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂の分子骨格中に芳香族環を有し、その芳香族環がメチレン基を介して結合し、かつ、液状で25℃の粘度が20Pa・s以下のエポキシ樹脂とセルロースナノファイバーを組み合わせることで、セルロースナノファイバーを化学的な処理をすることなく、靭性が高い樹脂組成物が得られることを見出した。更に、該樹脂組成物と強化繊維を複合化し、得られる繊維強化複合材料も靭性に優れることを見出した。
また該セルロースナノファイバーを、水や有機溶媒を使用せずに、直接樹脂中でセルロースを解繊及び/又は微細化することで得られるセルロースナノファイバーとすることで、水や有機溶媒の除去工程およびセルロースナノファイバーの精製工程を経ず、樹脂組成物および繊維強化複合材料に添加することが可能となり、該樹脂組成物および繊維強化複合材料の靭性が優れることを見出した。
すなわち本発明は、[A]分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂を含み、かつ25℃における粘度が20Pa・s以下のエポキシ樹脂と、[B]硬化剤と、[C]セルロースナノファイバーを含む補強材と、を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、上記エポキシ樹脂組成物と、[D]強化繊維と、を含有することを特徴とする繊維強化複合材料を提供するものである。
また本発明は、上記繊維強化複合材料を硬化して成形したことを特徴とする成形品を提供するものである。
本発明によれば、セルロースナノファイバーを分散するエポキシ樹脂の粘度が低粘度であることから、セルロースナノファイバーを容易に分散させることができ、良好なセルロースナノファイバー分散エポキシ樹脂組成物が得られ、靭性に優れる成形品が得られる。更に、靭性に優れる該セルロースナノファイバー分散エポキシ樹脂組成物を強化繊維と複合化することにより、得られる繊維強化複合材料の靭性も優れ、靭性に優れた成形品を得ることが可能となる。
また更に、水や有機溶媒を使用せずに、直接樹脂中でセルロースを解繊及び/又は微細化することで得られるセルロースナノファイバーを補強材とすることで、水や有機溶媒の除去工程およびセルロースナノファイバーの精製工程経ず、セルロースナノファイバーの凝集を回避してエポキシ樹脂に分散させることが可能となり、セルロースナノファイバーの補強効果を容易に発現させることが可能となる。
以下において、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔構成要素[A]〕
本発明の構成要素[A]は、分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂を含み、かつ25℃における粘度が20Pa・s以下のエポキシ樹脂であれば特に制限が無く、モノマーであってもオリゴマーであってもポリマーであってもよい。
構成要素[A]として具体例として挙げられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂などが挙げられる。室温付近で結晶を析出するビスフェノールF型エポキシ樹脂でもよく、結晶を析出する場合には加熱溶融し、使用すればよい。
本発明の構成要素[A]に含まれる分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂の量は、構成要素[A]の25℃における粘度が20Pa・s以下となる量であれば特に制限されず、15Pa・s以下となる量であればより好ましく、10Pa・s以下となる量であれば更に好ましい。
構成要素[A]の25℃における粘度が20Pa・sより大きい量であると、構成要素[A]は粘稠液体となり、構成要素[A]に他の成分を混合することが著しく困難となる。そのため、構成要素[A]を加熱し、その粘度を下げる等の煩雑な操作が必要となってくる。
構成要素[A]の25℃における粘度が20Pa・s以下となる量であれば、構成要素[A]を常温以上に加熱し、粘度を低減させる必要が無く、他の成分、例えばセルロースナノファイバー等を構成要素[A]を容易に混合、分散させることができる。構成要素[A]の粘度が15Pa・s以下であれば、セルロースナノファイバーを分散させることが更に容易になり、10Pa・s以下であれば、より分散が容易になるので好ましい。
構成要素[A]は、分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂を含有する。メチレン基は2つの芳香族環と結合し、2つの水素原子と結合している。このため、柔軟な分子骨格となり塑性変形能力が大きくなる。この構成要素[A]の塑性変形能力に、高強度、高剛性であるセルロースナノファイバーを添加することで靭性の向上効果が著しく大きくなると思われる。
一方、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がプロパン構造を有している。すなわち構成要素[A]の水素原子であった部分が、メチル基になっている。このため分子骨格の柔軟性が抑制され、塑性変形能力が構成要素[A]に比べ低くなる。このためセルロースナノファイバーを添加することで靭性の向上効果が得られるものの、その向上効果が低くなると思われる。
〔構成要素[B]〕
構成要素[B]の硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤であり、エポキシ基と反応する活性基を有する化合物である。硬化剤としては、エポキシ基との反応性を有する官能基を有するものであれば特に限定されないが、より具体的には、例えば、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸ヒドラジド、酸無水物、ポリメルカプタン、ポリフェノールなど、量論的反応を行う化合物と、イミダゾール、ルイス酸錯体、オニウム塩のように触媒的に作用する化合物がある。量論的反応を行う化合物を用いる場合には、硬化促進剤、例えば各種アミン類、イミダゾール、ルイス酸錯体、オニウム塩、ホスフィンなどを配合する場合がある。
〔構成要素[C]〕
本発明における構成要素[C]は、後述する解繊樹脂[F]中で解繊及び/又は微細化させたセルロースナノファイバー[E]を含む補強材である。該補強材が有するセルロースナノファイバー[E]が樹脂組成物および繊維強化複合材料を補強する。該セルロースナノファイバー[E]は、解繊樹脂[F]中でセルロースを解繊及び/又は微細化して得られるものであり、水や有機溶剤中で解繊及び/又は微細化されるセルロースナノファイバーと比べて、微細化に使用した媒体を除去する必要が無い。直接解繊樹脂[F]中で解繊及び/又は微細化されることから、水や有機溶剤を除去する際に発生する恐れがあるセルロースナノファイバーの凝集を回避することができる。そのためエポキシ樹脂中にセルロースナノファイバー[E]が良好に分散し、エポキシ樹脂組成物および該組成物を用いた繊維強化複合材料の機械的物性、靭性が高くなる。
本発明において、セルロースナノファイバーが解繊された状態とは、厳密な定義は難しいが、例えば、セルロースの繊維径について5nm〜1000nmの範囲内で解された状態にあり、その各繊維の間に樹脂が存在することが電子顕微鏡観察などで確認することができる。エポキシ樹脂を介して繊維同士が絡み合って補強構造となることを考慮すると、繊維径について5nm〜500nmの範囲がより好ましく、5nm〜200nmの範囲にあることが特に好ましい。
さらに、本発明においてセルロースナノファイバーが微細化された状態とは、厳密な定義は難しいが、例えば、解繊する前のセルロースの長さが、解繊した後に短くなった状態である。解繊後のセルロースナノファイバーの長さが、微細化されずに解繊する前と同じ長さであってもよいが、分散性を考慮すると、微細化され、セルロースナノファイバーの長さが解繊する前よりも短くなっていることが好ましい。したがって、解繊樹脂[F]中でセルロースナノファイバーが解繊されているだけでも良いが、解繊及び/又は微細化されていることがより好ましい。
一方、セルロースナノファイバーが解繊されていない状態とは、セルロースの繊維径が1μmを超えて集合している状態をいい、電子顕微鏡観察などで確認することができる。
本発明における補強材は、解繊樹脂[F]中でセルロースを解繊して得られるセルロースナノファイバーを含有するため、そのまま補強材として用いることで、セルロースナノファイバーの精製工程が必要ないだけでなく、マトリクス樹脂との親和性が高まることから好適な補強材となる。
〔構成要素[C]の添加物〕
本発明における構成要素[C]は、解繊樹脂[F]中でセルロースを解繊して得られるセルロースナノファイバー[E]を必須成分とするものであり、解繊樹脂[F]をそのまま含有してもよい。構成要素[C]に対しては、さらに、本発明の効果を損なわない範囲であれば、各種樹脂、添加剤、有機及び無機フィラーなどを添加することが可能である。各種樹脂、添加剤、有機及び無機フィラーは、セルロースの微細化前に添加しても、微細化後に添加してもかまわないが、その後の樹脂組成物および繊維強化複合材料との複合に際して、乾燥や精製などの不純物除去工程が必要となるようなものは、発明の効果を損ねる為に好ましくない。
〔強化繊維[D]〕
本発明における強化繊維[D]は、繊維強化複合材料に用いられるものであればよく、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等の無機繊維のほか、有機繊維を用いてもよい。中でも、炭素繊維とガラス繊維は、産業上利用範囲が広いため、好ましい。これらのうち、一種類のみ用いてもよく、複数種を同時に用いてもよい。
本発明の強化繊維[D]は、繊維の集合体であってもよく、織布状であっても、不織布状であってもかまわない。また、繊維を一方方向に整列した繊維束でもよく、繊維束を並べたシート状であってもよい。また、繊維の集合体に厚みを持たせた立体形状であってもかまわない。
〔セルロースナノファイバー[E]〕
本発明に使用し得るセルロースナノファイバー[E]は、各種セルロースを解繊及び/又は微細化することで得られ、セルロースナノファイバー[E]を含有する構成要素[C]として樹脂組成物および繊維強化複合材料に配合することで、補強をすることができる。
本発明におけるセルロースは、解繊材料及び/又は微細化材料として利用可能なものであればよく、パルプ、綿、紙、レーヨン・キュプラ・ポリノジック・アセテートなどの再生セルロース繊維、バクテリア産生セルロース、ホヤなどの動物由来セルロースなどが利用可能である。また、これらのセルロースは必要に応じて表面を化学修飾処理したものであってもよい。
パルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ双方を好適に使用できる。木材パルプとしては、機械パルプと化学パルプとあり、リグニン含有量の少ない化学パルプのほうが好ましい。化学パルプにはサルファイドパルプ、クラフトパルプ、アルカリパルプなどがあるが、いずれも好適に使用できる。非木材パルプとしては、藁、バガス、ケナフ、竹、葦、楮、亜麻などいずれも利用可能である。
綿は主に衣料用繊維に用いられる植物であり、綿花、綿繊維、綿布のいずれも利用可能である。
紙はパルプから繊維を取り出し漉いたもので、新聞紙や廃牛乳パック、コピー済み用紙などの古紙も好適に利用できる。
また、微細化材料としてのセルロースとして、セルロースを破砕し一定の粒径分布を有したセルロース粉末を用いても良く、日本製紙ケミカル社製のKCフロック(登録商標)、旭化成ケミカルズ社製のセオラス(登録商標)、FMC社製のアビセル(登録商標)などが挙げられる。
本発明に使用し得るセルロースナノファイバーは修飾処理されていてもよい。本発明において、セルロースナノファイバーは、エポキシ樹脂中でセルロースを解繊及び/又は微細化してセルロースナノファイバーを製造したのち、修飾する化合物をさらに添加して、エポキシ樹脂中でセルロースナノファイバーと反応させることで得られる変性セルロースナノファイバーであってもよい。
修飾する化合物としては、アルキル基、アシル基、アシルアミノ基、シアノ基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、アリールオキシ基、シリル基、カルボキシル基等の官能基をセルロースナノファイバーに化学的に結合させて修飾する化合物等が挙げられる。
また、化学的に結合させなくても、修飾する化合物がセルロースナノファイバーに物理的に吸着する形でセルロースナノファイバーを修飾してもよい。物理的に吸着する化合物としては界面活性剤等が挙げられ、アニオン性、カチオン性、ノニオン性いずれを用いてもよいが、カチオン性の界面活性剤を用いることが好ましい。
〔解繊樹脂[F]〕
本発明における解繊樹脂[F]は、セルロースを解繊及び/又は微細化することができる樹脂であれば特に制限されないが、特に優れるのはポリエステル系樹脂[F1]、ビニル樹脂[F2]、エポキシ樹脂[F3]、変性エポキシ樹脂[F4]である。
〔ポリエステル系樹脂[F1]〕
本発明におけるポリエステル系樹脂[F1]とは、下記一般式(1)で表される1種若しくは2種以上のポリオールと、下記一般式(2)で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とを反応させて得られる、ポリエステル樹脂である。
A−(OH)m・・・(1)
(式中、Aは酸素原子を含んでいても良い炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族基またはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。)
B−(COOH)n・・・(2)
(式中、Bは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族基またはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。)
一般式(1)で表されるポリオールとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、ペンチルグリコール、ネオペンチルグリコ−ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ヘプタンジオール、水素化ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカリングリコ−ル、エチレングリコ−ルカ−ボネ−ト、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
一般式(2)で表されるポリカルボン酸としては、不飽和二塩基酸およびその無水物があり、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸及びこれらのエステル等があり、ハロゲン化無水マレイン酸等、アコニット酸などのα,β−不飽和二塩基酸やジヒドロムコン酸等のβ,γ−不飽和二塩基酸が挙げられる。また、飽和二塩基酸およびその無水物として、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、コハク酸無水物、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等が挙げられる。
なお、上記のポリオールとポリカルボン酸に加えて、実質的にその特性を損なわない程度に1価アルコール、1価カルボン酸、およびヒドロキシカルボン酸を用いても良い。
1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、3−ブタノール、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、イソヘキサノール、n−ヘプタノール、イソヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、n−ノナノール、イソノナノール、n−デカノール、イソデカノール、イソウンデカノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、トリデシルアルコール、ベンジルアルコールステアリルアルコール等が挙げられ、これらを1種または2種以上を用いても良い。
1価カルボン酸としては、安息香酸、ヘプタン酸、ノナン酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリル酸等が挙げられ、これらを1種または2種以上を用いても良い。
ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、p―ヒドロキシ安息香酸挙げられ、これらを1種または2種以上を用いても良い。
また、本発明におけるポリエステル系樹脂[F1]としては、上記ポリエステル樹脂を変性して得られる変性ポリエステル樹脂を用いても良い。変性ポリエステル樹脂としては、ウレタン変性ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、エポキシ変性ポリエステル、シリコーン変性ポリエステルなどが挙げられる。
また、本発明におけるポリエステル系樹脂[F1]としては、直鎖状でもよく、多分岐状ポリエステルを用いてもかまわない。
セルロースは一分子当たりに3つの水酸基を含有し、親水性を有している。エステル基濃度、酸価、水酸基価を高くすることにより、一般的には疎水性であるポリエステル系樹脂の疎水性が弱くなり、より親水性に近い性質をポリエステル系樹脂に付与することができる。このためエステル基濃度、酸価、水酸基価を高いポリエステル系樹脂は、親水性であるセルロースとの親和性が良くなり、解繊樹脂として好ましい形態なると考えられる。
したがって、本発明におけるポリエステル系樹脂[F1]は、エステル基濃度が6.0mmol/g以上であることが好ましい。より好ましくは6.0〜14mmol/g、更に好ましくは6.0〜20mmol/g、特に好ましくは6.0〜30mmol/gである。
また、エステル基濃度が6.0mmol/g以上かつ酸価が10KOHmg/g以上であると、好ましい。より好ましくは酸価10〜100KOHmg/g、更に好ましくは10〜200KOHmg/g、特に好ましくは10〜300KOHmg/gである。
また、エステル基濃度が6.0mmol/g以上かつ水酸基価が10以上であると、好ましい。より好ましくは水酸基価10〜500KOHmg/g、更に好ましくは10〜800KOHmg/g、特に好ましくは10〜1000KOHmg/gである。
また、本発明におけるポリエステル系樹脂は、エステル基濃度が6.0mmol/g以上で、酸価が10KOHmg/g以上かつ水酸基価が10KOHmg/g以上であると、特に好ましい。
本発明において、前記ポリエステル系樹脂[F1]は単独で用いても良いが、複数を組み合わせて用いてもかまわない。
〔ビニル樹脂[F2]〕
本発明におけるビニル樹脂[F2]とは、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体であり、ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル誘導体、ビニルエステル誘導体、マレイン酸ジエステル誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体、スチレン誘導体、ビニルエーテル誘導体、ビニルケトン誘導体、オレフィン誘導体、マレイミド誘導体、(メタ)アクリロニトリルが好適に挙げられる。ビニル樹脂としては、その中でも特に(メタ)アクリル酸エステル誘導体を重合して得られる(メタ)アクリル樹脂が特に好ましい。
以下、これらのビニルモノマーの好ましい例について説明する。(メタ)アクリル酸エステル誘導体の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸―2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸―3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸―4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸―2−フェニルビニル、(メタ)アクリル酸―1−プロペニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸―2−アリロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
ビニルエステル誘導体の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル誘導体の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、およびマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル誘導体の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、およびフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル誘導体の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、およびイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド誘導体の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン誘導体の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、およびα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル誘導体の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルおよびフェニルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン誘導体の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン誘導体の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド誘導体の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
そのほかにも、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
〔官能基〕
本発明に使用し得るビニル樹脂[F2]は、官能基を有することが好ましい。これは、エポキシ樹脂との相互作用により機械特性など成形体の物性を向上させることが可能となるからである。官能基としては、具体的にはハロゲン基(フッ素、塩素)、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シラノール基、シアノ基等が挙げられ、これらを複数種有していてもかまわない。
前記ビニル樹脂[F2]は、前記ビニルモノマーを重合開始剤の存在下、反応容器中で加熱、必要により熟成することにより得ることができる。反応条件としては例えば、重合開始剤及び溶媒によって異なるが、反応温度が30〜150℃、好ましくは60〜120℃である。重合は、非反応性溶剤の存在下で行っても差し支えない。
非反応性溶剤を存在させずに重合すれば、ビニル樹脂を重合した後に非反応性溶剤を除去する必要が無くなり、好ましい。しかし、非反応性溶剤を存在させずに重合する場合、重合するビニルモノマーの濃度が高く、重合で発生する反応熱を除去しつつ、反応温度を制御することが難しくなる。そこで、非反応性溶剤を用いて前記ビニルモノマーを適宜希釈した状態で重合を行えば、重合で発生する反応熱を除去することが容易となる。非反応性溶剤は、ビニル樹脂を重合した後に加熱、減圧等により除去すればよい。
前記重合開始剤としては、例えばt−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等過酸化物;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等アゾ化合物などが挙げられる。
前記非反応性溶剤としては、例えばヘキサン、ミネラルスピリット等脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で使用しても、複数種類併用してもかまわない。
本発明において、前記ビニル樹脂[F2]は単独で用いても良いが、複数を組み合わせて用いてもかまわない。また、直鎖型ポリマーであっても分岐型ポリマーであってもよく、分岐型ポリマーの場合くし型でも星型でもかまわない。
〔分子量〕
本発明で使用するビニル樹脂の分子量は、数平均分子量が3000以下であることが好ましい。詳細な理由は不明であるが、数平均分子量が3000以下であれば、セルロース繊維への親和性が高まるためではないかと予想される。
〔酸価〕
本発明におけるビニル樹脂[F2]の数平均分子量が3000以下のとき、酸価が30KOHmg/g以上60KOHmg/g未満であるとより好ましい。
〔水酸基価〕
本発明におけるビニル樹脂[F2]の数平均分子量が3000以下のとき、水酸価が30KOHmg/g以上であると好ましく、50KOHmg/g以上であるとより好ましい。
本発明におけるビニル樹脂[F2]の数平均分子量が3000以下のとき、酸価が30KOHmg/g以上60KOHmg/g未満且つ水酸基価が30KOHmg/g以上であると特に好ましい。
本発明におけるビニル樹脂[F2]を製造する際用いた溶剤は、解繊樹脂[F]として使用する前に除去することが望ましい。除去する方法としては、加熱、減圧等が用いられる。
〔エポキシ樹脂[F3]〕
本発明で用いるセルロースを解繊及び/又は微細化するためのエポキシ樹脂[F3]は、分子内にエポキシ基を有する化合物であって、その構造等に特に制限はない。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ノニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、t−ブチルカテコール型エポキシ樹脂等の多価エポキシ樹脂等が挙げられ、更に1価のエポキシ樹脂としては、ブタノール等の脂肪族アルコール、炭素数11〜12の脂肪族アルコール、フェノール、p−エチルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−ターシャリブチルフェノール、s−ブチルフェノール、ノニルフェノール、キシレノール等の1価フェノール類とエピハロヒドリンとの縮合物、ネオデカン酸等の1価カルボキシル基とエピハロヒドリンとの縮合物等が挙げられ、グリシジルアミンとしては、ジアミノジフェニルメタンとエピハロヒドリンとの縮合物等、多価脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、大豆油、ヒマシ油等の植物油のポリグリシジルエーテルが挙げられ、多価アルキレングリコール型エポキシ樹脂としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、エリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、トリメチロールプロパンとエピハロヒドリンとの縮合物等、更には特開2005−239928号公報記載の水性エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは1種類で用いても、2種類以上を併用しても良い。
〔変性エポキシ樹脂[F4〕
本発明における変性エポキシ樹脂[F4]とは、エポキシ基を有し、水酸基価が100mgKOH/g以上である変性エポキシ樹脂[F4]である。該変性エポキシ樹脂[F4]は、エポキシ樹脂とカルボキシル基又はアミノ基を有する化合物[f]とを反応させることで得ることができる。
〔カルボキシル基又はアミノ基を有する化合物[f]〕
本発明におけるカルボキシル基又はアミノ基を有する化合物[f]は、上記エポキシ樹脂[F3]と反応して水酸基価が100mgKOH/g以上である変性エポキシ樹脂[F4]を生成するものであればよく、カルボキシル基を有する化合物[f1]と、アミノ基を有する化合物[f2]と、カルボキシル基及びアミノ基を有する化合物[f3]のいずれか1種以上を用いることができる。
また、カルボキシル基又はアミノ基を有する化合物[f]においてさらに水酸基を有するカルボキシル基又はアミノ基を有する化合物[f4]は、エポキシ樹脂[F3]と反応した際に変性エポキシ樹脂[F4]に高い水酸基価を付与できるため、特に好ましい。
〔カルボキシル基を有する化合物[f1]〕
本発明におけるカルボキシル基を有する化合物[f1]とは、カルボキシル基を一つ以上有する化合物である。カルボキシル基を一つ有する化合物として、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、イソプロピル酸、イソステアリン酸、ネオデカン酸、などの脂肪酸、安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、フェニル酢酸、4−イソプロピル安息香酸、2−フェニルプロパン酸、2−フェニルアクリル酸、3−フェニルプロパン酸、ケイ被酸などの芳香族カルボン酸等が挙げられる。カルボキシル基を二つ以上有する化合物として、具体的には、コハク酸、アジピン酸、テレフタレート酸、イソフタル酸、ピロメリット酸などのカルボン酸類、及びこれらの無水物を挙げることができる。さらに、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸及びこれらのエステル等があり、ハロゲン化無水マレイン酸等、アコニット酸などのα,β−不飽和二塩基酸やジヒドロムコン酸等のβ,γ−不飽和二塩基酸が挙げられる。また、飽和二塩基酸およびその無水物として、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、コハク酸無水物、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。
〔アミノ基を有する化合物[f2]〕
本発明におけるアミノ基を有する化合物[f2]とは、アミノ基を一つ以上有する化合物である。具体的には、アミノ基を一つ有する化合物として、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジメチル−2−プロパンアミン、アニリン、トルイジン、2−アミノアントラセンなどをあげることができる。2つ以上のアミノ基を有する化合物としては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−シクロヘキシルメタンジアミン、ノルボルナンジアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミンなどをあげることができる。
〔カルボキシル基及びアミノ基を有する化合物[f3]〕
本発明におけるカルボキシル基及びアミノ基を有する化合物[f3]とは、カルボキシル基とアミノ基を一つずつ以上有する化合物である。代表的にはアミノ酸が挙げられ、さらに水酸基を有しても構わない。具体的には、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスオアラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アミノラク酸、テアニン、トリコロミン酸、カイニン酸等が挙げられる。
〔さらに水酸基を有する、カルボキシル基又はアミノ基を有する化合物[f4]〕
さらに水酸基を有する、カルボキシル基又はアミノ基を有する化合物[f4]とは、カルボキシル基またはアミノ基を有し、さらに水酸基を一つ以上有する化合物である。具体的には、グリコール酸、グリセリン酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシラク酸、リンゴ酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、クエン酸、イソクエン酸、メバロン酸、バントイン酸、リシノール酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ヒドロキシフェニルプロパン酸、マンデル酸、ベンジル酸、ヒドロキシメチルアミン、ヒドロキシエチルアミン、ヒドロキシプロピルアミンなどが挙げられる。
〔変性エポキシ樹脂[F4]の製造〕
本発明における水酸基価が100mgKOH/g以上である変性エポキシ樹脂[F4]は、エポキシ樹脂のエポキシ基とカルボキシル基又はアミノ基を有する化合物[f]のカルボキシル基又はアミノ基を反応させることで得ることができる。水酸基価が100mgKOH/gより少ない場合、セルロースとの親和性が低くなることから、セルロースナノファイバーへの解繊は進みにくいため、好ましくない。エポキシ基とカルボキシル基又はアミノ基の反応比は、水酸基価が100mgKOH/g以上生じ、かつ所望のエポキシ基量が残るように任意に設定すればよい。
変性エポキシ樹脂[F4]中のエポキシ基量は一分子あたり0.3個以上が好ましく、0.5個以上がさらに好ましく、1個以上が最も好ましい。
変性エポキシ樹脂[F4]の製造は、無溶媒もしくは溶媒中で行うことができる。好ましくは、脱溶剤が必要ない無溶媒での反応が好ましい。使用する重合溶媒は特に制限はない。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルセロソルブ、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸イソブチル等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用しても良いし、混合して使用しても良い。
また、反応触媒としてルイス酸触媒やルイス塩基触媒を使用しても良い。具体的には、三フッ化ホウ素、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノピリジン、ピリジン、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
反応温度は、室温〜200℃の間が好ましい。
〔解繊樹脂[F]中でのセルロースの微細化〕
本発明において、セルロースナノファイバー[E]は解繊樹脂[F]中で解繊及び/又は微細化される。セルロースの解繊及び/又は微細化は、解繊樹脂[F]中にセルロースを添加し、機械的に箭断力を与えることにより行うことができる。箭断力を与える手段としては、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、一軸押出機、二軸押出機等の押出機、バンバリーミキサー、グラインダー、加圧ニーダー、2本ロール等の公知の混練機等を用い剪断力を与えることができる。これらの中でも高粘度の樹脂中でも安定した剪断力を得られる観点から加圧ニーダーを用いることが好ましい。
上記手法により、セルロースはセルロースナノファイバー化する。本発明における微細化方法では、例えば、長軸方向に100nm〜1000000nm、短軸方向に5nm〜1000nmに微細化することが可能である。
本発明において、解繊樹脂[F]とセルロースの比率は任意に変更が可能である。微細化後にさらに樹脂組成物および繊維強化複合材料に複合化するため、予め解繊樹脂[F]に対するセルロース濃度がある程度高いほうがより樹脂の強化の効果があげられる。一方で、解繊樹脂[F]の比率が少なすぎると十分なセルロースの微細化効果を得ることができない。解繊樹脂[F]とセルロースの合計量に対して、セルロースの比率は10質量%〜90質量%、好ましくは30質量%〜70質量%、より好ましくは40質量%〜60質量%となることが好ましい。
〔繊維強化複合材料〕
繊維強化複合材料は、少なくとも構成要素[A]、[B]及び[C]を含み、強化繊維[D]を複合化することによって得られる。
好ましい繊維強化複合材料の製造方法は、解繊樹脂[F]中でセルロースを解繊及び/又は微細化してセルロースナノファイバー[E]を得る工程と、該解繊樹脂[F]とセルロースナノファイバー[E]とを含有する構成要素[C]と、少なくとも構成要素[A]、[B]を含む樹脂組成物を得る工程と、該樹脂組成物と強化繊維[D]を複合化して繊維強化複合材料を得る工程経て、繊維強化複合材料とする方法である。
前記樹脂組成物を強化繊維[D]と複合化するには、混練、塗布、含浸、注入、圧着等の方法が挙げられ、強化繊維[D]の形態及び繊維強化複合材料の用途によって適時選択することができる。
〔セルロースナノファイバー[E]の量〕
前記樹脂組成物中におけるセルロースナノファイバー[E]の量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば任意であり、セルロースナノファイバー[E]の量は、0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
〔その他の添加剤〕
本発明の効果が損なわれない範囲であれば、エポキシ樹脂組成物および、繊維強化複合材料には従来公知の各種添加剤を含有しても良く、例えば、加水分解防止剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、重合開始剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン等)、酸化防止剤、無機フィラー、有機フィラー等をあげることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、成形用材料、塗工用材料、塗料材料、接着剤として使用することができる。
〔成形方法〕
本発明の樹脂組成物および繊維強化複合材料に係る成形体を成形する方法については、特に限定されない。板状の製品を製造するのであれば、押し出し成形法が一般的であるが、平面プレスによっても可能である。この他、異形押し出し成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空成形法、射出成形法等を用いることが可能である。またフィルム状の製品を製造するのであれば、溶融押出法の他、溶液キャスト法を用いることができ、溶融成形方法を用いる場合、インフレーションフィルム成形、キャスト成形、押出ラミネーション成形、カレンダー成形、シート成形、繊維成形、ブロー成形、射出成形、回転成形、被覆成形等が挙げられる。また、活性エネルギー線で硬化する樹脂の場合、活性エネルギー線を用いた各種硬化方法を用いて成形体を製造することができる。特に、熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂の主成分とする場合には、成形材料をプリプレグ化してプレスやオートクレーブにより加圧加熱する成形法が挙げられ、この他にもRTM(Resin Transfer Molding)成形、VaRTM(Vaccum assist Resin Transfer Molding)成形、積層成形、ハンドレイアップ成形等が挙げられる。
〔用途〕
本発明における繊維強化複合材料は、各種用途に好適に利用できる。例えば、産業用機械部品(例えば電磁機器筐体、ロール材、搬送用アーム、医療機器部材など)、一般機械部品、自動車・鉄道・車両等部品(例えば外板、シャシー、空力部材、座席など)、船舶部材(例えば船体、座席など)、航空関連部品(例えば、胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席、内装材など)、宇宙機・人工衛星部材(モーターケース、主翼、構体、アンテナなど)、電子・電気部品(例えばパーソナルコンピュータ筐体、携帯電話筐体、OA機器、AV機器、電話機、ファクシミリ、家電製品、玩具用品など)、建築・土木材料(例えば鉄筋代替材料、トラス構造体、つり橋用ケーブルなど)、生活用品、スポーツ・レジャー用品(例えばゴルフクラブシャフト、釣り竿、テニスやバトミントンのラケットなど)、風力発電用筐体部材等が挙げられる。また容器・包装部材、例えば燃料電池に使用されるような水素ガスなどを充填する高圧力容器にも好適に使用することができるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の態様を更に詳細に説明する。なお、部および%は特に明記がない場合、質量換算である。
〔補強材[C]の製造〕
まず、補強材[C]を製造するために、窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2Lのガラス製フラスコにジエチレングリコール758.2部(7.14mol、仕込みモル比0.53)、アジピン酸652.6部(4.47mol、仕込みモル比0.33)、無水マレイン酸183.9部(1.88mol、仕込みモル比0.14)を仕込み、窒素気流下に、加熱を開始した。内温200℃にて、常法にて脱水縮合反応を行った。酸価が13KOHmg/gになったところで、直ちに150℃まで冷却し、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを仕込み原料質量に対し100ppm添加した。さらに室温まで冷却し、酸価13KOHmg/g、水酸基価89KOHmg/g、エステル基濃度が9.1mmol/gである、ポリエステル系樹脂を得た。
なお、酸価、水酸基価、エステル基濃度は以下の方法で規定した。
(酸価の測定方法)
500mlビーカーに試薬特級水酸化カリウム33gを計量し、イオン交換水150mlを徐々に加え冷却した(KOH溶解液)。5リットル容器に半分の量の工業用メタノールを入れ、KOH溶解液を混合しながら徐々に移した。更に工業用メタノールを徐々に加えて全量を5リットルとした(0.1mol水酸化カリウムアルコール溶液)。
100ml三角マイヤーに試薬特級シュウ酸0.1gを精秤し、イオン交換水30ccを加えて溶かした。1%フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、0.1mol水酸化カリウムアルコール溶液で滴定し、下記計算式(3)により力価を求めた。
力価=シュウ酸質量(g)×1000/[滴定(ml)×6.3]・・・(3)
100ml三角マイヤーに試料1gを採取し、トルエン、メタノール混合中性溶剤(トルエンとメタノールを7対3の割合で混合しフェノールフタレインを指示薬として0.1mol水酸化カリウムアルコール溶液で中和)30gを加え、スターラーで撹拌した。更にエタノールで希釈した1%フェノールフタレイン指示薬を数滴加え、撹拌した。次に0.1mol水酸化カリウムアルコール溶液で滴定し、下記計算式(4)により酸価を求めた。
酸価=滴定量(ml)×力価×5.611/試料の質量(g)・・・(4)
(水酸基価の測定)
末端水酸基価、13C−NMRスペクトルにおける、末端構造およびエステル結合に由来する各ピークの面積比から求めた。測定装置は、日本電子製JNM−LA300を用い、試料の10wt%重クロロホルム溶液に緩和試薬としてCr(acac)3 10mgを加え、ゲートデカップリング法による13C−NMRの定量測定を行なった。積算は4000回行なった。
(エステル基濃度の計算方法)
エステル基濃度は下記計算式(5)により求めた。
エステル基濃度(mmol/g)
=生成エステル基量(mmol)/[仕込みモノマー量(g)−生成水量(g)]・・・(5)
(セルロースの微細化)
前記ポリエステル系樹脂を600質量部、日本製紙ケミカル社製のセルロースパウダー製品「KCフロック(登録商標) W−50GK」(繊維径約20〜30μm、繊維長約200〜400μm)400質量部を、森山製作所製加圧ニーダー(DS1−5GHH−H)を用いて60rpmで600分加圧混練を行ってセルロースの微細化処理を行い、マスタバッチを得た。得られたマスタバッチをセルロースナノファイバーを含有する補強材[C]とした。
得られた補強材[C]を走査型電子顕微鏡で確認したところ、セルロース繊維は、その繊維径が100nm〜300nm程度の範囲で解繊されていることが確認できた。なお、任意の20本の平均繊維径は約160nmであった。また、セルロース繊維長は、元の繊維長よりも短くなっていることも確認できた。このように補強材[C]は、樹脂中にセルロースナノファイバーが良好に解繊かつ微細化された状態で、均一に分散されていることが確認できた。
(実施例1)
〔基準樹脂組成物1の製造〕
分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂として、DIC株式会社製エポキシ樹脂 EPICLON(登録商標)830を50.0部用意し、硬化剤としてメチルテトラヒドロフタル酸無水物(DIC株式会社製 EPICLON(登録商標) B−570H)を48.9部用意し、東京化成工業製 N,N−ジメチルベンジルアミンを1.1部用意し、これらを添加して、プライミクス社製撹拌装置「ラボリューション(登録商標)」に同社製「ネオミクサー(登録商標)撹拌翼4−2.5型」を装着して混合・撹拌し、セルロースナノファイバー0%である基準樹脂組成物1を得た。
〔実施樹脂組成物1の製造〕
上記で得られた補強材[C]を12.5部用意し、DIC株式会製エポキシ樹脂 EPICLON(登録商標)830を43.8部用意し、これらを混合した。混合は、プライミクス社製撹拌装置「ラボリューション(登録商標)」に同社製「ネオミクサー(登録商標)」撹拌翼4−2.5型を装着して12000回転で30分間撹拌することによって行った。室温まで冷却した後、硬化剤としてメチルテトラヒドロフタル酸無水物を42.8部と、N,N−ジメチルベンジルアミンを0.9部とを添加し、さらに撹拌を行い、セルロースナノファイバー5%である実施樹脂組成物1を得た。
〔構成要素[A]の粘度および状態〕
構成要素[A]の粘度は、BROOKFIELD社製のP/S plus RHEOMETERにて25℃、ずり速度10(1/s)の条件にて測定した。また粘度が著しく高く、トルクオーバーとなり測定できないものは、25℃での状態を観察し、粘稠液体とした。
〔試験片の作製〕
セルロースナノファイバー0%である基準樹脂組成物1とセルロースナノファイバー5%である実施樹脂組成物1とを、それぞれ真空チャンバーにて脱気を行い、型に注いで120℃で3時間加熱し硬化させた。その後、175℃で5時間アフターキュアを行い、厚み6mmの注型成形板を得た。この成形板より、ASTM D−5045(3点曲げ試験片(SENB))に規定される試験片(今回の試験片高さW=12.7mm、奥行きB=6mm ノッチと予亀裂の大きさa=0.45〜0.55W)を作製し、それぞれ基準試験片1と実施試験片1を得た。
〔破壊靱性試験〕
基準試験片1と実施試験片1とを用意し、インストロン社製万能試験機を用いて、ASTM D−5045に準拠し、スパン50.8mm、ヘッドスピード10mm/minの条件で3点曲げ試験を実施し、所定の方法から荷重−変位曲線が線形内であることを確認の上、破壊靭性値を算出した。基準試験片1の破壊靱性値に対する実施試験片1の破壊靱性値の比率を算出して、靱性向上率とした。これを表1に示す。
(実施例2)
表1に示した配合にてセルロースナノファイバー0%である基準樹脂組成物2とセルロースナノファイバー5%である実施樹脂組成物2を作製し、実施例1と同様に実施試験片2及び基準試験片2を作製し、破壊靭性試験を行って靭性向上率を算出した。
(比較例1)
〔基準樹脂組成物3の製造〕
DIC株式会社製エポキシ樹脂 EPICLON(登録商標)850Sを52.8部と、硬化剤としてメチルテトラヒドロフタル酸無水物を46.1部と、N,N−ジメチルベンジルアミンを1.1部とを添加し、撹拌を行い、実施例1と同様にして、セルロースナノファイバー0%である基準樹脂組成物3を得た。
補強材[C]を12.5部、EPICLON(登録商標)850Sを46.2部とを混合した。混合は、実施例1と同様に行った。室温まで冷却した後、硬化剤としてメチルテトラヒドロフタル酸無水物を40.4部と、N,N−ジメチルベンジルアミンを0.9部、とを添加し、さらに撹拌を行い、セルロースナノファイバー5%である比較樹脂組成物3を得た。実施例1と同様に基準試験片3と比較試験片3を作製、破壊靭性試験を行い、靭性向上率を算出した。この結果を表2に示す。
(比較例2及び3)
表2に示した配合にて樹脂組成物を作製し、実施例1と同様に基準試験片4、比較試験片4、基準試験片5、比較試験片5を作製した後、破壊靭性試験を行い、靭性向上率を算出した。この結果を表2に示す。
Figure 2015036414
Figure 2015036414
実施例1、2及び比較例1の結果から、20Pa・s以下の構成要素[A]を使用しても、メチレン基骨格を有していなければ靭性向上率が190%以上とならず、著しい靭性向上効果を得ることができなかった。
また、実施例1及び比較例2、3の結果から、メチレン基骨格を有する構成要素[A]であっても、粘度が20Pa・sよりも大きい場合は靭性向上率が190%以上とならず、著しい靭性向上効果を得ることができなかった。
(実施例3)
〔繊維強化複合材料1の製造〕
分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂としてDIC株式会社製エポキシ樹脂 EPICLON(登録商標)830の100部を用意し、これにBASF社製 Laromin(登録商標)C260を35部添加して、プライミクス社製撹拌装置「ラボリューション(登録商標)」に同社製「ネオミクサー(登録商標)」撹拌翼4−2.5型を装着して12000回転で5分間撹拌し、セルロースナノファイバー0%である基準樹脂組成物6を得た。
脱泡後、金型(220mm×40mm×4mm)内で、炭素繊維としてサカイオーベックス社製一方向開繊糸BHH−48K40SW(長さ220mm×幅40mm)に上記セルロースナノファイバー0%である基準樹脂組成物6を含浸させ、炭素繊維を48層積層した。
金型を閉じ、80℃、面圧1MPaで60分加圧加熱後、150℃、面圧1MPaで3時間加圧加熱し、繊維強化複合材料1のセルロースナノファイバー0%である基準成形品6を得た。成形品の肉厚は4.0mmであった。
分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂としてDIC株式会社製エポキシ樹脂 EPICLON(登録商標)830の100部に、補強材[C]を5.3部混合し、プライミクス社製撹拌装置「ラボリューション(登録商標)」に同社製「ネオミクサー(登録商標)」撹拌翼4−2.5型を装着して12000回転で5分間撹拌した。硬化剤としてBASF社製 Laromin(登録商標)C260を35部添加し、さらに撹拌を行い、セルロースナノファイバー1.5%である実施樹脂組成物6を得た。
脱泡後、金型(220mm×40mm×4mm)内で、炭素繊維としてサカイオーベックス社製一方向開繊糸BHH−48K40SW(長さ220mm×幅40mm)に上記セルロースナノファイバー1.5%樹脂組成物6を含浸させ、炭素繊維を48層積層した。
金型を閉じ、80℃、面圧1MPaで60分加圧加熱後、150℃、面圧1MPaで3時間加圧加熱し、セルロースナノファイバー1.5%繊維強化複合材料1のセルロースナノファイバー1.5%である実施成形品6を得た。成形品の肉厚は4.0mmであった。
(層間せん断試験)
上記で得られたセルロースナノファイバー0%である基準成形品6に対して、JIS K 7078に基づき、下記の層間せん断試験を行った。
セルロースナノファイバー0%である基準成形品6より炭素繊維の方向に長さ28mm、垂直方向に幅10mmの試験片をダイヤモンドカッターにて切り出した。次にインストロン社製万能試験機を用い、3点曲げ方式でスパン20mm、試験速度2mm/minの層間せん断試験を室温23℃、湿度50%の雰囲気下にて行い、最大応力を層間せん断強さとした。
セルロースナノファイバー1.5%である実施成形品6の評価も上記と同様に行いJIS K 7078に基づき、層間せん断強さを測定した。セルロースナノファイバー0%である基準成形品6の層間せん断強さに対するセルロースナノファイバー1.5%である実施成形品6の層間せん断強さの比率を算出して100倍し、繊維強化複合材料1における靭性向上率とした。この結果を表3に示す。
(比較例4)
〔繊維強化複合材料2の製造〕
DIC株式会製エポキシ樹脂 EPICLON(登録商標)850Sの100部にBASF社製 Laromin(登録商標)C260を32部添加し、プライミクス社製撹拌装置「ラボリューション(登録商標)」に同社製「ネオミクサー(登録商標)」撹拌翼4−2.5型を装着して12000回転で5分間撹拌し、セルロースナノファイバー0%樹脂組成物7を得た。
脱泡後、金型(220mm×40mm×4mm)内で、炭素繊維としてサカイオーベックス社製一方向開繊糸BHH−48K40SW(長さ220mm×幅40mm)に上記セルロースナノファイバー0%樹脂組成物7を含浸させ、炭素繊維を48層積層した。
金型を閉じ、80℃、面圧1MPaで60分加圧加熱後、150℃、面圧1MPaで3時間加圧加熱し、セルロースナノファイバー0%繊維強化複合材料2のセルロースナノファイバー0%である基準成形品7を得た。成形品の肉厚は4.0mmであった。
DIC株式会製エポキシ樹脂 EPICLON(登録商標)850Sの100部に、補強材1を5.2部混合し、プライミクス社製撹拌装置「ラボリューション(登録商標)」に同社製「ネオミクサー(登録商標)」撹拌翼4−2.5型を装着して12000回転で5分間撹拌した。硬化剤としてBASF社製 Laromin(登録商標)C260を32部添加し、さらに撹拌を行い、セルロースナノファイバー1.5%樹脂組成物7を得た。
脱泡後、金型(220mm×40mm×4mm)内で、炭素繊維としてサカイオーベックス社製一方向開繊糸BHH−48K40SW(長さ220mm×幅40mm)に上記セルロースナノファイバー1.5%樹脂組成物7を含浸させ、炭素繊維を48層積層した。
金型を閉じ、80℃、面圧1MPaで60分加圧加熱後、150℃、面圧1MPaで3時間加圧加熱し、セルロースナノファイバー1.5%繊維強化複合材料2のセルロースナノファイバー1.5%である比較成形品7を得た。成形品の肉厚は4.0mmであった。
実施例3と同様に試験片を作製した後、層間せん断試験を行い、靭性向上率を算出した。この結果を表3に示す。
Figure 2015036414
実施例3及び比較例4の結果により、メチレン基骨格を有し、かつ構成要素[A]の粘度が20Pa・s以下の方が、靭性向上率が高く、靭性向上効果が高かった。
本発明の樹脂組成物及び繊維強化複合材料は高強度なことから、産業用機械部品(例えば電磁機器筐体、ロール材、搬送用アーム、医療機器部材など)、一般機械部品、自動車・鉄道・車両等部品(例えば外板、シャシー、空力部材、座席など)、船舶部材(例えば船体、座席など)、航空関連部品(例えば、胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席、内装材など)、宇宙機、人工衛星部材(モーターケース、主翼、構体、アンテナなど)、電子・電気部品(例えばパーソナルコンピュータ筐体、携帯電話筐体、OA機器、AV機器、電話機、ファクシミリ、家電製品、玩具用品など)、建築・土木材料(例えば鉄筋代替材料、トラス構造体、つり橋用ケーブルなど)、生活用品、スポーツ・レジャー用品(例えばゴルフクラブシャフト、釣り竿、テニスやバトミントンのラケット、バットなど)、風力発電用筐体部材等、また容器・包装部材、例えば燃料電池に使用されるような水素ガスなどを充填する高圧力容器にも好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. [A]分子骨格中に2つ以上の芳香族環を含み、その芳香族環がメチレン基を介して結合しているエポキシ樹脂を含み、かつ25℃における粘度が20Pa・s以下のエポキシ樹脂と、
    [B]硬化剤と、
    [C]セルロースナノファイバーを含む補強材と、
    を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記セルロースナノファイバーが、解繊樹脂中で微細化されたセルロースナノファイバーである請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物と、[D]強化繊維と、を含有することを特徴とする繊維強化複合材料。
  4. 前記[D]強化繊維が、炭素繊維である請求項3に記載の繊維強化複合材料。
  5. 請求項3又は4に記載の繊維強化複合材料を硬化して成形したことを特徴とする成形品。
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