JP2015014760A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】収容器内の空気を収容器外へ排出させるための排出路を通って、現像剤が外部へ排出される可能性を低減させる。【解決手段】現像剤保持体340は、円筒状の部材であり、表面に現像剤を保持して回転しながら、静電潜像が形成された像保持体に現像剤を供給する。収容器341は、現像剤保持体340を収容する。排出路形成部材342は、収容器341の内部から外部へ空気を排出する排出路343を形成する。マグネットローラ344は、現像剤保持体340の内部に設けられ、円柱状の部材であって、例えば内部に固定された永久磁石などの磁性体によって側面に決められた磁界を発生させる。マグネットローラ344の磁性体は、現像剤を収容器341の外部へ排出させないように、排出路343において現像剤に作用する磁界を発生させる。【選択図】図3

Description

本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
特許文献1には、フィルタを用いずに内圧を低減させる現像装置として、現像剤担持体の略下方に対向配置され現像剤を長手方向に搬送しながら現像剤担持体に現像剤を供給する第一の現像剤搬送部材と、現像剤担持体に対向し現像剤担持体から離脱した現像剤と補給トナーを混合攪拌する第二の現像剤搬送部材と、第一の現像剤搬送部材と第二の現像剤搬送部材の間に現像剤の往来を規制する仕切り部材とを有し、第一の現像剤搬送部材の現像剤搬送方向の下流側の第二の現像剤搬送部材との現像剤受け渡し部付近に、圧抜き手段を設けたことを特徴とする現像装置が記載されている。
特許文献2には、フィルタを用いずに内圧を低減させる現像装置として、主極となる永久磁石よりも現像担持体の回転方向下流位置に補助極となる永久磁石が配置され、その補助極に対向する位置で現像担持体との間隙が異なる段差部を有することを特徴とする現像装置が記載されている。
特許文献3には、現像剤を収納する現像容器の部分であって、複数の磁極を有する固定マグネットと、その周りを回転する現像スリーブとからなる現像ローラの近傍に位置する部分に、磁性部材を設けたことを特徴とする現像装置が記載されている。
特開2012−103282号公報 特開2007−24984号公報 特開2005−242194号公報
本発明は、現像装置の収容器内の空気を収容器外へ排出させるための排出路を通って、現像剤が外部へ排出される可能性を低減させることを目的とする。
本発明の請求項1に係る現像装置は、現像剤を保持して回転しながら、静電潜像が形成された像保持体に当該現像剤を供給する円筒状の現像剤保持体と、前記現像剤保持体を収容する収容器と、前記収容器内から当該収容器外へ空気を排出する排出路を形成する排出路形成部材と、前記排出路に存在する前記現像剤に作用する磁界を発生させ、当該現像剤を前記排出路内に留める磁性体とを有する。
本発明の請求項2に係る現像装置は、請求項1に記載の態様において、前記排出路は、前記現像剤保持体の外周面に沿って形成され、前記磁性体は、前記現像剤保持体の内部に設けられることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る現像装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記排出路形成部材は、前記収容器の内壁面とともに前記排出路を形成し、前記磁性体は、前記排出路内に、前記内壁面に接する現像剤を保持可能な磁界を発生させることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る現像装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の態様において、前記排出路形成部材は、前記現像剤保持体の外周面が通過する位置のうち最も高い位置である頂上部を覆い、当該頂上部よりも前記像保持体に近い位置に当該排出路の排出口を設けることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る現像装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の態様において、前記排出路は、前記像保持体に向けて形成されることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る現像装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載の態様において、前記排出路は、前記現像剤保持体の外周面のうち、四分の一以上を覆うことを特徴とする。
本発明の請求項7に係る現像装置は、請求項1から6のいずれか1項に記載の態様において、前記排出路に前記空気が流入する流入口は、前記現像剤保持体の回転軸よりも低い位置に設けられることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る現像装置は、請求項1から7のいずれか1項に記載の態様において、前記排出路において前記空気を排出する排出口の断面積は、当該排出路において当該空気が流入する流入口の断面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明の請求項9に係る現像装置は、請求項3に記載の態様において、前記現像剤保持体に保持されている現像剤は、前記排出路形成部材の前記現像剤保持部材に対向する面に接触しないことを特徴とする。
本発明の請求項10に係る画像形成装置は、請求項1から9のいずれか1項に記載の現像装置と、静電潜像を保持し、前記現像装置から前記現像剤を供給される像保持体と、前記現像装置から供給された現像剤で現像された像を前記像保持体から媒体に転写する転写手段とを具備することを特徴とする。
請求項1、10に係る発明によれば、排出路において現像剤に作用する磁界を発生させる磁性体を有しない場合に比べて、収容器内の空気を収容器外へ排出させるための排出路を通って、現像剤が外部へ排出される可能性を低減させる。
請求項2に係る発明によれば、現像剤保持体の表面に現像剤を保持させるための磁界を発生させる磁性体を、現像剤が外部へ排出され難くすることに利用することができる。
請求項3に係る発明によれば、収容器の内壁面とともに排出路を形成する排出路形成部材を用いない場合に比べて、装置全体を小さくすることができる。
請求項4に係る発明によれば、頂上部よりも像保持体に近い位置に排出路の排出口を設けていない場合に比べて、排出路から排出する空気の処理を、像保持体の周囲にある空気の処理とともに行わせ易い。
請求項5に係る発明によれば、排出路から排出する空気の処理を、像保持体の周囲にある空気の処理とともに行わせることができる。
請求項6に係る発明によれば、排出路が現像剤保持体の外周面のうち、四分の一以上を覆わない場合に比べて、収容器内から収容器外へ排出させる空気の速度が緩やかになる。
請求項7に係る発明によれば、排出路の流入口が、現像剤保持体の回転軸よりも低い位置に設けられていない場合に比べて、排出される空気に現像剤が巻き込まれる可能性が抑制される。
請求項8に係る発明によれば、流入口を通過する空気の速度よりも、排出口を通過する空気の速度が遅くなる。
請求項9に係る発明によれば、現像剤保持体に保持されている現像剤が排出路形成部材に接触する場合に比べて、現像装置内の現像剤の浮遊が抑制される。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図。 現像装置の構成を示す図。 図2に示した領域を拡大した図。 変形例における排出路の形状を示す図。 変形例における磁性体の配置を示す図。
1.実施形態
1−1.画像形成装置の全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。以下、図において、画像形成装置1の各構成の配置を説明するため、各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。また、図に示す座標記号のうち、内側が白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。また、内側が白い円の中に交差する2本の線分を描いた記号は、紙面手前側から奥側に向かう矢印を表している。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。y、z成分についても、上記の定義に沿ってy軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。
同図に示すように、画像形成装置1は、制御部11と、現像部13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、定着部15と、搬送部16とを備えている。なお、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれは、用いるトナーが異なるのみであって、その構成に特段の差異はない。以下、現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、トナーの色を示す符号末尾のアルファベットを省略して「現像部13」と表記する。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ソリッドステートドライブやハードディスクドライブなどの記憶手段を有し、CPUがこれらの記憶手段に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより画像形成装置1の各部を制御する。
搬送部16は、容器と搬送ロールとを有する。容器には、予め定められたサイズにカットされた、媒体としての用紙Pが収容される。容器に収容されている用紙Pは、制御部11の指示により搬送ロールによって1枚ずつ取り出され、用紙搬送路を経由して転写部14へと搬送される。なお、媒体は用紙に限らず、例えば樹脂製のシートなどであってもよい。要するに、媒体は、表面に画像を記録し得るものであればよい。
各現像部13は、像保持体31と、帯電器32と、露光装置33と、現像装置34と、一次転写ロール35と、ドラムクリーナ36とを備えている。像保持体31は、電荷発生層や電荷輸送層を有する感光体ドラムであり、図示しない駆動部により図中の矢線D13の方向に回転させられる。帯電器32は像保持体31の表面を帯電させる。露光装置33はレーザ発光源やポリゴンミラーなど(いずれも図示せず)を備え、制御部11の制御の下、画像データに応じたレーザ光を、帯電器32により帯電させられた後の像保持体31に向けて照射する。これにより、各像保持体31には潜像が保持される。なお、上記の画像データは、制御部11が図示しない通信部を介して外部装置から取得したものであってもよい。外部装置とは、例えば原画像を読み取る読取装置や画像を示すデータを記憶した記憶装置などである。現像装置34は現像剤を像保持体31に供給する。これにより像保持体31には、画像が形成(現像)される。
一次転写ロール35は転写部14の中間転写ベルト41が像保持体31と対向する位置において予め定めた電位差を生じさせ、この電位差によって中間転写ベルト41に画像を転写する。ドラムクリーナ36は、画像の転写後に像保持体31の表面に残留している未転写のトナーを取り除き、像保持体31の表面を除電する。
転写部14は、中間転写ベルト41と、二次転写ロール42と、ベルト搬送ロール43と、バックアップロール44と、ベルトクリーナ49とを備えており、現像部13によって形成された画像を用紙Pに転写する転写部である。中間転写ベルト41は無端のベルト部材であり、ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44はこの中間転写ベルト41を張架する。ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44の少なくとも1つには駆動部(図示せず)が備えられており、中間転写ベルト41を図1の矢印D14方向に移動させる。なお、駆動部を有さないベルト搬送ロール43またはバックアップロール44は、中間転写ベルト41の移動に伴って回転する。中間転写ベルト41が図1の矢印D14方向に移動して回転することにより、中間転写ベルト41上の画像は、二次転写ロール42とバックアップロール44とに挟まれる領域に移動させられる。
二次転写ロール42は、中間転写ベルト41との電位差によって、中間転写ベルト41上の画像を搬送部16から搬送されてきた用紙Pに転写させる。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト41の表面に残留している未転写のトナーを取り除く。そして、転写部14または搬送部16は、画像が転写された用紙Pを定着部15へと搬送する。定着部15は、加熱によって用紙Pに転写された画像を定着させる。
1−2.現像装置の構成
図2は、現像装置34の構成を示す図である。また、図3は、図2に示した領域R0を拡大した図である。図2に示すように、現像装置34は、像保持体31の外周面のうち、下方であって+y方向側に配置されており、現像剤保持体340と、マグネットローラ344と、2本のスクリュ349を有する。また、図3に示すように、現像装置34は、収容器341と、排出路形成部材342とを有する。
収容器341は、Y,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容するとともに、現像剤保持体340、マグネットローラ344、および2本のスクリュ349を収容する。また、収容器341は、像保持体31に面した側に開口部3410を有する。
マグネットローラ344は、円柱状の部材であって、例えば内部に固定された永久磁石などの磁性体によって側面に決められた磁界を発生させる磁界発生手段である。マグネットローラ344の内部に固定された磁性体により発生した磁界は、現像剤を収容器341の外へ排出させないように現像剤に作用する。現像剤保持体340は、いわゆる現像スリーブであり、外周面に現像剤を保持してマグネットローラ344の周囲を回転しながら、静電潜像が形成された像保持体31に現像剤を供給する。現像剤保持体340は、収容器341の開口部3410を通して像保持体31と対向するように設けられている。マグネットローラ344は現像剤保持体340の内部に固定され、予め定められた角度位置に軸方向に沿って複数の磁極を形成する。現像剤保持体340がマグネットローラ344の各磁極に応じた場所を通過するときに、現像剤保持体340上の現像剤に対して磁力が作用する。
図3に示すように、マグネットローラ344は、複数の磁極として、主極S1、搬送極N1、および剥離極S2を形成する。主極S1は、S極であり、現像剤を像保持体31に供給するために像保持体31に向かって起立する磁気ブラシを形成するための磁極である。搬送極N1は、N極であり、現像剤を供給し終えた磁気ブラシを収容器341の内部へと搬送するための磁極である。剥離極S2は、S極であり、収容器341の内部に搬送された磁気ブラシを現像剤保持体340の表面から剥離させ、スクリュ349によって撹拌される撹拌領域に戻すための磁極である。
現像剤保持体340は、非磁性で円筒状の部材であり、マグネットローラ344の外周面の周囲を覆い、電圧が印加されて回転する。この現像剤保持体340が、図示しない駆動部により図2に示す矢印D0方向に回転させられることによって、マグネットローラ344から磁力の作用を受けた現像剤が矢印D0方向に搬送される。
2本のスクリュ349は、現像剤を攪拌しながら現像剤保持体340に供給する。供給されたこの現像剤は、マグネットローラ344が与える磁力により磁力線に沿って束状に配列し磁気ブラシを形成する。このように形成された磁気ブラシは、現像剤保持体340上に保持され、現像剤保持体340の回転とともに像保持体31に対向する位置に移動し、その穂先が像保持体31の表面に接触することで、トナーは像保持体31表面で露光装置33により露光された部分、すなわち静電潜像の画線部に付着する。これにより、像保持体31に画像が形成される。
排出路形成部材342は、現像剤保持体340の外周面に沿って現像剤保持体340の回転軸方向に延び現像剤保持体340の一部を覆うとともに、収容器341の内部から外部へ空気を排出する排出路343を収容器341の内壁面との間に形成する。排出路形成部材342は、収容器341の内壁面の一部分に設置されたリブ(図示せず)により、収容器341に支持される。排出路形成部材342は、現像剤保持体340の外周面が通過する位置のうち最も高い位置である頂上部Tを覆う。排出路343の排出口3432は、この頂上部Tよりも像保持体31に近い位置に設けられている。
収容器341のうち、開口部の下辺側には、弁V1および弁V2が設けられている。弁V1は、現像剤保持体340が矢印D0方向に進むほど現像剤保持体340の表面との距離が短くなる角度で現像剤保持体340に接している。弁V1は、現像剤保持体340と開口部の下辺側との隙間から現像剤が像保持体31に向かって吹き出し難くなるように空気の流れを制限する。また、弁V2は、像保持体31に接することで、現像剤の拡散を抑制する。
層規制部材Bは、トリマーバーなどと呼ばれる部材であり、矢印D0方向に回転する現像剤保持体340の表面に形成された磁気ブラシに接触して一部を掻き落とし、磁気ブラシを決められた高さに近づくよう調整する。掻き落とされた現像剤はスクリュ349に戻る。高さが調整された磁気ブラシは、像保持体31に対向する位置を通過して、像保持体31の表面にトナーを供給した後、排出路形成部材342に覆われる領域Rに移動する。
排出路形成部材342には、弁V3が設けられている。弁V3は、現像剤保持体340が矢印D0方向に進むほど現像剤保持体340の表面との距離が短くなる角度で現像剤保持体340に接している。弁V3は、現像剤保持体340と開口部の上辺側との隙間から現像剤が像保持体31に向かって吹き出し難くなるように空気の流れを制限する。
このように、弁V1および弁V3によって、収容器341の内部の空気は開口部3410から像保持体31に向かう方向に流れ難くなるように制限されている。そして、弁V3を通過して頂上部Tに至る磁気ブラシは、空気を巻き込んで収容器341の内部に進むため、収容器341の内圧は上昇する。
排出路形成部材342は、例えば、図3に示すように、現像剤保持体340の全外周面のうち、頂上部Tに位置する部分を含む四分の一以上の領域Rを覆っている。領域Rに移動してくる現像剤保持体340上には、層規制部材Bにより規制されたあとの磁気ブラシが形成されるが、排出路形成部材342は、この磁気ブラシと接触しない程度の距離を保って配置されている。磁気ブラシが排出路形成部材342と接触して磁気ブラシが崩れてしまう場合に比べて、収容器341内で発生する現像剤の浮遊が抑制される。
収容器341の内部の空気は、図3に示す矢印D1方向に沿って、排出路343の流入口3431に入る。そして、排出路343は、像保持体31に向けて形成されているので、流入口3431から流入した空気は排出口3432から像保持体31に向かう矢印D2方向に沿って排出される。これにより、収容器341の内圧の上昇は抑制される。
ここで、マグネットローラ344により発生する磁極と排出路343との関係について説明する。例えば現像装置34が画像形成装置1から取り外され、傾けられたときに、収容器341の内部に収容されている現像剤が流入口3431から排出路343に入り込む場合がある。図3に示すように、排出路343は、マグネットローラ344により発生する磁極のうち、搬送極N1および剥離極S2から伸びる磁力線をそれぞれ横切る位置であって、これらの磁極に働く磁場によって引き寄せられ得る距離の範囲内に形成されている。これにより、たとえ排出路343に現像剤が入り込んだとしても、この現像剤に含まれる磁性キャリアは、搬送極N1または剥離極S2からそれぞれ伸びる磁力線が横切る位置においてその磁力線による作用を受ける。すなわち、マグネットローラ344の内部に設けられた磁性体が排出路343に存在する現像剤に作用する磁界を発生させ、その現像剤を排出路343内に留めるため、磁性キャリアは排出路343内に拘束される。
また、本実施形態においては、現像剤をマグネットローラ344側に引き寄せる磁場が、収容器341の内壁面の位置まで及んでいる。つまり、マグネットローラ344の内部に設けられた磁性体は、排出路343内に、収容器341の内壁面に接する現像剤を保持可能な磁界を発生させている。よって、たとえ排出路343内に多量の現像剤が入り込んだとしても、排出路343内の搬送極N1または剥離極S2に対応する位置で、収容器341の内壁面に接する高さまで磁気ブラシが形成されることになる。その結果、排出路343に入り込んだ現像剤が排出口3432から現像装置34の外部に排出する可能性は低減される。
以上、説明した通り、現像装置34には、排出路343がマグネットローラ344により発生する剥離極S2などから伸びる磁力線を横切るように形成されているので、収容器341の内部の空気を外部へ排出させるための排出路343を通って現像剤が外部へ排出される可能性が低減される。
なお、図3に示すように、排出口3432の厚さw2が流入口3431の厚さw1よりも厚くなるように排出路343は構成されていてもよい。ここで排出路343における「厚さ」とは、現像剤保持体340の回転軸Oから現像剤保持体340の外周面に向かって放射状に伸びる線に沿った長さである。排出口3432および流入口3431が、例えば、現像剤保持体340の軸方向の長さと同じ長さを有している場合、厚さが厚い排出口3432の方が流入口3431よりも断面積が大きい。つまり、排出路343において空気を排出する排出口3432の断面積は、排出路343において空気が流入する流入口3431の断面積よりも大きい。その結果、空気が排出口3432を通過する速度は、流入口3431を通過する速度よりも遅くなり、現像剤がこの空気によって排出路343から排出される可能性は低減する。
また、像保持体31の周囲は、現像剤を含んだ空気が滞留し易いから、像保持体31の近くには、これら滞留する空気を吸引するクラウド処理装置が設けられていることが多い。上述したように、排出路343は、像保持体31に向けて形成されているので、上述したクラウド処理装置が設けられている場合には、新たに別の処理装置を設けなくてもこのクラウド処理装置によって、現像装置34の収容器341内の空気が処理される。
また、形成された排出路343は、現像剤保持体340の外周面に沿って形成されるとともに、この外周面が通過する位置のうち最も高い位置である頂上部Tを覆うので、排出路343の流入口3431から流入する空気は、頂上部Tを越えるまで重力に逆らって流れる。したがって、流入する空気が頂上部Tを越えるまでに、空気に含まれる現像剤が重力によって分離し易く、排出される空気に含まれたトナーが媒体などを汚す可能性が抑えられる。
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上述した実施形態において、排出路343は、像保持体31に向けて形成されていたが、頂上部Tよりも像保持体31に近い位置に設けられているのであれば、像保持体31に向けて形成されていなくてもよい。
図4は、この変形例における排出路343aの形状を示す図である。この変形例において、現像装置34aは、現像剤保持体340aと、マグネットローラ344aと、収容器341aと、排出路形成部材342aとを有する。現像装置34aが上述した現像装置34と異なる点は、現像剤保持体340aの上方を覆う収容器341aのうち、像保持体31(図4において図示せず)側の端部が、排出路形成部材342aの像保持体31側の端部よりも、像保持体31から離れた位置にある点である。そのため、排出路343aの排出口3432aは、像保持体31に向いていない。しかし、図4に示すように、収容器341aおよび排出路形成部材342aの上述した像保持体31側の端部は、いずれも、頂上部Tより像保持体31に近い位置にある。その結果、この変形例においても排出口3432aは、この頂上部Tよりも像保持体31に近い位置に存在する。したがって、上述したクラウド処理装置が像保持体31の周囲に設けられている場合には、新たに別の処理装置を設けなくてもこのクラウド処理装置によって、現像装置34aの収容器341a内の空気が処理される。
2−2.変形例2
上述した実施形態において、排出路形成部材342は、現像剤保持体340の全外周面のうち、頂上部Tに位置する部分を含む四分の一以上を覆っていたが、排出路形成部材342が覆う現像剤保持体340の全周に対する割合は、四分の一以上でなくてもよい。例えば、排出路343に空気が流入する流入口3431が、現像剤保持体340の回転軸Oよりも低い位置に設けられていればよい。
2−3.変形例3
上述した実施形態において、排出路形成部材342は、現像剤保持体340の外周面に沿って現像剤保持体340の一部を覆うように排出路343を形成していたが、排出路343は、現像剤保持体340の外周面に沿って形成されていなくてもよい。
また、収容器341の外へ排出させないように現像剤に作用する永久磁石などの磁性体は、マグネットローラ344の内部に設けられていたが、マグネットローラ344の外に設けられてもよい。また、この磁性体は永久磁石に限らない。上記の磁性体は、収容器341の外へ排出させないように現像剤に作用するのであれば電磁石であってもよい。
図5は、この変形例における磁性体の配置を示す図である。図5(a)には、排出路343bを形成する排出路形成部材342bと、排出路343bに沿って設けられた磁性体M1とが描かれている。以下、この変形例における現像装置34bの各構成は、上述した実施形態の現像装置34における対応する構成の符号に添字「b」を付した符号を用いて説明する。
図5(a)に示した排出路形成部材342bは、収容器341bの筐体のうち、現像剤保持体340bよりも+y方向に設けられた開口部に設けられており、その開口部の縁から+y方向に伸びている。そしてこの排出路形成部材342bにより形成される排出路343bも+y方向に伸びている。この場合、排出路形成部材342bは、排出路343bを収容器341bの内壁面との間に形成しなくてもよい。磁性体M1は図5(a)に示すように排出路343bに沿って設けられており、排出路343bに向けて磁極S3を発生させる。磁極S3が作る磁界は、収容器341bの外へ排出させないように排出路343bにおいて現像剤に作用する。
また、上述した実施形態において、排出路形成部材342は、現像剤保持体340の外周面が通過する位置のうち最も高い位置である頂上部Tを覆っており、頂上部Tよりも像保持体31に近い位置に排出路343の排出口3432を設けていたが、排出路および排出口の配置はこれに限られない。図5(b)には、現像装置34cにおいて、収容器341cの筐体外壁に沿って排出路343cを形成する排出路形成部材342cが描かれている。以下、この変形例における現像装置34cの各構成は、上述した実施形態の現像装置34における対応する構成の符号に添字「c」を付した符号を用いて説明する。
収容器341cは、現像剤保持体340cを収容するとともに、2本のスクリュ349cを収容している。2本のスクリュ349cは、現像剤保持体340cよりも−z方向で且つ+y方向に設けられており、収容器341cの筐体は、このスクリュ349cに沿った形状を有する。収容器341cの筐体は、現像剤保持体340の+y方向に開口しており、この開口部から排出路形成部材342cがこの収容器341cの筐体外壁に沿って伸びている。排出路形成部材342cは、収容器341cの筐体の外壁面とともに、排出路343cを形成する。磁性体M2は、図5(b)に示すように排出路343cに沿って設けられており、磁性体M2による磁界は、収容器341cの外へ排出させないように排出路343cにおいて現像剤に作用する。
なお、本変形例の場合、収容器341cの筐体の内壁面は、現像剤保持体340cに保持されている磁気ブラシと接触しないように設けられていてもよい。磁気ブラシが収容器341cの筐体の内壁面と接触して磁気ブラシが崩れてしまう場合に比べて、収容器341c内で発生する現像剤の浮遊は抑制される。
1…画像形成装置、11…制御部、13…現像部、14…転写部、15…定着部、16…搬送部、31…像保持体、32…帯電器、33…露光装置、34…現像装置、340…現像剤保持体、341…収容器、3410…開口部、342…排出路形成部材、343…排出路、3431…流入口、3432…排出口、344…マグネットローラ、349…スクリュ、35…一次転写ロール、36…ドラムクリーナ、41…中間転写ベルト、42…二次転写ロール、43…ベルト搬送ロール、44…バックアップロール、49…ベルトクリーナ。

Claims (10)

  1. 現像剤を保持して回転しながら、静電潜像が形成された像保持体に当該現像剤を供給する円筒状の現像剤保持体と、
    前記現像剤保持体を収容する収容器と、
    前記収容器内から当該収容器外へ空気を排出する排出路を形成する排出路形成部材と、
    前記排出路に存在する前記現像剤に作用する磁界を発生させ、当該現像剤を前記排出路内に留める磁性体と
    を有する現像装置。
  2. 前記排出路は、前記現像剤保持体の外周面に沿って形成され、
    前記磁性体は、前記現像剤保持体の内部に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記排出路形成部材は、前記収容器の内壁面とともに前記排出路を形成し、
    前記磁性体は、前記排出路内に、前記内壁面に接する現像剤を保持可能な磁界を発生させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記排出路形成部材は、前記現像剤保持体の外周面が通過する位置のうち最も高い位置である頂上部を覆い、当該頂上部よりも前記像保持体に近い位置に当該排出路の排出口を設ける
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
  5. 前記排出路は、前記像保持体に向けて形成される
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 前記排出路は、前記現像剤保持体の外周面のうち、四分の一以上を覆う
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置。
  7. 前記排出路に前記空気が流入する流入口は、前記現像剤保持体の回転軸よりも低い位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の現像装置。
  8. 前記排出路において前記空気を排出する排出口の断面積は、当該排出路において当該空気が流入する流入口の断面積よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の現像装置。
  9. 前記現像剤保持体に保持されている現像剤は、前記排出路形成部材の前記現像剤保持部材に対向する面に接触しない
    ことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の現像装置と、
    静電潜像を保持し、前記現像装置から前記現像剤を供給される像保持体と、
    前記現像装置から供給された現像剤で現像された像を前記像保持体から媒体に転写する転写手段と
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
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