薬作用物質は、それぞれ単独の薬作用物質(単一の薬物化合物)またはあらかじめ混合された薬作用物質(一緒に調製された複数の薬物化合物)を含む、2つ以上の複数の用量リザーバ、容器、またはパッケージ内に含まれることがある。
特定の疾患状態は、1つまたはそれ以上の異なる薬剤を使用する治療を必要とする。いくつかの薬物化合物は、最適な治療用量を送達するために、互いとの特定の関係で送達される必要がある。本特許出願は、併用療法が望ましい、しかしそれだけに限らないが安定性、治療成績の低下、および毒性などの理由で単一配合物では可能でない場合に特に有益である。
たとえば、場合によっては、糖尿病患者を、GLP−1またはGLP−1類似物などのグルカゴン様ペプチド−1(第2の薬物または副薬剤とも呼ばれることがある)と共に、長時間作用型インスリン(第1の薬剤または主薬剤とも呼ばれることがある)で治療することが有益なことがある。
したがって、使用者が実行するのが簡単で薬物送達デバイスの複雑な物理的な操作を伴わない単回の注射または送達工程で1つまたはそれ以上の薬剤を送達するためのデバイスを提供することが求められている。提案する薬物送達デバイスは、2つ以上の活性薬作用物質に対する別個の貯蔵容器またはカートリッジ保持器を設ける。その場合、これらの活性薬作用物質のみが、単一の送達手順の間に患者に併用および/または送達される。これらの活性薬品は、組み合わされた用量で一緒に投与してもよいし、あるいは、これらの活性薬品は順次相次いで組み合わせてもよい。
薬物送達デバイスはまた、薬剤の量を変える機会を考慮に入れる。たとえば、1つの流体の量は、注射デバイスの特性を変更する(たとえば、使用者変更可能な用量を設定すること、またはデバイスの「固定」用量を変更すること)ことによって変えることができる。第2の薬剤の量は、さまざまな副薬含有パッケージを製造し、それぞれの変種が異なる体積および/または濃度の第2の活性薬品を含むことによって、変更することができる。
薬物送達デバイスは、単一の投薬インターフェースを有することができる。このインターフェースは、1次リザーバおよび少なくとも1つの薬作用物質を含む薬剤の2次リザーバと流体連通するように構成することができる。薬物投薬インターフェースは、2つ以上の薬剤がシステムを出て患者に送達可能なある種の出口とすることができる。
別々のユニットとして、または混合ユニットとしての化合物の組み合わせは、両頭針アセンブリを介して身体に送達することができる。これは、使用者の観点からは標準的なニードル・アセンブリを使用する現在入手可能な注射デバイスに厳密に適合する形で達成される組み合わせ薬物注射システムを提供する。1つの可能な送達手順は、以下の工程を必要とすることがある:
1.投薬インターフェースを電気機械式注射デバイスの遠位端に付ける/取り付ける。この投薬インターフェースは、第1の近位針と、第2の近位針とを備える。第1の針および第2の針はそれぞれ、主化合物を含む第1のリザーバおよび副化合物を含む第2のリザーバを穿刺する。
たとえば、投薬インターフェースを注射デバイスに取り付ける間、以下の一連の工程を少なくとも部分的に行うことができる:
− 取付け手段を位置合わせする、
− ばねをトリガする、
− 第1のリザーバおよび第2のリザーバのセプタムをそれぞれ第1の針および第2の針により穿刺する、
− 投薬インターフェースのロックアウトばねなどの再使用防止具(reuse protection)を起動する、および
− 投薬インターフェースをスナップ嵌め連結によって注射デバイスに固着する。
2.両頭針アセンブリなどの用量投薬器を投薬インターフェースの遠位端に付ける。このようにして、ニードル・アセンブリの近位端は、主化合物と副化合物の両方と流体連通する。
3.主化合物の所望の用量を注射デバイスから、たとえばグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)によってダイヤルを回す/設定する。
4.使用者が主化合物の用量を設定した後、マイクロプロセッサにより制御される制御ユニットが、副化合物の用量を決定または計算することができ、好ましくは、この第2の用量を、前もって記憶された治療用量プロファイルに基づいて決定または計算することができる。次に使用者によって注射されるのは、薬剤のこの計算された組み合わせである。この治療用量プロファイルは、使用者により選択可能とすることができる。
5.場合により、第2の用量を計算した後、デバイスを着装(armed)状況にしてもよい。このような任意選択の着装状況では、これは、制御パネル上の「OK」ボタンを押すおよび/または保つことによって達成することができる。この状況は、組み合わされた用量を投薬するためにデバイスを使用できるようになる前に、所定の期間より長い期間提供することができる。
6.次に、使用者は、用量投薬器の遠位端(たとえば、両頭針アセンブリ)を所望の注射部位に挿入するまたは当てる。注射ユーザ・インターフェース(たとえば、注射ボタン)を起動することによって、主化合物と副化合物(と、場合によっては第3の薬剤)の組み合わせの用量を投与する。
両方の薬剤は、1つの注射針または用量投薬器によって1つの注射工程で送達することができる。これは、2回の別個の注射の投与と比較して使用者が行う工程の減少に関して、使用者に便利な利益をもたらす。
特定回数の注射(たとえば、1回の注射、3回の注射、5回の注射、10回の注射、20回の注射、50回の注射など)の後、または特定の時間(たとえば3日、7日、14日など)の後、用量投薬器および/または投薬インターフェースが汚染される危険があり、さらに、用量投薬器および/または投薬インターフェースの針の先端が鈍くなることがある。たとえば、針の鈍くなった先端がセプタムおよび/または組織を十分に穿刺できないことがあり、たとえば、鈍くなった針を所望の注射部位に挿入することが非常に痛みを伴う場合がある。そのうえ、バルブ配置などの用量投薬器および/または投薬インターフェースの機械的部材は、特定の回数の注射(たとえば、1回の注射、3回の注射、5回の注射、10回の注射、20回の注射、50回の注射など)のみに対して適切に機能する場合がある。
したがって、投薬インターフェースは、注射デバイスから着脱可能とすることができる。たとえば、投薬インターフェースは、解除ボタンを押すことによって、注射デバイスから取り外すことができる。
たとえば、投薬インターフェースを注射デバイスから取り外す間、投薬インターフェースと注射デバイスの間のスナップ嵌め連結が解除され、その結果、投薬インターフェースが戻り止め位置に移動し、この移動中に、以下の一連の工程を少なくとも部分的に行うことができる:
− セプタムから針を取り外し、その結果、流体接続がなくなる、および
− 投薬インターフェースの再取付けを防止するロックアウトばねなどの再使用防止具を起動する。
戻り止め位置にくると、投薬インターフェースは次に、使用者が手動で取り外すことができる。
しかし、投薬インターフェースの部分的な取付けまたは取外しならびに再使用防止具を回避する可能性に関連する危険がいくつかある。たとえば、使用者が、投薬インターフェースを部分的にだけ取り外し、次に投薬インターフェースを押し戻そうとすることによって投薬インターフェースを再度取り付けることがある。ハブの再取付けは、薬物が投薬インターフェース内に無制限に置かれ、潜在的に汚染または劣化するという危険を伴う。
したがって、本発明は、とりわけ、これらの危険を軽減するという技術的な問題に直面する。
本発明によれば、装置は、第1の検出ユニットと第2の検出ユニットとを備える検出配置を備え、この検出配置は、少なくとも、装置への取付け可能ユニットの部分的な取付けおよび装置への取付け可能ユニットの完全な取付けを検出するように構成され、取付け可能ユニットは、装置に取外し可能に取り付けられるように構成され、検出配置は、装置への取付け可能ユニットの完全な取付けが検出されたときのみ、装置の少なくとも1つの機能を有効にするように構成される。
本発明によれば、方法は、第1の検出ユニットと第2の検出ユニットとを備える検出配置によって、装置への取付け可能ユニットの部分的な取付けおよび装置への取付け可能ユニットの完全な取付けを検出するステップであって、取付け可能ユニットは、装置に取外し可能に取り付けられるように構成される、ステップと、装置への取付け可能ユニットの完全な取付けが検出されたときのみ、装置の少なくとも1つの機能を有効にするステップとを含む。
装置は、注入デバイスまたは注射デバイス、たとえばインスリン注射ペンなどの、薬作用物質(たとえば薬剤の用量)を排出するように構成された医療デバイスなどの薬物送達デバイスとすることができる。注射デバイスは、医療関係者によって使用されても、患者自身によって使用されてもよい。一例として、1型糖尿病および2型糖尿病は、たとえば1日1回または複数回のインスリン用量の注射によって患者自身により治療することができる。
たとえば、装置は、第1の薬剤および第2の薬剤をそれぞれ備える別個のリザーバ(たとえばカートリッジ)から少なくとも2つの薬作用物質を排出するように構成された医療デバイスであるが、これに限定されない。あるいは、医療デバイスは、たとえば、出願人のSolostar(登録商標)インスリン注射ペンなどの、単一リザーバ(たとえば単一カートリッジ)から薬作用物質を排出するように構成された従来の医療デバイスである。
取付け可能ユニットは、薬物送達デバイスなどの医療デバイスに取付け可能な(使い捨て)部材とすることができる。たとえば、取付け可能ユニットは、薬作用物質を排出するように構成された医療デバイスに取付け可能な投薬インターフェースである。投薬インターフェースは、少なくとも1つの薬剤を含む医療デバイスの少なくとも1つの流体リザーバ(たとえば1つのカートリッジ)と流体連通するように構成することができる。たとえば、投薬インターフェースは、少なくとも1つの薬剤が医療デバイスを退出することが可能な一種の出口である。
取付け可能ユニットは、装置に取外し可能に取付け可能である。具体的には、取付け可能ユニットを形成する投薬インターフェースは、上記で説明したように、医療デバイスに取付け可能およびそこから着脱可能とすることができるが、これに限定されるものではない。
装置への取付け可能ユニットの部分的な取付け(すなわち取付け)は、たとえば、装置への取付け可能ユニットの取付けの開始に相当する。たとえば、装置および取付け可能ユニットは、装置と取付け可能ユニットの間の分離可能な機械的連結および/または流体接続を形成するように構成された嵌合取付け手段を備える。嵌合取付け手段の例としては、スナップ・ロック、スナップ嵌め、スナップ・リング、突起の付いた(keyed)スロット、ネジ山、ルアコネクタ、カニューレ、穿刺可能なセプタム、およびこれらの任意の組み合わせがある。たとえば、装置への取付け可能ユニットの取付けは、取付け可能ユニットおよび装置の嵌合取付け手段が位置合わせされる、接触する、部分的に導入されるときなどに、たとえば(固着された)機械的連結および/または流体接続を形成することなく開始される。
装置への取付け可能ユニットの完全な取付けは、たとえば、装置への取付け可能ユニットの取付けの完了に相当する。たとえば、装置への取付け可能ユニットの取付けは、取付け可能ユニットおよび装置の嵌合取付け手段が(固着された)機械的連結、特に固着された機械的連結および/または流体接続を形成するときに完了する。たとえば、嵌合取付け手段が、カチッと留められるなど係合するとき、連結は固着される。
検出配置は、少なくとも2つの検出ユニット、すなわち第1の検出ユニットと第2の検出ユニットとを備え、検出配置は、少なくとも、取付け可能ユニットの装置への部分的な取付けおよび取付け可能ユニットの装置への完全な取付けを検出するように構成される。たとえば、第1の検出ユニットは装置への取付け可能ユニットの部分的な取付けを検出するように構成され、第2の検出ユニットは装置への取付け可能ユニットの完全な取付けを検出するように構成される。これは、とりわけ、取付けが開始されているが完了していないかどうか検出すること、およびたとえば、それに応じて装置の使用者に知らせることを可能にするのに有利である。具体的には、少なくとも、以下の3つの状況を区別することができる:
− 装置からの取付け可能ユニットの完全な取外し(たとえば、連結がまったくない)、
− 装置への取付け可能ユニットの開始された/部分的な取付け(たとえば、固着された連結がない)、および
− 装置への取付け可能ユニットの完了された取付け(たとえば、固着された連結)。
検出配置は、装置への取付け可能ユニットの完全な取付けが検出されたときのみ、装置の少なくとも1つの機能を有効にするように構成される。検出配置は、微小機械的配置、電気的配置、および/またはそれらの組み合わせなどの機械的配置とすることができる。たとえば、検出配置は、装置への取付け可能ユニットの完全な取付けが検出されないときに装置の少なくとも1つの機能を機械的に無効にする(たとえばブロックする)(微小)機械的配置から形成される。この代わりに、またはこれに加えて、検出配置は、(微小)電気的配置から少なくとも部分的に形成することができる。たとえば、検出配置は、装置への取付け可能ユニットの完全な取付けが検出されないときに装置の少なくとも1つの機能が電気的および/または論理的に無効であるように、装置の処理ユニットにおいて少なくとも部分的に実施することができる。これは、とりわけ、装置と取付け可能ユニットの間に安全な連結があるときにのみ装置の少なくとも1つの機能を有効にするのに有利である。たとえば、装置の適切な機能および/または少なくとも1つの機能のうちの適切な機能は、このような安全な連結に依存することができる。
マイクロプロセッサ制御ユニットなどの処理ユニットは、たとえば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などである。処理ユニットは、プログラム・メモリ内に記憶されたプログラム・コード(たとえば、ソフトウェアまたはファームウェア)を実行することができ、メイン・メモリを使用して、たとえば中間結果を記憶する。たとえば、プログラム・メモリは、コンピュータ・プログラムが処理ユニット上で実行されたときに本発明による方法を実行するためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムを備えることができる。このコンピュータ・プログラムは、たとえばインターネットなどのネットワークを介して、たとえば配信可能とすることができる。このコンピュータ・プログラムは、たとえば、コンピュータ可読媒体内に記憶可能またはコード化可能とすることができる。
処理ユニットは、第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットと通信するように構成することができ、たとえば、処理ユニットは、完全な取外し、部分的な取付け、および完全な取付けを表す信号を、検出ユニットから受け取るように構成することができる。
装置が、薬剤を排出するように構成された医療デバイスであり、取付け可能ユニットが、これに取付け可能な投薬インターフェースである例では、投薬インターフェースを介した薬剤の選択された用量の適切な排出は、安全な機械的連結および流体接続が投薬インターフェースと医療デバイスの間に形成されるときのみ、保証することができる。この例では、薬剤の用量選択および/または排出は、安全な機械的連結および流体接続を形成する、装置への取付け可能ユニットの完全な取付けが検出されるときのみ、検出配置によって有効とすることができる。そのうえ、取り付けられた投薬インターフェースの部分的な取外しおよび部分的にのみ取り外された投薬インターフェースの再取付けも検出することができ、この状況では、薬剤の用量選択および/または排出は検出配置によって有効にされないことができる。
上記で説明したように、投薬インターフェースなど取付け可能ユニットの部分的な取付けまたは取外しに関連する危険がいくつかある。これらの危険を効果的に軽減するため、装置は、少なくとも2つの検出ユニットを備える検出配置を備える。
以下では、本発明の特徴および実施形態(さらなる特徴を示す)について説明する。これらは、上記で説明した装置および方法に同様に適用されることが理解されよう。これらの単一の特徴/実施形態は例示的で非限定的であると見なされ、上記で説明した装置および方法の他の開示される特徴/実施形態とは独立して、それぞれ組み合わせ可能であると考えられる。それにもかかわらず、これらの特徴/実施形態は、同様に、互いとの、ならびに上記で説明した装置および方法との全ての考えられ得る組み合わせとして開示されると考えられるものとする。たとえば、本発明による装置が特定のアクションを実行するように構成されるという記載は、本発明による方法の一致した方法工程も開示すると理解されたい。
本発明の一実施形態によれば、第1の検出ユニットは、取付け可能ユニットが装置に少なくとも部分的に取り付けられたときに起動され、第2の検出ユニットは、取付け可能ユニットが装置に完全に取り付けられたときに起動される。
たとえば、第1の検出ユニットは、装置への取付け可能ユニットの取付け中に早く起動され、取付けが開始されたことを知らせるように装置内に配置される。たとえば、第1の検出ユニットは、取付け可能ユニットが装置から完全に取り外されるまで起動されたままである。たとえば、第2の検出ユニットは、取付け手段が装置と取付け可能ユニットの間の機械的連結および/または流体接続などの(安全な)連結を形成するときのみ、第2の検出ユニットが起動され、取付けが完了したことを知らせるように装置内に配置される。
これは、とりわけ、取付けが開始されているが完了していないかどうか検出すること、およびたとえば、それに応じて装置の使用者に知らせることを可能にするのに有利である。具体的には、少なくとも、以下の3つの状況を区別することができる:
− 装置からの取付け可能ユニットの完全な取外し(たとえば、連結がまったくない)、
− 装置への取付け可能ユニットの開始された/部分的な取付け(たとえば、固着された連結がない)、および
− 装置への取付け可能ユニットの完全な取付け(たとえば、固着された連結)。
本発明の一実施形態によれば、検出配置は、第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットが起動される、たとえばその後および/または同時に起動されるときのみ、装置の少なくとも1つの機能を有効にするように構成される。
たとえば、装置に取付け可能ユニットを取り付けるとき、第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットはその後で起動され、ならびに/または、取付け可能ユニットが装置に完全に取り付けられたとき、第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットが同時に起動される。
これは、とりわけ、装置と取付け可能ユニットの間に安全な連結があるときにのみ装置の少なくとも1つの機能を有効にするのに有利である。
本発明の一実施形態によれば、検出配置は、装置からの取付け可能ユニットの部分的な取外しおよび装置からの取付け可能ユニットの完全な取外しを検出するように構成され、検出配置は、少なくとも装置からの取付け可能ユニットの部分的な取外しが検出されたとき、装置の少なくとも1つの機能を無効にするように構成される。
たとえば、第2の検出ユニットは装置からの取付け可能ユニットの部分的な取外しを検出するように構成され、第1の検出ユニットは装置からの取付け可能ユニットの完全な取外しを検出するように構成される。これは、とりわけ、取外しが開始されているが完了していないかどうか検出すること、およびたとえば、それに応じて装置の使用者に知らせることを可能にするのに有利である。具体的には、少なくとも、以下の3つの状況を区別することができる:
− 装置への取付け可能ユニットの完全な取付け(たとえば、固着された連結)
− 装置からの取付け可能ユニットの開始された/部分的な取外し(たとえば、固着された連結がない)、および
− 装置からの取付け可能ユニットの完全な取外し(たとえば、連結がまったくない)。
本発明の一実施形態によれば、第2の検出ユニットは、取付け可能ユニットが装置から少なくとも部分的に取り外されたときに起動され、第1の検出ユニットは、取付け可能ユニットが装置から完全に取り外されたときに起動される。
たとえば、第2の検出ユニットは、装置からの取付け可能ユニットの取外し中に早く停止状態にされ、取外しが開始されたことを知らせるように装置内に配置される。たとえば、第1の検出ユニットは、取外しが完了したときのみ第1の検出ユニットが停止状態にされ、取外しが完了したことを知らせるように装置内に配置される。
上記で説明したように、これは、とりわけ、取外しが開始されているが完了していないかどうか検出すること、およびたとえば、それに応じて装置の使用者に知らせることを可能にするのに有利である。
本発明の一実施形態によれば、検出配置は、第2の検出ユニットが停止状態にされたとき装置の少なくとも1つの機能を無効にするように構成される。これは、とりわけ、装置と取付け可能ユニットの間に安全な連結があるときにのみ装置の少なくとも1つの機能を有効にすること、および、そうでない場合は、その少なくとも1つの機能を無効にするのに有利である。
本発明の一実施形態によれば、検出配置は、第2の検出ユニットが停止状態にされた後、その後第1の検出ユニットが停止状態にされたとき、およびその後第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットが起動されたときのみ、装置の少なくとも1つの機能を有効にするように構成される。たとえば、検出配置は、装置からの取付け可能ユニットの完全な取外しおよびその後の装置への取付け可能ユニットの完全な取付けの後でのみ、装置の少なくとも1つの機能を有効にするように構成される。
この実施形態は、とりわけ、装置への取付け可能ユニットの再取付けを防止する取付け可能ユニットのロックアウトばねなどの再使用防止機構の回避を防止するのに有利である。
たとえば、取付け可能ユニットは、あらかじめ定義された期間および/または使用法にのみ有効な投薬インターフェースなどの使い捨て部材である。たとえば、特定の回数の排出(たとえば、1回の排出、3回の排出、5回の排出、10回の排出、20回の排出、50回の排出など)の後、または特定の時間(たとえば、1日、3日、7日、14日など)の後、薬剤を排出するように構成された医療デバイスに取り付けられた投薬インターフェースが汚染される危険がある。そのうえ、バルブ配置などの投薬インターフェースの機械的部材は、特定の回数の排出(たとえば、1回の排出、3回の排出、5回の排出、10回の排出、20回の排出、50回の排出など)のみに対して適切に機能する場合がある。したがって、投薬インターフェースは必ず、あらかじめ定義された期間および/またはあらかじめ定義された回数の排出の後で、薬剤を排出するように構成された医療デバイスから取り外すことができる。
たとえば、医療デバイスは、あらかじめ定義された期間および/またはあらかじめ定義された回数の排出後で投薬インターフェースを取り外すこと、および医療デバイスへの投薬インターフェースの再取付けを防止することを使用者に要求することができ、投薬インターフェースは、たとえば再取付けを機械的に防止する再使用防止機構を備えることができる。この再使用防止機構は、たとえば、投薬インターフェースが医療デバイスから(完全に)取り外されたときに起動される。この例では、(古い)投薬インターフェースが医療デバイスから完全に取り外され、その後で(新しい)投薬インターフェースが医療デバイスに完全に取り付けられるときのみ薬剤の用量選択および/または排出を有効にすることによって、(古い)投薬インターフェースの再取付けが防止される。
本発明の一実施形態によれば、第1の検出ユニットおよび/または第2の検出ユニットは、光センサ、接触センサ、および近接センサのうちの少なくとも1つである。光センサは、たとえば、電荷結合デバイス、フォト・ダイオード、フォト・レジスタ、フォト・トランジスタ、赤外線センサなどである。接触センサは、たとえば、接点スイッチ、圧力起動式スイッチなどである。近接センサは、たとえば、リード・スイッチ、静電容量タッチ・スイッチまたは抵抗タッチ・スイッチなどのタッチ・スイッチなどである。
たとえば、第1の検出ユニットのタイプおよび位置は、装置への取付け可能ユニットの取付けの開始を感知できるように選定し、第2の検出ユニットのタイプおよび位置は、装置への取付け可能ユニットの完全な取付けを感知できるように選定することができる。たとえば、第1の検出ユニットのタイプおよび位置は、装置からの取付け可能ユニットの完全な取外しを感知できるように選定し、第2の検出ユニットのタイプおよび位置は、装置からの取付け可能ユニットの取外しの開始を感知できるように選定することができる。
たとえば、装置への取付け可能ユニットの取付けは、取付け可能ユニットおよび装置の嵌合取付け手段が位置合わせされる、接触する、部分的に導入されるときなどに開始される。たとえば、第1の検出ユニットは、取付け可能ユニットの嵌合取付け手段と装置の嵌合取付け手段が接触したときに起動されて取付けの開始を知らせ、嵌合取付け手段が互いから完全に取り外されるときに停止状態にされて取外しの完了を知らせるように、装置の取付け手段の面において遠位位置に配置された近接センサである。
たとえば、装置への取付け可能ユニットの取付けは、取付け可能ユニットおよび装置の嵌合取付け手段が(固着された)連結、特に固着された機械的連結および/または流体接続を形成するときに完了する。たとえば、第2の検出ユニットは、取付け可能ユニットの嵌合取付け手段と装置の嵌合取付け手段が係合したときに起動されて完全取付けを知らせ、嵌合取付け手段が互いから完全に取り外されるときに停止状態にされて部分的な取外しを知らせるように、装置の取付け手段の面において近位位置に配置された近接センサである。
遠位位置は、近位位置より取付け手段の遠位端に近づくことができる。
たとえば、取付け可能ユニットを装置に取り付けるとき、取付け可能ユニットの面は、装置の面に沿って摺動することができる。取付けが開始されるとき、取付け可能ユニットの面は、装置の面の遠位部分のみを覆うことができる。取付けが完了したとき、取付け可能ユニットの面は、装置の面の近位部分も覆うことができる。たとえば、第1の検出ユニットは、装置の面の遠位部分に配置することができ、第2の検出ユニットは、装置の面の近位部分に位置することができる。
本発明の一実施形態によれば、検出配置は、取付け可能ユニットの部分的な取付けおよび/または部分的な取外しが検出されたときに警告を起動するように構成される。たとえば、検出配置は、装置の表示ユニット上に警告メッセージを表示するように、および/または音響による警告メッセージを生成するように構成することができる。たとえば、使用者に、取付け可能ユニットを完全に取り付けた、および/または取り外したことを知らせる。この実施形態は、取付け可能ユニットを取付けおよび/または取り外すときに使用者をサポートするのに特に有利である。
本発明の一実施形態によれば、検出配置は、装置への取付け可能ユニットの取付け中に装置における第1の位置から装置における第2の位置に移動され、装置からの取付け可能ユニットの取外し中に第2の位置から第1の位置に移動するように構成された可動要素を備える。この可動要素は、たとえば、装置に対して、および/または少なくとも一方向(たとえば長手方向に)において、可動である。たとえば、この可動要素は装置の一部材である。あるいは、この可動要素は取付け可能ユニットの一部材である。この可動要素はプッシュ・ロッドとすることができる。
たとえば、取付け可能ユニットは、取付け可能ユニットが装置に取り付けられたとき、可動要素を第1の位置から第2の位置に移動させる(たとえば、押す)。たとえば、取付け可能ユニットは、取付け可能ユニットが装置から取り外されたとき、可動要素を第2の位置から第1の位置に移動させる(たとえば、引っ張る)。たとえば、可動要素は、装置内に少なくとも部分的に配置される。
可動要素が第1の位置にあるとき、取付け可能ユニットは、装置から完全に取り外すことができる;可動要素が第1の位置と第2の位置の間にあるとき、取付け可能ユニットは、装置に部分的に取り付ける、および/または装置から部分的に取り外すことができる;可動要素が第2の位置にあるとき、取付け可能ユニットは、装置に完全に取り付けることができる。
この実施形態は、とりわけ、取付けおよび/または取外しが開始されているが完了していないかどうかを可動要素の位置に応じて検出することを可能にするのに有利である。具体的には、少なくとも、以下の3つの状況を区別することができる:
− 装置への取付け可能ユニットの完全な取付け(たとえば、固着された連結)
− 装置からの取付け可能ユニットの開始された/部分的な取外しおよび/または装置への取付け可能ユニットの開始された/部分的な取付け(たとえば、固着された連結がない)、および
− 装置からの取付け可能ユニットの完全な取外し(たとえば、連結がまったくない)。
本発明の一実施形態によれば、可動要素は、少なくとも第2の位置においてばね装着される。たとえば、可動要素は装置内で弾性的に保持され、可動に配置される。この実施形態は、とりわけ、取付け可能ユニットを装置から取り外すときに可動要素を第2の位置から第1の位置に移動させるのに有利である。
本発明の一実施形態によれば、可動要素が第1の位置にあるとき、第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットは停止状態にされ、可動要素が第1の位置と第2の位置の間に位置するとき、第1の検出ユニットは起動され、第2の検出ユニットは停止状態にされ、可動要素が第2の位置にあるとき、第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットは起動される。
たとえば、第1の検出ユニットは第1の位置と第2の位置の間に位置し、第2の検出ユニットは第2の位置に位置する。具体的には、第1の検出ユニットは装置内の遠位位置に位置することができ、この遠位位置は、第1の検出ユニットが第1の位置に位置するときは、可動要素(の起動部分)によって覆われないが、第1の検出ユニットが第1の位置と第2の位置の間に位置するときは、可動要素(の起動部分)によって覆われる。具体的には、第2の検出ユニットは装置内の近位位置に位置することができ、この近位位置は、第2の位置に位置する可動要素によってのみ覆われる。
この実施形態は、とりわけ、装置内部の位置および/または取付け手段から離隔された位置、たとえば安全な位置および/またはより多くの据え付け空間を有する位置に、検出ユニットを位置付けることを可能にするのに有利である。
本発明の一実施形態によれば、装置は、薬剤を排出するように構成された医療デバイスであり、および/または取付け可能ユニットは、この医療デバイスに取付け可能な投薬インターフェースもしくはニードル・アセンブリである。
本発明の一実施形態によれば、装置の少なくとも1つの機能は、薬剤の用量を選択すること、および/または薬剤を排出することである。この実施形態は、とりわけ、投薬インターフェースが医療デバイスにしっかりと連結されていないときに薬剤の排出を防止するのに有利である。
本発明の種々の態様の上記ならびに他の利点は、添付の図面を適切に参照して以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう:
図1に示される薬物送達デバイスは、近位端16から遠位端15まで延びる本体14を備える。遠位端15には、取外し可能な端部キャップまたはカバー18が設けられる。この端部キャップ18と本体14の遠位端15は協働して、スナップ嵌めまたはフォーム・フィット(form fit)連結を提供し、したがって、カバー18が本体14の遠位端15上で摺動すると、キャップと本体外面20の間のこの摩擦嵌めによって、注意しないとカバーが本体から落ちるのが防止される。
主本体14は、マイクロプロセッサ制御ユニットと、電気機械的ドライブ・トレインと、少なくとも2つの薬剤リザーバとを含む。端部キャップまたはカバー18をデバイス10から(図1に示されるように)取り外すと、投薬インターフェース200が主本体14の遠位端15に取り付けられ、このインターフェースには用量投薬器(たとえば、ニードル・アセンブリ)が取り付けられている。薬物送達デバイス10は、両頭針アセンブリなどの単一のニードル・アセンブリを通して第2の薬剤(副薬物化合物)の計算された用量および第1の薬剤(主薬物化合物)の可変用量を投与するために使用することができる。
制御パネル領域60が本体14の近位端の近傍に設けられる。好ましくは、この制御パネル領域60は、組み合わされた用量を設定および注射するように使用者により操作できる複数のヒューマン・インターフェース要素に加えて、デジタル・ディスプレイ80を備える。この配置では、制御パネル領域は、第1の用量設定ボタン62と、第2の用量設定ボタン64と、記号「OK」で示される第3のボタン66とを備える。さらに、本体の最近位端に沿って、注射ボタン74も設けられている(図1の斜視図では見えない)。
カートリッジ・ホルダ40は、主本体14に取外し可能に取り付けることができ、少なくとも2つのカートリッジ保持器50および52を含んでよい。各保持器は、ガラス・カートリッジなどの1つの薬剤リザーバを含むように構成される。好ましくは、各カートリッジは、異なる薬剤を含む。
さらに、カートリッジ・ホルダ40の遠位端には、図1に示される薬物送達デバイスは、投薬インターフェース200を含む。図4に関して説明するように、一配置では、この投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端42に取外し可能に取り付けられた外側本体212を含む。図1で分かるように、投薬インターフェース201の遠位端214は、好ましくはニードル・ハブ216を備える。このニードル・ハブ216は、従来のペン型注射ニードル・アセンブリなどの用量投薬器を取外し可能に薬物送達デバイス10に取り付けることができるように構成することができる。
デバイスの電源を投入すると、図1に示される実施形態のデジタル・ディスプレイ80が明るくなり、特定のデバイス情報、好ましくはカートリッジ・ホルダ40内に含まれる薬剤に関する情報を使用者に提供する。たとえば、使用者は、主薬剤(薬物A)と副薬剤(薬物B)の両方に関する特定の情報を持つ。
図3に示されるように、第1のカートリッジ保持器50、および第2のカートリッジ保持器52は、蝶番式カートリッジ保持器を備える。これらの蝶番式保持器を使用することによって、使用者は、カートリッジにアクセスすることができる。図3は、第1の蝶番式カートリッジ保持器50が開位置にある、図1に示されるカートリッジ・ホルダ40の斜視図を示す。図3は、第1の保持器50を開き、それにより第1のカートリッジ90へのアクセスを有することによって、使用者が第1のカートリッジ90にどのようにアクセスできるかを示す。
上述のように、図1を検討すると、投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端に連結される。図4は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端に連結されていない投薬インターフェース200の平面図を示す。インターフェース200と共に使用できる用量投薬器またはニードル・アセンブリも示されており、保護用外側キャップ420内に設けられる。
図5では、図4に示される投薬インターフェース200が、カートリッジ・ホルダ40に連結されて示されている。投薬インターフェース200とカートリッジ・ホルダ40の間の軸方向取付け手段は、スナップ・ロック、スナップ嵌め、スナップ・リング、突起の付いた(keyed)スロット、およびこのような連結の組み合わせを含む、当業者に知られている任意の軸方向取付け手段とすることができる。投薬インターフェースとカートリッジ・ホルダの間のこの連結または取付けは、特定のハブが対応する薬物送達デバイスのみに確実に取付け可能であるようにする、コネクタ、止め具、スプライン、リブ、溝、点(pip)、クリップ、および設計上の同様な特徴などの追加の特徴(図示せず)も含んでよい。このような追加の特徴は、対応しない注射デバイスへの不適切な2次カートリッジの挿入を防止する。
図5はまた、インターフェース200のニードル・ハブにねじ込むことができる、投薬インターフェース200の遠位端に連結されたニードル・アセンブリ400および保護カバー420も示す。図6は、図5の投薬インターフェース200上に取り付けられた両頭針アセンブリ402の断面図を示す。
図6に示されるニードル・アセンブリ400は、両頭針406と、ハブ401とを備える。両頭針またはカニューレ406は、ニードル・ハブ401内に固定的に取り付けられる。このニードル・ハブ401は、円周依存スリーブ403を有するその周囲に沿って、円形ディスクの形状をした要素を備える。このハブ部材401の内壁に沿って、ネジ山404が設けられる。このネジ山404により、ニードル・ハブ401を投薬インターフェース200上にねじ込むことができ、投薬インターフェース200は、好ましい一配置では、遠位ハブに沿って対応する外側ネジ山を備える。ハブ要素401の中心部分には、突出部402が提供される。この突出部402は、スリーブ部材の反対方向にハブから突き出す。両頭針406は、突出部402およびニードル・ハブ401を通る中央に取り付けられる。この両頭針406は、両頭針の第1のまたは遠位穿刺端405が注射部位(たとえば、使用者の皮膚)を穿刺するための注射部材を形成するように取り付けられる。
同様に、ニードル・アセンブリ400の第2の穿刺端または近位穿刺端406が、スリーブ403によって同心状に取り囲まれるように円形ディスクの反対側から突出する。ニードル・アセンブリの一配置では、第2の穿刺端または近位穿刺端406は、スリーブ403が背面スリーブ(back sleeve)の尖った端をある程度保護するように、このスリーブより短くてもよい。図4および5に示される針カバー・キャップ420は、ハブ401の外面403の周囲にフォーム・フィットを提供する。
次に図4〜11を参照して、このインターフェース200の1つの好ましい配置をここで説明する。この1つの好ましい配置では、このインターフェース200は以下のものを備える:
a.外側本体210と、
b.第1の内側本体220と、
c.第2の内側本体230と、
d.第1の穿刺針240と、
e.第2の穿刺針250と、
f.バルブ・シール260と、
g.セプタム270。
外側本体210は、本体近位端212と、本体遠位端214とを備える。外側本体210の近位端212では、連結部材は、投薬インターフェース200をカートリッジ・ホルダ40の遠位端に取り付けることを可能にするように構成される。好ましくは、連結部材は、投薬インターフェース200をカートリッジ・ホルダ40に取外し可能に連結することを可能にするように構成される。インターフェースの1つの好ましい一配置では、インターフェース200の近位端は、少なくとも1つの凹部を有する上方に延びる壁218を持つように構成される。たとえば、図8から分かるように、上方に延びる壁218は、少なくとも第1の凹部217と、第2の凹部219とを備える。
好ましくは、第1の凹部および第2の凹部217、219は、薬物送達デバイス10のカートリッジ・ホルダ40の遠位端の近傍に位置する外側に突出する部材と協働するように、この外側本体壁内に設置される。たとえば、カートリッジ・ハウジングのこの外側に突出する部材48を図4および5で見ることができる。第2の類似の突出する部材がカートリッジ・ハウジングの反対側に設けられる。したがって、インターフェース200がカートリッジ・ハウジング40の遠位端上で軸方向に摺動するとき、外側に突出する部材は、第1の凹部217、および第2の凹部219と協働して、締まり嵌め、フォーム・フィット、またはスナップ・ロックを形成する。あるいは、当業者が理解できるように、投薬インターフェースとカートリッジ・ハウジング40を軸方向に連結する他の任意の類似の連結機構も使用することができる。
外側本体210およびカートリッジ・ホルダ40の遠位端は、カートリッジ・ハウジングの遠位端上に軸方向に摺動できる軸方向に係合するスナップ・ロックまたはスナップ嵌めの配置を形成するように作用する。一代替配置では、投薬インターフェース200は、不注意による投薬インターフェースの交差使用を防止するようにコーディング機能を備えることができる。すなわち、ハブの内側本体は、1つまたはそれ以上の投薬インターフェースの不注意による交差使用を防止するように幾何学的に構成されることができる。
取付けハブが、投薬インターフェース200の外側本体210の遠位端に設けられる。このような取付けハブは、ニードル・アセンブリに着脱可能に連結されるように構成することができる。単なる一例として、この連結手段216は、図6に示されるニードル・アセンブリ400などのニードル・アセンブリのニードル・ハブの内壁面に沿って設けられた内側ネジ山と係合する外側ネジ山を備えることができる。スナップ・ロック、ネジ山によって着脱されるスナップ・ロック、バヨネット・ロック、フォーム・フィット、または他の類似の連結配置などの代替の着脱可能なコネクタを設けてもよい。
投薬インターフェース200は、第1の内側本体220をさらに備える。この内側本体のある程度の詳細は図8〜10に示されている。好ましくは、この第1の内側本体220は、外側本体210の延びる壁218の内面215に連結される。より好ましくは、この第1の内側本体220は、リブおよび溝フォーム・フィット配置によって外側本体210の内面に連結される。たとえば、図9から分かるように、外側本体210の延びる壁218は、第1のリブ213aと、第2のリブ213bとを備える。この第1のリブ213aは、図10にも示されている。これらのリブ213aおよび213bは、外側本体210の壁218の内面215に沿って設置され、第1の内側本体220の協働する溝224aおよび224bとのフォーム・フィットまたはスナップ・ロック係合を作り出す。1つの好ましい配置では、これらの協働する溝224aおよび224bは、第1の内側本体220の外面222に沿って設けられる。
さらに、図8〜10で分かるように、第1の内側本体220の近位端の近傍の近位面226は、近位穿刺端部分244を備える少なくとも第1の近位に設置された穿刺針240を持つように構成することができる。同様に、第1の内側本体220は、近位穿刺端部分254を備える第2の近位に設置された穿刺針250を持つように構成される。第1の針240、および第2の針250は両方とも、第1の内側本体220の近位面226にしっかりと取り付けられる。
好ましくは、この投薬インターフェース200は、バルブ配置をさらに備える。このようなバルブ配置は、第1のリザーバおよび第2のリザーバ内にそれぞれ含まれる第1の薬剤および第2の薬剤の交差汚染を防止するように構築することができる。好ましいバルブ配置は、第1の薬剤および第2の薬剤の逆流および交差汚染を防止するように構成することもできる。
1つの好ましいシステムでは、投薬インターフェース200は、バルブ・シール260の形をしたバルブ配置を含む。このようなバルブ・シール260は、保持チャンバ280を形成するように、第2の内側本体230によって画成される空洞231内に設けることができる。好ましくは、空洞231は第2の内側本体230の上面に沿って存在する。このバルブ・シールは、第1の流体溝264および第2の流体溝266の両方を画成する上面を備える。たとえば、図9は、第1の内側本体220と第2の内側本体230の間に着座するバルブ・シール260の位置を示す。注射工程中に、このシール・バルブ260は、第1の経路内の主薬剤が第2の経路内の副薬剤に移行するのを防止しながら、第2の経路内の副薬剤が第1の経路内の主薬剤に移行するのも防止する助けとなる。好ましくは、このシール・バルブ260は、第1の逆止め弁262と、第2の逆止め弁268とを備える。したがって、第1の逆止め弁262は、第1の流体経路264たとえばシール・バルブ260内の溝に沿って移動する流体がこの経路264へと戻るのを防止する。同様に、第2の逆止め弁268は、第2の流体経路266に沿って移動する流体がこの経路266へと戻るのを防止する。
第1の溝および第2の溝264、266は一緒に、それぞれ逆止め弁262および268に向かって収斂し、次に、出力流体経路または保持チャンバ280を提供する。この保持チャンバ280は、穿刺可能なセプタム270と共に画成される第1の逆止め弁262、と第2の逆止め弁268の両方の第2の内側本体の遠位端によって画成される内側チャンバによって画成される。図示のように、この穿刺可能なセプタム270は、第2の内側本体230の遠位端部分と外側本体210のニードル・ハブによって画成される内面との間に設置される。
保持チャンバ280は、インターフェース200の出口ポートで終わる。この出口ポート290は、好ましくは、インターフェース200のニードル・ハブの中央に位置し、穿刺可能なシール270を静止位置に維持する助けとなる。したがって、両頭針アセンブリがインターフェース(図6に示される両頭針など)のニードル・ハブに取り付けられると、出力流体経路は、両方の薬剤を、取り付けられたニードル・アセンブリと流体連通させることができる。
ハブ・インターフェース200は、第2の内側本体230をさらに備える。図9から分かるように、この第2の内側本体230は、凹部を画成する上面を有し、バルブ・シール260はこの凹部の中に設置される。したがって、インターフェース200が図9に示されるように組み付けられるとき、第2の内側本体230は、外側本体210の遠位端と第1の内側本体220の間に設置される。第2の内側本体230と外側本体は一緒にセプタム270を所定の位置に保つ。内側本体230の遠位端はまた、バルブ・シールの第1の溝264および第2の溝266の両方と流体連通するように構成するできる空洞または保持チャンバを形成することができる。
薬物送達デバイスの遠位端の上で外側本体210を軸方向に摺動させると、投薬インターフェース200が多目的デバイスに取り付けられる。このようにして、第1の針240と第2の針250の間でそれぞれ第1のカートリッジの主薬剤と第2のカートリッジの副薬剤との流体連通を生じることができる。
図11は、図1に示される薬物送達デバイス10のカートリッジ・ホルダ40の遠位端42上に取り付けられた後の投薬インターフェース200を示す。両頭針400も、このインターフェースの遠位端に取り付けられる。カートリッジ・ホルダ40は、第1の薬剤を含む第1のカートリッジと第2の薬剤を含む第2のカートリッジとを有するように示されている。
インターフェース200が最初にカートリッジ・ホルダ40の遠位端の上に取り付けられるとき、第1の穿刺針240の近位穿刺端244が第1のカートリッジ90のセプタムを穿刺し、それにより第1のカートリッジ90の主薬剤92と流体連通して存在する。第1の穿刺針240の遠位端も、バルブ・シール260によって画成される第1の流体経路溝264と流体連通する。
同様に、第2の穿刺針250の近位穿刺端254は第2のカートリッジ100のセプタムを穿刺し、それにより第2のカートリッジ100の副薬剤102と流体連通して存在する。この第2の穿刺針250の遠位端も、バルブ・シール260によって画成される第2の流体経路溝266と流体連通する。
図11は、薬物送達デバイス10の本体14の遠位端15に連結されたこのような投薬インターフェース200の好ましい配置を示す。好ましくは、このような投薬インターフェース200は、薬物送達デバイス10のカートリッジ・ホルダ40に取外し可能に連結される。
図11に示されるように、投薬インターフェース200は、カートリッジ・ハウジング40の遠位端に連結される。このカートリッジ・ホルダ40は、主薬剤92を含む第1のカートリッジ90と副薬剤102を含む第2のカートリッジ100とを含むように示されている。カートリッジ・ハウジング40に連結されると、投薬インターフェース200は、基本的に、第1のカートリッジ90、および第2のカートリッジ100から共通保持チャンバ280への流体連通経路を提供するための機構を提供する。この保持チャンバ280は、用量投薬器と流体連通するように示されている。ここで、示されるように、この用量投薬器は両頭針アセンブリ400を備える。図示のように、両頭針アセンブリの近位端はチャンバ280と流体連通する。
1つの好ましい配置では、投薬インターフェースは、1つの向きでのみ本体に取り付ける、すなわち周囲を一方向でのみ嵌合されるように構成される。図11に示されるなどのように、投薬インターフェース200がカートリッジ・ホルダ40に取り付けられると、主針240は、第1のカートリッジ90の主薬剤92との流体連通にのみ使用することができ、インターフェース200は、主針240がここで第2のカートリッジ100の副薬剤102との流体連通に使用できるようにホルダ40に再び取り付けられるのが防止される。このような一方向の周囲の連結機構は、2つの薬剤92と102の間の交差汚染可能性を減少させる助けとなることができる。
図12a〜cは、薬物送達デバイス10上への投薬インターフェース200の取付けの断面図を示す。薬物送達デバイス10は検出配置600を備え、検出配置600はプッシュ・ロッド601を備える。たとえば、検出配置600は、少なくとも部分的に、図11の空洞43などの、カートリッジ・ホルダ40によって形成される空洞の中に配置される。
プッシュ・ロッド601の近位端には、プッシュ・ロッド601が薬物送達デバイス10内に弾性的に保持され薬物送達デバイス内で少なくとも長手方向に可動であるようにカートリッジ・ホルダ40に連結されたばね602が配置される。
検出配置600は、空洞43の側壁に長手方向に配置された第1のスイッチ603と第2のスイッチ604とをさらに備える。その中では、第1のスイッチ603が、第2のスイッチよりカートリッジ・ホルダ40の遠位端42の近くに配置される。言い換えれば、薬物送達デバイス10において、第1のスイッチ603は遠位に位置し、第2のスイッチ604は近位に位置する。第1のスイッチ603および第2のスイッチ604は、第1の検出ユニットおよび第2の検出ユニットを形成する、圧力により起動されるスイッチである。具体的には、第1のスイッチ603および第2のスイッチ604は、圧力がそれぞれのスイッチに印加されたときのみ起動され、それ以外の場合は停止状態にされる。これらのスイッチは、薬物送達デバイス10のマイクロプロセッサ制御ユニットに連結し、たとえばマイクロプロセッサ制御ユニットに起動および起動停止を論理的に知らせることができる。
第1のスイッチ603および第2のスイッチ604の方を向いたプッシュ・ロッド601の外側面は、3つの部分、すなわち2つの平行面部分605、606および傾斜面部分607から形成される。傾斜面部分607は、プッシュ・ロッドの近位端で平行面部分605が引っ込むように、平行面部分605、606の間に配置される。ロッド608は、プッシュ・ロッド601の遠位端に配置される。
図12aでは、投薬インターフェース200は薬物送達デバイス10に取り付けられていない。具体的には、ロッド608と投薬インターフェース200の面226の間に接触はない。したがって、ばね602は低い圧力により弛緩または保持され、プッシュ・ロッド601は薬物送達デバイス10内の第1の位置に保持される。薬物送達デバイス10内のプッシュ・ロッド601のこの第1の位置では、第1のスイッチ603および第2のスイッチ604はそれぞれ、引っ込んだ平行面部分605およびばね602に面する。具体的には、プッシュ・ロッド601の外側面と第1のスイッチ603および第2のスイッチ604の間に接触はない。両方のスイッチは停止状態にされる。
図12bでは、薬物送達デバイス10への投薬インターフェース200の取付けが開始され、したがって、投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ40の遠位端42に位置合わせされ、薬物送達デバイス10の方に押されて、薬物送達デバイス10のカートリッジ・ハウジング40の遠位端42の上で軸方向に摺動する。それによって、ロッド608の遠位端は投薬インターフェース200の面226上に存在し、同様に薬物送達デバイス10の方へ押され、したがって、薬物送達デバイス10に投薬インターフェース200を取り付ける間、薬物送達デバイスの方に投薬インターフェース200が移動することによって、プッシュ・ロッド601の対応する移動およびばね602の圧縮が促進される。
これに対応してプッシュ・ロッド601が移動すると、第1のスイッチ603および第2のスイッチ604は、プッシュ・ロッド601の外側面の傾斜面部分607に沿って平行面部分606の方へ摺動し、それによって、スイッチに印加される圧力が増加する。圧力閾値を超えると、第1のスイッチ603および第2のスイッチ604が起動され、たとえば、平行面部分606(すなわち、プッシュ・ロッドの起動部分)の上に存在するとき、スイッチが起動される。第1のスイッチ603は、遠位位置にあるので、第2のスイッチ604が平行面部分606上に存在するよりも早く平行面部分606上に存在し、したがって第2のスイッチ604よりも早く起動される。この取付けが図12bに示されるように開始されるとき、第1のスイッチ603は平行面部分606上に存在し、起動されている。
図12cでは、薬物送達デバイス10への投薬インターフェース200の取付けは完了し、したがって、第1のカートリッジ90および第2のカートリッジ100のセプタムは穿刺され、投薬インターフェースは、上記で説明したように第1のカートリッジ90の主薬剤92および第2のカートリッジ100の副薬剤102と流体連通して存在する。そのうえ、カートリッジ・ハウジングの突出する部材(たとえば、突出する部材48)は、投薬インターフェース200の第1の凹部および第2の凹部217、219と協働して、スナップ・ロックなどの固着された機械的連結を形成することができる。
図12cに示されるように薬物送達デバイス10への投薬インターフェース200の取付けが完了すると、第2のスイッチ604も平行面部分606上に存在し、起動される。ばね602は圧縮され、プッシュ・ロッドは第2の位置にある。
投薬インターフェース200が薬物送達デバイス10から解除されると、圧縮されたばね602は弛緩し、プッシュ・ロッド601を第1の位置に戻し、場合により投薬インターフェース200を戻り止め位置(すなわち、図12bに示される位置)に戻す。それによって、最初に第2のスイッチ604が、次いで第1のスイッチ603が傾斜面部分607に沿って引っ込んだ平行面605の方へ摺動し、その後で停止状態にされる。
図13は、投薬インターフェース200を薬物送達デバイス10に取り付けるための方法700を示す。方法700の工程は、薬物送達デバイス10のマイクロプロセッサ制御ユニットによって、少なくとも部分的に実行することができる。
工程701では、投薬インターフェース200と薬物送達デバイス10は、図12bに示されるように位置合わせされる。プッシュ・ロッド601は、ばねの力に対して、すでに押し戻されている。それによって、工程702では、検出配置600の第1のスイッチ603が起動され、薬物送達デバイス10への投薬インターフェース200の取付けが開始されることをマイクロプロセッサ制御ユニットに知らせる。
工程703では、投薬インターフェース200は薬物送達デバイス10の方へ押され、カートリッジ・ホルダ40の遠位端42上に摺動する。それによって、投薬インターフェース200が移動することによって、ばね602を圧縮するプッシュ・ロッド601の対応する移動が容易になる。
工程704では、投薬インターフェース200の穿刺針240、250がそれぞれ、薬物送達デバイス10の第1のカートリッジおよび第2のカートリッジ90、100のセプタムを穿刺し、主薬剤92および副薬剤102と流体連通して存在する。穿刺針と穿刺されたセプタムは、投薬インターフェース200と薬物送達デバイス10の間の流体接続を形成する。
工程705では、投薬インターフェース200は、たとえばカートリッジ・ハウジングの突出する部材(たとえば、突出する部材48)と投薬インターフェース200の第1の凹部および第2の凹部217、219の協働によって薬物送達デバイス10に固着され、固着された機械的連結を形成し、それによって、工程706では、検出配置600の第2のスイッチ604が起動され、取付けが完了したことを薬物送達デバイスのマイクロプロセッサ制御ユニットに知らせる。
工程707では、マイクロプロセッサ制御ユニットは、第1のスイッチおよび第2のスイッチがその後起動されたかどうかチェックし、薬物送達デバイス10の用量選択および薬物送達機能を有効にする。
たとえば、両方のスイッチが起動されたときのみ、マイクロプロセッサ制御ユニットは、これを、薬物送達デバイス10への投薬インターフェース200の完全な取付けと認める。たとえば、投薬インターフェース200が薬物送達デバイス10に部分的にのみ取り付けられたとき、マイクロプロセッサ制御ユニットはこれを認めず、使用者は、用量選択および薬物送達機能を起動することができない。その理由は、ハブの部分的な取付けが薬物の過少量投与の危険を伴うからである。
図14は、投薬インターフェース200を薬物送達デバイス10から取り外すための方法800を示す。方法800の工程は、薬物送達デバイス10のマイクロプロセッサ制御ユニットによって、少なくとも部分的に実行することができる。
第1の工程801では、投薬インターフェース200と薬物送達デバイス10の間の固着された機械的連結は、たとえば解除ボタンを押すことなどによって解除される。
工程802では、ばね602は弛緩し始め、投薬インターフェース200がさらに取り外されたとき、プッシュ・ロッド601を移動させる。例示的な一実施形態では、ばね602は、薬物送達デバイス10への連結が解除された後でプッシュ・ロッド601の使用によって投薬インターフェース200を移動させるのに十分な力を有することができる。投薬インターフェース200が戻り止め位置に移動すると、第2のスイッチ604は工程803で停止状態にされ、薬物送達デバイスからの投薬インターフェース200の取外しが開始されることをマイクロプロセッサ制御ユニットに知らせる。
工程804では、マイクロプロセッサ制御ユニットは、第1のスイッチ603および/または第2のスイッチ604が停止状態にされたかどうかチェックし、薬物送達デバイスの用量選択および薬物送達機能を無効にする。
工程805では、穿刺針240、250が、戻り止め位置の方への投薬インターフェース200の移動により、第1のカートリッジおよび第2のカートリッジ90、100のセプタムから取り外される。
工程806では、投薬インターフェースは戻り止め位置に到達し、場合により、投薬インターフェース200の再使用防止具が起動され、たとえば、投薬インターフェース200に配置されたロックアウトばねが起動される。
工程807では、投薬インターフェースが使用者によって戻り止め位置から取り外され、それによって、工程808では、第1のスイッチ603が停止状態にされ、薬物送達デバイスからの投薬インターフェース200の取外しが完了したことをマイクロプロセッサ制御ユニットに知らせる。
たとえば、戻り止め位置を越えて投薬インターフェース200を取り外すだけで、第1のスイッチは停止状態にされ、両方のスイッチが有効でなくなったときのみ、マイクロプロセッサ制御ユニットは、これを投薬インターフェースの完全な取外しと認める。したがって、再使用防止具が起動されてから薬物送達デバイスの用量選択および薬物送達機能がもう一度有効になることが保証される。たとえば、(新しい)投薬インターフェースの完全な取外しおよびその後の完全な取付けの後、薬物送達デバイス10の用量選択および薬物送達機能をもう一度有効にすることができる。
図13および図14に関連して説明した方法の1つまたはそれ以上の工程は、並列に行われてもよいし、逆の順序で行われてもよい。たとえば、図13の方法では、第2のスイッチを起動する工程706が、投薬インターフェース200が薬物送達デバイス10に固着されるのと同時に行われてもよいし、この(若干)前に行われてもよい。同様に、図14では、セプタムから穿刺針240、250を取り外す工程805は、工程803で第2のスイッチを起動停止する前に、すでに行われていてもよい。
上記で説明したように、投薬インターフェース200の部分的な取付けまたは取外しおよび再取付けに関連する危険がいくつかある。これらの危険を効果的に軽減するため、薬物送達デバイス10は検出配置600を備える。これは、とりわけ、投薬インターフェース200の取付けおよび/または取外しが開始されているが完了していないかどうか検出すること、ならびに完全な取付け(および、たとえば以前の完全な取外し)が検出されたときのみ薬物送達デバイスの用量選択および薬物送達機能を有効にすることを可能にするのに有利である。
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで1実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセジン−3もしくはエキセジン−4もしくはエキセジン−3もしくはエキセジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンが、Asp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられ、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−Y−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−Y−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
エキセンジン−4は、たとえば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
または以下の配列のエキセンジン−4誘導体
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28 Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
多糖類としては、たとえば、グルコアミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体または上述の多糖類の硫酸化された、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容可能なそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
抗体は、基本的な構造が共通している、免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。それらはアミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能ユニットは、免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIgユニットのみを含む)であり;分泌型抗体は、また、IgAとして2つのIgユニットを有する二量体型、硬骨魚IgMのような4つのIgユニットを有する四量体型または哺乳類IgMのような5つのIgユニットを有する五量体型があり得る。
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖;システイン残基の間のジスルフィド結合により結合された2つの同一の重鎖および2つの同一の軽鎖からなる「Y」型分子である。各重鎖は約440アミノ酸長であり;各軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、それらの折り畳みを安定化する鎖内(intrachain)ジスルフィド結合を含む。各鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは、約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて、異なったカテゴリ(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインとその他の電荷アミノ酸の間の相互作用により一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
α、δ、ε、γ、およびμで示される5つの型の哺乳動物Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の型は抗体のアイソタイプを定義しており;これらの鎖はそれぞれIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM抗体で見られる。
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なる;αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含むが、μおよびεは約550個のアミノ酸を含む。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(CH)と可変領域(VH)とを有する。ある種では、定常領域は、同じアイソタイプの全ての抗体において本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し;重鎖μおよびεは、4個の免疫グロブリン領域から構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なったB細胞で生成された抗体において異なるが、単一のB細胞またはB細胞クローンにより生成された全ての抗体に対しては同一である。各重鎖の可変領域は約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
哺乳類において、λおよびκと指定される2つのタイプの免疫グロブリン軽鎖が存在する。軽鎖は2つの連続したドメイン:1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各々の抗体は、常に同一である2つの軽鎖を有する;哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλのうちの1タイプのみ存在する。
全ての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所定の抗体の独特の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域により決定される。より具体的には、可変のループ状で、3つの軽鎖(VL)および3つの重鎖(VH)は、抗原への結合、すなわち、その抗原特異性に原因がある。これらのループは、相補性決定領域(CDR)として参照される。VHドメインおよびVLドメインからのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終の抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組み合わせであり、それぞれ単独のみではない。
「抗体フラグメント」は、上記で定義したように、少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、フラグメントが誘導される完全な抗体と本質的に同一の機能および特異性を示す。パパインによる限定されたタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。それぞれ1つの完全なL鎖と約半分のH鎖とを含む2つの同一アミノ末端フラグメントは、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間でジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物と、補体結合と、FcR結合部位とを含む。限定されたペプシンの消化により、Fabフラグメント(piece)とH−H鎖間ジスルフィド結合を有するヒンジ領域との両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが生じる。F(ab’)2は、抗原結合に対して2価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断され得る。さらに、重鎖と軽鎖の可変領域は、単一鎖可変フラグメント(scFv)を形成するために共に縮合できる。
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩がある。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類金属、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17編、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
薬学的に許容可能な溶媒和物は、たとえば、水和物である。