JP2014234190A - 包装基材用積層体,包装基材及び食品包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】適度な吸液性及びガスバリア性を備えた包装基材用積層体,包装基材及び食品包装体を提供することを課題とする。
【解決手段】食品2のドリップDを吸液する多数の空隙が形成された吸液シート6と、この吸液シート6の少なくとも一方の面側に積層されたガスバリア性樹脂フィルム7を含む表層シート8とを備え、表層シート8の厚さ方向に貫通し吸液シート6に達する小孔9が複数形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、包装基材用積層体,包装基材及び食品包装体に関する。
鮮魚や肉の切り身などのドリップ(血汁)が出る食品は、ドリップを吸い込ませる吸液用包装基材に載せて商品包装用のトレイや食品を密封する外装フィルムにより包装して出荷される。この際、食品から出るドリップを十分に吸液し、食品の劣化を防止するとともに、食品に含まれる水分まで吸液し過ぎて食品の品質を低下させてしまわないようにすることが求められている。
このような課題に対しては、従来より、例えば、ドリップを吸液して保持可能な空隙が形成された不織布等の吸液材料を備え、食品を当接させる側の面に網状体を積層させた吸液用包装基材が開発されている(例えば下記特許文献1)。
この吸液用包装基材は、吸液材料により食品から滲み出たドリップを吸液するとともに、吸液材料と食品との間に網状体を介装させ、吸液材料が食品に直接当接して食品に含まれた水分を過度に吸液してしまわないように構成されている。
実用新案登録第314947号公報
しかし、従来の吸液用包装基材では、吸液用包装基材に食品を載せて真空パックした場合に、網状体と包装基材と変形して密着し、略一体化してしまうことにより、網状体を介してもなお包装基材により過度に食品の水分を吸液してしまうおそれがあった。また、従来のドリップを吸液する包装基材としては、吸液材料に形成された空隙内の酸素が食品に触れ食品を劣化させてしまうことについて配慮されたものがなかった。
本発明は、上記問題に鑑みて、適度な吸液性及びガスバリア性を備えた包装基材用積層体,包装基材及び食品包装体を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を提供している。
本発明の包装基材用積層体は、食品のドリップを吸液する多数の空隙が形成された吸液シートと、この吸液シートの少なくとも一方の面側に積層されたガスバリア性樹脂フィルムを含む表層シートとを備え、前記表層シートの厚さ方向に貫通し前記吸液シートに達する小孔が複数形成されていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、吸液シートの一方の面側に表層シートが積層されているため、吸液シートが食品に直接当接して食品に含まれている水分を奪うことを防止するとともに、吸液シートの空隙に存在する酸素が食品に接触することを防止する。
本発明の前記小孔は、少なくとも前記吸液シートの内部に達していることが望ましい。
前記小孔が吸液シートの内部に達していることにより、食品から出るドリップを吸液シートに効率的に導入することができる。
本発明の前記吸液シートは、熱可塑性樹脂発泡体により形成され、前記空隙率が50〜90%とされていることが好ましい。
前記吸液シートが熱可塑性樹脂発泡体により形成され、空隙率が50〜90%とされていることにより、食品から出るドリップを適度に吸収することができる。また、包装基材用積層体が外装フィルムにより封止され脱気された場合にあっても、吸水シートの変形が抑制される。
本発明の包装基材は、上記いずれか一項に記載の包装基材を加工して形成されていることを特徴とする。
この包装基材によれば、上記した作用及び機能を発揮することができる。
本発明の食品包装体は、上記に記載の包装基材と、食材と、これら包装基材と食材とを収納する外装フィルムとを備え、前記表層シートの表面に前記食材を載置した状態で、前記包装基材と前記食材とを前記外装フィルム内に収納し、封止していることを特徴とする。
この食品包装体によれば、吸液シートによる食品の水分の過度な吸収が抑えられるとともに、吸液シート内の酸素が食品に触れることを防止することができる。
本発明の包装基材用積層体,包装基材及び食品包装体によれば、食品から出たドリップを適度に吸液しつつ、吸液シート内の酸素が食品に触れることを防止して食品の鮮度を可及的に維持することができるという効果を奏する。
は、本発明の一実施形態として示した食品包装体の斜視図である。 は、本発明の一実施形態として示した食品包装体の側断面図である。 は、本発明の一実施形態として示した食品包装体の変形例を示す斜視図である。 は、本発明の一実施形態として示した食品包装体の変形例を示す側断面図である。
以下、図を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1,図2に示すように、本発明の食品包装体1は、食品2と、食品2を載置させる包装基材3と、食品2を載置させた包装基材3を収納する外装フィルム4とを備えている。
食品2としては、食品2からドリップDが滲み出るもので、食品2に水分が適度に含まれていることが望ましいものであればどのようなものであっても対象とすることができる。具体的には、食品2には、例えば生若しくは半生のブリ,鰹,マグロ,豚肉,牛肉,鶏肉等の切り身,アワビ等の貝の身等が挙げられる。
包装基材3は、包装基材用積層体5を所定の形状に加工したものである。
包装基材用積層体5は、食品2のドリップDを吸液する空隙S(図2参照)が形成された吸液シート6と、この吸液シート6の少なくとも一方の表面側に積層されたガスバリア性樹脂フィルム7を含む表層シート8とを備え、表層シート8の厚さ方向に貫通する小孔9を複数形成したものである。
吸液シート6は、吸水性を有していればどのような材料より形成されるものも用いることができ、具体的には、空隙Sが形成され吸水性を有する不織布や連続気泡構造を有する吸水性の熱可塑性樹脂発泡体が挙げられる。本実施形態では、連続気泡構造を有し吸水性を備えた熱可塑性樹脂発泡体により形成されている。この熱可塑性樹脂発泡体の連続気泡率は50〜90%であるであることが好ましい。
吸液シート6の材料となる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)などが挙げられ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらの中でも高発泡倍率で断熱性、強度に優れ、成形性も良好な発泡成形体を製造可能なことから、ポリスチレン系樹脂が好ましい。ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体、例えばスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンの単独重合体、または前記スチレン系単量体と他の単量体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、ブタジエン等のビニル単量体との共重合体等を用いることができる。そのうちでは、ポリスチレン樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体等を用いることが好ましい。これらは単独であるいは混合して用いることができる。
ポリスチレン系樹脂には、耐熱性を改善するためにポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)を混合して用いることができる。添加量としては、ポリスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂の混合物を100質量部とした場合、ポリフェニレンエーテル系樹脂5〜50質量部程度である。ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−1,4−エーテル)等のポリフェニレンエーテルが挙げられ、特に、ポリスチレン系樹脂などの他の樹脂とポリフェニレンエーテルとをアロイ化した変性ポリフェニレンエーテルが好ましい。本発明において好適に使用されるポリフェニレンエーテル系樹脂の市販品としては、例えば、サビック社製の「ノリル」(商品名)、旭化成ケミカルズ社製の「ザイロン」(商品名)などが挙げられる。
ポリスチレン系樹脂には、耐衝撃性を改善するためにゴム状物質を少量添加してもよい。ゴム状物質としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体、低シスポリブタジエン及びこれらの水素添加された共重合体等を用いることができる。
吸液シート6を構成する熱可塑性樹脂発泡体の製造において用いる発泡剤としては、熱可塑性樹脂発泡体の製造分野で従来公知のものをいずれも使用でき、気体又は揮発性の発泡剤、分解型発泡剤が使用できる。気体の発泡剤としては、窒素、炭酸ガス、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、メチルエーテル等が使用できる。なお、ここで気体とは常温(25℃)、常圧(1気圧)で気体であることを意味する。一方、揮発性の発泡剤としては、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。また、水も使用することができる。これらを混合使用することもできる。これらの発泡剤の中でも、n−ブタンおよびi−ブタンが特に好ましい。ポリスチレン系樹脂発泡シート1の気泡サイズを約40μm以下とする場合は、発泡剤として窒素、炭酸ガスあるいは水を使用するのが好ましい。特に、窒素および炭酸ガスは、安価であるという点においても好ましい。発泡剤の添加量は、基材樹脂100質量部に対して、0.25〜7.0質量部程度である。
また、分解型発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド等の無機系分解型発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススルホニルアミド、アゾビスイソブチロニトリル及びジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物、N,N'−ジニトロソペンタンメチレンテトラミン及びN,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド及びp,p'−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等を用いることができる。これらの発泡剤は、単独でも組み合わせてもよい。更に、分解温度、発生ガス量及び分解速度を調整する為に公知の発泡助剤を添加することもできる。
表層シート8に具備されるガスバリア性樹脂フィルム7を形成する樹脂材料としては、JIS規格「食品包装用プラスチックフィルム通側」(JIS Z 1707:1997)の「表6 酸素ガス透過度の級区分」における、酸素ガス透過度(略号:OTR、単位:fmol/(m2・s・Pa))が5以下の1級、5を超え25以下の2級、25を超え100以下の3級、100を超え500以下の4級に級区分される程度のガスバリアー性に優れる樹脂材料が好ましい。例えば、1級又は2級に区分される樹脂としてはポリ塩化ビニリデン(PVDC:OTR=5〜10)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH:OTR=5〜10)などが挙げられ、3級に区分される樹脂としてはPVDCコート2軸延伸ナイロン(OTR=50)、PVDCコート2軸延伸ポリプロピレン(OTR=75)などが挙げられ、4級に区分される樹脂としては2軸延伸ナイロン(ONY:OTR=150)、無延伸ナイロン(CNY:OTR=200)、ポリエチレンテレフタレート(PET:OTR=400)などが挙げられる。また、これらの樹脂から選択される1種又は2種以上の積層物、混合物、他の樹脂とのアロイや共重合体などの樹脂材料が挙げられる。特に強靭で耐ピンホール性に優れるポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。ナイロン系樹脂としては主にナイロン6などが挙げられる。ガスバリア性樹脂フィルム7に用いられるフィルムとしては、無延伸フィルムよりも一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどの延伸フィルムが好ましい。また、ガスバリア性樹脂フィルム7に用いられるフィルムとしては、吸水性はほとんどないものが好ましい。なお、OTRの値は25℃、65%RHの測定条件で、値は全て厚さ25μmに換算した値である。
図1,図2に示すように、小孔9は、その表面から吸液シート6の表面に形成されるスキン層(不図示)まで貫通した孔であり、表層シート8の表面において互いにほぼ一定の間隔を空けて複数形成されている。
小孔9の直径は、0.1mm〜2mmの範囲に設定されていればよく、0.3mm〜1 mmの範囲で設定されていることが好ましい。この範囲に設定すれば、図1に示すドリップDを効率よくかつ適度に吸収することができる。
また、小孔9のピッチは、食品2から出る液体の粘度又は吸収したい液体成分によって適宜設定すればよいが、例えば、食品2が肉や魚等の生鮮食品の切り身である場合、 2mm〜20mmの間に設定すればよく、5mm〜12mmの間に設定することが好ましい。この範囲に設定すれば、ドリップDを効率よくかつ適度に吸収することができる。
包装基材用積層体5を加工した包装基材3としては、平板状の包装基材用積層体5を食品2の略全体を覆い得る大きさ及び形状に切断したもの、切断後に切断面を熱プレスして樹脂化させて塞いだもの、容器状又は食品2の立体形状に合わせて包装基材用積層体5を熱成形したもの等が例として挙げられる。加工の形状は、食品2から出て滞留するドリップDその他の液体を好適に吸収することができる限りどのように成形されていてもよい。
外装フィルム4としては、周知の包装用フィルムのうち、ガスバリア性に優れた前記ガスバリア性樹脂フィルム7を形成する樹脂材料と同じ樹脂材料が好適に用いられる。また、ガスバリア性及び収縮性に優れたガスバリア性シュリンクフィルムを選択して使用することもできる。このようなガスバリア性シュリンクフィルムとしては、架橋ポリオレフィン系多層収縮フィルムなどが好適に用いられる。
食品包装体1は、周知の包装技術を用い、食品2をガスパック包装や真空パック包装によって密封包装し、さらにこれを低温冷凍保管することによって、長期に渡り食品2の風味を保持することが可能となる。また、保存しておいた食品2をそのまま電子レンジで加熱することができ、利便性が高い。さらに、耐熱性を改善するためにポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させて発泡シート層を形成させた場合、ポリフェニレンエーテル系樹脂に起因する発泡シート層からの臭気をガスバリア性樹脂フィルム7によって完全に遮断でき、食品2等に該臭気が移ることがなく、食品2本来の風味を損なうことがない。
次に、食品包装体1の製造方法と食品包装体1が有する作用及び機能について説明する。
まず、熱可塑性樹脂発泡体により形成された吸液シート6の製造は、熱可塑性樹脂発泡体の形状によって適宜選択できる。シート状の熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法としては、押出機に熱可塑性樹脂と必要に応じて加えられる添加剤を投入し、押出機内で加熱溶融し、前記揮発性の発泡剤を混ぜ、混練して押出機先端に取り付けたサーキュラーダイから押し出して発泡させ、直ちに冷却マンドレルにて冷却し、シート状に切り開き、得られたシートを巻き取ることによって製造することができる。ボード状の熱可塑性樹脂発泡体を製造する方法としては、押出機に熱可塑性樹脂と必要に応じて加えられる添加剤を投入し、押出機内で加熱溶融し、前記揮発性の発泡剤を混ぜ、混練して押出機先端に取り付けたTダイから押出して発泡させ、発泡後、冷却ロールにて冷却し、裁断することによって製造することができる。ガスバリア性樹脂フィルム7の製造方法も、発泡剤を添加しないこと以外は吸液シート6の製造方法と同様の方法により製造することができる。
以上のようにして、吸液シート6とガスバリア性樹脂フィルム7を備えた表層シート8とを製造し、両者を不図示の接着剤又は加熱融着により貼着して包装基材用積層体5を得る。その後、包装基材用積層体5を食品2を載置できる大きさに切断し包装基材3とする。
食品包装体1を製造するには、上記のようにして得られた平板状の包装基材3の表層シート8上に食品2を載せ、食品2及び包装基材3を外装フィルム4内に収納する。
その後、外装フィルム4内を脱気する。この際、吸液シート6は、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂等の熱可塑性樹脂発泡体により連続気泡率を50〜90%として成形されているため、脱気時に変形し難い程度の強度が備えられている。したがって、吸液シート6は、脱気後にその厚さが小さくなることによる緩衝性の低減を回避して食品2を適切に保護しつつ載置させている。その後、外装フィルム4内が略真空状態となった時点で外装フィルム4を密封し、食品包装体1が得られる。
この食品包装体1内の食品2は、時間の経過に伴って内部のドリップD等の液体を放出するが、液体は、ガスバリア性樹脂フィルム7に形成された小孔9内に導入され、更に吸液シート6の空隙Sによる毛細管現象により、小孔9を経由して空隙S内に浸透していく。そして、表層シート8に2mm〜20mmの範囲のピッチで小孔9が形成されているため、ドリップDを、その放出スピードよりも遅過ぎもせずまた速過ぎもしない速さで吸収する。
更に、食品包装体1は、ドリップDを吸収する吸液シート6に食品2を直接に当接させず、食品2をガスバリア性樹脂フィルム7に当接させている。よって、吸液シート6が食品2の内部に保持された水分を過度に吸収することが回避される。
したがって、食品包装体1の商品が出荷された後、商品の受領者に届けられ、外装フィルム4を開封するまでの間、可及的に鮮度が維持される。
また、吸液シート6の空隙S内には、酸素を含む空気が残留していることがあるが、吸液シート6の表面にガスバリア性樹脂フィルム7が貼着されているため、前記酸素が食品2側に流動することが防止される。この際、表層シート8には小孔9が形成されているが、0.1mm〜2mmの口径で2mm〜20mmのピッチで形成されており、この程度の小孔9の形成では、食品2を変色させるほど酸素が流動することはほとんどない。
このように、食品包装体1によれば、食品2に含まれた水分をいたずらに吸収することを回避して、ドリップDを適度に吸収することができるとともに、吸液シート6内の酸素が食品2に触れて食品2が劣化することを防止することができる。したがって、シンプルな構造の包装基材3及び外装フィルム4によって食品2の鮮度維持を容易かつ長期間行うことができる。
また、吸液シート6が外装フィルム4内の脱気時に変形し難い構成とされているため、包装基材3が食品2に衝撃が加わった場合の緩衝材として有効に機能し得る。したがって、食品包装体1は、耐衝撃性を有するという観点からも、食品2の品質低下を有効に防止することができるという効果を得ることができる。
上記実施形態において、図1,図2に示すように、包装基材用積層体5ないし包装基材3は、吸液シート6及びガスバリア性樹脂フィルム7よりなる表層シート8を備えた構成とされているが、図1,図2において(仮想線で),図3,図4において(実線で)示すように、吸液シート6のガスバリア性樹脂フィルム7を積層させた面と反対側の表面に、包装基材用積層体5ないし包装基材3に剛性を補強する補強シート10を備えていることが好ましい。
補強シート10は、食品2を真空パックするために外装フィルム4内の脱気時に包装基材3の変形を防止することができる程度の剛性があればよく、耐水性の厚紙,熱可塑性樹脂発泡体,その他非発泡性樹脂シートにより形成することができる。
熱可塑性樹脂発泡体により補強シート10を形成する場合には、熱可塑性樹脂発泡体の連続気泡率を30%以下とする又は独立気泡とすることが好ましい。
補強シート10を積層する方法としては、補強シート10を接着剤又は加熱融着により積層する方法又は補強シート10を一つのダイ内で行う共押出法により積層する方法等が適用できる。
このような補強シート10が吸液シート6に積層されていることにより、包装基材3及び食品2を真空パック等する場合に、包装基材3が変形することを抑制して食品2を包装基材3により支持することができ、食品包装体1を外観美麗に製造することができるという効果が得られる。また、吸液シート6にドリップDが吸収された場合に、ドリップDが吸液シート6の反対側表面から染み出ることを防止することができる。したがって、一旦吸液シート6に吸収させたドリップDを吸液シート6内に保持させることができるという効果が得られる。
また、表層シート8に形成された小孔9は、少なくとも吸液シート6の表層に形成されたスキン層を貫通しているが、図4に示すように吸液シート6の厚さ方向中間部まで貫通していることが好ましい。
このような構成とされていることにより、吸液シート6の空隙Sが小孔9に向けて開口する面積をより広く採ることにより、小孔9に浸入したドリップDを速やかに吸液シート6の空隙Sに導入し、浸透させることができる。したがって、小孔9が包装基材3に間隔を空けて所定のピッチで形成されていたとしても、ドリップDを効率的に吸液シート6に吸収させることができるという効果が得られる。
また、図3,図4に示すように、表層シート8は、ガスバリア性樹脂フィルム7の吸液シート6側の面に、着色シート15を備えていてもよい。
着色シート15としては、例えば、熱可塑性樹脂に顔料等の着色剤を練りこんだものを備えて構成されていることが好ましい。顔料としては、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。着色剤の含有量は、基材の熱可塑性樹脂100質量部に対し、5〜50質量部が好ましい。
着色シート15がガスバリア性樹脂フィルム7と吸液シート6との間に介装されることにより、吸液シート6に吸収されたドリップDの色をガスバリア性樹脂フィルム7の表面側において目立たなくすることができる。したがって、ドリップDが放出された後の食品包装体1を外観美麗に維持することができるという効果が得られる。
なお、ガスバリア性樹脂フィルム7と吸液シート6又はガスバリア性樹脂フィルム7と着色シート15とは接着剤により貼着されていることが好ましい。
また、表層シート8は、食品2に接する側の面に、鮮度保持フィルムを備えていてもよい。鮮度保持フィルムとしては、例えば、熱可塑性樹脂にブラックシリカ(黒鉛ケイ石)、炭等の鮮度保持剤、水酸化カルシウム、銀等の抗菌剤を練りこんだものを備えて構成されていることが好ましい。食品2に接する表層シート8の最外層を鮮度保持フィルムとすることで、食品2の鮮度を一層維持することができるという効果が得られる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
下記仕様により、図1の食品包装体1と同様の食品包装体を作製した。
(吸液シート6と補強シート10の作製)
押出機(A)として内径90mm押出機(一段目押出機)と150mm押出機(二段目押出機)が連結されたタンデム型押出機を用い、ポリスチレン樹脂(大日本インキ化学工業社製「XC−515」メルトマスフローレイト1.3g/10分)78.9質量%、スチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物(旭化成社製「SS9000」)15.8質量%、高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製 HJ565W 密度 0.968g/cm3、メルトマスフローレイト5.0g/10分)5.3質量%を含む混合樹脂組成物100質量部に対し、界面活性剤として商品名エレストマスターS−520(花王社製アルキルスルホン酸系界面活性剤20質量%含有ポリスチレン樹脂マスターバッチ)を10質量部、気泡調整剤としてタルク0.6質量部を混合した配合原料を 押出機に投入し、最高温度230℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=70/30)4.4質量部を添加した。その後連続気泡を有する発泡に適した樹脂温度165℃付近まで冷却した。
一方、内径120mm押出機(B)を用い、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製 「HRM−12」メルトマスフローレイト 5.5g/10分)100質量部に対し、気泡調整剤としてタルク0.7質量部添加した配合原料を押出機に投入し、最高温度230℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=70/30)5.0質量部添加した。その後独立気泡を有する発泡に適した樹脂温度155℃付近まで冷却した。
押出機(A)と押出機(B)を合流ダイで合流させて積層し、さらに先端部に取り付けた口径105mm、スリットクリアランス0.5mmに設定されたサーキュラーダイより樹脂を押し出して発泡させ、この発泡シートを外径440mm、長さ500mmの冷却マンドレルに通して内面を冷却すると同時に冷却温度30℃の空気を吹き付けて外周も冷却し、その後2枚に切り開いてロール状に巻き取り、吸液シート6と補強シート10が積層された積層発泡シートを作製した。得られた積層発泡シートは厚み2.8mm、密度0.054g/cm3、坪量150g/m2であった。
押出機(A)により作製された発泡シートは、厚み1.9mm、連続気泡率が70%の連続気泡層(連続気泡型)であり、吸液シート6が得られた。
押出機(B)により作製された発泡シートは、厚み0.9mm、連続気泡率が10%の独立気泡層(独立気泡型)であり、補強シート10が得られた。
なお、連続気泡率についてはASTM D2856−87記載の測定方法に準じて測定した。すなわち25mm以上になるように切片で構成された試験体(25mmの立方体)を試料より5個切出し、ノギスを用いて見掛け体積を測定し、次に空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を用いて1−1/2−1気圧法により体積を測定し、以下の式にて連続気泡率を算出した。
連続気泡率(%)=(見掛け体積−空気比較式比重計での測定体積)/見掛け体積×100
(表層シート8の作製)
ガスバリア性樹脂フィルム7として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)を用いた。また、接着層として発泡積層シートとの接着性に優れる厚さ20μmのポリスチレン樹脂(PS)を用いた。これらPET樹脂フィルムとPS樹脂フィルムとをホットメルト接着剤を介して積層させ、表層シート8とした。そして、PS樹脂フィルムが吸液シート6の連続気泡層の表面に熱ロールを用いたラミネートにより熱融着して表層シート8を積層した。
(包装基材用積層体5の製造)
上記のようにして得られた表層シート8に、穴あけ治具を用いて小孔9を形成し、包装基材用積層体5を作製した。小孔9の形状は略円柱状とし、上部の円の直径0.5mm、深さ(円柱高さ)は1.8mmとした。小孔9は、縦方向に10mm、横方向に7.5mmのピッチで、シート100cm2当たり140個(10×14個)形成した。単位面積当たりの小孔9の面積から求めた孔開口率は0.27%であった。
(包装基材3の製造)
得られた包装基材用積層体5を、縦30cm、横15cmの長方形状に裁断し、包装基材3を作製した。
(食品包装体1の製造)
得られた包装基材3の表層シート8側に、食品(ブリの表層血合部の刺身6切れ)2を載せた。外装フィルム4の袋として、ガスバリアー性樹脂フィルムの三方シール袋(ハギオス社製、商品名:透明真空袋MZ−01、成分:ポリエチレン(厚さ55μm)+ ナイロン(厚さ15μm)、サイズ:間口300mm×長さ400mm)を用いた。その袋の中に食品2を載せた包装基材3を入れ、真空吸引(真空度99.9%以上)し、袋の開口部をヒートシールして密封し食品包装体1を作製した。
(評価)
知覚色度指数、食品2の潤い度、ドリップ吸収性、ドリップ遮蔽性、保形性のそれぞれについて評価を行うとともに総合評価を行い、その結果を表1に示した。
(知覚色度指数a*
食品包装体1を作製してから5℃で50時間保管した後、外装フィルム4の袋を開封し、包装基材3に接していた食品(ブリの表層血合部の刺身)2の面について、JIS Z 8730:2009「色の表示方法―物体色の色差」で規定する知覚色度指数a*を測定した。
知覚色度指数a*は、測定対象の赤系統の彩度を示し、数値が大きいほど赤みが増し、小さいほど褐色となる。包装前のブリの表層血合部の知覚色度指数a*、および包装後50時間保管後のガスバリア樹脂フィルムの袋に接触していたブリの表層血合部の知覚色度指数a*は、いずれも26の値を示していた。よって、26の値に近いほど赤みが維持されており、酸化劣化による褐変が少ないことを意味する。
知覚色度指数の値により、次のように評価した。
評価A:知覚色度指数が23以上の値であり、赤みが維持されている。
評価B:知覚色度指数が20を超え23未満の値であり、わずかに褐変がある。
評価C:知覚色度指数が20以下の値であり、褐変がある。
(食品の潤い度)
食品包装体1を作製してから5℃で50時間保管した後、外装フィルム4の袋を開封し、包装基材3に接していた食品(ブリの表層血合部の刺身)2の面について、目視により観察し潤い度を評価した。
評価A:十分な潤いがあり鮮度が高いように見える。
評価B:潤いがあり鮮度は中程度であるように見える。
評価C:乾燥しすぎており潤いがなく鮮度が低いように見える。
(ドリップ吸収性)
食品包装体1を作製してから5℃で50時間保管した後、食品包装体1を目視により観察しドリップ吸収性を評価した。
評価A:ドリップ(血汁)が吸液シートに十分に吸収されていて、ドリップの漏れがない。
評価B:ドリップ(血汁)が吸液シートに吸収されているが、わずかにドリップの漏れがある。
評価C:ドリップ(血汁)が吸液シートに吸収されておらず、ドリップの漏れがある。
(ドリップ遮蔽性)
食品包装体1を作製してから5℃で50時間保管した後、食品包装体1を目視により観察しドリップ遮蔽性を評価した。
評価A:吸液シートに吸収されたドリップ(血汁)の広がりが目立たない。
評価B:吸液シートに吸収されたドリップ(血汁)の広がりがわずかに目立つ。
評価C:吸液シートに吸収されたドリップ(血汁)の広がりが目立つ。
(保形性)
食品包装体1を作製した直後に、食品包装体1を目視により観察し吸液シートの保形性を評価した。
評価A:真空吸引によっても、吸液シートの変形がほとんどない。
評価B:真空吸引により、吸液シートがわずかに変形している。
評価C:真空吸引により、吸液シートの変形が著しい。
(総合評価)
知覚色度指数、食品の潤い度、ドリップ吸収性、ドリップ遮蔽性、保形性の各評価について、Aは3ポイント、Bは2ポイント、Cは1ポイントとし、各ポイントを合計し総合評価した。
総合評価A:合計ポイントが15であり、全ての評価において評価Aである場合。
総合評価B:合計ポイントが10〜14であり、全ての評価において評価Aまたは評価Bである場合。
総合評価C:合計ポイントが5〜13であり、各評価において評価Cが1つでもある場合。
[実施例2]
ガスバリア性樹脂フィルム7として厚さ12μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(EVOH)を用いた以外は実施例1と同様にして包装基材3を作製し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
[実施例3]
小孔9として、縦方向に2.5mm、横方向に2.5mmのピッチで、包装基材用積層体100cm2当たり1600個(40×40個)設け、孔開口率を3.14%とした以外は実施例1と同様にして包装基材3を作成し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
[実施例4]
小孔9として、縦方向に15mm、横方向に15mmのピッチで、包装基材用積層体100cm2当たり49個(7×7個)設け、孔開口率を0.10%とした以外は実施例1と同様にして包装基材3を作成し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
[実施例5]
吸液シート6として、下記のシートを用い、補強シート10を積層しなかった以外は実施例1と同様にして包装基材3を作製し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
(吸液シートの作製)
押出機として内径90mm押出機(一段目押出機)と150mm押出機(二段目押出機)が連結されたタンデム型押出機を用い、ポリスチレン樹脂(大日本インキ化学工業社製「XC−515」メルトマスフローレイト1.3g/10分)78.9質量%、スチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物(旭化成社製「SS9000」)15.8質量%、高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製 HJ565W 密度 0.968g/cm3、メルトマスフローレイト5.0g/10分)5.3質量%を含む混合樹脂組成物100質量部に対し、界面活性剤として商品名エレストマスターS−520(花王社製アルキルスルホン酸系界面活性剤20質量%含有ポリスチレン樹脂マスターバッチ)を10質量部、気泡調整剤としてタルク0.6質量部を混合した配合原料を押出機に投入し、最高温度230℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=70/30)3.1質量部添加した。その後連続気泡を有する発泡に適した樹脂温度165℃付近まで冷却した。
さらに先端部に取り付けた口径105mm、スリットクリアランス0.5mmに設定されたサーキュラーダイより樹脂を押し出して発泡させ、この発泡シートを外径414mm、長さ500mmの冷却マンドレルに通して内面を冷却すると同時に冷却温度30℃の空気を吹き付けて外周も冷却し、その後2枚に切り開いてロール状に巻き取った。得られた吸液シートは厚み2.5mm、密度0.090g/cm3、坪量225g/m2、連続気泡率は70%(連続気泡型)であった。
[実施例6]
吸液シート6として、坪量45g/m2のパルプ繊維製の不織布(ハビックス社製)を用い、補強シート10を積層しなかった以外は実施例1と同様にして包装基材3を作製し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
[実施例7]
表層シート8の接着層(PS層)に、基材樹脂であるポリスチレン樹脂100質量部に対し、酸化チタン25質量部を含有させ、白く着色した着色シート15とした以外は、実施例1と同様にして包装基材3を作製し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
[実施例8]
ガスバリア性樹脂フィルム7の上面(食品2に接する側の面)に、更に鮮度保持フィルム(三井化学東セロ社製、商品名:スパッシュ、厚さ30μm、鮮度保持剤含有フィルム)を積層させて積層シート8とした以外は実施例1と同様にして包装基材3を作製し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
[比較例1]
表層シート8として、ガスバリア性樹脂フィルム(PET層:OTR=400)7を用いず、厚さ20μmのポリスチレン樹脂(PS層:OTR=27500)フィルムのみを用いた以外は、実施例1と同様にして包装基材3を作製し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
[比較例2]
吸水シート6を用いず、下記のシートを用い、補強シート10のみを用いた以外は実施例1と同様にして包装基材3を作製し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
(非吸液シートの作製)
押出機として内径90mm押出機(一段目押出機)と150mm押出機(二段目押出機)が連結されたタンデム型押出機を用い、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製 「HRM−12」メルトマスフローレイト 5.5g/10分)100質量部に対し、気泡調整剤としてタルク0.7質量部添加した配合原料を押出機に投入し、最高温度230℃で溶融、混練した後、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=70/30)5.0質量部添加した。その後独立気泡を有する発泡に適した樹脂温度155℃付近まで冷却した。
さらに先端部に取り付けた口径105mm、スリットクリアランス0.5mmに設定されたサーキュラーダイより樹脂を押し出して発泡させ、この発泡シートを外径414mm、長さ500mmの冷却マンドレルに通して内面を冷却すると同時に冷却温度30℃の空気を吹き付けて外周も冷却し、その後2枚に切り開いてロール状に巻き取った。得られた非吸液シートは厚み2.8mm、密度0.054g/cm3、坪量150g/m2、連続気泡率は10%(独立気泡型)であった。
[比較例3]
吸液シート6として、坪量45g/m2のパルプ繊維製の不織布(ハビックス社製)を用い、不織布の表面には表層シート(ガスバリア性樹脂フィルム(PET層)7および接着層(PS層))8を積層せず、補強シート10も積層しなかった以外は、実施例1と同様にして包装基材3を作製し、食品包装体1を得た。
また、得られた食品包装体1について、実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
これらの結果より、実施例1の食品包装体は合計ポイント14、総合評価Bであり優れたものであったが、ドリップ遮蔽性に若干劣るものであった。
実施例2は合計ポイント14、総合評価Bであり優れたものであったが、ドリップ遮蔽性に若干劣るものであった。しかし、実施例2はガスバリア性樹脂フィルムがPETよりもガスバリア性能が高いEVOHに変更されているため知覚色度指数が上昇し、実施例1よりも食品の赤みがより維持されていた。
実施例3,4,5は合計ポイント13、総合評価Bであり優れたものであったが、実施例3は孔開口率が高く食品の潤い度が若干劣り、実施例4は孔開口率が低くドリップ吸収性が若干劣り、実施例5は補強シート10が積層されていないため保形性が若干劣るものであった。
実施例6は合計ポイント12、総合評価Bであり優れたものであったが、不織布の吸水力が強いため食品の潤い度が若干劣るものであり、また補強シート10がないため保形性が若干劣るものであった。
実施例7は合計ポイント15、総合評価Aであり極めて優れていた。特に接着層が着色され着色シートとされているので、ドリップ(血汁)遮蔽性に極めて優れていた。
実施例8は合計ポイント14、総合評価Bであり優れたものであったが、ドリップ遮蔽性に若干劣るものであった。しかし、実施例8は鮮度保持フィルムが積層されているため知覚色度指数が上昇し、実施例1よりも食品の赤みがより維持されていた。
比較例1は合計ポイント12、総合評価Cであり劣るものであった。表層シート8にガスバリア性樹脂フィルム7がなくポリスチレン樹脂(PS)フィルムのみであったため、吸液シート6中に残留していた空気(酸素)がPSフィルムを通過し食品2に触れ、食品2を褐変させてしまい、知覚色度指数が著しく劣るものであった。
比較例2は合計ポイント11、総合評価Cであり劣るものであった。吸液シート6がなく補強シート(独立気泡型の発泡シート)10のみであったため、ドリップ(血汁)吸収性が著しく劣るものであった。
比較例3は合計ポイント8、総合評価Cであり劣るものであった。吸液シート6として不織布を用いており、また表層シート8もなく、食品2が直接不織布に接しているので、不織布の吸水力が強く食品の潤い度が著しく劣るものであった。
Figure 2014234190
1 食品包装体
2 食品
3 包装基材
4 外装フィルム
5 包装基材用積層体
6 吸液シート
7 ガスバリア性樹脂フィルム
8 表層シート
9 小孔
D ドリップ
S 空隙

Claims (5)

  1. 食品のドリップを吸液する多数の空隙が形成された吸液シートと、この吸液シートの少なくとも一方の面側に積層されたガスバリア性樹脂フィルムを含む表層シートとを備え、
    前記表層シートの厚さ方向に貫通し前記吸液シートに達する小孔が複数形成されていることを特徴とする包装基材用積層体。
  2. 前記小孔は、少なくとも前記吸液シートの内部に達していることを特徴とする請求項1に記載の包装基材用積層体。
  3. 前記吸液シートは、熱可塑性樹脂発泡体により形成され、前記空隙率が50〜90%とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装基材用積層体。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の包装基材用積層体を加工して形成されていることを特徴とする包装基材。
  5. 請求項4に記載の包装基材と、食材と、これら包装基材と食材とを収納する外装フィルムとを備え、
    前記表層シートの表面に前記食材を載置した状態で、前記包装基材と前記食材とを前記外装フィルム内に収納し、封止していることを特徴とする食品包装体。
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