JP2013031996A - ポリスチレン系樹脂積層発泡シートとその製造方法及び成形容器 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂積層発泡シートとその製造方法及び成形容器 Download PDF

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裕之 樽本
Masayoshi Iwata
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Abstract

【課題】透湿度が低く、防湿性に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シート、及び該シートを熱成形して得られた成形容器の提供。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムが積層されてなることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、水蒸気透過量が低く、防湿性に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シートとその製造方法及び成形容器に関する。本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器は、水蒸気を透過し難い防湿層及び発泡層からなり、その成形容器は、例えば、即席麺容器等に成形し使用した時に、湿気により内容物が変質・劣化することを防ぎ、別袋で内包されるかやく、スープ等を袋に入れなくてもそのまま容器に充填することが可能となる。
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、表面が美しく、軽量でありながら強度があり、成形加工性に優れ、安価であるほか、疎水性に富み、衛生的で、保温・断熱性に優れているため、皿状、カップ状、丼状に成形され、各種の食品包装材や簡易容器として広く使用されている。これらの容器は、例えば、インスタントラーメンに代表されるカップ入り即席麺の容器として使用されている。カップ入り即席麺は、容器内部に乾麺を入れ、さらに各種包装袋に充填、密封した具材のパックを入れ、開口に蓋をシールし、密封包装している。これらの具材は、包装袋に入れずにそのまま容器に入れると、乾燥された具材が湿気を吸って品質低下を招き、保存期間が短くなったり、具材そのものが傷む恐れがあり、容器の防湿性をより向上させる必要があった。
従来、カップ入り即席麺の容器などの食品容器において、容器の防湿性を向上させるための技術として、例えば、特許文献1〜2に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、発泡ポリスチレンから成る基材層の片側または両側に、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体を含有する接着層を介してポリエチレンテレフタレートから成る表面層を一体に積層した多層樹脂シートを、上記ポリエチレンテレフタレートから成る表面層が容器内側に配置されるように成形されて成ることを特徴とする食品容器が開示されている。
特許文献2には、ポリスチレン系樹脂40〜60質量%とポリオレフィン系樹脂60〜40質量%との溶融混合物を接着剤として、発泡ポリスチレンシートの片面または両面にポリオレフィン系樹脂フィルムを接着してなる複合シートが開示されている。
特開2001−2134号公報 実公昭59−17628号公報
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題があった。
特許文献1に開示された従来技術は、接着層を介してPETフィルムを積層しているが、一般的なPETフィルムは、ポリスチレンとの溶融軟化温度の相違が大きく、成形の際に亀裂が入ったり、ポリスチレン発泡層がオーバーヒートしてしまうなどの問題があった。そのため低融点の特殊なPETフィルムを使用しなければならず、コスト面で大きな問題があった。
特許文献2には、ポリスチレン系樹脂40〜60質量%とポリオレフィン系樹脂60〜40質量%との溶融混合物を接着剤として、発泡ポリスチレンシートの片面または両面にポリオレフィン系樹脂フィルムを接着してなる複合シートが開示されているが、この複合シートの場合、その接着剤の混合状態が制御されていないために、その接着強度は低く、シートを丼やカップ等の深物容器に成形し使用する場合に、ポリオレフィン系樹脂フィルムが一部剥離(デラミ)するという問題を抱えている。
また、即席麺等に使用される丼容器には局面印刷機により非発泡フイルム面に文字や模様等を印刷して使用されることが一般的であるが、この複合シートの場合、非発泡層表面にポリオレフィン系樹脂フイルム層が存在する為、インキとの親和性が乏しく、印刷した文字や模様がにじんだり、かすれてしまう問題がある。
印刷特性を改善する方法として、フイルム表面にコロナ放電処理を施し、表面の活性を上げてインキに対して親和性を向上させる方法があるが、表面の活性の持続性が十分ではなく、さらに使用されるインキ等も限定される問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、水蒸気透湿度が低く、防湿性に優れ、印刷特性に適したポリスチレン系樹脂積層発泡シート、及び該シートを熱成形して得られた成形容器の提供を課題とする。
前記課題を達成するため、本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムが積層されてなることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供する。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいて、ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂非発泡フィルムが積層されている構成としてもよい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいて、前記混合樹脂に相溶化剤が添加され、その添加量がポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂100質量部当たり1〜20質量部の範囲内であることが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいて、前記混合樹脂は、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との質量比が80:20〜20:80の範囲内であることが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいて、前記環状ポリオレフィン系樹脂が環状ポリオレフィンとエチレンとの共重合体であることが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいて、前記ポリスチレン系樹脂非発泡フィルムがゴムを含むハイインパクトポリスチレン系樹脂非発泡フィルムであることが好ましい。
また本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する工程と、得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両方の面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムを積層させる工程とを有することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法を提供する。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法において、ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂非発泡フィルムを積層する工程を有する構成としてもよい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シート製造方法において、前記混合樹脂に相溶化剤が添加され、その添加量がポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂100質量部当たり1〜20質量部の範囲内であることが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法において、前記混合樹脂は、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との質量比が70:30〜30:70の範囲内であることが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法において、前記環状ポリオレフィン系樹脂が環状ポリオレフィンとエチレンとの共重合体であることが好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂非発泡フィルムがゴムを含むハイインパクトポリスチレン系樹脂非発泡フィルムであることが好ましい。
また本発明は、前述した本発明に係るポリスチレン系樹脂積層発泡シートを熱成形することによって得られた成形容器を提供する。
また本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムが積層されてなることを特徴とする成形容器を提供する。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムが積層された構成としたことによって、透湿度が低く、防湿性、印刷特性に優れている。
また本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡シートと混合樹脂非発泡フィルムとの接着強度が十分に得られ、深物容器に成形し使用する場合にもデラミ等を生じることがない。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法は、ポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する工程と、得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両方の面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムを積層させる工程とを有する構成としたので、前記の通り防湿性に優れ、成形性に優れるポリスチレン系樹脂積層発泡シートを効率よく製造することができる。
本発明の成形容器は、ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムが積層された構成としたものなので、防湿性に優れており、該成形容器内に乾燥された具材を直接入れて包装することが可能となり、具材の個別包装に伴うコストや手間を削減できる。さらに、本発明の成形容器は、表面に曲面印刷により文字や模様等の印刷することができ、印刷特性に優れている。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの一実施形態を示す断面図である。 本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの他の実施形態を示す断面図である。 比較例1として作製した積層シートの断面図である。 比較例4として作製した積層シートの断面図である。 比較例5として作製した積層シートの断面図である。 実施例7で作製したポリスチレン系樹脂積層発泡シートの断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るポリスチレン系樹脂積層発泡シートの一実施形態を示す図である。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3が積層され、かつポリスチレン系樹脂発泡シート2の他方の面に、ポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が積層された構成になっている。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シート2は、原料のポリスチレン系樹脂を、ブタンなどの発泡剤とともに押出機に供給して溶融混練し、次いで押出発泡することにより得られる。ポリスチレン系樹脂発泡シート2の発泡倍率および平均厚さは特に限定されないが、発泡倍率は1.1〜20倍程度、好ましくは2〜15倍程度であり、平均厚さは0.6〜3.0mm程度、好ましくは1.5mm〜2.5mm程度である。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シート2の原料樹脂は、特に限定されるものではなく、例えばスチレン単独重合体、あるいはスチレンを50質量%以上含む共重合体が挙げられる。共重合体としては、例えばスチレン−無水マレイン酸、スチレン−メタクリル酸、スチレン−アクリル酸(アクリル酸エステル等を含む)、スチレン−アクリロニトリル等の共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン等の3元共重合樹脂等が挙げられる。共重合体における共重合成分としては、例えばα−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系誘導体、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブタジエン、無水マレイン酸などの各種単量体が挙げられる。前記原料樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)を適宜混合することもできる。また、前記原料樹脂としては、スチレンダイマー、スチレントリマーを含む低分子量成分を低減させた樹脂を使用することが、より低分子量成分の溶出を少なくできるので好ましい。
前記混合樹脂非発泡フィルム3は、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する非発泡フィルムを主成分としている。
該混合樹脂非発泡フィルム3の構成樹脂のうち、ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えばスチレン単独重合体、あるいはスチレンを50質量%以上含む共重合体などの前記ポリスチレン系樹脂発泡シート2の原料樹脂と同様の樹脂を使用することができる。
前記環状ポリオレフィン系樹脂は、分子鎖中に環状オレフィン成分を含む高分子であればよく、環状オレフィンの単独重合体(環状ポリオレフィン(COP)とも称される)、環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体(環状オレフィンコポリマー(COC)とも称される)を用いることができる。この環状ポリオレフィン系樹脂は、各種の市販品の中から適宜選択して用いることができ、そのような市販品としては、例えば、TOPAS(商品名、ポリプラスチックス社製)、APEL(商品名、三井化学社製)、ZEONEX(商品名、日本ゼオン社製)、ZEONOR(商品名、日本ゼオン社製)、ARTON(商品名、JSR社製)などが挙げられる。
これらの環状ポリオレフィン系樹脂のなかでも、透湿性が低く、またポリスチレン系樹脂とガラス転移温度(Tg)が近く、ポリスチレン系樹脂と混合した場合に混合樹脂の成形性が良好であるなどの点から、ノルボルネンとエチレンとをメタロセン触媒にて共重合した環状オレフィンコポリマー(COC)が好ましい。
前記混合樹脂非発泡フィルム3は、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂とを質量比で80:20〜20:80の範囲内で混合してなる樹脂が好ましく、70:30〜30:70の範囲内で混合してなる樹脂がより好ましい。
前記混合比率の範囲よりもポリスチレン系樹脂が多く、環状ポリオレフィン系樹脂が少ない場合には、混合樹脂非発泡フィルム3の透湿度が高くなり、得られるポリスチレン系樹脂積層発泡シート1の防湿性が低下する。また前記混合比率の範囲よりも環状ポリオレフィン系樹脂が多く、ポリスチレン系樹脂が少ない場合には、ポリスチレン系樹脂発泡シート2への接着性が低くなって、得られるポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を深物容器に成形する場合にデラミを生じ易くなる。
前記混合樹脂非発泡フィルム3は、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂以外に、第三成分として他の熱可塑性樹脂を1種又は2種以上含有してもよい。この熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、中低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂などが挙げられる。
前記他の熱可塑性樹脂を含有させる場合、その配合量は、混合樹脂中0.1〜20質量%の範囲内が好ましい。
前記混合樹脂非発泡フィルム3には、ポリスチレン系樹脂への環状ポリオレフィン系樹脂の分散性を向上させるために、相溶化剤を添加することが好ましい。
前記相溶化剤としては、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂とを相溶化し得るものであればよく、従来公知の各種のものを用いることができる。このようなものとしては、特にスチレン系熱可塑性エラストマーの使用が好ましい。このスチレン系熱可塑性エラストマーには、SBBS系、SEBS、SEPS系、SBS系、SIS系などが挙げられ、これらの中でも、SBBS(スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンエラストマーが好ましい。
前記混合樹脂非発泡フィルム3中に相溶化剤を添加する場合、その添加量は、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂100質量部当たり1〜20質量部の範囲内であることが好ましく、2〜15質量部の範囲がより好ましく、3〜10の範囲がさらに好ましい。この添加量が1質量部未満では、ポリスチレン系樹脂への環状ポリオレフィン系樹脂の分散性を向上させる効果が不十分である。この添加量が20質量部を超えると、混合樹脂非発泡フィルム3の水蒸気透過性が高くなり、防湿性が低下して好ましくない。
前記混合樹脂非発泡フィルム3の厚みは、10〜200μmの範囲内であることが好ましく、15〜150μmの範囲がより好ましく、20〜100μmの範囲がさらに好ましい。混合樹脂非発泡フィルム3の厚みが10μm未満であると、得られるポリスチレン系樹脂積層発泡シート1の防湿性が低下する。一方、混合樹脂非発泡フィルム3の厚みが200μmを超えると防湿性能は高くなるものの、熱成形性が低下するため好ましくない。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、その強度および印刷性を向上させるために、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の他方の表面に、厚さ40μm〜250μmの範囲のポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が積層されている。このポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4の原料樹脂としては、前述したポリスチレン系樹脂発泡シート2の原料樹脂と同様のものを使用することができるが、特に、ポリスチレン系樹脂にゴム分を含有させ、脆性改善効果をもたせたハイインパクトポリスチレン系樹脂フィルムが好ましい。また、このポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4の原料としては、スチレンダイマー、スチレントリマーを含む低分子量成分を低減させた樹脂を使用することが、より低分子量成分の溶出を少なくできるので好ましい。
ゴムを含むハイインパクトポリスチレン系樹脂としては、ブタジエン系ゴム、スチレン−共役ジエンブロック共重合ゴムやその水添物、ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン共重合ゴムなどのゴム成分をポリスチレン系樹脂にブレンドしたものが挙げられる。
ポリスチレン系樹脂にブレンドされるゴム成分の割合は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し、ゴム成分が1.5〜15質量部の範囲内が好ましく、3〜10質量部の範囲内がより好ましい。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、ポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する工程、得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムを積層させる工程、及びポリスチレン系樹脂発泡シート2の他方の面にポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を積層する工程を経て製造することが好ましい。前記混合樹脂非発泡フィルム3とポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4とは、同時に、或いはいずれか一方を先に、いずれか他方を後に積層することができる。
ポリスチレン系樹脂発泡シート2は、原料のポリスチレン系樹脂を、公知の押出発泡法により押出し発泡することにより製造することができる。押出発泡法は、所望の密度となるように押出機に原料樹脂、発泡剤およびその他の添加剤を入れ、溶融混練した後、押出機のダイから押し出すことにより行われる。なお、あらかじめ原料樹脂、発泡剤および添加剤を均一に混合したものを、押出機に供給してもよい。また、添加剤は、あらかじめ原料樹脂と同種の樹脂に高濃度に添加した所謂マスターバッチ品であってもよい。
本発明の方法において使用される押出機としては、公知のもの、例えば、単軸押出機、二軸押出機が挙げられる。中でも、高圧下での押出安定性や熱劣化が少ないという点で優れている単軸押出機が好ましい。本発明の方法において使用される発泡剤としては、公知のもの、例えば、分解型発泡剤、気体または揮発性の発泡剤が挙げられる。
分解型発泡剤としては、例えば炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホウ水素化ナトリウム等の無機系分解型発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリルおよびジアゾアミノベンゼンなどのアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタンメチレンテトラミンおよびN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドおよびp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート、クエン酸などが挙げられる。
気体の発泡剤としては、例えば窒素、炭酸ガス、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、tert−ブタン、ジメチルエーテル等が挙げられる。なお、気体とは常温(20℃)、常圧(1気圧)で気体であることを意味する。揮発性の発泡剤としては、例えばエーテル、石油エーテル、アセトン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。また、水も発泡剤として使用するこどができる。これらの発泡剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの発泡剤の中でも、n−ブタンおよびi−ブタンが特に好ましい。ポリスチレン系樹脂発泡シート1の気泡サイズを約40μm以下とする場合は、発泡剤として窒素、炭酸ガスあるいは水を使用するのが好ましい。特に、窒素および炭酸ガスは、安価であるという点においても好ましい。発泡剤の添加量は、基材樹脂100質量部に対して、0.25〜5.0質量部程度である。
また、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の製造においては、原料樹脂に気泡調節剤等を添加してもよい。気泡調節剤としては、例えばタルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボン酸等の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調節剤の添加量は、原料樹脂100質量部に対して、0.01〜6.0質量部程度である。なお、気泡調節剤が多くなると、気泡膜が熱に弱くなり、押出積層時に気泡膜が破れ、その結果気泡が大きくなることがある。このような気泡の増大を防ぐには、発泡剤として窒素または炭酸ガスを用いることが好ましい。
また、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の製造においては、所望により、原料樹脂に紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
押出機内で溶融混練された樹脂は、発泡に適した温度に調節されたダイから押出し発泡され、発泡体が得られる。この発泡体は、直接シート状に、または一旦円筒状に押し出した後、任意のラインで切断することによりシート状にすることができる。
ポリスチレン系樹脂発泡シート2を製造するときの押出機バレル温度としては、使用する押出機および原料樹脂の種類等により異なるが、140〜260℃程度が好ましい。
ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3を積層する工程は、発泡シートとフィルムを共押し出しして積層する方法や、加熱ロールやバインダーや接着剤などを用いて発泡シートにフィルムを積層する方法が挙げられる。
具体的には、
(A)発泡シートとフィルムを合流・積層させてから、ダイから押出す共押出法、
(B)インラインまたはアウトラインで、押出機より押し出されたフィルムを冷却しきらないうちに、発泡シートに積層する方法、
(C)インラインまたはアウトラインで、押出機より押出された樹脂をバインダーとして、フィルム(無地または印刷したものであってもよい)を発泡シートに積層する方法、
(D)フィルム(無地または印刷したものであってもよい)を加熱ロールで加熱しながら、発泡シートに圧着して積層する方法、などが挙げられる。
ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を積層する工程についても、混合樹脂非発泡フィルム3を積層する方法と同様にして行うことができる。
また、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3を積層する工程(工程A)と、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に、ポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を積層する工程(工程B)の関係は、工程Aを初めに行っても、工程Bを初めに行ってもよく、あるいは工程A、Bを同時に行ってもよい。
さらに、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3又はポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を積層させる方法は、直接的又は間接的な積層のどちらでもよい。
具体的には、
1)ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面にポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3を直接的に積層し、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の他方の面にポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を直接的に積層する方法、
2)ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に混合樹脂非発泡フィルム3を直接的に積層し、さらにフィルム3の面上にポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を積層し、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面にポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を間接的に積層する方法、
3)ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面にポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を直接的に積層し、さらにフィルム4の面上に混合樹脂非発泡フィルム3を積層し、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に混合樹脂非発泡フィルム3を間接的に積層する方法、などが挙げられる。
本発明に係る容器は、前述した通り製造されたポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を、熱成形することによって得られる。その際に、容器の内側が混合樹脂非発泡フィルム3となるように熱成形することは、容器の密閉性を高め、防湿性能がより向上するので好ましい。ポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を熱成形する方法としては、例えば、オーブン(温度230〜300℃)内にて発泡体を軟化させた後、所望の成形型を用い成形時間3〜20秒で加熱成形する方法が挙げられる。
本発明に係る容器の形状や寸法は、特に限定されず、例えば、カップ入り即席麺用のカップや丼が挙げられる。
本発明に係る容器は、透湿度が350g/m・30日以下であることが好ましい。透湿度が350g/m・30日以下であれば、容器内への湿度の浸入を効果的に防ぐことができるので、乾燥具材を樹脂フィルム製の内袋に入れることなく直接容器内に充填しても具材の乾燥状態を良好に保つことができる。
[原料樹脂]
(1)樹脂A: 東洋スチレン社製、スチレン単独重合体(GPPS)、商品名「HRM52」、MFR=2.2g/10min(JIS K 7201(温度200℃、公称荷重5.0kg))
(2)樹脂B: ポリプラスチック社製、ノルボルネンとエチレンとの共重合体である環状ポリオレフィンコポリマー(COC)、商品名「TOPAS8007F−04」、MFR=11g/10min(JIS K 7201(温度230℃、公称荷重2.16kg))、密度=1.02g/cm
(3)樹脂C: サンアロマー社製、ポリプロピレン系樹脂(PP)、商品名「PM600A」、MFR=7.5g/min(JIS K 7201 (温度230℃、公称荷重2.16kg))、密度=0.90g/cm
(4)樹脂D: 日本ポリエチレン社製、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、商品名「LD400」、MFR=2.0g/10min(JIS K 7201(温度190℃、公称荷重2.16kg))、密度=0.919g/cm
(5)樹脂E: 東洋スチレン社製、ハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)、商品名「E641N」、MFR=5.5g/10min(JIS K 7201(温度200℃、公称荷重5.0kg)
(6)樹脂F: 旭化成社製、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、商品名「サンテックHD J241」、MFR=5.0g/10min(JIS K 7201 (温度190℃、公称荷重2.16kg))、密度=0.964g/cm
(7)樹脂G: 日本ポリエチレン社製、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、商品名「UF230」、MFR=1.0g/10min(JIS K 7201 (温度190℃、公称荷重2.16kg))、密度=0.921g/cm
(8)樹脂H: ユニチカ社製、ポリ乳酸系樹脂(PLA)、商品名「テラマックHV−6250H」、MFR=1.2g/10min(JIS K 7201 (温度190℃、公称荷重2.16kg))
[実施例1]
(ポリスチレン系樹脂発泡シート及びフィルム積層発泡シートの製造方法)
ポリスチレン系樹脂発泡シートは、押出発泡法によって得られた発泡シートを用いた。
ポリスチレン樹脂 (製品名:HRM−52(東洋スチレン社製、密度1.05g/cm、MFR=2.2g/10min))100質量部に対し、発泡剤としてブタンガス(イソブタン/ノルマルブタン=65/35)3.8質量部、気泡調整剤として粉末タルク0.85質量部を含むマスターバッチ(製品名:DSM−1401A(東洋スチレン社製))を使用して、口径115mmφと180mmφの押出機を接続させたタンデム押出機を用い、最高温度260℃に設定された押出機内で原料樹脂を溶融混練させ、その後樹脂温度153℃に冷却調整して、口径170mmのサーキュラーダイ(クリアランス0.6mm)から発泡押出した。
この押出直後に35℃のエアーを内側で0.13m/m、外側で0.30m/mの割合で吹き付け、厚さ2.2mm、倍率9.2倍のポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られた環状発泡シートは、直径671mmの冷却マンドレルを通過させ、カッターにて2枚のシートに切り裂いてロール状に巻き取ることによってポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
発泡ガスの置換の為、14日間保管した後、そのポリスチレン系樹脂発泡シートの表面にハイインパクトポリスチレン系樹脂フィルムを積層した。この積層工程は、ハイインパクトポリスチレン系樹脂 (製品名:475D(PSJ社製、密度1.04g/cm、MFR=2.2g/10min、ブタジエンゴム量3.9%)を押出機に投入して、最高温度240℃に設定した120mmφ押出機で溶融し、Tダイよりフィルム状で押出し、冷却しきらないうちに前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの表面に、厚さが120μmになるように重ね、ロールを通して接着させることによって実行し、フィルム積層発泡シートを得た。さらに、該シートを巻き取る直前に、シリコーン塗布装置(ニッカ社製)を使用してシリコーン油を吹き付けてハイインパクトポリスチレン系樹脂フィルム積層発泡シートを得た。
ハイインパクトポリスチレン系樹脂フィルム積層発泡シートのポリスチレン系樹脂発泡シート側の表面に、防湿フィルム層として、ポリスチレン系樹脂(製品名:HRM52(東洋スチレン社製)、樹脂A)60質量部と環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製、密度1.02g/cm、ガラス転移温度78℃)、樹脂B)40質量部、相溶化剤(製品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))8質量部からなる厚さ40μmのフィルムを重ね合わせ、直径80mmφの一対の熱ロールに通し、熱ロール温度125℃、引取りスピード2.0m/minの条件で熱ロール加工を施し、その直後に表面温度25℃の冷却ロールを通過させて冷却した。これによって、図1に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3が積層され、かつポリスチレン系樹脂発泡シート2の他方の面に、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が積層された構成のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を得た。
(成形容器の製造)
前記の通り製造したポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用い、その積層したポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3(防湿フィルム層)が容器の内側になるようにし、その積層したハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が容器の外側になるようにして熱成形を行なった。成形条件は、炉内雰囲気温度160℃、成形時間15〜17秒で加熱した後、開口部の直径140mm、低部の直径100mm、深さ80mmの丼状容器製造用の金型を使用して熱成形を行った。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、以下の<透湿度の測定方法−1:積層発泡シート>及び<透湿度の測定方法−2:成形容器>に従って透湿度を測定した。また、得られた成形容器について、曲面印刷を行い印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
<透湿度の測定方法−1:積層発泡シート>
積層発泡シートの透湿度は、JIS Z 0208記載の方法(条件B)に準拠し測定した。 即ち透湿カップ(JIS規格品φ60mm)に無水塩化カルシウム15gを入れ、φ70mmの試験片を用い、蓋をして、さらに蓋と透湿カップの接着断面に、漏れ防止の為に溶かしたパラフィンを塗り付け完全密封状態とした。
その後40±0.5℃、相対湿度90±2%の環境下に96時間放置し、その増加質量より透湿度を算出した。透湿度は、測定された24時間ごとの数値を算術平均し、1mあたりに1日(24h)で透湿する質量に換算した。
<透湿度の測定方法−2:成形容器>
成形容器の透湿度は、JIS Z0222記載の方法により測定した。即ち熱成形で得られた開口部の直径140mm、低部の直径100mm、深さ80mmの丼状容器に塩化カルシウム50gを入れ、蓋材としては、透湿性の極めて低い、一般的なカップ入り即席麺に使用されているものと同じシーラント剤付きのアルミシール蓋(直径140mm)を用いて加熱圧縮により蓋をして、さらに蓋と容器の接着断面に、漏れ防止の為に溶かしたパラフィンを塗り付け完全密封状態とした。その後40±0.5℃、湿度90±2%の環境下に168時間放置し、その増加質量より透湿度を算出した。透湿度は、測定された数値を1mあたりに30日間で透湿する質量に換算した。
<印刷特性>
丼形状の成形品の外周面に曲面印刷機を用いて印刷を施した。この印刷を目視観察し、次の評価基準に基づいて評価した。
良好(○)印刷のかすれ、にじみが無く良好
不良(×)印刷のかすれ、にじみが有り不良。
[実施例2]
実施例1と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得た。さらに、その積層したハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が容器の内側になるようにし、その積層したポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3(防湿フィルム層)が容器の外側になるようにして熱成形を行なった以外は、実施例1と同様にして成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例3]
防湿フィルム層として、ポリスチレン系樹脂(製品名:HRM52(東洋スチレン社製)、樹脂A)40質量部と環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)60質量部、相溶化剤(製品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))8質量部からなる厚さ40μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は実施例1と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得た。さらに実施例1と同様の方法で成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例4]
(ポリスチレン系樹脂発泡シート及びフィルム積層発泡シートの製造方法)
ハイインパクトポリスチレン系樹脂フィルム積層発泡シートの製造までは実施例1と同様とし、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム側に、防湿フイルム層としてポリスチレン系樹脂(製品名:HRM52(東洋スチレン社製)、樹脂A)60質量部と環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)40質量部、相溶化剤(製品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))8質量部からなる厚さ40μmのフィルムを重ね合わせ、直径80mmφの一対の熱ロールに通し、熱ロール温度125℃、引取りスピード2.0m/minの条件で熱ロール加工を施し、その直後に表面温度25℃の冷却ロールを通過させて冷却した。これによって、図2に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が積層され、さらにフィルム4の面上に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3が積層された構成のポリスチレン系樹脂積層発泡シート5を得た。
(成形容器の製造)
前記の通り製造したポリスチレン系樹脂積層発泡シートを用い、フィルムが積層されていないポリスチレン系樹脂発泡シート2が容器の内側になるようにし、その積層したポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルム3(防湿フィルム層)が容器の外側になるようにして熱成形を行なった。成形条件は、炉内雰囲気温度160℃、成形時間15〜17秒で加熱した後、開口部の直径140mm、低部の直径100mm、深さ80mmの丼状容器製造用の金型を使用して熱成形を行った。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例5]
防湿フィルム層として、ポリスチレン系樹脂(製品名:HRM52(東洋スチレン社製)、樹脂A)40質量部と環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)60質量部、相溶化剤(製品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))8質量部からなる厚さ40μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は実施例4と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得た。さらに実施例4と同様の方法で成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例6]
防湿フィルム層として、ポリスチレン系樹脂(製品名:HRM52(東洋スチレン社製)、樹脂A)50質量部、環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)40質量部、ポリプロピレン系樹脂(商品名:PM600A(サンアロマー社製)、樹脂C)10質量部、相溶化剤(製品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))8質量部からなる厚さ40μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は実施例1と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得た。これによって、図6に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡シート22の一方の面に、混合樹脂非発泡フィルムからなる防湿フィルム層21が積層され、他方の面にポリスチレン系樹脂非発泡フィルム23が積層された構成のポリスチレン系樹脂積層発泡シート20を得た。さらにポリスチレン系樹脂積層発泡シート20から実施例1と同様に成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例7]
ポリスチレン樹脂(製品名:HRM−52(東洋スチレン社製、MI=2.2)100質量部に対し、発泡剤としてブタンガス(イソブタン/ノルマルブタン=65/35)3.8質量部、気泡調整剤として粉末タルク0.85質量部を含むマスターバッチ品(DSM−1401A(東洋スチレン社製))を使用して、口径115mmφと180mmφの押出機を接続させたタンデム押出機を用い、最高温度260℃に設定された押出機内で原料樹脂を溶融混練させ、その後樹脂温度153℃に冷却調整して、口径170mmのサーキュラーダイ(クリアランス0.6mm)から発泡押出した。
この押出直後に35℃のエアーを内側で0.13m/m、外側で0.30m/mの割合で吹き付け、厚さ2.2mm、倍率9.2倍のポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。得られた環状発泡シートは、直径671mmの冷却マンドレルを通過させ、カッターにて2枚のシートに切り裂いてロール状に巻き取ることによってポリスチレン系樹脂発泡シートを得た。
発泡ガスの置換の為、14日間保管した後、そのポリスチレン系樹脂発泡シートの表面に防湿性を有する混合樹脂非樹脂フィルムを積層した。この積層工程は、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(商品名:E641N(東洋スチレン社製)、樹脂E)60質量部と環状ポリオレフィン系樹脂(商品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)40質量部、相溶化剤(商品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))5質量部をあらかじめブレンドしたものを押出機に投入して、最高温度240℃に設定した120mmφ押出機で溶融し、Tダイよりフィルム状で押出し、冷却しきらないうちに前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの表面に、厚さが120μmになるように重ね、ロールを通して接着させることによって実行し、フィルム積層発泡シートを得た。さらに、該シートを巻き取る直前に、シリコーン塗布装置(ニッカ社製)を使用してシリコーン油を吹き付けてポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得た。さらにポリスチレン系樹脂積層発泡シートから実施例1と同様に成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例8]
防湿フィルム層として、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(E641N(東洋スチレン社製)、樹脂E)70質量部、環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)30質量部、相溶化剤(商品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))5質量部からなる厚さ120μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は、実施例7と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得、さらに成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例9]
防湿フィルム層として、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(E641N(東洋スチレン社製)、樹脂E)60質量部、環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)30質量部、ポリプロピレン系樹脂(PM600A(サンアロマー社製)、樹脂C)10質量部、相溶化剤(商品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))5質量部からなる厚さ120μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は、実施例7と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得、さらに成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例10]
防湿フィルム層として、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(E641N(東洋スチレン社製)、樹脂E)60質量部、環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)30質量部、低密度ポリエチレン樹脂(商品名:LD400(日本ポリエチレン社製)、樹脂D)10質量部、相溶化剤(商品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))5質量部からなる厚さ120μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は、実施例7と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得、さらに成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例11]
防湿フィルム層として、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(商品名:E641N(東洋スチレン社製)、樹脂E)60質量部、環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)30質量部、高密度ポリエチレン樹脂(商品名:サンテックHD J241(旭化成社製)、樹脂F)10質量部、相溶化剤(商品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))5質量部からなる厚さ120μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は、実施例7と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得、さらに成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例12]
防湿フィルム層として、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(商品名:E641N(東洋スチレン社製)、樹脂E)60質量部、環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)30質量部、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商品名:UF230(日本ポリエチレン社製)、樹脂G)10質量部、相溶化剤(商品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))5質量部からなる厚さ120μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は、実施例7と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得、さらに成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[実施例13]
防湿フィルム層として、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(商品名:E641N(東洋スチレン社製)、樹脂E)60質量部、環状ポリオレフィン系樹脂(製品名:TOPAS8007F−04(ポリプラスチック社製)、樹脂B)30質量部、ポリ乳酸系樹脂(商品名:テラマックHV−6250H(ユニチカ社製)、樹脂H)10質量部、相溶化剤(商品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))5質量部からなる厚さ120μmの混合樹脂非発泡フィルムとしたこと以外は、実施例7と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得、さらに成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[比較例1]
ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に混合樹脂非発泡フィルム3(防湿フィルム層)を積層しなかったこと以外は、実施例1と同様にし、図3に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の他方の面にハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4を積層した構成のポリスチレン系樹脂積層発泡シート10を得た。さらに、フィルムが積層されていないポリスチレン系樹脂発泡シート2が容器の内側になるようにし、その積層したハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が容器の外側になるようにして熱成形を行なったこと以外は、実施例1と同様にして成形容器を製造した。
得られた成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[比較例2]
防湿フィルム層として、ポリスチレン系樹脂(製品名:HRM52(東洋スチレン社製))50質量部とポリプロピレン樹脂(製品名:PM600A(サンアロマー社製、密度0.90g/cm、MFR=7.5g/10min))50質量部、相溶化剤(製品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))8質量部からなる厚さ40μmのフィルムとしたこと以外は実施例1と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得た。さらに実施例1と同様の方法で成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[比較例3]
防湿フィルム層として、ポリスチレン系樹脂(製品名:HRM52(東洋スチレン社製))50質量部と低密度ポリエチレン樹脂(製品名:LD400(日本ポリエチレン社製、密度0.919g/cm、MFR=2.0g/10min))50質量部、相溶化剤(製品名:タフテックH1041(旭化成ケミカルズ社製))8質量部からなる厚さ40μmのフィルムとしたこと以外は実施例1と同様の製造方法でポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得た。さらに実施例1と同様の方法で成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[比較例4]
防湿フィルム層として、20μm無延伸ポリプロピレンフィルム13と、20μmポリスチレン樹脂フィルム12とをポリウレタン系接着剤を介してドライラミネートしたポリオレフィン系樹脂積層フィルムとしたこと以外は実施例1と同様の製造方法で、図4に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面にポリスチレン樹脂フィルム12と無延伸ポリプロピレンフィルム13とが順に積層され、かつポリスチレン系樹脂発泡シート2の他方の面にハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が積層された構成のポリスチレン系樹脂積層発泡シート11を得た。さらに実施例1と同様の方法で成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度を測定した。また、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
[比較例5]
防湿フイルム層として、20μm無延伸ポリプロピレンフィルム13と、20μmポリスチレン樹脂フィルム12とをポリウレタン系接着剤を介してドライラミネートしたポリオレフィン系樹脂積層フィルムからなる防湿フイルム層としたこと以外は実施例4と同様の方法で、図5に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡シート2の一方の面に、ハイインパクトポリスチレン樹脂からなるポリスチレン系樹脂非発泡フィルム4が積層され、さらにフィルム4の面上に、ポリスチレン樹脂フィルム12と無延伸ポリプロピレンフィルム13とが順に積層された構成のポリスチレン系樹脂積層発泡シート14を得た。さらに実施例4と同様の方法で成形容器を製造した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器について、前記の通り透湿度、印刷特性を評価した。その結果を表1に記す。
Figure 2013031996
表1に記した結果より、本発明に係る実施例1〜13は、得られた成形容器の透湿度が203〜346g/m・30日と低く、優れた防湿性を有していた。また本発明に係る実施例1〜13は容器成形に際して、デラミを生じることがなく、良好な成形性を有していた。
また、本発明に係る実施例1〜13は、成形品の外側の面に曲面印刷機を用いて印刷を施したところ、印刷特性が良好(○)であった。
一方、混合樹脂非発泡フィルムのない比較例1の成形容器は、透湿度が931g/m・30日と非常に高く、防湿性が悪かった。
また、比較例2は、混合樹脂非発泡フィルムの環状ポリオレフィン系樹脂に代えて、環状ポリオレフィン系樹脂よりもポリスチレン系樹脂に対する相溶性が低く、透湿度が高いポリプロピレン樹脂を用いたため、得られた成形容器の透湿度が451g/m・30日と高くなり、防湿性が悪かった。
また、比較例3は、混合樹脂非発泡フィルムの環状ポリオレフィン系樹脂に代えて、環状ポリオレフィン系樹脂よりもポリスチレン系樹脂に対する相溶性が低く、透湿度が高い低密度ポリエチレン樹脂を用いたため、得られた成形容器の透湿度が503g/m・30日と高くなり、防湿性が悪かった。
また、比較例4は、混合樹脂非発泡フィルムの環状ポリオレフィン系樹脂に代えて、20μm無延伸ポリプロピレンフィルムと、20μmポリスチレン樹脂フィルムとをポリウレタン系接着剤を介してドライラミネートしたポリオレフィン系樹脂積層フィルムを積層した構成としたが、得られた成形容器の透湿度が378g/m・30日と実施例1〜13よりも高くなり、防湿性が悪かった。
また、比較例5は、混合樹脂非発泡フィルムの環状ポリオレフィン系樹脂に代えて、20μm無延伸ポリプロピレンフィルムと、20μmポリスチレン樹脂フィルムとをポリウレタン系接着剤を介してドライラミネートしたポリオレフィン系樹脂積層フィルムを積層した構成とし、防湿フィルム層を成形容器外側になるよう成形したが、得られた成形容器の透湿度が384g/m・30日と実施例1〜13よりも高くなり、防湿性が悪かった。さらに成形品の外側の面に曲面印刷機を用いて印刷を施したところ、インクのにじみが見られ、印刷特性に劣るものであった。
本発明は、水蒸気透過量が低く、防湿性に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シートとその製造方法及び成形容器に関する。本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び成形容器は、水蒸気を透過し難い防湿層及び発泡層からなり、その成形容器は、例えば、即席麺容器等に成形し使用した時に、湿気により内容物が変質・劣化することを防ぎ、別袋で内包されるかやく、スープ等を袋に入れなくてもそのまま容器に充填することが可能となる。
1…ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、2…ポリスチレン系樹脂発泡シート、3…混合樹脂非発泡フィルム、4…ポリスチレン系樹脂非発泡フィルム、5…ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、10,11…ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、12…ポリスチレン樹脂フィルム、13…無延伸ポリプロピレンフィルム、20…ポリスチレン系樹脂積層発泡シート、21…混合樹脂非発泡フィルム、22…ポリスチレン系樹脂発泡シート。

Claims (14)

  1. ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムが積層されてなることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  2. 前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂非発泡フィルムが積層されている請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  3. 前記混合樹脂に相溶化剤が添加され、その添加量がポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂100質量部当たり1〜20質量部の範囲内である請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  4. 前記混合樹脂は、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との質量比が80:20〜20:80の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  5. 前記環状ポリオレフィン系樹脂が環状ポリオレフィンとエチレンとの共重合体である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  6. 前記ポリスチレン系樹脂非発泡フィルムがゴムを含むハイインパクトポリスチレン系樹脂非発泡フィルムである請求項2〜5のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  7. ポリスチレン系樹脂発泡シートを製造する工程と、得られたポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両方の面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムを積層させる工程とを有することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
  8. ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂非発泡フィルムを積層する工程をさらに有する請求項7に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
  9. 前記混合樹脂に相溶化剤が添加され、その添加量がポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂100質量部当たり1〜20質量部の範囲内である請求項7又は8に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
  10. 前記混合樹脂は、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との質量比が70:30〜30:70の範囲内である請求項7〜9のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
  11. 前記環状ポリオレフィン系樹脂が環状ポリオレフィンとエチレンとの共重合体である請求項7〜10のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
  12. 前記ポリスチレン系樹脂非発泡フィルムがゴムを含むハイインパクトポリスチレン系樹脂非発泡フィルムである請求項8〜11のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの製造方法。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを熱成形することによって得られた成形容器。
  14. ポリスチレン系樹脂発泡シートの一方の面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合樹脂を含有する混合樹脂非発泡フィルムが積層されてなることを特徴とする成形容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2015037409A1 (ja) * 2013-09-10 2017-03-02 Dic株式会社 バリア性積層体及びこれを用いた包装材

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