JPH08174737A - 積層ポリプロピレン系樹脂発泡シート及びその成形品 - Google Patents

積層ポリプロピレン系樹脂発泡シート及びその成形品

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JPH08174737A
JPH08174737A JP31845694A JP31845694A JPH08174737A JP H08174737 A JPH08174737 A JP H08174737A JP 31845694 A JP31845694 A JP 31845694A JP 31845694 A JP31845694 A JP 31845694A JP H08174737 A JPH08174737 A JP H08174737A
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英志 浅田
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裕之 上野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緩衝性、機械的強度を共存させる積層ポリプ
ロピレン系樹脂発泡シート及びその成形品を提供する。 【構成】 積層ポリプロピレン系樹脂発泡シートが、密
度0.5〜0.06g/cm3の範囲にあるポリプロピレ
ン系樹脂を主成分とする第1の発泡シートの少なくとも
一方の面に密度0.06〜0.025g/cm3の範囲に
あるポリプロピレン系樹脂を主成分とする第2の発泡シ
ートを積層したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量な積層ポリプロピ
レン系樹脂発泡シート及びその成形品に関し、特にフル
ーツトレー、緩衝包装用の緩衝材などに好適な積層ポリ
プロピレン系樹脂発泡シート及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
各種仕切り材、緩衝包装用の緩衝材、折り箱等には段ボ
ール紙、ポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体等が
使用されている。しかし、段ボール紙は吸湿性や繰り返
しの緩衝特性に劣るなどの欠点がある。一方、ポリスチ
レン発泡体は剛性に優れる反面、クッション性、繰り返
しの緩衝特性に劣るため、比較的重量が重く、表面硬度
の高い素材の包装に限られる事が多い。従って、表面硬
度の弱い果実類の包装には不向きである。
【0003】その対策として、スチレン系重合体にゴム
分を混合する方法、ポリエチレン系樹脂とポリスチレン
系樹脂とを混合する方法などがある。しかしながら、柔
軟化は進行するものの繰り返しの弾性回復性、緩衝性能
はほとんど変化せず、また耐溶剤性にも劣るという問題
がある。特に、ポリスチレンとポリエチレンの混合物の
場合、両者の樹脂の相溶性が乏しいため低密度のものが
得にくくなるといった問題がある。
【0004】また、ポリエチレン発泡体は、柔軟性、繰
り返しの緩衝特性に優れるものの、比較的重量が重い素
材の包装には不向きである。その対策として、発泡体密
度を大きくした場合には、柔軟性が損なわれる事とな
る。従って、ポリエチレン発泡体は軽量で高度な緩衝性
を要求する素材への使用に限定されている。また、架橋
処理によって機械的強度、二次加工性を向上させた架橋
ポリエチレン発泡体は、柔軟性を持ち、果実の保護性は
優れているが、形状保持強度が不足している。そのため
持ち運びの際に形が崩れて持ちにくく、またトレー形態
のものを斜めに展示する際には、強度が足りないために
下方に垂れ下がる事や、架橋に使用するゲル分のために
材料のリサイクルができない等の問題もある。また、架
橋処理方法として、化学架橋剤を用いる方法、電離放射
線等を用いる方法、ポリエチレン系樹脂にシラン化合物
をグラフト重合することによりシラン変性ポリエチレン
系樹脂を製造し、この樹脂をシラノール触媒と水の存在
下で架橋を行ういわゆる水架橋方法等が知られている。
しかしながら、どの架橋方法も極めて複雑な工程を必要
とし、また設備が高価であるものもあり、工業的に非常
に不利である。
【0005】この対策として、スチレン系樹脂発泡体の
少なくとも一方の面に柔軟性のあるポリオレフィン系樹
脂発泡体を積層して表面に柔軟性と強度を持たせる方法
(実公昭62−18443号)がある。しかし、2種の
樹脂の軟化温度、成形性の差から二次加工性に乏しく、
またスチレン系樹脂との積層に接着剤層を設ける必要が
あり、コスト的に不利である。
【0006】また発泡倍率の異なるスチレン系樹脂発泡
体を積層し、高発泡のスチレン系樹脂発泡体を収納物接
触面に位置させる事によって柔軟性と強度を持たせた果
実トレーがある(実公昭5−42010号)。しかし、
高倍層への果実の収納による重みによって発泡層を座屈
させることで弾力性を上げるものであり、表面硬度の弱
い果実等の品物の収納時には、やはり表面に傷が付く状
況が見られた。
【0007】一方、ポリプロピレン系樹脂は、ポリエチ
レン系樹脂より、耐熱性及び強度面で優れている。しか
し、ポリプロピレン系樹脂は、結晶融点以上では、溶融
粘度が極めて低く、発泡した気泡を保持できないので、
破泡し易い。そのため、従来のポリプロピレン系樹脂発
泡体は、連続気泡率の高いシートしか得ることができ
ず、独立気泡を有する良好な機械的特性及び耐熱性に優
れた発泡体を得ることが困難であった。即ち、従来のポ
リプロピレン系樹脂発泡体は、密度が0.5g/cm3
上の低発泡品か、或いは密度が0.03g/cm3以下の
高発泡品しか得られていなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、密度0.5〜0.06g/cm3の範囲にあるポリプ
ロピレン系樹脂を主成分とする第1の発泡シートの少な
くとも一方の面に密度0.06〜0.025g/cm3
範囲にあるポリプロピレン系樹脂を主成分とする第2の
発泡シートを積層したことを特徴とするポリプロピレン
系樹脂発泡シートが提供される。
【0009】更に、本発明によれば、上記積層ポリプロ
ピレン系樹脂発泡シートから成形されたことを特徴とす
る成形品が提供される。本発明に使用できるポリプロピ
レン系樹脂は、特に限定されず、市販のポリプロピレン
樹脂を使用することができる。好ましいポリプロピレン
系樹脂としては、Z平均分子量Mzが少なくとも2.0
×106で、Mz/Mwが少なくとも3.0以上であ
り、かつゲルパーミエイションクロマトグラフによる分
子量分布カーブが、高分子領域に分岐ポリマーを含むこ
とを示すカーブの張り出しがある形状のキャメル型であ
るポリプロピレン−ポリエチレンブロック共重合体又は
同キャメル型のポリプロピレン単独重合体が挙げられ
る。
【0010】本発明において、Z平均分子量Mzは、ゲ
ルパーミエイションクロマトグラフ(以下GPCと称す
る)による測定により、最も高分子量側の分布が強調さ
れる平均分子量であり、分子量の3乗の平均値を意味す
る。また、重量平均分子量Mwは、GPCによる測定に
より、測定される物性値がポリマーの重量に直接関係す
るときに求められる平均分子量であって、分子量の2乗
の平均値を意味する。
【0011】なお、本発明で行ったGPC測定方法は次
の通りである。 測定装置:GPC 150−C型(Water社製) 測定条件:カラム KF−80M(SHODEX社製)
を2本 カラム温度 145℃ 注入温度 145℃ ポンプ温度 60℃ 感度 32 使用溶剤 o−ジクロロベンゼン(1.0ml/分) 走査時間 50分 注入容積 400μl 更に、本発明に好適に使用できるポリプロピレン系樹脂
は、キャメル型の分子量分布カーブを有している。この
キャメル型の分子量分布カーブとは、例えば図1に示す
如き高分子量領域にラクダの背のように張出を有する形
状の分子量分布カーブを意味する。分子量分布カーブ
は、高分子量の領域のある成分が多くの分岐を有してい
ることを示している。なお、図1中、カーブAは本発明
に使用できるキャメル型ポリプロピレン系樹脂を示し、
カーブBは発泡時において充分な溶融張力を得難いポリ
プロピレン系樹脂を示している。
【0012】ここで、Mzが2.0×106未満又はM
z/Mwが3.0未満の場合は、いずれも発泡時におい
て充分な溶融張力が得難く、所望の密度の発泡シートを
得ることが困難である。特に好ましくは、第1の発泡シ
ートを構成する樹脂を、分子量分布においてキャメル型
を示すポリプロピレン単独重合体を主成分とし、第2の
発泡シートを構成する樹脂を、分子量分布においてキャ
メル型を示すポリプロピレン−ポリエチレンブロック共
重合体とすることである。なお、ポリプロピレン−ポリ
エチレンブロック共重合体において、ポリエチレンの含
有割合は、0.1〜10重量%、好ましくは1〜6重量
%である。
【0013】本発明に使用できるキャメル型ポリプロピ
レン系樹脂は、ハイモント社製PF−814、SD−6
32、X−10005、X11277−22−1等が挙
げられる。なお、キャメル型ポリプロピレン系樹脂は、
一般的には従来の線状ポリプロピレン系樹脂に低レベル
の放射線を照射することにより、また少量の過酸化の混
合により分岐ポリマーを生じさせることにより製造され
たものも使用することができる。
【0014】本発明の発泡シートでは、上記ポリプロピ
レン系樹脂を主成分として含むが、ここで主成分とは、
60重量%以上、好ましくは80〜100重量%含むこ
とを意味する。ここで、60重量%より少ない場合は、
発泡性を損なうので好ましくない。また、本発明の積層
ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、第1の発泡シート
が、常温において100MPa以上の曲げ弾性率を有
し、第2の発泡シートが、常温において30MPa以下
の引張弾性率を有することが更に好ましい。ここで、第
1の発泡シートの常温における曲げ弾性率が100MP
aより小さい場合、強度不足となり、高重量物の緩衝包
装材の使用の際、形状がくずれる等の問題が発生する。
一方、第2の発泡シートの常温における引張弾性率が3
0MPa以上の場合、クッション性に劣り、包装物の表
面に傷が付く等の問題が発生する。
【0015】本発明のポリプロピレン系樹脂には、その
目的を阻害しない範囲で、他の樹脂を添加してもよい。
添加することができる樹脂としては、エチレン・プロピ
レンランダム共重合樹脂、エチレン・ブテン・プロピレ
ン共重合樹脂、アイオノマー、エチレン・プロピレンゴ
ム、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。このうち、直鎖
状低密度及び超低密度ポリエチレンが好ましい。
【0016】なお、第1及び第2のシートをすべて発泡
体とした理由は、強度を持たせる他の方法として非発泡
シートとの積層が挙げられるが、非発泡シートと発泡シ
ートとを比較した場合、同強度を得るためには発泡シー
トを積層した場合の方が軽量化でき、コスト的に有利で
あるからである。更に、本発明のポリオレフィン系樹脂
発泡シートは、押出発泡、圧縮発泡、射出発泡等と、ブ
ロック成形、板状成形、型物成形等の方法を組み合わせ
ることにより製造することができる。以下では、押出発
泡成形を利用して製造する方法について説明する。
【0017】まず、ポリプロピレン系樹脂からなる基材
樹脂を、発泡押出機に供給する。発泡押出機は、当該分
野で一般に使用されているスリットダイ、サークラーダ
イ等のダイを備えた装置をいずれも使用することができ
る。上記基材樹脂には、発泡剤が添加される。発泡剤
は、特に限定されず、分解性発泡剤、気体又は揮発性の
発泡剤、またはこれらを混合して使用することができ
る。なお、キャメル型を示すポリプロピレン系樹脂を基
材樹脂として使用すれば、成型時における溶融粘度が、
他の基材樹脂より高いので、気体又は揮発性の発泡剤を
使用しても十分な特性を有する発泡シートを製造するこ
とができる。
【0018】分解性発泡剤としては、例えば、炭酸アン
モニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜
硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジ
ド、ホウ水素ナトリウム等の無機系分解性発泡剤、アゾ
ジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビ
スイソブチロニトリル及びジアゾアミノベンゼン等のア
ゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンナンメチレンテト
ラミン及びN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソ
テレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド及
びp,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバ
ジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒ
ドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート
等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独でも組み合わ
せてもよい。また、分解性発泡剤の添加割合は、基材樹
脂100重量部に対して、0.1〜5重量部とすること
が好ましい。更に、分解温度、発生ガス量及び分解速度
を調節するために、公知の発泡助剤を添加することもで
きる。
【0019】気体の発泡剤としては、空気、窒素、炭酸
ガス、プロパン、ネオペンタン、メチルエーテル、二塩
化フッ化メタン、n−ブタン、i−ブタン等が挙げられ
る。なお、ここで気体とは、常温で気体であることを意
味する。一方、揮発性の発泡剤としては、エーテル、石
油エーテル、アセトン、ペンタン、ヘキサン、イソヘキ
サン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等
が挙げられる。揮発性発泡剤の添加割合は、発泡剤の種
類、所望する発泡倍率等によっても異なるが、基材樹脂
100重量部に対して、0.5〜20重量部とすること
が好ましい。
【0020】上記、発泡剤のうち、ブタン、窒素が特に
好ましい。本発明において樹脂と発泡剤との溶融混練中
に、更に、気泡調節剤を添加してもよい。気泡調節剤と
しては、タルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボン酸
の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸
ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調節剤
は、基材樹脂100重量部に対して0.01〜1.0重
量部とすることが好ましい。更に、必要に応じて熱安定
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等も添加するこ
ともできる。
【0021】ここで、押出発泡成形の条件は、押出機中
で180〜240℃に加熱することにより樹脂を溶融さ
せ、次いでダイに発泡に最も適する温度、即ち140〜
175℃に調節しながら注入し、それから押出すことが
好ましい。次に、発泡シート同士を積層する方法として
は、あらかじめ成形された発泡シートに新たな発泡シー
トを押出してラミネートする方法、あらかじめ成形され
た発泡シート同士を加熱して積層する方法、接着剤、粘
着剤等を介在させて積層する方法、共押出にて同時一体
成形する方法、又はその組合せ等の公知の方法がいずれ
も使用できる。
【0022】なお、本発明の積層ポリプロピレン系樹脂
発泡シートの厚みは、1.0〜5.0mmが好ましい。厚
み1.0mmより小さい発泡シートは柔軟すぎて、形状保
持性に劣り、厚み5.0mmを越えるものは熱成形等のシ
ート成形性が困難となる。更に、第1の発泡シートの厚
みは、1.0〜3.0mmが好ましく、第2の発泡シート
の厚みは1.5〜4.0mmが好ましい。
【0023】なお、上記では2層の場合について述べた
が、第1の発泡シートの両面に第2の発泡シートを積層
した3層構造、さらにはそれ以上の積層体からなる発泡
シートとすることも可能である。更に、本発明の緩衝性
及び機械的特性の妨げにならない限り、表面美麗性等の
ために本発明の積層体表面に不織布、金属箔、化粧紙、
印刷フィルム等を積層してもよい。
【0024】上記の積層ポリプロピレン系樹脂発泡シー
トは、成形することにより用途に応じた所望の成形品を
提供することができる。成形品としては、例えば、フル
ーツトレー、緩衝包装用の緩衝材等が挙げられる。成形
方法は、特に限定されず、金型などを用いて発泡シート
に熱及び/又は圧力を加えることにより所定の形状に成
形する方法が利用できる。
【0025】
【作用】本発明の積層ポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、密度0.5〜0.06g/cm3の範囲にあるポリプ
ロピレン系樹脂を主成分とする第1の発泡シートの少な
くとも一方の面に密度0.06〜0.025g/cm3
範囲にあるポリプロピレン系樹脂を主成分とする第2の
発泡シートを積層したことを特徴とするので、単一素材
にて柔軟性及び機械的強度の両面に優れた積層発泡シー
トが得られる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を用い本発明を更に詳細に説明
する。 実施例1〜8、比較例1〜5 本実施例及び比較例に使用したポリプロピレン系樹脂
(樹脂A〜D)及びポリエチレン系樹脂(樹脂E〜F)
の各物性値を表1に示した。
【0027】表1に示すように樹脂を組み合わせて以下
の如き工程で発泡シートを製造した。まず、基材樹脂を
一定量の気泡調製剤と共に混合し、その混合物を口径φ
90−φ115mmの単軸スクリューを備えた発泡押出機
に供給した。第1押出機の中央ゾーンで発泡剤としてブ
タンを注入した。第1押出機で溶融混練された後、樹脂
は第2押出機に運ばれ、最も発泡に適する温度に保たれ
た口径φ90mm金型に注入された。次いで、ダイギャッ
プ0.5mmのスリットから押し出され、管状発泡体とし
た。更に、外径380mmのサイジングドラムに添わせて
引き取られ円周上の一点でカッターにより切開され、シ
ート状の発泡体を得た。得られた発泡シートの特性を表
1に示した。
【0028】このようにして貼られた発泡シートについ
てテンシロンUCT−105(オリエンテック社製)を
用い、それぞれの常温での引張弾性率及び曲げ弾性率を
測定した。その結果を表1に示す。 ・引張試験……JIS K−6767に準拠 ・曲げ試験……JIS K−7221に準拠 ただし、共押出法によって得たシートの場合、各層それ
ぞれのシートと同厚み、同密度のシートを得、測定し
た。
【0029】発泡シートの積層には、共押出法と熱ラミ
ネート法を用いた。共押出法では、各層の基材樹脂を供
給し、同時一体成形し、熱ラミネート法では、あらかじ
め成形された発泡シートに新たな発泡シートを押出して
成形体を得た。このようにして得られた積層発泡シート
を図2及び3のトレー形状に成形し、その特性を以下の
方法で評価した。
【0030】・緩衝性……果実を収納し、中仕切り無し
で2段に積んで包装し、輸送した際に、果実表面に傷が
付かない場合を○とし、傷が付く場合を×とした。 ・形状保持性……前記の緩衝性と同様に包装し、輸送し
た際にトレーから果実の落下、玉ズレ等の現象を生じな
い場合を○とし、現象を生じる場合を×とした。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、緩衝性を必要と
する積層体(第2の発泡シート)の密度が0.06g/
cm3より大きい場合(比較例1及び5)、引張弾性率の
値に影響を受けず緩衝性に乏しいものなる。一方、強度
を必要とする積層体(第1の発泡シート)の密度が0.
5g/cm3より大きい場合(比較例3)、形状保持性が
乏しいものとなる。
【0033】
【発明の効果】本発明の積層ポリプロピレン発泡シート
は、密度0.5〜0.06g/cm3の範囲にあるポリプ
ロピレン系樹脂を主成分とする第1の発泡シートの少な
くとも一方の面に密度0.06〜0.025g/cm3
範囲にあるポリプロピレン系樹脂を主成分とする第2の
発泡シートを積層したことを特徴とするので、単一樹脂
にて柔軟性及び機械的強度の両面に優れた積層発泡シー
トが得られる。
【0034】また、第1の発泡シートが、常温において
100MPa以上の曲げ弾性率を有し、第2の発泡シー
トが、常温において30MPa以下の引張弾性率を有す
ることからなることにより、更に機械的強度の優れた積
層発泡シートが得られる。更に、ポリプロピレン系樹脂
が、少なくとも2.0×106以上のZ平均分子量Mz
と少なくとも3.0以上のMz/Mw(重量平均分子
量)を有し、かつゲルパーミエイションクロマトグラフ
による分子量分布カーブが、高分子領域に分岐ポリマー
を含むことを示すカーブの張り出しがある形状のキャメ
ル型であるポリプロピレン−ポリエチレンブロック共重
合体又は同キャメル型であるポリプロピレン単独重合体
であることにより、成形性を損なうことなく、柔軟性と
形状保持性を持つ発泡シートを得ることができる。
【0035】また、成形品が、上記の積層ポリプロピレ
ン系樹脂発泡シートから成形されることにより、商品を
保護する柔軟性を持ち、かつ持ち運びの際やトレー形態
のものを斜めに展示する際に垂れ下がりの少ない形状保
持性を有する成形品を得ることができる。特に、例えば
ナシやモモなどの高重量で包装物の表面が非常に軟質で
傷付きやすい品物の包装に好適である。
【0036】また、本発明の積層ポリプロピレン系樹脂
発泡シート及びその成形品は、耐熱性に優れ、単一樹脂
を使用しているのでリサイクル面でも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャメル型ポリプロピレン系樹脂と従来のポリ
プロピレン系樹脂の高温GPCによる分子量分布曲線を
示すグラフである。
【図2】本発明のシートを成形して得たトレーの正面図
である。
【図3】本発明のシートを成形して得たトレーの平面図
である。
【符号の説明】
1 トレー 2 果実等の収納用凹部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.5〜0.06g/cm3の範囲に
    あるポリプロピレン系樹脂を主成分とする第1の発泡シ
    ートの少なくとも一方の面に密度0.06〜0.025
    g/cm3の範囲にあるポリプロピレン系樹脂を主成分と
    する第2の発泡シートを積層したことを特徴とする積層
    ポリプロピレン系樹脂発泡シート。
  2. 【請求項2】 第1の発泡シートが、常温において10
    0MPa以上の曲げ弾性率を有し、第2の発泡シート
    が、常温において30MPa以下の引張弾性率を有する
    ことからなる請求項1記載の積層ポリプロピレン系樹脂
    発泡シート。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の発泡シートにおけるポリ
    プロピレン系樹脂が、少なくとも2.0×106以上の
    Z平均分子量Mzと少なくとも3.0以上のMz/Mw
    (重量平均分子量)を有し、かつゲルパーミエイション
    クロマトグラフによる分子量分布カーブが、高分子領域
    に分岐ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しがあ
    る形状のキャメル型であるポリプロピレン−ポリエチレ
    ンブロック共重合体又は同キャメル型であるポリプロピ
    レン単独重合体である請求項1記載の積層ポリプロピレ
    ン系樹脂発泡シート。
  4. 【請求項4】 請求項1の積層ポリプロピレン系樹脂発
    泡シートから成形されたことを特徴とする成形品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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