JP2004149713A - ポリプロピレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】充填剤を10〜33重量%含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートを熱成形してなる成形体であって、見かけ密度が200〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、厚み方向の平均気泡数が5〜30個であり、且つ独立気泡率が少なくとも50%であるポリプロピレン系樹脂発泡成形体に関する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン系樹脂押出発泡シートからの成形体、殊に充填剤が多量に混合されたポリプロピレン系樹脂組成物からなる見かけ密度が小さく、平均気泡径が小さく、かつ独立気泡率が高く、断熱性と軽量性とに優れ、外観が良好なポリプロピレン系樹脂発泡成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリスチレン系樹脂発泡シートから熱成形により製造された食品用容器は、軽量、剛性、断熱性に優れており、外観も良好である。しかしながら、耐熱性に欠ける難点がある。食品容器の耐熱性を高めるためには、ポリスチレン系樹脂発泡シートよりもポリプロピレン系樹脂発泡シートを使用する方がよく、ポリプロピレン系樹脂発泡シートおよびポリプロピレン系樹脂発泡シートから熱成形により製造された食品用容器については多くの検討が為されてきている。
【0003】
例えば、ポリプロピレン樹脂に無機質粉末を多量に含有されたポリプロピレン系樹脂発泡シート表面に図柄などが印刷された発泡シートを熱成形する際の位置ずれを解消する発泡シートおよびその製造方法が特許文献1に提案されており、無機質粉末が10〜50重量%混合された密度が0.2〜1.2g/cm3、厚さ0.2〜3mmの熱成形用発泡シートが開示されている。しかし、実際に製造された発泡シートは、見かけ密度の下限が0.43g/cm3の発泡シートであり、しかも独立気泡率のかなり低い連続気泡構造の発泡シートである。
【0004】
また特許文献2には、真空および真空圧空成形時に気泡が破壊されず、垂下、張戻り、形状保持時間等の加熱時の挙動を改善したポリプロピレン系樹脂発泡成形品を得る樹脂組成物として、メルトテンションが6g以上、20g未満でかつ重量平均分子量と数平均分子量の比の値が7以上、20未満であるポリプロピレン系樹脂90〜10重量部およびメルトテンションが1g以上、6g未満かつ重量平均分子量と数平均分子量の比の値が4以上、7未満であるポリプロピレン系樹脂10〜90重量部からなるポリプロピレン系樹脂混合物100重量部と、無機フィラー10〜100重量部および発泡剤からなるポリプロピレン系樹脂組成物が提案されている。しかしこの場合は、得られた発泡シートの発泡倍率が低く、断熱性に劣るものである。更に、耐熱性、断熱性および耐油性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡体として、特許文献3には、特定範囲のメルトテンションおよび自由末端長鎖分岐を有するポリプロピレン系樹脂と、特定範囲のメルトテンションおよび重量平均分子量と数平均分子量の比の値を有するポリプロピレン系樹脂とを特定の割合で混合してなるポリプロピレン系樹脂混合物を基材樹脂として使用することにより低密度(0.5g/cm3以下)で連続気泡率の低い押出発泡体が得られることが提案されている。特許文献3には無機充填剤を基材樹脂100重量部に対して5〜50重量部含有させた密度0.18〜0.45g/cm3、厚みが0.5〜3mmの発泡体が示されている。しかし平均気泡径が0.35mm以下の小さな気泡径を持つもので独立気泡率の高い発泡シート及び厚み方向の平均気泡数が5〜30個である成形体については何ら開示されていない。また、連続気泡が少なく低密度で高剛性のポリプロピレン系樹脂発泡体を得る方法として、樹脂温度210℃、剪断速度を0.05sec−1/secの割合で0.1sec−1から0.5sec−1まで上昇させたとき、剪断速度(X)の自然対数値:lnXと、剪断速度(Y)の自然対数値:lnYとの間の特定の関係式を満足するポリプロピレン系樹脂発泡体が特許文献4に提案されている。
【0005】
ポリプロピレン系樹脂に無機系粉末のごとき充填剤を多量に含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートは燃焼カロリーが低下するために焼却炉を傷め難いという利点があり、また、発泡シートの耐熱性と剛性が高まるという利点がある。しかし、断熱性と軽量性を高めるために、充填剤を10〜33重量%と比較的多量に含有するポリプロピレン系樹脂組成物から発泡シートを製造すると、充填剤の影響で気泡径が小さくなり過ぎ、連続気泡の割合が極端に多くなり、熱成形性の良好な発泡シートが得られない。そのため熱成形性を考慮して連続気泡の割合を少なくしようとすると極めて低発泡(見かけ密度510g/L以上)の発泡シートしか得られず、断熱性と軽量性に優れた成形体が得られないのが実状である。
【0006】
【特許文献1】
特公平5−77490号公報(請求項1、実施例7)
【特許文献2】
特開平7−268121号公報(請求項1、実施例1乃至4)
【特許文献3】
特開2001−226510号公報(請求項4、実施例8)
【特許文献4】
特開2002−20521号公報(比較例8)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、充填剤を比較的多く含有するポリプロピレン系樹脂組成物を使用して、見かけ密度が比較的小さく、しかも平均気泡径が著しく小さくなく特定のレベル以上の大きさにコントロールされ、連続気泡の割合が低く抑えられたポリプロピレン系樹脂発泡シートからの剛性に優れた成形体を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)充填剤を10〜33重量%含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートを熱成形してなる成形体であって、見かけ密度が200〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、厚み方向の平均気泡数が5〜30個であり、且つ独立気泡率が少なくとも50%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体、(2)該発泡シートが、充填剤を10〜33重量%含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートであって、見かけ密度が200〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、平均気泡径が0.10〜0.35mmであり、且つ独立気泡率が少なくとも50%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡シートである上記(1)に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体、(3)該発泡シートが曲げ強度測定において、120℃における曲げ強度が少なくとも50gfであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体、(4)該ポリプロピレン系樹脂組成物を、示差走査熱量計にて40℃から220℃まで10℃/分の速度にて加熱し、次いで40℃まで−10℃/分の速度にて冷却し、再度220℃まで10℃/分の速度にて加熱したときに得られるDSC曲線に現れる主溶解ピークの頂点の温度が少なくとも161℃であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体、(5)該ポリプロピレン系樹脂組成物を構成するポリプロピレン系樹脂が、230℃におけるメルトテンションが10〜50cNのポリプロピレン系樹脂(A)10〜50重量%と、230℃におけるメルトテンションが0.01〜6cNのポリプロピレン系樹脂(B)90〜50重量%と(ただし、樹脂(A)+樹脂(B)=100重量%)の混合物からなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体、(6)充填剤が無機物であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体、(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の片面又は両面に熱可塑性樹脂フィルムが積層されていることを特徴とする複合成形体を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、充填剤を10〜33重量%含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートを熱成形してなる成形体であって、見かけ密度が200〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、厚み方向の平均気泡数が5〜30個であり、且つ独立気泡率が少なくとも50%であるポリプロピレン系樹脂発泡成形体に関する。成形体としては、皿状、コップ状又は丼状等の底部を有すると共に上部が開放された容器形状であることが好ましい。
【0010】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成形体は、充填剤を10〜33重量%含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シート(以下、「発泡シート」又は「ポリプロピレン系樹脂発泡シート」と称する。)を熱成形してなるものである。充填剤の含有量が10重量%を下回ると、成形体の強度アップが小さいし、耐熱性が低く高温下における強度も不十分となる。このような観点から充填剤の含有量は11重量%以上が好ましく、12重量%以上がより好ましい。一方、33重量%を超える含有量では、成形体の独立気泡率を50%以上にすることが困難となる。このような観点から充填剤の含有量は29重量%以下が好ましく、28重量%以下がより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成形体は、見かけ密度が200〜500g/Lであるが、見かけ密度が200g/Lを下回ると独立気泡率を50%以上にすることが困難となる。このような観点から成形体の見かけ密度は225g/L以上であることが好ましく、250g/L以上であることがより好ましい。一方、見かけ密度が500g/Lを上回ると、軽量性及び断熱性の低下が著しい。このような観点から成形体の見かけ密度は480g/L以下であることが好ましく、420g/L以下であることがより好ましい。本発明において成形体の見かけ密度は、成形体重量(g)を成形体の体積(L)で除すことにより求まり、成形体の体積は成形品を23℃の水に、できる限り浅く且つできる限り変形しないように水没させた直後の排除体積を採用する。
【0011】
また、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成形体は、厚みが0.5〜3.0mmである。厚みが0.5mmを下回ると、断熱性の低下が著しい。このような観点からその厚みは0.6mm以上であることが好ましく、0.7mm以上であることがより好ましい。また、厚みが3.0mmを超えるようになると、熱成形時に独立気泡率の低下が大きく、また、成形体に亀裂が発生しやすくなり、成形体の強度低下をまねく。このような観点からその厚みは2.5mm以下であることが好ましく、2.0mm以下であることがより好ましい。本発明において成形体の厚みは成形体の底部のできる限り平らな部分において無作為に選択した10点における厚みの相加平均値が採用される。尚、成形体の底部に平らな部分が存在しない場合には、底部において無作為に選択した10点における厚みの相加平均値が採用される。
【0012】
また、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成形体は、厚み方向の平均気泡数が5〜30個である。厚み方向の平均気泡数が5個未満の場合、成形体の断熱性の低下が著しい。また、厚み方向の平均気泡数が少なくなると成形体の外観が悪くなる。このような観点からその厚み方向の平均気泡数は6個以上であることが好ましく、7個以上であることがより好ましい。一方、厚み方向の平均気泡数が30個を超えるように製造しようとすると発泡シートの独立気泡率が著しく低下し、その結果、成形体の独立気泡率の低下が著しく、成形体の強度低下をまねく。このような観点からその厚み方向の平均気泡数は25個以下であることが好ましく、20個以下であることがより好ましい。成形体の厚み方向の平均気泡数は、成形体の底部のできる限り平らな部分において無作為に選択した5地点でそれぞれ成形体の垂直方向に切断し、その切断面についてそれぞれ30倍に拡大した顕微鏡写真を撮影して計5枚の顕微鏡写真を得、次に各写真上の無作為に選択した1地点において成形体底部の垂直方向と一致する方向に直線を引き、その直線上にのった気泡数を数え、5枚の写真の計5地点の相加平均値を成形体の厚み方向の平均気泡数とする。尚、成形体の底部に平らな部分が存在しない場合には、成形体底部において無作為に選択した5地点でそれぞれ成形体の垂直方向に切断し、その切断面についてそれぞれ30倍に拡大した顕微鏡写真を撮影して計5枚の顕微鏡写真を得、次に各写真上の無作為に選択した1地点において成形体底部の垂直方向と一致する方向に直線を引き、その直線上にのった気泡数を数え、5枚の写真の計5地点の相加平均値を成形体の厚み方向の平均気泡数とする。
【0013】
また、本発明の成形体は、独立気泡率が少なくとも50%である。独立気泡率が50%を下回るようになると成形体の強度が低下する。このような観点から成形体の独立気泡率は少なくとも60%であることが好ましく、少なくとも70%であることがより好ましい。
成形体の独立気泡率:M(%)は、ASTMD2856−70に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される発泡体の真の体積:Vxから、下記式(1)から算出されるもので、3回の測定値の平均値として求めた。
【0014】
【数1】
M(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (1)
【0015】
ただし、上記式(1)において、Vxは上記した方法で測定される真の体積(cm3)で、発泡体を構成する樹脂の容積と、発泡体内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。その他上記式(1)中の、Va、W、ρはそれぞれ下記の通りである。
【0016】
Va:測定に使用した成形体の試験片の見かけの体積であるが、試験片を23℃の水に、できる限り浅く且つできる限り変形しないように水没させて直ちに測定した時の排除体積(cm3)を採用する。
W :測定に使用した試験片の全重量(g)。
ρ :成形体を構成する基材樹脂の密度(g/cm3)であるが、本発明では便宜上1g/cm3を採用する。
尚、試験片は、成形体のできる限り平らな部分から試験片を1又は複数枚カットし(各カットサンプルのサイズは幅2.5cm及び長さ2.5cm)、このカットサンプルを、空気比較式比重計に付属のサンプルカップに非圧縮状態でできる限り多くの枚数(ただし上記Vaが15.6cm3を越えない枚数)を収納して測定される。
【0017】
本発明の成形体は、その原反である発泡シートの製造を工夫し、その発泡シートを使用して熱成形することにより容易に得られる。上記発泡シートは、環状ダイスの先端部、すなわちダイスリップ部の形状を、得られる発泡シートの気泡の超微細化を避けるためにダイスリップ部の間隙を多少広げても、発泡性溶融樹脂が保圧されて押出されるように工夫した結果、その環状ダイスから発泡性溶融樹脂を押出すことにより、気泡の超微細化が防止されるとともに、押出された発泡性溶融樹脂のバラス効果が抑制され、コルゲートの発生が抑制されることにより得られるものと推察される。
【0018】
また、本発明では、発泡シートを得る基材樹脂として、230℃におけるメルトテンションが10〜50cNのポリプロピレン系樹脂(A)と、230℃におけるメルトテンションが0.01〜6cNのポリプロピレン系樹脂(B)とからなる混合物を使用することが好ましい。上記のポリプロピレン系樹脂(A)は高価であり、低コストのポリプロピレン系樹脂(B)を混合して使用することにより発泡シートのコスト低減を図るとともに、本発明の充填剤を比較的多量に使用した樹脂組成物から、上記気泡の超微細化が防止されたバランスのとれた熱成形性に優れた発泡シートを得ることができる。
【0019】
上記のポリプロピレン系樹脂(A)としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体等のプロピレン系共重合体が挙げられる。プロピレン系共重合体は、通常、プロピレン成分含有量50重量%以上のものであり、特に80重量%以上のものが好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)の融点は、通常157℃〜160℃である。
【0020】
上記のポリプロピレン系樹脂(A)は、230℃におけるメルトテンションが10〜50cNである高溶融張力を示すものである。メルトテンションが10cN未満であると見かけ密度が200g/L〜450g/Lであり、独立気泡率が50%以上を有する所望の発泡シートが得られない。独立気泡率がより高い発泡シートを得るには、上記の範囲でメルトテンションがより高い方が好ましい。しかしながら、メルトテンションが50cNを超えるポリプロピレン系樹脂では、得られる発泡シートの熱成形時の伸びが低下し熱成形性が低下するので好ましくない。
【0021】
上記のポリプロピレン系樹脂(A)は、通常、230℃におけるメルトテンションが5cN以下の低溶融張力を示すポリプロピレン系樹脂に電子線または過酸化物を作用させて長鎖分岐化を形成させたり、僅かに架橋させることにより得られる。このようなポリプロピレン系樹脂は、たとえば、サンアロマー株式会社から市販されている「PF814」や「SD632」等が挙げられる。
【0022】
上記ポリプロピレン系樹脂(B)としては、ポリプロピレンやエチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体等のプロピレン系共重合体が挙げられる。このプロピレン系共重合体は、通常、プロピレン成分含有量が50重量%以上のものであり、好ましくは80重量%以上のものである。
【0023】
ポリプロピレン系樹脂(B)は、230℃におけるメルトテンションが0.01〜6cNのものである。230℃におけるメルトテンションが6cNを超えるポリプロピレン系樹脂を使用することは原料コストの上昇を招くことになり好ましくない。このポリプロピレン系樹脂(B)は、通常、長鎖分岐を有しない、または架橋されていない通常のポリプロピレン系樹脂が該当する。
【0024】
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂(B)は、ポリプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、あるいはポリプロピレン単独重合体にゴム成分を混合した耐衝撃性ポリプロピレンが好適に使用される。ポリプロピレン系樹脂(B)の融点は、通常、155℃以上であるが、得られる発泡シートの耐熱性を高いものとするには、157℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましく、161℃以上であることが更に好ましく、162℃以上であることが最も好ましい。ポリプロピレン系樹脂(B)の融点は、通常、高くても精々170℃である。
【0025】
本発明において、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)とは、樹脂(A)10〜50重量%、樹脂(B)90〜50重量%の割合(ただし樹脂(A)+樹脂(B)=100重量%)で混合して使用される。ここで、樹脂(A)は特殊な変性がなされているため高価であるから、樹脂(A)の混合割合が多くなり過ぎるとコストの低減効果が低い。また、樹脂(A)の混合割合が多くなり過ぎると、充填剤を多く含む場合、発泡シート製造に際し、押出直後の発泡途上のチューブ状物にコルゲートと呼ばれる周期的な厚みムラが生じ易く、その結果、チューブ状物が裂けやすくなる。一方、樹脂(A)の割合が少なくなり過ぎると独立気泡率の割合が高い発泡シートを得ることが困難となったり、仮に独立気泡率の割合が高い発泡シートが得られても熱成形時に気泡が破壊し易く、良好な成形体を得ることが困難となる。このような観点から、さらに、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合は、樹脂(A)が15〜45重量%で、樹脂(B)が85〜55重量%で使用することが好ましい。
【0026】
本発明において、基材樹脂は上記のポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)との混合物を使用することが好ましいが、本発明の所期の目的を阻害しない範囲で、基材樹脂にアイオノマーやエチレン−プロピレンゴムなどのエラストマーを含有させることができる。これらの量は樹脂(A)と樹脂(B)との混合物100重量部当たり、精々多くても30重量部であり、20重量部以下であることが好ましい。
【0027】
本発明においては、本発明の成形体を製造するには、発泡シートを構成するポリプロピレン系樹脂組成物中に10〜33重量%の割合となるように充填剤が混合される。上記充填剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム等の無機物、貝殻粉末、蟹の甲羅粉末等の有機物が例示される。なお、本発明に使用される上記の充填剤は粒状粉末のものが一般に使用されるが、粒状粉末以外に、例えば、扁平状、針状など粉末も使用することが可能である。上記充填剤としては、得られる発泡シートの独立気泡率を高いものとするため及び耐熱性を高いものとする上で無機物が好ましく、特にタルクが好ましい。充填剤として粒状粉末のタルクを使用する場合、その粒径は0.1〜30μm程度のものが好適に使用される。
【0028】
本発明においては、上記充填剤をポリプロピレン系樹脂組成物中に10〜33重量%と比較的多量に使用するものである。充填剤の使用量が10重量%未満では、発泡シート、ひいてはそれから得られる成形体の強度の向上が小さく、また耐熱性が低く高温下における強度も不十分となる。このような観点から充填剤の含有量は11重量%以上が好ましく、12重量%以上がより好ましい。一方、33重量%を超える使用量では、見かけ密度200〜500g/Lの発泡シートを製造する際に、50%以上の独立気泡率を有する発泡シートが得られ難く、たとえ50%以上の独立気泡を有する発泡シートが得られたしても、熱成形時に気泡が破壊し、連続気泡化が進行し、その結果、得られる成形体の強度が低下したり、断熱性が低下したりし、熱成形性が良好なポリプロピレン系樹脂発泡シートが得られ難く、ひいては本発明の成形体が得られ難い。このような観点から充填剤の含有量は29重量%以下が好ましく、28重量%以下がより好ましい。
【0029】
本発明の成形体を製造するために好適なポリプロピレン系樹脂発泡シートは、上記基材樹脂と充填剤とを上記割合で混合した混合物を押出機のホッパーより押出機内に供給し、押出機内において基材樹脂を溶融させるとともに、発泡剤を溶融混練した後、この発泡性溶融混練物を押出機先端部に取り付けられた環状ダイスを通して低圧域に押出し発泡させて得られるチューブ状の発泡体の内側を円柱状の冷却ドラムの外周に沿わせて通し、チューブを切り開いてシート状とすることにより容易に得られる。ただし、この製造方法には限定されない。
【0030】
本発明においては、押出機先端部に取り付けられる環状ダイスのリップ部の形状を特定の形状とした環状ダイスを使用することが特徴の一つである。すなわち、環状ダイスのリップ部で発泡性溶融樹脂が保圧されるように構成された環状ダイスを使用する。
【0031】
本発明におけるダイスのリップ部の構造を、その一例を挙げて説明する。図1は押出発泡法による発泡シートの製造における製造装置のダイを含む主要部の概略を示す断面図である。図2は、図1Aで示す部分の本発明の環状ダイスリップ部付近の部分拡大断面図である。図3は、図1Aで示す部分の一般の環状ダイスリップ部付近の部分拡大断面図である。
1は外側リップ、2は内側リップ、3は発泡性溶融樹脂の流路、4は発泡性溶融樹脂の出口であるスリット、5は円柱状冷却ドラム、6はチューブ状発泡体をそれぞれ示す。図3において、流路3は、スリット4付近において、スリット4に向かって約33度の角度(θ’)でほぼ直線的に狭まるように形成されている。
【0032】
これに対し、図2では、流路3は、スリット4付近において、スリット4に向かって約33度の角度で狭まると共に、スリット直前において、内側リップ2の長さ(a)分だけ、内側リップ2の内壁と外側リップ1の内側壁とのなす角度(θ)が0〜15度となるように形成されている。ここにおいて上記長さ(a)は1〜5mmであることが好ましい。本発明では、上記長さ(a)を1〜5mmとし、上記角度(θ)を0〜15度にすることによって、スリット直前において溶融樹脂の発熱が抑えられると共に、リップの間隙を多少広げてもダイス内の発泡性溶融樹脂組成物の圧力保持が容易となり、充填剤を多く含む系の発泡性溶融樹脂組成物が、スリットから低圧域に押出されても気泡の超微細化が防止されると共に、押出された発泡性溶融樹脂組成物のバラス効果が抑えられ、コルゲートの発生が抑制される。この結果、得られる発泡シートは、見かけ密度が200〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、平均気泡径が0.10〜0.35mmであっても、独立気泡率の高い発泡シートを得ることができる。この発泡シートを使用して熱成形すると、本件請求項1発明の成形体を容易に得ることができる。
【0033】
上記発泡シートの製造において、発泡剤は、無機系発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤などが用いられる。無機系発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素等を用いることができる。揮発性発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロフロロメタン、ジクロロテトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素等を用いることができるが、i−ブタンが好ましい。また、分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等を用いることができる。これらの発泡剤は必要に応じて適宜混合して用いることができる。
【0034】
発泡剤の使用量は、発泡剤の種類、所望する発泡倍率等によっても異なるが、見かけ密度が200g/L〜500g/Lのポリプロピレン系樹脂押出発泡シートを得るには発泡剤の使用量の目安は、樹脂100重量部当たり0.1〜5重量部程度の範囲である。
【0035】
押出機内で基材樹脂と発泡剤を溶融混練する際には、必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウムあるいは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等の気泡調整剤、あるいは熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等が挙げられる。
【0036】
上記ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、見かけ密度が200g/L〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、平均気泡径が0.10〜0.35mmであって、独立気泡率が少なくとも50%以上であるため、熱成形性にすぐれ、断熱性、軽量性、耐熱性、剛性に優れる。
【0037】
上記発泡シートにおいて、見かけ密度が200g/Lよりも小さくなると、得られる発泡シートの独立気泡率が低下し50%以上を維持することが困難となり熱成形性が悪化し、本件請求項1発明の成形体を製造するのが困難となる。このような観点から発泡シートの見かけ密度は225g/L以上であることが好ましく、250g/L以上であることがより好ましい。また見かけ密度が500g/Lを超えると得られる発泡シート及び本件請求項1発明の成形体の断熱性が低下するので好ましくない。このような観点から発泡シートの見かけ密度は480g/L以下であることが好ましく、420g/L以下であることがより好ましい。また、本発明の発泡シートは厚みが0.5mm未満の場合は発泡シートの断熱性能が低下し、逆に3.0mmを超える場合は熱成形がしづらくなり、所望形状の成形体が得に難くなる。このような観点から発泡シートの厚みは0.6mm以上であることが好ましく、0.7mm以上であることがより好ましく、その厚みは2.5mm以下であることが好ましく、2.0mm以下であることがより好ましい。
【0038】
また発泡シートの平均気泡径が0.10mm未満の場合は見かけ密度200g/L〜500g/Lの発泡シートを得ようとすると、50%以上の独立気泡率を有する発泡シート得ることが困難となる。たとえ50%以上の独立気泡率を有する発泡シートが得られても、熱成形時に気泡の破壊が起こり連続気泡化し発泡シートの強度低下や断熱性低下を招き、良好な成形体を得ることが困難となる。一方、発泡シートの平均気泡径が0.35mmを超えるようになると得られる成形体の外観が悪化する。発泡シートの平均気泡径の測定はASTM D−2842−69に準じて測定される。
【0039】
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを構成するポリプロピレン系樹脂組成物を、示差走査熱量計(熱流束示差走査熱量測定)にて、窒素ガス雰囲気下で、40℃から220℃まで10℃/分の速度で加熱し、次いで40℃まで−10℃/分の速度で冷却し、再度220℃まで10℃/分の速度で加熱したときに得られる2回目のDSC曲線上に現れる最も高温側の主融解ピーク(高温側のベースラインを基準として最も高さの高いピーク)の頂点の温度が少なくとも161℃のものが好ましい。この主融解ピーク温度(以下、融点という。)が161℃以上の場合に耐熱性の高い熱成形品が得られる。この融点を161℃以上にするには、使用する基材樹脂の融点が161℃以上のものを使用すればよい。尚、上記樹脂(A)と樹脂(B)の混合物を基材樹脂する場合には、樹脂(A)の融点が通常157℃〜160℃であるから、樹脂(B)として融点が162℃以上のものを使用すればポリプロピレン系樹脂組成物の融点を161℃〜170℃とすることができる。
【0040】
また上記ポリプロピレン系樹脂発泡シートは、120℃における曲げ強度が少なくとも50gfを有するものであることが好ましい。120℃における曲げ強度が少なくとも50gfを有する発泡シートは、得られる成形体の高温下における強度に優れる。したがって、例えば、成形体を食品容器として使用し食品を収納した状態で電子レンジ加熱した後に容器を取出す際に容器が変形し把持し難いような状態となることがない。
尚、120℃における曲げ強度は高くても精々1000gf程度である。また、120℃における曲げ強度を50gf以上にするには23℃における曲げ強度を300gf以上にすることが好ましい。23℃における曲げ強度は高くても精々3500gf程度である。
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの120℃における曲げ強度を少なくとも50gfとするには、上記充填剤を含有させること、独立気泡率を高いものとすること、ある程度の厚みを有すること(発泡シートの見かけ密度が小さいほど厚みは厚い方が上記曲げ強度は高い)が必要である。
【0041】
また本発明の成形体の片面又は両面に熱可塑性樹脂フィルムを積層することができる。熱可塑性樹脂フィルムが積層された複合成形体は、機械的強度がより高まるため好ましい。そのような複合成形体は、上記ポリプロピレン系樹脂発泡シートの片面又は両面に熱可塑性樹脂フィルムを積層した多層構造の発泡シートを熱成形することにより容易に製造することができる。また、熱可塑性樹脂フィルムを積層した多層構造の発泡シートを使用すると、成形時の独立気泡率の低下を抑制することができると共により深い絞り比を持つ成形体を得ることができる。積層される熱可塑性樹脂フィルムの基材樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムは単層構造のものや、更にガスバリア性フィルム等の機能性フィルムを積層した多層構造のものであっても構わない。単層構造、多層構造を問わず、積層されるフィルムの相厚みは5〜100μmが好ましい。
【0042】
上記ポリプロピレン系樹脂のメルトテンションは、株式会社東洋精機製作所のメルトテンションテスターII型によって測定される。具体的には、オリフィス内径2.095mm、長さ8mmのオリフィスを有するメルトテンションテスターを用い、上記オリフィスを予め230℃に昇温しておき、その中に樹脂(A)または樹脂(B)を入れ、5分間置いてから、ピストンの押出速度を10mm/分として230℃の溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛けた後、5rpm/秒(紐状物の捲取り加速度:1.3×10−2m/秒2)の割合で捲取り速度を徐々に増加させていきながら直径50mmの捲取りローラで捲取る。
【0043】
本発明において、メルトテンションを求めるには、先ず、張力検出用プーリーに掛けた紐状物が切れるまで捲取り速度を増加させ、紐状物が切れたときの捲取り速度:R(rpm)を求める。次いで、R×0.7(rpm)の一定の捲取り速度において紐状物の捲取りを行ない、張力検出用プーリーと連結する検出器により検出される紐状物のメルトテンションを経時的に測定し、縦軸に時間をとったグラフに示すと、図4に示すような振幅を有するグラフが得られる。
【0044】
本発明におけるメルトテンションとしては、図4において振幅の安定した部分の振幅の中央値(X)を採用する。ただし、捲取り速度が500rpmに達しても紐状物が切断しない場合には、捲取り速度を500rpmとして紐状物を捲取って求めたグラフより紐状物のメルトテンションを求める。なお、メルトテンションの経時的測定の際に、稀に特異な振幅値が検出されることがあるが、このような特異な振幅値は無視するものとする。
【0045】
発泡シートの独立気泡率:S(%)は、ASTMD2856−70に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される発泡体の真の体積:Vxから、下記式(2)から算出されるもので、3回の測定値の平均値として求めた。
【0046】
【数2】
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (2)
【0047】
ただし、上記式(2)において、Vxは上記した方法で測定される真の体積(cm3)で、発泡シートからの試験片を構成する樹脂の容積と、試験片内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。その他上記式(2)中の、Va、W、ρはそれぞれ下記の通りである。
【0048】
Va:測定に使用した試験片の外寸法から計算される発泡体の見掛けの体積(cm3)。
W :測定に使用した試験片の全重量(g)。
ρ :試験片を構成する基材樹脂の密度(g/cm3)であるが、ここでは便宜上、1g/cm3を採用する。
尚、試験片は、空気比較式比重計に付属のサンプルカップに非圧縮状態で収納されなければならないので、縦と横がそれぞれ2.5cmになるようにカットし(厚みはそのままとする)、見掛け体積が15cm3に最も近づくように(ただし16cm3を越えない)複数枚を重ね合せて使用される。
【0049】
上記ポリプロピレン系樹脂の融点は、原料樹脂3〜5mgを、示差走査熱量計(熱流束示差走査熱量測定)により、窒素ガス雰囲気下で、昇温速度10℃/分で室温(15〜30℃)から220℃まで昇温して1回目のDSC曲線を得た後、直ちに降温速度10℃/分で40℃まで降温し、その後もう一度昇温速度10℃/分で220℃まで昇温したときに得られる2回目のDSC曲線上の最も高温側に現れる主融解ピーク(高温側のベースラインを基準として最も高さの高いピーク)の頂点の温度とする。尚、最も高さの高いピークが複数存在する場合はその相加平均値が採用される。
【0050】
本発明の120℃における曲げ強度は、得られた発泡シートから、長さ200mm、幅70mm(厚みはそのまま)に切出した試験片について、片面のみ加熱可能な加熱炉で上面を加熱し、その上面温度(放射温度計による)が120℃になると直ちに加熱炉から常温(25℃±5℃)下に取出され、取出し開始から1.5±0.5秒後に後述の圧子が試験片上面に接触開始するようにロードセルに取り付けられた後述の形状の圧子で、試験片の上面(加熱面)側より降下速度20mm/秒にて試験片を押圧し、たわみ量20mmまでたわませた時に得られる最大荷重の平均値を意味する。この試験片においては、発泡シートは巻き癖のない又は少ない平らなものを用いる(巻き癖がある場合には上に凸となるように試験片を支持台上に置く)。また、試験片上面の120℃までの加熱は、常温(25℃±5℃)下におかれた試験片に対し、400℃の遠赤外線ヒーターを使用し、試験片の表面温度が120℃となるまで30±2秒をかけてゆっくりと、表面だけでなく内部まで充分加熱されるように、加熱される。測定は三点曲げ試験の要領で試験片の上面を固定しないで実施し、試験片の支持台は直径10mmの金属パイプを使用し、支持間距離(パイプの中央部間距離)を100mmとし、圧子の形状は先端に半径5mmの丸みをもたせた長さ10mm、幅100mmのかまぼこ形状としたものである。押圧の際は、試験片の長さ方向と支持間方向とを一致させ、試験片を支持台上に均等に載せた状態で、圧子の幅方向が試験片の幅方向と一致するようにして圧子が試験片の長さ方向中央部の全体を押圧するように実施される。また、この試験片は、同じ発泡シートに対し、試験片の長さ方向と発泡シートの押出方向とを一致させた試験片3個と、試験片の長さ方向と発泡シートの幅方向とを一致させた試験片3個の計6個の試験片に対して行なってその平均値を採用する。なお、23℃における曲げ強度の測定は、上記した加熱下での測定と実質的に同じであるが、長さ200mm、幅70mm(厚みはそのまま)に切出した試験片を23℃±2℃の室内に24時間放置後、23℃±2℃の室内で測定を行なう点のみが異なる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0052】
実施例1〜7、比較例1〜3
表1に示す樹脂(A)と樹脂(B)とを表2に示す割合で予めドライブレンドしておき、これを押出機のホッパーに投入し、押出機内で樹脂(A)と樹脂(B)とを溶融させた後、押出機内に発泡剤(イソブタン)を表2に示す割合(樹脂(A)と樹脂(B)のドライブレンド物100重量部当たりの重量割合)で圧入し、溶融樹脂と発泡剤とを充分に混練してから、徐々に溶融混練物の温度を低下させて行き、図2に示すような圧力を従来よりも高く維持・調整可能な径104mm、表2に示す間隙のリップ(表2中では「リップ間隙」と表示)を有するサーキュラーダイスを通して押出発泡させてチューブ状の発泡体を得、次いでこのチューブの内側を直径が235mmの円柱状冷却ドラム表面に沿わせつつ冷却すると共に、チューブの外面に空気を吹き付けて冷却し、次いで冷却されたチューブを切り開いてシート状発泡体を得た。この時の、ポリプロピレン系樹脂組成物の主融解ピーク温度(表2中では「融解ピーク」と表示)、押出温度(表2中では「発泡温度」と表示)、ダイス圧力及び1時間当たりの押出量(表2中では「押出量」と表示)を併せて表2に示した。
尚、実施例1〜7、比較例1〜3における図2中のθは1.5度であり、aは2mmであった。また、表1に示す樹脂の融点は、株式会社島津製作所の島津熱流束示差走査熱量計「DSC−50」を使用して測定した。
【0053】
比較例4
ダイスのタイプを図3に示すような、圧力保持型ではない従来タイプのダイスを使用し、ダイス圧力保持の為にリップ間隙を多少小さくした以外は実施例2と同条件にて実施した。
【0054】
比較例5
ダイスのタイプを図3に示すような、圧力保持型ではない従来タイプのダイスを使用し、気泡サイズが小さくなり過ぎないようにリップ間隙を多少広げた以外は実施例2と同条件にて実施した。
【0055】
【表1】
樹脂▲1▼ Basell社製ポリプロピレン 「PF814」
樹脂▲2▼ 出光石油化学株式会社製ポリプロピレン IDEMITSU PP「J900GP」
樹脂▲3▼ カルプ工業株式会社製 タルクマスターバッチ「4600G−1」
【0056】
得られた発泡シートの見掛け密度、平均厚み、独立気泡率、常温(23℃)と120℃における曲げ強度、平均気泡径を併せて表2に示す。
次に、各例で得られた発泡シートに対し、それぞれ、両面をヒーターで加熱して軟化させた後、マッチモールド真空成形法によって、開口部直径180mm(フランジ部を含めると直径200mm)、底部直径130mm、深さ25mm、底部厚み1mm、側壁部厚み0.8mmの、円形収納部を有し、開口部の全周に幅10mmのフランジ付を持つトレーを得ることを目標に熱成形した。この際の成形性を次の通り評価した結果も併せて表2に示した。
○・・・型の出のしっかりとした良好な成形体(トレー)が得られた。
×・・・型に沿わないか又は/及び厚みの薄い又は/及び伸びむらの大きな成形品しか得られなかった。
【0057】
また、得られた成形体の見かけ密度、厚み、厚み方向の平均気泡数、独立気泡率及びリップ強度を表3に示した。
尚、上記リップ強度の測定は、株式会社エー・アンド・ディ製の万能試験機「テンシロンRTC−1250A」を使用して測定した。具体的には、成形体を23℃の部屋で24時間放置してから、同部屋内において、成形体の開口部に形成された外周形状が円形のフランジ部において、その円形の任意の直径上の2点を、相対する方向から、表面が平らな冶具間で速度10mm/秒で圧縮(フランジの外周形状の円の直径が狭くなるように圧縮)していき、10mm圧縮するまでの最大荷重を測定し、これをリップ強度とした。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
実施例1〜7では、無機物であり核剤にも使用されるタルクが10〜25重量%含有されているにも拘わらず、気泡径が細かくなりすぎず、すなわちセル膜厚さが薄くなりすぎることに起因する隣接する気泡との結合を引き起こすことなしに、独立気泡率の高い発泡シートが得られた。これは、気泡のサイズをある一定以下にすることなく、気泡サイズを調整し得る図2に示すリップ形状を有するダイスを使用したことによるものと推察される。これらの発泡シートはタルクを相当量含むために、表2に示すとおり、常温および加熱条件下でのシート剛性が優れている結果となった。また、表3に示すとおり、そのようなシートから熱成形して製造された本発明の成形体は見かけ密度のわりにいずれもリップ強度に優れるものであった。
【0061】
図3に示す従来型のダイスを使用した場合、目的とする見かけ密度をもつ発泡シートを得るためにダイス圧力を保持すべくリップ間隙を小さくすると、気泡径は小さくなりすぎ、気泡の連通化がかなり進み、結果として気泡径が大きくなってしまった(比較例4)。この発泡シートから得られた成形体は独立気泡率の低いものであり、見かけ密度がやや軽い実施例2と比べてもリップ強度が大きく低下している。また、気泡径を小さくし過ぎないためにリップ間隙を大きくした場合、ダイス圧力が大きく低下し気泡径が大きくなりすぎて美観を損ねるものになってしまった(比較例5)。この発泡シートから得られた成形体は厚み方向の気泡数が少ないため外観に劣り、また、見かけ密度がやや軽く独立気泡率がほぼ同等の実施例1と比べてもリップ強度が低下している。
タルクの含量が少ない場合は、発泡シート及び得られた成形体の剛性が十分に得られず(比較例1)、また多過ぎる場合には連続気泡となり、リップ強度の大きい成形体が得られないばかりか加熱時のシート剛性も添加量に見合うほど十分には得られにくい(実施例3に対する比較例2)。発泡シートの見かけ密度が低すぎる場合でも同様に独立気泡が得られず、得られた成形体も独立気泡率に劣り、強度に劣る(比較例3)。
【0062】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成形体は、充填剤を10〜33重量%含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートを熱成形してなる成形体であって、見かけ密度が200〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、厚み方向の平均気泡数が5〜30個であり、且つ独立気泡率が少なくとも50%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体であるから、断熱性、軽量性及び剛性に優れた成形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出発泡法による発泡シートの製造における製造装置のダイを含む主要部の概略を示す断面図である。
【図2】図1Aで示す部分の本発明の環状ダイスリップ部付近の部分拡大断面図である。
【図3】図1Aで示す部分の一般の環状ダイスリップ部付近の部分拡大断面図である。
【図4】メルトテンションテスターのオリフィスから樹脂を紐状に押出して、捲取り速度一定として紐状の樹脂を捲取りローラで捲取ったときのメルトテンション(MT)の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 外側リップ
2 内側リップ
3 発泡性溶融樹脂流路
4 発泡性溶融樹脂の出口であるスリット
5 円柱状冷却ドラム
6 チューブ状発泡体
Claims (7)
- 充填剤を10〜33重量%含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートを熱成形してなる成形体であって、見かけ密度が200〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、厚み方向の平均気泡数が5〜30個であり、且つ独立気泡率が少なくとも50%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
- 該発泡シートが、充填剤を10〜33重量%含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートであって、見かけ密度が200〜500g/Lであり、厚みが0.5〜3.0mmであり、平均気泡径が0.10〜0.35mmであり、且つ独立気泡率が少なくとも50%であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡シートである請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
- 該発泡シートが曲げ強度測定において、120℃における曲げ強度が少なくとも50gfであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
- 該ポリプロピレン系樹脂組成物を、示差走査熱量計にて40℃から220℃まで10℃/分の速度にて加熱し、次いで40℃まで−10℃/分の速度にて冷却し、再度220℃まで10℃/分の速度にて加熱したときに得られるDSC曲線に現れる主溶解ピークの頂点の温度が少なくとも161℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
- 該ポリプロピレン系樹脂組成物を構成するポリプロピレン系樹脂が、230℃におけるメルトテンションが10〜50cNのポリプロピレン系樹脂(A)10〜50重量%と、230℃におけるメルトテンションが0.01〜6cNのポリプロピレン系樹脂(B)90〜50重量%と(ただし、樹脂(A)+樹脂(B)=100重量%)の混合物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
- 充填剤が無機物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂発泡成形体の片面又は両面に熱可塑性樹脂フィルムが積層されていることを特徴とする複合成形体。
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