JP2001146232A - 容器枠材および該枠材を用いてなる容器 - Google Patents

容器枠材および該枠材を用いてなる容器

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JP2001146232A
JP2001146232A JP32743999A JP32743999A JP2001146232A JP 2001146232 A JP2001146232 A JP 2001146232A JP 32743999 A JP32743999 A JP 32743999A JP 32743999 A JP32743999 A JP 32743999A JP 2001146232 A JP2001146232 A JP 2001146232A
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container
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foam
polypropylene resin
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English (en)
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Koichi Wakabayashi
功一 若林
Kazuhiko Morita
和彦 森田
Yoshinori Watanabe
義則 渡辺
Shiko Kanekuri
思紅 金栗
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 折曲げ溝を有する枠材を折曲げて側板を形成
し、これに別体の底部材を結合させることで得られる組
立タイプの簡易容器において、側板、底部材をポリスチ
レン系樹脂発泡体により形成した従来の容器の問題を解
決し、折曲げ溝における耐折性に優れるとともに、耐熱
性、耐油性、剛性、平滑性に優れ、保管、搬送、組立作
業が容易なポリプロピレン系樹脂発泡板からなる容器枠
材及び該枠材を用いてなる容器を提供する。 【解決手段】 本発明の容器枠材1は、折曲げ溝3を有
する帯状のポリプロピレン系樹脂発泡板2を主体とする
厚み2〜9mm、密度0.05〜0.3g/cm 3の容
器枠材であって、該枠材1の折曲げ溝3部分のJIS
P8115による耐折強さが10回以上であることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、駅の売店、
コンビニエンスストアー、スーパー等で販売されている
弁当を収納するための簡易容器の素材として使用される
耐折性、耐熱性、耐油性、印刷適性等に優れる容器枠材
及び該枠材を用いてなる容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら使用されている発泡樹脂製の簡易容器としては、発泡
樹脂シートを熱成形して得られるカップ、丼、トレー等
の熱成形タイプのものと、発泡樹脂板にV字溝、凹溝等
の溝加工を施すことによりヒンジ部を形成し、それを組
立てることによって得られる箱状、曲げわっぱ状の弁当
箱等の組立タイプのものに大別できる。そして、組立タ
イプのものは、更に四角形の底板の四辺にヒンジ部を介
して側板が連設されているもの(特開昭51−1271
74号参照)と、折曲げ溝を有する枠材を折り曲げて側
板を形成し、これに別体の底部材を接着及び/又は掛止
するもの(実開平2−144528号、特開平10−7
7032号参照)とがある。
【0003】一方、近年簡易容器において、コスト面に
おいては物流コスト削減、リサイクル性向上、生産工程
数削減が求められており、性能面においては耐油性、耐
熱性等の付加的な機能、その他、意匠性等が求められて
いる。このような要求を満たし得るものとして、前記簡
易容器の中でも特に、組立タイプのもので側板を折曲げ
溝を有する枠材により形成し別体の底部材を接着及び/
又は掛止するタイプのものが注目されている。
【0004】しかしながら、上記枠材と底部材とからな
る組立タイプの容器で実用化されているものは、枠材や
底部材がポリスチレン系樹脂発泡板からなるもののみで
あり、このような容器は、 1.ポリスチレン系樹脂発泡板製の枠材は折曲げ溝部が
輸送時の衝撃により破断してしまう。 2.組立て作業中に折曲げ溝部が破断してしまう。 3.電子レンジによる加熱により容器が変形してしま
う。 4.収納物の油分により容器表面が侵されてしまう。 といった問題を有していた。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みなされたもので
あって、上記従来技術の課題を解消し、耐折性、耐熱
性、耐油性、剛性、平滑性に優れていると共にリサイク
ル性、保管性、搬送性、組立作業性に優れた、熱可塑性
樹脂発泡板からなる容器枠材及び該枠材を用いてなる容
器を提供することを目的とするものである。
【0006】本発明者らは、前述の従来から使用されて
いるポリスチレン系樹脂発泡板からなる容器枠材や容器
の脆さ、耐熱性の低さを改善するために、熱可塑性樹脂
発泡板の基材樹脂としてポリプロピレン系樹脂発泡板を
選定したが、ポリプロピレン系樹脂板状発泡体として、
従来から知られているものは、Tダイス方式によって押
出発泡成形されたものであって、発泡倍率が低く(密度
が0.3g/cm3を超える)、しかも発泡板表面には
厚いソリッド層が形成され、また圧縮物性が高すぎるも
のであり、耐折性が悪いものであった。また、環状ダイ
ス方式によって押出発泡成形されたものもあるが、これ
も平滑性、剛性、耐折性、切削加工性の面で十分なもの
とは言えなかった。
【0007】そこで、本発明者らは更に鋭意研究を行っ
た結果、ポリプロピレン系樹脂発泡板の中でも、特定の
構成を有するポリプロピレン系樹脂発泡板を用いること
により、従来のものでは解決することが難しかった前記
課題を解決し得る新規な容器枠材及び容器を完成するに
至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の容器枠
材は、折曲げ溝を有する帯状のポリプロピレン系樹脂発
泡板を主体とする厚み2〜9mm、密度0.05〜0.
3g/cm3の容器枠材であって、該枠材の折曲げ溝部
分のJIS P8115による耐折強さが10回以上で
あることを特徴とする。ポリプロピレン系樹脂発泡板を
主体とする本発明の容器枠材は、圧縮強さが1×105
〜8×105Pa、折曲げ溝部分の引張強さが25N以
上であるものが好ましく、更に、ポリプロピレン系樹脂
発泡板の少なくとも片面の表面気泡数が4〜90個/4
mm2であることが好ましい。本発明の容器枠材は、熱
可塑性樹脂フィルムが積層されたプロピレン系樹脂発泡
板よりなるものを包含する。更に本発明の容器枠材にお
いて、ポリプロピレン系樹脂発泡板の基材樹脂は、ゲル
分率0〜5重量%、溶融張力が6×10-2N以上、メル
トフローレイトが2〜10g/10分のポリプロピレン
系樹脂が好ましく、また30重量%以下のエチレン成分
を含有するポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0009】また本発明の容器は、上記容器枠材に、底
部材が結合されていることを特徴とするもので、底部材
がポリプロピレン系樹脂よりなるものが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。図1(a)は本発明の容器枠材の一実施例
であり、図1(b)はその他の実施例である。図1に示す
通り本発明の容器枠材1は、帯状のポリプロピレン系樹
脂発泡板2に例えばV字状の折曲げ溝3を設けて構成さ
れている。この帯状の発泡板2には、図1(a)のような
幅が一定の短冊板状のものや、特に図示しないが幅に変
化を持たせた短冊板状のものであっても良い。上記図1
(a)に示す短冊板状の容器枠材1により容器を形成す
る場合、折曲げ溝3において枠材1を折り曲げて、両端
を非接合又は接合して使用するが、図1(b)に示すよう
に短冊板状の枠材両端を予め接合部4にて接合して枠状
に形成しておいても良い。また、発泡板2に設けられる
折曲げ溝3は図1に示したV字状のものに限らず、実開
昭63−161125号、実開平2−144528号に
示されているような凹状等、折曲げ加工に使用できる溝
ならば制限されることなく採用することができる。
【0011】ポリプロピレン系樹脂発泡板を切断加工し
て帯状の発泡板2を得たり、該発泡板2に折曲げ溝3を
形成するには、従来のポリスチレン系樹脂発泡板の場合
と同様に、カッター刃、のこ刃、熱刃等を使用して切断
加工、切削加工する公知の方法を採用することができ
る。
【0012】次に、本発明の容器枠材1の主体を構成す
る帯状のポリプロピレン系樹脂発泡板2について詳述す
る。
【0013】本発明で使用する発泡板2は、ポリプロピ
レン系樹脂を基材とする発泡板を帯状に切断することに
より得られるものであるが、ポリプロピレン系樹脂発泡
板は、発泡板の表面部の分子配向、気泡膜厚み、気泡形
状、気泡径等を調整することにより、枠材1として用い
た場合、折曲げ溝部分のJIS P8115による耐折
強さが10回以上という、従来のものに比して優れた耐
折性を示す。本発明において、好ましくは上記耐折強さ
が35回以上、更に好ましくは50回以上のものであ
る。また、本発明の枠材1は、厚み2〜9mm、密度
0.05〜0.3g/cm3を有する。上記耐折強さが
10回未満の場合、容器枠材として要求される折り畳み
性能において十分なものとは言えず、この場合、枠材1
を搬送する際や、該枠材1に底部材を取り付ける組立作
業中等の工程において、折曲げ溝3部分において破断し
てしまうものが発生する。
【0014】容器枠材1が折曲げ溝3部分にて破断する
機構については、素材による程度の差こそあれ、枠材1
の厚みによる折曲げ溝3部分の内側と外側の曲率半径の
違いによって発生する、折曲げ溝3部分内側部の圧縮力
と折曲げ溝3部分外側部の引張力とのバランスにより説
明することができる。すなわち、該内側部の圧縮力が該
外側部の引張力よりも大きい場合には折曲げ溝3部分で
破断が発生する。
【0015】そこで、耐折性に優れた容器枠材1を得る
ためには、折曲げ溝の外側部分の引張強さが、折曲げ溝
の内側部分の圧縮強さよりも大きな枠材1を用いる必要
があるが、枠材の主体であるポリプロピレン系樹脂発泡
板の場合、発泡倍率を高く調整して圧縮強さを弱めると
引張強さも低くなる、また、剛性も低いものになってし
まい容器枠材としての形状保持性、折曲げ溝部の切削加
工性において不適当なものとなる虞れがある。逆に発泡
倍率を低くすると引張強さとともに圧縮強さも大きくな
ってしまい、耐折性、曲げ加工性、軽量性において不十
分なものとなってしまう。よって、本発明においては帯
状のポリプロピレン系樹脂発泡板2としては、厚みが2
〜9mm、密度が0.05〜0.3g/cm3、特に厚
みが2〜6mm、密度が0.06〜0.23g/cm3
のものを使用することが好ましいが、枠材1としては厚
み2〜9mm、密度0.05〜0.3g/cm3、好ま
しくは厚み2〜6mm、密度0.06〜0.23g/c
3のものを使用する。
【0016】本発明において、帯状発泡板2又は枠材1
の密度が0.05g/cm3未満であると、容器枠材1
を組立てて得た容器の保形性に乏しく、また溝加工性に
おいても劣るものとなってしまう。また密度が0.3g
/cm3を超えると断熱性、緩衝性に劣るものとなると
共に、抜き加工性、曲げ加工性に劣るものとなってしま
う。また板状発泡板2又は枠材1の厚みを2〜9mmの
範囲内とすれば、平滑性の優れた発泡板2が容易に得ら
れ、折り曲げ加工時の耐折性の調整がし易くなる等の利
点がある。
【0017】本発明の、耐折性に優れた容器枠材1は、
ポリプロピレン系樹脂発泡板を製造する際の押出発泡条
件等を、厚み、密度が上記した範囲内であって、折曲げ
溝部の引張強さが圧縮強さよりも大きな発泡板が得られ
るように調整する等により得ることができる。
【0018】上記、耐折性に優れるポリプロピレン系樹
脂発泡板を主体とする枠材は、該発泡板において表面部
のスキン層の分子配向、気泡部分の分子配向、表層部の
スキン層の厚み、気泡膜厚み、気泡形状、気泡の均一
性、気泡径、発泡倍率、厚み等のパラメーターを調節す
ることにより得られることが本発明らの研究の結果判明
したが、各パラメーターが相互に複雑に関連して発泡板
の引張強さと圧縮強とが決定されるため、本発明におい
て使用されるポリプロピレン系樹脂発泡板を得るための
各パラメーターの取り得る値の範囲を単純に定めること
は困難である。このため本発明では、該ポリプロピレン
系樹脂発泡板よりなる容器枠材1を、JIS P811
5による耐折強さによって規定したものである。
【0019】本発明において、上記の容器枠材の耐折強
さに関連する各パラメーターにより決定される枠材の圧
縮強さが1×105〜8×105Pa、且つ折曲げ溝部分
の引張強さが25N以上であることが容器枠材としての
耐折性はもちろんのこと剛性、折曲げ等の組立作業性に
おいて優れたものとなるため好ましい。更に枠材の圧縮
強さが2×105〜7×105Pa、且つ折曲げ溝部分の
引張強さが40N以上であることが特に好ましい。尚、
曲げ溝部分の引張強さの上限は概ね200Nである。
【0020】更に、枠材1の曲げ強さが10×105
70×105Pa であるのが好ましく、更に12×10
5〜45×105Paであることが好ましい。曲げ強さが
この範囲であると、充分な剛性を確実に備えた枠材とな
る。
【0021】次に本発明の容器枠材1に用いるポリプロ
ピレン系樹脂発泡板の製造例を示す。
【0022】ポリプロピレン系樹脂発泡板の基材樹脂と
してはゲル分率が0〜5重量%の無架橋又は微架橋のポ
リプロピレン系樹脂であって、溶融張力が6×10-2
以上、メルトフローレイトが2〜10g/10分のもの
が好ましく使用される。尚、該ポリプロピレン系樹脂の
溶融張力の上限は、概ね3×10-1Nである。これらの
条件を満足するポリプロピレン系樹脂の具体例として
は、特開平2−69533号に開示されている長鎖分岐
を有するポリプロピレン系樹脂が挙げられる。尚、本発
明において、発泡板2の基材樹脂であるポリプロピレン
系樹脂とは、プロピレン単独重合体、プロピレン系ブロ
ック共重合体、又はプロピレン系ランダム共重合体のい
ずれであっても良いが、プロピレン以外のオレフィンを
30重量%以下(但し、0重量%は含まず。)の割合で
含有するポリプロピレン系樹脂が、容器枠材1の耐折性
を更に向上させることができる点で好ましく、特に30
重量%以下(但し、0重量%は含まず。)のエチレンを
含有するポリプロピレン系樹脂が好ましい。更に融点が
150℃以上のものが剛性においても特に優れたものと
なるため好ましい。
【0023】ポリプロピレン系共重合体のコモノマー成
分となる、プロピレン以外のオレフィンとしては、エチ
レン、或いは炭素数4〜10のα−オレフィンを挙げる
ことができ、これらは1種、又は2種以上を組み合わせ
て使用することができる。尚、コモノマー成分量は0.
5〜30重量%とすることが好ましい。また、上記炭素
数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブ
テン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−
ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテ
ン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メ
チル−1−ヘキセン等を挙げることができる。
【0024】またプロピレン以外のオレフィンを30重
量%以下含有するポリプロピレン系樹脂としては、例え
ばプロピレン系共重合体とプロピレン単独重合体との混
合物、プロピレン系共重合体等を用いることができる
が、特に、プロピレンブロック共重合体とプロピレン単
独重合体とが重量比で、プロピレンブロック共重合体:
プロピレン単独重合体=5:5〜1:9である混合物
が、剛性と耐折性のバランスが良好で好適なものであ
る。
【0025】更に、上記ポリプロピレン系樹脂は、高密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−
ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等
のエチレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、スチ
レン系樹脂、或いはエチレン−プロピレンラバー等を混
合したものも含む。ポリプロピレン系樹脂として、他の
樹脂を混合したものを採用する場合、他の樹脂の量は混
合樹脂の総重量の40重量%を限度とすることが好まし
い。
【0026】本発明の容器枠材1に用いられるポリプロ
ピレン系樹脂発泡板は、押出発泡法により得ることがで
きる。具体的には、まず上記ポリプロピレン系樹脂を押
出機内で発泡剤と共に溶融混練することにより発泡性溶
融樹脂を得る。そして、(1)上記発泡性溶融樹脂を、
押出機先端に取り付けたフラットダイスより押出発泡さ
せる方法、(2)発泡性溶融樹脂を、押出機先端に取り
付けた環状ダイスよりチューブ状に押出発泡させて得た
環状発泡体を、該環状発泡体の内面が完全に冷却されて
おらず接着可能な状態にあるうちに、ロールにて挟圧し
て環状発泡体内面を貼り合わせて発泡板とする方法、更
に、(3)発泡性溶融樹脂を、押出機先端に取り付けた
環状ダイスよりチューブ状に押出発泡させて得た環状発
泡体を、押出し方向に切り開いてシート状とし、このシ
ート状発泡体を一端ロール状に捲取っておき、次いで図
6に示すように、このロール状の発泡シートを引出しな
がら、加熱延伸して発泡板とする方法等を採用すること
により製造される。尚、上記(3)の方法においては、
環状発泡体を切り開いてシート状としたものを捲き取ら
ずに、そのまま図6に示すような方法で加熱延伸して発
泡板としてもよい。特に、上記(3)の方法により発泡
板を得ることが、発泡板の耐折性を調整する上で好まし
い。
【0027】以下、上記(3)の方法について詳述す
る。まず図5に示すように、押出機23の先端に環状の
リップ24を有する環状ダイス25を取り付け、このダ
イスのリップ24から発泡性溶融樹脂を押出発泡させ
て、同図に示すような環状発泡体26を得る。次いで、
この環状発泡体26の内面側を、該環状発泡体26の内
側に配置したマンドレル27によって冷却すると共に、
環状発泡体26の外面側に冷却空気を吹き付ける等の手
段により冷却し、その後、環状発泡体26を回転刃28
により押出し方向に沿って切り開いてシート状とし、こ
のシート状発泡体9を捲取りロール10にロール状に捲
取っておく。尚、11はマンドレル支持体である。
【0028】上記方法において、マンドレル27の径
は、得ようとする板状発泡体の幅に応じて適宜に選択で
きる。またマンドレル27の長さは、環状発泡体26の
冷却に充分な長さであれば任意である。
【0029】次に、シート状発泡体9から板状発泡体を
得る工程を、図6に基づいて説明する。上記捲取りロー
ル10に捲取ったシート状発泡体9を、ロール12,1
2の間を通して引出し、更に送りロール13,13の間
を通して延伸ロール14,14に送り出す。送りロール
12,12と13,13との間では、例えば加熱炉15
中を通過させる等によってシート状発泡体9を加熱す
る。この加熱の際に発泡体内部の気泡が、特に厚み方向
に更に膨張し、それにより厚みを増加させる。尚、シー
ト状発泡体は前述したように、チューブ状に押出発泡さ
れた環状発泡体26の内面を、筒状のマンドレルによっ
て冷却した後、切り開いて得られたものであるため、シ
ート状発泡体の表裏面における冷却の違いによる分子配
向の差や、環状発泡体26の厚みによる、環状発泡体2
6の内周面と外周面との曲率半径の差により歪が残り、
シート状発泡体は湾曲する傾向を有している。これらの
歪による問題を完全に解消するためには、シート状発泡
体の環状発泡体26外周面側に位置していた側の面を、
他の面側より強く加熱する等、シート状発泡体の表面と
裏面との加熱に温度差をつけることが好ましい。
【0030】送りロール13,13の送り速度は、送り
ロール12,12の送り速度と同じでも異なっていても
よいが、通常は前者の方を速くする。これは、加熱中に
生じるシート状発泡体の弛みを補正するためである。こ
の際、単に弛みを補正するだけにとどまらず、シート状
発泡体の弛みを補正すると共に若干の延伸が施されても
良い。一方、送りロール13,13と延伸ロール14,
14の送り速度は異なり、延伸ロール14,14の送り
速度を、送りロール13,13の送り速度よりも速くす
ることで、送りロール13,13と延伸ロール14,1
4との間でシート状発泡体9は延伸される。尚、上記各
ロールはシート状発泡体9との間でスリップしないこと
を前提としている。
【0031】上記のようにシート状発泡体9に延伸を施
すことにより、シート状発泡体9が剛性を増して板状と
なる。またそれと共に、フレアー(幅方向端部の波打
ち)や反りが除去された状態となる。延伸ロール14,
14を通って送り出された板状の発泡体は、図示しない
所定の手段で適当な大きさ(帯状の発泡板1の大きさ又
は、それよりも大きな板状)に裁断されてる。
【0032】シート状発泡体9の加熱及び延伸の加工条
件は、シート状発泡体9の厚み、密度、基材樹脂の種類
等によって適宜選択されるが、通常は送りロール12,
12及び13,13の送り速度は3〜18m/分、延伸
ロール14,14の送り速度は3〜20m/分であり、
延伸倍率は1.01〜1.1倍である。また、ラインス
ピードは延伸ロール14,14の送り速度と同じ3〜2
0m/分である。また、送りロール12,12と13,
13との間で行なわれる加熱の温度は、通常、150〜
230℃である。加熱手段としては上記した加熱炉15
等を用いた輻射加熱等に限らず、例えば、熱ロール等に
よる接触加熱等、種々の加熱手段を用いることができ
る。
【0033】上記押出発泡法において用いられる発泡剤
としては、無機系又は有機系の物理発泡剤、分解型発泡
剤等の化学発泡剤等が挙げられる。無機系の物理発泡剤
としては、二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられる。有
機系の物理発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i
−ブタン、n−ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタ
ン、ヘキサン等の直鎖状脂肪族炭化水素、シクロブタ
ン、シクロペンタン等の環状脂肪族炭化水素、トリクロ
ロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、1,1−
ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、
1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,
2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタ
ン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンク
ロライド等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。また
化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニト
リル、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの発泡
剤は適宜混合して用いることができる。
【0034】発泡剤の使用量は、発泡剤の種類、所望す
る発泡倍率等によっても異なるが、最終的に密度0.3
〜0.05g/cm3 の発泡板を得るための発泡剤の使
用量の目安は、樹脂100重量部当たり有機系物理発泡
剤で0.8〜7.0重量部(ブタン換算)程度、無機系
の物理発泡剤で0.6〜5.0重量部(二酸化炭素換
算)程度、化学発泡剤で2〜15重量部(重炭酸ナトリ
ウム換算)程度である。
【0035】ポリプロピレン系樹脂発泡体を得るに当た
って、樹脂と発泡剤との溶融混練物中に気泡調整剤を添
加することが好ましい。気泡調整剤としてはタルク、シ
リカ等の無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カル
ボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの反
応混合物が挙げられる。気泡調整剤は樹脂100重量部
当たり5重量部程度以下添加することが好ましい(但
し、後述する、無機充填剤を樹脂に多量に含有させる場
合は除く)。また、必要に応じて、更に熱安定剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を添加するこ
ともできる。
【0036】また、予め樹脂中に、総重量の50重量%
を限度として無機充填剤を含有させても良い。無機充填
剤としては、例えばタルク、シリカ、炭酸カルシウム、
クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化
マグネシウム等が挙げられる。これらの平均粒径は1〜
70μmであることが好ましい。このような無機充填剤
を多く含有させた場合、得られる発泡体は耐熱性、剛性
が向上すると共に焼却処理の際の燃焼カロリーを低下さ
せることが可能となる。
【0037】また本発明の容器枠材1に用いるポリプロ
ピレン系樹脂発泡板は、上記押出発泡法によりポリプロ
ピレン系樹脂発泡板を得る際に、発泡性溶融樹脂をでき
るだけ低温でダイスより押し出すこと、ダイスからの押
出発泡直後に発泡体表面を冷却することにより発泡体表
面部分を形成している樹脂の分子配向を調整すること、
ダイスから発泡体を環状に押出し押出発泡直後の吐出
量、引取速度及び展開倍率を調整して発泡体を構成して
いる気泡形状を調整し(好ましくはへん平状に)、最終
的に得られる容器枠材の気泡部分の分子配向を調整する
こと、押出機中での発泡性溶融樹脂搬送による発熱を抑
え、発泡性溶融樹脂の溶融粘度が必要以上に低下するの
を防いで気泡調整材を均一に分散させ、これによって得
られる発泡体の気泡径を比較的小さく制御すること、等
の種々の条件を組み合わせにより得ることができる。
【0038】本発明の容器枠材1には、図2(a)に示
すように、表面に印刷6を施すことができる。また本発
明の容器枠材1は、上記した単層のポリプロピレン系樹
脂発泡板2からなるものに限らず、図2(b)、(c)に示
すように、単層又は多層の熱可塑性樹脂フィルム5をポ
リプロピレン系樹脂発泡板2の片面又は両面に積層した
ものや、紙、不織布等を積層したものであってもよい。
発泡板2に熱可塑性樹脂フイルム5を積層したものは、
図2(b)、(c)に示すように、折り曲げ溝3の形成面の
反対面にフィルムが積層されるように折曲げ溝3を形成
することにより、該折曲げ溝3部分の引張強さが更に向
上するため、耐折性がより優れたものとなる。また、熱
可塑性樹脂フィルム5上は印刷性も良く、印刷を施すこ
とにより意匠性を向上させることができる。
【0039】上記、熱可塑性樹脂フィルム5の基材樹脂
としてはポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、これらの樹脂の混合物、更にはタルク、炭
酸カルシウム等の無機物を前記樹脂に40重量%以下の
範囲で添加したものなどが挙げられる。尚、リサイクル
性、接着性、耐熱性、剛性、引張強度の面から特にポリ
プロピレン系樹脂フィルム、更には延伸ポリプロピレン
系樹脂フィルムを積層接着することが好ましい。
【0040】ポリプロピレン系樹脂発泡板に、図2
(b)、(c)に示すように熱可塑性樹脂フイルム5を
積層する場合、或いは図2(a)に示すように発泡板2
上に印刷6を施す場合、或いは発泡板2に熱可塑性樹脂
フィルム5を積層し、更にこのフィルム5の上に印刷を
施す場合等には、発泡板2の、印刷6又はフィルム5を
設ける側の表面気泡数が4〜90個/4mm2、更に6
〜60個/4mm2であることが好ましい。表面気泡数
をこの範囲に調整することにより、熱可塑性樹脂フイル
ム5との接着性や印刷適性を向上させることができる。
【0041】本発明の容器枠材1は、耐折性に特に優れ
るものであるから、枠材1を予め囲繞状の矩形状等に組
立てた後、図1(b)に示すような形態に折曲げ溝3部
において折畳んでも、折曲げ溝3において破断すること
がない。このため、組み立てた枠材1を折畳んで、平坦
な嵩張らない状態にして搬送することができ、物流コス
トを抑えることができる。最終的に容器を使用する現場
にて、折り畳んだ枠材1を、元の状態(囲繞状の矩形状
等)に戻し、これに図3、図4に示すように底部材6
を、掛止、接着等の方法により結合することにより、容
易に容器を組立てることができるものであり、本発明の
容器枠材1は、上記したような使用方法において特に有
効なものである。
【0042】また、本発明の容器枠材1は帯状の発泡板
2の端部同士をつき合わせて熱接着する際に、熱接着部
分の融着強度が高く、枠材として好適なものである。更
に、本発明の容器枠材1はホチキス止め等による組立も
可能であり、組立方法の選択肢も多数あり組立加工適性
においても優れたものである。
【0043】次に、本発明の容器枠材1を用いてなる容
器について、図3及び図4に基づいて説明する。図3及
び図4は囲繞状に組み立てた容器枠材1に、底部材7を
結合させて得た容器の例を示す。底部材7としては、図
3(a)に示すような板状のもの、図3(b)、図4
(a)、(b)等に示すような熱可塑性樹脂シート、熱
可塑性樹脂発泡シート等を熱成形したり、熱可塑性樹脂
を射出成形して得られる成形体等を用いることができ
る。
【0044】囲繞状の容器枠材1は、通常、帯状の容器
枠材の両端部を熱刃等の加熱手段により溶融させて接合
する方法により形成されるが、両端部をホチキス止めす
る方法、該容器枠材の両端部を接続具にて連結させる方
法等も採用される。尚、底部材7が図4(a)に示すよう
な嵌合部8aを有する形状の場合には、帯状の容器枠材
を組み立てる際に、必ずしも両端部が接合されいなくて
も良い。
【0045】囲繞状に形成した容器枠材1に底部材7を
結合する方法としては、例えば、図3に示すように、枠
材1と底部材7との接合部7aを、熱融着、粘着剤や接
着剤により接着する方法、或いは図4に示すように、嵌
合部8aや係止部8b等によって掛止する方法等が挙げ
られる。尚、枠材1と底部材7との結合をより確実なも
のとするためには、例えば図4中の嵌合部8a等を更に
接着する等により、強固に結合させることもできる。ま
た、底部材7は、図3(a)や図4(a)等に示すよう
な底部が平坦状のものに限らず、図3(b)、図4
(b)、(c)等に示すように仕切9を形成したもので
も良い。
【0046】底部材7の素材としては、耐水紙、木、金
属、熱可塑性樹脂等が使用可能であるが、通常、底部材
7に仕切9を設ける場合に好適な、熱成形が可能な熱可
塑性樹脂が多く使用される。熱可塑性樹脂の具体例とし
てはポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、これらの樹脂の混合物、更にはタルク、炭酸カ
ルシウム等の無機物を前記のものに40重量%以下の範
囲で添加したものなどが挙げられる。尚、リサイクル
性、接着性、耐熱性、剛性の面から特にポリプロピレン
系樹脂を基材樹脂とする底部材7が特に好ましい。ま
た、底部材7を熱可塑性樹脂板又は熱可塑性樹脂熱成形
体により構成する場合、特に発泡体により構成すると容
器の断熱性が向上するため好ましい。
【0047】底部材7の厚みは、素材によっても異なる
が、耐水紙、木、金属、非発泡熱可塑性樹脂の場合は通
常0.05〜3mm、熱可塑性樹脂発泡体の場合は通常
0.6〜7mmである。また、底部材7が熱可塑性樹脂
発泡体の場合、その密度は通常0.04g/cm3以上
であることが好ましい。
【0048】上記のようにして得られた本発明の容器
は、耐熱性、剛性に優れ、特に、底部材7がポリプロピ
レン系樹脂を基材樹脂とする場合、具体的にはプロピレ
ン単独重合体、プロピレン系共重合体、これらの重合体
に無機充填剤を40重量%以下の範囲で添加したもの、
あるいはこれらの重合体50重量%以上と、50重量%
未満のポリスチレン系樹脂との混合物よりなる場合に
は、リサイクル性、耐油性に優れ、更に耐熱性、剛性が
向上し、直接容器に高温の食品等を収納することもで
き、食品等を収納して電子レンジにて加熱する用途にも
好適な優れた容器である。
【0049】
【実施例】以下に、実施例、比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本明細書における容器枠材等の諸
物性の測定方法は、以下の通りである。
【0050】(折曲げ溝の耐折強さ)JIS P8115
に準拠してMIT形試験器による耐折強さを試験する方
法により求められる、試験片の折曲げ溝部が破断するま
での往復折曲げ回数とした。但し、往復曲げ回数が50
回で試験片が破断しない場合は、耐折強さ50回以上と
する(つまり、JIS P8115による上記試験に
て、往復折曲げ回数が50回で破断がおきない容器枠材
も当然本発明に包含される。)。測定は、折曲げ溝を有
する帯状の容器枠材から切り出した、容器枠材の長手方
向を長さ方向とする長さ110mm×幅15mm×容器
枠材厚み(積層体の場合は、当然積層体の厚み)の折曲
げ溝を含む試験片を用い、この試験片を9.8Nの張力
をかけて測定装置に取り付けて行った。その際、左右へ
135度の角度に175回/分の速度で回転運動する折
曲げ装置側のクランプ部先端に少なくとも折曲げ溝が位
置するように試験片を取り付けることとする。尚、荷重
をかけるつかみと、折曲げ装置側のクランプ部先端との
間に折曲げ溝が複数存在しても構わない。
【0051】(圧縮強さ)圧縮強さは、JIS K722
0に準拠して万能試験機〔(株)オリエンテック社製テ
ンシロン〕にて測定した。容器枠材より、縦30mm×
横30mm×容器枠材厚みの試験片を切り出し(尚、試
験片には折曲げ溝が存在しないこととする。)、厚み方
向に10mm/分で、当初の容器枠材厚みに対して25
%圧縮し、その時の応力(Pa)とした。
【0052】(折曲げ溝の引張強さ)容器枠材から、その
長手方向を長さ方向とする長さ150mm×幅30mm
×容器枠材厚みの試験片(尚、試験片には折曲げ溝が存
在するものとする。)を切り出し、この試験片を引張試
験機にて、チャック間50mm、引張速度500mm/
分の条件で引張り、試験片が折曲げ溝部において破断し
た時の引張強さ(N)とした。尚、試験片に折曲げ溝が
一つの場合はチャック間の中央部に該溝が位置するよう
に試験片をクランプする。また、試験片に折曲げ溝が複
数存在する場合はチャック間の中央部を中心に、ほぼ均
等に折曲げ溝が位置するように試験片をクランプする。
【0053】(曲げ強さ)曲げ強さは,JIS K72
21に準拠して万能試験[(株)オリエンテック社製テ
ンシロン]にて測定した。詳しくは、容器枠材より、そ
の長手方向を長さ方向とする長さ:120mm、幅:2
5mm、厚み:容器枠材厚みの試験片(尚、試験片には
折曲げ溝が存在しないこととする。)を切り出し、支点
間距離:50mm、加圧くさび及び支持台の先端部半
径:5mm、試験速度10mm/分として、3点曲げ試
験を行い、そのときの応力(Pa)とした。
【0054】尚、上記圧縮強さ、引張り強さ、曲げ強さ
の値を測定する際に、容器枠材から所定の試験片が切り
出せない場合は、適当な試験片により値を求め(必要に
より換算値を採用する。)、その値を各物性値とする。
【0055】(表面気泡数)容器枠材の主体である発泡板
の表面から厚さ0.2mmの部分をスライスし、該スラ
イス面を反射式投影機(株式会社ミツトヨ製PJ300
0)を用いて拡大投影し、拡大された画面上において、
実際の試料面積で4mm2(縦2mm×横2mm)に相
当する範囲内の気泡数を測定する。但し、拡大された画
面上の縦2mm×横2mmに相当する範囲内の右辺上、
上辺上にある気泡は数えないこととする。
【0056】(ポリプロピレン系樹脂のゲル分率)約20
0mlのキシレンの入ったメスフラスコに、基材樹脂で
あるポリプロピレン系樹脂の約5gを入れ、大気圧下に
て15時間、沸騰キシレン中で加熱還流した後、得られ
た加熱処理物をJIS Z8801(1995)のふる
いの目開き75μmの金網にて濾過し、ふるい上の不溶
解分を24時間減圧乾燥して得た乾燥物重量:W1の、
サンプル重量:W2に対する割合を、以下の(1)式に
より求めた。
【0057】
【数1】 ゲル分率(重量%)=(W1/W2)×100 ・・・・(1)
【0058】(ポリプロピレン系樹脂の溶融張力)基材樹
脂であるポリプロピレン系樹脂の溶融張力は、図7に示
す装置を用いて230℃に加熱した溶融ポリプロピレン
系樹脂を、メルトインデクサーノズル(口径2.095
mm、長さ8mm)61から、ピストン押圧速度10m
m/分にて図中の矢印方向へ紐状に押出し、押出された
樹脂をノズル61の下方の可動式プーリー62に掛け、
このプーリー62に接続されたロードセル66によって
検出される値(N)である。尚、図中63、64は送り
ロール、65は巻取ロールであり、L1は250mm、
プーリー62の直径は45mmである。溶融張力は、捲
取りロール65の捲取り速度を速くするにつれて増大
し、次いで定常状態となるが、ここでいう定常状態とは
溶融張力が最大値と最小値のある幅をもって安定してい
る状態である。そこでこの状態を示す捲取り速度を溶融
張力を求める捲取り速度とし、その速度の時にロードセ
ル66が検出する定常状態時の溶融張力の平均値を溶融
張力として採用する。
【0059】(ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレ
イト)基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂のメルトフ
ローレイトは、JIS K7210により、試験温度2
30℃、試験荷重21.18Nにて求めた。
【0060】(ポリプロピレン系樹脂の融点)ポリプロ
ピレン系樹脂の融点は、示差走査熱量計によって測定さ
れる値である。詳しくは、ポリプロピレン系樹脂約5m
gを示差走査熱量計によって10℃/分の昇温速度で2
20℃まで昇温した後、10℃/分の冷却速度で40℃
まで降温し、再度220℃まで10℃/分で昇温した際
に得られるDSC曲線の主融解ピークの頂点温度をポリ
プロピレン系樹脂の融点とする。
【0061】(容器枠材の厚み)図2に示すTの厚みを
容器枠材の厚みとする。尚、容器枠材の各部分で厚みに
ばらつきがある場合は、容器枠材の長手方向の長さを等
分する10箇所以上の測定点を定め、各測定点で測定さ
れた厚みの算術平均値をもって容器枠材の厚みとする。
【0062】(容器枠材の密度)重量(g)を測定した
容器枠材を水没させる方法により該枠材の体積(c
3)を求め、前記重量を体積で割ることにより求めら
れる値である。尚、当然のことながら、容器枠材が発泡
板と樹脂フィルムとの積層体の場合は、該積層体を測定
サンプルとして容器枠材の密度を求める。
【0063】実施例1〜4 基材樹脂と発泡剤とを押出機内で溶融混練した後、この
溶融混練物を押出機先端に取り付けた発泡性溶融樹脂の
発熱を抑える環状ダイスよりマンドレル上に押出発泡し
て環状発泡体を得、次いでこの環状発泡体をそのままマ
ンドレル上を通過させ、切り開いてシート状発泡体を得
た。次に得られたシート状発泡体を、図6に示す如き構
成の加熱・延伸装置を用いてカールやフレアーを除去し
て発泡板とした。使用した基材樹脂、発泡剤、気泡調整
剤、押出機は以下の通りである。また、基材樹脂100
重量部に対する発泡剤、気泡調整剤の配合量、押出発泡
の温度条件を表1に併せて示した。尚、実施例3におい
ては、得られた発泡板の両面に厚さ30μmの一軸延伸
ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層した積層発泡板と
して使用した。発泡板とフィルムとは、180℃の熱ロ
ールに、ライン速度12m/分の条件で通すことにより
積層した。また実施例4では、得られた発泡板の両面
に、厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィ
ルムを積層した積層発泡板として使用した。発泡板とフ
ィルムとは、190℃の熱ロールに、ライン速度10m
/分の条件で通すことにより積層した。
【0064】〔基材樹脂〕 ・プロピレン単独重合体(ハイモント社製PF−81
4) MFR:3.9(g/10分) 融点:159.1(℃) 溶融張力:25×10-2(N) 〔発泡剤〕 ・ブタン 〔気泡調整剤〕 ・クエン酸モノナトリウム塩(JIS K7210の試
験温度190℃、試験荷重21.18Nの条件にて求め
られるメルトフローレイトが5g/10分の低密度ポリ
エチレンをベース樹脂とする5重量%マスターバッチに
て添加した。) 〔押出機〕 ・タンデム押出機
【0065】また、得られた発泡シートの加熱・延伸条
件を以下に示す。
【0066】・送りロール12、12の送り速度:3〜
18m/min ・送りロール12、12間の間隙:(シート厚み×0.
7)mm ・送りロール13、13の送り速度:ロール12のスピ
ードの0〜0.5%増 ・送りロール13、13間の間隙:(シート厚み×0.
7)mm ・ロール12、12と13、13の間の距離:2〜6m ・延伸ロール14、14の送り速度:ロール13のスピ
ードの0.1〜10%増 ・延伸ロール14、14間の間隙:(シート厚み×0.
7)mm ・ラインスピード:ロール13のスピードの0.1〜1
0%増 ・加熱手段:加熱炉 ・熱源からの距離:0.1〜0.2m ・加熱温度(熱源における):190〜210℃
【0067】
【表1】
【0068】上記実施例1〜4で得られた発泡板、積層
発泡板及び、比較例1としてTダイ法によって得た、表
面に厚いソリッド層を有し密度0.31g/cm3の従
来のポリプロピレン系樹脂発泡板を切断加工して、幅3
0mm、長さ400mmの帯状の発泡体とし、更に該帯
状発泡体に図1(a)にて示すように、約90度のV字
溝をカッター刃により設け容器枠材とした。この枠材に
ついて、厚み、密度、折曲げ溝の耐折強さ、圧縮強度等
の諸物性を測定した。結果を表1にあわせて示す。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明の容器枠材
は、折り曲げ溝部における耐折性に優れるため、囲繞状
に組み立てた後に折り曲げ溝部で折り畳んで平坦状にし
て運搬、保管した場合でも、折り曲げ溝部において破断
することがなく、保管性、搬送性、組立作業性に優れる
効果がある。また本発明の容器枠材から得られる容器
は、耐熱性、耐油性、剛性、平滑性に優れていると共に
リサイクル性にも優れる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器枠材の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の容器枠材の他の実施例を示す断面図で
ある。
【図3】本発明容器の一例を示す縦断面図である。
【図4】本発明容器の他の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図5】押出発泡によって発泡シートを得る方法の説明
図である。
【図6】発泡シートに加熱、延伸処理を施す工程の説明
図である。
【図7】溶融張力を測定するための装置説明図である。
【符号の説明】
1:容器枠材 2:ポリプロピレン系樹脂発泡板 3:折曲げ溝 7:底部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金栗 思紅 栃木県宇都宮市鶴田町1959−5 リバティ ー下野201 Fターム(参考) 3E061 AA04 AB10 4F100 AK01B AK07 AK07A AK64A BA02 BA03 BA25A DD05 DJ01A EJ381 GB16 JA06A JA13A JB16B JJ03 JK01 JK15 YY00A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 折曲げ溝を有する帯状のポリプロピレン
    系樹脂発泡板を主体とする厚み2〜9mm、密度0.0
    5〜0.3g/cm3の容器枠材であって、該枠材の折
    曲げ溝部分のJIS P8115による耐折強さが10
    回以上であることを特徴とする容器枠材。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂発泡板を主体とす
    る容器枠材の圧縮強さが1×105〜8×105Pa、折
    曲げ溝部分の引張強さが25N以上であることを特徴と
    する請求項1記載の容器枠材。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂発泡板の少なくと
    も片面の表面気泡数が4〜90個/4mm2であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の容器枠材。
  4. 【請求項4】 容器枠材が熱可塑性樹脂フィルムが積層
    されたプロピレン系樹脂発泡板よりなることを特徴とす
    る請求項1,2又は3記載の容器枠材。
  5. 【請求項5】 ポリプロピレン系樹脂発泡板の基材樹脂
    が、ゲル分率0〜5重量%、溶融張力が6×10-2N以
    上、メルトフローレイトが2〜10g/10分のポリプ
    ロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の容器枠材。
  6. 【請求項6】 ポリプロピレン系樹脂発泡板の基材樹脂
    が、30重量%以下のエチレン成分を含有するポリプロ
    ピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の容器枠材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の容器枠
    材に、底部材を結合してなることを特徴とする容器。
  8. 【請求項8】 底部材がポリプロピレン系樹脂よりなる
    ことを特徴とする請求項7記載の容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012030571A (ja) * 2010-06-28 2012-02-16 Sekisui Plastics Co Ltd 生分解性樹脂積層発泡シート、折箱用周側枠材及び折箱
JP2014223931A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 株式会社アクタ 組立式簡易容器の縁枠
CN107303962A (zh) * 2016-04-25 2017-10-31 名硕电脑(苏州)有限公司 承载盘及其组装方法

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