JP3797639B2 - 熱成形用積層シートの製造方法 - Google Patents

熱成形用積層シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器やトレー等の熱成形品を成形するために用いる熱成形用積層シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂発泡シートと合成樹脂フィルムとを積層した積層シートを製造する方法として、別々の工程で製造した合成樹脂発泡シートと合成樹脂フィルムとを、それぞれロール状に巻いてから積層工程に移送し、当該工程において合成樹脂発泡シートと合成樹脂フィルムとをロールから展開しながら積層する方法(オフラインラミネート法)や、合成樹脂発泡シート製造ラインで製造された発泡シートに、合成樹脂フィルム製造ラインで製造された合成樹脂フィルムを直ちに積層する方法(オンラインラミネート法)が知られている。しかしながら、オフラインラミネート法は別々の工程で製造した合成樹脂発泡シートと合成樹脂フィルムとを、積層工程に移送して積層する方法であるため、一旦製造した発泡シートやフィルムを一時的に保管したり、積層工程に移送するための手間がかかるとともに、保管場所の確保が必要であり、積層シートの製造効率も低く、製造コストが高くつくという問題があった。一方、オンラインラミネート法は発泡シートやフィルムの製造工程と、これらの積層工程とを連続して行うことができるため、オフラインラミネート法よりも積層シートの製造効率が高い利点がある。しかしながらオンラインラミネート法では、発泡シート製造用の押出機から押出された発泡シートと、フィルム製造用の押出機から押出されたフィルムとを重ね合わせてラミネートロール間を通過させて積層する方法であるため、発泡シート製造用のダイスと、フィルム製造用のダイスとがそれぞれ必要であるとともに、製造ラインの長さも長くなり、特に発泡シートの両面にフィルムを積層する場合には更に長い製造ラインを必要とするため、設備コストが高くつくという問題があった。
【0003】
一方、合成樹脂発泡シート用原料と合成樹脂フィルム用原料とを、それぞれ押出機に供給し、環状ダイス内で両原料を合流させた後、環状ダイスから押出して発泡シート用原料を発泡させ、発泡シート層とフィルム層とが積層一体化した積層シートを得る方法(以下、共押出インフレーション法と呼ぶ。)も種々提案されており(例えば特開昭61−130025号、特開平5−208442号、特公昭48−37752号、特公平5−2502号)、共押出インフレーション法によればオフラインラミネート法やオンラインラミネート法の上記した欠点を解決することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように積層シートを、容器やトレー等の熱成形用として用いる場合、発泡シートの両面にフィルムが積層されていると、発泡シート内のガスが抜け難く、熱成形時の発泡シートの二次発泡倍率が高くなるため好ましい。即ち、熱成形時に積層シートは引き伸ばされて、シートの厚みが薄くなる傾向にあり、特に深絞り成形を行う場合にはこの傾向は顕著となって、極端な場合には成形品に穴が開いたりする虞れがあるが、発泡シートの二次発泡性が高いと熱成形時のシートの厚み減少を少なくするこができる。また熱成形用積層シートとしては、上記と同様の理由で発泡シート層の厚みが0.5〜5.0mm程度のものが好適に用いられる。
上記共押出インフレーション法によって環状ダイスから筒状に押出して発泡シート用原料を発泡させるとともに発泡シート層とフィルム層とを積層一体化して得られた筒状積層体は、通常、外気によって冷却された後、シート状に切り開かれるが、熱成形用積層シートの場合、上記したように発泡シート層の厚みが0.5〜3.0mm程度必要であるために、筒状積層体の内面側の冷却が不十分となり易い。このため共押出インフレーション法によって熱成形用積層シートを製造する場合には、筒状積層体の内面側を円柱状冷却ドラムに接触させて冷却することが望ましい。しかしながら、発泡シートの両面にフィルムを積層した積層シートを製造する場合、筒状積層体内面側のフィルム層が円柱状冷却ドラム表面に粘着して、安定した製造が行い難くなるとともに、得られた積層シートの円柱状冷却ドラムと接触した側の面の表面が凹凸となって外観が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の従来技術の欠点を解決すべくなされたもので、共押出しによるインフレーション法において、ポリプロピレン系樹脂発泡層の両面にポリプロピレン系樹脂無発泡層が積層された積層シートを得るに際し、共押出された筒状積層体と円柱状冷却ドラム表面との滑り性に優れ、外観良好な積層シートを安定して製造することができる方法を提供することを目的とするものである。本発明者らは、上記課題を解決すべく研究した結果、円柱状冷却ドラムと接する側のフィルム層を形成する原料中に、10重量%以上の無機フィラーを含有させることにより、これらの問題点を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の熱成形用積層シートの製造方法は、〔1〕ポリプロピレン系樹脂発泡シート層を形成する原料とポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料とをそれぞれ押出機に供給し、これらをダイス内部で合流した後環状ダイスより押出して、発泡シート層を形成する原料を発泡させ、発泡シート層の両面に無発泡フィルム層を積層した筒状の積層体を形成し、次いで筒状積層体の内面側を円柱状冷却ドラム周面に接触させて引取りながら冷却し、切り開いてシート状とし、密度が0.5乃至0.1g/cm3 及び厚みが0.5〜5.0mmのポリプロピレン系樹脂発泡シート層の両面にポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層が積層して一体化された熱成形用積層シートの製造方法において、少なくとも円柱状冷却ドラムと接する側のポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中に10重量%以上の無機フィラーが含有されていることを特徴とする熱成形用積層シートの製造方法、〔2〕円柱状冷却ドラムと接する側のポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中に15重量%以上の無機フィラーが含有されていることを特徴とする上記〔1〕記載の熱成形用積層シートの製造方法、〔3〕筒状積層体の外側に位置するポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中に、10重量%以上の無機フィラーが含有されていることを特徴とする上記〔1〕または〔2〕記載の熱成形用積層シートの製造方法を要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、ポリプロピレン系樹脂発泡シート層(以下「発泡シート層」という。)を形成する原料(以下「発泡シート層用原料」という。)とポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層(以下「無発泡フィルム層」という。)を形成する原料(以下「無発泡フィルム層用原料」という。)に用いるポリプロピレン系樹脂としては、いずれもプロピレンホモポリマーやプロピレンと他のオレフィン系モノマーとの共重合体が用いられる。共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれも用いることができる。更に二元系または三元系共重合体であっても良い。
【0008】
プロピレンと他のオレフィン系モノマーとの共重合体をポリプロピレン系樹脂原料として用いる場合、他のオレフィン系モノマーは共重合体中に、ランダム共重合体の場合には5.0重量%以下、ブロック共重合体の場合には20.0重量%以下の割合で用いるのが好ましい。共重合体中の他のオレフィン系モノマーがこれより多いと、ポリプロピレン本来の透明性、剛性、表面光沢、耐熱性等の特性が損なわれてしまうため好ましくない。
【0009】
プロピレンと共重合可能な他のオレフィン系モノマーとしては、エチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。
上記ポリプロピレン系樹脂のなかでも、耐熱性、低温での耐衝撃性に優れたプロピレン─エチレンブロック共重合体が特に好ましい。
【0010】
上記ポリプロピレン系樹脂原料は、単独で用いるのみならず、2種以上を混合して用いることもできる。更に、ポリプロピレン系樹脂原料には、前記したようにポリプロピレン本来の特性が損なわれない範囲で、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等を加えることもできる。無発泡フィルム層用原料と発泡シート層用原料は同一であっても、異なっていてもよい。また内外の無発泡フィルム層用原料も同一であっても、相互に異なっていてもよい。
【0011】
押出機に供給するポリプロピレン系樹脂原料としては、通常、粒子状に成形されたものを用いるが、その具体的な形状は特に限定されない。球状、円柱状、楕円球状、不定形状等の任意の形状の樹脂粒子を使用することができる。
【0012】
発泡シート層用原料と無発泡フィルム層用原料とをそれぞれ押出機に供給し、発泡シート層の両面に無発泡フィルム層が一体化するように、環状ダイス内部で両原料を合流し積層させた後、環状ダイスより筒状に共押出し発泡シート層用原料を発泡させ、発泡シート層の内外面に無発泡フィルム層を有する筒状の積層体を得るが、その際に発泡シート層の密度が0.5〜0.1g/cm3 で厚みが0.5〜5.0mmとなるように発泡を行う。発泡シート層の密度や厚みは、発泡剤の添加量、押出温度、単位時間当りの押出量、積層シートの引き取り速度等によって調整することができる。次いで筒状の積層体内面側を円筒状冷却ドラムに接触させながら引き取り、冷却した後、切り開いて積層シートとするが、本発明では、筒状積層体の少なくとも円柱状冷却ドラムと接する側の無発泡フィルム層用原料中に、10重量%以上の無機フィラーが含有されていることが必要である。無機フィラーはさらに15重量%以上含有されているのが好ましい。無発泡フィルム層用原料中の無機フィラー含有量が10重量%に満たないと、筒状積層体の内表面が円柱状冷却ドラム表面にべたついてしまうので筒状積層体が円柱状冷却ドラム上を通過する際にスムースな移送が行われず、筒状積層体の円柱状冷却ドラム側の表面には許容できないひどい凹凸が形成されてしまう結果となる。また、無機フィラーの上記含有量を15重量%以上にした場合には、筒状積層体が円柱状冷却ドラム上を通過する際によりスムースな移送が行われうるので、筒状積層体の円柱状冷却ドラム側の表面が非常に平滑となる。さらによりスムースな移送が可能になる結果、筒状積層体の円柱状冷却ドラム上を通過するスピードを速くしても良好な表面状態の熱成形用積層シートが製造できるので、単位時間当りの押出量を向上させることができる。
【0013】
さらに本発明において、無機フィラーは円柱状冷却ドラム側と接触する側の無発泡フィルム層用原料に加えるのみならず、外側のポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中にも加えることができる。外側の無発泡フィルム層用原料中への無機フィラーの添加量は、10重量%以上、好ましくは15重量%以上である。外側の無発泡フィルム層用原料に無機フィラーを加えた場合には、熱成形用積層シート、ひいてはその積層シートから得られる熱成形品の耐熱性及び剛性がいっそう高まるという効果が得られる。
【0014】
本発明において、内側の無発泡フィルム層用原料中の無機フィラー含有量は、上記したように10重量%以上であることが必要であり、特に15重量%以上であることが好ましいが、無機フィラーの添加量が多すぎると発泡シート層と無発泡フィルム層とが剥離し易くなる傾向になる。本発明者等の研究によると発泡シート層と無発泡フィルム層との剥離が生じないような無機フィラーの添加量と、発泡シート層の密度との間に特定の関係が成り立つことが判明した。即ち、下記(1)式で示す関係が成り立つ範囲内で無機フィラーを添加することにより、発泡シート層と無発泡フィルム層とが強固に積層一体化され、外観良好な積層シートを確実且つ容易に得ることができる。
【0015】
【数3】
10≦f (X) ≦−277X2 +244X−3.09 ・・・(1)
但し、f(X) :無機フィラーの含有量〔重量%〕
X :発泡シート層の密度〔g/cm3
【0016】
図1は、上記(1)式で示す関係をグラフに示すものであり、下記(2)式で示す曲線が、図1における曲線Aである。曲線Aよりも上側は発泡シート層と無発泡フィルム層との剥離が生じ易くなる範囲を示し、曲線Aよりも下側は外観良好な積層シートが容易に得られる範囲を示す。
【0017】
【数4】
f (X) =−277X2 +244X−3.09 ・・・(2)
【0018】
ここに用いる無機フィラーには、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム等が挙げられる。これら無機フィラーの形状は、特に限定されないが、平均粒径が1〜70μmのものが好ましい。
【0019】
発泡シート層用原料であるポリプロピレン系樹脂には、押出機内で発泡剤を添加して溶融混練する。発泡剤として、無機系発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤が用いられ、これらは混合して用いることができる。無機系発泡剤としては、例えば二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられる。
【0020】
また揮発性発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素類及び環式脂肪族炭化水素類が、モノクロロジフロロメタン、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、ジクロロテトラフロロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド、等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。分解型発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、P,P′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウム等を用いることができる。
【0021】
ポリプロピレン系樹脂と発泡剤との混合割合は、樹脂の種類、使用する発泡剤の種類や得ようとする発泡倍率等により異なるが、例えば、発泡剤にブタンを用いた場合、密度0.5〜0.1g/cm3 の発泡体を得るための発泡剤の混合割合はポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、通常0.2〜5.0重量部である。
各無発泡フィルム層の好ましい厚みは、通常30〜300μm、好ましくは50〜200μmである。
【0022】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0023】
実施例1〜6、比較例1
発泡シート層用原料として、Montell Canada Inc.の製造に係るポリプロピレン:グレード名「PF814」100重量部に対し、気泡調節剤としてクエン酸モノナトリウム塩を0.2重量部含有させて使用した。一方、無発泡フィルム層用原料として、内外層共に日本ポリオレフィン株式会社の製造に係るタルクを40重量%含有するポリプロピレン:グレード名「C140Y」を単独で使用するか、或いは、無発泡フィルム層中のタルク添加量(wt%)が表1に記載の通りになるように、上記「C140Y」に、Montell Canada Inc.の製造に係るタルクを含有しないポリプロピレン:グレード名「SD632」を添加して使用した。
上記の組成の原料を円柱状冷却ドラムを付設した三層共押出装置の各押出機内に供給し、発泡シート層用原料中に押出機の途中から発泡剤となるブタンを上記「PF814」100重量部に対し表1に示す割合で注入し、それぞれを溶融混練した後、各々の押出機より押出して、環状ダイス内で各原料を合流させた後、環状ダイスより筒状に押出した。次いで筒状積層体の内側を円柱状冷却ドラムに接触させて引取りながら冷却し、切断刃により押出方向に切り開いて積層シートを得た。
【0024】
得られた積層シートについて、坪量、厚み、発泡シート層密度を測定すると共に、外観を観察した。これらの結果を表1に示す。尚、坪量と厚みについては、全体及び三層各層につき測定した。
【0025】
坪量は以下の測定方法に従った。
・全体:得られたシートの幅はそのままにて、押出方向に対し長さ10cmに切り出して重量を測定する。その結果をもとに1m2 当たりの重量に換算した値をもって全体の坪量とした。
・無発泡フィルム層:各層の原料密度と後述の厚み測定で得られた各層の厚みから1m2 当たりの重量に換算して無発泡フィルム層各層の坪量とした。
・発泡シート層:全体の坪量から無発泡フィルム層の坪量を引いた値を発泡シート層の坪量とした。
【0026】
厚みは、以下の測定方法に従った。
・全体:無作為に選んだ10箇所の厚みの相加平均値をもって全体の厚みとした。
・各層:積層シートを任意の箇所で厚み方法に切断する。その切断面を顕微鏡で10倍に拡大して各層に対して無作為に10か所選んで厚みを測定し、各々相加平均して各層の厚みとした。
【0027】
発泡シート層密度は、発泡シート層の上記坪量と上記厚みから発泡シート層の密度を算出した。
【0028】
積層シートの外観(円柱状冷却ドラム接触面)については、その外観を目視にて観察して次の基準により判定した。
〇:平滑性に優れ、良好。
△:平滑性にやや劣るが、許容範囲内。
×:全面に凹凸が激しく生じ、部分的に無発泡層の捲れが生じている。
【0029】
【表1】
Figure 0003797639
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の熱成形用積層シートの製造方法は、ポリプロピレン系樹脂発泡シート層を形成する原料とポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料とをそれぞれ押出機に供給し、これらをダイス内部で合流した後に環状ダイスより大気中に押出して発泡シート層用原料を発泡させ、発泡シート層の両面に無発泡フィルム層が積層した筒状の積層体を得、次いで筒状積層体内面を円柱状冷却ドラム周面に接触させて引き取り、切り開いてシート状として、密度が0.5乃至0.1g/cm3 及び厚みがが0.5〜5.0mmのポリプロピレン系樹脂発泡シート層の両面にポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層が一体化された熱成形用積層シートの製造方法において、少なくとも円柱状冷却用ドラム側に位置するポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中には10重量%以上、好ましくは15重量%以上の無機フィラーが含有されていることにより、押出された筒状積層体の内側の無発泡フィルム層が円柱状冷却用ドラム表面に引っ掛かることがなく、スムーズに引き取りが行える。その結果、得られた積層シートは、一定した安定な品質を持った製品になると共に、外観形状に優れる。また本発明により得られる積層シートは、熱成形を行った場合には、剛性や耐熱性等に優れた製品を得ることができる。
【0031】
また、本発明では、筒状積層体の外側に位置するポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中に、10重量%以上、好ましくは15重量%以上の無機フィラーを含有させることにより、熱成形用積層シート、ひいてはその積層シートから得られる熱成形品の耐熱性及び剛性が一層高まる。
【0032】
また、(1)式で示される範囲で無機フィラーを含有する場合には、表面に凹凸のない極めて外観が美麗で良好な積層シートが得られると共に、無発泡フィルム層と発泡シート層との融着が強固で、両者の間には剥離も起こらず、強固に一体化した積層シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円柱状冷却用ドラムと接する側のポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層への無機フィラーの最大添加量のポリプロピレン系樹脂発泡シート層の密度の違いによる変化を示すグラフである。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン系樹脂発泡シート層を形成する原料とポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料とをそれぞれ押出機に供給し、これらをダイス内部で合流した後環状ダイスより押出して、発泡シート層を形成する原料を発泡させ、発泡シート層の両面に無発泡フィルム層を積層した筒状の積層体を形成し、次いで筒状積層体の内面側を円柱状冷却ドラム周面に接触させて引取りながら冷却し、切り開いてシート状とし、密度が0.5乃至0.1g/cm3 及び厚みが0.5〜5.0mmのポリプロピレン系樹脂発泡シート層の両面にポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層が積層して一体化された熱成形用積層シートの製造方法において、少なくとも円柱状冷却ドラムと接する側のポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中に10重量%以上の無機フィラーが含有されていることを特徴とする熱成形用積層シートの製造方法。
  2. 円柱状冷却ドラムと接する側のポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中に15重量%以上の無機フィラーが含有されていることを特徴とする請求項1記載の熱成形用積層シートの製造方法。
  3. 筒状積層体の外側に位置するポリプロピレン系樹脂無発泡フィルム層を形成する原料中に、10重量%以上の無機フィラーが含有されていることを特徴とする請求項1または2記載の熱成形用積層シートの製造方法。
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