JP2920583B2 - 熱可塑性積層発泡シ−ト - Google Patents

熱可塑性積層発泡シ−ト

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JP2920583B2
JP2920583B2 JP12713493A JP12713493A JP2920583B2 JP 2920583 B2 JP2920583 B2 JP 2920583B2 JP 12713493 A JP12713493 A JP 12713493A JP 12713493 A JP12713493 A JP 12713493A JP 2920583 B2 JP2920583 B2 JP 2920583B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品のトレ−や容器の
製造に適した熱可塑性フィルムを積層したビニル芳香族
重合体の熱可塑性積層発泡シ−トに関し、特に、該発泡
シ−トで製造したトレ−又は容器は印刷むらを生じない
ような熱可塑性積層発泡シ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル芳香族樹脂よりなる発泡シ−トの
少なくとも一方の面に熱可塑性合成樹脂フィルムを積層
した熱可塑性積層発泡シ−トを原反とし、これを真空成
形等の手段によって食品包装用のトレ−や或は深絞り品
として丼状の容器を成形することは広く知られている。
そして、成形時にモ−ルドよりの離型性を向上させた
り、或は成形された個々の容器内に内容物を充填すると
き複数個重ねられた容器を個々に分離する際に、容器の
ブロッキングを防止するために一般に原反のフィルム側
にシリコン油が塗布されることは知られている。しか
し、フィルム自身がシリコン油に対してぬれが悪いため
にシリコン油を塗布すると、塗布むらが発生しやすく、
塗布むらが生じた原反よりトレ−又は容器を成形し、こ
れに印刷を施したところ印刷インキの付着がバラツキ、
均一な印刷ができないという問題点があった。
【0003】一般に、加熱前の単位面積に対して、0〜
23%程度面積を増加させ成形されているが、深絞り成
形する場合は、面積増加が約10%以上必要であり、そ
の為、このシ−トを成形するには加熱時シ−トがたれ下
がり、ヒ−タ−に近づく為、加熱ムラが起こり、成形機
の温調点を増加したりして、温度コントロ−ルの精度を
上げ対応している。しかし、深絞り成形品を成形するた
めに、熱可塑性フィルムを積層した発泡シ−トにおい
て、気泡形状を特定すれば加熱前の単位面積に対して1
〜11%程度面積を増加させておくことで成形出来るこ
とがわかったが、シリコン油を塗布した場合、シ−ト表
面にシリコン油の塗布むらがあると、加熱後の伸びがそ
のむらによって影響され、均一な伸びが得られない。ま
た、成形サイクルごとの伸びもバラツキがあるので、フ
ィルム面積を1〜11%以内に安定してコントロ−ルす
ることが困難であった。
【0004】そこで、フィルムにステアリン酸モノグリ
セライド等の帯電防止剤を練り込み、このフィルムと発
泡シ−トとを積層した原反を使用してトレ−や容器を成
形し、印刷を施したところ印刷性は向上したが、シリコ
ン油を塗布していないため離型性及びブロッキングの問
題が生じた。そこで、これにシリコン油を施したとこ
ろ、先に述べたシリコン油の塗布むらが生じ、そのため
印刷性が低下して均一な印刷を施すことができなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、発泡シ−
トにフィルムを積層した原反よりトレ−又は容器を成形
し、これに均一な印刷を施せるように種々検討した結
果、本発明を完成したもので、本発明の目的は均一な印
刷特性を有する成形品を得られる発泡シ−トとフィルム
の積層物よりなる熱可塑性積層発泡シ−トを提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ビニル
芳香族重合体よりなる発泡シ−ト層の少なくとも一方の
面に熱可塑性フィルムを積層した熱可塑性積層発泡シ−
トであって、該熱可塑性積層発泡シ−トは成形機内の成
形直前の加熱状態において、積層発泡シ−トの加熱前の
単位面積に対して1〜11%増加する性質を有し、且
つ、前記熱可塑性フィルムは0.01〜3重量%のシリ
コン油を含有した厚さ5〜550μmであることを特徴
とする熱可塑性積層発泡シ−トである。
【0007】すなわち、本発明においてはシリコン油を
積層熱可塑性発泡シ−トに塗布しなくても熱可塑性フィ
ルムに練り込むことによって離型性を向上し、ブロッキ
ングを防止すると共に塗布むらの問題をも解決でき、し
たがって、これより得られる容器には印刷むらが生せず
均一な印刷特性が得られる。更に該熱可塑性積層発泡シ
−トは成形機内の成形直前の状態において、積層発泡シ
−トの加熱前の単位面積に対して面積が1〜11%増加
する性質を有することにより深絞りの成形品を何ら支障
なく成形できる。
【0008】更に本発明について詳細に述べる。本発明
におけるビニル芳香族重合体としてはスチレン、メチル
スチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジ
メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレ
ン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン
の単独重合体又は共重合体、例えば樹脂としてはスチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、スチレン・アクリル酸共
重合体、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン・アクリロニ
トリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン−スチレン
樹脂単独及び混合樹脂が使用できる。特にポリスチレン
樹脂が好ましい。このポリスチレン樹脂に発泡剤を添加
して発泡シ−ト層を形成する。
【0009】使用する発泡剤としては、炭化水素、例え
ばプロパン、i−ブタン、n−ブタン、i−ペンタン、
n−ペンタン、あるいはこれらの混合物、そして、
2、CO2、N2/CO2、水、水と−OH、−COO
H、−CN、−NH3、−OSO3H、−NH、CO、N
2、−CONH2、−COOR、−CHSO3H、−S
3H、−COON4、−COONH4、の基を持つもの
との混合物である。また、有機系発泡剤としてアゾジカ
ルボン酸アミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン、
4、4’オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)
等の発泡剤を挙げることができる。更に、重炭酸ナトリ
ウム、クエン酸の如き有機酸若しくはその塩と重炭酸塩
との組合せなども使用することができる。或いは、例え
ば重炭酸ナトリウムクエン酸のごとき有機酸もしくはそ
の塩と重炭酸塩との組合せ等も使用できるが、これらは
低分子オレフィン、流パラ、牛脂油等でコ−ティングし
て使用できる。その他、これらの混合物である。
【0010】そして、その発泡倍率としては1.5〜2
0倍程度である。この発泡ポリスチレン系シ−ト樹脂層
を形成するに当たっては、樹脂中には通常使用されてい
る配合剤、例えば気泡調整剤、顔料等を添加しても良
い。本発明における発泡ポリスチレンシ−ト系樹脂層の
厚みについては特に規定はないが、通常この種のトレ−
を構成する発泡ポリスチレンシ−トの有する厚みを有し
ておればよい。そして、発泡手段は特に限定されるもの
ではないが、押出発泡が最も好ましい。
【0011】この発泡シ−トに積層する熱可塑性フィル
ムとしては、発泡シ−トに使用する樹脂と同様な樹脂、
スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロ
ピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレ
ン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルキシレンの単独重合体又は共重合体、例えば
樹脂としてはスチレン−無水マレイン酸共重合体、スチ
レン・アクリル酸共重合体、耐衝撃性ポリスチレン、ス
チレン・アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル・ブ
タジエン−スチレン樹脂単独及び混合樹脂が使用でき
る。他の樹脂として線状低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、プロピレンホモポリ
マ−、エチレン・プロピレンランダムポリマ−、エチレ
ン・プロピレンブロックポリマ−、エチレン・プロピレ
ン−ブテン−タ−ポリマ−、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体
(例えば、エチレン−メチルメタクリレ−ト共重合
体)、エチレン−不飽和カルボン酸金属塩共重合体(例
えば、エチレン−アクリル酸マグネシウム(又は亜鉛)
共重合体)、プロピレン−塩化ビニルコポリマ−、プロ
ピレン−ブテンコポリマ−、プロピレン−無水マレイン
酸コポリマ−、プロピレン−オレフィン共重合体(プロ
ピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共
重合体)ポリエチレン又はポリプロピレンの不飽和カル
ボン酸(例えば、無水マレイン酸)変性物、エチレン−
プロピレンゴム、アタクチックポリプロピレン等が挙げ
られ、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、
プロピレン−ブテン−1共重合体及びこれら2種以上の
混合物、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテ
レフタレ−ト等のフィルムがあげられる。特にポリスチ
レン系のポリスチレンとハイインパクトポリスチレン
(耐衝撃性ポリスチレン)の単独か混合が良く、ハイイ
ンパクトにはスチレン−ブタジエン共重合体がサラミ構
造状に、粒径として0.3μm〜10μmのものを多く
含む樹脂が成形性及び印刷性の点から最も良い。
【0012】この熱可塑性フィルムにはシリコン油を
0.01〜3重量%の割合で練り込む。シリコン油が
0.01重量%未満では成形時の離型性の向上やブロッ
キング防止等の効果が期待できず、また、容器と印刷機
のブランケットとの滑りが悪くなり、印刷性も低下す
る。3重量%以上ではフィルム生産時押出安定性が悪
く、またフィルムの外観が悪くなるのである。そして、
シリコン油を熱可塑性フィルムに練り込むに際し、樹脂
にブレンドで練り込めるのは0.2重量%迄で、0.2
重量%を越え3重量%までは樹脂がスリップしてスクリ
ュ−に安定して喰い込まないため、押出機の途中で圧入
する所謂注入方式で行う方が良い。また、予めシリコン
を練り込んだ樹脂を使用してもよい。
【0013】なお、シリコン油を0.01重量%〜0.
2重量%樹脂に練り込んで、それ以上効果が必要な場合
には0.01重量%〜0.2重量%樹脂に練り込んだ
後、フィルム上にシリコン油を塗布しても塗布むらしな
いことが判り、従って0.01重量%〜0.2重量%樹
脂に練り込み、更にシリコン油を塗布したものは印刷む
らが生じない。なお、シリコン油と共に更にステアリン
酸モノグリセライド等の帯電防止材を同時に練り込んで
も問題は無かった。また、発泡シ−トにシリコン油を混
合しても良く、気泡、成形性等を改善することができ
る。本発明で使用されるシリコン油としては25℃で1
00〜10万センチスト−クスの動粘性率を有するもの
が好ましい。100センチスト−クス未満の場合には多
量に混合しないと効果が少ない。また、混合量を増加す
ると押出安定性に欠け、フィルムの外観が悪くなる。ま
た、15万センチスト−クスを越えると、樹脂への混合
が高粘度の為に困難となる。そして、シリコン油は、オ
イル型、コンパウンド型また、シリコンパウダ−何れも
使用できるが、オイル型の方が使用しやすい。また、塗
布用としてはエマルジョン型等が使用できる。
【0014】本発明の特徴の一は積層発泡シ−トのフィ
ルム側が加熱前の単位面積に対して1〜11%増加する
性質を有することである。この条件は次の式によって算
出する。
【0015】
【数1】
【0016】加熱前の面積=成形機にセットする前に一
辺550mm角または900mm角を有する四辺形の印
をフィルム側に付け、その四辺形の有する面積。 加熱後の面積=前記四辺形部を、成形機の加熱ゾ−ン内
のほぼ中心にセットし、成形する温度条件で加熱した後
に成形しないで取り出し、MD、TD共5等分し糸を用
いそれらの長さを測定し、MD、TDのそれぞれの平均
値をだし、掛け合わせ算出した面積。 また、本発明における気泡の測定方法はASTM−28
42−69に準拠する。即ち、発泡シ−トの流れ方向
(MD)、幅方向(TD)の気泡を20倍の写真に取
り、厚みの中心から全厚みの1/3づつ合計2/3の長
さLを測り、その間の気泡数から平均弦長(t)を測定
し、気泡の平均直径(d)を次式で算出した。同長さで
MD、TD方向も算出した。 t=L/気泡数 d=t/0.616 なお、成形は浅野研究所製(FLP−2−W−H)で行
った。
【0017】この値が1%以下の場合は、例えば食品用
の丼状容器である深絞り容器では部分的に伸び不足とな
り亀裂を生じて成形できず、他方、11%を越える場合
には成形機内で加熱したとき積層発泡シ−トの垂れ下が
りが大きくなり、部分的にヒ−タ−との距離差が生じ加
熱むらを起こす。このような積層発泡シ−トの面積の増
加率をコントロ−ルする手段としては、押出方向(M
D):幅方向(TD):厚み方向(VD)=0.74:
1.42:0.93〜1.54:0.90:0.72の
範囲になるように気泡の形状を調整する。この気泡の調
整はブロ−アップ比、スリット間隙、冷却(金型出口)
等の押出し発泡条件及び原料の配合等を変更することに
よって行う。発泡シ−トの種類、密度等の積層発泡シ−
トの仕様によって異なるが、ブロ−アップ比を約2.5
〜4.2、スリット間隙を0.15〜1.9mm、冷却
エヤ−は0.04〜0.4m3/m2の範囲でコントロ−
ルすることによって得られる。しかし、成形機によって
はシ−トの単位面積当りの増加率が大きく異なる場合が
ある。その場合は、気泡形状は大きく変化させず冷却エ
ヤ−等で調整する方がシ−トの安定性上より好ましい。
本発明においては、例えば内容物の日持ちを長引かせる
ために発泡シ−トに予めガスバリヤ性フィルム等の異質
の樹脂を貼り合わせた発泡体シ−トにポリオレフィン系
フィルムを積層し、使用後これを分離することも出来
る。発泡体シ−トに積層するガスバリヤ性フィルムとし
ては、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルア
ルコ−ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン系・アク
リロニトリル共重合体、アクリロニトリル系メチルメタ
アクリレ−ト・ブタジエン共重合体、ナイロン6、二軸
延伸ナイロン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−ト、
二軸延伸ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、アイオ
ノマ−樹脂(例えば、登録商標サ−リン)、或は、金属
蒸着フィルムの単独、もしくは、これら重合体の組み合
わせたものが用いられる。本発明において、発泡体シ−
トとガスバリヤ−性フィルムとの積層にあっては、コ・
エクストル−ジョンの他に熱ラミを行う方法があり、熱
ロ−ルで接合面の反対側よりフィルムを加熱、圧着す
る。この場合、加熱、圧着するロ−ルの表面は、クロム
メッキ又はテフロンコ−ティングを行い、加熱されたフ
ィルムとのベタツキを防止している。本発明において
は、熱ロ−ルによる加熱圧着と共に、接合面を加熱装置
によって加熱することが好ましい。
【0018】また、発泡シ−トと異質の樹脂の発泡シ−
トとの積層発泡体についても適用できる。例えば、発泡
ポリスチレンシ−ト(PSP)とポリエチレン(PE)
発泡シ−トとを貼り合わせフル−ツトレ−を成形し、使
用後内側の発泡PEとPSPを剥離して回収する等であ
る。フィルムのバリヤを十分行えばリサイクル原料(使
用済み回収品)例えば、トレ−、丼容器等の回収原料を
食品容器用に使用することができる。フィルムは多層で
も良く、エバ−ル等をオレフィンの間に積層して使用し
ても良い。
【0019】次に実施例をもって本発明を具体的に説明
する。
【0020】実施例1 MIが2.1のポリスチレン樹脂(デンカ製HRM−
2)重量部100部に核剤としてタルク微粉末0.3重
量部、ハイドロセロ−ル0.2重量部を添加後、これを
内径が90mmの押出機に投入し、150〜230℃加
熱溶融後、発泡剤としてイソブタンを4%注入し、発泡
適温にして金型より押出した。金型は直径105mm、
スリットが0.8mmで、ブロ−アップ比3.2、エア
−量0.12m3/m2(25℃)、押出量は毎時67k
gであった。押出されたポリスチレン発泡体は坪量23
4g/m2、密度0.095g/ccであった。この発
泡ポリスチレンシ−トにMIが3.2のハイインパクト
樹脂にジメチルポリシロキサン350センチスト−クス
の粘度のシリコン油を0.05%混合し、直径65mm
の押出機で150〜350℃のシリンダ−温度で押出量
毎時105kgで押出し、190μmのフィルムを積層
した。積層発泡シ−トは坪量433.5g/m2、厚み
2.55mmで、気泡形状比はMD:TD:VD=0.
99:1.25:0.81であった。この積層発泡シ−
トのフィルム剥離強度は材料破壊を起こして600g/
25mm以上で測定できなかった。この積層シ−トは丼
容器36ケ取りでシリコン塗布を行わずに成形機ヒ−タ
−温度220℃〜350℃で5.2sec/サイクルで
成形した。面積増加率は3.5%であった。成形した丼
状容器を曲面印刷機(湖北精工製KK5/5−861/
DIR.R型)で150ケ/minで東洋インキ製造K
KUVインキフラッシュドライCUREを用い100ケ
印刷した。印刷性には問題が無かった。また、50枚重
ね回転した所スム−スに廻り、ブロッキングも問題無か
った。また、フィルムを内側にして成形し蓋を熱シ−ル
し、剥がした所フタとくっついてフィルム剥離しなか
った。上記の条件及び結果を表1に示す。
【0021】実施例2 MIが2.8のポリスチレン樹脂100重量部に核剤と
してタルク微粉末0.4重量部、ハイドロセロ−ル0.
2重量部を添加ブレンド後、これを内径が90mmの押
出機に投入し、150〜225℃加熱溶融後、発泡剤と
してイソブタン70とノルマルブタン30の割合で3.
8%注入し、炭酸ガス0.2%加えた。そして、発泡適
温にして合流ダイに流入した。一方、45mm押出機か
らバインダ−としてEVA(MI=0.5、VAC:8
%)を加熱溶融し、合流ダイに流入した。そして、もう
1台の45mm押出機よりポリエチレン樹脂(MI=
0.3)を加熱溶融し、合流ダイに流入した。また、4
0mm押出機よりハイインパクトポリスチレン樹脂(M
I=5)にジメチルシロキサン480センチスト−クス
の粘度のシリコン油を0.01%混合し、135〜29
0℃のシリンダ−温度で加熱溶融し、その樹脂を金型ダ
イに流入し、それぞれの樹脂を合流後金型より押出し
た。金型は直径110mm、スリットが0.95mm
で、ブロ−アップ比3.0、エア−量0.10m3/m2
(25℃)であった。押出された積層発泡シ−トは坪量
422g/m2で、PSP/EVA/PE/EVA/H
Iは約381/11/9/15/6の比率であった。積
層発泡シ−トの気泡形状比はMD:TD:VD=0.9
8:1.27:0.80であった。原反の剥離強度は1
10g/25mm幅であった。また、単位時間の押出量
Qは82kg/hであった。この積層シ−トを丼容器3
6ケ取りでシリコン塗布を行わずに成形機ヒ−タ−温度
215℃〜355℃で成形サイクル5.3sec/サイ
クルで成形した。面積増加率はMD方向で1%であっ
た。成形性は問題が無かった。印刷は実施例1と同様に
行い、100個中1個成形機サイド側の容器に印刷性の
限度のもの、即ち、印刷のハッキリしたカスレが発生し
た。なお、印刷性は限度のものが100個中5個発生す
ると、バラツキで印刷不良が発生すると判断される。ブ
ロッキングも問題は無かった。また、フィルムを内側に
して成形し、蓋を熱シ−ルし、剥がした所フィルムの同
時剥離は無かった。以上の結果を表1に示す。尚、発泡
ポリスチレン系シ−ト樹脂層とポリオレフィン系フィル
ムとの剥離強度については5g/25mm巾〜400g
/25mm巾の範囲とする。5グラム/25mm未満で
は容器として使用中に剥離してしまい、他方、400グ
ラム/25mmを越えると剥離しにくく、無理に剥離す
るとフィルムが破れることがある。但し、フタをイ−ジ
−ピ−ルとする場合は剥離強度200g/25mm以上
必要である。発泡シ−トにバリヤフィルム等を積層して
成形する場合は、バリヤフイルムが内側に来るため、フ
イルム上にフタをシ−ルすることになる。この場合、剥
離強度が約100g/25mm巾以下だと容器を使用す
るためにフタをはがすとフィルムもはがれてしまい問題
となる。このような場合には、成形型のフタをシ−ルす
る位置に凸凹のスジを付けたりロ−レット加工、ナシジ
加工又はリング状に容器のリブにそって溝をつけたりし
ておくと、成形時の型プレスでプレスされた部分だけ剥
離強度が20〜200%上がり、問題が解決できる。例
えば、丼容器等を成形した場合、リブ部を強くプレスす
ることにより容器の機能を満足させ、容器打抜き後の不
要な部分は材質の異なるフィルムと発泡シ−トを分離で
き回収した樹脂を再利用できる。同様な効果はバインダ
−を発泡させたり、バインダ−にフィラ−を混合すれば
より顕著になる。また、発泡シ−トとその発泡シ−トと
貼り合わせるフィルムにシリコンを混入する場合は、剥
離強度が変わるので注意する必要がある。逆にシリコン
の混合量により、剥離強度をコントロ−ルできる。な
お、剥離強度の測定はOrientec Corpor
ation RTM−500を使用し、毎分200mm
のスピ−ド180度剥離したときの測定値である。
【0022】実施例3 実施例1と同様な方法で発泡シ−トを押出し、この発泡
シ−トにシリコン油0.2部を注入方式によって混合し
たハイインパクト樹脂を積層した。得られた積層発泡シ
−トの気泡形状比はMD:TD:VD=1.01:1.
25:0.79であった。これを表1に示す条件で成形
した所、面積増加率は10.5%であった。
【0023】実施例4 MIが2.0のスチレン・無水マレイン酸共重合体(商
品名ダイラ−ク232、積水化成品工業製)樹脂に表1
に示す割合で配合した。混合したハイドロセロ−ルはH
K−70タイプであった。金型は直径95mm、スリッ
トが0.95mmで、ブロ−アップ比3.5であった。
フィルムはHI(MI=1.8)とPS(MI=1.
8)を1:1に混合したものを使用した。発泡シ−ト
と、フィルムの熱積層時は、熱ロ−ルだけでは接着が難
しい為、電熱ヒ−タ−を使用した。又、成形前にシリコ
ンを粉霧したが印刷性は問題なかった。積層発泡シ−ト
の気泡形状比はMD:TD:VD=0.97:1.4
0:0.74であった。これを表1に示す成形条件で成
形した所、面積増加率はMDとTD合わせて2.1%で
あった。
【0024】実施例5 発泡シ−ト、フィルム共変性ポリフェニレンエ−テル樹
脂(ポリフェニレンエ−テル34%、商品名ノリル−9
5、日本ジ−イ−プラスチックス製)を使用し、表2に
示す配合割合及び操作条件によって発泡シ−トを押出
し、積層した。(ハイドロセロ−ルはHK−70タイ
プ)積層発泡シ−トの気泡形状比はMD:TD:VD=
1.05:1.21:0.85であった。これを表2に
示す成形条件で成形したところ面積増加率はTD方向に
1.1%であった。
【0025】実施例6 発泡シ−ト用原料に100センチスト−クススのシリコ
ン油を0.05%混合した以外は実施例5と同様にして
積層発泡シ−トをえた。該積層発泡シ−トのフィルムハ
クリは260g/25mm巾となった。積層発泡シ−ト
の気泡形状比はMD:TD:VD=1.07:1.1
9:0.78であった。これを表2に示す成形条件で成
形したところ面積増加率はTD方向に1.4%であっ
た。
【0026】実施例7 実施例1と同様な方法で金型は直径125mm、スリッ
トが0.9mmで、ブロ−アップ比2.66、エア−量
0.17m3/m2としフィルムに混合するシリコン油の
粘度を13万cmスト−クスのものを使用した。シリコ
ン油でブレンド時間を7分から12分に伸ばした。粘度
が高く、多少ブレンドがしずらい面があった。積層発泡
シ−トの気泡形状比はMD:TD:VD=1.35:
0.99:0.75であった。
【0027】比較例1 表3に示す配合及び共押出によって積層発泡シ−トを得
た。共押出しによりフィルムの厚みを4μm近くまで薄
くして押出し、発泡シ−トと積層した。積層発泡シ−ト
は、押出の時点ではみつからなかったが、成形後フィル
ムの穴明が見つかった。又、バインダ−のVAC含有量
を6%に落したところ、フィルムハクリが85g/25
mm巾となり、容器にフタを熱シ−ルしはがした所、フ
ィルムハガレが発生した。積層発泡シ−トの気泡形状比
はMD:TD:VD=0.99:1.28:0.79で
あった。
【0028】比較例2 実施例2の方法でバインダ−と、ポリエチレンの45m
m押出機をストップさせ、フィルム比率を上げ140μ
mとしエヤ−量を0.23m3/m2とした所、成形時の
面積増加率は0.5%で気泡形状はMD:TD:VD=
1.15:1.44:0.6となり成形機サイド側の1
部の容器に伸び不良が発生した。又、成形の良好な容器
のみを集め印刷した所16/100の割合で印刷性に問
題が起った。又、ブロッキングテストにも問題があっ
た。次にエヤ−量を0.18m3/m2とした所成形時の
面積増加率は1.5%となり成形時の伸び不良は無くな
ったが印刷性の問題は8/100発生した。又ブロッキ
ングにも問題があった。MD:TD:VD=1.02:
1.35:0.73であった。
【0029】比較例3 実施例3でフィルム厚み570μmとした所、成形時面
積増加率が13%となりPSP側が加熱ムラが発生し
た。積層発泡シ−トの気泡形状比はMD:TD:VD=
1.01:1.24:0.80であった。フィルム厚み
が550μmを超えると、気泡形状変化等で厚みが0.
5〜3mmの発泡シ−トの場合、成形時面積増加率をコ
ントロ−ルすることが難しくなる。
【0030】比較例4 実施例1と同方式でフィルムへのシリコン油を注入方式
で3.2部入れたがフィルムの外観が悪くなり、印刷性
が良くなかった。積層発泡シ−トの気泡形状比はMD:
TD:VD=0.99:1.23:0.82であった。
以上の結果をまとめると、表1、2及び3のようにな
る。なお、樹脂の溶融粘度(MI)は樹脂の種類によっ
て次の方法によって測定した。 ポリスチレン(PS):JIS−K 6870 ポリエチレン (PE):JIS−K 6760 エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA):JIS−K
6730 スチレン−無水マレイン酸共重合体(ダイラ−ク):A
STM−D−1238
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は熱可塑性積
層発泡シ−トにおいて、積層発泡シ−トのフィルム側が
元の単位面積に対して1〜11%増加した面積を有しす
ることによって、支障なく深絞り成形品である丼状の容
器を支障なく成形できると共に、熱可塑性フィルムに
0.01〜3重量%のシリコン油を含有せしめることに
よって印刷むらを生じることなく均一に印刷することが
でき、更にブロッキングをも生じることない等の効果を
奏することができた。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル芳香族重合体よりなる発泡シ−ト層
    の少なくとも一方の面に熱可塑性フィルムを積層した熱
    可塑性積層発泡シ−トであって、該熱可塑性積層発泡シ
    −トは成形機内の成形直前の加熱状態において、積層発
    泡シ−トの加熱前の単位面積に対して面積が1〜11%
    増加する性質を有し、且つ、前記熱可塑性フィルムは
    0.01〜3重量%のシリコン油を含有した厚さ5〜5
    50μmであることを特徴とする熱可塑性積層発泡シ−
    ト。
  2. 【請求項2】熱可塑性積層発泡シ−トにおけるフィルム
    の剥離強度が少なくとも100g/25mmである請求
    項1記載の熱可塑性積層発泡シ−ト。
  3. 【請求項3】熱可塑性フィルムがガスバリヤ−性である
    請求項1記載の熱可塑性積層発泡シ−ト。
  4. 【請求項4】シリコン油が25℃で10〜15万センチ
    スト−クスの動粘性率を有する請求項1記載の熱可塑性
    積層発泡シ−ト。
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