JP3176733B2 - 積層樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents

積層樹脂シート及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量、高剛性、外観美
麗で、かつ印刷適性の良好な積層樹脂シートに関する。
この積層樹脂シートは、特に立看板、吊り下がり看板等
の各種表示体や、食品トレイ等の熱成形用シート材料と
して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無機充填剤を含有するポリオレフ
ィン樹脂シートの熱成形(真空成形、圧空成形、マッチ
ドダイ成形)品は、各種食品容器や工業部品として使用
されている(特開昭52−63288号、特公平3−2
0331号各公報参照)。このような熱成形品は、剛性
が高いこと、耐熱性が高いこと、焼却時の燃焼カロリー
が低いこと、等の長所を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような無
機充填剤を含有するポリオレフィン樹脂シートは、無機
充填剤を含有しているために、密度が1.1〜1.5g
/cm3 と高いので、得られる成形品の重量が重くなる
という欠点を有している。更に、このような無機充填剤
含有ポリオレフィン樹脂シートの表面にオフセット印刷
を施す場合、インクの転写性や印刷鮮明性にも問題があ
る。一方、オフセット印刷性の優れたフィルムとして
は、熱可塑性樹脂に炭酸カルシウム等の無機フィラー或
いはポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリオ
キシメチレン等の非相溶性樹脂をブレンドした後、延伸
することによって形成されたボイドの光散乱により、不
透明化されたものである(特開昭61−157547
号、特公昭60−37793号公報等参照)。また、ポ
リプロピレン固有の結晶変態を利用したボイドを生成す
る技術も公開されている(特公昭55−40411号公
報参照)。
【0004】しかし、このフィルムを高い剛性が要求さ
れるコイン収納ケース、立看板、吊り標識等の用途に使
用しようとすると、多数枚積層接着させて厚肉体とする
ことが要求される。このような厚肉体に形成するために
は、多数回の積層・接着工程を繰り返さなければなら
ず、その結果として、得られる厚肉体製品も高価なもの
となってしまう。更に、このように多数枚積層・接着し
て得られた剛性の高い厚肉体シートを、前記食品容器な
どに熱成形しようとすると、これら複層合成紙の各層は
既に延伸によって配向されたものであることから、熱成
形機のヒーター手段による厚肉体シート加熱時に、厚肉
体シート自体に熱収縮が生じ、それが原因でシート送り
チェーンより厚肉体シートが外れたり、或いは、外れな
いようにシートをクランプで枠止めしているときにはシ
ート自体が破断してしまうといったこと等の問題が起こ
る。従って、この様な熱収縮が生じないよう、仮に、比
較的低温の不十分な加熱状態で熱成形しようとすると、
シートの伸びが不十分なものとなって、所望の形状の成
形品が得られ難いといった問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意
研究を重ねた結果、軽量で、かつ剛性が有り、良好な印
刷適性を有し、熱成形も可能なシート及びその製造方法
を提供することを目的として成されたものである。すな
わち、本発明の積層樹脂シートは、発泡剤含有熱可塑性
樹脂(a1 ) と充填剤を9〜80重量%の割合で含有する
充填剤含有熱可塑性樹脂(a2 ) とをTダイにて共押出成
形して得られる発泡樹脂層(A1 ) と非発泡樹脂層(A2 )
とからなる積層基材(A) の少なくとも片面に、微多孔を
有する肉厚が10〜300μmの二軸延伸熱可塑性樹脂
フィルム(B) を、前記フィルム層(B) が表面を形成する
ように貼り合わせてなる肉厚が60〜5,000μmの
ものである。本発明のもう一つの発明である積層樹脂シ
ートの製造方法は、熱可塑性樹脂と発泡剤からなる発泡
性樹脂(a1 ) と熱可塑性樹脂と充填剤含有樹脂(a2 ) と
をそれぞれ別々の押出機内で溶融混練させた後、Tダイ
より共押出して積層し、該Tダイより共押出した積層基
材(A) シートが未だ溶融状態を保つうちに、その熱を利
用して、該積層基材(A) の少なくとも片面に、微多孔を
有する二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム(B) を、金属ロー
ル又はゴムロールにより加圧溶着させて貼り合わせるこ
とを特徴とするものである。
【0006】[発明の具体的説明] [I] 積層樹脂シート (1) 構 造(層構成) 本発明の積層樹脂シート1は、図1に示すように、発泡
樹脂層(A1 ) と充填剤2含有非発泡樹脂層(A2 ) とから
なる積層基材(A) の少なくとも片面に、微多孔3を有す
る二軸延伸熱可塑性フィルム(B) を貼り合わせることに
よって得られた、微多孔3を有する二軸延伸熱可塑性フ
ィルム(基材層(B) )/充填剤2含有非発泡樹脂層
(A2 ) /発泡樹脂層(A1 ) から基本的に構成されるもの
である。 (a) 積層基材(A) 本発明の積層樹脂シート1を構成する前記積層基材(A)
は、化学発泡剤又は物理発泡剤を含有した発泡性樹脂(a
1 )と、充填剤2を含有する熱可塑性樹脂(a2) とを、
それぞれ別々の押出機で溶融・混練し一台のTダイに供
給して積層させ、シート状に共押出しながら発泡させた
後、冷却することにより得られた発泡樹脂層(A1 )と非
発泡樹脂層(A2 )よりなるものである。
【0007】(i) 構成素材熱可塑性樹脂 上記発泡樹脂層(A1 )及び非発泡樹脂層(A2 )の発泡剤
を含有した発泡性樹脂(a1 )及び充填剤含有熱可塑性樹
脂(a2 ) に用いられる熱可塑性樹脂としては、低密度、
中密度、高密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、
エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレ
ン・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチルペン
テン−1共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
オレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・
スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
フェニレンエーテル等を挙げることができる。これら
は、混合して用いても良い。
【0008】発泡剤 前記発泡性樹脂(a1 )中に配合される化学発泡剤として
は、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジアゾアミノベンゼン、N,N´−ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、N,N´−ジメチル−N,N´
−ジニトロテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒド
ラジド、p−トルエンスチレンスルホニルヒドラジド、
p,p´−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、
重炭酸水素ナトリウム塩、クエン酸モノナトリウム塩等
及びこれらの混合物等を挙げることができる。前記発泡
性樹脂(a1 )中に配合される物理発泡剤としては、プロ
パン、ブタン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタン、
ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロ
メタン等を挙げることができる。また、これらの発泡剤
を使用する際に、通常使用される発泡助剤、架橋剤、核
剤等の配合剤を併用してもよく、また、発泡体は架橋さ
せたものでも良い。
【0009】充填剤 前記充填剤含有熱可塑性樹脂(a2 ) に配合される充填剤
2としては、無機充填剤及び有機充填剤の二種類があ
り、これら無機充填剤として、粒径が0.05〜30μ
mの炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、燐酸
アルミニウム、タルク、マイカ、クレー、カーボンブラ
ック、グラファイト、ゼオライト、硫酸バリウム、含水
珪酸カルシウム、珪藻土、酸化チタン、硫酸アルミニウ
ム、シリカなどを挙げることができる。また、上記有機
充填剤として、マトリックスを形成する熱可塑性樹脂と
は非相溶性の樹脂よりなるものであり、具体的には、粒
径が0.5〜2,000μmのフェノール樹脂粉、エボ
ナイト粉等の熱硬化性樹脂充填剤、或いは、フィルムマ
トリックス形成樹脂がポリプロピレン、ポリエチレンで
あるときはポリアミド、ポリブチレンテレフタレート等
を挙げることができる。これら充填剤として、上記粒子
状の他に繊維状の充填剤を用いることもできる。これら
繊維状の充填剤としては、直径が3〜30μm、長さが
1〜10mmの、ガラス系、パルプ系、アスベスト系、
ポリエチレンテレフタレート系、ポリアミド系等の繊維
を挙げることができる。
【0010】その他の配合剤 なお、上記発泡性樹脂(a1 )と充填剤含有熱可塑性樹脂
(a2 ) には、これらの配合剤の他に、酸化防止剤、着色
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、核剤、可塑剤
及び脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドのスリップ剤などの添
加剤を必要に応じて添加しても良い。
【0011】(ii) 層構成発泡樹脂層(A1 前記発泡樹脂層は、前記発泡剤を含有した発泡性樹脂(a
1 )中の発泡剤の発泡を行なって内部に気泡4を形成し
たものである。発泡倍率が1.05〜30倍、特に1.
1〜10倍とすることが好ましい。発泡倍率が1.05
倍より低すぎる場合には、積層基材(A) の軽量化が不十
分であり、逆に発泡倍率が30倍を超えると積層基材
(A) の剛性の低下が大きすぎる。
【0012】非発泡樹脂層(A2 上記非発泡樹脂層(A2 )の充填剤含有熱可塑性樹脂
(a2 ) に用いられる熱可塑性樹脂としては、上記積層基
材(A) の「 素 材」において挙げられる熱可塑性樹
脂が使用できる。従って、非発泡樹脂層(A2 )は、上記
熱可塑性樹脂に充填剤を配合させてなるものであるが、
この充填剤含有熱可塑性樹脂(a2 ) 中に含有されている
充填剤の含有率は9〜80重量%、好ましくは15〜6
0重量%である。該非発泡樹脂層(A2 )の充填剤の含有
率を9〜80重量%の範囲としたのは、充填剤の含有率
が9重量%未満であると積層基材(A) の剛性が低下し過
ぎるのと、押出発泡時に発泡による体積膨脹に起因する
波状の変形(コルゲート)が大きくなり、積層基材(A)
の冷却が不均一となり、積層基材(A) のシートの流れ方
向(機械方向)と平行に筋が発生したり、複層合成紙に
サーマルラミネーションする場合に不均一な貼り合わせ
品となって皺やあばたが発生する。また、充填剤の含有
率が80重量%を超えると非発泡樹脂(a2 ) の溶融粘度
が高くなり過ぎて流れ性が低下し、共押出成形が困難と
なる。
【0013】(iii) 積層基材(A) の形成 発泡樹脂層(A1 )と非発泡樹脂層(A2 )との形成方法に
ついては、Tダイより押し出される前に発泡樹脂層
(A1 )と非発泡樹脂層(A2 )とを溶融状態で積層する方
法により形成することができる。一般的には両樹脂をそ
れぞれの押出機で溶融・混練した後にTダイ内で積層す
るマルチマニホールド方式や、Tダイに流入させる前に
積層するフィードブロック方式等であれば良い。Tダイ
にて共押出成形を行なわない場合には、コルゲート発生
が起こり、積層シートが波打つ。好ましくは、発泡樹脂
層(A1 )の両面に非発泡樹脂フィルム層(A2 )が積層さ
れるようにTダイより共押出する。また、前記発泡樹脂
層(A1 )非発泡樹脂層(A2 )との積層と同時に、前記発
泡剤を含有した発泡性樹脂(a1 )中の発泡剤の発泡を行
なって、発泡樹脂層(A1 )の内部に気泡4を形成する。
また、このときの発泡倍率は前述した通りとすることが
好ましい。積層基材(A) の肉厚は、50〜4,900μ
m、特に50〜3,000μmであることが好ましい。
発泡樹脂層(A1 )と非発泡樹脂層(A2 )との肉厚比は、
構成する樹脂、発泡倍率によって異なるが、非発泡樹脂
層(A2 )の厚みが積層基材全体の厚みに対して5〜70
%程度、特に5〜50%であることが好ましい。
【0014】(b) 微多孔フィルム層(B) 前記発泡樹脂層(A1 ) と充填剤2含有非発泡樹脂層
(A2 ) とからなる積層基材(A) に貼着されて微多孔フィ
ルム層(B) を形成する微多孔フィルム(B) としては、無
機又は有機充填剤3aを8〜65重量%の割合で含有す
る微多孔3を有する熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムが
用いられる。
【0015】(i)構成素材熱可塑性樹脂 上記微多孔フィルム層(B) の無機又は有機微細粉末(充
填剤)含有熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムに用いられ
る熱可塑性樹脂としては、プロピレンホモポリマー、プ
ロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・
ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合
体、プロピレン・4−メチルペンテン−1共重合体等の
プロピレン系樹脂、線状低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・ブテン−1共重合体、エチレン・4−メチルペンテン
−1共重合体等のエチレン系樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン
−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド樹脂、
ポリスチレンなどを挙げることができる。微細粉末 上記微細粉末3a含有熱可塑性樹脂一軸又は二軸延伸フ
ィルムに用いられる微細粉末3aとしては、重質炭酸カ
ルシウム、焼成クレイ、パームキュライト、酸化チタ
ン、酸化バリウム、珪石、タルク、雲母、珪藻土などの
無機微細粉末を挙げることができ、これら無機微細粉末
3aは、粒径が一般に0.03〜15μm、好ましくは
0.1〜5μmのものが用いられる。また、上記微細粉
末3aとして前述の有機充填剤を用いても良い。
【0016】(ii) 微多孔フィルム層(B) 本発明の積層樹脂シート1を構成する微多孔フィルム層
(B) に用いられる微多孔フィルム(B) としては、図1に
示すように、例えば、無機又は有機微細粉末3aを8〜
65重量%、好ましくは10〜30重量%含有する熱可
塑性樹脂フィルムを、該樹脂の融点より低い温度で縦方
向に3.5〜10倍、好ましくは4〜7倍に、横方向に
3.5〜20倍、好ましくは4〜12倍に延伸して得ら
れるフィルム内部に微細なラクビーボール状の空孔(ボ
イド)3を多数有する二軸延伸樹脂フィルムである。
【0017】<ボイド>本発明の積層樹脂シート1にお
いて用いられる微多孔フィルム(B) の空孔率は、次式で
計算された空孔率が10〜60%、好ましくは15〜5
0%となるようにすると、軽量(密度が0.50〜1.
0g/cm3 )で、強度のあるフィルムとすることがで
きる。また、ボイド率(空孔率)3は以下の式にて計算
することにより求めることができる。 ρ0 :延伸前のフィルムの密度 ρ :延伸後のフィルムの密度 上記微多孔フィルム(B) は、単層であっても、二層以上
の積層構造であっても、或いは、裏面がプロピレン・エ
チレン共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体の金属塩(Na、Li、Zn、K)、塩素化ポリエチ
レン等の低融点の樹脂より形成されたヒートシール層を
貼着した二層以上の微多孔フィルムであってもよい。
【0018】(iii) 肉 厚 上記微多孔フィルム層(B) の肉厚は一般に10〜300
μm、好ましくは30〜200μmである。上記積層樹
脂シートの微多孔フィルム層(B) の肉厚は、目的、用途
により異なるが、積層基材(A) の肉厚が50μm未満の
場合には、積層基材(A) の凹凸が粗くなり表面平滑性が
低下したり、微多孔フィルム(B) の肉厚が10μm未満
の場合には、その積層基材(A) の表面平滑性により、一
体に加熱溶着された後も微多孔フィルム(B) の表面に凹
凸が残るため、表面外観、印刷性に支障をもたらす場合
もある。従って、良好な表面外観を得るためには、安全
性を見越して積層基材(A) の肉厚は50μm以上であ
り、微多孔フィルム(B) の肉厚は10μm以上であり、
一体に加熱溶着された積層樹脂シート1の肉厚は60μ
m以上であることが好ましい。
【0019】(c) 積層樹脂シートの形成(積層) 前記発泡樹脂層(A1 ) と充填剤2含有非発泡樹脂層
(A2 ) とからなる積層基材(A) に、上記微多孔フィルム
(B) を積層することによって積層樹脂シートが形成され
る。特に積層基材(A) の非発泡樹脂層(A2 )側に上記微
多孔フィルム(B) を貼り合わせると、充填剤の存在によ
りサーマルラミネーションを行なう際に生じるコルゲー
ト現象を抑えることができるので好ましい。
【0020】(3) 積層樹脂シートの肉厚 積層樹脂シートの肉厚は、積層基材(A) の肉厚と微多孔
フィルム(B) の肉厚との合計の肉厚、或いは、これらに
後記接着剤層が加わった肉厚であり、従って、一般に6
0〜5,000μm、好ましくは250〜3,000μ
mのものが用いられる。
【0021】[II] 積層樹脂シートの製造方法 (1) 積層基材(A) の製造 前記熱可塑性樹脂と発泡剤からなる発泡性樹脂(a1 ) と
熱可塑性樹脂と充填剤含有樹脂(a2 ) とを、それぞれ別
々の押出機内で溶融混練させた後、Tダイより押し出さ
れる前にこれら発泡樹脂層(A1 )と非発泡樹脂層(A2
とを溶融状態で積層するマルチマニホールド方式や、T
ダイに流入させる前に積層するフィードブロック方式に
て積層して、該Tダイより共押出することにより非発泡
樹脂層(A2 )/発泡樹脂層(A1 )、非発泡樹脂層(A2
/発泡樹脂層(A1 )/非発泡樹脂層(A2 )等の積層基材
(A) シートを形成することができる。Tダイにて共押出
成形を行なわない場合には、コルゲート発生が起こり、
積層シートが波打つ。発泡樹脂層(A1 )の両面に非発泡
樹脂フィルム層(A2 )が積層されるように非発泡樹脂層
(A2 )/発泡樹脂層(A1 )/非発泡樹脂層(A2 )として
Tダイより共押出することが好ましい。また、発泡樹脂
層(A1 )非発泡樹脂層(A2 )との積層と同時に、発泡剤
を含有した発泡性樹脂(a1 )中の発泡剤の発泡を行なっ
て、発泡樹脂層(A1 )の内部に気泡4を形成する。この
時の発泡倍率は一般に1.05〜30倍、特に1.1〜
10倍とすることが好ましい。発泡倍率が1.05倍よ
り低すぎる場合には、積層基材(A) の軽量化が不十分で
あり、逆に発泡倍率が30倍を超えると積層基材(A) の
剛性の低下が大きすぎるものとなる。
【0022】(2) 積層基材(A) と微多孔フィルム(B)
の積層(貼着) (a) 貼着方法 積層基材(A) と微多孔フィルム(B) との貼着方法につい
ては、種々の方法がある。例えば、以下に示す及び
の方法が挙げられる。 積層基材(A) 用の樹脂と発泡剤からなる発泡性樹脂
(a1 ) 及び充填剤含有樹脂(a2 ) をそれぞれ別々の押出
機内で溶融混練した後、積層し、Tダイより共押出され
た積層基材(A) シートが未だ溶融状態を保つうちに、そ
の熱を利用して、該積層基材(A) の少なくとも片面に金
属ロール又はゴムロールにより微多孔フィルム(B) を加
圧溶着させるサーマルラミネート法。 積層基材(A) と微多孔フィルム(B) とをホットメル
ト接着剤又は溶剤型接着剤により貼り合わせる方法があ
る。 これら方法の中でも特に生産性の向上(塗布工程のカッ
ト)の点から、並びに、得られる積層樹脂シートの肉厚
均一性の点から、上記のサーマルラミネート法を採用
することが好ましい。
【0023】(i) サーマルラミネート法 上記サーマルラミネート法において加圧溶着させるため
の条件としては、Tダイより共押出された積層基材(A)
シートが未だ溶融状態を保つことができる通常150〜
280℃、好ましくは160〜220℃の温度のうち
に、該積層基材(A) の少なくとも片面に微多孔フィルム
(B) を積層して金属ロール又はゴムロールにより通常
0.1〜60kg/cm、好ましくは0.2〜10kg
/cmの圧力で加圧溶着させる。
【0024】(ii) 接着剤により貼り合わせる方法ホットメルト接着剤 前記ホットメルト接着剤により貼り合わせる方法にて用
いられるホットメルト接着剤としては、低密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル
共重合体(好ましくは酢酸ビニル含量が12重量%以下
のエチレン・酢酸ビニル共重合体)、エチレン・アクリ
ル酸共重合体(好ましくはエチレン含量が65〜94重
量%のエチレン・アクリル酸共重合体)、エチレン・メ
タクリル酸アルキルエステル共重合体、アイオノマー
(エチレン・アクリル酸共重合体の金属塩、エチレン・
メタクリル酸共重合体の金属塩)、エチレン・プロピレ
ン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合
体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などを挙げること
ができる。溶剤型接着剤 前記溶剤型接着剤により貼り合わせる方法にて用いられ
る溶剤型接着剤としては、ポリエーテルポリオール・ポ
リイソシアネート接着剤、ポリエステル・ポリオール・
ポリイソシアネート接着剤等を挙げることができる。接着剤層の肉厚 上記接着剤層の肉厚は、一般に1〜30μm、好ましく
は1〜20μmの厚みで使用される。具体的には塗布型
の接着剤は1〜20g/m2 、好ましくは2〜6g/m
2 の量で塗布される。ホットメルト型の接着剤は溶融押
出ラミネートされ、8〜30μm、好ましくは8〜20
μmの厚みで熱融着される。
【0025】[III] 用 途 このような本発明の積層樹脂シートは、軽量、高剛性、
外観美麗で、かつ印刷適性の良好な積層樹脂シートであ
ることから、特に立看板、吊り下がり看板等の各種表示
体や、食品トレイ、工業部品用トレイ等の熱成形用シー
ト材料として有用である。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明する。 [I] 評 価 以下に示す実施例及び比較例における物性の評価は、以
下に示す方法によって行なった。 (1) 三点曲げ弾性率 島津製作所(株)製オートグラフDSC−2000を用
いてJIS−K7203に準じて測定した。 (2) 表面光沢 スガ試験機(株)製光沢計UGV−5DPを用いて、J
IS−P8142に準じて積層樹脂シートの表面層の光
沢(75度)を測定した。 (3) 表面外観 積層樹脂シートの表面の外観(コルゲートによる筋、ラ
ミネートによる皺、アバタ等の発生の有無)を目視にて
検査を行ない、下記の基準にて判定した。 ○:実用上支障はない。 △:実用上少々問題あり。 ×:実用にならない。
【0027】(4) オフセット印刷性 東洋インキ製造(株)のオフセット印刷インキ「TSP
−400」(商品名)及び小森印刷機(株)製オフセッ
ト4色印刷機を用い、表面側に4色(黒、青、赤、黄)
平板オフセット印刷を行ない、インキの転移性、インキ
の密着性を次の方法で評価した。インキの転移性 各色の網点部分を拡大鏡(30倍)で拡大し、網点再現
性を目視にて判定した。 網点再現性:100〜75% 良好 (○) 75〜50% やや不良(△) 50〜 0% 不良 (×)インキの密着性 ニチバン(株)製粘着テープ「セロテープ」(商品名)
を印刷面上に強く接着させ、次いで、印刷面に沿って素
早く粘着テープを剥離し、紙面上のインキの残留程度を
目視判定した。 インキ残留率:100〜95% 良好 (○) 95〜80% やや不良(△) 80〜 0% 不良 (×)
【0028】(5) 発泡倍率 下記に示す計算方法により算出し、支持体発泡シートの
発泡倍率を求めた。 (6) トレーの型忠実度 トレーの型忠実度を目視にて測定し、以下の基準で判定
した。 ○:型形状を100%再現 △:コーナー部のみ型形状再現できず ×:全体的に型形状再現できず
【0029】[II]実験例 実施例1微多孔フィルム(B) の製造 (1) メルトフローレート(MFR)0.8g/10分
のポリプロピレン(融点約164〜167℃)81重量
%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5
μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物
(A)を270℃の温度に設定した押出機にて混練させ
た後、シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却し
て、無延伸シートを得た。 (2) そして、このシートを150℃の温度にまで再度
加熱させた後、縦方向に5倍の延伸を行なって5倍縦延
伸フィルムを得た。次いで、このフィルムを再び155
℃の温度にまで加熱してテンターを用いて横方向に7.
5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理して、
60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして肉厚4
5μmの二軸延伸フィルム(空孔率22%)よりなる微
多孔フィルム(B) を得た。
【0030】溶剤型接着剤の塗布 この二軸延伸フィルムの表面をコロナ放電処理した後、
帯電防止剤含有の塗布剤水溶液を両表面に固形分で片面
0.05g/m2 (肉厚約0.1μm)となるよう塗布
及び乾燥して、巻き取った。上記塗布剤水溶液の組成
は、下記の通りであった。 (a) 三菱油化(株)製水溶液ポリアクリル系帯電防止
剤重合体「ST−1100」(
【0031】
【化1】
【0032】を分子鎖に含む):100重量部 (b) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリ
ン付加物(ディック・ハーキュレス社製「カイメン55
7H」):25重量部印 刷 このような接着剤を塗布した微多孔フィルム(B) (肉厚
45.1μm)の表面に、図柄をオフセット多色印刷し
た。
【0033】積層基材(A) の製造 三菱油化(株)製のプロピレン・エチレンブロック共重
合体(MFR0.5g/10分「三菱ポリプロEC
9」:商品名)100重量部に、化学発泡剤としてクエ
ン酸モノナトリウムと炭酸水素ナトリウムの1:1の混
合物3.5重量部を配合して、発泡性樹脂(a1 ) とし口
径65mmの押出機で溶融混練し、一方、プロピレン・
エチレンブロック共重合体(MFR1.8g/10分
「三菱ポリプロBC8」)に充填剤としてタルク40重
量%を配合して口径90mmの押出機で210℃の温度
で溶融混練し、次いで、これらを前者を中間層とし、後
者を両外層としてフィードブロックで三層に積層した
後、幅750mmのTダイから共押出して中間層を発泡
させることで積層基材(A) を得た。この時、非発泡樹脂
層(A1 )の厚みが各々100μm、発泡樹脂層(A2 )の
厚みが200μm、全体厚み400μmであった。
【0034】積層樹脂シートの製造 前記Tダイより押し出した積層基材(A) が未だ軟化状態
を保っている180℃の温度のうちに、その表裏両表面
に微多孔フィルム(B) をサーマルラミネートすることに
より、微多孔フィルム(B) 層(肉厚45.1μm)/積
層基材(A) (肉厚400μm、発泡樹脂層の発泡倍率
1.5倍)/微多孔フィルム(B) 層(肉厚45.1μ
m)よりなる表1に示す物性の積層樹脂シート(肉厚4
90.2μm)を得た。
【0035】熱成形性の評価 前記方法によって得られた積層樹脂シートを(株)浅野
研究所製圧空・真空成形機(コスミックFLX−04
(商品名))を用いて、遠赤外線ヒーターで加熱(シー
ト表面温度:165〜175℃)した後、縦195mm
×横100mm×深さ25mm(展開率1.76)のト
レー形状を有する真空金型を使用して真空成形を行なっ
た。得られたトレーの型忠実度を測定した。その結果を
表1に示す。
【0036】実施例2 実施例1において微多孔フィルム(B) の片面のみに積層
基材(A) をサーマルラミネーションする以外は同様に行
なって、表1に示す層構成の積層樹脂シート(肉厚44
5.1μm)を製造し、表1に示す物性の積層樹脂シー
トを得た。
【0037】実施例3積層基材(A) の製造 線状低密度エチレン重合体(MFR0.7g/10分
「三菱ポリエチUE320」)100重量部に、化学発
泡剤としてアゾジカルボンアミド2重量部を配合して、
発泡性樹脂(a1 ) とし口径65mmの押出機で溶融混練
した。一方、三菱油化(株)製のプロピレン・エチレン
ブロック共重合体(MFR1.8g/10分「三菱ポリ
プロBC8」;商品名)30重量%、前記線状低密度エ
チレン重合体50重量%及び充填剤としてタルク20重
量%を配合して口径90mmの押出機で溶融混練した。
次いで、これらを前者を中間層とし、後者を両外層とし
てフィードブロックで三層に積層した後、幅750mm
のTダイから共押出して中間層を発泡させることで積層
基材(A) を得た。この時、非発泡樹脂層(A1 )の厚みが
各々300μm、発泡樹脂層(A2 )の厚みが1200μ
m(発泡倍率1.5倍)、全体厚み1,800μmであ
った。この積層基材(A) を用いて、実施例1の「微多孔
フィルム(B) の製造」に代えて以下に示す「微多孔フィ
ルム(B) の製造」の方法によって得られた微多孔フィル
ム(B) を用いた以外は実施例1と同様に行なった。その
結果を表1に示す。
【0038】微多孔フィルム(B) の製造 (1) MFR0.8g/10分のポリプロピレン(融点
約164〜167℃)85重量%に、高密度ポリエチレ
ン3重量%及びポリブチレンテレフタレートを12重量
%を混合した組成物(A)を270℃の温度に設定した
押出機にて混練させた後、シート状に押し出し、更に冷
却装置により冷却して、無延伸シートを得た。 (2) そして、このシートを145℃の温度にまで再度
加熱させた後、縦方向に5倍の延伸を行なって5倍縦延
伸フィルムを得た。次いで、このフィルムを60℃の温
度まで冷却した後、再び約150℃の温度にまで加熱し
てテンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、163℃
の温度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷
却し、耳部をスリットして肉厚150μmボイド率は3
0%であった。この微多孔フィルム(B) の表面に実施例
1の塗布剤を塗布した。
【0039】実施例4 積層基材(A) の製造方法として、三菱化成(株)製のハ
イインパクトポリスチレン(ダイヤレックスHT516
(商品名)、MFR:2.3g/10分)100重量部
に発泡剤としてジアゾカルボンアミド5重量部を配合し
て発泡性樹脂として口径65mmの押出機で溶融混練し
た。一方、三菱化成(株)製のハイインパクトポリスチ
レン(ダイヤレックスHT76(商品名)、MFR:4
g/10分)に充填剤として炭酸カルシウム20重量%
を配合して充填剤含有樹脂とし口径90mmの押出機で
溶融混練し、更にエチレン・酢酸ビニル共重合体(三菱
ポリエチ・EVA EVA41H MFR2.0g/1
0分)を接着性樹脂とし口径40mmの押出機で溶融混
練した。次いで、これらを接着性樹脂/充填剤含有樹脂
/発泡性樹脂/充填剤含有樹脂の層構成でフィードブロ
ックにより四層に積層した後、幅750mmのTダイか
ら共押出して、発泡性樹脂層を発泡させることで、接着
性樹脂層(20μm)/非発泡充填剤含有樹脂層(21
5μm)/発泡性樹脂層(500μm、発泡倍率4.3
倍)/非発泡充填剤含有樹脂層(215μm)からなる
積層基材(A) (肉厚950μm)を得た。この積層基材
(A) を用いて、実施例2と同様に実施して微多孔フィル
ム/積層基材からなる積層樹脂シート(肉厚995.1
μm)を得た。その結果を表1に示す。
【0040】比較例1 実施例1にて用いた積層基材(A) に代えて、該積層基材
(A) の発泡樹脂層を除いた非発泡樹脂層のみからなる、
以下に示す「無機充填剤含有樹脂シートの製造」の方法
で得られた肉厚400μmの無機充填剤含有樹脂シート
を用いた以外は実施例1と同様にして積層樹脂シート得
た。その結果を表2に示す。無機充填剤含有樹脂シートの製造 三菱油化(株)製のプロピレン・エチレンブロック共重
合体(MFR1.8g/10分「三菱ポリプロBC
8」;商品名)に、充填剤としてタルク40重量%を配
合して口径90mmの押出機で溶融混練し、次いで、こ
れらを幅750mmのTダイから210℃の温度で押出
し、冷却して肉厚400μmの無機充填剤含有樹脂シー
トを得た。
【0041】比較例2 実施例1にて用いた積層基材(A) に代えて、該積層基材
(A) の非発泡樹脂層を除いた発泡樹脂層のみからなる、
以下に示す「発泡樹脂シートの製造」の方法で得られた
肉厚400μmの発泡樹脂シートを用いた以外は実施例
1と同様にして積層樹脂シート得た。その結果を表2に
示す。発泡樹脂シートの製造 三菱油化(株)製のプロピレン・エチレンブロック共重
合体(MFR0.5g/10分、「三菱ポリプロEC
9」;商品名)100重量部に、発泡剤としてクエン酸
モノナトリウムと炭酸水素ナトリウムの1:1の混合物
3.5重量部を配合して、発泡性樹脂(a1 ) とし口径6
5mmの押出機で溶融混練し、幅750mmのTダイか
ら共押出して肉厚400μm、発泡倍率1.5倍の発泡
樹脂シートを得た。
【0042】比較例3微多孔フィルム(B) の製造 (1) MFRが0.8g/10分のポリプロピレンに、
平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム12重量%(ポリ
プロピレンとの合計重量基準)を混合し、270℃の温
度に設定した押出機にて混練させた後、シート状に押し
出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸シートを得
た。 (2) そして、このシートを140℃の温度にまで再度
加熱させた後、縦方向に5倍の延伸を行なって5倍縦延
伸フィルムを得た。次いで、このフィルムを155℃の
温度に加熱した後、横方向に7.5倍延伸を行なって微
多孔フィルム(B) を得た。 (3) このフィルムの表面をコロナ放電処理した後、塗
布剤及び乾燥して、巻き取った。塗布剤水溶液の組成は
下記の通りであった。 (a) 三菱油化(株)製水溶液ポリアクリル系帯電防止剤
重合体「ST−1100」100重量部 (b) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン
付加物(ディック・ハーキュレス社製「カイメン557
H」):25重量部 このようにして得られたフィルムの肉厚は、約150μ
mであった。 (4) このフィルム(肉厚150μm)にポリエーテル
・ポリオール・ポリイソシアネート接着剤を1g/m2
となるように塗工して、上記五層積層フィルム2枚をド
ライラミネート法により貼り合わせて肉厚301μmの
複合シートを製造した。この複合シートの表面に平板オ
フセット印刷して表2に示す物性の積層樹脂シートを得
た。その結果を表2に示す。
【0043】比較例4 プロピレン・エチレンブロック共重合体(MFR1.8
g/10分「三菱ポリプロBC8」)60重量%に、無
機充填剤としてタルク40重量%を配合して口径90m
mの押出機で230℃の温度で溶融混練した後、幅75
0mmのスリットダイより220℃の温度で押し出し、
表1に示す未発泡の無機微細粉末含有樹脂シート(肉厚
500μm)を製造した後、表面にコロナ放電した後、
実施例1で用いた塗布剤水溶液を表裏両面に固形分で片
面0.05g/m2 となるように塗布及び乾燥し、表2
に示す物性の積層樹脂シートを得た。
【0044】比較例5 プロピレン・エチレンブロック共重合体(MFR0.5
g/10分「三菱ポリプロEC9」)100重量部に、
発泡剤としてクエン酸モノナトリウムと炭酸水素ナトリ
ウムの1:1の混合物3.5重量部を配合して口径65
mmの押出機で210℃の温度で溶融混練した後、幅7
50mmのスリットダイより200℃の温度で押し出
し、発泡させて、発泡樹脂シート(肉厚500μm、発
泡倍率1.5倍)を製造した後、表面にコロナ放電した
後、実施例1で用いた塗布剤水溶液を表裏両面に固形分
で片面0.05g/m2 となるように塗布及び乾燥し、
表2に示す物性の積層樹脂シートを得た。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】充填剤を含有する非発泡樹脂層と発泡樹
脂層からなる積層基材(A) に、無機又は有機微細粉末を
含有する熱可塑性樹脂二軸延伸微多孔フィルム(B) を積
層することにより、軽量で、剛性が高く、かつ印刷性に
優れ、熱成形が可能なシートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の積層樹脂シートの部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 積層樹脂シート 2 充填剤 3 ボイド 3a 無機又は有機微細粉末 4 気泡 a1 発泡性樹脂 a2 熱可塑性樹脂 A 積層基材 A1 発泡樹脂層 A2 非発泡樹脂層 B 微多孔フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松 野 巧 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (72)発明者 細 野 泰 司 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王子油化合成紙株式会社 鹿島工場内 (72)発明者 船 戸 孝 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王子油化合成紙株式会社 鹿島工場内 (72)発明者 千 葉 徳 美 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王子油化合成紙株式会社 鹿島工場内 (72)発明者 豊 田 昂 東京都千代田区丸の内一丁目5番1号 王子油化合成紙株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−245962(JP,A) 特開 平5−212832(JP,A) 特公 昭54−17789(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 EPAT(QUESTEL) WPI/L(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡剤含有熱可塑性樹脂(a1 ) と充填剤を
    9〜80重量%の割合で含有する充填剤含有熱可塑性樹
    脂(a2 ) とをTダイにて共押出成形して得られる発泡樹
    脂層(A1 ) と非発泡樹脂層(A2 ) とからなる積層基材
    (A) の少なくとも片面に、微多孔を有する肉厚が10〜
    300μmの二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム(B) を、該
    二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム層(B) が表面を形成する
    ように貼り合わせてなる肉厚が60〜5,000μmの
    積層樹脂シート。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂と発泡剤からなる発泡性樹脂
    (a1 ) と熱可塑性樹脂と充填剤含有樹脂(a2 ) とをそれ
    ぞれ別々の押出機内で溶融混練させた後、Tダイより共
    押出して積層し、該Tダイより共押出した積層基材(A)
    シートが未だ溶融状態を保つうちに、その熱を利用し
    て、該積層基材(A) の少なくとも片面に、微多孔を有す
    る二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム(B) を、金属ロール又
    はゴムロールにより加圧溶着させて貼り合わせることを
    特徴とする、請求項1に記載の積層樹脂シートの製造方
    法。
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