JP4546598B2 - 袋状容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶、コーヒー豆、入浴剤、医薬、農薬、肥料、キャンディ(あめ)等の粉体や、ミリン、酒、果汁ジュース等の液体の包装等に適した袋状容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
茶、コーヒー豆、入浴剤、医薬、農薬、肥料、キャンディ(あめ)等の粉体や、ミリン、酒、果汁ジュース等の液体の包装には、水蒸気、酸素、可視光線の透過を防止する機能を有することが通常求められている。この要求に応えるために、一般に、(1)ワックスコート印刷紙の裏面にアルミニウム箔を、その裏面にエチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のヒートシール性樹脂層を設けた積層物よりなる不透明な包装材や、(2)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレンフィルム接着層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリプロピレンフィルム/ポリエチレンヒートシール性フィルムの積層物よりなる不透明な包装材が、カートンボックスや可撓性包装袋に成形されて使用されている。
【0003】
前記粉体の包装袋は、一般に、茶、コーヒー豆、医薬品の内容物を袋内に充填した後、内容物内に金属粉の異物が混入していないかを検査した後、袋の開放口をヒートシールし、出荷ないし保管している。しかし、開封中の検査は、塵や異物の袋入への混入の機会を与えることになるので、充填して開放口をヒートシールした後に金属粉混入の検査ができる包装材を提供することが市場から望まれている。
また、従来の包装材は焼却後、アルミニウム箔が燃えクズとして残り、その処理に手間や時間を必要とする欠点がある。また包装材を一旦開封した後は、内容物を封入することができず、長期間の保存ができないという欠点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、これらの従来技術の問題を解消することを課題とした。
すなわち本発明は、内容物を充填して開放口をヒートシールした後であっても金属検査が可能で、かつ使用後に完全に燃焼するか再生することが可能な包装材を使用し、さらに開封後も内容物を封入することが可能な袋状容器の提供することを解決すべき課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは特定の構成と物性を有する包装材を用いて入口部に開閉可能な咬合手段を有する袋状容器を形成することによって所期の目的を効果的に達成しうることを見出して、本発明を提供するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第一発明は、2枚の包装材の端面同士を熱溶着して形成される袋状の容器において、該袋状容器の入口部には開閉可能な咬合手段が設けられており、前記2枚の包装材の少なくとも一方が、不透明度(JIS P−8138)が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の一方の面にヒートシール性樹脂接着層(Ia)を積層し、もう一方の面に無機酸化物薄膜層(III)を設けたポリエチレンテレフタレートからなるガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を積層してなる層構成を有する積層物であって、前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の肉厚が30〜300μm、前記ヒートシール性樹脂層(Ia)の肉厚が1〜50μm、前記ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の肉厚が6〜40μm、前記無機酸化物薄膜層(III)の肉厚が5〜600nmであり、包装材の全肉厚が80〜350μmであり、前記積層物の透湿度(JIS Z−0208)が5g/m2・24hr以下で、酸素透過度(JIS Z−1707)が5cc/m2・24hr・atm以下であることを特徴とする袋状容器である。
【0007】
本発明の第二発明は、2枚の包装材の端面同士を熱溶着して形成される袋状の容器において、該袋状容器の入口部には開閉可能な咬合手段が設けられており、前記2枚の包装材の少なくとも一方が、不透明度(JIS P−8138)が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)上に、無機酸化物薄膜層(III)を設けたポリエチレンテレフタレートからなるガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を積層し、さらにその上にヒートシール性樹脂接着層(IV)を積層してなる層構成を有する積層物であって、前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の肉厚が30〜300μm、前記ヒートシール性樹脂層(Ia)の肉厚が1〜50μm、前記ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の肉厚が6〜40μm、前記無機酸化物薄膜層(III)の肉厚が5〜600nmであり、包装材の全肉厚が80〜350μmであり、前記積層物の透湿度(JIS Z−0208)が5g/m2・24hr以下で、酸素透過度(JIS Z−1707)が5cc/m2・24hr・atm以下であることを特徴とする袋状容器である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の袋状容器の構造、材料および実施の態様について詳細に説明する。
本発明の袋状容器は2枚のシートの端面同士を熱溶着することによって袋状に形成したものである。そこで、該袋状容器の説明をする前に、まず袋状容器を構成するシート状の包装材について詳細に説明する。なお、以下に説明する包装材は、袋状容器の2枚のシートのうち、少なくとも1枚に適用されていればよい。
【0009】
包装材の構造
包装材の構造は、ヒートシール性樹脂接着層(Ia)/不透明度が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)/無機酸化物の薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を含むか、或いは、不透明度が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)/無機酸化物薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)/ヒートシール性樹脂接着層(IV)を含むものである。具体的には、図1及び図3の包装材の断面拡大図に例示されるような積層物である。包装材を構成する「無機酸化物の薄膜層(III)を設けたガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)」は、通常はガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)に無機酸化物の薄膜層(III)を積層した構造を有しており、そのいずれの面が微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)側に形成されていても構わない。
【0010】
該積層物は、透湿度(JIS Z−0208)が5g/m2・24hr以下、及び酸素透過度(JIS Z−1707)が5cc/m2・24hr・atm以下の物性を示すものである。これらの特性を有していることから、加工することにより例えば図2及び図4に示すような本発明の袋状容器である煎茶用袋として用いることができる。図1は包装材の一実施例の断面拡大図であり、図2はこれを加工した煎茶用袋の斜視図である。また、図3は包装材の一実施例の断面拡大図であり、図4はこれを加工した煎茶用袋の斜視図である。
図中、Iは微多孔性樹脂延伸フィルム基層、Iaはヒートシール性樹脂接着層、Ibは必要により設けられる接着層、IIはガスバリヤー性樹脂フィルム層、IIIは無機酸化物薄膜層、IVはヒートシール性樹脂層、Pは印刷である。必要により行なわれる印刷Pは、微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)、無機酸化物薄膜層(III)のいずれに施してもよい。例えば、図1に示すようにガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)側の面に印刷を施してもよいし、図3に示すように微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の非積層面に印刷を施してもよい。
また、図3において、印刷Pはヒートシール性樹脂接着層(IV)と接するガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)面に設けてもよい。
【0011】
積層物の層構成
(1)微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)
上記微多孔性樹脂延伸フィルム(I)は、包装材に腰強度を与え、不透明にすることによって印刷の識別を容易ならしめるとともに、光線透過率を低くする機能を有するものである。不透明度(JIS−P8138)は80%以上であるのが好ましく、85〜100%であるのがより好ましい。微多孔性樹脂延伸フィルムとしては、例えば以下に記載する3つのフィルムを例示することができる。
【0012】
第1の微多孔性樹脂延伸フィルムとして、無機又は有機充填剤を8〜65重量%の割合で含有する微多孔を有する熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを挙げることができる(特公昭54−31032号公報、米国特許第3,775,521号明細書、米国特許第4,191,719号明細書、米国特許第4,377,616号明細書、米国特許第4,560,614号明細書等)。
【0013】
第2の微多孔性樹脂延伸フィルムとして、白色無機微細粉末を0〜40重量%含有する一軸または二軸延伸熱可塑性フィルムをコア層とし、このコア層の両面又は片面に白色無機微細粉末を10〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フィルムを紙状層として設けた合成紙を挙げることができる(特公昭46−40794号公報、特開昭57−149363号公報、特開昭57−181829号公報等)。
【0014】
この合成紙は、2層構造であっても、コア層の表裏面に一軸延伸フィルムの紙状層が存在する3層構造(特公昭46−40794号公報、米国特許第4318950号明細書)であっても、紙状層とコア層間に他の樹脂フィルム層が存在する3層〜7層の合成紙(特公昭50−29738号公報、特開昭57−149363号公報、特開昭56−126155号公報、特開昭57−181829号公報、米国特許第4,472,227号明細書)であってもよい。
また、これら合成紙の裏面にプロピレン・エチレン共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(Na、Li、Zn、K)、塩素化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の基層(I)の樹脂よりも低融点の樹脂よりなるヒートシール層(Ia)を設けた3層以上の合成紙であってもよい(特公平3−13973号公報)。
【0015】
特に好ましい微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)は、白色無機微細粉末および/または有機充填剤を0〜40重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルム、または二軸延伸フィルムをコア層(A)とし、このコア層の両面に、白色無機微細粉末および/または有機充填剤を0〜65重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルムを表裏層(B,B′)として設けた積層延伸フィルムである。
このような3層構造の合成紙の製造方法として、例えば、無機微細粉末および/または有機充填剤を0〜40重量%、好ましくは8〜25重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムを、該樹脂の融点より低い温度で一方向に延伸し、得られた一軸延伸フィルムの両面に無機微細粉末および/または有機充填剤を0〜65重量%、好ましくは3〜65重量%、更に好ましくは10〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の溶融フィルムを積層し、次いで前記方向と直角の方向にこの積層フィルムを延伸する方法を挙げることができる。この方法によって製造される合成紙は、紙状層が一軸方向に配向し、微細な空隙を多数有するフィルムであり、コア層は二軸方向に配向した積層構造物である。
【0016】
第3の微多孔性樹脂延伸フィルムとして、上記第2の微多孔性樹脂延伸フィルムの紙状層側に、更に、無機微細粉末を含有しない肉厚0.1〜20μmの透明な熱可塑性樹脂ラミネート層が設けた合成紙を挙げることができる(特公平4−60437号公報、特公平1−60411号公報、特開昭61−3748号公報、米国特許第4,663,216号明細書)。この合成紙には、高光沢の印刷が可能である。
【0017】
具体的には、熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムをコア層とし、無機微細粉末を8〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フィルムよりなる表面層と裏面層を有する複層フィルムを支持体とし、この支持体の表面層側に無機微細粉末を含有しない熱可塑性樹脂の透明フィルム層を設け、更に帯電防止機能を有するプライマー塗布層が設けられた合成紙(特開昭61−3748号公報)、あるいは、熱可塑性樹脂フィルムの二軸延伸フィルムをコア層とし、このコア層の少なくとも片面に、無機微細粉末を8〜65重量%の割合で含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フィルムよりなる紙状層と、熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルムよりなる表面層とのラミネート物が備えられている合成紙であって、前記表面層の肉厚(t)が、紙状層に存在する無機微細粉末の平均粒径を(R)としたとき、次式(2)を満足することを特徴とする複層樹脂フィルムよりなる合成紙(特公平1−60411号公報)を例示することができる。
【数2】
R ≧ t ≧ 0.1xR ・・・ (2)
この複層構造の合成紙も、第2の微多孔性樹脂延伸フィルムと同じくヒートシール性樹脂層(Ia)が裏面に設けられたものであってもよい。
【0018】
これら微多孔性樹脂延伸フィルムは、フィルム内部に微細なボイドを有する延伸樹脂フィルムよりなる微多孔性の合成紙である。その不透明度(JIS P−8138)は好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、肉厚30〜300μm、好ましくは50〜150μmである。また、次式(1)で算出される空孔率は好ましくは10〜60%、より好ましくは15〜45%である。式(1)のρ0は支持体の真密度を表わし、ρ1は支持体の密度(JIS P−8118)を表すが、延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の密度にほぼ等しい。
【0019】
【数3】
Figure 0004546598
ρ0 :樹脂フィルムの真密度
ρ1 :樹脂フィルムの密度
【0020】
合成紙の素材とな熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびこれらの混合物を例示することができる。これらの中でも耐水性、耐薬品性の面からポリプロピレン、高密度ポリエチレンが好ましい。また、コア層にポリプロピレンを用いる場合は、延伸性を良くするためにポリエチレン、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリプロピレンよりも融点が低い熱可塑性樹脂を3〜25重量%配合するのが好ましい。
【0021】
無機微細粉末としては、例えば炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等を用いることができる。粒径は0.03〜7μmのものが好ましい。
有機充填剤としては、主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂からなる充填剤を選択することが好ましい。例えば熱可塑性樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである場合には、有機充填剤としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6,ナイロン−6,6、ナイロン−6,T、環状オレフィン、ポリスチレン、ポリメタクリレート等の重合体であって、ポリオレフィン系樹脂の融点よりも高い融点(例えば170〜300℃)ないしはガラス転移温度(例えば170〜280℃)を有するものを使用することができる。
延伸倍率は縦方向、横方向とも4〜10倍が好ましく、延伸温度は樹脂がプロピレン単独重合体(融点164〜167℃)のときは130〜162℃、高密度ポリエチレン(融点123〜134℃)のときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)のときは104〜120℃であるのが好ましい。また、延伸速度は50〜350m/分であるのが好ましい。
微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の肉厚は、好ましくは30〜300μm、より好ましくは40〜100μmである。
【0022】
(2)ヒートシール性樹脂接着層(Ia)、(IV)
ヒートシール性樹脂接着層は、包装材を袋、カートンボックスに二次加工する際に加熱により溶融接着するために形成するものである。
ヒートシール性樹脂接着層には感熱性接着剤樹脂を用いる。感熱性接着剤樹脂としては、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(いわゆるサーリン)、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の融点が60〜135℃のものを例示することができる。
【0023】
これらは、前述のように微多孔性樹脂延伸フィルム(I)製造の際に同時にヒートシール性樹脂フィルム層(Ia)をラミネートして製造してもよいし、微多孔性樹脂延伸フィルム(I)の裏面にヒートシール性樹脂(Ia)を押出ラミネートしてもよい。また、微多孔性樹脂延伸フィルム(I)の裏面にこれらのヒートシール性樹脂(Ia)をトルエン、キシレン、テトラリン等の有機溶剤に溶解ないし分散した樹脂溶液を塗布し、乾燥することによって形成してもよい。
また、包装材表面に光沢を寄与したり、包装材をカートンボックス用途に用いる場合は、無機酸化物薄膜層(III)の表面にヒートシール性樹脂層(IV)を設けるのが好ましい。
ヒートシール性樹脂接着層(Ia)、(IV)の肉厚は1〜50μm、好ましくは2〜40μmである。
【0024】
(3)ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)
ガスバリヤー性樹脂フィルム層には、水蒸気や酸素などの透過性を大幅に下げるために形成するものであり、ガスバリヤー性樹脂を使用する。
ガスバリヤー性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートであって、透湿度(JIS Z−0208)が100g/m2・24hr以下、好ましくは50g/m2・24hr以下、酸素透過度(JIS Z−1707)が300cc/m2・24hr・atm以下、好ましくは200cc/m2・24hr・atm以下のものを使用する。
ガスバリヤー性樹脂フィルム層は延伸されていても、延伸されてなくてもよい。また、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の肉厚は6〜40μm、好ましくは8〜20μmである。
【0025】
(4)無機酸化物薄膜(III)
包装材のガスバリヤー性をさらに向上させるために、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の表面に無機酸化物薄膜(III)を形成する。
無機酸化物薄膜には、非晶性のAl23、SiOx、SnOx、ZnOx、IrOx(xは1〜2の数)等を使用することができる。これらの無機酸化物の中でも、非晶性のAl23、SiOxが透明性、加工性の面で好ましく、ガスバリヤー性の面でSiOxが好ましい。これらの薄膜の厚みは透明性、蒸着速度、ガスバリヤー性、フィルムの巻取性等から制約され5〜600nm、好ましくは20〜500nmである。5nmより薄いと、ガスバリヤー性が不充分になり、600nmより厚いと透明性が悪くなって、無機酸化物薄膜自体に亀裂や剥離が生じ易くなる傾向にある。また、無機酸化物薄膜の光線透過率は75%以上で透明なものが好ましい。
【0026】
無機酸化物薄膜を形成するための蒸着法としては、高周波誘導加熱方式の蒸着機内で成形品を真空下(1×10-6〜1×10-3Torr)で無機酸化物を蒸着する方法(特公昭53−12953号公報、特開昭62−101428号公報参照)や、予め排気し、真空下蒸着機内で揮発した有機シリコン化合物、酸素及び不活性ガスを含むガス流れをマグネトロングロー放電によってプラズマを発生させてSiOxを該蒸着機内で成形品に蒸着させる方法(特開昭64−87772号公報、米国特許第4,557,946号明細書、米国特許第4,599,678号明細書)等がある。薄膜形成法については、1990年11月発刊の工業材料第38巻第14号第104〜105頁で、イオンプレーティング法、高周波プラズマCVD法、電子ビーム(EB)蒸着法、スパッタリング法として分類され、その原理が紹介されている。
【0027】
上記酸化アルミニウムの結晶性又は非晶性の判定は、CuのKα線を用いた通常のX線回折装置で容易に測定できる。例えば、結晶性のα−Al23が含まれていると、回折角2θが43.39度や57.56度等の位置に明瞭な回折ピークが現れる。β−Al23の場合は、回折角2θが66.65度や33.43度等の位置回折ピークが現れる。これらの回折ピークの半値幅から結晶の粒子サイズを測定することもできる。この外、γ−Al23、δ−Al23等の他の結晶性アルミニウムについても同様に固有の回折ピークが測定できる。非結晶性の酸化アルミニウムの場合は、X線回折装置では、特定の回折ピークは測定されない。ここで言う非結晶性の酸化アルミニウムとは、X線回折によって特定の回折が観測されないものである。
【0028】
(5)接着層
ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の種類によっては、該フィルム層(II)と無機酸化物薄膜(III)との密着性が不足する場合もある。このような場合には、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)と無機酸化物薄膜(III)との間に、プライマー(接着剤)を塗布することができる。かかるプライマーとしては、例えばポリウレタン系プライマーのポリエステルポリオール・ポリイソシアネート、ポリエーテルポリオール・ポリイソシアネートを挙げることができる。プライマーの塗布量は0.5〜5g/m2(固形分)が一般的である。
【0029】
また、基層(I)と無機酸化物薄膜層(III)を有するガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の接着加工を容易とするため、図3に示すように無機酸化物薄膜層(III)をヒートシール性樹脂接着剤層(Ib)で被覆してもよい。
このとき使用するポリウレタン系プライマーとして、例えば東洋モートン(株)のEL−150(商品名)またはBLS−2080AとBLS−2080Bの混合物を例示することができる。また、ポリエステル系プライマーとして、同社のAD−503(商品名)を例示することができる。これらのプライマーは坪量が通常0.5〜25g/m2となるように塗布する。
【0030】
無機酸化物薄膜上に透明なプラスチックの膜を形成する場合は、各種の透明なプラスチックフィルムをラミネートするか、又は透明なプラスチックの塗布膜を形成する。透明なプラスチックの膜の形成には、ポリエチレンおよびエチレン系共重合体、ポリプロピレンおよびプロピレン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体等の塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、等々の樹脂を使用することができる。
【0031】
微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)とガスバリヤー性樹脂フィルム(II)との積層(接着)は、微多孔性樹脂延伸フィルム(I)を製造する際に、ガスバリヤー性樹脂フィルムを充填剤含有樹脂フィルムと共押出し、これを延伸して微多孔性樹脂延伸フィルム(I)とガスバリヤー性樹脂フィルム(II)とのラミネート物を同時に製造してもよいし、前記プライマー(Ib)を使用して両者を接着してもよい。
【0032】
(6)その他の層
包装材は、上述の微多孔性樹脂延伸フィルム(I)、ヒートシール性樹脂フィルム(Ia)(IV)、ガスバリヤー性樹脂フィルム(II)、無機酸化物薄膜(III)、プライマー層(Ib)の他に、包装材の剛性、抗引裂性、光線不透過性の向上を包装材に寄与させるために織布、不織布、光遮蔽層、パルプ紙、発泡樹脂層等をヒートシール性樹脂接着層(Ia)と微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)との間、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)と微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)との間に設けてもよい。
【0033】
包装材に、抗引裂性と縫製性、耐熱カール性、光線不透過性を付与するのに用いられる織布は、40〜150デニール、好ましくは50〜100デニールの縦糸と横糸とを、それぞれ2.54cm当たり50〜140本、好ましくは60〜100本の割合で1本おきに交差させる平織法で織った坪量が50〜200g/m2、好ましくは、50〜200g/m2の平織織布(ポンジー)である(特開平7−52298号公報、同7−227941号公報)。
【0034】
平織り織布の縦糸、横糸の素材としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリエチレンテレフタレート、木綿、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化エチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等を利用することができる。
縦糸と横糸の径は、それぞれ40〜150デニールである。同一径であっても異なった径であっても良いが、同一径の方が平滑性の面から好ましい。また、補強のために2.54cm幅当たり、1〜2本の割合で縦糸および/または横糸に他より太めの糸を用いてもよい。
【0035】
不織布としては、短繊維を絡み合わせた不織布状物を加熱加圧して得た坪量が12〜80g/m2の不織布シート、または該不織布状物に熱可塑性樹脂粉末を散布および/または熱可塑性樹脂シートを積層し、次いでこれを加熱加圧一体化した坪量が60〜200g/m2の繊維補強不織布シートが好ましい(特公平3−74180号公報)。
【0036】
短繊維を絡み合せた不織布状物を加熱加圧して得られる繊維補強シートの製造方法は、特公昭37−4993号公報、特開昭53−10704号公報、同53−90404号公報、同53−119305号公報、同53−122803号公報、同56−15500号公報、同57−29700号公報、同57−39299号公報、同59−70600号公報、同57−61796号公報、同57−139597号公報等に記載されるように公知である。
【0037】
通常、この不織布シートはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂の開繊した短繊維(繊維太さ0.2〜15デニール、繊維長1〜20mm)を水中に分散させた紙料を短網または長網もしくは円網抄紙機を用いて抄紙した後、120〜270℃で5〜200kg/cm2の圧力をロール、プレスで抄造紙にかけることにより製造することができる。かかるシートは帝人(株)よりスパンボント#ユニセルの商品名(RTタイプ、Bタイプ、BTタイプ)で販売されている。
【0038】
この抄造の際、水分散液中にパルプ状粒子を10〜90重量%の割合で配合させてもよい。パルプ状粒子の原料としては芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル等が挙げられる。また、ポリビニルアルコール繊維状バインダーやポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂粉末を短繊維結合剤として5〜30重量%配合してもよい。更に、顔料、可塑剤、粘着調整剤、分散剤等を配合してもよい。
【0039】
また、抄造法により得られた不織布状物に熱可塑性樹脂の粉末を散布および/または熱可塑性樹脂シートを積層し、次いでこれを加熱加圧一体化して不織布シートを製造してもよい。粉末、シートの素材となる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−アクリルニトリル共重合体、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリメチルメタアクリレート、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリブエニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミドおよびポリエステルアミドなどが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることができる。
【0040】
更に、不織布シートは、特公昭48−32986号公報に記載される製造方法により得られた不織布合成紙、即ち、少なくとも75重量%が繊維用デニールの不規則に配置された結晶性の且つ配向した合成有機重合体のフィラメントから成るウェブを該フィラメントに対し非溶解性の加熱流体に露出することにより該フィラメントを空間的に間隔をおいて配置された多数の交叉点で自己接合したウェブを、軽い圧縮力下に置いて拘束を続け、しかる後に該フィラメントの収縮を防ぐのに十分な温度にまで該ウェブの温度を低下させた後に初めて該拘束力を取り去って製造した不織布合成紙であってもよい。かかる不織布合成紙は、米国デュポン社より「タイベック」の商品名で販売されている。
【0041】
包装材をカートンボックスに用いる為に、包装材に剛性、折畳み性を付与するのに用いる層は、肉厚80〜700μmのカートン紙、白ボール紙、発泡倍率1.5〜5倍の発泡樹脂押出シート、無機微細粉末を25〜55重量%含有する熱可塑性樹脂フィルム等である(特開平5−245962号公報、同6−91795号公報)。
これら任意の層の接着には、既述のプライマー、ヒートシール性樹脂が用いられる。
【0042】
本発明の袋状容器は、以上説明した包装材を2枚用意し、図2および図4に示すように該2枚の包装材の端面同士を熱溶着して形成される。ここで接着すべき端面は、2枚のシート状包装材から袋状の容器を製造しうる箇所であれば特に制限されない。
本発明の袋状容器に使用する包装材は、透湿度(JIS Z−0208)が5g/m2・24hr以下、好ましくは2g/m2・24hr以下、更に好ましくは1g/m2・24hr以下であり、酸素透過度(JIS Z−1707)が5cc/m2・24hr・atm以下、好ましくは2cc/m2・24hr・atm以下、更に好ましくは1cc/m2・24hr・atm以下である。
これらの条件を満たすことにより内容物の変質、品質の低下を防ぐことができる。更に、コーヒー豆、高級煎茶、まっ茶、果汁ジュース、焼酎等の光線の入射を嫌う内容物の包装に用いるには、包装材の全光線透過率(JIS K−7105)が0%であることが必要である。
【0043】
各層の肉厚が薄く、光線の遮蔽性が不足するときは、微多孔性樹脂延伸フィルム(I)の裏面に、オフセットまたはグラビア印刷により厚さ1〜5μmの黒色ベタ印刷を行うことによって遮蔽層を形成するか、微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)とガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を接着するプライマー層の中に、酸化チタンホイスカー、酸化チタン微細粒子等の白色充填剤を多量(5〜75重量%)に含有させ、該プライマー接着剤を2〜10g/m2塗布する等の方法により遮蔽層を形成させ、包装材の全光線透過率を0%とする。
【0044】
包装材の肉厚は、包装袋の用途には、80〜350μm、好ましくは80〜150μmとして可撓性を持たせ、カートンボックスの用途には350〜1,000μmとして形状保持性を与える。
【0045】
開閉可能な咬合手段
本発明の袋状の容器10の入口部12には開閉可能な咬合手段14が形成されている。本発明の袋状容器に形成することができる咬合手段の態様は、開閉可能で密閉状態を維持することができるものであれば特に制限されない。以下において、開閉可能な咬合手段の具体的態様を図5〜図13を参照しながら説明する。
【0046】
図5に示す咬合手段14は、一方の包装材1a側に1つの突起部17より構成される雄係合部18が形成され、他方の包装材1b側に2つの突起部17より構成される雌係合部20が形成されている。各突起部17は、平坦な係合面21が両側に形成された断面矩形状の形態である。雌係合部20における2つの突起部17は、雄係合部20が丁度入り込むことができるような距離をあけて配列されている。
【0047】
図5に示す咬合手段14では、包装材1a、16bの両面を包装材の端から順次押さえつけていくことにより、雄係合部18が雌係合部20における突起部17の間に入り込み、雄係合部18の突起部17における係合面21が雌係合部20における各突起部17の内側の係合面21に密着係合して、容器10の内側を密閉状態にすることができる。
【0048】
また図6に示す咬合手段14も、一方の包装材1a側に雄係合部18が形成され、他方の包装材1b側に雌係合部20が形成されている。雄係合部18は、脚部22の先端に断面が円形の円形先端部24が形成されており、一方雌係合部20は断面が円弧状の2つの受入突起26を備え、該受入突起26の間に円形先端部24を受け入れる捕捉部28が形成されている。2つの受入突起26の先端の距離は円形先端部24の直径より大きくなっている。
【0049】
図6に示す咬合手段14では、包装材1a、16bの両面を包装材の端から順次押さえつけていくことにより、円形先端部24が2つの受入突起26の先端部を押し広げて捕捉部28内に捕捉される。これにより円形先端部24と受入突起26の内面とが密着係合して、容器10の内側を密閉状態にすることができる。
【0050】
また図7に示す咬合手段14も、一方の包装材1a側に雄係合部18が形成され、他方の包装材1b側に雌係合部20が形成されている。雄係合部18は、脚部22の先端に断面が三角形の三角挿入部30が形成されており、一方雌係合部20には内側に上記三角挿入部30にほぼ対応した断面形状を有する捕捉部28が形成されている。捕捉部28の入口部分には両側から係止突起部32が張り出しおり、その上部は三角挿入部30を受け入れやすいように下方へ傾斜している。
【0051】
図7に示す咬合手段14では、包装材1a、16bの両面を包装材の端から順次押さえつけていくことにより、三角挿入部30が2つの係止突起部32を押し広げて捕捉部28内に捕捉される。これにより三角挿入部30が係止突起部32と係合するようにして、容器10の内側を密閉状態にすることができる。
【0052】
また図8〜図12には、図5〜図7に示す咬合手段14の変形例が示されている。図8に示す咬合手段14は、図5に示す雄係合部18を構成する2つの突起部17が2つ並べて配置されている。また雌係合部20側には、3つの突起部17が並べて配置されており、これら突起部17の間に2つの受入部34が形成されている。
【0053】
図8に示す咬合手段14では、雄係合部18における2つの突起部17が雌係合部20における2つの受入部34内に入り込み、各突起部17の係合面21同士が密着して容器10の内側を密閉状態にすることができる。従って図5に示す咬合手段14の約2倍の密閉能力が得られる。
【0054】
また図9、図10に示す各咬合手段14は、図6,図7にそれぞれ示す咬合手段14を同じ向きで2つ並べたものである。また図11,図12に示す各咬合手段14は、図6,図7にそれぞれ示す咬合手段14を、一方を反対に配置して2つ並べたものである。これら図9〜図12のような構造を採用することにより、図6,図7の咬合手段14に比べて約2倍に密閉能力が得られる。なお図5、図6、図7の構造を基本として、これらを3組以上並べて配置してもよいし、種類の異なるこれらの基本構造を種々互いに組み合わせて新たな咬合手段とすることもできる。
【0055】
また図13に示す咬合手段14は、一方の包装材1a側に雄係合部18が形成され、他方の包装材1b側に雌係合部20が形成されている。雄係合部18は、図6の実施形態の雄係合部同様に、脚部22の先端に断面が円形の円形先端部24が形成された突起片36で構成されている。一方雌係合部20は、雄係合部18と同一形態の突起片36を2つ並べて配置することにより構成されており、該2つの突起片36の間には捕捉部28が形成されている。雌係合部20における2つの突起片36は、該突起片36の円形先端部24同士の最も近接した部分の間隔が、雄係合部18の円形先端部24の直径よりやや小さくなるように配置されている。
【0056】
図13に示す咬合手段14では、包装材1a、16bの両面を包装材の端から順次押さえつけていくことにより、雄係合部18における円形先端部24が雌係合部20における2つの円形先端部20を押し広げて、捕捉部28内に捕捉される。これにより雄係合部18と雌係合部20とにおける各円形先端部20同士が互いに係合するようにして、容器10の内側を密閉状態にすることができる。
【0057】
また図14に示す咬合手段14では、一方の包装材1a側に形成された雄係合部18が、ほぼ三角形の断面を有する脚部22の先端に断面三角形の三角先端部38を備える突起片36を備えている。また他方の包装材1b側に形成された雌係合部20が、雄係合部18における突起片36と同一形態の2つの突起片36から構成されている。雌係合部20における2つの突起片36の間には、雄係合部18の三角先端部38を受け入れることができる捕捉部28が形成されている。
【0058】
図14に示す咬合手段14では、包装材1a、16bの両面を包装材の端から順次押さえつけていくことにより、雄係合部18における三角先端部38が雌係合部20における2つの三角先端部38を押し広げて、捕捉部28内に捕捉される。これにより雄係合部18と雌係合部20とにおける各三角先端部38同士が互いに係合するようにして、容器10の内側を密閉状態にすることができる。
【0059】
次に図15、図16に示す各咬合手段14について説明する。図15に示す咬合手段14は、一方の包装材1a側に形成された雄係合部18が、ほぼキノコ形の断面を有する突起片36を備えている。また他方の包装材1b側に形成された雌係合部20が、断面J形(あるいは断面釣針形)の2つの係合片40が互いに内側に向き合うように配置されており、該2つの係合片40の内側に捕捉部28が形成されている。図15(a)に示すように、2つの係合片40の先端部分42の距離は、突起片36の先端部分41の幅寸法より小さい。
【0060】
このような咬合手段14では、包装材1a、16bの両面を包装材の端から順次押さえつけていくことにより、雄係合部18である突起片36の先端部分41が2つの係合片40内に押し込まれていく。このとき係合片40全体が外側に開くとともに、係合片40の先端部42は内側に撓んで突起片36を捕捉部28内に受け入れる。図15(b)に示すように、突起片36が捕捉部28内に受け入れられると、係合片40の先端部42が突起片36の脚部22に当接するため、容器10の内側を密閉状態にすることができる。
【0061】
また図16に示す咬合手段14は、図15に示す咬合手段14を基本構造として、雌係合部20の捕捉部28内に、更に2つの密着当接片44が形成される。
このような咬合手段14では、突起片36が捕捉部28内に受け入れられたとき、突起片36の先端部41が密着当接片44を押し広げるようにしながら密着当接片44に密着当接するため、容器10の内側をより確実に密閉状態に保つことができる。
【0062】
【実施例】
以下に製造例および実施例を記載して、本発明をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨から免脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
【0063】
(製造例1)微多孔性樹脂延伸フィルムの製造
(1)メルトフローレート(MFR)0.8g/10分(ASTM D1238:230℃、2.16kg荷重)のポリプロピレン(融点約164〜167℃)81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(a)を270℃に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出し、更に冷却ロールにより冷却して、無延伸シートを得た。
このシートを150℃まで再度加熱した後、ロール群の周速差を利用して縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィルムを得た。
【0064】
(2)MFRが4g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)54重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物(b)を別の押出機にて210℃で混練した後、ダイによりシート状に押し出し、上記(1)の工程で得られた5倍縦延伸フィルムの両面に積層して三層構造の積層フィルムを得た。次いで、この三層構造の積層フィルムを60℃まで冷却した後、再び約155℃まで加熱してテンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃でアニーリング処理した。その後、60℃まで冷却し、両面をコロナ放電処理した後、耳部をスリットして三層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の肉厚80μm(B/A/B=10μm/60μm/10μm)の積層フィルムで、不透明度87%、空孔率31%、密度0.78g/cm3、水蒸気透過率(透気度;温度40℃、相対湿度90%)3.4g/m2・24hr、酸素透過率920cc/m2・24hr・atm、全光線透過率14%の延伸樹脂フィルムを得た。
【0065】
(製造例2)微多孔性樹脂延伸フィルムの製造
製造例1において、各層(B/A/B)の肉厚が15μm/30μm/15μm(全厚60μm)となるようにダイのリップの幅を変えて成形する外は同様にして、不透明度82%、空孔率33%、密度0.79g/cm3、水蒸気透過率6.0g/m2・24hr、酸素透過率1,360cc/m2・24hr・atm、全光線透過率21%の延伸樹脂フィルムを得た。
【0066】
(製造例3)微多孔性樹脂延伸フィルムの製造
(1)MFR4g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)55重量%に、高密度ポリエチレン25重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム20重量%を混合した組成物を270℃に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出し、更に冷却ロールにより冷却して、無延伸シートを得た。
【0067】
(2)このシートを150℃まで再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィルムを得た。
次いで、このフィルムを再び155℃まで加熱して、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃でアニーリング処理した。その後、60℃まで冷却し、両面をコロナ放電処理後、耳部をスリットして密度0.88g/cm3、不透明度86%、肉厚60μm、空孔率37%、水蒸気透過率7.2g/m2・24hr、酸素透過率1,680cc/m2・24hr・atm、全光線透過率23%の二軸延伸フィルムを得た。
【0068】
(製造例4)微多孔性樹脂延伸フィルムの製造
MFR4g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)70重量%、高密度ポリエチレン8重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム22重量%配合した混合物を(A)とし、MFR20g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)40重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム60重量%配合した混合物を(B)とし、これらを別々の押出機にて270℃で溶融混練し、配合物(A)がコア層に、配合物(B)がその両側になる様に積層して共押出し、冷却装置により冷却して無延伸の3層構造のシートを得た。このシートを135℃に加熱した後、縦方向に5倍延伸した1軸延伸フィルムを得た。
【0069】
更にこのフィルム両面にコロナ放電処理を行って、3層構造(一軸延伸/一軸延伸/一軸延伸)の延伸フィルムを得た。このフィルムは、肉厚80μm(B/A/B=10μm/60μm/10μm)の積層フィルムで、不透明度87%、空孔率29%、密度0.85g/cm3、水蒸気透過率(透気度;温度40℃、相対湿度90%)3.0g/m2・24hr、酸素透過率920cc/m2・24hr・atm、全光線透過率16%であった。
【0070】
(製造例5)微多孔性樹脂延伸フィルムの製造
(1)MFR0.8g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(A)を270℃に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。そして、このシートを150℃まで再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィルムを得た。
【0071】
次いで、MFRが4g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)54重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物(B)、およびMFRが4g/10分(ASTM D1238:190℃、2.16Kg荷重)の低密度ポリエチレン(融点約109〜113℃)(C)とをそれぞれ別々の押出機を用いて280℃で混練した後、これをダイによりシート状に押し出し、これを上記(1)の工程で得られた5倍縦延伸フィルムの両面に積層して五層構造(C/B/A/B/C)の積層フィルムを得た。次いで、この五層構造の積層フィルムを60℃まで冷却した後、再び約155℃まで加熱してテンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃でアニーリング処理した。その後、60℃まで冷却し、両面をコロナ放電処理した後、耳部をスリットして五層構造(一軸延伸/一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸/一軸延伸)の肉厚90μm(C/B/A/B/C=10μm/10μm/50μm/10μm/10μm)の積層フィルムで、不透明度86%、空孔率26%、密度0.82g/cm3、水蒸気透過率(透気度;温度40℃、相対湿度90%)3.4g/m2・24hr、酸素透過率1,260cc/m2・24hr・atm、全光線透過率17%の延伸樹脂フィルムを得た。
【0072】
(2)粒径0.8μmの炭酸カルシウムを3重量%、MFR1.2g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体を97重量%含有する樹脂組成物(D)と、粒径1.0μmの炭酸カルシウム25重量%、MFR1.2g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体28重量%、MFR4g/10分のプロピレン単独重合体48重量%および低密度ポリエチレン5重量%よりなる樹脂組成物(E)を、それぞれ別々の押出機を用いて260℃で溶融混練後、一台のダイに供給し、該ダイ内で積層(D/E/D=12μm/300μm/12μm)後、前記(1)で得た五層延伸フィルムの片面に押出ラミネートし、ロールで圧縮冷却して肉厚414μmの積層シートを得た。
【0073】
(製造例6)微多孔性樹脂延伸フィルムの製造
製造例1で得た複層延伸樹脂フィルムの片面にポリウレタン系アンカーコート剤(東洋モートン(株)製:BLS−2080AとBLS−2080Bの混合物)85重量部に、酸化チタン15重量部を混合した接着剤を4g/m2(固形分)で塗布し、次いで平織りの織布(東レ(株)製:ポンジー#6575)を圧着ロールを用いて貼着し、平織織布/遮蔽層/延伸樹脂フィルムからなる複合シートを得た。この複合シートの肉厚は126μm、不透明度は100%、全光線透過率は0%であった。
【0074】
(製造例7)SiO2蒸着ガスバリヤー性フィルムの製造
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム(縦方向3倍、横方向3倍に延伸)の片面に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートL)と飽和ポリエステル(東洋紡績(株)製:バイロン300)とを50:50の割合で配合したプライマーを塗布し、乾燥させて、厚さ約0.1μmの樹脂層を形成した。
その樹脂層上に、8×10-5Torrの真空下、高周波誘導加熱方式で、純度99.9%のSiO2を加熱蒸発させ、厚さ50nmのSiO2膜を形成した。得られたフィルムの水蒸気透過度は1.0g/m2・24hr、酸素透過率は0.5cc/m2・24hr・atm、全光線透過率は84%であった。
【0075】
(製造例8)SiO2蒸着ガスバリヤー性フィルムの製造例
ケイ素酸化物薄膜の厚さを300nmとした他は製造例7と同様にして、水蒸気透過度が0.7g/m2・24hr、酸素透過率が0.4cc/m2・24hr・atm、全光線透過率が77%のSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを得た。
【0076】
(製造例9)非晶性酸化アルミニウム蒸着ガスバリヤー性フィルムの製造
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム(縦方向3倍、横方向3倍の延伸倍率)の片面に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートL)と飽和ポリエステル(東洋紡績(株)製:バイロン300)とを50:50の割合で配合したプライマーを塗布し、乾燥させて、厚さ約0.1μmの樹脂層を形成した。
次に、その樹脂層上に、8×10-5Torrの真空下、高周波誘導加熱方式で、純度99.9%のAl23を加熱蒸発させ、厚さ100nmの非晶性酸化アルミニウム膜を形成した。
このAl23蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムは、水蒸気透過度3g/m2・24hr、酸素透過率3cc/m2・24hr・atm、全光線透過率86%であった。
【0077】
(製造例10)非晶性酸化アルミニウム蒸着ガスバリヤー性フィルムの製造
Al23薄膜の厚さを500nmとした以外は製造例9と同様にして、水蒸気透過度2g/m2・24hr、酸素透過率2cc/m2・24hr・atm、全光線透過率85%の非晶性酸化アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムを得た。
【0078】
(実施例1)
製造例1で得た肉厚80μmの微多孔性延伸樹脂フィルムの表面にオフセット印刷を施した後、ポリウレタン系プライマー(東洋モートン(株)製:BLS−2080AとBLS−2080Bの混合物)85重量部に酸化チタン15重量部を混合した接着剤を両面に各々4g/m2(固形分)で塗布した。次いで印刷を施していない裏面側に密度0.910g/cm3、MFR 4g/10分、肉厚30μmの低密度ポリエチレンフィルムを接着し、反対側の印刷面に製造例7で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムのフィルム側を接着して肉厚が約134μmの包装材を製造した。
この包装材の不透明度は100%、全光線透過率は0%、水蒸気透過度は0.0g/m2・24hr、酸素透過率は0.2cc/m2・24hr・atmであった。
【0079】
この包装材を2枚用意し、一方に図5に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
この包装材を2枚低密度ポリエチレンフィルム側が相対向するように重ね、10mm幅で三方を190℃で30秒間ヒートインパルスシールして縦180mm、横120mmの袋を袋の外から金属探知器で金属粉が混入していないことを確認後形成した。
この袋内に高級煎茶を50g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、相対湿度75%、温度25℃の恒温室に3ヵ月間放置した。
次いで袋を開封し、煎茶の変色の有無、風味を調べたが、いずれも包装前の煎茶と遜色がなかった。
【0080】
(実施例2)
製造例2で得た肉厚60μmの微多孔性樹脂延伸フィルムの両面に、ポリウレタン系プライマー(東洋モートン(株)製:BLS−2080AとBLS−2080Bの混合物)を各々0.5g/m2(固形分)塗布した。次いで、製造例8で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム側にグラビア印刷を施し、その印刷面を上記のプライマーを塗布した微多孔性樹脂延伸フィルムに接着した。プライマーを塗布した微多孔性樹脂延伸フィルムの他方の面(裏面)には、肉厚40μmの低密度ポリエチレンフィルムを接着した。更にSiO2蒸着面にポリウレタン系プライマー(東洋モートン(株)製:BLS−2080AとBLS−2080Bの混合物)を0.5g/m2(固形分)塗布し、肉厚40μmの低密度ポリエチレンフィルムを接着した。肉厚約153μm、水蒸気透過度0.1g/m2・24hr、酸素透過度0.3cc/m2・24hr・atm、不透明度89%、全光線透過率0%の包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図6に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例1と同様にして同寸法の袋を作成し、キャンディを充填し、密封後、これを一旦開封してから咬合手段を閉鎖して、3ヵ月室内に放置した。3ヵ月後、開封し、キャンディを検査したが、外観の変化、味の変化はなかった。
【0081】
(実施例3)
実施例1において、製造例1で得た微多孔性樹脂延伸フィルムの代わりに、製造例3で得た肉厚60μmの樹脂延伸フィルムを用いる他は同様にして肉厚約114μm、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度0.9g/m2・24hr、酸素透過率0.5cc/m2・24hr・atmの包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図7に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例1と同様にして袋を形成し、入浴剤粉60gを充填し、開口部をヒートシール後、金属探知器にて金属粉の混入がないことを袋の外から確認した。一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、40℃、湿度90%の恒温室に3ヵ月間放置し、次いで開封した。入浴剤類のブロッキングはなく、又、品質に変化は見受けられなかった。
【0082】
(実施例4)
実施例1において、製造例1で得た微多孔性樹脂延伸フィルムの代わりに、製造例4で得た肉厚80μmの樹脂延伸フィルムを用いる他は同様にして肉厚約133μm、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度0.1g/m2・24hr、酸素透過率0.3cc/m2・24hr・atmの包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図8に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例1と同様にして袋を形成し、高級煎茶を50g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、相対湿度75%、温度25℃の恒温室に3ヵ月間放置した。次いで袋を開封し、煎茶の変色の有無、風味を調べたが、いずれも包装前の煎茶と遜色がなかった。
【0083】
(実施例5)
製造例8で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム側にグラビア印刷を施した後、SiO2蒸着薄膜面上にポリエステルポリオール・ポリイソシアネート系ウレタン系接着剤を塗布(2g/m2)し、この上に低密度ポリエチレンフィルムを溶融押出し、ドライラミネートし、肉厚約34μmの積層フィルムを得た。
製造例5で得た肉厚414μmの積層シートのE面上に、ポリエステルポリオール・ポリイソシアネート系接着剤を4g/m2塗布し、次にこの接着剤面に上記肉厚34μm積層フィルムの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側が接するように重ね、ロールで圧着させてカートンボックス用の包装材(肉厚452μm)を得た。
【0084】
この包装材を2枚用意し、一方に図9に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
この包装材を断裁し、次いでボックス状に組み立てた後、接着部をヒートシールして、1リットル用カートンボックスを成形した。
このボックスの中に日本酒を入れ、開放口をヒートシール後、これを一旦開封し咬合手段を閉鎖して、これを3ヵ月保管し、開封して日本酒を味わったが、遜色のガラス瓶内で保管された同一銘柄の日本酒と味覚に差はなかった。
【0085】
(実施例6)
実施例1において、製造例1の微多孔性樹脂延伸フィルムの代わりに製造例6で得た複合シートを用い、SiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム/プライマー層/印刷された微多孔性樹脂フィルム/遮蔽層/平織織布/プライマー層/ヒートシール性ポリエチレンフィルム層の構造の包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図10に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
この包装材の肉厚は、約180μm、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度0.0g/m2・24hr、酸素透過率0.1cc/m2・24hr・atmであった。
【0086】
これを2枚、低密度ポリエチレンフィルム側が相対向するようにして重ね合わせ、三方を15mm幅でヒートシールし、縦300mm、横210mmの袋を形成した。
この袋内に、コーヒー豆を200g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、温度40℃、相対湿度75%の部屋に3ヵ月間保管した。
3ヵ月後に開封してコーヒー豆を調べたところ変色はなかった。また、この豆を95℃の湯で煎じたコーヒーの嗅いと味覚は、封入前と大差はなかった。
【0087】
(実施例7)
実施例1において、製造例7で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムの代わりに、製造例9で得た酸化アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム用いる他は同様にして肉厚が約134μmの包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図11に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
この包装材の不透明度は100%、全光線透過率は0%、水蒸気透過度は2g/m2・24hr、酸素透過率は1cc/m2・24hr・atmであった。
実施例1と同様にして袋を形成し、この袋内に高級煎茶を50g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、相対湿度75%、温度25℃の恒温室に3ヵ月間放置した。
次いで袋を開封し、煎茶の変色の有無、風味を調べたが、いずれも包装前の煎茶と遜色がなかった。
【0088】
(実施例8)
実施例5において、製造例8で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムの代わりに、製造例10で得た酸化アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム用いる他は同様にして肉厚約133μm、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度3g/m2・24hr、酸素透過率2cc/m2・24hr・atmの包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図12に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例1と同様にして袋を形成し、入浴剤粉60gを充填し、開口部をヒートシール後、金属探知器にて金属粉の混入がないことを袋の外から確認後、これを一旦開封し、咬合手段を閉鎖して、40℃、湿度90%の恒温室に3ヵ月間放置し、次いで開封した。入浴剤類のブロッキングはなく、又、品質に変化は見受けられなかった。
【0089】
(実施例9)
製造例1で得た微多孔性延伸樹脂フィルムの表面にオフセット印刷を施した後、その裏面にポリウレタン系プライマー(東洋モートン(株)製:BLS−2080AとBLS−2080Bの混合物)85重量部に酸化チタン15重量部を混合した接着剤を4g/m2(固形分)塗布し、その上に製造例7で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムのポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム側を接着し、更にその上に融点105℃のエチレン・メタクリル酸メチル共重合体フィルム(肉厚30μm)を230℃で押出ラミネートして、肉厚が約128μmの包装材を製造した。
この包装材を2枚用意し、一方に図13に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
この包装材は、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度0.0g/m2・24hr、酸素透過率0.2cc/m2・24hr・atmを示すものであった。
【0090】
この包装材を2枚をエチレン・メタクリル酸メチル共重合体フィルム側が相対向するように重ね合わせ、10mm幅で三方を190℃で30秒間ヒートインパルスシールして、縦180mm、横120mmの大きさの袋を得た。次いで、金属探知器で袋の外側から金属粉が混入していないことを確認した。
この袋内に高級煎茶を50g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、相対湿度75%、温度25℃の恒温室に3ヵ月間放置した。3ヵ月後、袋を開封して煎茶の変色の有無と風味を調べたが、いずれも包装前の煎茶と遜色がなかった。
【0091】
(実施例10)
製造例2で得られた肉厚60μmの微多孔性樹脂延伸フィルムの表面にオフセット印刷を施し、その裏面にポリウレタン系プライマー(東洋モートン(株)製:BLS−2080AとBLS−2080Bの混合物)を0.5g/m2(固形分)塗布し、その上に製造例8で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムのSiO2蒸着面を接着し、更にその上に肉厚40μmの低密度ポリエチレンフィルムを230℃で裏面側に押出ラミネートしてヒートシール層を形成し、肉厚約113μm、水蒸気透過度0.1g/m2・24hr、酸素透過度0.3cc/m2・24hr・atm、不透明度89%、全光線透過率0%の包装材を得た。
【0092】
この包装材を2枚用意し、一方に図14に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
次いで、実施例9と同様にして同一寸法の袋を作成し、キャンディを充填し、密封後、これを一旦開封し、咬合手段を閉鎖して、3ヵ月間室内に放置した。
3ヵ月後、開封し、キャンディを検査したが、外観の変化、味の変化はなかった。
【0093】
(実施例11)
実施例9において、製造例1で得られた微多孔性樹脂延伸フィルムの代わりに、製造例3で得られた樹脂延伸フィルムを用いる以外は実施例9と同様に実施して、肉厚約108μm、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度1g/m2・24hr、酸素透過率0.5cc/m2・24hr・atmの包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図15に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例9と同様にして袋を形成し、入浴剤粉60gを充填し、開口部をヒートシールした後、金属探知器にて金属粉の混入がないことを袋の外側から確認して、これを一旦開封し、咬合手段を閉鎖して、40℃、湿度90%の恒温室に3ヵ月間放置した。3ヵ月後に開封したが、入浴剤類のブロッキングはなく、又、品質に変化は見受けられなかった。
【0094】
(実施例12)
実施例9において、製造例1で得た微多孔性樹脂延伸フィルムの代わりに、製造例4で得た肉厚80μmの樹脂延伸フィルムを用いる他は同様にして肉厚約127μm、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度0.2g/m2・24hr、酸素透過率0.3cc/m2・24hr・atmの包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図16に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例9と同様にして袋を形成し、高級煎茶を50g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、相対湿度75%、温度25℃の恒温室に3ヵ月間放置した。3ヶ月後に袋を開封して煎茶の変色の有無と風味を調べたが、いずれも包装前の煎茶と遜色がなかった。
【0095】
(実施例13)
実施例9において、製造例1の微多孔性樹脂延伸フィルムの代わりに製造例6で得た複合シートを用い、印刷された微多孔性樹脂フィルム/遮蔽層/平織織布/プライマー層/SiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム/ヒートシール性エチレン・アクリル酸メチル共重合体ヒートシールフィルム層(30μm)の構造の包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図13に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
この包装材は、肉厚約175μm、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度0.0g/m2・24hr、酸素透過率0.1cc/m2・24hr・atmを示すものであった。
【0096】
これを2枚、エチレン・アクリル酸メチル共重合体ヒートシールフィルム側が相対向するようにして重ね合わせ、三方を15mm幅でヒートシールし、縦300mm、横210mmの袋を形成した。
この袋内に、コーヒー豆を200g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、温度40℃、相対湿度75%の部屋に3ヵ月間保管した。3ヵ月後に開封してコーヒー豆を調べたが変色はなく、又、この豆を95℃の湯で煎じたコーヒーの嗅いと味覚は、封入前と大差はなかった。
【0097】
(実施例14)
製造例5の肉厚414μmの積層シートの延伸樹脂フィルムの表面(C面)にオフセット印刷を施した。
次に製造例8で得られたSiO2蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの裏面に融点105℃のエチレン・アクリル酸メチル共重合体フィルム(肉厚10μm)を230℃で押出ラミネートした積層体を得た。次に前記積層シートの印刷を施していない面上に、ポリエステルポリオール・ポリイソシアネート系接着剤を4g/m2塗布し、この接着剤面に前記SiO2を蒸着した積層体のSiO2面側を接するように重ね合わせ、ロールで圧着してカートンボックス用の包装材(肉厚約460μm)を得た。
【0098】
この包装材を2枚用意し、一方に図14に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
この包装材を断裁し、次いでボックス状に組み立てた後、接着部をヒートシールして1リットル用カートンボックスを成形した。
このボックスの中に日本酒を入れて開放口をヒートシールした後、これを一旦開封し、咬合手段を閉鎖して3ヵ月保管した。3ヶ月後に開封して日本酒の味を確認したが、ガラス瓶内で保管された同一銘柄の日本酒と味覚に差はなかった。
【0099】
(実施例15)
製造例1で得られた微多孔性延伸樹脂フィルムの表面にオフセット印刷を施した後、裏面にポリウレタン系プライマー(東洋モートン(株)製:BLS−2080AとBLS−2080Bの混合物)85重量部に、酸化チタン15重量部を混合した接着剤を4g/m2(固形分)塗布し、次いで、これに製造例9で得られた酸化アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムの裏面側を接着し、更に、密度0.910g/cm3、MFR4g/10分、肉厚10μmの低密度ポリエチレンフィルムを接着して肉厚が約10-8μmの包装材を製造した。
【0100】
この包装材を2枚用意し、一方に図15に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
この包装材は、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度2g/m2・24hr、酸素透過率1cc/m2・24hr・atmであった。
この包装材を2枚の低密度ポリエチレンフィルム側が相対向するように重ね合わせ、三方を10mm幅で190℃で30秒間ヒートインパルスシールして、縦180mm、横120mmの袋を成形した。ヒートインパルスシールは袋の外側から金属探知器で金属粉が混入していないことを確認しながら行なった。
この袋内に高級煎茶を50g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、相対湿度75%、温度25℃の恒温室に3ヵ月間放置した。3ヶ月後に袋を開封して煎茶の変色の有無と風味を調べたが、いずれも包装前の煎茶と遜色がなかった。
【0101】
(実施例16)
実施例15において、製造例1で得た微多孔性樹脂延伸フィルムの代わりに、製造例4で得た肉厚80μmの樹脂延伸フィルムを用いる他は同様にして肉厚約108μm、不透明度100%、全光線透過率0%、水蒸気透過度0.2g/m2・24hr、酸素透過率0.3cc/m2・24hr・atmの包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図16に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例15と同様にして袋を形成し、高級煎茶を50g充填し、開放口をヒートシールし、これを一旦開封した後、咬合手段を閉鎖して、相対湿度75%、温度25℃の恒温室に3ヵ月間放置した。3ヶ月後に袋を開封して煎茶の変色の有無と風味を調べたが、いずれも包装前の煎茶と遜色がなかった。
【0102】
(実施例17)
製造例2で得た肉厚60μmの微多孔性樹脂延伸フィルムの両面に、ポリウレタン系プライマー(東洋モートン(株)製:BLS−2080AとBLS−2080Bの混合物)を各々0.5g/m2(固形分)塗布した。次いで、製造例8で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムのSiO2蒸着側にグラビア印刷を施し、その印刷面を上記のプライマーを塗布した微多孔性樹脂延伸フィルムに接着した。プライマーを塗布した微多孔性樹脂延伸フィルムの他方の面(裏面)には、肉厚40μmの低密度ポリエチレンフィルムを接着して肉厚約114μm、水蒸気透過度0.2g/m2・24hr、酸素透過度0.4cc/m2・24hr・atm、不透明度89%、全光線透過率0%の包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図6に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例1と同様にして同寸法の袋を作成し、キャンディを充填し、密封後、これを一旦開封してから咬合手段を閉鎖して、3ヵ月室内に放置した。3ヵ月後、開封し、キャンディを検査したが、外観の変化、味の変化はなかった。
【0103】
(実施例18)
実施例17において製造例8で得たSiO2蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムの代わりに、製造例10で得た酸化アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム用いる他は同様にして肉厚約114μm、水蒸気透過度0.3g/m2・24hr、酸素透過度0.5cc/m2・24hr・atm、不透明度89%、全光線透過率0%の包装材を得た。
この包装材を2枚用意し、一方に図6に示す形態の雄係合部を形成し、他方に同図の雌係合部を形成した。
実施例1と同様にして同寸法の袋を作成し、キャンディを充填し、密封後、これを一旦開封してから咬合手段を閉鎖して、3ヵ月室内に放置した。3ヵ月後、開封し、キャンディを検査したが、外観の変化、味の変化はなかった。
【0104】
【発明の効果】
袋状容器の開封後でも咬合手段を閉鎖することにより、内部が密閉状態になり内容物を長期間保管することができる。また一旦開封した後も、咬合手段を閉鎖することにより、内容物が漏れる心配なく、容器を搬送することができる。
また光遮断性、ガスバリヤー性に優れた包装材であり、この包装材を用いて二次加工を行なうことにより形成された袋、カートンボックス等の容器は、内容物の金属粉混入の有無の検査を容器の外側から金属探知器で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の包装材の断面拡大図を表す。
【図2】 図1の包装材を加工した煎茶用袋の斜視図を表す。
【図3】 本発明の他の実施例の包装材の断面拡大図を表す。
【図4】 図3の包装材を加工した煎茶用袋の斜視図を表す。
【図5】 咬合手段の一実施の形態を示す模式図である。
【図6】 咬合手段の他の実施の形態を示す模式図である。
【図7】 咬合手段の更に他の実施の形態を示す模式図である。
【図8】 咬合手段の更に他の実施の形態であり、図5の実施形態の変形例を示す模式図である。
【図9】 咬合手段の更に他の実施の形態であり、図6の実施形態の変形例を示す模式図である。
【図10】 咬合手段の更に他の実施の形態であり、図7の実施形態の変形例を示す模式図である。
【図11】 咬合手段の更に他の実施の形態であり、図6の実施形態の他の変形例を示す模式図である。
【図12】 咬合手段の更に他の実施の形態であり、図7の実施形態の他の変形例を示す模式図である。
【図13】 咬合手段の更に他の実施の形態を示す模式図である。
【図14】 咬合手段の更に他の実施の形態を示す模式図である。
【図15】 咬合手段の更に他の実施の形態を示す模式図である。
【図16】 咬合手段の更に他の実施の形態を示す模式図であり、図15の変形例である。
【符号の説明】
I 微多孔性樹脂延伸フィルム基層
Ia ヒートシール性樹脂接着層
Ib プライマー
II ガスバリヤー性樹脂フィルム層
III 無機酸化物薄膜層
IV ヒートシール性樹脂接着層
1、1a、1b 包装材
A コア層
B 表面層
B’裏面層
P 印刷
10 容器
12 入口部
14 咬合手段
17 突起部
18 雄係合部
20 雌係合部
21 係合面
22 脚部
24 円形先端部
26 受入突起
28 捕捉部
30 三角挿入部
32 係止突起部
34 受入部
36 突起片
38 三角先端部
40 係合片
41 突起片の先端部分
42 係合片の先端部分
44 密着当接片

Claims (23)

  1. 2枚の包装材の端面同士を熱溶着して形成される袋状の容器において、
    該袋状容器の入口部には開閉可能な咬合手段が設けられており、
    前記2枚の包装材の少なくとも一方が、不透明度(JIS P−8138)が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の一方の面にヒートシール性樹脂接着層(Ia)を積層し、もう一方の面に無機酸化物薄膜層(III)を設けたポリエチレンテレフタレートからなるガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を積層してなる層構成を有する積層物であって、
    前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の肉厚が30〜300μm、前記ヒートシール性樹脂層(Ia)の肉厚が1〜50μm、前記ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の肉厚が6〜40μm、前記無機酸化物薄膜層(III)の肉厚が5〜600nmであり、包装材の全肉厚が80〜350μmであり、
    前記積層物の透湿度(JIS Z−0208)が5g/m2・24hr以下で、酸素透過度(JIS Z−1707)が5cc/m2・24hr・atm以下であることを特徴とする袋状容器。
  2. 前記ヒートシール性樹脂接着層(Ia)と反対側の最外層にヒートシール性樹脂層(IV)を設けた、請求項1に記載の袋状容器。
  3. 前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の肉厚が50〜150μm、前記ヒートシール性樹脂層(Ia)の肉厚が2〜40μm、前記ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の肉厚が8〜20μm、前記無機酸化物薄膜層(III)の肉厚が20〜500nmであり、包装材の全肉厚が80〜150μmである、請求項1または2に記載の袋状容器。
  4. 2枚の包装材の端面同士を熱溶着して形成される袋状の容器において、
    該袋状容器の入口部には開閉可能な咬合手段が設けられており、
    前記2枚の包装材の少なくとも一方が、不透明度(JIS P−8138)が80%以上の微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)上に、無機酸化物薄膜層(III)を設けたポリエチレンテレフタレートからなるガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を積層し、さらにその上にヒートシール性樹脂接着層(IV)を積層してなる層構成を有する積層物であって、
    前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の肉厚が30〜300μm、前記ヒートシール性樹脂層(Ia)の肉厚が1〜50μm、前記ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の肉厚が6〜40μm、前記無機酸化物薄膜層(III)の肉厚が5〜600nmであり、包装材の全肉厚が80〜350μmであり、
    前記積層物の透湿度(JIS Z−0208)が5g/m2・24hr以下で、酸素透過度(JIS Z−1707)が5cc/m2・24hr・atm以下であることを特徴とする袋状容器。
  5. 前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)と前記無機酸化物薄膜層(III)の間に、前記ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の袋状容器。
  6. 前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)と前記ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の間に、前記無機酸化物薄膜層(III)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の袋状容器。
  7. 前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の一方の面に印刷(P)が施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の袋状容器。
  8. 前記印刷(P)が施されている面が、ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)が形成されている面とは反対側の面であることを特徴とする請求項7に記載の袋状容器。
  9. 前記ガスバリヤー性樹脂フィルム層(II)の一方の面に印刷(P)が施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の袋状容器。
  10. 前記無機酸化物薄膜層(III)の一方の面に印刷(P)が施されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の袋状容器。
  11. 包装材の全光線透過率(JIS K−7105)が0%である、請求項1〜10のいずれかに記載の袋状容器。
  12. 前記無機酸化物薄膜層(III)が、珪素酸化物薄膜層または非晶性酸化アルミニウム薄膜層である、請求項1〜11のいずれかに記載の袋状容器。
  13. 前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)は、白色無機微細粉末および/または有機充填剤を0〜40重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルム、または二軸延伸フィルムをコア層(A)とし、このコア層の両面に、白色無機微細粉末および/または有機充填剤を0〜65重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルムを表裏層(B,B′)として設けた積層延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の袋状容器。
  14. 前記微多孔性樹脂延伸フィルム基層(I)の次式で示される空孔率が10〜60%である、請求項13に記載の袋状容器。
    Figure 0004546598
    ρ0 :樹脂フィルムの真密度
    ρ1 :樹脂フィルムの密度
  15. 前記咬合手段が、前記2枚の包装材の一方に形成された雄係合部と前記2枚の包装材の他方に形成された雌係合部とを備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の袋状容器。
  16. 前記雄係合部が突起部を備え、前記雌係合部が2つの突起部を備え、前記雌係合部における2つの突起部の間に前記雄係合部の突起部が係合可能であることを特徴とする請求項15に記載の袋状容器。
  17. 前記雄係合部が円形先端部を備え、前記雌係合部が前記円形先端部を受入可能な捕捉部を備えることを特徴とする請求項15に記載の袋状容器。
  18. 前記雄係合部が三角挿入部を備え、前記雌係合部が前記三角挿入部を受入可能な捕捉部を備えることを特徴とする請求項15に記載の袋状容器。
  19. 前記雄係合部および前記雌係合部の組み合わせが複数組形成されていることを特徴とする請求項15に記載の袋状容器。
  20. 前記雄係合部が円形先端部を有する突起片を備え、前記雌係合部が前記突起片と同一形状の2つの突起片の配列から構成され、前記雌係合部における2つの突起片の間に前記雄係合部における円形先端部を受入可能な捕捉部を備えることを特徴とする請求項15に記載の袋状容器。
  21. 前記雄係合部が三角先端部を有する突起片を備え、前記雌係合部が前記突起片と同一形状の2つの突起片の配列から構成され、前記雌係合部における2つの突起片の間に前記雄係合部における三角先端部を受入可能な捕捉部を備えることを特徴とする請求項15に記載の袋状容器。
  22. 前記雄係合部がキノコ状断面を有する突起片を備え、前記雌係合部が断面J形の互いに対向して配置される2つの係合片を備え、前記2つの係合片の間に前記突起片を受入可能な捕捉部を備えることを特徴とする請求項15に記載の袋状容器。
  23. 前記捕捉部内に2つの密着当接片が形成され、前記雄係合部の突起片が前記捕捉部内に挿入されたとき、前記突起片の先端部分が前記2つの密着当接片に密着当接することを特徴とする請求項17または18に記載の袋状容器。
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