JP4482241B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装体に関し、特に、脱酸素剤、乾燥剤、除湿剤などの機能性を有する物品を包装するための装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、加工食品の腐敗、変質、劣化などを防止するために脱酸素剤、乾燥剤などが多く用いられている。この脱酸素剤は、通気性の小袋に粉末状、粒状の脱酸素剤(酸素吸収剤)を収納したものが用いられている。また、吸湿により食感など商品価値が低下してしまう煎餅などの菓子類、海苔などは同様にシリカゲルなどの乾燥剤を袋に詰めたものを物品と同時に包装することが行われている。
【0003】
すなわち、これらの機能性剤の包装体は、物品の包装体(袋)内部の空気、湿気、酸素などを吸収するために、通気性の包装材料で包装されている。また、被包装剤から発生する有効成分が包装材料を透過して作用する芳香剤、防虫剤なども同様に通気性包装材料が用いられている。また、最近では、活性炭、木炭などの粉末を含む臭気などの吸着剤は、大面積のシート状に包装されて、病院のベッドなどに用いられる場合が多くなっている。さらに、電子・電気機器、医療機器、精密機械などの貿易の拡大により、これらの湿気、酸化などを防止し、品質安定のためにも、大型包装の乾燥剤、脱酸素剤が用いられてきている。
【0004】
これらの通気性包装用材料としては、粉末状などの被包装剤が漏洩しないこと、包装のヒートシール強度が十分であること、充填包装適性、すなわちシール強度が高く、安定したシール強度で高速で連続包装できることが求められている。さらに、内容物が潮解性吸湿剤の場合、防水性も求められる。特に、脱酸素剤、吸湿剤などの小型包装から活性炭、木炭などの大型包装まで適用できるとともに、適度な防水性、透湿性、通気性を有する包装材料が求められている。
【0005】
これらの包装に用いられる通気性包装材料として、たとえば、(1)特許第293667号公報には、紙層と鞘芯型複合繊維から成る不織布層からなり、不織布は鞘成分の融点が160℃以下で、芯成分の融点が鞘成分より30℃以上高い複合繊維からなる複合シートが開示されている。この複合シートは、不織布の鞘成分で紙と熱融着され、層間接着協力が400g/15mm巾以上とされている。
【0006】
しかし、この複合シートは、鞘芯複合繊維不織布を用いるものであり、不織布の製造が鞘芯の樹脂の溶融粘度の差、相溶性などから安定して製造することが難しい問題点がある。また、シール性が十分でなく、包装速度を早くすることが困難となる場合がある。また、積層化、ヒートシールは、複合繊維の鞘成分樹脂である低融点樹脂が支配するものであり、積層時の温度条件などに限界があるとともに、ヒートシール時のシール性にも限界がある。
【0007】
また、(2)特開平10−235817号公報には、内層にポリエチレン樹脂製割繊維不織布(ワリフ)、中間層に吸水紙、外層に板紙を用いた板状酸素吸収剤用包装材料が開示されている。しかしながら、この包装材料は、通気性にするためには予め、ワリフに直径0.5mm程度の微細孔を多数あける工程が必要であるなど製造工程が複雑となる。また、ワリフ層と紙層との接着性は低く、実施例で示されているように、実質的にはポリエチレン樹脂を用いたサンドイッチラミネーションが必要であり、この点からも透湿性、通気性の制御が困難である問題が考えられる。
【0008】
また、通気性材料としては、無機充填材含有ポリエチレンフィルムを延伸して得られる微多孔性フィルムが知られている。しかし、この微多孔性フィルムは強度が十分でないことから、不織布との積層材料として用いることが知られている。
【0009】
例えば、(3)特許第2736773号公報には、前記微多孔性フィルムに接着剤をつけた通気性を有する目付30〜100g/m2 の長繊維系スパンボンド不織布を非接触部分を残して貼合わせてなる木造住宅の外壁通気公報に於ける防風積層用シート材料の製造方法が開示されている。同様に、(4)特開平4−348931号公報には、透気度5000sec/100cc以下で、厚さ35〜100μmの前記の微多孔性フィルムに、目付が20〜50g/m2 のナイロン又はポリエステル系不織布を接着剤塗布面積が10〜30%の点接着で貼り合わせなる積層体、および雨具などの用途が開示されている。
【0010】
また、(5)特開平11−972号公報には、目付5〜20g/m2 、平均繊維径0.2〜2デニール、嵩比重0.05以下のポリオレフィン系不織布との積層体、(6)特開平11−99601号公報には、ホットメルト接着剤による接着状態を数値化した複合フィルムが開示され、紙オムツや生理用ナプキンのバックシートへの利用が開示されている。
【0011】
これらの、多層材料はいずれにしても接着剤を用いるものであり、工程の複雑さ、環境問題、接着剤の臭気などとともに、積層工程での通気性、透湿性の低下や変動が考えられる。
【0012】
また、(7)特開平6−316022号公報には、ポリオレフィン系多孔性フィルムと、ポリオレフィン系不織布と、ポリオレフィン系割繊維不織布とを熱接着により一体化した積層体、特開平9−76386号公報には、微多孔質ポリオレフィン透湿性樹脂膜と不織布とを部分的な熱融着により積層した透湿性シートおよびこの積層体を用いた衣類や吸収性物品が開示されている。この場合の衣類や使い捨てオムツのような吸収性物品においては、前記熱融着による積層体を用いて二次加工しても、ヒートシール性、ヒートシール強度などは特に問題になることは少ない。
【0013】
すなわち、従来の微多孔性ポリオレフィン系樹脂フィルムを用いた積層材料は、微多孔性ポリオレフィン系樹脂フィルムの強度、ヒートシール性を不織布との積層による改善しようとするものである。したがって、その積層手段は、接着剤によっても、熱融着による場合でも通気性と接着が確保されれば特に問題とはならなかった。
【0014】
しかしながら、微多孔性ポリオレフィン系樹脂フィルムを紙の代替として脱酸素剤、乾燥剤などの機能性剤の包装に用いる場合には、通気性、透湿性のみでなく、微粉末漏洩防止性に加えてシール性、シール強度が非常に重要となる。なぜならば、これらの機能性剤の包装体は、主として食品の酸化防止、吸湿防止のために食品とともに包装される。したがって、脱酸素剤や乾燥剤が食品に接触したり、混入したりしたら食品の安全性が脅かされる。したがって、脱酸素剤や乾燥剤などが漏洩しないように確実に安定してヒートシールされなければならない。
また、このような確実なヒートシール、包装体を効率よく包装することが望まれている。このためには、従来の二層積層材料では、十分対応できない場合がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、防水性、透湿性があり、適度な通気性を有し、製造が容易で、接着剤による通気性の低下や臭気の問題がなく、強度にすぐれ、脱酸素剤、吸湿剤などの機能性を有する物品を包装するに際し、被包装物品が漏洩しにくく、シール性にすぐれ、生産性よく、高速連続包装が可能な装体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、微多孔性フィルムの有する透湿性、通気性、防水性を生かしながら、包装体(袋)とするためのヒートシール性について鋭意検討した。その結果、微多孔性フィルムと通気性耐熱繊維素材層の間にポリエチレン系スパンボンド不織布層を有する三層積層材料とすることにより、熱接着により容易に積層化が可能であるとともに、包装体とするためのヒートシールにおいてシール強度にすぐれ、生産性よく高速連続充填包装ができ、特に食品包装用に用いられる各種機能剤や、潮解性成分の包装に適することを見いだした。本発明はこの知見に基づいて完成するに到ったものである。また、本発明は、上記の三層積層材料に、さらに、通気性素材を熱ラミネートすれば、ヒートシール強度が向上することを見いだした。
【0017】
すなわち、本発明は、
(1)150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層および微多孔性フィルムがこの順に熱接着により積層された包装用積層材料により形成され、前記通気性耐熱繊維素材層を最外層とする包装体
(2)通気性耐熱繊維素材層が150〜300℃の融点を有する樹脂スパンボンド不織布からなる(1)に記載の包装体
(3)ポリエチレン系樹脂が、密度880〜950kg/m3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体である(1)または(2)に記載の包装体
(4)150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層、微多孔性フィルムおよび通気性素材がこの順に熱接着により積層された包装用積層材料により形成され、前記通気性耐熱繊維素材層を最外層とする包装体
(5)通気性耐熱繊維素材層が150〜300℃の融点を有する樹脂スパンボンド不織布からなる(4)に記載の包装体
(6)ポリエチレン系樹脂が、密度880〜950kg/m3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体である(4)または(5)に記載の包装体
(7)通気性素材が、不織布である(4)〜(6)に記載の包装体
(8)不織布が、スパンボンド不織布または、割繊維不織布である(7)に記載の包装体
(9)微多孔性フィルムがポリエチレン系樹脂である(1)〜(8)のいずれかに記載の包装体
10酸素剤、乾燥剤、吸湿剤、脱臭剤、発熱剤、防虫剤、除湿剤または芳香剤の包装体として用いられる(1)〜(9)のいずれかに記載の包装体。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の包装用積層材料は、150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層および微多孔性フィルム、特にポリエチレン系樹脂微多孔性フィルムがこの順に熱接着により積層された包装用積層材料である。ここで熱接着は、好ましくは熱エンボスロール法で接着されるものである。
【0019】
この包装用積層材料の採用により、積層手段として最も簡便、安価な熱接着による積層手段、特に熱エンボスロール法の採用を可能にしたものである。また、この積層材料を用いた物品の包装において、ヒートシール性よく包装体を得ることが可能となったものである。
【0020】
ここで150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材層としては、熱可塑性樹脂製の繊維が一般的であり、プロピレンの単独重合体、プロピレンと5質量%以下のエチレン、ブテン−1などのモノマーとのランダム共重合体などのポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのホモポリエステル、およびこれらを主成分単位とする他の成分を共重合したコポリエステル、さらにはこららの混合ポリエステルなどのポリエステル繊維、ナイロン6(ポリカプロラクタミド)、ナイロン6,6(ポリヘキサメチレンアジポアミド)、ナイロン6,10(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ナイロン11(ポリウンデカンアミド)、ナイロン7(ポリ−ω−アミノヘプタン酸)、ナイロン9(ポリ−ω−アミノノナン酸)、ナイロン12(ポリラウリンアミド)などのポリアミド繊維などを挙げることができる。
【0021】
また、熱可塑性樹脂繊維以外の他の繊維素材としては、木材パルプ、楮、みつまた、レーヨン繊維などの溶融しない繊維素材などが挙げられる。これら通気性耐熱繊維素材層は耐熱繊維素材からなるものであり、織布、不織布、編布、紙など特に制限はないが、前記熱可塑性樹脂からなるスパンボンド不織布が強度、伸び、柔軟性、安価などから好ましく用いられる。
【0022】
スパンボンド不織布の繊維径としては、特に制限はなく、通常5〜60μm、好ましくは10〜40μmの範囲であり、目付は、通常10〜100g/m2 、好ましくは15〜80g/m2 である。10g/m2 未満では、ヒートシール時のエッジ切れの防止効果が十分でなく、また、100g/m2 を超えると、熱ラミネートによる積層時の生産性の低下が起こり好ましくない。すなわち、積層材料を形成する場合、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布が溶融して、耐熱性繊維素材層に侵入し、且つ微多孔性フィルムと熱融着して積層されるものであり、要求されるシール強度、積層の際の生産性を考え、耐熱性繊維素材層が選択される。
【0023】
次に、ポリエチレン系スパンボンド不織布としては、特に制限はなく、エチレンの単独重合体、エチレンとα−オレフィン、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、環状オレフィンなどの共重合性モノマーとの共重合体、高圧法分岐低密度ポリエチレンなどを挙げることができる。中でも、エチレンとプロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体(LLDPE)を好ましく例示できる。これらのポリエチレン系樹脂は、チタンなどを用いたチーグラー系触媒を用いて重合された(共)重合体、メタロセン系触媒を用いて重合された(共)重合体などが用いられる。
【0024】
特に、密度が、好ましくは880〜960kg/m3 、より好ましくは900〜950kg/m3 、融点が80〜140℃、好ましくは90〜130℃の範囲、メルトフローレート(MFR)が、5〜60g/10分、好ましくは10〜50g/10分の範囲の前記のエチレン−α−オレフィン共重合体が紡糸性、融点、強度などの点から好ましく用いられる。
【0025】
ここで、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布は、繊維径が通常5〜60μm、好ましくは10〜40μmであり、その目付は、10〜200g/m2 、好ましくは15〜150g/m2 、より好ましくは20〜100g/m2 である。
【0026】
これらの耐熱性樹脂スパンボンド不織布、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布は、たとえば、これらの樹脂を押出機から溶融押出し、紡糸用口金から紡糸し、紡糸された繊維をエアサッカーなどの気流牽引装置で引き取り、必要により開繊し、気流とともに繊維をネットコンベアなどのウエブ補集装置で補集し、必要に応じて加熱空気、加熱ロールなどの加熱手段で部分溶着することによる公知の手法によって得ることができる。なお、このスパンボンド不織布製造に際して、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布と前記の150℃以上の耐熱性を有する耐熱性繊維素材層との積層をインラインで積層することもできる。
【0027】
次に、本発明に用いられる微多孔性フィルムとしては、特に制限はなく、通常ポリオレフィン系樹脂微多孔性フィルム、特にポリエチレン系樹脂微多孔性フィルムであれば、その製造方法は任意であり、公知のフィルムが用いられる。このポリオレフィン系樹脂微多孔性フィルムは、例えば、無機充填剤、有機充填剤または可塑剤などを含有するポリオレフィン系樹脂からなるフィルムより充填剤や可塑剤などを溶剤で溶出して微多孔構造とする方法、無機充填剤または有機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを少なくとも1軸方向に延伸して得られるフィルムなどがある。
【0028】
これらの中でも、後記の無機充填剤または有機充填剤含有ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを少なくとも1軸方向に延伸して得られるフィルムが好ましく用いられる。本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、高圧法低密度分岐ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体あるいはこれらのポリオレフィンの混合物などである。中でも、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
【0029】
このポリエチレン系樹脂の密度としては、通常880〜960kg/m3 、好ましくは900〜950kg/m3 、メルトフローレート(MFR)〔JIS K7210に準拠、測定温度:190℃、測定荷重:21.18N〕としては、通常0.01〜10g/10分、好ましくは0.02〜5g/10分の範囲である。
【0030】
ポリオレフィン系樹脂に含有される充填剤としては、無機または有機の充填剤が用いられ、たとえば炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス粉などの無機充填剤、木粉、セルロース粉、高融点樹脂粉、架橋樹脂粉などの有機充填剤が用いられる。
【0031】
これらの充填剤の平均粒径としては、通常30μm以下、好ましくは0.2〜10μmの範囲である。ここで、粒径が小さすぎると分散性、成形性に劣り、大きすぎると延伸フィルムの微多孔の緻密性が悪くなり、耐粉体漏洩性が低下する場合がある。これらは、必要により複数含有することもできる。また、これらの充填剤は、ポリオレフィン系樹脂への分散性、フィルムの延伸性の向上のために、脂肪酸または脂肪酸金属塩などで表面処理されたものを用いることもできる。
【0032】
ここで、無機充填剤の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、20〜400質量部、好ましくは40〜300質量部である。ここで、充填剤の含有量が20質量%未満であると、フィルムを延伸した場合の微多孔の形成が十分でなく、透湿性が十分に確保されない。また、400質量部を越えると混練性、分散性、フィルムの製膜性が低下するとともに、強度も低下する場合がある。
【0033】
さらに、必要により、充填剤含有ポリオレフィン系樹脂フィルムに常用されている他の樹脂、エラストマー、各種添加剤を配合することができる。たとえば、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー、液状または固体の炭化水素樹脂、活性水素含有液状ポリブタジエン、可塑剤、ラジカル発生剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、高級脂肪酸、そのエステル、そのアミド、その金属塩などの滑剤、着色剤、難燃剤などを例示できる。
【0034】
ポリオレフィン系樹脂は、所定量の充填剤、各種添加剤とともに、バンバリーミキサー、混練押出成形機などを用いてペレット化される。このペレットを用いて、Tダイ押出成形機、インフレーション成形機を用いて製膜される。製膜されたフィルムは、少なくとも一軸方向に、1.5〜10倍程度に延伸される。延伸は多段階に行ってもよいし、二軸に延伸することもできる。
【0035】
フィルムの延伸は、ポリオレフィン系樹脂の融点よりも100℃低い温度から、融点よりも20℃低い温度の範囲で実施される。この延伸によって、フィルムの強度が向上すると共に、微多孔が形成される。この延伸フィルムを熱処理することによって、フィルムの寸法精度を向上することができる。さらに、フィルムの積層面にコロナ処理、フレーム処理などの接着性向上のための表面処理を行うこともできる。
【0036】
このようにして得られた、ポリオレフィン系樹脂微多孔性フィルムのフィルム厚みは、10〜200μm、好ましくは15〜100μmの範囲である。このフィルムの透湿度は、通常100g/m2 ・24時間以上、好ましくは500g/m2 ・24時間以上である。なお、測定方法は後記する。これらの特性を満足するためには、平均径が0.1〜50μmの微細孔を有し、空隙率が10〜80%程度であることが望ましい。このポリオレフィン系樹脂微多孔性フィルムのフィルム厚み、透湿度は、本発明の積層材料が用いられる被包装品、その用途によって、要求特性に基づいて決定することができる。
【0037】
このようなポリオレフィン系樹脂微多孔性フィルム自体は、公知のものであり、各種のフィルムを市場より容易に入手できる。たとえば、無機充填剤含有ポリエチレン延伸透湿性フィルムとして、(株)トクヤマ製の「ポーラムPU35」、日東電工(株)製の「ブレスロン」、三井化学(株)製の「エスポワール」などを挙げることができる。
【0038】
また、通気性素材としては、通気性があり、微多孔フィルムと熱ラミネートできる素材であり、さらに、ヒートシールした際のエッジ切れを低減させるため、微多孔フィルムの保護層としての機能を果たすために、強度があることが望ましい。
通気性素材の通気性(透気度)としては、JIS L 1096に準拠したガーレ式測定方法で、100秒/100cc以下、好ましくは、10秒/100cc以下である。透気度が、100秒/100ccを超えると、透湿性能が低下し、その為、除湿剤としての水を吸収するという性能に支障をきたす虞れがある。
【0039】
通気性素材の素材としては、不織布が挙げられ、スパンボンド法、スパンレース法、熱風カード法、熱エンボスカード法等、公知の任意の製造方法を採用することができる。この中でも、強度、価格等からスパンボンド法が好適である。
また、目付は、強度、価格の点から10〜100g/m2、好ましくは15〜70g/m2が好適である。
【0040】
さらに、不織布の場合の層構成は単一層、多層が含まれる。熱ラミネート製造適正を考慮した場合、高融点樹脂不織布層/低融点樹脂不織布層の多層不織布が好適である。
そして、不織布の材料としては、PP、PE等のポリオレフィン、NY等のポリアミド、PET等のポリエステル等公知の樹脂から任意に用いることができる。上記多層不織布の場合、層の融点差を出す組み合わせとしてPET不織布/PE不織布が挙げられる。
芯材としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を用いてその周囲をポリオレフィン樹脂で被覆した繊維を用いた不織布等の挙げられる。
【0041】
さらに、通気性素材の素材としては、割繊維不織布が挙げられる。割繊維不織布とは、ポリオレフィン樹脂からなる延伸フィルムに細かな割れ目を入れて割繊維(フラットヤーン)としたものを用い、この割繊維を縦横に積層して熱融着、もしくは、ホットメルト接着により不織布化した材料のことを言う。
割繊維不織布の目付は、強度、価格の点から10〜100g/m2、好ましくは12〜40g/m2が好適である。
また、使用される延伸フィルムとしては、熱ラミネート製造適正を考慮した場合、低融点樹脂層/高融点樹脂層/低融点樹脂層した多層タイプが好適である。
微多孔フィルムと熱ラミネートできる素材として、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレンが好ましい。
【0042】
本発明の包装用積層材料は、前記の方法で得られた、ポリオレフィン系樹脂微多孔性フィルムに、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布および150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材を熱接着により積層するものであり、好ましくは熱エンボスロール法によって熱接着して積層される。
【0043】
通気性耐熱繊維素材層とポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層と微多孔性フィルムの積層は、事前に二層を積層することもできる。この事前積層は、熱フラットロール法、好ましくは熱エンボスロール法を採用して行われる。中でも、耐熱性繊維素材層として融点が150〜300℃のスパンボンド不織布を用いる場合には、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布とポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなどのスパンボンド不織布との積層は、スパンボンド不織布製造のインラインで積層することもできるし、後の微多孔性フィルムとの積層時に一体的に積層することもできる。
【0044】
この通気性耐熱繊維素材層を設けることの意義は、微多孔性フィルムとポリエチレン系スパンボンド不織布層を熱エンボスロール法で積層する場合に、熱接着のための温度(ロール温度)をポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布の融点に支配されないで一方のロール温度条件設定ができることにある。したがって熱接着の条件範囲が広くなり積層化が著しく向上することになる。
【0045】
また、包装体化のヒートシール時には、耐熱性繊維素材層が溶融せず、強度を保持することになり、ヒートシール部のエッジ切れを防止することができる。これにより、すぐれたシール性が発揮されるようになる。
【0046】
本発明で用いられる、各不織布、フィルムを構成する熱可塑性樹脂の融点は、JIS K 7121に準拠して、DSC(パーキンエルマー社製DSC7型)、昇温速度20℃/分で測定した場合のピーク温度とすることができる。なお、融点が複数のピークとして現れる場合は、最高ピークを示す温度を採用するものである。また、ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JISK7210に準拠して、測定温度:190℃、測定荷重:21.18Nの条件で測定することができる。
【0047】
本発明の包装用積層材料は、まず、前記のように、通気性耐熱繊維素材層とポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布との積層、微多孔性フィルムとポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布との積層がなされる。または、三層が同時に熱接着により積層される。熱接着による積層方法としては、特に制限はなく、各種積層方法が採用できる。本発明の包装用積層材料は、熱接着により積層されるので、接着剤を用いない、接着剤による臭気がない、通気性の低下がない、簡便である、加工コストが安価である、環境にやさしいなどの特徴を有する熱エンボスロール法が好ましく用いられる。
【0048】
ここで、熱エンボスロール法は、エンボスロールとフラットロールによる公知の積層装置を用いて積層することができる。ここで、エンボスロールとしては、各種形状のエンボスパターンを採用でき、各接着部が連続した格子状、独立した格子状、任意分布などがある。
【0049】
ここで、熱エンボスロール法の積層条件としては、微多孔性フィルムの種類、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布、耐熱性繊維素材層の種類、融点、各層樹脂の融点差、どちらの層をエンボス面とするかによっても異なり、それぞれの要素を勘案して適宜選定される。通常、前記ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布面をエンボスロール側とし、微多孔性フィルム面をフラットロール側として熱積層される。
【0050】
一例を示せば、通常エンボスロール温度が90〜200℃、好ましくは110〜180℃、フラットロール温度が90〜200℃、好ましくは110〜180℃の温度範囲、通常ロール圧力(線圧)100〜500N/cm、好ましくは200〜400N/cmが採用できる。これらのエンボスパターン、エンボス面積率、温度、圧力などは不織布の融点、繊維径、厚み、目付、通気性、積層速度などによって適宜選定できる。
【0051】
本発明の包装用積層材料は、具体的には機能性物品が機能するに必要な、適度な通気性、透湿性が必要である。この通気性、透湿性は、機能性物品の種類、包装体のサイズなど用途により異なり特に限定されるものではない。一般的には、透湿度が50g/m2 ・24時間以上であって、内容物の漏洩の恐れがないような範囲で適宜各層の材料が選択される。
【0052】
本発明の包装用積層材料は、主として脱酸素剤、吸湿剤などの各種機能性物品の包装に利用できる。これらの機能性物品の包装体は、機能性物品が機能すればよく、袋状包装体の場合には、少なくとも袋の一部、好ましくは袋の片面が本発明の包装用材料で形成される。包装体化のためのヒートシール方法は、加熱シールバーによる方法に加えて、製袋や縫製分野で使われているロールによる連続シール方法など、熱可塑性樹脂を加熱、加圧接合することが可能であるシール方法であれば、その形式に特に制限はない。また、加熱手段としては、熱伝導(熱ジグ、発熱体)、誘電加熱、超音波加熱などによることができる。
【0053】
また、このヒートシールの条件である、温度・圧力・時間・速度などは、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布、通気性耐熱繊維素材層、微多孔性性フィルムの種類、耐熱性(融点)や分子量、不織布やフィルムの厚みあるいは目付などとともに適宜条件設定することができる。
【0054】
本発明の包装用積層材料は、脱酸素剤、乾燥剤、吸湿剤、脱臭剤、発熱剤、防虫剤、除湿剤または芳香剤などの機能性物品の包装に好適に利用できる。特に、すぐれたシール性により、木炭、活性炭などの脱臭剤を比較的広い面積であるシート状包装体などへ適用が可能となる。この場合には、通常複数の包装体が連続したシート状とされる。
【0055】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る熱ラミネート装置1が示されている。熱ラミネート装置1は、積層シート10を供給する供給ロール4と、微多孔性シート13を供給する供給ロール5と、積層シート10及び微多孔性シート13を挟圧するためのフラットロール6及びエンボスロール7と、できあがった包装用積層材料14を巻き取る巻き取りロール8と、から構成されている。
【0056】
ここで、積層シート10は、予め、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布12と、通気性耐熱繊維素材11が熱ラミネートにより積層されたものである。
また、供給ロール4、5及び巻き取りロール8は、所定の目的を達成するならば、任意の部材を採用できる。
さらに、フラットロール6は、表面が平滑であり、また、任意に温度を変えられる加熱手段を備えているものを採用でき、挟圧するシートの上側に配置される。さらに、フラットロール6は、モータ等の駆動手段と接続して、回動させることもできる。
【0057】
そして、エンボスロール7は、表面に任意のエンボスパターンを備え、また、任意に温度を変えられる加熱手段を備えているものを採用でき、挟圧するシートの下側に配置される。
フラットロール6及びエンボスロール7を昇温した後、フラットロール6及びエンボスロール7の間を挿通してできる包装用積層材料14の構成としては、フラットロール6側より、通気性耐熱繊維素材11、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布12、微多孔性シート13の順番になる。
微多孔性シート13の表面は、エンボスロール7により所定のエンボスパターンが形成される。
【0058】
完成する包装用積層材料14としては、図2に示すように、通気性耐熱繊維素材11の層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布12の層、微多孔性シート13の層の構成となる。
【0059】
前述のようにして得られた包装用積層材料14を用いて、シリカゲルを包装した包装体(図示略)を製造する。製造の際、包装用積層材料14の周辺部をヒートシール等の手段で封止する方法が採用できる。
【0060】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
本発明の包装用積層材料14は、通気性、透湿性、微粉体バリア性を有するとともに、シール性にすぐれ、脱酸素剤、吸湿剤などの各種機能性物品の包装に適する。また、積層に接着剤を用いないため、製造工程が容易で、通気性、透湿性の低下、臭いなどかなく、幅広い機能性物品の包装に適用できる。
【0061】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の説明では既に説明した部分、部材と同一のものは同一符号を付してその説明を簡略する。
図3には、本発明の第2実施形態に係る熱ラミネート装置2が示されている。
熱ラミネート装置2は、積層シート20を供給する供給ロール4と、微多孔性シート23を供給する供給ロール5と、通気性素材24を供給する供給ロール9と、積層シート20、微多孔性シート13及び通気性素材24を挟圧するためのフラットロール6、16と、できあがった包装用積層材料25を巻き取る巻き取りロール8と、から構成されている。
【0062】
ここで、積層シート20は、予め、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布22と、通気性耐熱繊維素材21が熱ラミネートにより積層されたものである。
また、供給ロール9も、所定の目的を達成するならば、任意の部材を採用できる。
【0063】
さらに、フラットロール16も、フラットロール6と同様に、表面が平滑であり、また、任意に温度を変えられる加熱手段を備えているものを採用でき、挟圧するシートの下側に配置される。
積層してできる包装用積層材料25の構成としては、フラットロール6側より、通気性耐熱繊維素材21、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布22、微多孔性シート23、通気性素材24の順番になる。
【0064】
完成する包装用積層材料25としては、図4に示すように、通気性耐熱繊維素材21の層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布22の層、微多孔性シート23の層、通気性素材24の層の構成となる。
【0065】
上述のような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果に加えて次のような効果がある。
包装用積層材料25に通気性素材24の層が加わることによって、強度が高くなりヒートシールした際のエッジ切れを低減することができる。
【0066】
その他、本発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造等としてもよい。
【0067】
【実施例】
以下、本発明の包装用積層材料を実施例および比較例により、詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0068】
[実施例1]
1.熱ラミネートによる包装用積層材料の製造
第1実施形態の熱ラミネート装置1を用いて製造した。
熱ラミネート装置〔三正精機(株)製熱ラミ機、オイル温調、ロール径:300mm、エンボスロール/フラットロール、エンボス圧着率:21%、格子柄(ピッチ:1.5mm)、エンボス圧力(線圧):300N/cm、ラミ速度:15m/分〕を用いた。不織布としては、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層として、出光石油化学(株)製ポリエチレンスパンボンド不織布〔「ストラテック」LN5020(原料:密度:940kg/m3 のエチレン−ブテン−1共重合体、繊維径:25μm、目付:20g/m2 、融点:124℃)〕と、通気性耐熱繊維素材層として、東洋紡績(株)製ポリエステルスパンボンド不織布〔「エクーレA」6301(目付:30g/m2 、融点:260℃)〕とにより、熱ラミネーションにより2層積層不織布を得た。次いで、この2層不織布のポリエチレン不織布側に、微多孔性フィルムとして、(株)トクヤマ製無機フィラー含有延伸PE透湿フィルム「ポーラムPU35」(厚み:35μm)を、フィルム面をエンボス面として熱ラミネーションにより積層した。なお、熱接着の温度範囲は、エンボスロール:85℃、フラットロール:115〜155℃の広い範囲で実施可能であった。得られた積層材料の物性は、縦方向の接着強度が、約1.1〜2.4N/50mm、引張強さが、縦:62〜64N/50mm、横:35〜36N/50mm、透湿度が、2500〜5000g/m2 ・24時間、耐水圧がすべての条件で20kPa以上であった。なお、評価方法は下記に基づいて行った。
【0069】
(1)接着強度
引張試験機により引張速度200mm/分にて、180度剥離(T−剥離)にて接着強度を測定した。なお、サンプル幅:50mm、チャック間隔:50mm、N=5の平均値を求めた。
(2)引張強さ
JIS L 1906に準拠して測定した。
(3)透湿度
JIS Z 0208(カップ法)に準拠して測定した。
(4)耐水圧
JIS L 1092(高水圧法)に準拠して測定した。
【0070】
また、得られた三層積層材料の微多孔性フィルム面同士を熱傾斜試験機を用い、ヒートシール条件(ヒートシール温度180℃、シールバー15mm×15mm、シール圧力40N、シール時間1秒でヒートシールした。ヒートシール強度は、11N/15mmであった。
【0071】
[実施例2]
実施例1で得られた三層積層材料を用いて、100mm×60mmの乾燥剤(シリカゲル)を、ヒートシール温度180℃、60ショット/分で連続包装を行い、シール部へのシリカゲルの巻き込みのない、シール強度12N/15mm巾の良好な包装体を得た。
【0072】
[比較例1]
なお、実施例1で用いた微多孔性フィルム単体、微多孔性フィルムとポリエチレン不織布との二層積層材料、およびフラッシュ紡糸不織布「タイペック」〔旭・デュポン・フラッボンドプロダクツ(株)製〕:目付46g/m2 を比較のために用いたが、エッジ切れを起こし製袋できず、また、シールバーが汚れた。
【0073】
[実施例3]
第2実施形態の熱ラミネート装置2を用いて包装用積層材料25を製造した。通気性耐熱繊維素材21とポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布22の積層シート20として出光ユニテック社製「ストラマイティME1045(目付45g/m2)」、微多孔性シート23としてトクヤマ社製無機フィラー含有延伸
ポリエチレンフィルム「ポーラムPU35(厚み35μm)、及び、通気性素材24として前述の出光ユニテック社製「ストラマイティME1045」を用いた。
【0074】
また、ME1045(PETスパンボンド/LLDPEスパンボンド)の多層不織布においてLLDPEスパンボンドを微多孔性シート23の接着面にくるように繰出して熱ラミネートを行い、包装用積層材料25を得た。
成形条件は、フラットロール6、16を用い、フラットロール6のロール温度:140℃、フラットロール16のロール温度:115℃、加工速度25m/min、線圧25kg/cmとした。
【0075】
[実施例4]
通気性素材24として積水化学工業社製ポリオレフィン系フラットヤーン2軸熱融着タイプ積層不織布「ソフHM55(目付32g/m2)」を用いる以外は、実施例3と同一条件である。
さらに、実施例3,4について、各種評価を行った。評価方法は以下の通りであり、評価結果は、表1の通りである。
【評価方法】
(1)引張強度:JIS L 1906に準拠
(2)透湿度 :JIS Z 0208カップ法に準拠
(3)耐水圧 :JIS L 1092高水圧法に準拠
(4)透気度 :JIS L 1096カーレ法に準拠
(5)シール強度
1)シール構成:評価サンプルとドライラミネートフィルム(ONy15μm/LL5 0μm)とシールした。(ここで、ONYとは,延伸ナイロンの略であり, LLとは,LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の略である。
2)ドライラミネート品のLL面とのヒートシールを実施。
3)MD、TD方向を測定。(ここで,MD方向とは,フィルムの移動方向であり,TD方向とは,MD方向に,垂直の方向である。)
測定条件 :ヒートシールは熱傾斜試験機を使用、圧力4kgf、時間1s ec、シール強度は引張り試験機を用い、引張速度200m/minで測定。
【0076】
【表1】
Figure 0004482241
【0077】
通気性素材をもう1層熱ラミネートで積層させることにより、透湿性、耐水圧、透気度をそこなうことなく、シール強度を向上させることができた。
【0078】
【発明の効果】
本発明の包装用積層材料は、通気性、透湿性、微粉体バリア性を有するとともに、シール性にすぐれ、脱酸素剤、吸湿剤などの各種機能性物品の包装に適する。また、積層に接着剤を用いないため、製造工程が容易で、通気性、透湿性の低下、臭いなどかなく、幅広い機能性物品の包装に適用できる。したがって、確実なシール性が要求される食品分野に用いられる機能性物品の漏洩による食品の汚染の問題がなく、安全性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の熱ラミネート装置を示す図である。
【図2】図1の実施形態における包装用積層材料の断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の熱ラミネート装置を示す図である。
【図4】図3の実施形態における包装用積層材料の断面図である。
【符号の説明】
1、2 熱ラミネート装置
4、5、9 供給ロール
6、16 フラットロール
7 エンボスロール
8 巻き取りロール
10、20 積層シート
11、21 通気性耐熱繊維素材
12、22 ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布
13、23 微多孔性シート
14、25 包装用積層材料
24 通気性素材

Claims (10)

  1. 150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層および微多孔性フィルムがこの順に熱接着により積層された包装用積層材料により形成され、前記通気性耐熱繊維素材層を最外層とする包装体
  2. 通気性耐熱繊維素材層が150〜300℃の融点を有する樹脂スパンボンド不織布からなる請求項1に記載の包装体
  3. ポリエチレン系樹脂が、密度880〜950kg/m3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項1または2に記載の包装体
  4. 150℃以上の耐熱性を有する通気性耐熱繊維素材層、ポリエチレン系樹脂スパンボンド不織布層、微多孔性フィルムおよび通気性素材がこの順に熱接着により積層された包装用積層材料により形成され、前記通気性耐熱繊維素材層を最外層とする包装体
  5. 通気性耐熱繊維素材層が150〜300℃の融点を有する樹脂スパンボンド不織布からなる請求項4に記載の包装体
  6. ポリエチレン系樹脂が、密度880〜950kg/m3 であるエチレン−α−オレフィン共重合体である請求項4または5に記載の包装体
  7. 通気性素材が、不織布である請求項4〜6に記載の包装体
  8. 不織布が、スパンボンド不織布または、割繊維不織布である請求項7に記載の包装体
  9. 微多孔性フィルムがポリエチレン系樹脂である請求項1〜8のいずれかに記載の包装体
  10. 酸素剤、乾燥剤、吸湿剤、脱臭剤、発熱剤、防虫剤、除湿剤または芳香剤の包装体として用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の包装体
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