JP3110630B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂発泡体Info
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Description
発泡体に関する。更に詳しくは、本発明は、家電、精密
機器、食品包装等の緩衝包装材、自動車内装材、断熱
材、結露防止材等の使用に有用な熱成形可能なポリオレ
フィン系樹脂発泡体に関する。
に、家電、精密機器、食品包装等の緩衝包装材、自動車
内装材、断熱材、結露防止材等の用途に使用される材料
としては、優れた柔軟性、機械的強度、耐薬品性からポ
リオレフィン系樹脂発泡体が必要とされている。低密度
ポリエチレン発泡体は、樹脂自身の融点の低さから特に
柔軟性、伸びなどの物性に優れ多くの分野に使用されて
いる。しかしながら、耐熱温度の低さから高温物質との
接触を受ける用途や熱成形用途には不向きである。
良したものが架橋ポリエチレン発泡体であり、架橋構造
を有していることから耐熱性に優れている。架橋方法し
ては、化学架橋剤を用いる方法、電離放射線等を用いる
方法、ポリエチレン系樹脂にシラン化合物をグラフト重
合することによりシラン変性ポリエチレン系樹脂を製造
し、この樹脂をシラノール触媒と水の存在下で架橋を行
ういわゆる水架橋方法等が知られている。しかしなが
ら、どの架橋方法も極めて複雑な工程を必要とし、また
設備が高価であり、工業的に非常に不利である。
は共に強度面から重量物の緩衝材、梱包材には不向きな
場合が多い。また架橋処理を施しても耐熱温度は120
℃程度であり、それ以上の耐熱性と緩衝性を合わせ備え
た発泡体は従来報告されていない。一方、ポリプロピレ
ン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂より耐熱性、強度面で
優れている。しかし、ポリプロピレン系樹脂は、結晶融
点以上では、溶融粘度が極めて低く、発泡した気泡を保
持できないので、破泡し易い。そのため、従来のポリプ
ロピレン系発泡体は、連続気泡率の高いシートしか得る
ことができず、独立気泡を有する良好な機械的特性及び
耐熱性に優れた発泡体を得ることが困難であった。即
ち、従来のポリプロピレン系樹脂発泡体は、密度が0.
5g/cm3 以上の低発泡品か、或いは密度が0.03
g/cm3 以下の高発泡品しか得られていなかった。
ポリプロピレン系樹脂に分解型又は反応型発泡剤を添加
し、成形押出装置に供給して製造されている。また密度
0.03g/cm3 以下のミクロセルラー構造の高発泡
体は、例えば特公昭46−41474号に示されてい
る。即ち、結晶性ポリプロピレン系樹脂を塩化メチレ
ン、フルオロトリクロロメタン、パーフルオロシクロブ
タン等の活性化液に溶解する。得られた溶液を該溶液の
蒸気圧よりも高いが1000PSiよりも高くない区域
から実質的に低い圧力区域に押出すことにより、活性化
液を蒸発させて固体重合体を沈殿させる。その後重合体
の配向を凍結する温度まで冷却して、押出すことにより
製造されている。
0.3g/cm3 前後のものも見られるが、それらは連
続気泡であって、独立気泡ではなく、良好な機械的特性
を有する発泡体とは言い難かった。従って、ポリプロピ
レン系樹脂をポリスチレン系樹脂のように押出発泡成形
するには、押出発泡が可能な温度領域を広げ、融点以上
の温度領域で溶融粘弾性を高くする必要がある。そのた
めポリプロピレン系樹脂の分子量を増やすことや他のオ
レフィンとの共重合樹脂化が試みられている。しかしな
がら、これらの手段による樹脂の改質は、非発泡シート
の押出加工性、非発泡シートの熱成形性、成形品物性の
改良には良好な結果を与えたが、押出発泡に適した溶融
粘弾性を与えるには至らなかった。
を特殊なものとしている原因の一つが、ポリプロピレン
系樹脂が極めて直鎖状の高分子であることが考えられ
る。従って、樹脂を架橋することによって解決しようと
する試みもなされている。この試みによれば、若干の発
泡性の向上は見られたものの、ポリプロピレン系樹脂は
架橋と分解が同時に進行するという特性を有するので、
期待される効果を得ることは極めて困難であった。
とも2.0×106 でMz/Mwが少なくとも3.0で
あり、かつゲルパーミエイションクロマトグラフによる
分子量分布カーブが高分子領域に分岐ポリマー含むこと
を示すカーブの張り出しがある形状のキャメル型のポリ
プロピレン系樹脂を使用することにより、密度0.02
5〜0.5g/cm3 の発泡体が、ポリスチレン系樹脂
のような安価な押出成形方法によって得られることが報
告されている( 特開平1−92460号)。この方法に
よって得られた発泡体は、独立気泡率に富み耐熱性、断
熱性、機械的特性に優れた発泡体であるが、弾力性に欠
け、高度な緩衝性能の要求される分野には使用できなか
った。
方法として、エチレン含有量が1〜10モル%のエチレ
ン−プロピレン共重合体と、低・中・高密度ポリエチレ
ン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−エチルアクリレート、エチレン−1−ブテン共重
合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、不飽和カルボ
ン酸及びその誘導体等の極性基を有する変成ポリオレフ
ィン、1:2型ポリブタジエン、直鎖状低密度ポリエチ
レンから選ばれた少なくとも1種の弾性改質重合体を混
合する方法(特公昭62−22787号)、0.1〜1
5重量%のエチレン単位を含有するプロピレンランダム
共重合体100〜20重量部、0.1〜15重量%のエ
チレン単位を含有するプロピレンブロック共重合体0〜
80重量部を配合したポリピロピレン系樹脂90〜40
重量部に対し、密度0.910g/cm3 以下の超低密
度エチレン系コポリマー10〜60重量部を混合する方
法(特開平3−109444号)、メルトフローレート
を調整したホモポリプロピレン10〜90重量%と線状
低密度ポリエチレン90〜10重量%を混合する方法
(特開平4−59840号)などが報告されている。
チレン系樹脂を混合し弾力性を付与するこが知られてい
るものの、ポリエチレン系樹脂の混合によって、気泡の
粗化,連続気泡率の上昇、押出直後の収縮量増加などが
生じ、発泡性が阻害されるという問題があった。そこで
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、安価な方法で、
ポリプロピレン系樹脂の発泡性を維持し、耐熱性が高
く、高度な緩衝性能を有するポリオレフィン系樹脂発泡
体を見いだし本発明に至った。
ば、Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×106 以上
でMz/Mw(重量平均分子量)が少なくとも3.0以
上であり、かつ高分子領域に分岐ポリマーを含むことを
示すカーブの張り出しがあるキャメル型の分子量分布カ
ーブ(ゲルパーミエイションクロマトグラフによる)を
有するポリプロピレン系樹脂60〜95重量%と、Mz
/Mwが10以下である1種以上のポリエチレン系樹脂
40〜5重量%とからなる混合物を基材樹脂とすること
を特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体が提供され
る。
が少なくとも2.0×106 以上でMz/Mw(重量平
均分子量)が3.0以上であり、かつ高分子領域に分岐
ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しがあるキャ
メル型の分子量分布カーブ(ゲルパーミエイションクロ
マトグラフによる)を有するポリプロピレン系樹脂60
〜95重量%と、結晶化時の発熱量が110mJ/mg
以下である1種以上のポリエチレン系樹脂40〜5重量
%とからなる混合物を基材樹脂とすることを特徴とする
ポリオレフィン系樹脂発泡体が提供される。
ルパーミエイションクロマトグラフ(以下GPCと称す
る)による測定により、最も高分子量側の分布が強調さ
れる平均分子量であり、分子量の3乗の平均値を意味す
る。また、重量平均分子量Mwは、GPCによる測定に
より、測定される物性値がポリマーの重量に直接関係す
るときに求められる平均分子量であって、分子量の2乗
の平均値を意味する。
次の通りである。 測定装置:GPC 150−C型(Water社製) 測定条件:カラム KF−80M(SHODEX社製)
を2本 カラム温度 145℃(ポリプロピレン系樹脂、以下P
P)、135℃(ポリエチレン系樹脂、以下PE) 注入温度 145℃(PP)、135℃(PE) ポンプ温度 60℃(PP)、55℃(PE) 感度 32(PP)、64(PE) 使用溶剤 o−ジクロロベンゼン(1.0ml/分) 走査時間 50分(PP)、42分(PE) 注入容積 400μl(PP)、200μl(PE) 本発明に使用できるポリプロピレン系樹脂は、上記定義
によって規定され、Mzが少なくとも2.0×106 以
上でMz/Mwが3.0以上であり、かつ高分子領域に
分岐ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しがある
キャメル型の分子量分布カーブを有するポリプロピレン
系樹脂である。Mzが2.0×106 未満又はMz/M
wが3.0未満の場合は、いずれも発泡時において十分
な溶融張力が得られず、所望の密度の発泡体を得ること
ができない。
系樹脂は、キャメル型の分子量分布カーブを有している
が、キャメル型の分子量分布カーブとは、例えば図1に
示す如き高分子量領域にラクダの背のように張出を有す
る形状の分子量分布カーブを意味する。分子量分布カー
ブは、高分子量の領域のある成分が多くの分岐を有して
いることを示している。なお、図1中、カーブAは本発
明に使用できるキャメル型ポリプロピレン系樹脂を示
し、カーブBは発泡時において十分な溶融張力を得るこ
とができないポリプロピレン系樹脂を示している。
ン系樹脂は、具体的にはハイモント社製X−1000
5、PF−814、SD−632、X11277−22
−1等が挙げられる。本発明の発泡体を得るために有効
なポリエチレン系樹脂はMz/Mw比が10以下及び/
又は結晶化時の発熱量が110mJ/mg以下のポリエ
チレン系樹脂である。
は、次の通りである。 測定装置:DSC 200型(セイコー社製) 測定条件:昇降温速度 10℃/分 測定温度範囲 −40℃→220℃→−40℃→220
℃を繰り返した。
ポリプロピレン系樹脂と混合した場合に、連続気泡率が
高くなる、気泡が粗くなる、押出直後の収縮が大きくな
るなどの現象を生じ、良好な発泡体が得られなくなる。
この原因は明らかではないが、分子量分布が広くなるに
従って不均一ないわゆる海−島構造となり、結果として
前記の如き現象を引き起こすものと考えられる。
gより大きい場合においても、気泡が粗くなる、連続気
泡率が高くなるなどの現象を生じ、同様に良好な発泡体
が得られなくなる。これは結晶化時の発熱が発泡セル成
長時における気泡膜の固化を妨げる結果となり、前記の
ごとき現象を引き起こしたと考えられる。上記条件を満
たすポリエチレン系樹脂は、具体的にはHE−30(三
菱油化社製)、VL−100(住友化学社製)等が挙げ
られる。
合樹脂を使用した場合には、その内の1種のポリエチレ
ン系樹脂の結晶化熱量が、110mJ/mgを越える場
合であっても、樹脂の混合比率を調節することにより混
合樹脂の結晶化熱量が全体として110mJ/mg以下
にすれば、発泡性になんら支障をきたさない。なお、ポ
リエチレン系樹脂を2種以上混合した場合、発泡体を使
用する用途に要求される機能(機械的強度、伸び、弾力
性等)を、使用するポリエチレン系樹脂により幅広くコ
ントロールすることができる。
熱量が全体として110mJ/mgより大きい樹脂のう
ち、本発明に使用できるポリエチレン系樹脂は、具体的
にはNUCG−0851(日本ユニカー社製)、UE−
320(三菱油化社製)等が挙げられる。本発明の基材
樹脂中の各樹脂の混合割合は、ポリプロピレン系樹脂が
60〜95重量%、ポリエチレン系樹脂が40〜5重量
%である。ポリプロピレン系樹脂が60重量%未満及び
ポリエチレン系樹脂が40重量%より多い場合、耐熱性
が低下するので好ましくない。一方、ポリプロピレン系
樹脂が95重量%より多く及びポリエチレン系樹脂が5
重量%未満の場合、弾力性が向上しないので好ましくな
い。
ない範囲で、他の樹脂を添加してもよい。添加すること
ができる樹脂としては、エチレン・プロピレンランダム
共重合樹脂、エチレン・プロピレンブロック共重合樹
脂、エチレン・ブテン・プロピレン共重合樹脂、アイオ
ノマー、エチレン・プロピレンゴム等が挙げられる。本
発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、密度0.025
〜0.5g/cm3、連続気泡率が80%以下、引張弾
性率10MPa以下の独立気泡を有する良好な機械的特
性及び耐熱性に優れた発泡体を提供することができる。
体を、押出し発泡成形を利用して製造する方法について
説明する。まず、所定の混合割合のポリプロピレン系樹
脂及びポリエチレン系樹脂からなる基材樹脂を、発泡押
出機に供給する。発泡押出機は、当該分野で一般に使用
されている装置をいずれも使用することができる。
発泡剤は、特に限定されず、分解性発泡剤、気体又は揮
発性の発泡剤をいずれも使用することができる。なお、
本発明で使用される基材樹脂は、成型時において、従来
の基材樹脂より溶融粘度が高いので、気体又は揮発性の
発泡剤を使用しても十分な特性を有する発泡体を製造す
ることができる。
モニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜
硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジ
ド、ホウ水素ナトリウム等の無機系分解性発泡剤、アゾ
ジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビ
スイソブチロニトリル及びジアゾアミノベンゼン等のア
ゾ化合物、N,N′−ジニトロソペンタンメチレンテト
ラミン及びN,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソ
テレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド及
びp,p′−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバ
ジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒ
ドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート
等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独でも組み合わ
せてもよい。また、分解性発泡剤の添加割合は、基材樹
脂100重量部に対して、0.1〜5重量部とすること
が好ましい。更に、分解温度、発生ガス量及び分解速度
を調節するために、公知の発泡助剤を添加することもで
きる。
ン、ネオペンタン、メチルエーテル、二塩化二フッ化メ
タン、ブタン等が挙げられる。なお、ここで気体とは、
常温で気体であることを意味する。一方、揮発性の発泡
剤としては、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペン
タン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタ
ン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。揮発性発泡剤
の添加割合は、基材樹脂100重量部に対して、0.5
〜20重量部とすることが好ましい。
い。更に、気泡調節剤を添加してもよい。気泡調節剤と
しては、タルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボン酸
の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸
ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調節剤
は、基材樹脂100重量部に対して、0.01〜1.0
重量部とすることが好ましい。更に、必要に応じて紫外
線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等も添加することができ
る。
体は、家電、精密機器、食品包装等の緩衝包装材、自動
車内装材、断熱材、結露防止材等の用途に使用すること
ができる。
くともMzが2.0×106 以上でMz/Mwが3.0
以上であり、かつ高分子領域に分岐ポリマーを含むこと
を示すカーブの張り出しがあるキャメル型の分子量分布
カーブを有するポリプロピレン系樹脂60〜95重量%
と、Mz/Mwが10以下である1種以上のポリエチレ
ン系樹脂40〜5重量%との混合樹脂を基材樹脂とする
ことを特徴とするので、ポリプロピレン系樹脂の発泡性
を維持し、耐熱性が高く、高度な緩衝性能を有する発泡
体が得られる。
なり、該樹脂が全体として110mJ/mg以下(示差
走査熱量測定による)の結晶化時の発熱量を有すること
により、微細な気泡の発泡体が得られ、かつ、発泡体を
使用する用途に応じて、発泡体の特性(機械的強度、伸
び、弾力性等)が制御される。また、ポリオレフィン系
樹脂発泡体が、Mzが少なくとも2.0×106 以上で
Mz/Mwが3.0以上であり、かつ高分子領域に分岐
ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しがあるキャ
メル型の分子量分布カーブを有するポリプロピレン系樹
脂60〜95重量%と、結晶化時の発熱量が110mJ
/mg以下である1種以上のポリエチレン系樹脂40〜
5重量%との混合樹脂を基材樹脂とすることにより、ポ
リプロピレン系樹脂の発泡性を維持し、耐熱性が高く、
高度な緩衝性能を有する発泡体が得られる。
する。 実施例1〜5、比較例1〜4 本実施例及び比較例に使用したポリプロピレン系樹脂
(樹脂A)及びポリエチレン樹脂(樹脂B〜F)の各物
性値を表1に示した。
の如き工程で発泡体を製造した。まず、基材樹脂を一定
量の気泡調整剤と共に混合し、その混合物を口径φ90
−φ115mmの発泡押出機に供給した。第1押出機の
中央ゾーンで発泡剤としてブタンを注入した。第1押出
機で溶融混練された後、樹脂は第2押出機に運ばれ、最
も発泡に適する温度に保たれた口径φ90mm金型に注
入された。次いで、ダイギャップ0.5mmのスリット
から押し出され、管状発泡体とした。更に、外径380
mmのサイジングドラムに添わせて引き取られ円周上の
一点でカッターにより切開され、シート状の発泡体を得
た。得られた発泡体の特性を発泡条件(発泡剤量、気泡
調節剤量及び発泡温度)と併せて表2に示した。
施した。 ・表面状態の評価…押出直後において発泡体表面にし
わ,荒れ,気泡ヤブレ等の現象を生じない場合を○と
し、現象を生ずる場合を×とした。 ・気泡径…三方向の気泡径を平均し、ポリプロピレン系
樹脂100%の比較例1で得られた発泡シートの気泡径
以下の場合を○とし、それより大きい場合を×とした。
脂100%の比較例1で得られた発泡シートの連続気泡
率と同じかそれ以下の場合を○とし、それより大きい場
合を×とした。また連続気泡率は次の方法で測定した値
である。 測定装置:エアーピクノメータ(東芝ベックマン製,型
式−930) 計算方法:連続気泡率(%)=(見掛け体積−測定値)
×100/見掛け体積 ・弾力性の付与については、それぞれ得られた発泡体を
常温にて引張試験を実施し、得られた弾性率について、
ポリプロピレン系樹脂100%の比較例1で得られた発
泡シートの弾性率との優位差が見られる10MPa以下
の場合を○とし、10MPaより大きい場合を×とし
た。また、引張試験はテンシロンUCT-10T(オリエンテ
ック社製)を用い、JIS K-6301に準じて実施した。
が110mJ/mgより大きいポリエチレン樹脂を混合
した場合、気泡が粗大な発泡体しか得られず、その結果
弾性力に乏しいものとなる(比較例3及び4)。しか
し、2種のポリエチレン樹脂を混合することによってポ
リエチレン樹脂混合物の結晶化熱量が110mJ/mg
以下であれば、その内の1種の結晶化熱量が110mJ
/mgを越える場合でも良好な発泡体を与えることが分
かる(実施例4及び5)。
0より大きい場合には、特に混合不良の如き、表面の荒
れを生じ、美麗な発泡体は得られないことが分かる(比
較例2)。
は、Mzが少なくとも2.0×106 以上でMz/Mw
が3.0以上であり、かつ高分子領域に分岐ポリマーを
含むことを示すカーブの張り出しがあるキャメル型の分
子量分布カーブを有するポリプロピレン系樹脂60〜9
5重量%と、Mz/Mwが10以下である1種以上のポ
リエチレン系樹脂40〜5重量%との混合樹脂を基材樹
脂とすることを特徴とするので、ポリプロピレン系樹脂
の発泡性を維持し、耐熱性が高く、高度な緩衝性能を有
する発泡体を得ることができる。
ン系樹脂の発泡性を阻害しないポリエチレン系樹脂を選
択することにより、ポリプロピレン系樹脂に不足してい
る弾力性を与え、なおかつその発泡性、外観に悪影響を
及ぼさず、また一般的な製造設備にて安価に製造するこ
とができるという相乗効果を有し、非常に有用である。
なり、該樹脂が全体として110mJ/mg以下(示差
走査熱量測定による)の結晶化時の発熱量を有すること
により、微細な気泡の発泡体を得ることができ、かつ、
発泡体を使用する用途に応じて、発泡体の特性(機械的
強度、伸び、弾力性等)が制御できる。また、ポリオレ
フィン系樹脂発泡体が、Mzが少なくとも2.0×10
6 以上でMz/Mwが3.0以上であり、かつ高分子領
域に分岐ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しが
あるキャメル型の分子量分布カーブを有するポリプロピ
レン系樹脂60〜95重量%と、結晶化時の発熱量が1
10mJ/mg以下である1種以上のポリエチレン系樹
脂40〜5重量%との混合樹脂を基材樹脂とすることに
より、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を維持し、耐熱性
が高く、高度な緩衝性能を有する発泡体を得ることがで
きる。
プロピレン系樹脂の分子量分布曲線を示すグラフであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×
106 以上でMz/Mw(重量平均分子量)が3.0以
上であり、かつ高分子領域に分岐ポリマーを含むことを
示すカーブの張り出しがあるキャメル型の分子量分布カ
ーブ(ゲルパーミエイションクロマトグラフによる)を
有するポリプロピレン系樹脂60〜95重量%と、Mz
/Mwが10以下である1種以上のポリエチレン系樹脂
40〜5重量%とからなる混合物を基材樹脂とすること
を特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体。 - 【請求項2】 ポリエチレン系樹脂が1種以上からな
り、該樹脂が全体として110mJ/mg以下(示差走
査熱量測定による)の結晶化時の発熱量を有する請求項
1記載の発泡体。 - 【請求項3】 Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×
106 以上でMz/Mw(重量平均分子量)が3.0以
上であり、かつ高分子領域に分岐ポリマーを含むことを
示すカーブの張り出しがあるキャメル型の分子量分布カ
ーブ(ゲルパーミエイションクロマトグラフによる)を
有するポリプロピレン系樹脂60〜95重量%と、結晶
化時の発熱量が110mJ/mg以下である1種以上の
ポリエチレン系樹脂40〜5重量%とからなる混合物を
基材樹脂とすることを特徴とするポリオレフィン系樹脂
発泡体。
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---|---|---|---|
JP06260676A JP3110630B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | ポリオレフィン系樹脂発泡体 |
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JP06260676A JP3110630B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | ポリオレフィン系樹脂発泡体 |
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JP7316957B2 (ja) * | 2020-02-21 | 2023-07-28 | 積水化成品工業株式会社 | ポリエチレン系樹脂発泡シート |
-
1994
- 1994-10-25 JP JP06260676A patent/JP3110630B2/ja not_active Expired - Fee Related
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