JP7316957B2 - ポリエチレン系樹脂発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂発泡シートに関する。
一般的なプラスチックは、石油・ナフサなどの化石燃料を出発材として製造されており、例えば、ポリエチレン系樹脂は、ナフサの分解ガスであるエチレンを重合することで製造されている。
従来、ポリエチレン系樹脂発泡シートは、緩衝材などをはじめとして多岐にわたる分野で利用されているが、このようなポリエチレン系樹脂発泡シートを構成するポリエチレン系樹脂組成物も、一般的には化石燃料由来のポリエチレン系樹脂が主成分となっている。
ところで、近年においては環境への配慮からカーボンニュートラルな製品づくりが要望されるようになってきており、化石燃料の消費を抑制することが求められている。
このような背景から、近年、化石燃料由来のエチレンに代えて植物などの天然素材を出発材としたエチレンからポリエチレン系樹脂を作製することが行われている。
この点に関し、下記特許文献1には、押出発泡シートを作製するのに天然由来のポリエチレン系樹脂を利用することが開示されている。
より詳しくは、下記文献1の実施例においては植物由来の高密度ポリエチレン(PE-HD)や直鎖低密度ポリエチレン(PE-LLD)を含むポリエチレン系樹脂組成物を用いてポリエチレン系樹脂発泡シートを作製することが開示されている。
特開2013-60528号公報
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(PE-HD)や直鎖低密度ポリエチレン(PE-LLD)などといった中低圧法で作製されるものの他に高圧法で作製される低密度ポリエチレン(PE-LD)が知られている。
ポリエチレン系樹脂発泡シートは、機械的な特性に大きく影響を与える独立気泡率や発泡倍率などが製造条件などによって左右され、用いる原料樹脂によっても左右される。
その一方で、天然由来のポリエチレン系樹脂として低密度ポリエチレン(PE-LD)を用いてポリエチレン系樹脂発泡シートを作製することについては十分な検討がなされていない。
即ち、石油由来の低密度ポリエチレン(PE-LD)を用いる場合と同様に良好な特性を有するポリエチレン系樹脂発泡シートを植物由来の低密度ポリエチレン(PE-LD)を用いて得ることについて十分な検討がなされていない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、天然由来の低密度ポリエチレン(PE-LD)を含有しつつ良好な特性を有するポリエチレン系樹脂発泡シートを提供することを課題としている。
本発明は上記課題を解決するために、
ポリエチレン系樹脂組成物で構成された発泡層を有するポリエチレン系樹脂発泡シートであって、
前記発泡層を構成している前記ポリエチレン系樹脂組成物は、天然由来のエチレンを構成単位に含む低密度ポリエチレン(PE-LD)を含み、含有する全ての樹脂に占める前記低密度ポリエチレン(PE-LD)の割合が3質量%以上100質量%以下で、且つ、ゲル分率が4%以下であり、
前記低密度ポリエチレン(PE-LD)が、
(1)密度が910kg/m以上929kg/m以下、
(2)質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.5以上7.0以下、
(3)メルトマスフローレイト(MFR)が0.1g/10min以上1.0g/10min以下、
(4)ASTM D 6866(2004)によって測定されるバイオマス度が3%以上、
の4つの要件全てを満たすポリエチレン系樹脂発泡シートを提供する。
本発明によれば天然由来の低密度ポリエチレン(PE-LD)を含有しつつ良好な特性を有するポリエチレン系樹脂発泡シートを得ることができる。
一実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートの構造を示した概略断面図。 他の実施形態に係るポリエチレン系樹脂発泡シートを示した概略断面図。 他の実施形態に係るポリエチレン系樹脂発泡シートを示した概略断面図。
本発明の一実施の形態について説明する。
以下においては、天然由来の低密度ポリエチレン(PE-LD)として所定の植物由来の低密度ポリエチレン(PE-LD)を用いる場合を例にして本発明の実施の形態について説明する。
尚、以下においては、ポリマーの構成単位となるエチレンに天然由来のエチレンを含むポリエチレン系樹脂と実質的に化石燃料由来のエチレンのみを含有するポリエチレン系樹脂とを区別するために、前者については「天然由来ポリエチレン系樹脂(bio-PE)」や「天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)」などと称し、後者については「化石由来ポリエチレン系樹脂(npt-PE)」や「化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)」などと称する。
高密度ポリエチレン(PE-HD)や直鎖低密度ポリエチレン(PE-LLD)についても区別する際は、上記に準じて呼び分ける。
天然由来の低密度ポリエチレン(PE-LD)としては、いわゆるバイオLDPE等、植物由来の低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)でもよい。
植物由来の低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)は、サトウキビ、トウモロコシ等の植物原料を由来とするポリマーである。「植物原料を由来とする」とは、植物原料から合成され又は抽出されたポリマーが挙げられる。
また、例えば、「植物原料を由来とする」とは、植物原料から合成され又は抽出されたモノマーが重合されたポリマーが挙げられる。
「植物原料から合成され又は抽出されたモノマー」には、植物原料から合成され又は抽出された化合物を原料とし合成されたモノマーが含まれる。
植物由来の低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)は、モノマーの一部が「植物原料を由来とする」ものを含む。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、図1に示すように、押出発泡法によって作製される単一の発泡層10のみを有する単層構造の押出発泡シートである。
ここでは、このような押出発泡シートを例示するが、本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートは、図2に示すように発泡層10の片面に非発泡層20を有する押出発泡シートであってもよく、図3に示すように発泡層10の両面に非発泡層20を有する押出発泡シートであってもよく、必ずしも押出発泡シートでなくてもよい。
本実施形態における前記発泡層10は、見掛け密度が10kg/m以上であることが好ましい。
該見掛け密度は、15kg/m以上であることがより好ましい。
前記発泡層10の見掛け密度は、100kg/m以下であることが好ましい。
該見掛け密度は、80kg/m以下であることがより好ましく、60kg/m以下であることがさらに好ましい。
前記発泡層10は、通常、厚さが1mm以上8mm以下とされ、坪量が15g/m以上200g/m以下となるように形成される。
前記発泡層10の見掛け密度は、以下のようにして求めることができる。
[見掛け密度の測定法]
発泡層10の見掛け密度は、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム-見掛け密度の求め方」記載の方法で測定することができる。
具体的には、見掛け上の体積が100cm以上の試験片を用意し、その質量を測定する。
尚、ポリエチレン系樹脂発泡シートから試験片を切り出す際には、できるだけ元のセル構造を変えないようにする。
また、100cm以上の試験片が用意できない場合は、できるだけ大きな体積の試験片を用意する。
そして、見掛け密度は、次式によって算出する。

見掛け密度(kg/m)=試験片質量(g)/試験片体積(mm)×10

尚、試験片は、原則的にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した後、72時間以上経過した後に採取し、温度23±2℃、相対湿度50±10%の雰囲気条件で16時間以上放置して状態調節を行った後に同様の条件下で質量及び体積を測定する。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、天然由来のエチレンを構成単位に含む天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)が前記発泡層10を構成するポリエチレン系樹脂組成物に含まれている。
該ポリエチレン系樹脂組成物は、含まれる全ての樹脂に占める前記天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の割合が3質量%以上100質量%以下となっている。
ポリエチレン系樹脂組成物に含まれる全ての樹脂に占める前記天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の割合は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、25質量%以上であることが特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂組成物に含まれる全ての樹脂に占める前記天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の割合は、30質量%以上であってもよく、35質量%以上であってもよい。
本実施の形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1で前記発泡層10を構成している前記ポリエチレン系樹脂組成物は、ASTM D 6866(2004)により測定されるバイオマス度が3%以上であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂組成物のバイオマス度は、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましく、15%以上であることがさらに好ましく、20%以上であることが特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂組成物のバイオマス度は、25%以上であってもよく、30%以上であってもよい。
ポリエチレン系樹脂組成物のバイオマス度は、通常、100%未満である。
前記天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)は、適度な結晶性を有していることが好ましい。
本実施形態では、密度が910kg/m以上929kg/m以下の前記天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)をポリエチレン系樹脂組成物に含有させる。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の密度は、916kg/m以上であることが好ましく、920kg/m以上であることがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の密度は、927kg/m以下上であることが好ましく、926kg/m以下であることがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の密度は、JIS K7112:1999「プラスチック-非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」のD法(密度こうばい管法)によって求めることができる。
尚、他の天然由来ポリエチレン系樹脂(bio-PE)や化石由来ポリエチレン系樹脂(npt-PE)の密度も上記の方法にて求めることができる。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、前記発泡層10を構成している前記ポリエチレン系樹脂組成物のゲル分率が4質量%以下である。
ゲル分率の測定においてゲルとして観測されるような高分子量物質が発泡層中に多く存在すると、該高分子量物質を起点とした破泡が生じ易くなり、ポリエチレン系樹脂発泡シート1を押出発泡法によって作製したり、該ポリエチレン系樹脂発泡シート1を熱成形などによって2次加工したりする際に独立気泡率を低下させ易くなる。
また、ゲルの存在は、ポリエチレン系樹脂発泡シート1をマテリアルリサイクルして新たな成形物の原材料としたときに当該成形物の外観や機械的特性に悪影響を与える要因ともなり得る。
ポリエチレン系樹脂組成物のゲル分率は、3質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、実質的に0%であることが特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂組成物のゲル分率は、下記のような方法で求めることができる。
[ゲル含有量測定方法]
約1gの試料を用意し、該試料の初期質量(Mo)を精秤する。
ソックスレー抽出装置を用いて、試料をトルエン80mL中で5時間沸騰加熱する。
試料の沸騰加熱によって得られた溶液を冷めないうちに80メッシュ金網(線径φ0.12mm)でろ過し樹脂不溶物を該メッシュ金網上に採取する。
尚、ろ過に用いるメッシュ金網は、予め質量(Ms)を精秤しておく。
樹脂不溶物をメッシュ金網ごとドラフトチャンバー内で自然乾燥させトルエンを蒸発させる。
次いで、樹脂不溶物をメッシュ金網ごと恒温乾燥器を使って120℃の温度で2時間乾燥し、乾燥後はデシケーター内で放冷させる。
放冷後の樹脂不溶物とメッシュ金網との合計質量(Mx)を測定する。
この合計質量(Mx)からメッシュ金網の質量(Ms)を減じて樹脂不溶物の質量(M1=Mx-Ms)を算出する。
そして、ゲル分率(質量%)を次式で算出する。

ゲル分率(質量%)=樹脂不溶物質量(M1)/試料の初期質量(Mo)×100(%)
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、押出発泡シートであるため一定以上の溶融粘度を発揮するポリエチレン系樹脂組成物を用いる方が、良好な発泡状態の製品を得るための製造条件に幅を持たせることができるという点において有利となる。
低密度ポリエチレン(PE-LD)は、通常、高圧法で作製されるが、一般的なポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(PE-LD)以外にも高密度ポリエチレン(PE-HD)、直鎖低密度ポリエチレン(PE-LLD)などといった中低圧法で作製されるものが知られている。
中低圧法では、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒などによってエチレンの重合が行われ、エチレンのみを原料とすると分子構造中に殆ど分岐がない高密度ポリエチレン(PE-HD)が得られ、原料に1-ブテンや1-ヘキセンなどのα-オレフィンを少量加えることで直鎖低密度ポリエチレン(PE-LLD)が得られる。
このように高密度ポリエチレン(PE-HD)や直鎖低密度ポリエチレン(PE-LLD)は、分子構造中に分岐をもっていないか、持っていたとしても短鎖分岐が主体となるためポリエチレン系樹脂組成物に高い溶融粘度を発揮させるのに十分適しているとは言い難い。
一方で高圧法ではラジカル開始剤などを使って高温・高圧下での重合が行われるため、長鎖分岐(例えば、炭素数が6以上の長さの分岐)を持つ低密度ポリエチレン(PE-LD)が得られる。
本実施形態におけるポリエチレン系樹脂発泡シート1は、天然由来ポリエチレン系樹脂(bio-PE)の中でも天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)を含むため、押出発泡法などの簡便な方法によって作製可能である。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の長鎖分岐は、例えば、13C-NMRによって確認することができ、ヘキシル基以上の長さのアルキル基が存在することが確認できれば天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)に長鎖分岐が存在していると判断することができる。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)は、ヘプチル基以上の長さのアルキル基を有することが好ましく、オクチル基以上の長さのアルキル基を有することがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)は、所定の分子量分布を有することが好ましく、特に高分子量成分の影響が強く表れる質量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比率(Mw/Mn)が所定の値であることが好ましい。
本実施形態での前記比率(Mw/Mn)は、2.5以上7.0以下である。
前記比率(Mw/Mn)は、3.0以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましく、4.0以上であることがさらに好ましく、4.5以上であることが特に好ましい。
前記比率(Mw/Mn)は、6.5以下であることが好ましく、6.0以下であることがより好ましく、5.5以下であることがさらに好ましく、5.0以下が特に好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)は、さらに高分子量成分の影響が強く表れるZ平均分子量(Mz)の数平均分子量(Mn)に対する比率(Mz/Mn)が所定の値であることが好ましい。
本実施形態での前記比率(Mz/Mn)は、10以上30以下であることが好ましい。
前記比率(Mz/Mn)は、10.5以上であることが好ましく、11以上であることがより好ましく、11.5以上であることがさらに好ましく、12以上であることが特に好ましい。
前記比率(Mz/Mn)は、26以下であることが好ましく、22以下であることがより好ましく、19以下であることがさらに好ましく、16以下であることが特に好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の数平均分子量(Mn)は、2万以上であることが好ましく、3万以上であることがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の数平均分子量(Mn)は、6万以下であることが好ましく、5万以下であることがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の質量平均分子量(Mw)は、16万以上であることが好ましく、17万以上であることがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の質量平均分子量(Mw)は、30万以下であることが好ましく、25万以下であることがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のZ平均分子量(Mz)は、40万以上であることが好ましく、50万以上であることがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のZ平均分子量(Mz)は、120万以下であることが好ましく、80万以下であることがより好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、及び、Z平均分子量(Mz)のそれぞれは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン(PS)換算値の形で求められる。
尚、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)以外の天然由来ポリエチレン系樹脂(bio-PE)の分子量や化石由来ポリエチレン系樹脂(npt-PE)の数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、及び、Z平均分子量(Mz)についても下記の要領にて測定できる。
具体的には、これらの平均分子量は次のようにして測定することができる。
[平均分子量の測定方法]
約10mgの天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)を収容した焼結体フィルター(10μmポアサイズ)にO-ジクロロベンゼン6mLを加えて密閉し、高温GPC溶解専用装置(東ソー(株)製DF-8020)にて160℃で5時間加熱溶解させて焼結体フィルターから溶け出た溶液を測定試料とし、次の測定条件でクロマトグラフを用いて測定する。

・使用機器:TOSOH HLC-8121GPC/HT(高温GPC装置)
・カラム:東ソー(株)製 TSKgel GMHhr-H(S)HT(7.8mm I.D.×30cm)×2本
・試験数:2
(測定条件)
カラム温度:145℃、移動相:O-ジクロロベンゼン、流量:1.0mL/min、注入温度:145℃、検出器温度:145℃、測定時間=注入間隔:40min、注入量:300μL、検出器:RI(極性=マイナス)
(PS換算用検量線試料)
昭和電工(株)製 サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)用標準試料「STANDARD SM-105」および「STANDARD SH-75」
ポリエチレン系樹脂組成物に含まれる天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)は、メルトマスフローレイト(MFR)が0.1g/10min以上1.0g/10min以下である。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のMFRは、0.2g/10min以上であることが好ましく、0.3g/10min以上であることがより好ましく、0.4g/10min以上であることがさらに好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のMFRは、0.9g/10min以下であることが好ましく、0.8g/10min以下であることがより好ましく、0.7g/10min以下であることがさらに好ましく、0.6g/10min以下であることが特に好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のMFRは、JIS K7210:1999「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のB法に基づいて、温度190℃、公称荷重2.16kgの条件にて測定することができる。
より詳しくは、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のMFRは、下記条件にて求めることができる。
・試験数:3
・ピストン移動距離(インターバル):4mm
・予熱時間:5min
尚、他の天然由来ポリエチレン系樹脂(bio-PE)のMFRや化石由来ポリエチレン系樹脂(npt-PE)のMFRも上記の方法にて求めることができる。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1でのポリエチレン系樹脂組成物は、ASTM D 6866(2004)により測定されるバイオマス度が3%以上の天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)を含む。
該天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のバイオマス度は、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましく、20%以上であることが特に好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のバイオマス度は、25%以上であってもよく、30%以上であってもよく、40%以上であってもよい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のバイオマス度は、50%以上であってもよく、60%以上であってもよく、70%以上であってもよい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のバイオマス度は、通常、100%以下である。
前記天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)は、190℃の温度での溶融張力測定における破断点速度が3m/min以上30m/min以下であることが好ましく、破断点での溶融張力が5cN以上25cN以下であることが好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の破断点速度は、5m/min以上であることが好ましく、7m/min以上であることがより好ましく、8m/min以上であることがさらに好ましく、9m/min以上であることが特に好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の破断点速度は、27m/min以下であることが好ましく、24m/min以下であることがより好ましく、22m/min以下であることがさらに好ましく、20m/min以下であることが特に好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の破断点での溶融張力は、6cN以上であることが好ましく、7cN以上であることがより好ましく、8cN以上であることがさらに好ましく、9cN以上であることが特に好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の破断点での溶融張力は、24cN以下であることが好ましく、23cN以下であることがより好ましく、22cN以下であることがさらに好ましく、21cN以下であることが特に好ましい。
該溶融張力は、20cN以下であってもよく、19cN以下であってもよく、18cN以下であってもよい。
該溶融張力は、17cN以下であってもよく、16cN以下であってもよく、15N以下であってもよい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の破断点での溶融張力や破断点速度は、次のようにして求めることができる。
[溶融張力測定方法]
溶融張力は、ツインボアキャピラリーレオメーターRheologic5000T(イタリア チアスト社製)を用いて測定する。
即ち、試験温度(190℃)に加熱された径15mmのバレルに測定試料樹脂を充填後、5分間予熱したのち、上記測定装置のキャピラリーダイ(ダイ径2.095mm、ダイ長さ8mm、流入角度90度(コニカル))から溶融した天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)を紐状に押出し、この紐状物を上記キャピラリーダイの下方27cmに位置する張力検出のプーリーに通過させた後、巻取りロールを用いて巻き取り、且つ、その巻取り速度を紐状物が切断するまで徐々に増加させつつ巻き取って測定することができる。
破断点速度は、紐状物が切断した時点の巻取り速度として求められる。
破断点に近付くと溶融張力に極大値と極小値とが繰り返して現れる場合があるが、その場合、破断点での溶融張力とは、破断直前の極大値と極小値の平均として求められる。
尚、破断直前に極大値が1つのみしか現れない場合は、その極大値を破断点での溶融張力として求める。
紐状物の押出条件や巻き取り条件は、原則的に下記の通りとする。
・押出速度:0.0773mm/s(4.6mm/min)
・巻取速度:初速4mm/sからで12mm/s加速
尚、他の天然由来ポリエチレン系樹脂(bio-PE)や化石由来ポリエチレン系樹脂(npt-PE)の破断点での溶融張力や破断点速度も上記の方法にて求めることができる。
本実施形態でのポリエチレン系樹脂組成物は、前記の通り含有する全ての樹脂に占める前記天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の割合が5質量%以上100質量%以上となっている。
天然由来のエチレンを構成単位に含む天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)以外にポリエチレン系樹脂組成物に含まれ得るその他の樹脂としては、天然由来高密度ポリエチレン(bio-PE-HD)、天然由来直鎖低密度ポリエチレン(bio-PE-LLD)が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂組成物に含まれ得るその他の樹脂は、化石由来のエチレンを構成単位とした化石由来ポリエチレン系樹脂(npt-PE)であってもよい。
該化石由来ポリエチレン系樹脂(npt-PE)は、化石由来高密度ポリエチレン(npt-PE-HD)であっても、化石由来直鎖低密度ポリエチレン(npt-PE-LLD)であってもよく、化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)であってもよい。
化石由来のエチレンを構成単位とした化石由来ポリエチレン系樹脂(npt-PE)を含有させる場合、当該ポリエチレン系樹脂は、化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)であることが好ましい。
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)とともにポリエチレン系樹脂組成物に化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)を含有させる場合、化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)のMFRは、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のMFRに近い値を有することが好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)のMFRは、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のMFRの0.5倍以上であることが好ましく0.6倍以上であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)のMFRは、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)のMFRの2倍以下であることが好ましく、1.5倍以下であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)のMFRは、例えば、0.1g/10min以上1.0g/10min以下であってもよい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の数平均分子量(Mn)は、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の数平均分子量(Mn)に近い値を有することが好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の数平均分子量(Mn)は、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)の数平均分子量(Mn)と同様に、何れも2万以上であることが好ましく、3万以上であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の数平均分子量(Mn)は、6万以下であることが好ましく、5万以下であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の分子量分布は、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)よりも広いことが好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の質量平均分子量(Mw)は、20万以上であることが好ましく、25万以上であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の質量平均分子量(Mw)は、35万以下であることが好ましく30万以下であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)のZ平均分子量(Mz)は、70万以上であることが好ましく、80万以上であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)のZ平均分子量(Mz)は、130万以下であることが好ましく120万以下であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレンは、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)よりも破断点速度がある程度低く破断点での溶融張力がある程度高いことが好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の破断点速度は、2m/min以上であることが好ましく、3m/min以上であることがより好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の破断点速度は、9m/min以下であることが好ましく、8m/min以下であることがより好ましく、7m/min以下であることがさらに好ましく、6m/min以下であることが特に好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の破断点での溶融張力は、16cN以上であることが好ましく、17cN以上であることがより好ましく、18cN以上であることがさらに好ましく、19cN以上であることが特に好ましい。
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)の破断点での溶融張力は、25cN以下であることが好ましく、24cN以下であることがより好ましく、23cN以下であることがさらに好ましく、22cN以下であることが特に好ましい。
分子量分布が天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)よりも広く、天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)よりも破断点での高い溶融張力を示す化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)が天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD)にブレンドされることでポリエチレン系樹脂組成物を良好な発泡状態にさせ易くなる。
本実施形態でのポリエチレン系樹脂組成物には、化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD)とは別の樹脂を含有させることもできる。
但し、本実施形態でのポリエチレン系樹脂組成物に含まれる全ての樹脂に占めるポリエチレン系樹脂の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
また、本実施形態でのポリエチレン系樹脂組成物に含まれる全ての樹脂に占める低密度ポリエチレン(化石由来低密度ポリエチレンと天然由来低密度ポリエチレンとの合計量)
の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
ポリエチレン系樹脂組成物に含まれる樹脂以外の成分としては、発泡剤や添加剤などといった一般的な発泡シートの作製に用いられているものが挙げられる。
該発泡剤としては、例えば、プロパン、n-ブタン、i-ブタン、n-ペンタン、i-ペンタン、シクロペンタン等の炭化水素やこれらのハロゲン化物、炭酸ガス、窒素などが挙げられる。
ポリエチレン系樹脂発泡シートに良好な発泡状態を備えさせるべく、ポリエチレン系樹脂組成物には、気泡調整剤を含有させることが好ましい。
該気泡調整剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物粒子、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物粒子などが挙げられる。
さらには、加熱分解型の発泡剤としても機能するアゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物なども前記気泡調整剤として用いることができる。
前記添加剤としては、例えば、耐候性安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、消臭剤、光安定剤、顔料、滑材、すべり性の付与又はアンチブロッキング性の付与を目的とした界面活性剤、無機充填剤などがあげられる。
ポリエチレン系樹脂組成物に含まれる樹脂以外の成分は、通常、20質量%以下とされ、10質量%以下とされることが好ましく、5質量%以下とされることがより好ましい。
本実施形態におけるポリエチレン系樹脂発泡シートは、上記のようなポリエチレン系樹脂組成物を、押出機で溶融混練し、該押出機の出口に装着されたサーキュラーダイやフラットダイから押出しつつ発泡させることで押出発泡シートとして作製することができる。
本発明によればポリエチレン系樹脂発泡シートが前記のようなポリエチレン系樹脂組成物で構成されるため、押出発泡法などの簡便な方法を採用して製造しても、低密度でありながら引張強度などの機械的特性に優れ、しかも、独立気泡性が高く外観美麗な製品(ポリエチレン系樹脂発泡シート)を容易に得ることができる。
尚、該押出発泡シートに非発泡層を備えさせる場合は、共押出ラミネート法や熱ラミネート法を採用することができる。
該非発泡層を設ける場合、該非発泡層には、天然由来低密度ポリエチレンを含有させることが好ましい。
本実施形態におけるポリエチレン系樹脂発泡シートは、押出発泡法によらず各種の方法で作製することができる。
即ち、本発明は、上記例示に何等限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、ポリエチレン系樹脂発泡シートを作製するための原料樹脂として下記表に示すような特性を有する天然由来低密度ポリエチレン(植物由来品:PE1~5)と化石由来低密度ポリエチレン(ナフサ由来品:PE6)とを用意した。
(実施例1)
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD:PE6)と天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD:PE1)とを85:15(PE6:PE1)の質量割合で含む混合ポリエチレン樹脂を100質量部、三協化成社製の気泡調整剤マスターバッチ(アゾジカルボンアミド含有マスターバッチ:商品名「セルマイクMB1023」)を0.15質量部の割合で配合された配合物を、φ90mm-φ150mmのタンデム押出機のφ90mmの第一押出機に供給し、押出機内で溶融した後、押出機途中から発泡剤としてイソブタン/ノルマルブタン=70/30(モル比)を18質量部圧入し、混練した後、φ150mmの第二押出機で発泡に適する温度域(110℃)まで冷却し、出口直径が145mm(スリット0.15mm)の環状ダイスより大気中に押出発泡した。
押出発泡された筒状発泡体を直径が515mmの冷却マンドレル上を沿わせて冷却すると共に、1点で切り開くことでポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
(実施例2)
天然由来低密度ポリエチレン(boi-PE-LD:PE1)から天然由来低密度ポリエチレン(boi-PE-LD:PE2)へと変更したこと、化石由来低密度ポリエチレン(PE6)と天然由来低密度ポリエチレン(PE2)との比率を85:15から60:40(PE6:PE2)へと変更したこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
(実施例3)
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD:PE6)を用いずに天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD:PE1)のみを用いたこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
(比較例1)
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD:PE1)に代えて天然由来高密度ポリエチレン(bio-PE-HD:PE3)を用いたこと以外は実施例3と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
尚、この比較例1では、押出発泡において良好な発泡が行われず、得られたポリエチレン系樹脂発泡シートの見掛け密度は極端に値が高いものとなった。
(比較例2)
天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD:PE1)に代えて天然由来直鎖低密度ポリエチレン(bio-PE-LLD:PE4)を用いたこと以外は実施例3と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
尚、この比較例2では、比較例1と同様に押出発泡において良好な発泡が行われず、得られたポリエチレン系樹脂発泡シートの見掛け密度は極端に値が高いものとなった。
(比較例3)
化石由来低密度ポリエチレン(npt-PE-LD:PE6)と天然由来低密度ポリエチレン(bio-PE-LD:PE5)とを20:80(PE6:PE5)の質量割合で含む混合ポリエチレン樹脂を100質量部、安定剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティーケミカルズ製)を0.3質量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミドT-8(大塚化学社製)15質量部の割合で配合された配合物を、シリンダー前半部を190℃、後半部分を140℃に設定したスクリュー径60mmφの二軸押出機を用い、スクリュー回転数15rpmでTダイから押し出し、厚さ1mmの長尺の発泡性シートを得た。
発泡性シートに加速電圧800kVで、電離性放射線を50kGy照射し、樹脂を架橋させた。
架橋させた発泡性シートを240℃に設定した縦型発泡機に供給して発泡させ、ポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
(比較例4)
天然由来低密度ポリエチレン(boi-PE-LD:PE5)から天然由来低密度ポリエチレン(boi-PE-LD:PE1)へと変更したこと、化石由来低密度ポリエチレン(PE6)と天然由来低密度ポリエチレン(PE1)との比率を20:80から30:70(PE6:PE1)へと変更したこと以外は比較例3と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
実施例、比較例での使用材料を纏めると下記の通りである。
実施例、比較例で得られたポリエチレン系樹脂発泡シートの物性値は下記の通りである。
上記の通り、実施例1~3では、良好な特性を有するポリエチレン系樹脂発泡シートが得られている。
比較例3、4では、ポリエチレン系樹脂発泡シートのゲル分率が高く、リサイクル性などを勘案した場合に十分良好な状態とは言えないものであった。
以上のことからも、本発明によれば天然由来の低密度ポリエチレン(PE-LD)を含有しつつ良好な特性を有するポリエチレン系樹脂発泡シートが得られることがわかる。
1:ポリエチレン系樹脂発泡シート、10:発泡層、20:非発泡層

Claims (3)

  1. ポリエチレン系樹脂組成物で構成された発泡層を有するポリエチレン系樹脂発泡シートであって、
    前記発泡層を構成している前記ポリエチレン系樹脂組成物は、天然由来のエチレンを構成単位に含む低密度ポリエチレン(PE-LD)を含み、含有する全ての樹脂に占める前記低密度ポリエチレン(PE-LD)の割合が3質量%以上100質量%以下で、且つ、ゲル分率が4%以下であり、
    前記低密度ポリエチレン(PE-LD)が、
    (1)密度が910kg/m以上929kg/m以下、
    (2)質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.5以上7.0以下、
    (3)メルトマスフローレイト(MFR)が0.1g/10min以上1.0g/10min以下、
    (4)ASTM D 6866(2004)によって測定されるバイオマス度が3%以上、
    (5)数平均分子量(Mn)に対するZ平均分子量の比率(Mz/Mn)が10以上30以下、
    つの要件全てを満たすポリエチレン系樹脂発泡シート。
  2. 前記低密度ポリエチレン(PE-LD)は、190℃での溶融張力測定での破断点速度が3m/min以上30m/min以下であり、且つ、破断点において観測される溶融張力が5cN以上25cN以下である請求項記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  3. 前記発泡層の見掛け密度が、10kg/m以上60kg/m以下である請求項1又は2記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
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