JP2017119541A - 吸収性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】電子レンジで加熱しても層間剥離を生じない電子レンジ用の吸収性シートの提供。【解決手段】吸収性シート1のフィルム層10は、ポリエステル製の表面層11と、表面層11の下側に位置するポリエステル製の内層12と、表面層11と内層12とを貫通する複数の開孔14とを有する。内層12が、2官能以上のエポキシ基を有する化合物で変性されたポリエステルから形成されており、フィルム層10と繊維層13とが、少なくとも一部において互いに接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、食品から出るドリップを吸収することのできる、電子レンジ用の吸収性シートに関する。
発泡スチロール製などのトレイに置かれた魚肉や牛肉等の切り身から滲出するドリップを吸収させるための吸収性シートは公知である。例えば特許文献1には、疎水性繊維シートからなり食品と接する第1層と、吸水性シートからなり水を保持する第2層と、有孔な熱可塑性合成樹脂フィルムからなる最外層とを備える積層シートであって、該積層シートが有刺プレスロールと冷却ロールを用いて穿孔され、最外層の熱可塑性合成樹脂フィルムに通気孔を貫通させることを特徴とする電子レンジ用の食品包材が開示されている。
特許第4070261号
特許文献1には、疎水性繊維シート、吸水性シート、及び熱可塑性合成樹脂フィルムの各層間の接着は、熱によるラミネート、またはホットメルト樹脂等による部分接着で行うことが開示されている。しかし、異なる素材から成る積層シートを電子レンジで加熱すると、層間剥離を生じることがある。
本発明は、電子レンジで加熱しても層間剥離を生じない吸収性シートを提供することを課題とする。
本発明は、食品が載置されるフィルム層と、前記食品から出るドリップを吸収可能な繊維層とを含む電子レンジ用の吸収性シートに関する。
本発明に開示の吸収性シートは、前記フィルム層は、ポリエステル製の表面層と、前記表面層と前記繊維層との間に位置するポリエステル製の内層と、前記表面層と前記内層とを貫通する複数の開孔とを有し、前記内層が、2官能以上のエポキシ基を有する化合物で変性されたポリエステルから形成されており、前記フィルム層と前記繊維層とが、少なくとも一部において互いに接合されていることを特徴とする。
前記フィルム層が、平坦部と、前記平坦部間に位置する複数の凹部とを有し、前記複数の開孔が前記平坦部に位置することによって、食品に直接触れる平坦部から食品から滲出されるドリップを開孔を介して繊維層へ次第に移行して吸収させることができる。
前記複数の開孔が、前記凹部にさらに位置することから、凹部に流れ込んだドリップを速やかに繊維層へ移行して吸収させることができる。
前記フィルム層と前記繊維層とは、前記凹部においてのみ互いに接合されており、前記平坦部では、前記フィルム層と前記繊維層とが互いに離間可能であることから、平坦部においてフィルム層と繊維層との間に、ドリップを一時的に貯めることのできる空間が形成されうる。
前記フィルム層の表面積に対する前記平坦部の面積の比率が、30〜70%の範囲であることから、平坦部に位置する開孔から液戻り(リウエット)が生じるのを抑制することができる。
第1方向とそれに交差する第2方向とをさらに有し、前記開孔の直径が0.5mm〜3.0mmであり、前記複数の開孔が、前記第1方向及び第2方向に互いに離間して配置されており、前記第1方向又は前記第2方向における離間寸法が3.0mm〜20.0mmであることから、食品の接触面を乾燥させることなく、食品から余分な油分等を次第に吸収することができるとともに、良好なリウットを発揮することができる。
前記凹部が、ライン状に延びる凹状溝であることから、凹部に流れ込んで滞留したドリップを開孔を介して速やかに繊維層に移行させることができるとともに、繊維層に吸収できなかったドリップを凹状溝に沿ってシートの外部へ排出させることができる。
前記繊維層に、パルプ繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、鞘部の融点が200℃以上の芯鞘熱可塑性繊維から成る群から選択される少なくとも1種類の繊維が含まれることから、所要量の液体を吸収、保持することができるとともに、電子レンジで加熱されても、吸液性が損なわれることはない。
前記繊維層の前記平坦部における厚さ寸法が、前記繊維層の前記凹部における厚さ寸法よりも大きいことから、平坦部の開孔から繊維層に吸収されたドリップを比較的に多量に吸収、保持することができる。
前記繊維層の前記凹部における繊維密度が、前記繊維層の前記平坦部における繊維密度よりも高いことから、凹部に流れ込んだドリップを速やかに吸収することができる。
前記平坦部において、前記フィルム層は、高融点部分と低融点部分とを有し、比較的に低温であっても低融点部分がシール性を発揮して、フィルム層と繊維層とを安定して接合させることができる。
本発明に係る吸収性シートにおいては、フィルム層の内層が、2官能以上のエポキシ基を有する化合物で変性されたポリエステルから形成されていることから、内層を介して表面層と繊維層とが互いに強固に接合され、電子レンジで加熱されてもフィルム層と繊維層との間において層間剥離が生じるおそれはない。
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本発明の吸収性シートの斜視図。 図1のII−II線断面図。 フィルム層のうちの平坦部から切り出した試料の示差走査熱量計による熱的挙動の測定結果を示すチャート。
下記の実施の形態は添付の図面に示す吸収性シートに関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。以下、添付の図面を参照して、本発明の吸収性シートについて説明する。
図1,図2に示すように、吸収性シート1は、第1方向Xと、それに交差する第2方向Yと、厚さ方向Zと、食品が載置されるフィルム層10と、食品から出るドリップを吸収可能な繊維層13とを含む。フィルム層(有孔PETフィルム)10は、ポリエステル製の表面層11と、表面層11の下側に位置し、かつ、表面層11と繊維層13の間に配置されるポリエステル製の内層12とを有する。フィルム層10は、後記のように、所要の耐熱性を有するとともに、食品から滲出したドリップを次第に繊維層13へ移行させる機能も有するものであって、ドリップ移行層としての役割をも果たすものである。また、フィルム層10は疎水性層、内層は、低温シール層、繊維層13は、親水性層ともいう。
吸収性シート1は、第1方向Xへ互いに離間し、かつ、第2方向Yへ延びる平坦部15と、平坦部15間に位置する複数の凹状溝状の凹部16(シールライン)とを有する。フィルム層10を形成する表面層11と内層12とは、接着又は溶着によって互いに接合されており、フィルム層10と繊維層13とは、凹部16において互いに熱溶着されている。吸収性シート1は、第1方向Xにおいて平坦部15と凹部16とが交互に繰り返して位置することによって、凹凸に起伏した断面形状を有する。
フィルム層10と繊維層13とは、フィルム層10の表面が平滑であるので、接着剤による接合では接合強度が低くなる一方、熱接合する場合であっても、素材どうしの親和性が低い場合には、所要の接合強度を発揮させることができない。本実施形態では、フィルム層10の内層12が、2官能以上のエポキシ基を有する化合物で変性されたポリエステルなので、ポリエステル製の表面層11と、吸水性を有し極性の高い繊維層13とのいずれに対しても親和性が高くなっている。したがって、凹部16において熱接合することにより、内層12を介して表面層11と繊維層13との3層が互いに強固に接合される。
さらに、ポリエステル樹脂の融点は高いので、食品調理用の電子レンジで加熱したときに、表面層11と内層12とが溶融することはない。したがって、吸収性シート1を電子レンジで加熱したときでも、内層12が溶融して繊維層13から剥離してしまうことはない。これにより、電子レンジで加熱したときでもフィルム層10と繊維層13との間に、層間剥離を生じるおそれはない。
表面層11は、ジカルボン酸とジオールとの重縮合体からなる公知のポリエステル樹脂から成るフィルムを用いて形成することができる。本発明で使用可能なポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が例示されるが、これらに限定されない。
内層12は、前述の公知のポリエステル樹脂を2官能以上のエポキシ基を有する化合物で変性したポリエステル樹脂から成るフィルムを用いて形成することができる。2官能以上のエポキシ基を有する化合物の例として、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、ヘテロ環式トリグリシジルイソシアヌレート、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。内層12には、ステアリン酸または酢酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マンガン塩のいずれか1種以上が含まれていてもよく、また、分子内に1個以上のカルボン酸基が導入されたポリオレフィンが含まれていてもよい。
食品から出るドリップを吸収可能な繊維層13には、パルプ繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、鞘部の融点が200℃以上の芯鞘熱可塑性繊維から成る群から選択される少なくとも1種類の繊維で形成された繊維不織布を用いることができる。繊維層13を形成する繊維不織布としては、柔軟性や嵩高性を考慮して、エアレイド繊維不織布が好適に使用されるが、スパンボンド繊維不織布やSMS繊維不織布等の各種公知の繊維不織布を用いることができる。
表面層11に使用される通常のポリエステル樹脂は融点が約250℃であるから、溶融して繊維層13と接合するために高温処理が必要となる。かかる高温処理をする場合には、繊維層13を構成する合成繊維、低融点成分と高融点成分とを含む複合繊維からなる熱融着繊維のうちの高融点成分までも融解して繊維層13が変質又は硬化してしまうおそれがあるが、表面層11と繊維層13との間に、融点が比較的に低い、変性されたポリエステル樹脂から形成された内層12を配置することによって、内層12が低温シール層としての役割を果たし、合成繊維の融点以上の高温処理を行わなくてもフィルム層10と繊維層13とを接合することができる。
吸収性シート1では、凹部16においてフィルム層10と繊維層13とが互いに接合されている一方、平坦部15においてフィルム層10と繊維層13とが互いに接合されていない。したがって、平坦部15において、フィルム層10と繊維層13とが非接合の状態であって、内層12と繊維層13との間には、食品から滲出したドリップを一時的に貯留可能な空間18を形成される。また、電子レンジでの加熱により表面層11と内層12が熱収縮したときでも、内層12が繊維層13に熱接合していない平坦部15では、表面層11と内層12の熱収縮に追随して繊維層13が変形することが抑制される。したがって、表面層11と内層12の熱収縮に起因する吸収性シート1の反りを抑制することができる。
再び、図1を参照すると、フィルム層10には、表面層11と内層12とを貫通する複数の開孔14が形成されている。開孔14は、フィルム層10において少なくとも平坦部15に形成されている。フィルム層10は吸液性を備えるものではないから、食品から出るドリップを直接的に繊維層13に移行することができないが、食品に触れる平坦部15において複数の開孔14が形成されていることによって、ドリップを繊維層13に次第に移行させることができる。すなわち、疎水性を有するフィルム層10に複数の微小な開孔14を形成することによって、食品の接触面からすぐにドリップを吸収して乾燥状態となり、旨味の成分となりうる油分や水分をすべて吸収してしまうことはなく、余分な油分等のみを徐々に繊維層13へ移行して吸収するので、電子レンジで加熱した後、一定時間(3〜5分程度)は、揚げ物をジューシーな状態で維持することができる。
また、開孔14は、平坦部15のみならず凹部16にも位置していることが好ましい。平坦部15に接触する食品の接触面から滲出したドリップは、凹部16へ流れ込むようにして移動するので、凹部に複数の開孔14を形成することによって、凹部16に溜まったドリップを速やかに繊維層13へ移動させることができる。また、凹部16は、第2方向Yへ直状に延びていることによって、繊維層13に吸収されなかったドリップを第2方向Yにおいて対向する吸収性シート1の端縁から外部へ(トレイ内へ)排出させることができる。凹部16は、直状のほかに、曲状、格子状であってもよいし、断続的に一定方向へ延びる形状であってもよい。
本実施形態において、複数の開孔14は、第1方向Xと第2方向Yとにおいて所与寸法離間して配置されている。開孔14は円形であって、直径を0.5mm〜3.0mmとし、第1方向X及び/又は第2方向Yにおいて、3.0mm〜20.0mm、好ましくは、5.0mm〜10.0mmの離間寸法(ピッチ)で配置されている。図示例では、複数の開孔14は、第1方向Xと第2方向Yとにおいて等間隔に配置されている。ただし、本発明による技術的効果を奏する限りにおいて、開孔14は、第1方向Xと第2方向Yとにおいて等間隔に配置されていなくてもよい。また、開孔14には、円形のほかに、楕円形、矩形状や菱形等の各種公知の形状を採用することができる。
フィルム層10に複数の開孔14を形成する方法としては、ピンで穿設加工することのほかに、公知の熱エンボス(デボス)加工を用いることができ、例えば、吸収性シート1の製造時において、表面層11となるポリエステルフィルムと、内層12となるエポキシ変性ポリエステルフィルムとを、針状突起(ボス)を備える熱ロールとアンビルロールとの間に通過させて、部分的に加圧加熱することによって形成することができる。かかる熱エンボス加工においては、熱ロールの温度をポリエステルの融点以上、すなわち、200℃以上にすることが好ましい。また、このように熱エンボス加工によって、複数の開孔14を形成する場合には、開孔14の周縁部が熱シールされることによって、接着剤を使用してなくても表面層11と内層12とが開孔14の周縁部においてのみ互いに接合される。また、フィルム層10の他の部分よりも繊維密度が高くなり、表面層11に滲出されたドリップを開孔14に導くことができる。さらに、開口縁がシールラインにとって形成されることによって、開孔14のシート強度が比較的に高くなり、形状が崩れて閉口したりするのを抑制することができる。
図2を参照すると、繊維層13において、平坦部15における厚さ寸法D1は、凹部16における厚さ寸法D2よりも大きく、具体的には、平坦部15における厚さ寸法D1は、1.0〜3.0mm、凹部16における厚さ寸法D2は、0.2〜1.0mmである。また、繊維層13の平坦部15の繊維密度よりも、凹部16における繊維密度の方が高くなっている。具体的には、平坦部15における繊維密度は、0.03〜0.1g/cm、凹部16の繊維密度は、0.12〜0.2g/cmである。このように、食品に直接触れる平坦部15における繊維層13の繊維密度が比較的に低いことから、開孔14から移動する食品に含まれる余分な油分等を急激に吸収してその接触面を乾燥させることがない一方、厚さ寸法D1が比較的に大きく、十分な量のドリップを吸収保持することができる。また、繊維層13は、平坦部15においてフィルム層10と接合されていないことによって嵩高であって、クッション性に優れる。また、凹部16では、比較的に高い繊維密度を有することから、凹部16に溜まったドリップを速やかに吸収することができる。さらに、凹部16においては、繊維密度が比較的に高いことから剛性が高く、吸収性シート1のよれが抑制されるとともに、平坦部15は比較的に剛性が低く柔軟であるので、食品の形状に沿って吸収性シート1を変形させることもできる。このように、平坦部15と凹部16とをバランスよく配置することによって、吸収性シート1の所要のシート強度とシートの変形容易性とを実現することができる。
また、平坦部15の幅寸法(第1方向Xにおける寸法)W1は、2.0〜7.0mm、凹部16の幅寸法(第1方向Xの寸法)W2は、0.5〜3.0mmであって、平坦部15の幅寸法W1が凹部16の幅寸法W2よりも大きくなっている。このように、平坦部15の幅寸法W1が凹部16の幅寸法W2よりも大きいことによって、食品を安定的に載置することができるとともに、平坦部15において徐々にドリップを繊維層13へ移行させることができる。
平面視において、フィルム層10の面積に対する平坦部15の面積率を30〜70%の範囲にすることが好ましい。平坦部15の面積率をこの範囲にすることにより、良好なリウェット性を有する吸収性シート1を得ることができる。すなわち、食品に直接触れる平坦部15の面積を調整することによって、平坦部15から繊維層13に吸収されたドリップが液戻りするのを抑制することができる。ただし、フィルム層10自体は液体を透過するものではなく、開孔14を介して液戻りが発生するので、平坦部15の面積率のみならず、平坦部15全体における開孔14の開口面積率が所定の範囲内であることが必要である。具体的には、平坦部15の表面積に対する開孔14の開口面積(開孔14の総面積率)率は、10〜30%である。かかる開口面積率が、10%以下の場合には、食品から滲出したドリップが繊維層13に移行されずに表面層11に比較的に長い時間ドリップが滞留して、食品がドリップを吸収してしまうおそれがある。一方、かかる開口面積率が30%以上の場合には、比較的に開孔14の総面積が大きくなり、吸収速度が上がって食品の接触面がすぐに乾燥状態となるので、旨味を出すための水分や油分までをも吸収してしまうおそれがある。
吸収性シート1に、平坦部15と凹部16とを形成する方法としては、例えば、複数の開孔14を有するフィルム層10と繊維層13となる繊維不織布とを積層した状態で、外周面から突出する複数の凸条部(ボス)を有する熱ロールと平坦な外周面を有するアンビルロールとの間に通過させて、部分的に加圧加熱することによって形成することができる。また、開孔14を有してないフィルム層10と繊維層13とを積層してなる積層体を、複数の針状突起と凸条部とを備える熱ロールとアンビルロールとの間を通過させて加圧加熱することによって、吸収性シート1に複数の開孔14と複数の凹部16とを同一工程においてほぼ同時に形成することもできる。
以下、本発明の吸収性シート1の耐熱性、リウェット性、及び吸水性について評価した結果を説明する。
耐熱性の評価は次の手順で行った。
(1)吸収性シート1から10cm×10cmのサンプルを採取する。
(2)サンプルの表面層11の中心部に小さじ1杯(約5g)のマヨネーズをのせる。
(3)1000Wの電子レンジで1分間、2分間、3分間と加熱する。
(4)加熱後、それぞれのサンプルの温度をハンディ温度計で測定する。
(5)サンプルから残ったマヨネーズを除去し、サンプルの外観を確認する。
(6)サンプルを中性洗剤で軽く洗い、乾燥させ、デジタルカメラで撮影する。
(7)3分間の加熱でサンプルの外観に変化がなければ、耐熱性ありと判断する。
リウェット性の評価は次の手順で行った。
(1)吸収性シート1から10cm×10cmのサンプルを3枚採取する。
(2)サンプルを、オートビュレットのノズル先端の10cm下方にセットする。
(3)赤く着色した赤色生食液1mlを、1.0ml/3秒の速度でサンプルの表面層11に滴下する。赤色生食液は、0.9%NaCl水溶液1リットルに、黄5号1.63g、赤102号8.5g、及び赤2号2gを混合して調製する。
(4)赤色生食液1mlを滴下した後、1分間放置する。
(5)予め重量(A)を測定した濾紙1枚と、重り500gをサンプルに載せる。
(6)3分経過後重りを取り除き、赤色生食液を吸収した濾紙の重量(B)を測定する。
(7)B−A(単位g)が0.50g以下のとき、リウェット良好と判断する。
上述の製造方法で、本発明の吸収性シート1の試料と、本発明の吸収性シート1と比較する試料を作成した。評価に供した試料の詳細と評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、表面層11がポリエステルで内層12がエポキシ変性ポリエステルの実施例1〜5の吸収性シート1は、電子レンジで加熱した後でも層間剥離や反りが生じることは無く、良好なリウェット性を有していた。一方、エポキシ変性ポリエステルに代えてゴム系ホットメルト接着剤及びポリエチレンフィルムを内層12に用いた比較例1,2は電子レンジでの加熱により層間剥離を生じた。また、表1の結果から、エアレイドパルプ、ポリエステル不織布、吸収紙のいずれも、電子レンジ用の吸収性シート1の繊維層13に用い得ることが確認された。
また、吸収性シート1は、このように、良好なリウエット性、耐熱性を備えることから、電子レンジ用のほかに、例えば、揚げ立ての揚げ物の油切りのために耐熱皿に敷くクッキングシート(油吸い取りシート)としても好適に使用することができる。吸収性シート1は、耐熱性に優れることから高温(180度)の揚げ物に接触しても劣化せず、また、良好なリウエット性を有することから、揚げ物のシート接触面が乾燥しすぎることはなく適度な油分を含むので、急速に冷めることを防ぐとともに、一定時間(3〜5分)、揚げ物をジューシーな状態に維持することができる。
Figure 2017119541
図3は、フィルム層10のうちの平坦部15(凹部16の非存在領域)から切り出した試料(2.0mg)の示差走査熱量計(DSC測定装置)による熱的挙動の測定結果を示すチャートである。ここで、「融点」は、DSC測定装置において、昇温速度10℃/分で測定した場合の、固形状から液体状に変化する際の吸熱ピークのピークトップ温度を意味する。DSC測定装置としては、この種の分野で通常使用される公知の測定装置、例えば、島津製作所社製のDSC−60型DSC測定装置を用いることができる。測定は、試料2.0mgをDSC測定装置(スタート時の温度は、40℃)にセットし、ホールド温度を300℃に設定して5分間溶融した後、液体窒素中にて急冷する。急冷した試料を10℃/分で昇温し、吸熱ピークのピークトップ温度を融点Tm1,Tm2として測定した。測定は、2回行い(N=2)、その平均をグラフ化して示した。
図3を参照すると、融点として、低融点Tm1と高融点Tm2との2つの融点が測定された。低融点Tm1は約75〜80℃、高融点Tm2は約245〜255℃であって、高融点Tm2は、通常のポリエステル樹脂の融点に近い値だった。したがって、フィルム層10のうちの平坦部15(開孔14を含む)においては、表面層11に使用されたポリエステル樹脂と内層に使用された変性されたポリエステル樹脂とが混在しており、比較的に低い温度で繊維層13がフィルム層10にシールされることが確認できた。
以上、本発明について実施形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、図示例では開孔14は繊維層13を貫通していないが、複数の開孔14の一部または全部が繊維層13を貫通していてもよい。また、繊維層13の一面のみに内層12及び表面層11を積層する例を示したが、繊維層13の両面に内層12及び表面層11を積層することもできる。この場合、開孔14及び凹部16を、繊維層13の両面に配置することもできるし、片面のみに配置することもできる。
1 吸収性シート
10 フィルム層
11 表面層
12 内層
13 繊維層
14 開孔
15 平坦部
16 凹部
X 第1方向
Y 第2方向

Claims (11)

  1. 食品が載置されるフィルム層と、前記食品から出るドリップを吸収可能な繊維層とを含む電子レンジ用の吸収性シートにおいて、
    前記フィルム層は、ポリエステル製の表面層と、前記表面層と前記繊維層との間に位置するポリエステル製の内層と、前記表面層と前記内層とを貫通する複数の開孔とを有し、
    前記内層が、2官能以上のエポキシ基を有する化合物で変性されたポリエステルから形成されており、
    前記フィルム層と前記繊維層とが、少なくとも一部において互いに接合されていることを特徴とする前記吸収性シート。
  2. 前記フィルム層が、平坦部と、前記平坦部間に位置する複数の凹部とを有し、前記複数の開孔が前記平坦部に位置する請求項1に記載の吸収性シート。
  3. 前記複数の開孔が、前記凹部にさらに位置する請求項2に記載の吸収性シート。
  4. 前記フィルム層と前記繊維層とは、前記凹部においてのみ互いに接合されており、前記平坦部では、前記フィルム層と前記繊維層とが互いに離間可能である請求項2又は3に記載の吸収性シート。
  5. 前記フィルム層の表面積に対する前記平坦部の面積の比率が、30〜70%の範囲である請求項2〜4のいずれかに記載の吸収性シート。
  6. 第1方向とそれに交差する第2方向とをさらに有し、前記開孔の直径が0.5mm〜3.0mmであり、前記複数の開孔が、前記第1方向及び第2方向に互いに離間して配置されており、前記第1方向又は前記第2方向における離間寸法が3.0mm〜20.0mmである請求項1〜5のいずれかに記載の吸収性シート。
  7. 前記凹部が、ライン状に延びる凹状溝である請求項2〜6のいずれかに記載の吸収性シート。
  8. 前記繊維層に、パルプ繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、鞘部の融点が200℃以上の芯鞘熱可塑性繊維から成る群から選択される少なくとも1種類の繊維が含まれる、請求項1〜7のいずれかに記載の吸収性シート。
  9. 前記繊維層の前記平坦部における厚さ寸法が、前記繊維層の前記凹部における厚さ寸法よりも大きい請求項1〜8のいずれかに記載の吸収性シート。
  10. 前記繊維層の前記凹部における繊維密度が、前記繊維層の前記平坦部における繊維密度よりも高い請求項1〜9のいずれかに記載の吸収性シート。
  11. 前記平坦部において、前記フィルム層は高融点部分と低融点部分とを有する請求項2〜10のいずれかに記載の吸収性シート。

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