JPS60204485A - 吸水性包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、農水産物、食品などの吸水・保水包装容器と
して好適な吸水性包装容器に関する。

近年、農水産物、食品、特に新鮮野菜や魚貝類などのよ
うに水が出るものや、果実類などにあっては、水分の揮
散を防止し、鮮度を保つと共に、外観上の変化（例えば
、果物が萎ひるなど）を抑制して、商品価値を高めるた
めに、ポリ塩化ビニリデンフィルム、発泡ポリスチレン
製容器などの種々の包装容器が使用されている。

しかし、このような包装容器は、殆んど吸水。

保水性をもたないため、過剰な水分が容器内に溜ったり
、壁面に結露し、逆って鮮度を落してしまう場合が少な
くなかった。かかる場合、過剰水を吸水し、内容物の水
分と、該容器内空間の水分とを平衡状態に至らしめるよ
うな、吸水・保水性を有す包装容器を用いればよいので
あるが、パルプの吸水性を利用した従来の果実用パック
シートは、吸水・保水能力が小さいため秤量を大きく、
しかも厚くしなければ、吸水・保水能力を高めることが
てきないという欠点があった。一方、近年ではデンプン
−アクリル酸塩グラフト重合体、架橋ポリアクリル酸塩
等の水不溶性で、高吸水・保水能力を有す吸水性樹脂が
開発されているか、これらは殆んど粉末か液体状である
ため、積層シート化して成形することにより吸水性包装
容器を作ることが困難であった。すなわち、吸水シート
の間、あるいは吸水シートと水不透過性シートとの間に
、これら高吸水性樹脂粉末をサンドインチした積層体上
、水不溶性の基材に高吸水性樹脂の溶液をスプレー、塗
布、含浸して乾燥させた積層体は、衷失シートの破損や
使用中に、高吸水性樹脂粉末や吸水膨潤した高吸水性樹
脂が露呈、脱落するだけでなく、また、２次成形が出来
ず、かがる積層体を容器化できない等の欠点があった。

本発明者らは、これらの問題点を解決すべく鋭意研究し
た結果、高吸水性樹脂を接着性樹脂に混和した接着層を
用いて積層した積層体が、接着性樹脂だけを用いて積層
したものに比べ、吸水・保水能力が著しく大きく、しか
も上記欠点がないことを見い出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明に係る吸水性包装容器の要旨
とするところは、親水性・通水性多孔シートと、スチレ
ン系樹脂発泡シートとを、高吸水性樹脂と接着性樹脂と
からなる接着層を介して積層した、吸水性積層体を成形
した吸水性包装容器である。

以下に、本発明に係る吸水性積層発泡シートの内容を図
面に基づいて説明する。

図において、は）は親水性・通水性多孔シート、（３）
は高吸水性樹脂（４）と接着性樹脂とからなる接着層、
（６）はスチレン系樹脂発泡シートを示す。

本発明に係る吸水性包装容器の基礎となる吸水性積層体
に用いる親水性・通水性多孔シート（１）は、該シート
（１）表面より裏面、すなわち接着層（３）により接着
される面に通じる多数の穴や連通孔（２）を有するシー
トであり、かかる穴や連通孔（２）を通じて、接着層（
３）中の高吸水性樹脂（４）により、水分が吸水・保水
される。そして、該穴や連通孔（２）の径は、接着時又
はその後、高吸水性樹脂（４）が、該穴等を塞ぐことが
ないよう、高吸水性樹脂（４）より径小である。

かかる親水性・通水性多孔シート（月の具体例としては
、不織布やＳＢＳ　（Ｓｏｌ　ｉｄ　Ｂｌｅａｋ　５ｕ
ｌｆａｔｅ）と呼ばれる長繊維の紙や親水化したポリエ
チレン、ポリプロピレン等の通水性多孔シート等がある
。

また、スチレン系樹脂発泡ソート（６）は接着層（３）
中の高吸水性樹脂（４）により、吸水・保水された水分
の逃散を防止するため、疎水性でｍｌ水性に富みしかも
強度、成型性に優れたスチレンを主要成分とするスチレ
ン系樹脂を押出し発泡、ビーズ発泡等の手段で発泡させ
、シート化あるいは板状化して、断熱保温性を付与した
ものである。かかるスチレン系樹脂発泡シート（６）と
しては、スチレン単独重合体樹脂に限らず、スチレンを
主成分とし、スチレンと共重合し得るモノマーとの共重
合体樹脂、例えばハイインパクトポリスチレン、スチレ
ン・アクリロニトリル共重合体樹脂、スチレン・ブタジ
ェン共重合体樹脂、スチレン・ブタジェン・アクリロニ
トリル共重合体樹脂等の樹脂の発泡シートを挙けること
ができる。

尚、発泡、シート化あるいは板状化は通常の方法、例え
ば上記樹脂に発泡剤を混和し、発泡させた後、スライス
等の手段で行なうことが出来、またスチレン系樹脂発泡
シートの発泡倍率は、用途等に応じ適宜変えることがで
きる。

かかる親水性・通水性多孔シート（１）とスチレン系樹
脂発泡シート（６）とは、高吸水性樹脂（４）と接着性
樹脂とからなる接着層（３）により互いに接着・積層さ
れ、本発明に係る吸水性包装容器の基礎、となる吸水性
積層体が得られる。

該接着層（３）は高吸水性樹脂（４）を接着性樹脂に混
合、分散させたもので、かかる接着層（３）の高吸水性
樹脂（４）としては、デンプン−アクリル酸塩グラフト
重合体、架橋ポリアクリル酸塩ポリビニルアルコール架
橋重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体
等の水不溶性で、吸水能力が大きい高吸水性樹脂である
。これらの形態は溶液状であってもよいが、好適には粉
末状のものである。これらは単独もしくは２種以上混合
して使用される。

また、接着性樹脂としては、天然ゴムあるいはポリブタ
ジェン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジェン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、ポリウレタン樹脂
等の熱可塑性合成ゴム、またはエチレン・酢酸ビニル共
重合体等−があげられ、接着強度、強靭性、柔軟性等の
特性が優れたものである。

これらの接着性樹脂は単独もしくは、２種以上混合して
用いてもよしまた、これら樹脂と相溶性の良い他の熱可
塑性樹脂（例え＋ｒ、ポリエチレンなど）とを、接着性
樹脂１ｏｏｆｆｌＨｃ対し、２〜１００部混和し使用し
てもよ０゜更には、これら熱可塑性の接着性樹脂に（′
！、必要に応じて、プラスチック用添加剤、例え番ヨ゛
顔料、タルク、紫外線吸収剤、発泡剤などを、接着性が
落ちず、シートが容易をこ剥離しなｌ、Ｎ程度にまで添
加してもよい。

かかる高吸水性樹脂と接着性樹脂の使用量ｉま熱可塑性
の接着性樹脂１００部に対して、高吸水性樹脂が少くと
も２重量部以上、好ましくＣま５重着部以上で、１００
重量部以下である。２重量部以下では、吸水能力が低く
、また１００重量部以上では吸水時の体積膨張により生
ずるストレスを緩和するためには、接着層により多くの
孔等を設ける必要があり、また、接着力も十分でない。

そして、かかる組成の接着層は、カレンダーロールや押
出機等を用いてシート化し、該シートを積層することが
作業上好適である。

また、高吸水性樹脂による吸水効率を高めると共に吸水
時の体積膨張に伴い生ずるストレスを緩和するためには
、発泡剤による連通化や溶出法及び延伸法など公知の手
段を用いてシート化された接着層（３）は、多数の孔（
５）を有するように、多孔化されたものが好ましい。

かかる接着層と親水性・通水性多孔シート、スチレン系
樹脂シートとの積層方法としては、組み合せる各層の種
類に応じて、ドライラミネートによる積層、２層コエク
ストルージョンによるシート化後、ドライラミネートに
よる積層、３層コエクストルージョンによる積層等適宜
選択し得る。

尚、かかる吸水性積層体は上記構造のものに限定される
ものではなく、必要に応じてスチレン系樹脂発泡シート
の両面に接着層を介して、親水性・通水性多孔シートを
積層したものであってもよい。

このように、一体として積層された吸水性積層体は、加
熱した後、所望形状の型に押し付けて２次加工すること
により、本発明に係る吸水性包装容器が得られる。かか
る２次加工手段としては、圧縮成形、真空成形など公知
の手段を任意に選ぶことができる。

このようにして得られた吸水性包装容器は、親水性・通
水性多孔シートが吸水・保水性を有するのみならず、高
吸水性樹脂を接着性樹脂中に混和した接着層が著しく大
きな吸水・保水性を有するため、該容器周辺の環境条件
に応して、親水性・通水性多孔シートの多数の孔を介し
て、高吸水性樹脂が、可逆的、かつ速めかに水分を吸水
・放散する。

特に、接着層を多孔化したシートを用いた包装容器にあ
っては、高吸水性樹３脂が該孔に直接接しているため水
分の吸水、放散はより速やかとなる。しかも、接着層中
の高吸水性樹脂と接着性樹脂との混合比率を広範囲にわ
たり可変することが出来、また接着層を厚くすることも
薄くすることも出来るため、吸水性包装容器の吸水・保
水能力を調整でき、用途に応じた適度な吸水・保水性を
もつ包装容器か得られる。

また、接着性が大きい接着性樹脂中に高吸水性イ☆Ｉ脂
を分散しているため、高吸水性樹脂が吸水性包装容器か
ら脱落することがない。更には強靭で柔軟性、弾力性等
が優れた熱可塑性コムや、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等は、高吸水性樹脂の吸水膨張等に伴い生ずるストレ
スを迅速に緩和するため、親水性・通水性多孔シートと
スチレン系樹脂発泡シートは剥離することなく、接着層
で強固に接着され、また、吸水膨潤時においても保形性
を有する。特に、接着層を多孔化したものでは、その効
果が大きし）。

更には、疎水性で耐水性に優れたスチレン系樹脂発泡シ
ートを用いているため、水分のシート裏面からの漏出が
な（、高吸水性樹脂昏こよる吸水・保水能力を高める効
果があるだけでなく、適度な剛性、吸水しても保持する
断熱性をもった吸水性包装容器が出来る。

また、更には吸水性包装容器を薄層化、軽量化できると
いう利点をも兼せもつ。

そして、本発明に係る吸水性包装容器（ま、各種物品、
特に新鮮野菜、魚貝類、あるし）は果物などの農水産物
のノ々ツクシート、食品トレー、草花輸送容器、農業用
保水用品等、種々の用ｉｔｉに適用され、結露水や余分
な水分を吸収したり、内容物の乾燥を防止することがで
きる。

以下に本発明に係る吸水性包装容器の実施例を示す。

実施例１ アクリル酸とビニルアルコールとの共重合体を主とした
高吸水性樹脂スミカゲルＳ−５０（住人化学工業（株）
社製商品名）１０部、接着性樹脂であるエチレン・酢酸
ビニル共重合体エバテート＋（２０１１（住人化学工業
（株）社製商品名）１００部をカレンダーロールにて、
シート化した後、２軸延伸により多孔化し、厚さＱ、　
０５　ｙｒｒｒｒの接着層であるシートを作成した。ま
た、親水性・通水性多孔シートとして、厚さ０．１朋の
親水性ポリプロピレン多孔シートセルボア（漬水化学社
製商品名）を用い、スチレン系樹脂発泡シートとして、
密度０．０　８　ｇ／ｃｒｒｌ　厚さ２，Ｏｍｒｌの発
泡ポリスチレンシートを用いた。かかる各シートをドラ
イラミネート法により、接着層が中間層となるように積
層し、吸水性積層シ−トを作成し、次いで、真空成形に
より、発泡ポリスチレンシートが吸水性包装容器の外面
に位置する果実用パックシート（３６０ｘ　４３０　ｍ
ｍ、径９０φ＋ｎｆｌ、深さ５０＋ｕ＋、１６ケ用、３
７ｇ７１枚）を成形した。

真空成形後の３６０　ｘ　４３０　ｒｒｔｍの成形品１
枚を１時間水中に浸漬し、吸水量を測定すると、約３３
ｇ７１枚の吸水量を示した。

比較例１ 親水性・通水性多孔シート及び高吸水性樹脂を含有した
接着層をもたない発泡ポリスチレンシートのみからなる
果実用パックシートを、密度０．０８　ｇ　７ｃｍ３、
厚み２．０　ｍｍの発泡ポリスチレンシートを用いて、
実施例１と同様にして成形し、実施１と同様に吸水量を
測定した。その結果、吸水量は０．３ｇ／１枚であり、
本発明に係る包装容器に比べ、著しく吸水量が小さいも
のであった。

【図面の簡単な説明】

る吸水性積層体の断面図、第２図は本発明に係る吸水性
包装容器の一例である果実用トレーの斜視図、第３図は
前記果実用トレーの一部断面図を示す。 １・・・親水性・通水性多孔シート、２・・・連通孔、
３・・・接着層、４・・・高吸水性樹脂粉末、５・・・
孔、６・・・スチレン系樹脂発泡シート。 特許出願人　積水化成品工業株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、親水性・通水性多孔シートと、スチレン系樹脂発泡
   シートとを、高吸水性樹脂と接着性樹脂とからなる接着
   層を介して、積層した吸水性積層体を成形したことを特
   徴とする吸水性包装容器。 ２、親水性・通水性多孔シートが、不織布、紙又は親水
   化したポリエチレン、ポリプロピレン等の通水性多孔シ
   ートである特許請求の範囲第１項記載の吸水性包装容器
   。 ３、　スチレン系樹脂発泡シートが、スチレン単独重合
   体、才たはスチレンを主成分とし、スチレンと共重合し
   うるモノマーとの共重合体の発泡シートである特許請求
   の範囲第１項記載の吸水性包装容器。 ４、高吸水性樹脂が、デンプン−アクリル酸塩グラフト
   重合体、架橋ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール
   架橋重合体、テンプンーアクリロニトリルグラフト重合
   体等の１種又は２種以上よりなる特許請求の範囲第１項
   記載の吸水性包装容器。 ５、接着性樹脂が熱可塑性コム又はエチレン−酢酸ビニ
   ル共重合体を主たる成分としたものである特許請求の範
   囲第１項記載の吸水性包装容器。 ６、　接着層か、接着性樹脂１００部に対して、高吸水
   性樹脂２〜１００部を用いたものである特許請求の範囲
   第１項記載の吸水性包装容器。 ７、　接着層が、多孔化されたものである特許請求の範
   囲第１項又は第６項記載の吸水性包装容器。