JP2014215019A - 冷却庫 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、このような観音開き式の扉形式を採用した場合、頻繁に開閉される収納室側扉を閉鎖状態にロックする手段として、例えば下記特許文献2に記載されたように、収納室側扉の自由端縁側の表面にラッチレバーが設けられる一方、ピラーの表面に、ラッチレバーに係止可能なラッチ受けを設けた施錠手段が採られている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、観音開き式の一対の扉を閉じた場合に両扉の自由端縁の間隔を小さく留め、冷気洩れを抑制できるようにした冷却庫を提供するところにある。
(1)前記ピラーが前記設置室側扉の自由端縁の裏面側に取り付けられ、同ピラーがロック機構部により前記冷却庫本体に対して解除可能に固定されている。この構成によれば、ピラーの固定を解除すれば、ピラーともども両扉を揃って開放することができ、すなわち前面開口部をピラーレス状態にでき、庫内を清掃する場合等に便利となる。
(3)前記ラッチ受けが前記設置室側扉の自由端縁における表面に取り付けられている構成としてもよい。
本発明の実施形態1を図1ないし図16によって説明する。この実施形態では、カートインタイプの急速冷却庫(ブラストチラー)に適用した場合を例示している。
本実施形態の急速冷却庫は、図1ないし図6に示すように、縦長の冷却庫本体10(以下、本体10)を備え、上面に機械室11が装備されているとともに、底面に配された脚12によって支持されている。
本体10の前面開口部10Aには、詳しくは後記するように、収納室14の前面を覆う収納室側扉50R(以下、右扉50R)と、設置室15の前面を覆う設置室側扉50L(以下、左扉50L)とが、対をなして観音開き式の開閉可能に装着されている。
カート20は、図1に示すように、キャスタ22を備えた方形枠状の台車21を備え、この台車21の所定間隔を開けた上方位置に、基盤23が同台車21の手前側の端縁に設けられた支持部25を介して、片持ち状に張り出して設けられている。基盤23上には、縦長の門型をなす前後一対のフレーム28が立てられ、両フレーム28内には、左右で対をなすトレイ受け29が、複数段に亘って設けられている。したがって食品は、図4に示すように、トレイTに載せられた状態で、カート20に対して複数段に亘って収容されるようになっている。
そのため、底壁14Aの前縁は一段奥に凹んだ形態で形成され、この凹部14Bにカート受け30が装着されている。カート受け30は、底壁14Aの前端面に沿うように配される金属製の水平部31の左右両端に、背の低い合成樹脂製の垂直部32が立ち上がって設けられた正面視で浅いチャンネル形をなしている。
ここで、カート受け30における正面視で右側の垂直部32Rは、収納室14の前面開口の右側縁と並んで配される一方、左側の垂直部32Lは、右側の垂直部32Rとの間にカート20の基盤23が進入可能な間隔を開けて、設置室15との境目に配されるようになっている。
また、カート受け30の両垂直部32L,32Rにおける手前側の面は、上記した本体10の前面開口部10Aの正面側の口縁部10Bと同一面上に来るように設定されている。
カート20は、台車21と基盤23との間に底壁14Aを進入させつつ、収納室14内に手前側から押し込まれ、図8に示すように、支持部25における支持板27がカート受け30の嵌合凹部33に嵌り、カート用パッキン34を弾縮して奥面で受けられることにより押し込みが停止されるようになっている。
この押し込みの停止位置がカート20の正規の収納位置であって、このとき、支持板27の手前側の面が、カート受け30における両垂直部32L,32Rの手前側の面、並びに本体10の前面開口部10Aの正面側の口縁部10Bと同一面上に来るように設定されている。
冷却器41は設置室15よりも一回り小さいブロック状に形成され、左ケーシング43A内に収容されている。冷却ファン42は3個備えられ、縦方向に並べられて右ケーシング43B内に収容されている。
この冷却ユニット40が、図9に示すように、その手前側と奥側の面が、それぞれ閉鎖された左扉50Lの裏面と設置室15の奥壁15Aとの間に所定間隔を開け、かつ正面視で左側面が設置室15の左側壁15Bとの間に所定間隔を開けた形態で配されている。冷却器41は、機械室11内に装備された膨張弁からなる図示しない制御装置と冷媒配管によって循環接続されている。
各扉50L,50Rは、共に外殻内に発泡樹脂等の断熱材が充填された断熱扉である。右扉50Rは相対的に幅広に形成され、その右側縁が収納室14の前面開口の右側縁に対して、ヒンジ51Rにより揺動可能に支持されている。
右扉50Rの裏面における周縁部の4辺には、扉パッキン52が装着されている。この扉パッキン52は、右扉50Rの閉鎖時において、揺動開閉の基端側の縦パッキン52Aが、収納室14の前面開口の右側縁に、上側の横パッキン52Bが、収納室14の前面開口の上縁にそれぞれ当接されるとともに、下側の横パッキン52Cが、カート受け30における左右の垂直部32L,32Rの手前の面と、これと面一をなすカート20の支持板27の上縁における手前の面に亘って当接可能となっている。
なお、同扉パッキン52の自由端側の縦パッキン52Dは、後記するピラー60の手前側の面に対して当接可能となっている。
左扉50Lの自由端側の裏面には、図9及び図12に示すように、ピラー60が取り付けられている。このピラー60は、筒状をなすピラー本体61の上下両面にキャップ62を被せてなる外殻内に、発泡樹脂等の断熱材が充填された断熱構造となっている。
このピラー60は、図10に示すように、奥行方向に扁平な断面形状を有する略角柱状に形成され、本体10の前面開口部10Aの高さ(上縁と下縁との間の寸法)に匹敵する高さ寸法を有している。ピラー60の裏面では、幅方向の両側部における略1/3幅の領域において、それぞれ側縁に向けて次第に薄肉となるような傾斜面64L,64Rとされている。
また、図13及び図14に示すように、ピラー本体61の表面板61Aの裏面には、コードヒータからなる結露防止ヒータ69が、一連に繋がった4列の形態で全高に亘って配線されている。
ピラー60が取り付けられた状態では、ピラー60の表面が左扉50Lの表面と平行姿勢を採り、また、ピラー60の略右半分の部分が、左扉50Lの自由端縁から外部に突出するようになっている。
左扉50Lは、ピラー60の右側縁の傾斜面64Rが逃がし凹部36に嵌りつつ閉鎖され、揺動開閉の基端側の縦パッキン53Aが、設置室15の前面開口の左側縁に、上下の横パッキン53B,53Cが、設置室15の前面開口の上下各縁にそれぞれ当接されることで停止されるようになっている。正規の閉鎖姿勢を採った場合には、ピラー60の表面が、垂直部32Lの表面、並びに本体10の前面開口部10Aの正面側の口縁部と面一をなす位置に来るようになっている。
仮にピラー60における右側縁部が一定の肉厚で、その裏面が表面と平行な面であると、ピラー60が揺動して垂直部32Lの逃がし凹部36に出入りすることを許容するためには、ピラー60の右側の端面と、垂直部32Lの逃がし凹部36におけるこれと対向した対向面との間の間隔を相応に大きく採る必要がある。
それに対して上記構造は、傾斜面64R,34A同士を重なるように対応させたことで、ピラー60の右側の端面と、逃がし凹部36の対向面の間隔Sを狭めることができ、庫外に向けた冷気洩れを抑制することに機能する。
ラッチレバー81は、爪部82が付勢ばねを介して進退可能に設けられ、常には付勢ばねの弾力で突出付勢され、レバー83を手前に引くことで爪部82を付勢ばねの弾力に抗して後退させるように機能する。このラッチレバー81が、右扉50Rの自由端側の表面における略中央高さ位置に、爪部82を自由端縁から突出させた横向きの姿勢で装着されている。
食品の加熱調理は、例えば食材がトレイTに載せられた形態でカート20に対して複数段に亘って収容され、カート20ごと図示しない加熱調理器(スチームコンベクションオーブン)に入れられて加熱調理される。
ここで、ピラー60の裏面における左側縁部には傾斜面64Lが形成されているから、冷却ユニット40の手前に回り込んだ冷気が、傾斜面64Lに沿うようにして乱流等を生じることなく収納室14に向けてスムーズに流される。
カート20を出す場合は、施錠機構部80におけるラッチレバー81のレバー83を引くと、爪部82が後退してラッチ受け85に対する係止が解除されすなわち解錠されるから、引き続いてラッチレバー81を持って引くことで、図4に示すように、右扉50Rが開放される。
ここで、ピラー60の上下両端が、ロック機構部70によって本体10の前面開口部10Aの上下の周面に対して係止されているから、仮に、急速冷却中等に左扉50Lの裏面の縦パッキン52Dが氷結等によりピラー60に貼り付いたとしても、ピラー60並びに左扉50Lを残して、右扉50Rのみが開放される。
右扉50Rが開放されたら、カート20を引っ張って収納室14の手前側に引き出せばよい。
いずれにしても、左扉50Lの開放に伴いピラー60が移動して、本体10の前面開口部10Aがいわゆるピラーレス状態となるから、邪魔する物が無くなって特に冷却ユニット40側を水洗いする際の作業性が向上する。
また、ピラー60の表面への結露防止を図るために、ピラー本体61の表面板61Aの裏面に結露防止ヒータ69が配線されているが、ピラー60の表面における結露の可能性のある面積自体を大幅に狭くできるから、ヒータ容量を小さく抑えることができ、ひいてはランニングコストの低減を図ることができる。
次に、本発明の実施形態2を図15ないし図18によって説明する。この実施形態2は、上記実施形態1と比較して、施錠機構部80Aの一方を担うラッチ受け85Aの取付位置に変更が加えられている。以下には、実施形態1との相違点並びにその関連構造について主に説明し、実施形態1と同一機能を有する部材、部位については、同一符号を付すことで重複した説明は省略または簡略化する。
このピラー100が、図21に示すように、ピラー100の表面の略中央幅位置が、左扉90Lの扉パッキン53のうち自由端側の縦パッキン53Dに沿うように当てられ、全高に亘る取付具105によって左扉90Lとピラー100の裏面同士が連結された形態で、左扉90Lの自由端縁の裏面側に取り付けられている。
このロック部材111が、ピラー100の裏面の下端部において、ロック板113の先端を背面視で左側(収納室14側)に向けた姿勢で取り付けられている。ロック板113が前進位置に進出した際には、図20の鎖線に示すように、同ロック板113の先端がピラー100の正面視の右側縁の位置まで達する設定となっている。
一方、カート受け30の左側(設置室15側)の垂直部32Lにおけるロック板113の先端と対向した面には、当該ロック板113が進出した場合に先端のの進入を許容するロック溝115が形成され、同ロック溝115の手前側の面がロック板113の先端に係止して手前側への移動を規制する係止面116とされている。
実施形態1と相違するのは、ラッチ受け85Aが実施形態1のラッチ受け85と比べて背が低く、かつ基板120側にねじ孔122の切られた取付筒121が突設された形状とされていることに加えて、当該ラッチ受け85Aの取付位置が異なっている。
本体10内を清掃する場合等において、両扉90L,90Rを開放するには、上記のように施錠機構部80Aを解錠して右扉90Rを開放することに加え、ロック機構部110によるピラー100のロックを解除したのち、ピラー100の右側縁に手を掛けて同ピラー100ともども左扉90Lを開放すればよい。
図22は、関連技術を示す。
上記実施形態2に関連した図18に示すように、カート20が収納室14に収納されたのち右扉90Rを閉じて、施錠機構部80Aにより施錠すると、右扉90Rの裏面の周縁部に装着された扉パッキン52は、収納室14の前面開口の右側縁と上縁、ピラー100の右側縁部の表面、並びに、カート受け30における左右の垂直部32L,32Rの手前の面と、これと面一をなすカート20の支持板27の上縁における手前の面に亘って密着して押し付けられ、全周に亘って密閉された状態となる。
ここで、カート20が正規の収納位置まで押し込まれていればよいが、正規位置の手前に留まった状態で右扉90Rが閉じられると、扉パッキン52のうちの下側の横パッキン52Cがカート20の支持板27の上縁に先に当たり、カート20を正規位置に押し込みながら右扉90Rが閉じられることになる。このことが繰り返されると、下側の横パッキン52Cが過大に変形することが繰り返され、早期に劣化することが懸念される。
この押圧板131並びに各クッション板132,134の厚さは、右扉90Rが閉じられて下側の横パッキン52Cがカート20の支持板27の上縁に当たって正規量(3mm程度)潰れたときに、押圧板131(クッション板134)が、支持柱26の手前の面(クッション板132)に丁度当たるような寸法に設定されている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、ピラーの表面板の裏面に結露防止ヒータが配線されている場合を例示したが、同ヒータは割愛してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
逆に、実施形態2において、ピラーの表面板の裏面に結露防止ヒータが配線された構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、ピラーが一方の扉に一体的に設けられたピラーレス形式の扉開閉装置を例示したが、ピラーが前面開口部に固定的に設けられた構造のものにも、本発明は同様に適用することができる。
(3)冷却ユニットの配設位置は、上記実施形態とは逆に、庫内における正面視で右側に配置されていてもよい。
(5)本発明は上記実施形態に例示した急速冷却庫に限らず、急速凍結庫(ショックフリーザ)にも適用可能であり、さらに庫内には被冷却物の収納室と、冷却ユニットの設置室とが左右に並んで設けられ、かつ一対の扉が観音開き形式に装着された冷却庫全般に広く適用することができる。
Claims (5)
- 前面開口の断熱箱体からなる冷却庫本体の内部には、間口方向の一側に被冷却物を収納する収納室が、他側に前記収納室に冷気を循環供給する冷却ユニットが設置された設置室が設けられ、
前記冷却庫本体の前記前面開口部には、前記各室の前面を区画形成するようにピラーが配されるとともに、前記収納室の前面を覆う収納室側扉と、前記設置室の前面を覆う設置室側扉とが観音開き式の開閉可能に設けられ、
前記収納室側扉の自由端縁にはラッチレバーが設けられる一方、前記設置室側扉の自由端縁には、前記ラッチレバーに係止可能なラッチ受けの配設スペースが設けられていることを特徴とする冷却庫。 - 前記ピラーが前記設置室側扉の自由端縁の裏面側に取り付けられ、同ピラーがロック機構部により前記冷却庫本体に対して解除可能に固定されていることを特徴とする請求項1記載の冷却庫。
- 前記設置室側扉の自由端縁には、幅方向に凹んだ形態で把手が設けられており、前記ラッチ受けが前記把手を通して前記ピラーの表面に取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の冷却庫。
- 前記ラッチ受けが前記設置室側扉の自由端縁における表面に取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の冷却庫。
- 前記ピラーが外殻内に断熱材が充填された断熱構造となっており、前記外殻を構成する表面板の裏側には、結露防止ヒータが配設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の冷却庫。
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