JP7285119B2 - 貯蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、貯蔵庫に関する。
従来、貯蔵庫として、ドアパッキンを有する扉を備えるものが知られている(下記特許文献1)。特許文献1には、扉(右扉)に設けられたドアパッキン(扉パッキン)が貯蔵庫本体(冷却庫本体)における開口の開口縁部に当接する構成が記載されている。
特開2014-215019号公報
上記構成のようにドアパッキンを備える構成では、貯蔵庫内外の温度変化に伴って、比較的高い温度であるドアパッキンが冷却される場合がある。温度が高い状態のドアパッキンは柔軟性がより高いことから貯蔵庫本体に密着した状態となっており、その状態からドアパッキンの温度が低下すると、ドアパッキンが収縮し、貯蔵庫本体に固着する事態が懸念される。扉を開ける際には、ドアパッキンを貯蔵庫本体から引き剥がす必要があるため、ドアパッキンが貯蔵庫本体に固着すると、使用者が扉を開ける際により強い力が必要となってしまう。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ドアパッキンを貯蔵庫本体から容易に引き剥がすことが可能な貯蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の貯蔵庫は、前方に開口された開口部を有する貯蔵室を構成する箱状の貯蔵庫本体と、前記貯蔵室を開閉可能な扉と、を備え、前記扉は、前記開口部を覆う板状の扉本体部と、前記扉本体部における後面の周縁部に設けられたドアパッキンであって、前記貯蔵庫本体における前記開口部の開口縁部の前面に当接する当接部を有するドアパッキンと、を備え、さらに、前記ドアパッキンの一部と前記開口縁部の前記前面との間に介在されるシート部材を備えることに特徴を有する。
上記構成では、ドアパッキンの一部と開口縁部の前面との間にシート部材が介在されている。このため、ドアパッキンの一部が開口縁部の前面に当接する事態を抑制できるため、ドアパッキンの一部が開口縁部の前面に固着する事態を抑制できる。作業者が扉を開ける場合には、ドアパッキンの一部が引っ張られることでドアパッキンの一部と開口縁部の前面との間に空気が入り込み、これを切っ掛けとして、当接部を開口縁部の前面から容易に引き剥がすことができる。このため、仮にドアパッキンの当接部が開口縁部の前面に対して固着している場合であっても、当接部を容易に開口縁部の前面から引き剥がすことができ、扉をより小さい力で開けることができる。
また、前記扉本体部における前面に設けられたドアハンドルを備え、前記ドアパッキンは、正面視において前記ドアハンドルの少なくとも一部と重なる重畳部を有しており、前記シート部材は、前記重畳部と前記開口縁部の前記前面との間に介在されているものとすることができる。
上記構成では、ドアパッキンの重畳部と開口縁部の前面との間にシート部材が介在されている。このため、ドアパッキンの重畳部が開口縁部の前面に当接する事態を抑制できるため、重畳部が開口縁部の前面に固着する事態を抑制できる。そして、ドアパッキンの重畳部は正面視においてドアハンドルと重なる部分であるため、作業者がドアハンドルを引っ張って扉を開ける場合には、重畳部を確実に引っ張ることができ、重畳部が引っ張られることで、重畳部と開口縁部の前面との間に空気が入り込み、これを切っ掛けとして、当接部を開口縁部の前面から容易に引き剥がすことができる。このため、仮にドアパッキンの当接部が開口縁部の前面に対して固着している場合であっても、当接部を容易に開口縁部の前面から引き剥がすことができ、扉をより小さい力で開けることができる。
また、前記シート部材は、シリコーンゴムによって構成されているものとすることができる。シリコーンゴムは、非固着性に優れる材質であるため、開口縁部の前面に固着し難い。このため、シート部材が開口縁部の前面に固着する事態を抑制できる。
また、前記貯蔵室内を加熱することが可能な加熱装置を備えるものとすることができる。貯蔵室内を加熱することで、例えば、貯蔵室内を乾燥させることができる。しかしながら、貯蔵室内を加熱すると、その熱がドアパッキンに伝わることでドアパッキンの温度が上昇する。このため、加熱装置が停止した後、ドアパッキンの温度が低下することで、ドアパッキンが収縮し、貯蔵庫本体に固着する事態が懸念される。上記構成では、ドアパッキンの当接部が固着している場合であっても、扉をより小さい力で開けることができるため、好適である。
本発明によれば、ドアパッキンを貯蔵庫本体から容易に引き剥がすことが可能な貯蔵庫を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る急速冷却庫を示す正面図 扉を省略した状態の急速冷却庫を示す斜視図 貯蔵室を開放した状態の急速冷却庫を示す正面図(カート収容状態) 貯蔵室を開放した状態の急速冷却庫を示す正面図(カート未収容状態) 庫内を正面側から視た図(冷却ユニットの内部構造を示す断面図) 扉12を示す分解斜視図 扉12を裏側から視た図 急速冷却庫を示す断面図(図1のVIII-VIII線で切断した図に対応) 図8においてシート部材付近を示す拡大図 シート部材の当接部付近を示す断面図
本発明の一実施形態を図1から図10によって説明する。本実施形態では、貯蔵庫として、カートインタイプの急速冷却庫10(ブラストチラー)を例示する。急速冷却庫10は、図1及び図2に示すように、縦長の箱状をなす冷却庫本体10A(貯蔵庫本体)と、扉12と、カート13と、を備える。冷却庫本体10Aは、前方に開口された断熱性を有する箱体11と、箱体11の開口を上下に仕切る形で設けられたピラー17D(図8参照)と、を備える。冷却庫本体10Aの下面には、4つの脚部14が設けられている。冷却庫本体10Aは、4つの脚部14を介して、床面14Aに支持されており、冷却庫本体10Aの下面11Aと床面14Aとの間には隙間が設けられている。なお、以下の説明では、扉12側を前側、冷却庫本体10A側(扉12とは反対側)を後側として説明する。また、正面視(急速冷却庫10を前側から視た状態)における左右方向(図1の左右方向)が急速冷却庫10の左右方向である。
冷却庫本体10Aの内部である庫内は、図2に示すように、被冷却物である食品が貯蔵される貯蔵室15と冷却ユニット16が設置される設置室17に分かれている。貯蔵室15は、庫内のうちピラー17Dよりも右側の領域であり、設置室17は、庫内のうちピラー17Dよりも左側の領域である。貯蔵室15は、前方に開口されており、扉12によって開閉可能な構成となっている。扉12は、図1に示すように、右側の側端部において、冷却庫本体10A(より詳しくは箱体11)に対してヒンジ12Aを介して回動可能に取り付けられている。なお、設置室17は、扉12の左側に配された扉17Aによって開閉可能となっている。
カート13は、図2に示すように、キャスタ18を備えた方形枠状の台車部19と、カート本体部20と、カート本体部20と台車部19とを接続する接続部21と、を備える。接続部21は、台車部19の前端部から上方に立ち上がる一対の柱体22,22と、一対の柱体22,22の後面に設けられた板部23と、を備える。カート本体部20は、板部23の後面から後方に延びる基盤24と、基盤24上に設けられた縦長の門型をなす前後一対のフレーム25,25と、一対のフレーム25,25間に亘って複数段に設けられたトレイ受け26と、を備える。トレイ受け26には、図3に示すように、トレイ26Aが載置され、そのトレイ26Aには被冷却物である食品が載置される。
台車部19は、床面14A上を移動可能であり、基盤24は、図2に示すように、台車部19の上方に配されている。そして、台車部19と基盤24との間には、冷却庫本体10Aの底壁部27(貯蔵室の底壁)を後方から挿入することが可能な隙間S1が設けられている。貯蔵室15(庫内)には、カート本体部20を前方から挿入することが可能となっている。
また、図2に示すように、底壁部27の前端部(貯蔵室15の開口側の端部)には、上方に開口された略U字状(浅いチャンネル形状)をなすカート受け部材28が設けられている。カート受け部材28は、図2及び図5に示すように、左右方向に沿って延びるブロック状の延設部29と、延設部29の左右方向の両端から上方に立ち上がるブロック状の一対の延設部30,30と、延設部29の前面に設けられた横長のパッキン31と、延設部30の前面に設けられた縦長のパッキン32と、を備える。一対の延設部30,30の間には、基盤24を前方から貯蔵室15に挿入することが可能な隙間33が設けられている。なお、延設部29及び延設部30は、例えば合成樹脂製のブロックによって構成されているがこれに限定されない。カート収容状態では、パッキン31,32,32の前面がカート13の板部23を後方から受けることでカート13が後方に変位することを規制する構成となっている。また、カート収容状態では、隙間33が板部23によって前方から塞がれる構成となっている。
図5に示すように、設置室17には、冷却ユニット16が設置されている。冷却ユニット16は、2基の冷却器35(蒸発器)と3基の庫内ファン36とをケーシング37内に収めてユニット化したものである。冷却器35は、貯蔵室15(庫内)を冷却するためのもので、庫内ファン36に対して左側に配されている。冷却器35は、冷媒配管を介して、外部に設けられた図示しない冷凍装置(圧縮機及び凝縮器)と循環接続されることで冷凍サイクルを構成するものとされる。なお、冷凍装置を構成する各機器(圧縮機、凝縮器、凝縮器ファン等)は、例えば冷却庫本体10Aの上方に設けられた機械室38に配されていてもよい。
貯蔵室15を冷却する冷却運転において、冷凍装置と庫内ファン36とが運転されると、貯蔵室15の空気がケーシング37内に吸引され、冷却器35を通過する際に冷やされることで冷気となり、ケーシング37から左側に吹き出された冷気が設置室17を構成する左側の壁部17Bに当たった後、ケーシング37を回り込むようにして貯蔵室15に送り込まれる。このような空気の循環が連続的に行われることで貯蔵室15が冷却される。また、冷却器35の右側面には、ヒータ39が設けられている。ヒータ39は、庫内を乾燥させる乾燥運転を行う際に用いられる。このような乾燥運転は、例えば庫内の洗浄を行った後に実行される。
乾燥運転では、庫内ファン36及びヒータ39を動作させる。これにより、庫内に温風が送り出されることによって庫内温度が上昇し、庫内の水分が徐々に水蒸気に変化する。水分が水蒸気に変化すると体積が膨張するので、扉12が閉められている状態で乾燥運転を行うと庫内の圧力が上がり、図示しない排気パイプから水蒸気が排気されるとともに、右側の延設部30(符号30Rを付す)に形成された貫通孔45(図3参照)によって構成された吸気路を通って庫内に外気が吸い込まれる。これにより扉12を閉めたままで庫内を乾燥させることができる。つまり、庫内ファン36及びヒータ39は、貯蔵室15内を加熱することが可能な加熱装置34を構成するものとされる。
貯蔵室15は、図3に示すように、前方に開口された開口部15Aを有しており、扉12は、貯蔵室15を開閉可能な構成となっている。扉12は、図6及び図7に示すように、開口部15Aを覆う板状の扉本体部61と、扉本体部61における前面に設けられたドアハンドル52と、扉本体部61における後面(裏面)の周縁部に設けられたドアパッキン12Dと、扉本体部61の下端部に設けられたヒンジ部材63と、ヒンジ部材63を介して扉本体部61の下端部に取り付けられた扉下端部62と、を備える。
扉下端部62は、扉本体部61に対してヒンジ部材63を介して回動可能に取り付けられている。具体的には、扉下端部62は、扉本体部61に対して、扉下端部62の下端部が前方に向かう形で回動可能となっている。カート13を貯蔵室15に収容した状態では、扉下端部62が前方に向かう形で回動することで、扉下端部62とカート13(主に接続部21)とが干渉する事態が回避される構成となっている。
図7に示すように、ドアパッキン12D(シール部材)は、方形の枠状をなしており、扉本体部61の裏面における周縁部の4辺に設けられている。ドアパッキン12Dは、左右一対の縦パッキン12L,12Fと、上下一対の横パッキン12G,12Hと、を備える。扉12が閉じた状態では、ドアパッキン12Dは、冷却庫本体10Aにおける開口部15Aの開口縁部の前面に当接する構成となっている。ドアパッキン12Dは、図9に示すように、扉本体部61の裏面に設けられた溝部61Aに嵌合される突部12Mを有している。突部12Mは、断面視矢尻状をなし、溝部61Aの内面に係止する構成となっている。
図4に示すように、開口部15Aの開口縁部における上側の部分15B及び右側の部分15Cは、箱体11によって構成され、開口部15Aの開口縁部における左側の部分15Dは、ピラー17Dによって構成されている。揺動開閉の基端側の縦パッキン12Lは、開口部15Aの開口縁部における右側の部分15Cに当接され、上側の横パッキン12Gは、開口部15Aの開口縁部における上側の部分15Bに当接される。また、扉12が閉じた状態では、扉12の自由端側の縦パッキン12Fは、扉17Aの自由端側に設けられたピラー17Dの前面に対して当接可能となっている。また、下側の横パッキン12Hは、カート受け部材28の上部と対向配置する形で配される。
ドアパッキン12Dの内部には、図9に示すように、磁石12Jが収容されており、磁石12Jによって開口部15Aの開口縁部に対してドアパッキン12Dを吸着させることでドアパッキン12Dを密着させることが可能となっている。なお、ドアパッキン12Dは例えば軟質塩化ビニルによって構成されているが、材質はこれに限定されない。また、図4に示すように扉本体部61の裏面にはシート12Bが垂れ下がる形で配されている。シート12Bは、シリコーンゴム等の軟質部材からなり、横パッキン12H及び扉下端部62の大部分を後側から覆う形で配されている。カート本体部20が貯蔵室15に配されていないカート未収容状態では、シート12Bが、カート受け部材28の隙間33を前方から塞ぐことで、庫内の空気が庫外に漏れる事態を抑制する構成となっている。
ドアハンドル52(ラッチレバー)は、扉本体部61に固定される箱状の本体部55と、本体部55に対して回動可能に取り付けられる操作レバー53と、ラッチ54と、を備える。また、扉17Aには、ラッチ受け17Eが設けられている。ラッチ54は、図8に示すように、本体部55からラッチ受け17Eに向けて突出する構成となっており、左右方向に進退可能に取り付けられている。ラッチ54がラッチ受け17Eの内面17F(図9の破線参照)に対して後方から係止することで、扉12及び扉17Aが閉状態で保持される構成となっている。また、作業者が操作レバー53を手前に引いて回動させると、ラッチ54が本体部55内部に引き込まれ、ラッチ受け17Eに対するラッチ54の係止が解除される。これにより、作業者が操作レバー53を把持しつつ、扉12を開けることが可能な構成となっている。
ドアパッキン12Dは、正面視(及び背面視)においてドアハンドル52の少なくとも一部と重なる重畳部71(図7及び図9参照)と、冷却庫本体10Aにおける開口部15Aの開口縁部の前面に当接する当接部72(図10参照)と、を有する。重畳部71(ドアパッキンの一部)は、図7に示すように、縦パッキン12Fの一部である。また、扉本体部61において、重畳部71と隣接する箇所には、シート部材80が取り付けられている。シート部材80は、縦長の方形状をなしており、その側端部において、複数本のネジ82によって、扉本体部61の裏面に対して押さえ板81と共に共締めされている。
具体的には、図6に示すように、シート部材80には、ネジ82を挿通することが可能な挿通孔80Aが形成され、押さえ板81には、ネジ82を挿通することが可能な挿通孔81Aが形成されている。図9に示すように、ネジ82は、挿通孔81A及び挿通孔80Aに挿通された後、扉本体部61の裏面にネジ止めされている。言い換えると、図9に示すように、シート部材80の側端部は、押さえ板81と扉本体部61の裏面によって挟持されている。
シート部材80は、少なくとも重畳部71を扉本体部61の裏側から覆う構成となっている。このため、図9に示すように、重畳部71と開口部15Aにおける開口縁部の前面15E(ピラー17Dの前面)との間には、シート部材80が介在されている。このため、ドアパッキン12Dにおいて、シート部材80に覆われている部分(重畳部71を含む部分)は、開口縁部の前面15Eに対して当接する事態が抑制されている。
また、ドアパッキン12Dの当接部72は、縦パッキン12Fにおいてシート部材80に覆われていない部分(図10参照)と、横パッキン12Gと、縦パッキン12Lによって構成されている。なお、図7に示すように、シート部材80の上下方向における中心軸L1は、正面視(及び背面視)においてドアハンドル52と重なる形で配されている。
シート部材80は、例えばシリコーンゴムによって構成されている。シート部材80は、ドアパッキン12Dを構成する材質よりも、開口部15Aにおける開口縁部の前面に固着し難い材質で構成することがより好ましい。具体的には、シート部材80を構成する材質は、ドアパッキン12Dを構成する材質に比べて、非固着性に優れる材質であることが好ましい。また、シート部材80を構成する材質は、ドアパッキン12Dを構成する材質に比べて、温度変化に対する体積の変化(特に冷却時の体積の収縮量)がより小さい材質であることがより好ましい。なお、箱体11及びピラー17Dは、例えば、ステンレス等の金属板によって構成された外殻内に、発泡樹脂等の断熱材が充填された断熱構造となっている。つまり、開口部15Aにおける開口縁部の前面は、ステンレス等の金属によって構成されているが、その材質はこれに限定されない。また、シート部材80の材質は、シリコーンゴムに限定されず、適宜変更であり、例えば、フッ素系ゴム、樹脂、金属等とすることができる。
次に本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、ドアパッキン12Dの重畳部71(ドアパッキン12Dの一部)と開口部15Aの開口縁部における前面15Eとの間にシート部材80が介在されている。このため、ドアパッキン12Dの重畳部71が開口縁部の前面15Eに当接する事態を抑制できるため、重畳部71が開口縁部の前面15Eに固着する事態を抑制できる。そして、ドアパッキン12Dの重畳部71は正面視においてドアハンドル52と重なる部分であるため、作業者がドアハンドル52を引っ張って扉12を開ける場合には、重畳部71を確実に引っ張ることができ、重畳部71が引っ張られることで重畳部71と開口縁部の前面15Eとの間に空気が入り込み、これを切っ掛けとして、当接部72における重畳部71と隣接する箇所と前面15Eとの間に空気が入り込むことから、ドアパッキン12Dの当接部72を開口縁部の前面15Eから容易に引き剥がすことができる。このため、仮にドアパッキン12Dの当接部72が開口縁部の前面15Eに対して固着している場合であっても、当接部72を容易に開口縁部の前面15Eから引き剥がすことができ、扉12をより小さい力で開けることができる。なお、シート部材80は、ドアパッキン12Dにおける重畳部71(ドアハンドル52の少なくとも一部と重なる部分)以外の部分と、開口縁部の前面15Eとの間に介在されていてもよい。しかしながら、上述したように、重畳部71は、ドアハンドル52を引っ張って扉12を開ける際に、より確実に手前側に引っ張られる部分であるため、重畳部71と前面15Eとの間にシート部材80を介在させることがより好ましい。
また、シート部材80は、シリコーンゴムによって構成されている。シリコーンゴムは、非固着性に優れる材質であるため、開口縁部の前面15Eに固着し難い。このため、シート部材80が開口縁部の前面15Eに固着する事態を抑制できる。
また、急速冷却庫10は、貯蔵室15内を加熱することが可能な加熱装置34を備える。貯蔵室15内を加熱することで、例えば、貯蔵室15内を乾燥させることができる。しかしながら、貯蔵室15内を加熱すると、その熱がドアパッキン12Dに伝わることでドアパッキン12Dの温度が上昇する。このため、加熱装置34が停止した後、ドアパッキン12Dの温度が低下することで、ドアパッキン12Dが収縮し、冷却庫本体10Aに固着する事態が懸念される。上記構成では、ドアパッキン12Dの当接部72が固着している場合であっても、扉12をより小さい力で開けることができるため、好適である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、貯蔵庫として急速冷却庫を例示したが、これに限定されない。貯蔵庫として、冷蔵庫、冷凍庫及びショーケース等を例示することができる。また、カート13を備えていない構成であってもよい。
(2)ドアハンドルの構成は上記実施形態で例示したものに限定されず、適宜変更可能である。
(3)上記実施形態では、シート部材80が扉本体部61に取り付けられている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、シート部材80が冷却庫本体10A(ピラー17D)に取り付けられていてもよい。
10…急速冷却庫(貯蔵庫)、10A…冷却庫本体(貯蔵庫本体)、12…扉、12D…ドアパッキン、15…貯蔵室、15A…開口部、15E…開口部における開口縁部の前面、34…加熱装置、52…ドアハンドル、61…扉本体部、71…重畳部(ドアパッキンの一部)、72…当接部、80…シート部材

Claims (4)

  1. 前方に開口された開口部を有する貯蔵室を構成する箱状の貯蔵庫本体と、
    前記貯蔵室を開閉可能な扉と、を備え、
    前記扉は、
    前記開口部を覆う板状の扉本体部と、
    前記扉本体部における後面の周縁部に設けられたドアパッキンであって、前記貯蔵庫本体における前記開口部の開口縁部の前面に当接する当接部を有するドアパッキンと、を備え、
    さらに、前記ドアパッキンの一部と前記開口縁部の前記前面との間に介在されるシート部材と、
    前記扉本体部における前面に設けられたドアハンドルと、を備え、
    前記ドアパッキンは、正面視において前記ドアハンドルの少なくとも一部と重なる重畳部を有しており、
    前記シート部材は、前記重畳部と前記開口縁部の前記前面との間に介在されており、前記ドアパッキンを構成する材質よりも、前記開口縁部の前記前面に固着し難い材質で構成されている貯蔵庫。
  2. 前記シート部材の外周端部を前記貯蔵室側から覆うと共に、前記外周端部を前記扉本体部の前記後面との間で挟持する押さえ板を備え、
    前記外周端部及び前記押さえ板は、複数本のネジによって前記扉本体部の前記後面に対して共締めされており、
    前記重畳部の内部には磁石が収容されており、
    前記開口縁部の前記前面は、金属によって構成されている請求項1に記載の貯蔵庫。
  3. 前記シート部材は、シリコーンゴムによって構成されている請求項1又は請求項2に記載の貯蔵庫。
  4. 前記貯蔵室内を加熱することが可能な加熱装置を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の貯蔵庫。
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