JP2015175584A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】縦仕切体の電熱ヒータの消費電力を低減でき、しかも電熱ヒータで発生した熱が庫内に流入するのを抑制することができる新規な縦仕切体を備えた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】前板49を加熱する電熱ヒータ51が前板と向き合う側とは反対側に第1の断熱材52を配置する共に、第1の断熱材が電熱ヒータと向き合う側とは反対側に第1の断熱材より断熱性能が高い第2の断熱材53を配置した。これによれば、前板の温度が低下する時に第1の断熱材に蓄積された熱が第2の断熱材の断熱作用によって前板側に多く移動することで前板の温度低下が低減されて電熱ヒータの消費電力を低減することができる。また、第2の断熱材によって、電熱ヒータの熱が庫内に流入しづらくなって、冷蔵性能の低下を抑制できるようになる。
【選択図】図6
【解決手段】前板49を加熱する電熱ヒータ51が前板と向き合う側とは反対側に第1の断熱材52を配置する共に、第1の断熱材が電熱ヒータと向き合う側とは反対側に第1の断熱材より断熱性能が高い第2の断熱材53を配置した。これによれば、前板の温度が低下する時に第1の断熱材に蓄積された熱が第2の断熱材の断熱作用によって前板側に多く移動することで前板の温度低下が低減されて電熱ヒータの消費電力を低減することができる。また、第2の断熱材によって、電熱ヒータの熱が庫内に流入しづらくなって、冷蔵性能の低下を抑制できるようになる。
【選択図】図6
Description
本発明は食品や飲料水等を冷蔵或いは冷凍して貯留する冷蔵庫に係り、特に貯蔵室の前面開口部を左右に開閉する貯蔵室扉を備えた冷蔵庫に関するものである。
貯蔵室の前面開口部を左右に開閉する観音開き式の貯蔵室扉によって開閉する冷蔵庫においては、一方の貯蔵室扉の回転支持側の反対側の裏面に縦長の回動式の縦仕切体を設け、この縦仕切体と左右の貯蔵室扉に設けたパッキングと密着させて貯蔵室の冷気が外部に漏れるのを防止している。
このような縦仕切体は、縦仕切体を形成する合成樹脂製の筐体内部に発泡スチロールのような断熱材が配設され、また、この断熱材の前側に縦仕切体の前面部を形成する前板が設けられている。この前板は左右の貯蔵扉に設けられたパッキングと磁気的に密着するように鉄板から構成されている。左右の貯蔵室扉の裏面(貯蔵室の前面開口部を塞ぐ面)にはパッキングが設けられ、このパッキングには、鉄板よりなる前板に密着するように磁石が備え付けられている。この磁石には、一般的にはゴム磁石が使用されておりパッキング内に内蔵されている。
そして、前板はパッキングと密着した際に貯蔵室の内側と外側を仕切る仕切壁となるので、貯蔵室の内側の冷気の温度が前板に伝わり、前板の温度が下がることで前板の表面に結露が発生し易い。このため、前板と断熱材との間に電熱ヒータを設置して前板の温度を高くすることで前板に結露が生じるのを抑制している。このような電熱ヒータを備えた縦仕切体は、例えば特開2012−107770号公報(特許文献1)、特開2013−79806号公報(特許文献2)等に記載されている通りである。
特許文献1においては、パッキングの表面に熱伝導率の良い材料を塗布して縦仕切体に外気温度が伝導し易くして縦仕切体の結露を低減し、電熱ヒータによる消費電力を低減することを提案している。
また、特許文献2においては、縦仕切体の筐体の側面部に熱伝導性の低いテープ、切り欠き部、薄肉部を設け、縦仕切体の側面部における庫内側への熱伝導を抑えることで庫内への熱負荷を低減し、また、庫内側に熱が逃げるのを少なくして電熱ヒータへの入力を低減することを提案している。
上述した特許文献1や特許文献2にある通り、電熱ヒータを備えた縦仕切体においては、電熱ヒータで発生された熱で前板の結露防止が行われているが、縦仕切体の筺体は庫内の低温側に晒されているので、電熱ヒータで発生した熱が庫内側へ移動してしまうことにより前板の温度の低下速度が早まり、電熱ヒータの消費電力が増加する要因となっている。
一般的に電熱ヒータは、前板の温度が略一定になるように通電と非通電とが繰り返し行われ、いわゆる温度フィードバック制御が行われている。したがって、前板の温度が早く下がると通電時間が長くなり電力消費量が多くなる。
そして、最近では地球温暖化を抑制する社会の取り組みとして、二酸化炭素(CO2)の排出抑制を図るため様々な分野で省エネルギー化が推進されている。冷熱関連の家電製品である冷蔵庫においても、消費電力量を低減する観点から電熱ヒータを用いた縦仕切体においては、電熱ヒータで消費される電力を更に少なくすることが強く要請されている。また、電熱ヒータで発生した熱が庫内に流入して冷蔵性能を低下することも併せ要請されている。
本発明の目的は、縦仕切体の電熱ヒータの消費電力を低減でき、しかも電熱ヒータで発生した熱が庫内に流入するのを抑制することができる新規な縦仕切体を備えた冷蔵庫を提供することにある。
本発明の特徴は、前板を加熱する電熱ヒータが前板と向き合う側とは反対側に第1の断熱材を配置する共に、第1の断熱材が電熱ヒータと向き合う側とは反対側に第1の断熱材より断熱性能が高い第2の断熱材を配置した、ところにある。
本発明によれば、前板の温度が低下する時に第1の断熱材に蓄積された熱が第2の断熱材の断熱作用によって前板側に多く移動することで前板の温度低下が抑制されて電熱ヒータの消費電力を低減することができる。また、第2の断熱材によって、電熱ヒータの熱が庫内に流入しづらくなって、冷蔵性能の低下を抑制できるようになる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の具体的な実施例を説明する前に、本発明が適用される冷蔵庫の構成を図1及び図2に基づいて説明する。図1は冷蔵庫の正面外観図であり、図2は図1の縦断面を示す断面図である。尚、図2においては製氷室の断面は示されていない。
図1、及び図2において、冷蔵庫1は、上方から冷蔵室2、製氷室3及び上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6を有する。ここで、製氷室3と上部冷凍室4は、冷蔵室2と下部冷凍室5との間に左右に並べて設けている。尚、上部冷凍室4は下部冷凍室5より容積が小さく形成されており、少量の食品が冷凍、貯蔵されるものである。そして、各貯蔵室の温度は、一例として、冷蔵室2はおよそ+3℃、野菜室6はおよそ+3℃〜+7℃の冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室3、上部冷凍室4及び下部冷凍室5は、およそ−18℃の冷凍温度帯の貯蔵室である。
冷蔵室2は前方側に、本発明の対象となる左右に分割された観音開き式(いわゆるフレンチ型)の冷蔵室扉(貯蔵室扉)2a、2bを備えている。製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6は夫々引き出し式の製氷室扉3a、上部冷凍室扉4a、下部冷凍室扉5a、野菜室扉6aを備えている。
また、各扉の貯蔵室の前面開口部に向かい合う側の面には、各扉の外縁に沿うように磁石が内蔵されたパッキング(図示せず)を設けており、各扉の閉鎖時、鉄板で形成された冷蔵庫外箱のフランジや後述の各仕切り鉄板に密着し貯蔵室内への外気の侵入、及び貯蔵室からの冷気の漏れを抑制する構成とされている。
ここで、図2に示すように冷蔵庫本体8の下部には機械室9が形成され、この中に圧縮機10が内蔵されている。冷却器収納室11と機械室10には水抜き通路12によって連通され、凝縮水が排出できるようになっている。
図2に示すように、冷蔵庫本体8の庫外と庫内は、内箱と外箱との間に発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体13により隔てられている。また冷蔵庫本体8の断熱箱体13は複数の真空断熱材14を実装している。冷蔵庫本体8は、上側断熱仕切壁15により冷蔵室2と上部冷凍室4及び製氷室3(図1参照、図2中で製氷室3は図示されていない)とが区画され、下側断熱仕切壁16により下部冷凍室5と野菜室6とが区画されている。
冷蔵室2の最下端で上側断熱仕切壁15の上面には減圧貯蔵室17が形成されており、この減圧貯蔵室17内の食品を取り出すために減圧貯蔵室扉を引き出す時に大気圧に戻され、減圧貯蔵室扉を元に戻すと真空ポンプが作動して減圧貯蔵室17を減圧するものである。また、下部冷凍室5の上部には横仕切部を設けている。横仕切部は、製氷室3及び上部冷凍室4と下部冷凍室5とを上下方向に仕切っている。また、横仕切部の上部には、製氷室3と上部冷凍室4との間を左右方向に仕切る縦仕切部を設けている。
横仕切部は、下側断熱仕切壁16の前面及び左右側壁前面と共に、下部冷凍室扉5aの貯蔵室側の面に設けたパッキング(図示せず)と接触する。製氷室扉3aと上部冷凍室扉4aの貯蔵室側の面に設けたパッキング(図示せず)は、横仕切部、縦仕切部、上側断熱仕切壁及び冷蔵庫本体8の左右側壁前面と接することで、各貯蔵室と各扉との間での冷気の移動をそれぞれ抑制している。
図2に示すように、上部冷凍室4、下部冷凍室5及び野菜室6は、それぞれの貯蔵室の前方に備えられた扉4a、5a、6aが取り付けられている。また、上部冷凍室4には上部冷凍貯蔵容器18が収納、配置され、下部冷凍室5には上段冷凍貯蔵容器19、下段冷凍貯蔵容器20が収納、配置されている。更に、野菜室6には上段野菜貯蔵容器21、下段野菜貯蔵容器22が収納、配置されている。
そして、製氷室扉3a、上部冷凍室扉4a、下部冷凍室扉5a及び野菜室扉6aは、それぞれ図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、製氷貯蔵容器3b(図示せず)、上部冷凍貯蔵容器18、下段冷凍貯蔵容器20、下段野菜貯蔵容器22が引き出せるようになっている。
詳しくは、下段冷凍貯蔵容器20は冷凍室扉内箱に取り付けられた支持アーム23に下段冷凍貯蔵容器20の側面上部のフランジ部が懸架されており、冷凍室扉5aを引き出すと同時に下段冷凍貯蔵容器20のみが引き出される。上段冷凍貯蔵容器19は冷凍室5の側面壁に形成された凹凸部(図示しない)に載置されており前後方向にスライド可能になっている。
下段野菜貯蔵容器22も同様にフランジ部が野菜室扉6aの内箱に取り付けられた支持アーム24に懸架され、上段野菜貯蔵容器21は野菜室側面壁の凹凸部に載置されている。また、この野菜室6には断熱箱体13に固定された電熱ヒータ25が設けられており、この電熱ヒータ25によって野菜室6の温度が冷やし過ぎにならないように、野菜の貯蔵に適した温度になるようにしている。尚、この電熱ヒータ24は必要に応じて設けられれば良いものであるが、本実施例では野菜の貯蔵がより上手く行えるように電熱ヒータ25を設けるようにしている。
次に冷蔵庫の冷却方法について説明する。冷蔵庫本体1には冷却器収納室11が形成され、この中に冷却手段として冷却器26を備えている。冷却器26(一例として、フィンチューブ熱交換器)は、下部冷凍室5の背部に備えられた冷却器収納室11内に設けられている。また、冷却器収納室11内であって冷却器26の上方には送風手段として送風機27(一例として、プロペラファン)が設けられている。
冷却器26で熱交換して冷やされた空気(以下、冷却器26で熱交換した低温の空気を「冷気」と称する)は、送風機27によって冷蔵室送風ダクト28、冷凍室送風ダクト29、及び図示しない製氷室送風ダクトを介して、冷蔵室2、製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6の各貯蔵室へそれぞれ送られる。
各貯蔵室への送風は、冷蔵温度帯の冷蔵室2への送風量を制御する冷蔵室ダンパ30と、冷凍温度帯の冷凍室4、5への送風量を制御する冷凍室ダンパ31とにより制御される。ちなみに、冷蔵室2、製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、及び野菜室6への各送風ダクトは、冷蔵庫本体8の各貯蔵室の背面側に設けられている。具体的には、冷蔵室ダンパ30が開状態、冷凍室ダンパ31が閉状態のときには、冷気は、冷蔵室送風ダクト28を経て多段に設けられた吹き出し口32から冷蔵室2に送られる。
また、冷蔵室2を冷却した冷気は、冷蔵室2の下部に設けられた冷蔵室戻り口から冷蔵室−野菜室連通ダクトを経て、下側断熱仕切壁16の下部右奥側に設けた野菜室吹き出し口から野菜室6へ送風される。野菜室6からの戻り冷気は、下側断熱仕切壁16の下部前方に設けられた野菜室戻りダクト入口から野菜室戻りダクト33を経て、野菜室戻りダクト出口から冷却器収納室13の下部に戻る。
図2に示すように、冷却器収納室11の前方には、各貯蔵室と冷却器収納室11との間を仕切る仕切部材34が設けられている。仕切部材34には、上下に一対の吹き出し口が形成されており、冷凍室ダンパ31が開状態のとき、冷却器126で熱交換された冷気が送風機27により図示を省略した製氷室送風ダクトや上段冷凍室送風ダクトを経て吹き出し口35からそれぞれ製氷室3、上部冷凍室4へ送風される。また、下段冷凍室送風ダクトを経て吹き出し口36から下部冷凍室5へ送風される。
また、冷蔵庫本体10の天井壁上面側にCPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御装置が設けられており、外気温度センサ(図示せず)、冷却器温度センサ(図示せず)、冷蔵室温度センサ(図示せず)、野菜室温度センサ(図示せず)、冷凍室温度センサ(図示せず)、扉2a、2b、3a、4a、5a、6aの各扉の開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示せず)、冷蔵室2内壁に設けられた図示しない温度設定器等と接続し、ROMに予め搭載されたプログラムにより、圧縮機10のON、OFF等の制御、冷蔵室ダンパ30及び冷凍室ダンパ31を個別に駆動するそれぞれのアクチュエータの制御、送風機27のON/OFF制御や回転速度制御、扉開放状態を報知するアラームのON/OFF等の制御を行うようになっている。
図1に戻って、冷蔵室扉2aには入力制御部40が設けられており、この入力制御部36は上述した制御装置に接続されている。したがって、入力制御部36からの入力によって冷蔵庫1の各貯蔵室の温度を設定できるようになっている。例えば圧縮機10の回転数、送風機27の回転数、冷蔵室ダンパ30及び冷凍室ダンパ31の開閉や開閉量等を制御することで各貯蔵室の温度を制御するものである。本実施例では2つの温度設定ボタン37、38が設けられており、温度設定ボタン37は減圧貯蔵室に供給される冷気の制御を行い、温度設定ボタン38は下部冷凍室4に設けられた下部貯蔵容器(図示せず)に供給される冷気の制御を行うものである。
以上のような構成の冷蔵庫において、次に冷蔵室2の観音開き式の冷蔵室扉2a、2bの一方に設けた縦仕切体40の構成について説明する。図3、図4は冷蔵室2の縦仕切体40が設けられている部分を断面したものであり、図3は冷蔵室扉2a、2bが閉じられた状態を示し、図4は冷蔵室扉2bが開けられた状態を示している。
縦仕切体40は冷蔵室扉2a、2bの何れか一方の扉に回動自在に枢軸されている。例えば、右側の冷蔵室扉2bに縦仕切体40が取付けられている場合は、冷蔵室扉2bを回転自在に軸支する側とは反対側の裏面に縦長の回動式の縦仕切体40が取り付けられている。この縦仕切体40は冷蔵室扉2bの上端から下端まで延びる長さを有しており、これによって、冷蔵室扉2a、2bに設けたパッキングが縦仕切体40の前板に密着して冷蔵室2の冷気が漏れるのを防止している。
そして、この縦仕切体40は、冷蔵室2の天井部に設けられた案内ピン41と縦仕切体40側の案内溝42が係合し合って回動するものである。以下、図3、図4を用いて縦仕切体40の構成と動作を簡単に説明する。
図3、図4において、冷蔵室扉2aの内側には内板43が固定されており、この内板43にはペットボトル等の収納棚が形成されている。また、冷蔵室扉2aの内側の外周側にはパッキング44が設けられており、内部に磁石が備え付けられている。一方、冷蔵室扉2bの内側には同様に内板45が固定されており、この内板45にはペットボトル等の収納棚が形成されている。また、冷蔵室扉2bの内側の外周側にはパッキング46が設けられており、内部に磁石が備え付けられている。
また、冷蔵室扉2bを回転自在に軸支する側とは反対側の冷蔵室扉2bの裏面に縦長の回動式の縦仕切体40が取り付けられている。縦仕切体40は冷蔵室扉2bの内側に固定された内板45に取り付けられたヒンジ47に回動自在に軸支されている。更に、縦仕切体40は図示しないねじりばねによって図3に示す位置と、図4に示す位置をとるように構成されている。もちろん、この場合は冷蔵室2の天井部に設けられた案内ピン41と縦仕切体40側の案内溝42が係合し合って縦仕切体40に回転運動が与えられるものである。
そして、図3は冷蔵室扉2a、2bを閉じている時の縦仕切体40の位置を示すものであり、縦仕切体40は冷蔵室扉2a、2bのパッキング44、46を受け止めるように回動される。したがって、縦仕切体40の鉄製の前板(図示せず)とパッキング44、46は、パッキング44、46に備えた磁石によって密着状態とされ、冷蔵室2の冷気が漏れるのを防止することができるようになっている。
一方、図4は冷蔵室扉2bを開いていく途中を示しており、冷蔵室扉2bのハンドルを持って開いていくと、縦仕切体40は案内ピン41と案内溝42との関係でヒンジ47を軸にして図4に示すように回動する。これによって縦仕切体40は冷蔵室扉2a、2bのパッキング44、46との密着状態を解除されるものである。
このように、縦仕切体40は冷蔵室扉2a、2bの開閉動作に応じて、冷蔵室扉2bの表面に略垂直な姿勢(図4に示す状態)から、冷蔵室扉2bの表面に略平行な姿勢(図3に示す状態)に回動することで、夫々のパッキング44、46に当接して冷蔵室扉2a、2bとの間を閉塞するようになっている。
このような縦仕切体40においては、縦仕切体40に設けた前板はパッキング44、46と密着した際に冷蔵室2の内側と外側を仕切る仕切壁となるので、冷蔵室2の内側の冷気の温度が前板に伝わり、前板の温度が下がることで前板の表面に結露が発生することになる。このため、前板に近接して電熱ヒータを設置して前板を加熱することで前板に結露が生じるのを抑制している。
しかしながら、上述したように地球温暖化を抑制する社会の取り組みとして、二酸化炭素(CO2)の排出抑制を図るため様々な分野で省エネルギー化が推進されている。冷熱関連の家電製品である冷蔵庫においても、消費電力量を低減する観点から電熱ヒータを用いた縦仕切体においては、電熱ヒータで消費される電力を更に少なくすることが強く要請されている。また、電熱ヒータで発生した熱が庫内に流入して冷蔵性能を低下することも併せ要請されている。
そこで、本実施例では、前板を加熱する電熱ヒータが前板と向き合う側とは反対側に第1の断熱材を配置する共に、第1の断熱材が電熱ヒータと向き合う側とは反対側に第1の断熱材より断熱性能が高い第2の断熱材を配置したものである。このような構成を採用することによって、前板の温度が低下する時に第1の断熱材に蓄積された熱が第2の断熱材の断熱作用によって前板側に多く移動することで前板の温度低下が抑制されて電熱ヒータの消費電力を低減することができる。また、第2の断熱材によって、電熱ヒータの熱が庫内に流入しづらくなって、冷蔵性能の低下を抑制できるようになるものである。
以下、その具体的な構成を図5、図6に基づき説明する。図5は縦仕切体40の全体の外観を斜めから見たものであり、図6は図5のA-A断面を示している。
図5からわかるように、縦仕切体40は主な構成材として、長手方向の一側端が開放された合成樹脂からなる筒状の筺体48と、長手方向の開放面を覆う前板49と、前板49と筺体48の間の空間に配置された断熱材とから構成されている。もちろん、筺体の長手方向の一端面には上述した案内溝42を形成した案内部材50が取り付けられている。そして、本実施例の特徴は前板49と筺体48の間の空間に配置された断熱材の構成にある。その詳細を図6に基づき説明する。
図6において、縦仕切体40の筐体48は、合成樹脂材料で作られており、前方に開放面を有する断面が『コ』の字状に形成された細長い筒状の形状を有している。そして、この筺体48の開放面には前板49が開放面を塞ぐように取り付けられている。この前板49はパッキング44、46に備えられた磁石が吸着されるように鉄板により作られている。
筺体48と前板49の間の空間には電熱ヒータ51が配置されており、この電熱ヒータ51は前板49を加熱するように前板49に密着して固定されている。電熱ヒータ51は前板49の幅方向に所定の間隔をおいて上下方向に延びる電熱線からなり、前板49の背面に接触した状態で貼り付けられている。したがって、電熱ヒータ51は前板49に効率良く熱を伝えることができる。繰り返しなるが、前板49は冷蔵室扉2a、2bが閉じられているときにはパッキング44、46が密着しており、これによって冷気の漏れを防止している。
電熱ヒータ51が前板49と接触している側とは反対側には第1の断熱材52が配置されている。この第1の断熱材52は電熱ヒータ51からの熱を溜める蓄熱機能を併せ有している。したがって、第1の断熱材52は蓄熱材と言い換えることもできる。そして、電熱ヒータ51で発生した熱は少なくとも前板49に向かう流れと、第1の断熱材52に向かう流れが生じる。この場合、前板49は鉄で作られているので放熱性が高いことや、第1の断熱材52が断熱性を有していることから、電熱ヒータ51の熱は前板49の方に多く流れる。しかしながら、第1の断熱材52は断熱性を有していても電熱ヒータ51からの熱は流れるので、第1の断熱材52には熱が溜められるようになる。
更に本実施例では、第1の断熱材52が電熱ヒータ51に接触している側とは反対側の面には、第2の断熱材53が配置されている。ここで、第2の断熱材53の熱伝導率は第1の断熱材53の熱伝導率より小さいものとされている。したがって、この第2の断熱材53は、第1の断熱材52よりも断熱性能が高くなり、第1の断熱材52からの熱が冷蔵室2の庫内側(低温側)に流れるのを抑制する機能と、第1の断熱材の蓄熱を維持する機能を有している。言い換えれば、第2の断熱材53は第1の断熱材52の溜められた熱を前板49側に流す機能を備えているものである。尚、第1の断熱材52及び第2の断熱材53の具体的な材料等については後述する。
一般的に電熱ヒータ51は、前板49の温度が略一定になるように通電と非通電とが繰り返し行われ、いわゆる温度フィードバック制御が行われている。したがって、非通電の状態を長く保ってやれば電熱ヒータ49の消費電力を低減することができ、このような非通電の状態を長く保つことが本実施例の特徴となっている。このことを図7A及び図7Bを用いて説明する。
図7Aは電熱ヒータ49が通電されている状態を示しており、電熱ヒータ49で発生した熱は、少なくとも前板49に向かう流れと、第1の断熱材52に向かう流れが生じる。この場合、前板49は鉄で作られているので放熱性が高いことや、第1の断熱材52が断熱性を有していることから、電熱ヒータ51の熱は矢印A1、A2で示すように前板49の方に多く流れる。したがって、前板49の温度は高くなって結露を防止することができる。
ただ、第1の断熱材52は断熱性を有していても電熱ヒータ51からの熱は矢印A3で示すように第1の断熱材52に向かって流れ、更に断熱性能が高い第2の断熱材53によって熱の移動が制限されるので、第1の断熱材52には熱が溜められ蓄熱されるようになる。同時に、この熱は冷蔵室2の庫内に流れにくくなっているので、冷蔵室2の温度が上昇するのを抑制することができる。
次に、図7Bは電熱ヒータ49が非通電の状態を示している。前板49の温度が充分に高くなって通電が停止されて非通電状態となると、電熱ヒータ49による熱の発生が停止される。この状態になると前板49は鉄で作られているので放熱性が良く急速に温度が下がることになる。このため、従来の縦仕切体であれば、これに応答して電熱ヒータ49が再び通電されて熱を発生させるわけであるが、当然のことながら消費電力が増大することになる。
しかしながら、本実施例では第2の断熱材53の断熱性能が高いので、第1の断熱材52に蓄えられている熱は、矢印A4に示しているように温度が下がった前板49側に流れて前板49の温度が下がるのを抑制し、前板49の温度を高い状態で長く保つことができるようになる。このため、前板49の温度は急速に下がることが無くなるので非通電の状態を長くでき、結果として電熱ヒータ51の消費電力を低減することができるようになる。
次に、第1の断熱材52及び第2の断熱材53の具体的な材料等について説明する。本実施例では第1の断熱材52としてポリウレタンを使用し、第2の断熱材として真空断熱材を使用している。この場合、ポリウレタンは予め所定の形状に成形した発泡ポリウレタンを第1の断熱材52として使用しても良く、また発泡させて第1の断熱材52としても良い。発泡させる場合は、電熱ヒータ51を取り付けた前板49と筺体48の内壁面に近接して配置した真空断熱材の間の空間に、発泡剤とポリウレタンを注入して発泡させることで第1の断熱材52を形成することができる。
予め所定の形状に第1の断熱材52を形成する場合は、縦仕切体40の組み立てが簡単になるという効果がある。また、発泡させて第1の断熱材52を形成する場合は、複雑な形状であっても隙間なくポリウレタンを充填でき断熱性を向上できる効果がある。
ここで、従来はポリスチレンだけを使用していたが、ポリスチレンに代えて断熱性能が極めて高い真空断熱材に変更したことで、ポリスチレンの場合に必要であった収納容積を省略できる。これによって、この分だけ縦仕切体40の筐体48を肉厚にしたり、補強リブを追加することで、筐体48の強度を向上したり、筺体58の反り発生の抑制が可能となる。
また、筺体48の内壁面に形成した補強リブが真空断熱材の外包材を破損する恐れがある場合は、補強リブの代わりにポリウレタンを配置することも可能である。尚、真空断熱材のサイズが冷蔵庫の箱体や扉に用いるものよりも小さくなるため、外被材のヒートブリッジの影響による断熱性能の低下を抑制するため、外包材をピロータイプのように耳部を少なく出来る方法で溶着することが望ましい。
更に、第1の断熱材52及び第2の断熱材53の他の例として、第1の断熱材52としてポリスチレンを使用し、第2の断熱材としてポリウレタンを使用することができる。この場合も、ポリスチレン及びポリウレタンを予め所定の形状に成形したものを第1の断熱材52、第2の断熱材53として使用しても良く、また両者を発泡させて第1の断熱材52、第2の断熱材53としても良い。発泡させる場合は、電熱ヒータ51を取り付けた前板49と筺体48の間の空間に、筺体48の長さの中間隔壁を配置し、前板49と中間隔壁の間に発泡剤とポリスチレンを注入して第1の断熱材52を形成し、筺体48と中間隔壁の間に発泡剤とポリウレタンを注入して第2の断熱材53を形成することができる。
この場合も、予め所定の形状に第1の断熱材52及び第2の断熱材53を形成する場合は、縦仕切体40の組み立てが簡単になるという効果がある。また、発泡させて第1の断熱材52及び第2の断熱材53を形成する場合は、複雑な形状であっても隙間なく、ポリスチレンやポリウレタンを充填でき断熱性を向上できる効果がある。
更に、第1の断熱材52と電熱ヒータ51の間に金属製の中間材を配置して、第1の断熱材52が直接電熱ヒータ51に接触しないようにすることも有効である。この場合、電熱ヒータ51は断面が円形、或いは角形であるので、中間材はアルミテープのような、薄くて柔軟性がある金属テープを用いることができる。
以上述べた通り、本発明は前板を加熱する電熱ヒータが前板と向き合う側とは反対側に第1の断熱材を配置する共に、第1の断熱材が電熱ヒータと向き合う側とは反対側に第1の断熱材より断熱性能が高い第2の断熱材を配置した縦仕切体としたものである。これによれば、前板の温度が低下する時に第1の断熱材に蓄積された熱が第2の断熱材の断熱作用によって前板側に多く移動することで前板の温度低下が抑制されて電熱ヒータの消費電力を低減することができる。また、第2の断熱材によって、電熱ヒータの熱が庫内に流入しづらくなって、冷蔵性能の低下を抑制できるようになる。
2…冷蔵室、2a、2b…冷蔵室扉、40…縦仕切体、41…案内ピン、42…案内溝、44、46…パッキング、48…筺体、49…前板、50…案内部、51…電熱ヒータ、52…第1の断熱材、53…第2の断熱材。
Claims (4)
- 貯蔵室の前面開口部の左右両側に回動自在に軸支されて前記前面開口部を開閉する観音開き式の貯蔵室扉と、前記貯蔵室扉のうちの一方の貯蔵室扉が軸支されている軸支側とは反対側の裏面に設けられたヒンジにより前記一方の貯蔵室扉に取り付けられ、閉扉動作に応じて前記貯蔵室扉の表面に略垂直な姿勢から前記貯蔵室扉の表面に略平行な姿勢に回動することで前記貯蔵室扉に設けたパッキングに当接して前記貯蔵室扉の間を閉塞する上下方向に延びる縦仕切体とを備える冷蔵庫において、
前記縦仕切体は、前記縦仕切体の前面部を形成して前記パッキングの当接部となる前板と、前記前板とともに断熱材の収容空間を形成する筐体と、前記前板の背面に設けられた電熱ヒータと、前記電熱ヒータと前記筺体の間の前記収納空間に配置された断熱材とを備えてなり、
更に前記断熱材は、前記電熱ヒータが前記前板と向き合う側とは反対側に配置された第1の断熱材と、前記第1の断熱材が前記電熱ヒータと向き合う側とは反対側に配置され前記第1の断熱材より断熱性能が高い第2の断熱材とから構成されていることを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記第1の断熱材は発泡されたポリウレタンで形成され、前記第2の断熱材は真空断熱材で形成されていることを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記第1の断熱材は発泡されたポリスチレンで形成され、前記第2の断熱材は発泡されたポリウレタンで形成されていることを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷蔵庫において、
前記電熱ヒータに通電されている状態では前記電熱ヒータで発生した熱は、少なくとも前記前板に流れて前記前板の温度を上昇させると共に前記第1の断熱材に流れて蓄熱され、前記電熱ヒータが非通電の状態では前記第1の断熱材に蓄熱された熱が前記前板に流れて前記前板の温度の低下を抑制することを特徴とする冷蔵庫。
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- 2014-03-18 JP JP2014054709A patent/JP2015175584A/ja active Pending
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