JP2014240710A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】徐霜運転時の温度の高い冷気や冷蔵室の温度の高い戻り冷気に代表されるような、冷凍室内の冷気の温度に比べて温度の高い冷気が冷凍室の冷気戻り開口から冷凍室に流れ込む現象を抑制した冷蔵庫を提供することにある。【解決手段】冷凍室の冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵庫の運転モードに対応して開閉させるように構成した。冷凍室の冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵庫の運転モードに対応して開閉させるようにすることで、冷凍室に無駄な熱量が供給されないので省エネルギー性能を向上することができるようになる。【選択図】図6A
Description
本発明は食品や飲料水等を冷蔵或いは冷凍して貯留する冷蔵庫に係り、少なくとも冷凍室及び冷蔵室の冷気を制御するダンパー機構を備えた冷蔵庫に関するものである。
最近の冷蔵庫では、冷蔵庫を構成する箱体内部の上部に冷蔵室、中間部に冷凍室、下部に野菜室を配置し、それぞれの貯蔵室同士は熱の移動が少ないように断熱仕切壁により区画されている。つまり、冷凍室と隣接する冷蔵室や野菜室に冷凍室の冷熱が流入しないように、冷凍室と隣接する冷蔵室や野菜室は真空断熱材やポリウレタンフォームが配置された断熱仕切壁によって区画されている。
そして、冷蔵庫として一般的に主流である間冷式冷蔵庫(冷却器で冷やされた冷気を、送風ファンによって冷凍室、冷蔵室、野菜室に吹き出す方式の冷蔵庫)では、冷蔵庫内部に冷気を生成する冷凍サイクルを備え、この冷凍サイクルの冷却器で生成された冷気を送風機により各貯蔵室に循環させて貯蔵物の冷却を行っている。
冷却器を含む冷凍サイクルを構成する各種機器、送風機、冷気が通過する冷気風路は、構造的な観点から冷蔵庫の背面側に配置されており、冷気風路を流れる冷気は各貯蔵室内の奥側壁面部に形成された冷気吹き出し開口より各貯蔵室内に送風されるものである。冷気吹き出し口から流入した冷気は各貯蔵室内の貯蔵物を冷却すると、各貯蔵室を構成する奥側壁面部の下部に設置した冷気戻り開口に流入して冷却器に戻る構造となっている。
そして、送風機から送られてくる冷気を冷気吹き出し開口から供給する場合は、冷風通路に配置した冷蔵室ダンパーを開くことで冷蔵室に冷気を供給し、同様に冷風通路に配置した冷凍室ダンパーを開くことで冷凍室に冷気を供給している。各ダンパーの切り替え制御は各貯蔵室の温度を監視して行われている。このような冷気を制御するダンパー機構を効率的に制御するために、例えば、特開2011−38715号公報(特許文献1)では省エネルギー性と食品の保存性能を向上した冷蔵庫を提案している。この特許文献1によれば、除霜運転時には冷蔵室ダンパーを「開」、冷凍室ダンパーを「閉」とし、送風機を運転すると同時に電熱ヒータによって冷蔵室からの戻り空気を加熱して、送風機による強制対流により冷却器に成長した霜を溶かすことで除霜時間を短くして省エネルギー性及び食品の保存性を向上させるとしている。
上記した特許文献1に記載の技術においては確かに省エネルギー性と食品の保存性については考慮されている。ところで、特許文献1に記載の技術は冷蔵室と冷凍室の冷気吹き出し開口から吹き出される冷気を冷風通路に設けた夫々のダンパー機構によって制御するものである。しかしながら、この様に冷気吹き出し開口から流入する冷気を制御するだけでは、特に冷凍室に温度の高い冷気が逆流して以下に述べるような現象が発現することがある。
例えば、除霜運転時には冷蔵室ダンパーを「開」とし、冷凍室ダンパーを「閉」としている。そして、冷却器の下方に設けられた除霜ヒータによって暖められた冷凍室より高温となった冷気と、冷蔵室からの戻り冷気とが冷凍室の冷気戻り開口を通って流れ込むことで冷凍室内の温度が上昇する現象がある。このため、除霜運転の観点から見れば、冷却器に成長した霜と熱交換するはずの熱量を冷凍室内に無駄に供給することで熱の損失を生じることとなり、除霜時間を短くすることができず、省エネルギー性能を十分高くすることができないことになる。冷凍室側の観点から見れば、冷却器が設置された空間内の冷気が冷凍室の冷気戻り開口に流れ込んで冷凍室に流入するため、冷凍室内に無駄な熱量が供給されて冷凍室の温度が高くなり冷凍効率が落ちることになる。
更に、徐霜ヒータを備えない、或いは徐霜運転を行っていない通常の冷蔵運転時において、冷蔵室からの戻り冷気が冷凍室の冷気戻り開口に流れ込んで冷凍室に流入するため、冷凍室内に無駄な熱量が供給されて冷凍室の温度が高くなり冷凍効率が落ちることになる。このため、省エネルギー性能を十分高くすることができなかった。また、冷蔵室からの戻り空気は、冷凍室よりも高温かつ冷蔵室の水分を含んだ湿り気の多い空気である。この湿度が高い冷蔵室からの戻り冷気が冷凍室にある低温の貯蔵容器、或いは冷凍室の壁面に触れると、貯蔵容器表面あるいは冷凍室の壁面に着霜する現象があり好ましいものではなかった。
本発明の目的は、例えば徐霜運転時の温度の高い冷気や冷蔵室の温度の高い戻り冷気に代表されるような、冷凍室内の冷気の温度に比べて温度の高い冷気が冷凍室の冷気戻り開口から冷凍室に流れ込む現象を抑制した冷蔵庫を提供することにある。
本発明の特徴は、冷凍室の冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵庫の運転モードに対応して開閉させる、ところにある。
例えば、除霜運転モードでは冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーを「閉」状態とすると共に冷凍室戻りダンパーも「閉」状態とし、除霜運転モードで温度の高い冷気が冷凍室に流れ込まないようにすることができる。また、通常の冷蔵運転モードでは冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーを「閉」状態とすると共に冷凍室戻りダンパーも「閉」状態とし、通常の冷蔵運転モードで温度の高い冷蔵室の冷気が冷凍室に流れ込まないようにすることができる。
本発明によれば、冷凍室の冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵庫の運転モードに対応して開閉させるようにすることで、冷凍室に無駄な熱量が供給されないので省エネルギー性を向上することができるようになる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の具体的な実施例を説明する前に、本発明が適用される間冷式冷蔵庫(以下、単に冷蔵庫という)の構成を図1乃至図3に基づいて説明する。
図1は冷蔵庫の正面外観図であり、図2は図1の縦断面を示す断面図である。尚、図2においては製氷室の断面は示されていない。
図1、及び図2において、冷蔵庫1は、上方から冷蔵室2、製氷室3及び上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6を有する。ここで、製氷室3と上部冷凍室4は、冷蔵室2と下部冷凍室5との間に左右に並べて設けている。一例として、冷蔵室2はおよそ+3℃、野菜室6はおよそ+3℃〜+7℃の冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室3、上部冷凍室4及び下部冷凍室5は、およそ−18℃の冷凍温度帯の貯蔵室である。
冷蔵室2は前方側に、左右に分割された観音開き(いわゆるフレンチ型)の冷蔵室扉2a、2bを備えている。製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6は夫々引き出し式の製氷室扉3a、上部冷凍室扉4a、下部冷凍室扉5a、野菜室扉6aを備えている。尚、冷蔵室扉2a、2b、製氷室扉3a、上部冷凍室扉4a、下部冷凍室扉5a、野菜室扉6aの各扉の「開」「閉」状態をそれぞれ検知する扉センサが冷蔵庫1には備えられている。
また、各扉の貯蔵室側の面には、各扉の外縁に沿うように磁石が内臓されたパッキン(図示せず)を設けており、各扉の閉鎖時、鉄板で形成された冷蔵庫外箱のフランジや後述の各仕切り鉄板に密着し貯蔵室内への外気の侵入、及び貯蔵室からの冷気の漏れを抑制する構成とされている。
ここで、図2に示すように冷蔵庫本体10の下部には機械室11が形成され、この中に圧縮機12が内蔵されている。冷却器収納室13と機械室11には水抜き通路14によって連通され、凝縮水が排出できるようになっている。
図2に示すように、冷蔵庫本体10の庫外と庫内は、内箱と外箱との間に発砲断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体15により隔てられている。また冷蔵庫本体10の断熱箱体15は複数の真空断熱材16を実装している。冷蔵庫本体10は、上側断熱仕切壁17により冷蔵室2と上部冷凍室4及び製氷室3(図1参照、図2中で製氷室3は図示されていない)とが区画され、下側断熱仕切壁18により下部冷凍室5と野菜室6とが区画されている。
また、下部冷凍室5の上部には横仕切部を設けている。横仕切部は、製氷室3及び上部冷凍室4と下部冷凍室5とを上下方向に仕切っている。また、横仕切部の上部には、製氷室3と上部冷凍室4との間を左右方向に仕切る縦仕切部を設けている。
横仕切部は、下側断熱仕切壁18の前面及び左右側壁前面と共に、下部冷凍室扉5aの貯蔵室側の面に設けたパッキン(図示せず)と接触する。製氷室扉3aと上部冷凍室扉4aの貯蔵室側の面に設けたパッキン(図示せず)は、横仕切部、縦仕切部、上側断熱仕切壁51及び冷蔵庫本体1の左右側壁前面と接することで、各貯蔵室と各扉との間での冷気の移動をそれぞれ抑制している。
図2に示すように、上部冷凍室4、下部冷凍室5及び野菜室6は、それぞれの貯蔵室の前方に備えられた扉4a、5a、6aが取り付けられている。また、上部冷凍室4には上部冷凍貯蔵容器41が収納、配置され、下部冷凍室5には上段冷凍貯蔵容器50、下段冷凍貯蔵容器51が収納、配置されている。更に、野菜室6には上段野菜貯蔵容器60、下段野菜貯蔵容器61が収納、配置されている。
そして、製氷室扉3a、上部冷凍室扉4a、下部冷凍室扉5a及び野菜室扉6aは、それぞれ図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、製氷貯蔵容器3b(図示せず)、上部冷凍貯蔵容器41、下段冷凍貯蔵容器51、下段野菜貯蔵容器61が引き出せるようになっている。
詳しくは、下段冷凍貯蔵容器51は冷凍室扉内箱に取り付けられた支持アーム5dに下段冷凍貯蔵容器51の側面上部のフランジ部が懸架されており、冷凍室扉5aを引き出すと同時に下段冷凍貯蔵容器62のみが引き出される。上段冷凍貯蔵容器50は冷凍室5の側面壁に形成された凹凸部(図示しない)に載置されており前後方向にスライド可能になっている。
下段野菜貯蔵容器61も同様にフランジ部が野菜室扉6aの内箱に取り付けられた支持アーム6dに懸架され、上段野菜貯蔵容器60は野菜室側面壁の凹凸部に載置されている。また、この野菜室6には断熱箱体15に固定された電熱ヒータ6Cが設けられており、この電熱ヒータ6Cによって野菜室6の温度が冷やし過ぎにならないように、野菜の貯蔵に適した温度になるようにしている。尚、この電熱ヒータ6Cは必要に応じて設けられれば良いものであるが、本実施例では野菜の貯蔵がより上手く行えるように電熱ヒータ6Cを設けるようにしている。
次に本実施形態の冷蔵庫の冷却方法について説明する。冷蔵庫本体1には冷却器収納室13が形成され、この中に冷却手段として冷却器19を備えている。冷却器19(一例として、フィンチューブ熱交換器)は、下部冷凍室5の背部に備えられた冷却器収納室13内に設けられている。また、冷却器収納室13内であって冷却器19の上方には送風手段として送風機20(一例として、プロペラファン)が設けられている。
冷却器19で熱交換して冷やされた空気(以下、冷却器19で熱交換した低温の空気を「冷気」と称する)は、送風機20によって冷蔵室送風ダクト21、冷凍室送風ダクト22、及び図示しない製氷室送風ダクトを介して、冷蔵室2、製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、野菜室6の各貯蔵室へそれぞれ送られる。
各貯蔵室への送風は、冷蔵温度帯の冷蔵室2への送風量を制御する第一の送風制御手段(以下、冷蔵室ダンパー23という)と、冷凍温度帯の冷凍室4、5への送風量を制御する第二の送風量制御手段(以下、冷凍室ダンパー24という)とにより制御される。ちなみに、冷蔵室2、製氷室3、上部冷凍室4、下部冷凍室5、及び野菜室6への各送風ダクトは、図3に破線で示すように冷蔵庫本体1の各貯蔵室の背面側に設けられている。具体的には、冷蔵室ダンパー23が「開」の状態、冷凍室ダンパー24が「閉」の状態のときには、冷気は冷蔵室送風ダクト21を経て多段に設けられた冷気吹き出し開口25から冷蔵室2に送られる。また、冷蔵室ダンパー23が「閉」の状態、冷凍室ダンパー24が「開」の状態のときには、冷気は冷凍室送風ダクト22を経て多段に設けられた冷気吹き出し開口32a、32b、33a、33bから冷凍室4、5に送られる
各ダンパー23、24は細長い略長方形の板状の開閉体であり、この開閉体によって冷風通路である冷蔵室送風ダクト21、冷凍室送風ダクト22を流れる冷気の量を調整するものである。開閉体は図示しないステップモータによって駆動されるように構成されており、制御装置から送られてきたステップモータのステップ数によって開閉体の位置が制御されるようになっている。
各ダンパー23、24は細長い略長方形の板状の開閉体であり、この開閉体によって冷風通路である冷蔵室送風ダクト21、冷凍室送風ダクト22を流れる冷気の量を調整するものである。開閉体は図示しないステップモータによって駆動されるように構成されており、制御装置から送られてきたステップモータのステップ数によって開閉体の位置が制御されるようになっている。
また、冷蔵室2を冷却した冷気は、冷蔵室2の下部に設けられた冷蔵室戻り開口26から冷蔵室−野菜室連通ダクト27を経て、下側断熱仕切壁18の下部右奥側に設けた野菜室吹き出し開口28から野菜室6へ送風される。野菜室6からの戻り冷気は、下側断熱仕切壁18の下部前方に設けられた野菜室戻りダクト入口29から野菜室戻りダクト30を経て、野菜室戻りダクト出口から冷却器収納室13の下部に戻る。
図2、図3に示すように、冷却器収納室13の前方には、各貯蔵室と冷却器収納室12との間を仕切る仕切部材31が設けられている。仕切部材31には、図3にあるように上部冷凍室4、下部冷凍室5に開口する一対の冷気吹き出し口32a、32b、33a、33bが形成されており、冷蔵室ダンパー23が「閉」の状態、冷凍室ダンパー24が「開」状態のとき、冷却器19で熱交換された冷気が送風機20により図示を省略した製氷室送風ダクトや上段冷凍室送風ダクト34を経て冷気吹き出し開口32a、32bからそれぞれ製氷室3、上部冷凍室4へ送風される。また、下段冷凍室送風ダクト35を経て冷気吹き出し開口、33a、33bから下部冷凍室5へ送風される。尚、各冷凍室4、5には必要に応じて冷気吹き出し開口を増設しても良いものである。
ところで、従来の冷蔵庫においては冷蔵室と冷凍室の冷気吹き出し開口から吹き出される冷気を冷風通路に設けた夫々のダンパー機構によって制御するものである。しかしながら、上述したように、冷気吹き出し開口から流入する冷気を制御するだけでは、特に冷凍室に温度の高い空気が逆流することがある。
例えば、除霜運転モードには冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーを「閉」状態としている。そして、冷却器の下方に設けられた除霜ヒータによって暖められ冷凍室より高温となった冷却器が設置された空間内の冷気と、冷蔵室からの戻り空気とが冷凍室の冷気戻り開口を通って流れ込むことで冷凍室内の温度が上昇する。このため、除霜運転モードの観点から見れば、冷却器に成長した霜と熱交換するはずの熱量を冷凍室内に無駄に供給することで熱の損失を生じることとなり、除霜時間を短くすることができず、省エネルギー性能を十分高くすることができないことになる。一方、冷凍室側の観点から見れば、冷却器が設置された空間内の冷気が冷凍室の冷気戻り開口に流れ込んで冷凍室に流入するため、冷凍室内に無駄な熱量が供給されて冷凍室の温度が高くなり冷凍効率が落ちることになる。
更に、徐霜ヒータを備えない、或いは徐霜運転を行っていない通常の冷蔵運転時において、冷蔵室からの戻り空気が冷凍室の冷気戻り開口に流れ込んで冷凍室に流入するため、冷凍室内に無駄な熱量が供給されて冷凍室の温度が高くなり冷凍効率が落ちることになる。このため、省エネルギー性能を十分高くすることができない。また、冷蔵室からの戻り空気は、冷凍室よりも高温かつ冷蔵室の水分を含んだ湿り気の多い空気である。この湿度が高い冷蔵室からの戻り空気が冷凍室にある低温の貯蔵容器、或いは冷凍室の壁面に触れると、貯蔵容器表面あるいは冷凍室の壁面に着霜する現象があり好ましいものではなかった。
このような、現象を回避、或いは抑制するために、本発明では冷凍室の冷凍室冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵庫の運転モードに対応して開閉させるように構成したところに特徴を有するものである。以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図4及び図5は冷凍室の冷凍室冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵庫の運転モードに対応して開閉させる構成を示している。図4は冷却器収納室13の周辺を冷蔵庫の正面から見たものであり、図5は冷却器収納室13を冷蔵庫の側面から見た断面図である。
図4にあるように、冷却器収納室13内に収納された冷却器19の下部には、冷却器19の横幅とほぼ同じ長さの除霜ヒータ70が設けられている。この徐霜ヒータ70は電熱線から構成された電熱ヒータであり、冷却器収納室13内の冷気に熱を供給して冷却器19に付着した霜を溶かす機能を備えている。
また、冷却器19の上部には冷却器19の温度を検知する除霜センサ71が設けられており、これは例えば、冷却器19のパイプに接触するように取り付けられている。この除霜センサ71で検知された冷却器19の温度に関する温度信号は冷蔵庫の制御部(図示なし)に供給されるように制御部と信号線73を介して接続されている。
冷蔵室2を冷却した冷気は冷蔵室戻り開口26から流出して冷蔵室−野菜室連通ダクト27を通って冷却器収納室13に繋がる冷蔵室冷気戻り口72に戻され、更にこの冷蔵室冷気戻り口72を介して冷却器収納室13に戻される。冷却器収納室13に戻された冷蔵室2を冷却した冷気は再び冷却器19で冷却された後に冷蔵室送風ダクト21を通って冷蔵室2に循環されるものである。
また、図5に示すように、冷凍室4、5を冷却した冷気は冷凍室冷気戻り開口74から流出して冷却器収納室13に戻される。冷却器収納室13に戻された冷凍室4、5を冷却した冷気は再び冷却器19で冷却された後に冷凍室送風ダクト22を通って冷凍室4、5に循環されるものである。ここで、冷凍室冷気戻り開口74は冷却器19の幅方向とほぼ同じ開口長さとなっている。
冷凍室冷気戻り開口74には冷凍室戻りダンパー75が設けられており、この冷凍室戻りダンパー75は「開」状態で、冷凍室5と冷却器収納室13を連通して冷凍室5の冷気を冷却器収納室13に戻す機能を備え、また、「閉」状態で、冷凍室5と冷却器収納室13の連通を遮断して、冷凍室5の冷気が冷却器収納室13に戻る、或いは冷却器収納室13からの冷気が冷凍室5に逆流するのを抑制する機能を備えている。図中の矢印は冷却器収納室13から冷凍室5に至る冷気の流れを示している。図5にある通り、冷凍室戻りダンパー75は一方の位置で断熱仕切壁18の突出部18Aと接触することで、冷凍室5と冷却器収納室13を連通している。また、冷凍室戻りダンパー75は他方の位置で仕切部材31と接触することで、冷凍室5と冷却器収納室13を遮断している。
冷凍室戻りダンパー75は、ダンパー23,24と同様に細長い略長方形の板状の開閉体であり、この開閉体によって冷凍室冷気戻り開口74を流れる冷気を調整するものである。開閉体は図示しないステップモータによって駆動されるように構成されており、制御装置から送られてきたステップモータのステップ数によって開閉体の位置が制御されるようになっている。
ここで、冷却器収納室13の冷気の温度は冷凍室5に存在する冷気の温度より高いものである。つまり、後述するように徐霜運転モードでは除霜ヒータ70により冷却器収納室13の冷気が加熱されていること、及び通常の冷蔵運転では冷蔵室2からの戻り冷気は冷凍室の冷気より温度が高いことから、冷却器収納室13から冷凍室5に至る冷気の温度は冷凍室5に存在する冷気の温度より高いものとなる。
尚、冷蔵庫の運転モードには冷凍庫に冷気を供給する冷凍運転モード、冷蔵庫に冷気を供給する冷蔵運転モード、冷凍庫及び冷蔵庫に冷気を供給する冷凍−冷蔵運転モード、及び徐霜運転モード等があり、これらは制御装置によって圧縮機12、送風機20、冷蔵室ダンパー23、冷凍室ダンパー24、及び冷凍室戻りダンパー75、徐霜ヒータ70の動作状態を制御することによって実行することができる。
以上のような構成を備える冷蔵庫において、以下では徐霜運転モード(実施例1)と、冷蔵運転モードの前後に冷却運転モード(霜の冷熱を利用する運転モード)と冷凍運転モードを組み合せた運転モード(実施例2)について、圧縮機12、送風機20、冷蔵室ダンパー23、冷凍室ダンパー24、及び冷凍室戻りダンパー75、徐霜ヒータ70の動作について説明する。
図6Aは本発明の第1の実施の形態による冷蔵庫の除霜運転モードを実行した時の動作を示すものである。従来の徐霜運転モードは除霜ヒータ70を動作させることによって生じる熱を利用した自然対流式の除霜運転であるが、本実施例になる徐霜運転モードはこれとは異なるものである。
すなわち、本実施例になる徐霜運転モードは、まず冷蔵室ダンパー23を「開」状態、冷凍室ダンパー24を「閉」状態、及び冷凍室戻りダンパー75を「閉」状態とする。そして、徐霜ヒータ70を動作させて冷蔵室2からの戻り冷気を加熱すると共に、送風機20を動作させて強制的に冷却器収容室13内の冷気を冷却器19に送ることで、冷却器収納室13の冷気と冷却器19に付着した霜との伝熱を促進させて積極的に熱交換させて除霜時間を短くする。また、この時に冷却器19に付着した霜と熱交換された冷気を冷蔵室2に送風して冷蔵室2内を冷却するように動作させる。更に、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態となっているので、冷蔵室2からの戻り冷気や徐霜ヒータ70で加熱された冷気が冷凍室5内に戻ることが抑制されるようになっている。
次に上述した除霜運転モードの具体的な方法を説明する。図6Aでは冷蔵室温度、冷凍室温度、冷却器温度と、送風機20、冷蔵室ダンパー23、冷凍室ダンパー24、冷凍室戻りダンパー75、圧縮機12、除霜ヒータ70の動作状況を時系列的に示している。ここで、冷却器の温度T0からT4に対応する時刻はそれぞれt0からt4とする。
まず、除霜運転モードの開始時刻t0より以前においては、除霜中に、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75を「閉」状態としているため、冷凍室4、5の温度が上昇する恐れがある。このため、冷凍室4、5の温度上昇を見込んで、例えば、除霜運転モードの開始直前に冷凍室4、5を冷却するように強制的に冷凍運転モードを実行する。この冷凍運転モードの時間は冷蔵庫の容量等によって適切に選択されている。したがって、この時の除霜運転モードの開始時刻t0より以前においては、送風機20は「ON」状態、冷蔵室ダンパー23は「閉」状態、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態、圧縮機12は「ON」状態、除霜ヒータ70は「OFF」状態となる。このように、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態のため、冷却器19で生成された冷気は冷凍室送風ダクト22を介して冷凍室4、5に供給され、更に冷凍室冷気戻り開口74を通って冷却器19に戻されて循環されるようになる。これによって、冷凍室4、5は充分に冷却されることになる。
次に、除霜運転モードを実行する時の冷却器19の温度をT0(時刻t0)と設定することで、自動的に除霜運転モードを実行することができる。この場合は上述した冷凍運転モードによって冷却器19の温度はT0で安定状態にある。除霜運転モードが時刻t0で開始されると、送風機20は「ON」状態を維持し、冷蔵室ダンパー23は「開」状態に変更され、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態に変更され、圧縮機12は「OFF」状態に変更され、除霜ヒータ70は「ON」状態に変更されることとなる。そして、この状態では圧縮機12が非作動であるため冷気の生成は行われていなく、逆に徐霜ヒータ70が冷却器収納室13の冷気を加熱するように動作している。更に、送風機20は冷却器19で熱交換が行えるように冷気を流すべく動作している。
この状態において、冷蔵室ダンパー23は「開」状態、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態となっているので、送風機20の作用によって冷却器19を通った冷気は、冷蔵室2を冷却して冷蔵室戻り開口26から流出して冷蔵室−野菜室連通ダクト27を通って冷却器収納室13に繋がる冷蔵室冷気戻り口72に戻される。
このように、徐霜ヒータ70を動作させて冷蔵室2からの戻り冷気を加熱すると共に、送風機20を動作させて強制的に冷却器収容室13内の冷気を冷却器19に送ることで、冷却器収納室13の冷気と冷却器19に付着した霜との伝熱を促進させて積極的に熱交換させることができる。また、この時に冷却器19に付着した霜と熱交換されて温度が低くなった冷気を再び冷蔵室2に送風して冷蔵室2内を冷却することができるようになる。更に、この状態では冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態となっているので、冷蔵室2からの戻り冷気や徐霜ヒータ70で加熱された冷気が冷凍室5内に戻ることが抑制されている。したがって、冷却器19に付着した霜と熱交換するはずの熱量が冷凍室4、5に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。
次に、冷却器19に付着した霜と戻り冷気との熱交換により冷却器19の温度は上昇していき、時刻t1で霜の融解温度T1に到達する。そして、時刻t1から霜が解け初め、時刻t2で霜の融解が完了する。この間の区間においては、霜は潜熱を放出しているので温度T1とT2は略0℃の一定温度になっている。ここで、時刻t1からt2までの時間は、冷却器19に付着した霜量にほぼ比例している。すなわち、霜の付着量が多い場合は時刻t1からt2までの時間が長くなり、冷却器19の温度T0からT1に到達する時間も長くなる。
次に、冷却器19の温度がT3(例えば3℃、時刻はt3)になると、送風機20は「OFF」状態に変更され、冷蔵室ダンパー23は「閉」状態に変更され、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態を維持し、圧縮機12は「OFF」状態を維持し、除霜ヒータ70は「ON」状態を維持している。このように冷蔵室ダンパー23を「閉」状態に変更する動作を行うのは冷却器19の温度が高くなり、冷蔵室2を冷却するための温度に適さないようになるからである。この状態で冷蔵室ダンパー23を「開」状態に維持していると冷蔵室2の温度が高くなる恐れが出てくるので、冷蔵室ダンパー23を「閉」状態に変更している。
ただ、冷却器19は徐霜を継続することが必要であるので、送風機20を停止した状態で除霜ヒータ70は冷却器19の加熱を継続する。除霜ヒータ70は冷却器19の霜が完全に解けるように冷却器19の温度がT4になるまで加熱が続けられる。T4は経験的に決められた温度であり、概ね10℃に設定されている。冷却器19の温度がT4に達すると冷却器19の霜は完全に融解していると見做し、徐霜ヒータ70は「OFF」状態となって冷却器収納室13内の冷気の加熱を停止する。
冷却器19の温度がT4に達してから所定時間経過後の時刻t5において、送風機20は「ON」状態に変更され、冷蔵室ダンパー23は「開」状態に変更され、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態に変更され、圧縮機12は「ON」状態に変更され、除霜ヒータ70は「OFF」状態に変更されることとなる。この状態は冷凍−冷蔵運転モードに復帰するものであり、冷却器19で生成された冷気を早急に冷蔵室2や冷凍室4、5に供給して貯蔵物の温度を下げるようにする。尚、本実施例では冷凍−冷蔵運転モードに復帰させているが、冷蔵室2や冷凍室4、5の温度によって冷蔵運転モードや冷凍運転モードを実行するようにしても良いものである。
このように、本実施においては徐霜運転モードでは、冷蔵室ダンパー23を「開」状態、冷凍室ダンパー24を「閉」状態、及び冷凍室戻りダンパー75を「閉」状態とし、徐霜ヒータ70を動作させて冷蔵室2からの戻り冷気を加熱すると共に、送風機20を動作させて強制的に冷却器収容室13内の冷気を冷却器19に送るようにした。
このように、冷凍室ダンパー24を「閉」状態、及び冷凍室戻りダンパー75を「閉」状態とすることによって、冷却器収納室13から冷凍室5に温度が高い冷気が流れ込むのを抑制でき、結果として、冷却器19に付着した霜と熱交換するはずの熱量が冷凍室4、5に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。
また、送風機20によって冷却器収納室13の冷気と冷却器19に付着した霜との伝熱を促進させて積極的に熱交換させることで除霜時間を短くすることができるようになる。更に、この時に冷却器19に付着した霜と熱交換された冷気を冷蔵室2に送風して冷蔵室2内を冷却することができるようになる。
次に、上述した徐霜運転モードの変形例を図6Bに基づいて説明する。図6Bに示す変形例は徐霜運転開始時刻t0から冷却器19の温度がT3に達する時刻t3までは送風機20によって生じる冷気(これは冷蔵室室2からの戻り冷気)の流れによって冷却器19に付着した霜を融解させるようにし、その後、除霜ヒータ70を動作させて更に冷却器19の徐霜を促進させるようにしたものである。
図6Bにおいて、まず、除霜運転モードの開始時刻t0より以前においては、上述した実施例と同様に、除霜運転モードの開始直前に冷凍室4、5を冷却するように強制的に冷凍運転モードを実行する。したがって、この時の除霜運転モードの開始時刻t0より以前においては、送風機20は「ON」状態、冷蔵室ダンパー23は「閉」状態、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態、圧縮機12は「ON」状態、除霜ヒータ70は「OFF」状態となる。このように、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態のため、冷却器19で生成された冷気は冷凍室送風ダクト22を介して冷凍室4、5に供給され、更に冷凍室冷気戻り開口74を通って冷却器19に戻されて循環されるようになる。これによって、冷凍室4、5は充分に冷却されることになる。
次に、除霜運転モードが時刻t0で開始されると、送風機20は「ON」状態を維持し、冷蔵室ダンパー23は「開」状態に変更され、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態に変更され、圧縮機12は「OFF」状態に変更され、除霜ヒータ70は「OFF」状態を維持することになる。この状態では圧縮機12が非作動であるため冷気の生成は行われていなく、また徐霜ヒータ70も冷却器収納室13の冷気を加熱することはない。
そして、この状態では送風機20が動作しているので、冷蔵室2の戻り冷気は送風機20によって吸引されて冷却器19を通過するようになる。この状態で冷蔵室2の戻り冷気は冷却器19に付着された霜と熱交換されることで、霜は融解されることになる。逆に、戻り冷気は冷却器19に付着された霜によって冷却されるため再び冷蔵室2に送風して冷蔵室2内を冷却することができるようになる。
また、この状態では冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態となっているので、冷蔵室2からの戻り冷気が冷凍室5内に戻ることが抑制されている。したがって、冷却器19に付着した霜と熱交換するはずの熱量が冷凍室4、5に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。
次に、冷却器19に付着した霜と戻り冷気との熱交換により冷却器19の温度は上昇していき、時刻t3で冷却器19の温度がT3に達する。尚、この温度T3に達する間に冷却器19の温度は図6AのT1〜T2に示す潜熱を放出する区間があるが図6Bではこれを省略している。
次に、冷却器19の温度がT3(例えば3℃、時刻はt3)になると、送風機20は「OFF」状態に変更され、冷蔵室ダンパー23は「閉」状態に変更され、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態を維持し、圧縮機12は「OFF」状態を維持し、除霜ヒータ70は「ON」状態に変更されることとなる。このように冷蔵室ダンパー23を「閉」状態に変更する動作を行うのは冷却器19の温度が高くなり、冷蔵室2を冷却するための温度に適さないようになるからである。この状態で冷蔵室ダンパー23を「開」状態に維持していると冷蔵室2の温度が高くなる恐れが出てくるので、冷蔵室ダンパー23を「閉」状態に変更している。
ただ、冷却器19は徐霜を継続することが必要であるので、送風機20を停止した状態で除霜ヒータ70は冷却器19の加熱を開始する。除霜ヒータ70は冷却器19の霜が完全に解けるように冷却器19の温度がT4になるまで加熱が続けられる。T4は経験的に決められた温度であり、概ね10℃に設定されている。冷却器19の温度がT4に達すると冷却器19の霜は完全に融解していると見做し、徐霜ヒータ70は「OFF」状態となって冷却器収納室13内の冷気の加熱を停止する。
冷却器19の温度がT4に達してから所定時間経過後の時刻t5において、送風機20は「ON」状態に変更され、冷蔵室ダンパー23は「開」状態に変更され、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態に変更され、圧縮機12は「ON」状態に変更され、除霜ヒータ70は「OFF」状態を維持することとなる。この状態は冷凍−冷蔵運転モードに復帰するものであり、冷却器19で生成された冷気を早急に冷蔵室2や冷凍室4、5に供給して貯蔵物の温度を下げるようにする。尚、本実施例では冷凍−冷蔵運転モードに復帰させているが、冷蔵室2や冷凍室4,5の温度によって冷蔵運転モードや冷凍運転モードを実行するようにしても良いものである。
このように、本変形例においては徐霜運転モードでは冷蔵室ダンパー23を「開」状態、冷凍室ダンパー24を「閉」状態、及び冷凍室戻りダンパー75を「閉」状態とし、送風機20によって冷蔵室の戻り冷気によって冷却器10の徐霜を行ない、更に、冷却器19の温度が所定値T3に達した後に徐霜ヒータ70を動作させて冷却器収納室13の冷気を加熱して徐霜を促進するようにした。
このように、冷凍室ダンパー24を「閉」状態、及び冷凍室戻りダンパー75を「閉」状態とすることによって、冷却器収納室13から冷凍室5に温度が高い冷気が流れ込むのを抑制でき、結果として、冷却器19に付着した霜と熱交換するはずの熱量が冷凍室4、5に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。
また、送風機20によって冷却器収納室13の冷気と冷却器19に付着した霜との伝熱を促進させることで積極的に熱交換させて除霜時間を短くすることができるようになる。更に、この時に冷却器19に付着した霜と熱交換された冷気を冷蔵室2に送風して冷蔵室2内を冷却することができるようになる。また、冷却器19が所定の温度になるまでは送風機20を用いて冷蔵室2の戻り冷気によって徐霜するようにしたので、徐霜運転モードでの徐霜ヒータ70の使用時間が短くなって消費電力を低減することができるようになる。
次に本発明の第2の実施形態について図7を用いて説明する。本実施例においても冷凍室の冷凍室冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵運転モードに対応して開閉させる構成を示している。尚、この冷蔵運転モードの前後に霜の冷熱を利用する冷却運転モードと冷凍運転モードを組み合わせた組み合せ運転モードを実行するようにしている。
図7において、本実施例では圧縮機12を停止している時に霜の冷熱を利用して冷蔵室2を冷却する冷却運転モード、これに続く冷蔵運転モード及び冷凍運転モードを1サイクルとして実行されるものである。
まず、冷却運転モードの開始時刻t6より以前においては、冷却器19に霜を形成して冷熱を利用できる環境を生成するため冷凍運転モードが実行される。この冷凍運転モードの時間は冷蔵庫の容量等によって適切に選択されている。したがって、この時の冷却運転モードの開始時刻t6より以前においては、送風機20は「ON」状態、冷蔵室ダンパー23は「閉」状態、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態、圧縮機12は「ON2」状態となる。ここで、圧縮機12は冷凍運転モードであるので、冷力を高めるため高い回転数に設定されており、これを「ON2」と表記している。尚、本実施例では徐霜運転モードを有しない場合、或いは徐霜運転モードを実行していない状態の場合を示しているので、徐霜ヒータ70の動作については示していない。このように、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態のため、冷却器19で生成された冷気は冷凍室送風ダクト22を介して冷凍室4、5に供給され、更に冷凍室冷気戻り開口74を通って冷却器19に戻されて循環されるようになる。これによって、冷凍室4、5は充分に冷却されることになる。更に、冷却器19も充分冷やされて霜が付着して霜の冷熱を利用できる環境になっている。
次に時刻t6に達して冷却運転モードが開始されるようになる。この時、送風機20は「ON」状態を維持し、冷蔵室ダンパー23は「開」状態に変更され、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75も「閉」状態に変更され、圧縮機12は「OFF」状態に変更される。したがって、この状態では送風機20が動作しているので、冷蔵室2の戻り冷気は送風機20によって吸引されて冷却器19を通過するようになる。この状態で冷蔵室2の戻り冷気は冷却器19に付着された霜と熱交換されることで、霜は融解されることになる。逆に、戻り冷気は冷却器19に付着された霜によって冷却されるため再び冷蔵室2に送風して冷蔵室2内を冷却することができるようになる。
また、この状態では冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態となっているので、冷蔵室2からの戻り冷気が冷凍室5内に戻ることが抑制されている。したがって、冷却器19に付着した霜と熱交換するはずの熱量が冷凍室4、5に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。そして、この冷却運転モードでは圧縮機12の作動が停止されているのでこれによっても省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。
尚、送風機20は例えば冷却器19に設けた除霜センサ71で検出される温度が約3℃になるまで運転して、冷蔵室2に霜の冷熱を利用した冷気を供給するように構成されている。
次に、上述したように冷却器19の温度が所定温度、例えば約3℃に達すると時刻t7で冷蔵運転モードに移行する。冷蔵運転モードに移行すると送風機20は「ON」状態を維持し、冷蔵室ダンパー23は「開」状態を維持し、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75も「閉」状態を維持し、圧縮機12は「ON1」状態に変更される。ここで、圧縮機12は冷蔵運転モードであるので、冷凍運転モードに比べて冷力をさほど高める必要が無いので低い回転数に設定されており、これを「ON1」と表記している。
したがって、圧縮機12が動作されるので冷却器19には冷媒が流れて冷却運転で暖まった冷却器19の温度を下降させる。この状態で送風機20が動作しているので、冷蔵室2の戻り冷気は送風機20によって吸引されて冷却器19を通過するようになる。この状態で冷蔵室2の戻り冷気は冷却器19によって熱交換されることで冷却されることになる。そして、戻り冷気は冷却器19で冷却された後に再び冷蔵室2に送風されて冷蔵室2内を冷却することができるようになる。
本実施例においては、冷却運転モードの後に冷蔵運転モードを開始することにより、冷却器19の温度を上昇させた状態で、冷蔵室を冷却する冷凍サイクルを作動できるのでサイクル効率が高い状態で運転を行うことができる。この冷蔵運転モードにおいても、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「閉」状態となっているので、冷蔵室2からの戻り冷気が冷凍室5内に戻ることが抑制されている。したがって、冷却器19と熱交換するはずの熱量が冷凍室4、5に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を高くすることができるようになる。
次に、冷蔵運転モードで冷蔵室2を冷却して冷蔵室2の温度が設定下限温度に到達すると、時刻t8で冷凍運転モードに自動的に切り替わるようになる。冷凍運転モードに移行すると送風機20は「ON」状態を維持し、冷蔵室ダンパー23は「閉」状態に変更され、冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75は「開」状態に変更され、圧縮機12は「ON2」状態に変更される。したがって、圧縮機12の動作によって冷却器19には温度の低い冷媒が流れ、冷却器収納室13の冷気は冷却器19で冷却されて冷凍室4、5に送られるものである。実施例2では以上のモードを1サイクルとして実行することで、冷却運転モードで冷却器19の霜の冷熱を利用して冷蔵室2に冷気を供給することで省エネルギー性能を向上するようにしている。
実施例2では、霜の冷熱を利用する冷却運転モードと冷蔵運転モードにおいては冷凍室ダンパー24と冷凍室戻りダンパー75を「閉」状態とすることで、冷蔵室2からの戻り冷気が冷凍室冷気戻り開口74を逆流して冷凍室5に流入するのを抑制できるようにしている。これによって冷却器と熱交換するはずの熱量が冷凍室4、5に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。また、戻り空気が冷凍室の冷気戻り開口に流れ込むと冷凍室の温度が高くなり冷凍効率が落ちることになるが、本実施例によれば戻り冷気の逆流が抑制されるので冷凍室4,5の温度上昇を低く抑えることが可能となる。更に、冷蔵室2の戻り空気は高温かつ冷蔵室2の水分を含んだ湿り気の多い空気である。これが冷凍室4,5に流入すると低温の貯蔵容器あるいは冷凍室の壁面に触れると着霜するが、本実施例では冷凍室戻りダンパー75を「閉」状態とすることで、戻り冷気が冷凍室5に流入しないので着霜を防止することができるようになる。
本発明を総括すると、本発明においては冷凍室の冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵庫の運転モードに対応して開閉させるようにした。例えば、除霜運転モードでは冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーを「閉」状態とすると共に冷凍室戻りダンパーも「閉」状態とし、除霜運転モードで温度の高い冷気が冷凍室に流れ込まないようにすることができる。また、通常の冷蔵運転モードでは冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーを「閉」状態とすると共に冷凍室戻りダンパーも「閉」状態とし、通常の冷却運転モードで温度の高い冷蔵室の冷気が冷凍室に流れ込まないようにすることができる。
本発明によれば、冷凍室の冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、この冷凍室戻りダンパーを冷蔵庫の運転モードに対応して開閉させるようにすることで、冷凍室に無駄な熱量が供給されないので省エネルギー性を向上することができるようになる。
例えば、徐霜運転モードでは、徐霜ヒータを動作させて冷蔵室からの戻り冷気を加熱すると共に、送風機を動作させて強制的に冷却器収容室内の冷気を冷却器に送ることで、冷却器収納室の冷気と冷却器19に付着した霜との伝熱を促進させて積極的に熱交換させることができる。また、この時に冷却器に付着した霜と熱交換されて温度が低くなった冷気を再び冷蔵室に送風して冷蔵室内を冷却することができるようになる。更に、この状態では冷凍室ダンパーと冷凍室戻りダンパーは「閉」状態となっているので、冷蔵室からの戻り冷気や徐霜ヒータで加熱された冷気が冷凍室内に戻ることが抑制されている。したがって、冷却器に付着した霜と熱交換するはずの熱量が冷凍室に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。
また、冷蔵運転モードでは、冷凍室ダンパーと冷凍室戻りダンパーは「閉」状態となっているので、冷蔵室からの戻り冷気が冷凍室内に戻ることが抑制されている。したがって、冷却器と熱交換するはずの熱量が冷凍室に無駄に供給されるのを抑制でき、省エネルギー性能を十分高くすることができるようになる。また、冷蔵室からの戻り空気は、冷凍室よりも高温かつ冷蔵室の水分を含んだ湿り気の多い空気であるので冷凍室にある低温の貯蔵容器、或いは冷凍室の壁面に触れると、貯蔵容器表面あるいは冷凍室の壁面に着霜する現象があり好ましいものではなかった。これに対して冷凍室ダンパーと冷凍室戻りダンパーは「閉」状態となっているので、冷蔵室からの戻り冷気が冷凍室内に戻ることが抑制され、このような着霜の恐れを低減することができるようになる。
10…冷蔵庫本体、2…冷蔵室、3…製氷室、4…上部冷凍室、5…下部冷凍室、6…野菜室、12…圧縮機、13…冷却器収納室、18…断熱仕切壁、19…冷却器、20…送風機、23…冷蔵室ダンパー、24…冷凍室ダンパー、70…除霜ヒータ、75…冷凍室戻りダンパー。
Claims (5)
- 冷蔵庫本体に設けられた冷蔵室及び冷凍室と、前記冷蔵庫本体に設けられ冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷凍室の後方に設けられ冷却器が配置される冷却器収納室と、前記冷却器収納室から前記冷蔵室及び前記冷凍室に冷風通路を介して冷気を供給する送風機と、前記冷蔵室に供給する冷気を制御する冷蔵室ダンパーと、前記冷凍室に供給する冷気を制御する冷凍室ダンパーと、少なくとも前記圧縮機、前記送風機、前記冷蔵室ダンパー、及び前記冷凍室ダンパーの動作を制御する制御装置を備えた冷蔵庫において、
前記冷凍室と前記冷却器収納室とを繋ぐ冷凍室冷気戻り開口に冷凍室戻りダンパーを設け、前記制御装置は冷蔵庫の運転モードに応じて前記冷凍室戻りダンパーを開閉することを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記冷却器収納室に配置された冷却器の下方には徐霜ヒータが設けられており、前記制御装置が徐霜運転モードを実行する場合は、前記制御装置は少なくとも冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーと冷凍室戻りダンパーを「閉」状態とし、前記圧縮機を停止状態とし、前記送風機を回転状態とし、更に前記徐霜ヒータを加熱状態に制御することを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記冷却器収納室に配置された冷却器の下方には徐霜ヒータが設けられており、前記制御装置が徐霜運転モードを実行する場合は、前記制御装置は少なくとも冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーと冷凍室戻りダンパーを「閉」状態とし、前記圧縮機を停止状態とし、前記送風機を回転状態とし、また、前記徐霜ヒータを前記冷却器の温度が所定温度に達するまでは非加熱状態とし、更に前記冷却器の温度が所定温度に達すると前記送風機を停止状態とすると共に、前記徐霜ヒータを加熱状態に制御することを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記制御装置が冷蔵運転モードを実行する場合は、前記制御装置は少なくとも冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーと冷凍室戻りダンパーを「閉」状態とし、前記圧縮機を動作状態とし、前記送風機を回転状態に制御することを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項4に記載の冷蔵庫において、
前記制御装置は前記冷蔵運転モードを実行する前に前記冷却器に付着した霜の冷熱を利用して前記冷蔵室の冷却をおこなう冷却運転モードを実行し、前記冷却運転モードを実行する場合は、前記制御装置は少なくとも冷蔵室ダンパーを「開」状態とし、冷凍室ダンパーと冷凍室戻りダンパーを「閉」状態とし、前記圧縮機を停止状態とし、前記送風機を回転状態に制御することを特徴とする冷蔵庫。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106642920A (zh) * | 2016-12-26 | 2017-05-10 | 青岛海尔股份有限公司 | 风冷冰箱及其运行控制方法 |
WO2024024018A1 (ja) * | 2022-07-28 | 2024-02-01 | 三菱電機株式会社 | 冷蔵庫 |
-
2013
- 2013-06-11 JP JP2013122433A patent/JP2014240710A/ja active Pending
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CN106642920A (zh) * | 2016-12-26 | 2017-05-10 | 青岛海尔股份有限公司 | 风冷冰箱及其运行控制方法 |
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