JP2019039586A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発器下流の壁面に付着した霜を融解させつつ、省エネルギー性能の高い除霜運転を行う冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵温度帯の第一の貯蔵室と、冷凍温度帯室の第二の貯蔵室と、圧縮機と、二つの貯蔵室を冷却する蒸発器と、蒸発器で冷却された空気を、二つの貯蔵室に送風するファンと、蒸発器からニつの貯蔵室への送風を制御する冷蔵室ダンパと、冷凍室ダンパと、蒸発器に付着した霜を解かす除霜ヒータと、蒸発器の温度を検知する蒸発器温度検知手段を備える冷蔵庫において、圧縮機を停止中に、ファンを停止状態で除霜ヒータを通電状態とする第一の除霜モードと、冷凍室ダンパを閉状態、冷蔵室ダンパを開状態として、ファンを駆動させて除霜ヒータを通電状態とする第二の除霜モードを備え、第一の除霜モードを実施した後に、第二の除霜モードを行い、第二の除霜モードを蒸発器温度検知手段が霜の融解温度よりも高い温度になるまで行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、冷蔵庫に関する。
特許文献1(特許第5854937公報)に記載の冷蔵庫は、「冷蔵空間と、冷凍空間と、圧縮機と、前記圧縮機から吐出された冷媒が供給され前記冷蔵空間及び前記冷凍空間を冷却する蒸発器と、前記蒸発器で冷却された空気を前記冷蔵空間及び前記冷凍空間に送風する蒸発器ファンと、前記蒸発器で冷却された空気を前記冷蔵空間に供給する流路を開閉する冷蔵ダンパと、前記蒸発器で冷却された空気を前記冷凍空間に供給する流路を開閉する冷凍ダンパと、前記蒸発器に付着した霜を加熱する除霜ヒータと、前記圧縮機、前記蒸発器ファン、前記冷蔵ダンパ、前記冷凍ダンパ、及び前記除霜ヒータを制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記圧縮機を停止し、前記冷蔵ダンパを開状態とし、前記冷凍ダンパを閉状態とし、前記蒸発器ファンを駆動し、前記蒸発器の少なくとも一部が霜の融解温度以下を維持するように前記除霜ヒータを通電状態とする第1除霜運転を実行し、前記蒸発器に霜が残存している状態で前記第1除霜運転を終了し、その後、前記圧縮機を停止し、前記冷蔵ダンパを開状態とし、前記冷凍ダンパを閉状態とし、前記蒸発器ファンを駆動し、前記除霜ヒータを非通電状態とする第2除霜運転を実行」(請求項1参照)し、「前記第1除霜運転の実行中に前記蒸発器の温度が霜の融解温度に達すると、前記第1除霜運転を終了して前記第2除霜運転を実行する」(請求項2参照)こと、「前記第2除霜運転の実行中に前記蒸発器の温度が霜の融解温度に達すると、前記第2除霜運転を終了する」(請求項3参照)ことが記載されている。
また、「制御部は、第4除霜運転を開始してから蒸発器温度センサで検出される蒸発器の温度が所定温度(例えば、10℃)に達すると第2除霜運転を終了する」(特許文献1の段落0068参照)こと、「第4除霜運転では、制御部が、圧縮機を停止し、冷蔵ダンパ及び冷凍ダンパを閉状態とし、蒸発器ファンを停止し、除霜ヒータを通電状態とする」(特許文献1の段落0067参照)ことが記載されている。
特許第5854937号公報
特許文献1の冷蔵庫は、蒸発器よりも空気の流れ方向下流側の壁面に付着した霜について考慮されていない。蒸発器の温度が霜の融解温度以下の範囲で除霜ヒータに通電しながら蒸発器ファンを駆動させる第1除霜運転を行い、蒸発器の温度が霜の融解温度に達すると除霜ヒータを非通電状態にする第2除霜運転を行うことが記載されている。蒸発器を通過した出口空気は低温になり、蒸発器と同程度の温度になる。第1除霜運転及び第2除霜運転中の蒸発器は融解温度以下となっているため、蒸発器を通過した出口空気温度も霜の融解温度と同等、或いはそれ以下となる。従って、第1除霜運転中に蒸発器よりも空気の流れ方向下流側の壁面に付着した霜を解かすことは困難である。
また、特許文献1の第2実施形態では、蒸発器ファンを停止して除霜ヒータに通電する第4除霜運転を蒸発器の温度が融解温度を超えるまで行っている(特許文献1の図6参照)。しかしながら、第4除霜では蒸発器ファンを停止させているため、空気の流速が低く、蒸発器下流側の壁面が加熱されにくくなる。従って、壁面の霜を解かすためには、除霜ヒータによる加熱時間を長くする、或いは発熱量を多くする必要があり、省エネルギー性能が低下するという課題があった。
そこで本発明は、蒸発器下流の壁面に付着した霜を融解させつつ、省エネルギー性能の高い除霜運転を行う冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みてなされた本発明は、冷蔵温度帯の第一の貯蔵室と、冷凍温度帯室の第二の貯蔵室と、圧縮機と、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室を冷却する蒸発器と、該蒸発器で冷却された空気を、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室に送風するファンと、前記蒸発器から前記第一の貯蔵室への送風を制御する冷蔵室ダンパと、前記蒸発器から前記第二の貯蔵室への送風を制御する冷凍室ダンパと、前記蒸発器に付着した霜を解かす除霜ヒータと、前記蒸発器の温度を検知する蒸発器温度検知手段を備える冷蔵庫において、前記圧縮機を停止中に、前記ファンを停止状態で前記除霜ヒータを通電状態とする第一の除霜モードと、前記冷凍室ダンパを閉状態、前記冷蔵室ダンパを開状態として、前記ファンを駆動させて除霜ヒータを通電状態とする第二の除霜モードを備え、前記第一の除霜モードを実施した後に、前記第二の除霜モードを行い、該第二の除霜モードを前記蒸発器温度検知手段が霜の融解温度よりも高い温度になるまで行うことを特徴とする冷蔵庫。
本発明によれば、蒸発器下流の壁面に付着した霜を融解させつつ、省エネルギー性能の高い除霜運転を行う冷蔵庫を提供することができる。
実施例に係わる冷蔵庫の正面図である。 図1のA−A断面図である。 蒸発器の周辺部を示す正面図である。 除霜モード1における空気の流れを表す図2の蒸発器周辺の拡大図である。 除霜モード2における空気の流れを表す図2の蒸発器周辺の拡大図である。 除霜制御を示すタイムチャートの一例である。
本発明に関する冷蔵庫の実施例について説明する。図1は実施例に係わる冷蔵庫の正面図、図2は図1のA−A断面図である。冷蔵庫1の箱体10は、上方から冷蔵室2、左右に併設された製氷室3と上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6の順番で貯蔵室を有している。冷蔵庫1はそれぞれの貯蔵室の開口を開閉するドアを備えている。これらのドアは、冷蔵室2の開口を開閉する、左右に分割された回転式の冷蔵室ドア2a、2bと、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6の開口をそれぞれ開閉する引き出し式の製氷室ドア3a、上段冷凍室ドア4a、下段冷凍室ドア5a、野菜室ドア6aである。以下では、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5は、まとめて冷凍室7と呼ぶ。
ドア2aには庫内の温度設定の操作を行う操作部26を設けている。冷蔵庫1とドア2a、2bを固定するためにドアヒンジ(図示せず)が冷蔵室2上部及び下部に設けてあり、上部のドアヒンジはドアヒンジカバー16で覆われている。
図2に示すように、外箱10aと内箱10bとの間に発泡断熱材を充填して形成される箱体10により、冷蔵庫1の庫外と庫内は隔てられている。箱体10には発泡断熱材に加えて複数の真空断熱材25を、鋼板製の外箱10aと合成樹脂製の内箱10bとの間に実装している。冷蔵室2と、上段冷凍室4及び製氷室3は断熱仕切壁28によって隔てられ、同様に下段冷凍室5と野菜室6は断熱仕切壁29によって隔てられている。また、製氷室3、上段冷凍室4、及び下段冷凍室5の各貯蔵室の前面側には、ドア3a、4a、5aの隙間から冷凍室7内の空気が庫外へ漏れ、庫外の空気が各貯蔵室に侵入しないよう、断熱仕切壁30を設けている。
冷蔵室2のドア2a、2bの庫内側には複数のドアポケット33a、33b、33cと、複数の棚34a、34b、34c、34dを設け、複数の貯蔵スペースに区画されている。冷凍室7及び野菜室6には、それぞれドア3a、4a、5a、6aと一体に引き出される製氷室容器(図示せず)、上段冷凍室容器4b、下段冷凍室容器5b、野菜室容器6bを備えている
断熱仕切壁28の上方には、貯蔵室35を設けている。一般に、貯蔵室35は冷蔵室2の温度帯よりも低めに設定されたチルドルームを設けていることが多い。貯蔵室35内の温度調整は、例えば、貯蔵室35の後方部の冷蔵室冷気ダクト11の途中に設けた専用の風量調整装置(図示せず)によって行なわれ、貯蔵室35が冷え過ぎた場合は、貯蔵室35の下部に設けた温度調整用のヒータ19によって加熱する。
蒸発器14は下段冷凍室5の略背部に備えた蒸発器収納室8内に設けてあり、蒸発器14の上方に設けた庫内ファン9により、蒸発器14と熱交換した冷気が冷蔵室冷気ダクト11、冷凍室冷気ダクト12を介して、冷蔵室2、上段冷凍室4、下段冷凍室5、製氷室3の各貯蔵室へ吐出口11a、12aからそれぞれ送られる。冷蔵室2、及び冷凍室7への冷気の送風は、冷蔵室ダンパ20と冷凍室ダンパ21の開閉により制御される。なお、蒸発器収納室8のうち、蒸発器14よりも下部の空間を風路8a、蒸発器14から冷蔵室ダンパ20及び冷凍室ダンパ21に至る空間を風路8bとする。
蒸発器14の下部の風路8aには、例えばラジアントヒータである除霜ヒータ22を設けている。除霜時に発生したドレン水(融解水)は樋23に一旦落下し、ドレン孔27を介して圧縮機24の上部に設けた蒸発皿32に排出される。
冷蔵室2、冷凍室7、野菜室6の庫内背面側には、それぞれ冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42、野菜室温度センサ43を設け、蒸発器14の上部には蒸発器温度センサ40を設け、これらのセンサにより、冷蔵室2、冷凍室7、野菜室6、及び蒸発器14の温度を検知している。また、冷蔵庫1の天井部のドアヒンジカバー16の内部には、外気(庫外空気)の温度、湿度を検知する外気温度センサ37を設けている。その他のセンサとして、ドア2a、2b、3a、4a、5a、6aの開閉状態をそれぞれ検知するドアセンサ(図示せず)や、後述する仕切部温度検知手段である仕切部温度センサ100等も設けている。
冷蔵庫1の上部には、制御装置の一部であるCPU、ROMやRAM等のメモリ、インターフェース回路等を搭載した制御基板31を配置している。制御基板31は、冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42、野菜室温度センサ43、蒸発器温度センサ40等と接続され、前述のCPUは、これらの出力値や操作部26の設定、前述のROMに予め記録されたプログラム等を基に、圧縮機24や庫内ファン9、冷蔵室ダンパ20、冷凍室ダンパ21、後述する冷媒制御弁47の制御等を行っている。
冷蔵室2を冷却する冷蔵室冷却運転の場合には、冷蔵室ダンパ20を開、冷凍室ダンパ21を閉にし、冷蔵室冷気ダクト11に設けた吐出口11a、から冷蔵室2に冷気が送られる。冷蔵室2を冷却した後の冷気は、冷蔵室2下部に設けた冷気戻り口(図示せず)から図3に図示する冷蔵室戻りダクト51に流入し、その後、蒸発器14に戻る。
冷凍室7を冷却する冷凍室冷却運転の場合には、冷蔵室ダンパ20を閉、冷凍室ダンパ21を開にし、冷凍室冷気ダクト12に設けた複数の吐出口12aから冷気が吐出されて、上段冷凍室4、下段冷凍室5、及び製氷室3を冷却した後、冷凍室冷気戻り部17から蒸発器14に戻る。
冷蔵室2、及び冷凍室7の温度は、庫内に設けた冷蔵室温度センサ41、冷凍室温度センサ42で検知され、庫内の温度に応じて冷蔵室2と冷凍室7を同時に冷却する運転もあり、その場合には冷蔵室ダンパ20と冷凍室ダンパ21をいずれも開にして各貯蔵室に冷気を送風する。
野菜室6の冷却手段については種々の方法があるが、例えば、冷蔵室2を冷却した後に野菜室6に冷気を送る方法や、野菜室6専用の風量調整装置(図示せず)を用いて、蒸発器14で熱交換して発生した冷気を直接野菜室6に送る方法がある。本実施例においては、野菜室6への冷気の供給方法についてはいずれの場合でも良い。図2の記載例では、野菜室6に流入した冷気は、断熱仕切壁29の下部前方に設けた野菜室側の冷気戻り部18aから野菜室冷気戻りダクト18を介して、野菜室冷気戻り部18bから蒸発器14下部に流入する。
図3は本発明の実施例に係る蒸発器14の周辺部を、冷蔵庫正面から見た図である。蒸発器入口パイプ47と蒸発器出口パイプ48に接続する冷媒パイプ50は、上下方向に折り返して7段のフィンチューブ式熱交換器(蒸発器14)を構成している。蒸発器14の上部に設けた蒸発器入口パイプ47には、蒸発器温度センサ40が設置されており、蒸発器温度センサ40で検出される温度によって除霜運転に関する判定を行っている。蒸発器14の下部に設けた除霜ヒータ22は、ヒータ線を内部に挿入したガラス管44と、その外周部に設けた金属製の放熱フィン46、及びガラス管44と金属フィン46の上部を覆うように設けた金属製の融解水滴下防止部45から構成されている。本実施の形態例の冷蔵庫1は、可燃性冷媒を使用しており、除霜ヒータ22は、庫内で可燃性冷媒が漏れた場合を想定し、通電中にガラス管44の表面温度を可燃性冷媒の発火温度(イソブタンの場合494℃)よりも100℃以上低い温度を維持するようにしている。融解水滴下防止部45をガラス管44の上部に設けることによって、除霜時に生じた融解水がガラス管44の表面に直接滴下して、急激な温度変化によるガラス管44の破損を防止している。庫内循環空気の通風抵抗を考慮すると、融解水滴下防止部45は放熱フィン46の直径と同程度が好ましい。除霜ヒータ22の出力は、一般的に100W〜200Wの電気ヒータであり、本実施の形態例では150Wとしている。
蒸発器14の側方には冷蔵室冷気戻りダクト51を設けてあり、冷蔵室ダンパ20を開、冷凍室ダンパ21を閉にし、庫内ファン9aを駆動させると、冷蔵室2を冷却した後の空気が冷蔵室戻りダクト51から流入する。冷蔵室戻りダクト51に流入した空気は、風路8aで蒸発器14側に向きが変わり、樋23、除霜ヒータ22を通過し、蒸発器14の最下段(7段目)から最上段(1段目)に向かい、風路8bを経由して庫内ファン9へと流れていく。
次に、本実施の形態例の除霜運転について説明する。本実施の形態例の冷蔵庫1は除霜モード1、除霜モード2の2つの除霜運転を備えている。除霜モード1は庫内ファン9を停止(OFF)させた状態で除霜ヒータ22に通電(ON)する除霜運転である。
図4aは除霜モード1における空気の流れを表す図2の蒸発器周辺の拡大図である。除霜モード1は、冷蔵室ダンパ20を閉、冷凍室ダンパ21を開にし、庫内ファン9を停止(OFF)させた状態で、除霜ヒータ22に通電(ON)するモードである。庫内ファン9を停止させているため、蒸発器14は主に自然対流により加熱される。除霜ヒータ22で加熱された蒸発器14下部の風路8aの空気は自然対流により上昇する。この加熱空気と蒸発器14との熱交換により蒸発器14を加熱する。蒸発器14を加熱した後、空気は冷凍室ダンパ21を経由して吐出口12aから冷凍室7へ流出する。一方、冷凍室7の空気は冷凍室戻り口17から風路8aへと流れる。
このように庫内ファン9を停止状態で行う除霜モード1においても対流により空気が循環し、蒸発器14を加熱しているが、除霜ヒータ22から蒸発器14へと流れる空気の流速が低いため、輻射の影響が大きく、除霜モード1は除霜ヒータ22の周辺、特にトイ23等の風路8aに接する壁面と、蒸発器14の下部を加熱し易い除霜モードである。
なお、冷凍室ダンパ21を開としている理由は、前述の空気の循環が形成し、除霜ヒータ22から蒸発器14に空気が向かう自然対流を促進するためである。これにより、冷凍室ダンパ21を閉とした場合に比べ、蒸発器14に対する加熱量を増加させ、さらには蒸発器14の下流にある風路8bの壁面に対する加熱量も増加させることができる。
図4bは除霜モード2における空気の流れを表す図2の蒸発器周辺の拡大図である。除霜モード2は、冷蔵室ダンパ20を開、冷凍室ダンパ21を閉にし、庫内ファン9を駆動(ON)させた状態で除霜ヒータ22に通電(ON)するモードである。冷蔵室ダンパ20を開、冷凍室ダンパ21を閉とし、庫内ファン9を駆動させているため、蒸発器室8内は図3で示した流れと同様の流れ場となる。すなわち、冷蔵室2の空気が冷蔵室戻りダクト51(図3参照)から風路8a流入し、除霜ヒータ22により加熱された後、蒸発器14に至り、蒸発器14を加熱する。蒸発器14を加熱した後、空気は庫内ファン9aにより昇圧され冷蔵室ダンパ20を経由して冷蔵室冷気ダクト11を介して冷蔵室2へと流れていく。
すなわち、除霜モード2では強制対流の流れ場となるため、対流による加熱量が多くなり、除霜モード1に比べ除霜ヒータ22よりも上部、特に蒸発器14と、ファン周辺壁面100等の風路8bに接する壁面を加熱し易い除霜モードである。
図5は除霜制御を示すタイムチャートの一例である。蒸発器温度は蒸発器温度センサ40で検出される蒸発器14の温度、冷蔵室温度は冷蔵室温度センサ41で検出される冷蔵室2の温度であり、ファン周辺壁面温度はファン周辺の壁面であるファン周辺壁面100(図4a、図4b参照)の温度、トイ温度はトイ23の壁面温度である。図5に示す1、2は除霜モード1、除霜モード2を表す。また圧縮機24、庫内ファン9のONはそれぞれ駆動状態、OFFはそれぞれ停止状態を表す。
本実施の形態例では、例えばドア2a、3a、4a、5a、6aの開閉回数、及び圧縮機24の合計駆動時間等から判断される除霜運転の開始条件を満足する(時刻t)と、本実施の形態例の冷蔵庫1ではプリクール運転を行う。
冷凍室7の温度が除霜運転中に過度に上昇すると冷凍食品や氷の融解の恐れがある一方、本実施の形態例では除霜運転中も冷蔵室2を冷却できるため、プリクール運転では、冷蔵室ダンパ20を閉、冷凍室ダンパ21を開とし、冷凍室3を冷却する。プリクール運転を所定の時間、例えば30分間行った後(時刻t)、本実施の形態例の冷蔵庫1は除霜運転に移行する。
本実施の形態例の冷蔵庫1は、除霜モード1、除霜モード2の2種類の除霜運転を備え、まず除霜モード1を行う。除霜モード1は、図4aで示したように、庫内ファン9を停止(OFF)させた状態で、除霜ヒータ22に通電(ON)するモードであり、主に除霜ヒータ22周辺、特に蒸発器14の下部の風路8aを形成するトイ23等の壁面を加熱する。
この除霜モード1を、例えば10分間行った後(時刻t)、除霜モード2に移行する。除霜モード2は、図4bで示したように、冷蔵室ダンパ20を開、冷凍室ダンパ21を閉とし、庫内ファン9を駆動させながら除霜ヒータ22を通電するモードであり、主に除霜ヒータ22よりも上部、特に蒸発器14と、ファン周辺壁面100等の風路8bを形成する壁面を加熱する。
その後、蒸発器14の温度が霜の融解温度よりも十分高い除霜終了温度Tfin(例えば10℃)に到達する(時刻t)と、除霜運転を終了する。
なお、温度Tfinに到達する前に、蒸発器14の温度が所定温度T2fin(例えば5℃)以上で、冷蔵室2の温度よりも所定温度(例えば3℃)以上高くなった場合は、除霜モード1に移行し、除霜終了温度Tfinまで除霜モード1による除霜を行う。これにより、蒸発器14を通過した空気による冷蔵室2の加熱を抑えることができる。
除霜運転終了(時刻t)後は除霜水が排出されるよう、例えば除霜終了2分後に圧縮機24を駆動させる。その後、例えば圧縮機24を駆動した2分後に冷蔵室ダンパ21を開、冷凍室ダンパ20を閉状態として庫内ファン9を駆動させ、例えばその10分後に冷凍室ダンパ20を開状態とし、冷蔵室2と冷凍室7を冷却する運転に移行する。圧縮機24に対し、庫内ファン9の駆動、及び冷蔵室ダンパ21、冷凍室ダンパ20を開とする時刻を遅らせることで、蒸発器14を低温にした後に送風することになり、冷蔵室2、冷凍室7の加熱を抑えることができる。
以上が、本実施の形態の冷蔵庫1における基本的な除霜運転の制御である。次に、本除霜運転、特に冷蔵室ダンパ20を開、冷凍室ダンパ21を閉とし、庫内ファン9を駆動させながら除霜ヒータ22を通電する除霜モード2により得られる効果を説明していく。
除霜モード2では、流れ場は強制対流となるため、蒸発器室8を流れる流速が除霜モード1よりも速くなる。流速が高くなることで除霜ヒータ22と空気との交換熱量が多くなり、輻射による加熱量の割合が減り、蒸発器14等への対流による加熱量(空気を介した加熱量)の割合が増加する。加えて、流速が高くなることで、熱伝達率が高くなるため、空気から壁面(蒸発器14を含む)への伝熱量も増加する。従って、除霜モード1に比べて除霜モード2では、主に対流により加熱される除霜ヒータ22の下流側(上方)に位置する蒸発器14や風路8bを形成する壁面に対する加熱量を高めることができる。これにより、蒸発器14に付着した霜を短時間で解かすことができ、除霜運転に要する消費電力量を低減することができる。
また、一般に流速が高いと空気の温度分布は小さくなるため、除霜モード1のみで除霜する場合に比べ、除霜ヒータ22に近い蒸発器14下部の過熱が抑えられ、除霜運転後の圧縮機24を駆動して冷却する熱負荷を低減することができる。加えて、蒸発器14の温度が冷蔵室2の温度よりも低い時刻tからtまでは、冷蔵室2よりも低温の空気が冷蔵室2に流れ、冷蔵室2を冷却することができ、圧縮機24を駆動して冷却する冷蔵室2の熱負荷も低減できる。従って、冷却運転に要する消費電力量も低減することができる。
以上のように、除霜モード2を備えることで、除霜運転と冷却運転の何れの消費電力量も低減でき、省エネルギー性能を高めることができる。
さらに、本実施の形態例の冷蔵庫1では、少なくとも霜の融解温度よりも高いT2finまで除霜モード2を行っており、これにより風路8bを形成する壁面、特にファン周辺壁面100(図4a、図4b参照)の霜を効率よく解かして、蒸発器14下流の風路8bに接する壁面に付着した霜を融解させつつ、省エネルギー性能を高めている。以下でこの理由を説明する。
除霜運転中に蒸発器14より上方(除霜ヒータ22から離れた空気流れ方向下流側)の風路8bを流れる空気は蒸発器14及び蒸発器14に付着した霜と熱交換して冷却され、蒸発器14の上部の温度と同程度の温度となる。そのため蒸発器14の温度が霜の融解温度(0℃)以下の場合、基本的に風路8bを流れる空気も霜の融解温度以下となる。対流による加熱で壁面に付着した霜を解かすためには、霜の融解温度より高い温度の空気と熱交換させる必要がある。なお、風路8bを形成する壁面は、除霜ヒータ22との間に蒸発器14があり、輻射による加熱量も少ない。従って、蒸発器14を通過した空気温度が霜の融解温度よりも高くなるまでファン周辺壁面100を含む風路8bと接する壁面の霜は基本的には解けないが、蒸発器14の温度が霜の融解温度よりも高いT2finになるまで除霜運転を行うことで、霜の融解温度よりも高い空気により風路8bに接する壁面の霜を解かすことができる。
また、霜の融解温度よりも高いT2finまで除霜モード2とすることで、除霜モード1に比べて熱伝達率が高く、空気から壁面への加熱量が増加する。従って、霜の融解温度よりも高い空気により、効率よく壁面に付着した霜を加熱できるので、短時間で確実に壁面に付着した霜を解かすことができる。すなわち、風路8bに接する壁面、特にファン周辺壁面100に付着した霜を融解させつつ、除霜運転の時間を短く抑えることができ、省エネルギー性能の高い除霜運転となる。
次に図5に示したように、除霜モード1、除霜モード2の順に除霜運転を行う効果を説明する。
図4aを用いて前述したように、除霜モード1は除霜ヒータ22に近い、蒸発器14の下部やトイ23を加熱し易い。トイ23からドレインパイプ24を介して除霜水を排出するため、トイ23を除霜運転の前半に加熱して水の氷結温度(0℃)以上にしておくことで、蒸発器14等よりトイ23に至った除霜水が再凍結することなくドレインパイプ24へと排出することができる。なお、蒸発器14の温度が霜の融解温度を超えるまで風路8bの空気温度は霜の融解温度を超えないが、蒸発器14の上流側に位置する風路8aの空気では除霜運転の初期から除霜ヒータ22により霜の融解温度以上まで加熱することができるため、蒸発器14の温度が低い除霜運転前半においても、十分にトイ23を0℃以上まで加熱することができる。
また、蒸発器14は、冷却運転中に上流側から高湿な空気が流入して着霜するため、上流側の蒸発器14下部の方が、下流側に比べて着霜量が多くなり易い。従って、蒸発器14下部を加熱し易い除霜モード1を除霜運転の前半に行い、着霜量の多い蒸発器14下部を集中して加熱することで、蒸発器14下部の霜を効率よく加熱することができ、その後、温度分布の少ない除霜モード2で蒸発器14全体を加熱することで、全体として効率よく霜を解かすことができる。
また、前述したように、風路8bに接する壁面についた霜は、基本的に蒸発器14を通過した空気温度が霜の融解温度を超えるまで解けないため、除霜モード2を除霜運転の後半に行っている。すなわち、風路8bの空気温度を霜の融解温度よりも高くなる除霜運転の後半に、除霜モード1に比べて風路8bに接する壁面を加熱し易い除霜モード2を行うことで、風路8bに接する壁面、特にファン周辺壁面100に付着した霜を効率よく融解させることができる。
以上のように、除霜モード1、除霜モード2の順に行うことで、蒸発器14の上流側の風路8aに接する壁面、蒸発器14の下流側の風路8bに接する壁面、及び蒸発器14自体の加熱に対し、それぞれ適切な加熱を行うことができる。従って、蒸発器14及び風路8bに接する壁面の霜の融解と、トイ23からドレインパイプ24への除霜水の排出を行いつつ、除霜運転の時間を短く抑えることができ、省エネルギー性能の高い除霜運転となる。
ここで、図4aに示したように、本実施の形態例では除霜モード1において冷凍室ダンパ21を開とし、除霜ヒータ22から蒸発器14に空気が向かう自然対流を促進させ、蒸発器14等への加熱量を増加させている。
一方、冷蔵室ダンパ20と冷凍室ダンパ21の何れも閉とすることも可能である。この場合、除霜モード1から除霜モード2に移行する時間を、本実施の形態例の場合よりも短くするとよい。冷蔵室ダンパ20と冷凍室ダンパ21の何れも閉とすると、除霜ヒータ22からの上昇気流が抑えられるため、除霜ヒータ22周辺のトイ23等の壁面に対する加熱量をより多くすることができるので、除霜モード1における蒸発器14の加熱量は低下するが、トイ23の温度を短時間であげられる。従って、蒸発器14を高効率に加熱できる除霜モード2に短時間で移行し、蒸発器14の上流側の風路8aに接する壁面を比較的短い除霜モード1で集中して加熱し、比較的長い除霜モード2で蒸発器14の下流側の風路8bに接する壁面、及び蒸発器14自体を主に加熱することで、本実施の形態例の冷蔵庫1と同様、蒸発器14、及び風路8aと8bの何れに接する壁面も適切に加熱することができ、省エネルギー性能の高い除霜運転となる。
以上が、本実施の形態例を示す実施例である。なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室(冷蔵温度帯の貯蔵室)
2a、2b 冷蔵室ドア
3 製氷室
3a 製氷室ドア
4 上段冷凍室
4a 上段冷凍室ドア
4b 上段冷凍室容器
5 下段冷凍室
5a 下段冷凍室ドア
5b 下段冷凍室容器
6 野菜室
6a 野菜室ドア
6b 野菜室容器
7 冷凍室(冷凍温度帯の貯蔵室)
8 蒸発器収納室
8a、8b、8c 風路
9 庫内ファン
10 断熱箱体
10a 外箱
10b 内箱
11 冷蔵室冷気ダクト
11a、11b、11c、11d 冷蔵室冷気吐出口
12 上段冷凍室冷気ダクト
12a、12b、12c 吐出口
14 蒸発器
16 ドアヒンジカバー
17 冷凍室冷気戻り部
18 野菜室冷気戻りダクト
18a 野菜室側の冷気戻り部
18b 野菜室冷気戻り部
19 ヒータ
20 冷蔵室ダンパ
21 冷凍室ダンパ
22 除霜ヒータ
23 樋
24 圧縮機
25 真空断熱材
26 操作部
27 ドレン孔
28、29 断熱仕切壁
30 断熱仕切壁
31 制御基板
32 蒸発皿
33a、33b、33c ドアポケット
34a、34b、34c、34d 棚
35 貯蔵室
36a、36b、36c 仕切カバー
37 庫外温度センサ
38 庫外湿度センサ
39 機械室
40 蒸発器温度センサ(蒸発器温度)
41 冷蔵室温度センサ(冷蔵室温度)
42 冷凍室温度センサ
43 野菜室温度センサ
44 ガラス管
45 融解水滴下防止部
46 放熱フィン
47 蒸発器入口パイプ
48 蒸発器出口パイプ
50 冷媒パイプ
100 ファン周辺壁面

Claims (3)

  1. 冷蔵温度帯の第一の貯蔵室と、冷凍温度帯室の第二の貯蔵室と、圧縮機と、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室を冷却する蒸発器と、該蒸発器で冷却された空気を、前記第一の貯蔵室と前記第二の貯蔵室に送風するファンと、前記蒸発器から前記第一の貯蔵室への送風を制御する冷蔵室ダンパと、前記蒸発器から前記第二の貯蔵室への送風を制御する冷凍室ダンパと、前記蒸発器に付着した霜を解かす除霜ヒータと、前記蒸発器の温度を検知する蒸発器温度検知手段を備える冷蔵庫において、
    前記圧縮機を停止中に、前記ファンを停止状態で前記除霜ヒータを通電状態とする第一の除霜モードと、前記冷凍室ダンパを閉状態、前記冷蔵室ダンパを開状態として、前記ファンを駆動させて除霜ヒータを通電状態とする第二の除霜モードを備え、前記第一の除霜モードを実施した後に、前記第二の除霜モードを行い、該第二の除霜モードを前記蒸発器温度検知手段が霜の融解温度よりも高い温度になるまで行うことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記第一の貯蔵室の温度を検知する冷蔵室温度検知手段を備え、
    前記蒸発器温度検知手段の温度が、前記冷蔵室温度検知手段の温度よりも所定温度以上高くなると前記第二の除霜モードを終了することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記ファンの周辺の壁面に壁面温度検知手段を設け、
    前記壁面温度センサが霜の融解温度以上の所定温度よりも高くなると前記第二の除霜モードを終了することを特徴とする請求項1乃至2に記載の冷蔵庫。
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