JP6379256B2 - 遮蔽装置およびそれを有する冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫内で冷風が流通する風路を必要に応じて塞ぐ遮蔽装置およびそれを有する冷蔵庫に関する。
一般の冷蔵庫では、冷却器の霜取りを行う際、除霜ヒータによって暖められた冷却器周辺の暖気が貯蔵室内へと流れ、貯蔵室内の温度が上昇するという問題点がある。そこで、除霜運転中の暖気が貯蔵室内へと入ることを防止する方法として、冷却風路にダンパを設け、該ダンパを除霜運転中に閉じる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
図9は、特許文献1に開示された冷蔵庫100の風路構成を示す正面図である。係る従来技術の冷蔵庫100では、冷却器で冷却された冷気を貯蔵室へと送る冷気供給風路101、102、103、104に、夫々、入口ダンパ105、106、107、108を備えている。また、貯蔵室から冷却器部へと冷気を戻す冷気帰還風路109、110、111に、夫々、出口ダンパ113、114、115を備えている。また、冷凍室112からの冷気帰還風路(図面に表れない)に出口ダンパ116を備えている。そして、除霜運転中に、前記入口ダンパ105、106、107、108、及び出口ダンパ113、114、115、116の全部又は一部を閉じるようにしている。
また、他の従来技術の例として、図10(A)及び図10(B)に示すように、貯蔵室への冷気吹出口に設けられた送風機205、305に、風量制御機構200、300を設けることが知られている(例えば、特許文献2)。
図10(A)に示す従来技術の風量制御機構200は、複数枚の開閉板201の片側を軸流送風機205の吐出側外枠に取り付け、連結板202及び回転板203を介して連結された小型モータ204の駆動により、前記開閉板201を開閉するものである。
また、図10(B)に示す風量制御機構300では、軸流送風機305の吸入側にアイリスシャッタ301を設けている。前記アイリスシャッタ301は、操作板302及び連結軸303を介して連結されたソレノイド304によって開閉される。
特開2009−250476号公報(第4―5頁、第4図) 特開2006−300427号公報(第7―8頁、第3、5図)
しかしながら、図9のように、冷却風路にダンパを設けた従来技術の冷蔵庫では、容量や機能別に設計される様々な種類の冷蔵庫について、機種毎に各々の風路や該風路に合わせたダンパを設計する必要があった。そのため、各機種各々の風路に適合したダンパを設計すると、ダンパの種類が増えて、多品種少量生産になるので、ダンパの開発コスト及び生産コストが増大するとう問題点がある。
また、図10(A)に示すように、送風機205に風量制御機構200を取り付ける構成では、風量制御機構200の流動抵抗が大きいという問題点がある。即ち、軸流送風機吐出側における空気の流れは、ファン回転軸付近を中心軸とする旋回流を形成しているところ、前記風量制限機構200は、複数枚の開閉板201を平行に並べた構成であるので、該旋回流を妨げてしまうのである。
また、図10(B)に示すアイリスシャッタ301を、送風機の吐出側に用いた場合には、送風機吐出部の圧力損失が大きいという問題点がある。即ち、冷蔵庫における送風機吐出側の空気流れは、ファン回転軸方向流れ速度よりも、回転半径方向流れ速度の方が大きくなるという特性があるところ、前記アイリスシャッタ301では、回転半径方向流れを遮断してしまうことになる。
更に、図10(A)に示した開閉板201を用いる構成や、図10(B)に示したアイリスシャッタ301を用いた構成では、使用時に付着した水分が凍結することで、その動きが阻害される恐れがあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、除霜時の暖気が貯蔵室へと流れ込むことを確実に防止する遮蔽装置およびそれを有する冷蔵庫を提供することにある。
本発明は、冷蔵庫内で流通する空気の経路を塞ぐ遮蔽装置であり、ネジ溝が形成されたネジ孔を有する送風機カバーと、前記ネジ溝に螺合するネジ山が形成されて前記ネジ孔を貫通する駆動軸と、を備え、前記駆動軸と前記送風機カバーとの間に、前記送風機カバーの内部から外部へ空気が流通する風路を設け、前記駆動軸の前記ネジ山の側面は、前記送風機カバーの前記ネジ溝に対して、半径方向外側の方が内側よりも離間する傾斜形状であり、前記駆動軸の前記ネジ山の側面と、前記送風機カバーの前記ネジ溝との間に、前記風路を設けることを特徴とする。
本発明によれば、送風機カバーを貫通する駆動軸とのネジ機構により送風機カバーの開閉動作を実現させている。更に、駆動軸と送風機カバーとの間に、送風機カバーの内部から外部へ空気が流通する風路を設けている。よって、使用状況下にて駆動軸と送風機カバーとの間に水分が侵入しても、この水分は風路を経由して外部に排水される。よって、この水分が凍ることで遮蔽装置のネジ機構が動作しなくなることが防止される。
また、駆動軸のネジ山の側面を傾斜形状とすることで、送風機カバーのネジ溝との間隙を大きく確保している。よって、水分が排出される効果が大きくなる。
更に、送風機カバーの一部を切り欠いて上記の風路を確保している。これによっても、上記した排水の効果が大きくなる。
また、本発明に係る送風機カバーは、冷却室から離隔する方向に移動可能であるので、冷却空気の流動損失が極めて低い。そのため、回転半径方向の流れ速度が大きい送風機吐出側の空気を、小さい流動抵抗で、前記開口部を通じて冷却風路内へと流すことができる。その結果、冷蔵庫内を循環する冷却空気の圧力損失を小さくして、冷却効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る遮蔽装置を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る遮蔽装置を示す図であり、(A)はネジ溝とネジ山との関連構成を示す断面図であり、(B)は送風機カバーを部分的に示す斜視図であり、(C)は遮蔽装置を部分的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る遮蔽装置を示す図であり、(A)は遮蔽した状態の遮蔽装置を示す斜視図であり、(B)はその状態を示す断面図であり、(C)は連通した状態の遮蔽装置を示す斜視図であり、(D)はその状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の正面外観図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の概略構造を示す側面断面図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の供給風路を説明する正面略図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の冷却室付近の構造を示す側面断面図である。 軸流送風機周りの空気流れを(A)吐出側と吸入側との圧力差が12Pa、(B)同圧力差が4Pa、(C)同圧力差が2Paという条件で解析した結果を示す説明図である。 従来技術の冷蔵庫の例を示す正面図である。 他の従来技術の冷蔵庫の風量制御機構を示す図であり、(A)は断面図であり、(B)は正面図である。
<第1の実施の形態:遮蔽装置の構成>
図1から図3を参照して、本形態の遮蔽装置50の構成を説明する。図1は遮蔽装置50を構成する部材を縦方向に分解して示す斜視図であり、図2は遮蔽装置50の各部を示す図であり、図3は遮蔽装置50の機能を示す図である。
図1を参照して、遮蔽装置50は、概略的に蓋形状を有する送風機カバー51と、送風機カバー51を貫通して駆動させる駆動軸54と、送風機カバー51および駆動軸54を支持する支持基体52と、を主要に有している。遮蔽装置50の主な役割は、図7を参照して、除霜の工程に於いて冷却室13の開口部を塞ぐことで、除霜時に暖気が冷蔵室供給風路14に漏れ出すことを抑制することにある。
送風機カバー51は、樹脂材料を概略的に蓋形状に射出成形したものであり、四角形状を呈する主面部51dと、主面部51dの周辺縁部から縦方向に伸びる4つの側面部51eを有している。また、主面部51dの中央付近を円形に貫通してネジ孔51cが形成されている。ネジ孔51cの周辺部は他の部分よりも厚みを有する円環状の肉厚部51hである。ネジ孔51cで対面する主面部51dの側面を螺旋状に窪ませてネジ溝51fが形成されている。また、ネジ孔51c側の肉厚部51hを部分的に貫通させて切り欠き部51gが形成されている。送風機カバー51の役割は、図7を参照して後述するように、冷却室13の送り口13aを実質的に塞ぐことにある。
駆動軸54は、下部が開口された円筒形状を呈しており、その側面の一部を螺旋状に連続して突起させたネジ山54aが設けられている。ここで、駆動軸54のネジ山54aと送風機カバー51のネジ溝51fとは、使用状況下では螺合される。また、駆動軸54の内部には、下記する支持基体52の軸支持部52dが挿入され、軸支持部52dに内蔵されたモータの駆動力で駆動軸54は所定角度回転する。駆動軸54の役割は、駆動軸54自体が回転することで、必要に応じて送風機カバー51を開閉させることにある。駆動軸54の軸方向は、後述するファン37(図7)の軸方向と略同一である。
支持基体52は、平面視で四角形の枠形状を呈する枠部52aと、中央部分に配設された筒状の軸支持部52dと、軸支持部52dの下端と連続する円環状の環状支持部52cと、環状支持部52cと枠部52aの角部とを連結する支持フレーム52bと、枠部52aの対向する角部付近に立設されたガイドピン56と、を主要に有している。
枠部52aは支持基体52の全体を機械的に支持する役割を有し、その角部には複数の孔部52eが設けられている。孔部52eを貫通するネジ等の固定手段を介して、枠部52aを含む遮蔽装置50は、図3(B)に示すように、ケーシング36に固定される。
軸支持部52dは、支持フレーム52bを介して枠部52aと連結されており、下部に開口を有する筒形状を呈している。軸支持部52dは駆動軸54に挿入され、軸支持部52dに内蔵されたモータの駆動力で駆動軸54は回転する。
環状支持部52cは、軸支持部52dと同心円状と成るように一体的に連続して設けられた円環状の部位である。使用状況下では、送風機カバー51を閉じた際に、送風機カバー51の切り欠き部51gが、支持基体52の環状支持部52cで覆われる。これにより、切り欠き部51gを経由した暖気の漏出が防止される。
ガイドピン56は、送風機カバー51の支持孔51bに対応した箇所に立設されている円柱状の部材である。各々のガイドピン56が支持孔51bに挿入されることで、送風機カバー51の動きがガイドされる。図2(A)を参照して下記するように、本形態では、排水のための風路を確保するために、駆動軸54と送風機カバー51との間には間隙が存在している。よって、駆動軸54と送風機カバー51との螺合のみによっては、支持基体52で送風機カバー51を安定して支持できない恐れがある。本形態では、支持基体52の対向する隅部に配置された2つのガイドピン56が、送風機カバー51の支持孔51bに摺動可能に挿入されている。また、ガイドピン56は支持孔51bに隙間なく挿入されている。係る構造により、送風機カバー51は安定した状態で支持基体52に支持されている。
図2を参照して、上記した遮蔽装置50を更に詳述する。図2(A)は駆動軸54と送風機カバー51とのネジ機構を示す断面図であり、図2(B)は送風機カバー51を部分的に示す斜視図であり、図2(C)は遮蔽装置50を部分的に示す断面図である。
図2(A)を参照して、上記したように、駆動軸54のネジ山54aと、送風機カバー51のネジ溝51fが螺合することでネジ機構が実現される。駆動軸54が回転することで、後述する送風機カバー51による遮蔽および開放が行われている。ここで、半径方向外側を+R方向とし、回転方向内側を−R方向とする。
本形態では、駆動軸54のネジ山54aの側面54bを傾斜面としている。具体的には、ネジ山54aは2つの対向する側面54bを有し、ネジ溝51fにも2つの対向する側面51kが形成されている。ネジ山54aの側面54bは、+R側が−R側よりもネジ溝51fの側面から離間する(即ち狭くなる)傾斜面となっている。一方、ネジ溝51fの側面51kは、送風機カバー51の主面に対して平行な面を呈している。更に、ネジ山54aの+R側の端部は、ネジ溝51fの側壁から離間している。これらのことにより、駆動軸54を送風機カバー51に螺合させても、ネジ山54aとネジ溝51fとの間には充分な間隙が確保される。
この間隙が、水分を外部に排水させるための風路として機能する。具体的には、使用状況下に於いて、ネジ山54aとネジ溝51fとの間に水分が進入したとしても、この風路を風が通過することで、水は遮蔽装置50の外部に排出される。よって、この水分が凍結することで駆動軸54が動かなくなる不具合が抑制される。尚、ネジ溝51fの−R側の端部と、ネジ山の−R側の端部が接触することで、上記の螺合が実現されている。このように、駆動軸54と送風機カバー51との間に所定の間隙を形成することで、両者の螺合は緩くなる。しかしながら、図1を参照して上記したように、支持基体52のガイドピン56が送風機カバー51の支持孔51bに挿入されていることで、送風機カバー51は安置して支持基体52により支持されている。
図2(B)を参照して、送風機カバー51の肉厚部51hには、肉厚部51hを部分的に非連続とした非連続部51iが設けられている。非連続部51iは、ネジ孔51cを囲むように円環状に形成された肉厚部51hの、肉厚となる厚み部分を除去して形成される。また、非連続部51iは、ネジ溝51fが主面部51dの上面側で終端する部分の肉厚部51hに形成されている。更に、非連続部51iに面する肉厚部51hの側面51mは、平面視でネジ孔51cの接線方向から傾斜する傾斜面となっている。本形態では、対向して設けられる2つのネジ溝51fの各々に非連続部51iが形成される。
側面51mが傾斜面を呈することで、図1に示すネジ山54aの終端部と、送風機カバー51の側面51mとが点接触するので、ネジ山54aに付着した水分を、この側面51mを経由して良好に外部に排水し得る。
ここで、本形態の側面51mは半径方向外側に面しているが、回転方向内側を面するようにしてもよい。かかる構成によっても、ネジ山54aの終端部と点接触することで排水を良好とする効果が得られる。
更に、上記した肉厚部51h、非連続部51iおよび側面51mと同様の構成を、送風機カバー51の主面部51dの内側(下面)に設けても良い。これにより、上記した排水の効果がより顕著となる。
ここで、上記説明では、非連続部51iは、肉厚となる厚み部分を全て除去して形成されたが、肉厚となる厚み部分の一部を除去することで非連続部51iを形成しても良い。この場合は、非連続部51iは、肉厚部51hの他の部分よりも一段下がった凹形状となる。
更に、ネジ孔51cに面する部分の肉厚部51hを部分的に貫通除去して切り欠き部51gが設けられている。切り欠き部51gは、ネジ溝51fが形成される部分を避けた、対向する肉厚部51hに設けられている。このように、肉厚部51hを貫通する切り欠き部51gを設けることで、駆動軸54に付着した水分を、送風機カバー51の上面側から下面側に排水させ、この水分が氷結することで駆動軸54の動作が阻害されることが抑制される。
図2(C)を参照して、上記したように、肉厚部51hを部分的に貫通除去した切り欠き部51gに対応して、環状支持部52cが形成されている。即ち、切り欠き部51gと環状支持部52cとは平面視で重畳している。遮蔽装置50による遮蔽を実現させるために、駆動軸54を回転させて送風機カバー51を下降させると、送風機カバー51の側面部51eの下端が枠部52aに当接する。これにより送風機カバー51による遮断が実現させる。この際、環状支持部52cの上面は肉厚部51hの下端と当接する。これにより、切り欠き部51gを経由して送風機カバー51の内部空間と外部とが連通することはないので、切り欠き部51gにより上記の遮断が阻害されることはない。
図3を参照して、上記した遮蔽装置50の動作を説明する。図3(A)は閉じた状態(遮断状態)の遮蔽装置50を示す斜視図であり、図3(B)はこの状態の遮蔽装置50を示す断面図である。図3(C)は開いた状態の遮蔽装置50を示す斜視図であり、図3(D)はこの状態の遮蔽装置50を示す断面図である。
図3(A)および図3(B)を参照して、ここでは、遮蔽装置50の送風機カバー51の側面部51eが、支持基体52に当接することで、両者の間隙が無くなり遮蔽の効果が生じている。遮蔽装置50の連通状態から遮蔽状態への移行は、駆動軸54の回転で実現される。即ち、遮蔽装置50の送風機カバー51と支持基体52とが離間した状態で、駆動軸54を反時計回りに回転させると、駆動軸54のネジ山54aと、送風機カバー51のネジ孔51cに設けられたネジ溝51fとが螺合した状態で、送風機カバー51が支持基体52側に移動する。そして、送風機カバー51の側面部51eが支持基体52に接触することで、送風機カバー51に囲まれる空間が外部から遮蔽される。これにより、図7に示す送り口13aが遮蔽装置50により塞がれ、冷却室13と冷蔵室供給風路14aとが非連続となり、除霜時の暖気の漏れが抑制される。
図3(C)および図3(D)を参照して、遮蔽装置50の送風機カバー51が支持基体52から離間することで両者の間に間隙が形成されて連通状態となる。遮蔽状態から連通状態への移行は、駆動軸54を時計回りに回転させ、送風機カバー51を支持基体52から離間する方向(Z方向)に移動させることで行われる。これにより、送風機カバー51の側面部51eと、支持基体52の枠部52aとの間に間隙が形成され、この間隙を介して送風機カバー51の内部の空間と外部とが連通する。そして、この状態でファン37が回転することにより、送風機カバー51と支持基体52との間に形成された間隙を経由して外部に送られる。尚、図3(C)では、送風機カバー51と支持基体52との間から供給される冷気の経路を矢印で示している。これにより、図7に示す送り口13aで、遮蔽装置50による遮断が解除され、冷却室13と冷蔵室供給風路14aとが連続し、冷却室13から風路に冷気を供給することが可能となる。
<第2の実施の形態:冷蔵庫の構成>
本発明の実施形態に係る冷蔵庫の構造を図面に基づき詳細に説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫1の概略構造を示す正面外観図である。図4に示すように、本実施形態に係る冷蔵庫1は、本体としての断熱箱体2を備え、この断熱箱体2の内部に食品等を貯蔵する貯蔵室を形成している。貯蔵室の内部は、保存温度や用途に応じて複数の冷蔵室3〜7に区分されおり、最上段が冷蔵室3、その下段左側が製氷室4で右側が上段冷凍室5、更にその下段が下段冷凍室6、そして最下段が野菜室7である。尚、製氷室4、上段冷凍室5及び下段冷凍室6は、何れも冷凍温度域の収納室であり、以下の説明ではこれらを製氷室等と総称することもある。
断熱箱体2の前面は開口しており、前記冷蔵室3〜7に対応した前記開口には、各々断熱扉8〜12が開閉自在に設けられている。断熱扉8a、8bは、冷蔵室3の前面を分割して塞ぐもので、断熱扉8aの左上下部及び断熱扉8bの右上下部が断熱箱体2に回転自在に支持されている。また、断熱扉9〜12は、各々収納容器と一体的に組み合わされ、冷蔵庫1の前方に引出自在に、断熱箱体2に支持されている。
図5は、冷蔵庫1の概略構造を示す側面断面図である。冷蔵庫1の本体である断熱箱体2は、前面が開口する鋼板製の外箱2aと、外箱2a内に間隙を持たせて配設され、前面が開口する合成樹脂製の内箱2bと、外箱2aと内箱2bとの間隙に充填発泡された発泡ポリウレタン製の断熱材2cと、から構成されている。尚、断熱扉8〜12も、断熱箱体2と同様の断熱構造を採用している。
冷蔵室3と、その下段に位置する製氷室4〜6との間は、断熱仕切壁28によって仕切られている。製氷室4〜6の内部の製氷室4と上段冷凍室5との間は、仕切壁(図面に表れない)によって仕切られている。また、製氷室4及び上段冷凍室5と、その下段に設けられた下段冷凍室6との間は、冷気が流通自在に連通している。そして、製氷室4〜6と野菜室7との間は、断熱仕切壁29によって区分けされている。
冷蔵室3の背面には、合成樹脂製の仕切体45で区画され、冷蔵室3へと冷気を供給する供給風路としての冷蔵室供給風路14が形成されている。冷蔵室供給風路14には、冷蔵室3に冷気を流す吹出口17が形成されている。また、冷蔵室供給風路14には、冷蔵室ダンパ25が設けられている。冷蔵室ダンパ25は、モータ等によって駆動される開閉自在なダンパであり、冷蔵室3に供給する冷気の流量を制御して、冷蔵室3内部の温度を適切に維持するためのものである。
製氷室4〜6の奥側には、冷却器32で冷却された冷気を製氷室4〜6へと流す冷凍室供給風路15が形成されている。冷凍室供給風路15の更に奥側には、冷却室13が形成されており、その内部には、庫内を循環する空気を冷却するための冷却器32(蒸発器)が配置されている。
冷却器32は、圧縮器31、放熱器(図示せず)、膨張弁(キャピラリーチューブ)(図示せず)に冷媒配管を介して接続されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路を構成するものである。尚、本実施形態に係る冷蔵庫1では、前記冷凍サイクルの冷媒として、イソブタン(R600a)を用いている。
また、冷蔵庫1は、冷蔵室3内部の温度を検出する冷蔵室温度センサ55、製氷室4〜6内部の温度を検出する冷凍室温度センサ53、その他図示しない各種センサ類を備えている。
また更に、冷蔵庫1は、図示しない制御装置を備えており、該制御装置は、前記センサ類からの入力値を基に所定の演算処理を実行し、圧縮器31、送風機35、遮蔽装置50、冷蔵室ダンパ25等の各構成機器を制御する。
図6は、冷蔵庫1の供給風路の概略構成を示す正面略図である。冷蔵室3へと冷気を供給する冷蔵室供給風路14は、冷蔵室3の中央部において冷気を最上部へと送り、その後に両脇から下降させるように構成されている。これにより、冷蔵室3の内部全体に効率的に冷気を供給することができる。
冷蔵庫1は、冷蔵室3から冷却室13へと空気を流す帰還風路20を備えている。冷蔵室3の下部には、帰還風路20につながる開口である戻り口22が形成されている。冷蔵室3内の空気は、戻り口22を介して帰還風路20へと流れ、冷却器32の下方へと流れる。
また、帰還風路20の前方には、冷却器32で冷却された空気を野菜室7へと流す野菜室供給風路16が形成されている。野菜室供給風路16は、冷凍室供給風路15から上方に分岐して、製氷室4〜6の上方の断熱仕切壁28(図5参照)の内部を経由して下方に向きを変え、製氷室4〜6の奥を通過している。そして、断熱仕切壁29(図5参照)を貫通して野菜室7へとつながっている。野菜室7には、野菜室供給風路16から冷気を吹き出す開口である吹出口19が形成されている。
野菜室供給風路16には、野菜室7に供給する冷気の流れを制御する野菜室ダンパ26が設けられている。これにより、冷蔵室3の冷却とは独立して野菜室7の冷却を行うことができ、野菜室7の温度を適切に制御することができる。
尚、野菜室供給風路16を、冷凍室供給風路15の側方または下方から分岐するよう構成しても良い。これにより、野菜室供給風路16を短くすることができ、圧力損失を低減することができる。
また、野菜室供給風路16を冷蔵室3からの冷気を戻す帰還風路20に接続することもできる。このように、野菜室供給風路16を帰還風路20から分岐するよう構成することにより、野菜室ダンパ26を省略して低コスト化を図ることができる。
野菜室7には、戻り口24が形成されており、野菜室7内の空気は、戻り口24から野菜室帰還風路21及び戻り口13bを経由して冷却室13の下部へと流れる。
図7は、冷蔵庫1の冷却室13付近の構造を示す側面断面図である。冷却室13は、断熱箱体2の内部で、冷凍室供給風路15の奥側に設けられている。冷却室13と、冷凍室供給風路15または製氷室4〜6との間は、合成樹脂製の仕切体46によって仕切られている。即ち、冷却室13は、内箱2bと仕切体46とによって挟まれて形成された空間である。
冷却室13の前方に形成される冷凍室供給風路15は、仕切体46とその前方に組み付けられる合成樹脂製の前面カバー47との間に形成された空間であり、冷却器32で冷却された冷気を流す風路となる。前面カバー47には、製氷室4〜6に冷気を吹き出す開口である吹出口18が形成されている。
下段冷凍室6の下部背面には、製氷室4〜6から冷却室13へと空気を戻す戻り口23が形成されている。そして、冷却室13の下方には、前記戻り口23につながり、貯蔵室からの帰還冷気を冷却室13の内部へと吸入する、戻り口13bが形成されている。
また、冷却器32の下方には、冷却器32に付着した霜を融かして除去する除霜手段として、除霜ヒータ33が設けられている。除霜ヒータ33は、電気抵抗加熱式のヒータである。尚、除霜手段として、例えば、電気ヒータを利用しないオフサイクルデフロストや、ホットガスデフロスト等のその他の除霜方式を採用することも可能である。
冷却室13上部の仕切体46には、冷蔵室3〜7につながる開口である送り口13aが形成されている。即ち、送り口13aは、冷却器32で冷却された冷気を流す開口であり、冷却室13と、冷蔵室供給風路14、冷凍室供給風路15及び野菜室供給風路16(図6参照)とを連通させる。送り口13aには、製氷室4〜6等に冷気を送り出す送風機35が配設されている。
送風機35は、回転式のファン37(プロペラファン)と、略円筒形状の開口である風洞36aが形成されたケーシング36と、を備えた軸流送風機である。ケーシング36は、冷却室13の送り口13aに取り付けられており、送風機35の吸入側と吐出側との境界になる部品である。
そして、ケーシング36には、風洞36aと同軸に、ファン37が配設されている。尚、ファン37の吐出側端部は、風洞36aの吐出側端部、即ちケーシング36の吐出側端面より外側、即ち吐出側若しくは冷凍室供給風路15側、になるように配設されている。これにより、ファン37の回転半径方向に流れ出る吐出空気の流れ抵抗が小さくなり、少ない流動損失で冷気を送り出すことができる。
また、冷却室13の送り口13aの外側、即ち送風機35の吐出側には、送り口13aを塞ぐための送風機カバー51を備えた遮蔽装置50が設けられている。遮蔽装置50は、その支持基体52が、例えば、送風機35のケーシング36に密着するよう取り付けられる。
送風機カバー51は、概略的に蓋形状を呈している。これにより、送風機カバー51は、ケーシング36よりも吐出側に突き出したファン37と接触することなく、風洞36aの外側で支持基体52に当接し、送り口13aを塞ぐことができる。
ここで、図8(A)ないし図8(C)を参照して、送風機35周りの空気流れについて、更に詳しく説明する。図8(A)ないし図8(C)は、送風機35としての軸流送風機周りの空気流れを解析した結果を示す説明図である。図8(A)は、吐出側と吸入側との圧力差が12Pa、図8(B)は、同圧力差が4Pa、図8(C)は、同圧力差が2Paという条件における解析結果である。
図8(A)ないし図8(C)において、符号Vは、支持基体52の枠部52aの表面(図6参照)における風速ベクトル分布である。尚、支持基体52をケーシング36に取り付けない場合、符号Vは、ケーシング36の吐出側端面における風速ベクトル分布に相当する。また、符号V1は、吸入側(紙面右側)にある面S1における風速ベクトル分布を表し、符合V2は、吐出側(紙面左側)にある面S2における風速ベクトル分布を表している。各風速ベクトルV、V1、V2は、矢印の方向を各流れの方向とし、矢印の長さを各流れの速さに比例する長さとして表現されている。尚、各図において、ファン37の上下に描かれた横線Mは、計算上使用したものであって、解析結果の説明には用いないので無視してよい。
図8(C)に示すように、送風機35の吐出側と吸入側との圧力差が2Paの場合には、送風機35の吐出側における風速ベクトルVは、図の上下方向にやや斜めではあるが、略左側を向いていることが分かる。また、吐出側の面S2における風速ベクトルV2も、左側に突き出ている。即ち、圧力差2Paの条件においては、送風機35吐出側の空気流れは、ファン37の回転軸方向Zの速度が大きく、回転半径方向Rの速度が小さいことが分かる。換言すれば、送風機35によって吐出された空気は、主に、送風機35の前方へと流れて行く。
ところが、図8(B)に示すように、送風機35の吐出側と吸入側との圧力差が4Paになると、送風機35吐出側における風速ベクトルVは、図の上下方向への広がりがやや大きくなり、吐出側の面S2における風速ベクトルV2は短くなっている。即ち、圧力差が4Pa程度に大きくなると、送風機35吐出側の空気流れは、ファン37の回転半径方向Rの速度が大きくなってくる。
更に、図8(A)に示すように、圧力差が更に大きくなり12Paになると、送風機35の吐出側における風速ベクトルVは、図の略上下方向を向くようになる。また、吐出側の面S2における風速ベクトルV2は、非常に短くなっている。即ち、圧力差が12Paの条件では、送風機35から吐出された空気の流れは、ファン37の回転軸方向Zの速度が非常に小さく、回転半径方向Rの速度が大きくなることが分かる。換言すれば、送風機35から吐出された空気は、送風機35の前方、即ちZ方向、に向かって流れずに、回転半径方向Rに向かって流れ出ることになる。
尚、図8(A)ないし図8(C)何れの条件においても、送風機35吐出側の空気流れは、ファン37の回転軸を中心とした旋回流を形成している。
以上、送風機35としての軸流送風機の特性について説明したが、本実施形態に係る冷蔵庫1のように、閉回路内で冷気を強制循環させる冷蔵庫においては、送風機35の吐出側と吸入側との圧力差は10〜12Pa程度である。つまり、図8(A)に示すように、送風機35によって吐出された冷気は、送風機35のファン37回転半径方向Rに広がって流れる。
そこで、本実施形態に係る送風機カバー51は、製氷室4〜6を冷却する際、冷却室13から離れるように移動し、送風機カバー51と冷却室13との間に、冷気が流れるための開口を形成する。そのため、前述の通り、回転半径方向Rの流れ速度が大きい送風機35からの吐出空気は、ケーシング36や仕切体46に沿うように、前記開口を通じて、非常に小さい流動抵抗で、冷凍室供給風路15(及び冷蔵室供給風路14)内へと流れ出る。
このとき、送風機35から前面方向へと流れる空気は、図8(A)に示すように、当初から非常に少ないので、冷却室13から離れるように移動した送風機カバー51が風路抵抗へ及ぼす影響は、非常に小さなものとなる。
また、図3(C)に示す、支持基体52の主面と送風機カバー51の送風機35側端面との距離X、即ち空気流路となる開口を形成する距離Xは、送風機カバー51による圧力損失を増大させないために、所定の長さを確保する必要がある。具体的には、距離Xは、30mm以上、更に好ましくは、50mm以上確保すべきである。距離Xが30mmより短くなると、送風機カバー51による流動損失が大きくなり、従来技術のダンパ等を利用する場合に比べて、圧力損失を小さく抑えることが困難になる。
他方、距離Xを50mm以上確保すれば、送風機カバー51を追加することによる圧力損失の増大は殆どなくなる。図8(A)を参照して簡単に説明すると、図に示す吐出側の面S3は、距離X(図3(C)参照)が50mmに相当する位置にある。尚、面S2は、距離Xが80mmの位置にある。同図より、面S3の位置まで、即ち距離Xが50mmの位置まで、開口を確保すれば、殆どの空気流れは妨げられずに該開口を通過可能なことが分かる。
<第3の実施の形態:冷蔵庫の動作>
次に、上記した各図を再び参照して、以上説明の構成を備えた冷蔵庫1の動作について説明する。
先ず、冷蔵室3を冷却する運転について説明する。図5に示すように、圧縮器31を運転し、冷蔵室ダンパ25を開き、送風機35を運転することにより、冷蔵室3の冷却を行うことができる。即ち、冷却器32によって冷却された空気は、冷却室13の送り口13a(送風機35)、冷蔵室ダンパ25、冷蔵室供給風路14及び吹出口17を順次通過し、冷蔵室3へと供給される。これにより、冷蔵室3の内部に貯蔵された食品等を適切な温度で冷却保存することができる。
この時、図7を参照して、遮蔽装置50は開放状態となっており、冷却室13と冷蔵室供給風路14aとは連通状態となっている。即ち、遮蔽装置50は図3(C)に示すように、送風機カバー51と支持基体52とが離間しており、両者の間隙から冷却された空気が冷蔵室3に供給されている。
そして、冷蔵室3の内部に供給された循環冷気は、図6に示すように、戻り口22から帰還風路20を経由して冷却室13の内部へと戻る。そこで、再び冷却器32によって冷却されることになる。
次に、製氷室4〜6を冷却する運転について説明する。図5に示すように、圧縮器31を運転し、送風機35を運転し、送風機カバー51を開くことにより、製氷室4〜6の冷却を行うことができる。詳しくは、送風機カバー51は、図3(C)の如く支持基体52から離れた状態となる。これにより、冷却器32によって冷却された空気は、冷却室13の送り口13aに配設された送風機35によって送り出され、冷凍室供給風路15及び吹出口18を順次通過し、製氷室4〜6へと供給される。
その結果、製氷室4〜6の内部に貯蔵された食品等を適切な温度で冷却保存することができる。そして、製氷室4〜6内部の空気は、下段冷凍室6の奥に形成された戻り口23を通り、冷却室13の戻り口13bを介して、冷却室13の内部へと流れる。
次に、野菜室7への冷気の供給について説明する。送風機35によって冷凍室供給風路15に送り出された空気の一部は、野菜室ダンパ26を開くことにより図6に示す野菜室供給風路16へと流れ、吹出口19から野菜室7へと吐出される。これにより、野菜室7内を冷却することができる。そして、野菜室7を循環した冷気は、図6に示す戻り口24から野菜室帰還風路21及び戻り口13bを順次経て、冷却室13へと戻される。
以上説明の通り、冷蔵庫1では、一つの冷却器32で冷却された冷気を冷蔵室3〜7に夫々独立して、少ない圧力損失で効率良く供給することができる。これにより、冷蔵室3及び製氷室4〜6を各々の冷却負荷に応じて好適に冷却することができるようになる。
また、冷蔵庫1では冷蔵専用の冷却器を必要としないので、冷蔵室3を広くできる。また、冷気を供給すべき貯蔵室の目標保冷温度に応じて冷却器32による冷却温度(冷媒の蒸発温度)を調整することにより、冷凍サイクルの効率を更に向上させることができる。
次に、除霜運転時の動作について説明する。図5を参照して、冷却運転を継続すると、冷却器32の空気側伝熱面に霜が付着し、伝熱を妨げ、空気流路を塞ぐことになる。そこで、冷媒蒸発温度の低下等から着霜を判断し、或いは除霜タイマー等によって判断し、冷却器32に付着した霜を取るための除霜冷却運転または除霜運転を開始する。
先ず、冷却器32に付着した霜の潜熱を利用して冷蔵室3の冷却を行う除霜冷却運転について説明する。除霜冷却運転を行う場合、圧縮器31の運転を停止し、図3(C)に示すように、送風機カバー51を開いた状態にする。その後、冷蔵室ダンパ25を開き、送風機35を運転する。
これにより、冷蔵室3と冷却室13との間で空気を循環させ、該循環空気によって冷却器32に付着した霜を融かすことができる。即ち、除霜ヒータ33による加熱を行うことなく除霜を行うことができる。同時に、圧縮器31を運転することなく霜の融解熱を利用して冷蔵室3の冷却を行うことができる。
つまり、除霜のためのヒータ入力、及び冷却のための圧縮器入力を削減でき、冷蔵庫1の消費電力を少なくして総合的な冷却効率を高めることができる。また、除霜によって湿度の高い冷気を冷蔵室3に供給することができるので、そこに貯蔵される食品等の乾燥を防止し、鮮度を保持する効果を高めることができる。尚、冷凍室供給風路15を経由せずに野菜室7へと冷気を供給する供給風路を設けることにより、野菜室7についても、除霜潜熱による冷却及び水分補給が可能となる。
この際、図5を参照して、水分を多く含む冷気が遮蔽装置50を通過するので、遮蔽装置50に多量の水が付着する場合がある。しかしながら、図1等を参照して上記したように、本形態の遮蔽装置50では付着した水分を排水するための様々な構造を備えているので、この水分に起因して駆動軸54の動作が阻害されることはない。即ち、図1および図2を参照して、送風機カバー51と駆動軸54との間に水分が進入したとしても、両者の間には風路が確保されているので、この風路を空気が通過することで排水が良好に行われる。
ここで、前述の除霜冷却運転は、冷却器32に着霜したと判断し且つ冷蔵室3の温度が所定の値よりも高い場合に行う。冷却器32の着霜を検出しても、冷蔵室3の温度が所定の値よりも低い場合には、冷蔵室3の冷却は不要であるので、除霜冷却運転を行わず、除霜ヒータ33を利用した通常の除霜運転を行う。
通常の除霜運転を以下に説明する。この場合では、圧縮器31を停止し、除霜ヒータ33に通電し、冷却器32に付着した霜を融かす。この際、送風機カバー51で送り口13aを塞ぎ、冷蔵室ダンパ25を閉じる。即ち、図3(A)を参照して、遮蔽装置50は駆動軸54を回転させることで遮蔽状態となる。これにより、除霜ヒータ33によって暖められた冷却室13内の空気が冷蔵室供給風路14等へと流れ出ることを防止できる。その結果、冷蔵庫1の冷却効率を向上させることができる。
また、冷却器32の霜取りが完了すると、除霜ヒータ33の通電を止め、圧縮器31を起動し、冷凍回路による冷却を開始する。そして、冷却器32及び冷却室13が所定の温度まで冷却されたことを検出した後、或いはタイマー等で所定の時間が経過した後、送風機カバー51および冷蔵室ダンパ25を開き、送風機35の運転を開始する。これにより、除霜熱による影響を出来るだけ小さく抑え、冷却運転を再開することができる。
次に、図5を参照して、エアカーテンを形成する運転について説明する。断熱扉8の開状態を検出すると、冷蔵室ダンパ25を開き、送風機35を運転する。これにより、冷蔵室3の上面前部に形成された吹出口17から下方に向かって冷気が吹き出され、冷蔵室3の前面開口にエアカーテンが形成される。
また、冷蔵室3の上面前部の吹出口17に開度調整可能なフラップ(図示せず)を設けても良い。フラップを設けてその角度(開度)を調節することにより、冷蔵室3の内部から庫外に冷気が漏れることを防止するための好適なエアカーテンを形成することができる。また更に、断熱扉8が閉じてから所定の時間、送風機35の運転を継続し、前記フラップをスイングさせても良い。これにより、断熱扉8を開いたことによって暖められた冷蔵室3の内部、特に断熱扉8の内側の収納ポケットを効率良く冷却することができる。
以上説明の通り、本実施形態に係る冷蔵庫1では、霜取り中に、送風機カバー51で冷却室13の送り口13aを塞ぐので、霜取り時の暖気が貯蔵室に流れ込むことを防止することができる。
また、本実施形態に係る送風機カバー51は、冷却室13の送り口13a外側、即ち送風機35の吐出側、に取り付けられるので、風路形状が異なる他の機種の冷蔵庫に対しても、共通して利用することができる。その場合、送風機カバー51と送風機35とを、一体的に組み立てた一つの構成部品として、採用することもできる。これにより、どのような風路構成であっても除霜暖気漏れを防止できるので、冷却風路の設計自由度が増し、風路設計を容易に行うことができるようになる。その結果、冷却風路やダンパの開発コスト及び生産コストを削減することができる。
更に本形態では、図1および図2を参照して上記したように、冷蔵庫の使用状況下にて遮蔽装置50に水や氷が付着したとしても、ネジ山54aの傾斜構造によりこの水等は良好に除去される。よって、送風機カバー51に付着した水分により、その動作が阻害されることが抑制されている。
1 冷蔵庫
2 断熱箱体
2a 外箱
2b 内箱
2c 断熱材
3 冷蔵室
4 製氷室
5 上段冷凍室
6 下段冷凍室
7 野菜室
8,8a,8b 断熱扉
9 断熱扉
10 断熱扉
11 断熱扉
12 断熱扉
13 冷却室
13a 送り口
13b 戻り口
14 冷蔵室供給風路
14a 冷蔵室供給風路
15 冷凍室供給風路
16 野菜室供給風路
17 吹出口
18 吹出口
19 吹出口
20 帰還風路
21 野菜室帰還風路
22 戻り口
23 戻り口
24 戻り口
25 冷蔵室ダンパ
26 野菜室ダンパ
28 断熱仕切壁
29 断熱仕切壁
31 圧縮器
32 冷却器
33 除霜ヒータ
35 送風機
36 ケーシング
36a 風洞
37 ファン
45 仕切体
46 仕切体
47 前面カバー
50 遮蔽装置
51 送風機カバー
51b 支持孔
51c ネジ孔
51d 主面部
51e 側面部
51f ネジ溝
51g 切り欠き部
51h 肉厚部
51i 非連続部
51k 側面
51m 側面
52 支持基体
52a 枠部
52b 支持フレーム
52c 環状支持部
52d 軸支持部
52e 孔部
53 冷凍室温度センサ
54 駆動軸
54a ネジ山
54b 側面
55 冷蔵室温度センサ
56 ガイドピン

Claims (6)

  1. 冷蔵庫内で流通する空気の経路を塞ぐ遮蔽装置であり、
    ネジ溝が形成されたネジ孔を有する送風機カバーと、前記ネジ溝に螺合するネジ山が形成されて前記ネジ孔を貫通する駆動軸と、を備え、
    前記駆動軸と前記送風機カバーとの間に、前記送風機カバーの内部から外部へ空気が流通する風路を設け、
    前記駆動軸の前記ネジ山の側面は、前記送風機カバーの前記ネジ溝に対して、半径方向外側の方が内側よりも離間する傾斜形状であり、
    前記駆動軸の前記ネジ山の側面と、前記送風機カバーの前記ネジ溝との間に、前記風路を設けることを特徴とする遮蔽装置。
  2. 前記送風機カバーを摺動可能に貫通するガイドピンを、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽装置。
  3. 前記ネジ孔に面する前記送風機カバーの一部を切り欠いて、切り欠き部を設け、
    前記切り欠き部が前記風路の一部となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遮蔽装置。
  4. 前記送風機カバーが前記経路を塞ぐ際に、前記切り欠き部に当接して前記風路を塞ぐ支持部を更に有することを特徴とする請求項3に記載の遮蔽装置。
  5. 前記ネジ孔を囲む部分の前記送風機カバーを環状に肉厚にした肉厚部を更に有し、
    前記ネジ溝が終端する部分にて前記肉厚部を除去した非連続部を設けることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の遮蔽装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れかに記載の遮蔽装置を備えた冷蔵庫。

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