JP2011058694A - ダンパ装置及びダンパ装置を用いた冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷気入口側の送風抵抗を抑制したダンパ装置を得ることを目的とする。
【解決手段】駆動手段により駆動される開閉体と、この開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有するダンパ装置において、フレームの外周に設けられたフランジの高さは開閉体の軸支側よりも反軸支側を低くしたことを特徴とする。また、開閉体はこの開閉体の一端が駆動手段の駆動軸に支持され、且つこの開閉体の他端が駆動軸に対向する位置に設けられたフレームの支軸に支持された回転軸を有し、フレームの高さは回転軸側よりも反回転軸側が低いことを特徴とする。
【選択図】 図12
【解決手段】駆動手段により駆動される開閉体と、この開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有するダンパ装置において、フレームの外周に設けられたフランジの高さは開閉体の軸支側よりも反軸支側を低くしたことを特徴とする。また、開閉体はこの開閉体の一端が駆動手段の駆動軸に支持され、且つこの開閉体の他端が駆動軸に対向する位置に設けられたフレームの支軸に支持された回転軸を有し、フレームの高さは回転軸側よりも反回転軸側が低いことを特徴とする。
【選択図】 図12
Description
本発明は、ダンパ装置及びダンパ装置を用いた冷蔵庫に関する。
従来、冷蔵温度帯の貯蔵室と冷凍温度帯の貯蔵室を有し、冷却器によって熱交換された冷気を送風手段で各貯蔵室に送風する、いわゆる冷気強制循環方式の冷蔵庫において、各貯蔵室への冷気流量を制御するために、開閉式のダンパ装置を備え、該ダンパ装置を開閉制御する構成が知られている。
ダンパ装置に関わる従来の技術としては、以下に示す特許文献1乃至3に記載の技術が知られている。
特許文献1には、バッフルが閉鎖位置となったときフレームが前記バッフルの外周を覆う構成が開示されている。
また、特許文献2には、駆動手段を収納するケースがフレームの冷気出口側より突出しない構成が開示されている。
また、特許文献3には、フレームの側壁が所定幅の板状であって、幅の略中央部に風路開口部を設けることで、金型成型に伴う変形を抑制した構成が開示されている。
冷蔵室の温度はおよそ3〜5℃、冷凍室はおよそ−18℃と温度帯が異なる。
そのため、冷却器から冷蔵室や冷凍室に冷気ダクトを経由して冷気を分配する場合、冷気流量を切り替える必要がある。そこで、開閉式の冷蔵室冷却用ダンパ装置と冷凍室冷却用ダンパ装置(以下、総称して「ダンパ装置」という)を備え、それらを開閉制御して冷気流量を制御している。
ダンパ装置を通過した冷気を貯蔵室内に直接送風することにより、ダンパ装置の冷気出口側ダクトを削減して冷気ダクトの体積を減少させることが考えられる。特に、近年の冷蔵庫においては、各貯蔵室の容積大型化が求められており、冷気ダクトが占める体積を減少しつつ貯蔵空間の内容積を拡大するような形態とすることが望ましい。また、ダンパ装置の送風抵抗を低減させるにはフレームの開口面積を増大させることが望ましい。
一方、ダンパ装置は冷気ダクトに対してフレームの開口を直行して配置するため、ダンパ装置の冷気入口側と出口側の双方に冷気ダクトを必要とする。そのため、貯蔵室の体積を減少させていた。
また、冷気ダクトに対してダンパ装置の開口を平行して配置するには、ダンパ装置のフレーム外周に設けたフランジが通風抵抗を増大させるという問題があった。
また、ダンパ装置のフレームの開口を大型化して送風抵抗を低減するには、フレームや開閉板が大型化する。そのため、部品の剛性が低下して弾性変形しやすくなる。さらに、樹脂成形部品は成型時の反りやねじれ等の変形も生じるため、閉鎖時に隙間が生じやすくなって密閉しにくくなるという課題がある。特に、ダンパの開閉体を細長い長方形状とした場合、成型時の変形及び弾性変形が生じ易い。
そこで、貯蔵空間の容積を減少させず、かつ省エネルギー性能を向上させるために、冷気ダクトの占める体積を減少させるため、ダンパ装置を通過した冷気を直接貯蔵室に送風することが望ましい。
上記従来の技術では、フレームの外周のフランジが冷気ダクトの一部を兼ねる構造である。また、フレームの強度を確保するため、前記外周フランジの長手方向の高さが開閉体の反軸支側で同一となっている。すると、ダンパ装置の開口を冷気ダクトに対して平行になるようダンパ装置を設置した場合、フレームの外周のフランジが送風抵抗となる、という課題があった。
そこで、本発明は、冷気入口側の送風抵抗を抑制したダンパ装置を得ることを目的とする。また、冷気入口側の送風抵抗を抑制したダンパ装置を備えることで、冷気ダクトの体積低減を図り貯蔵空間の容積を拡大した冷蔵庫を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るダンパ装置は、駆動手段により駆動される開閉体と、該開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有するダンパ装置において、前記フレームの外周に設けられたフランジの高さは前記開閉体の軸支側よりも反軸支側を低くしたことを特徴とする。
また、駆動手段により駆動される開閉体と、該開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有するダンパ装置において、前記開閉体は該開閉体の一端が前記駆動手段の駆動軸に支持され、且つ該開閉体の他端が前記駆動軸に対向する位置に設けられた前記フレームの支軸に支持された回転軸を有し、前記フレームの高さは前記回転軸側よりも反回転軸側が低いことを特徴とする。
また、本発明に係る冷蔵庫は、冷蔵庫本体に設けられた貯蔵室と、該貯蔵室の後方に設けられ冷却器が設置された冷却器室と、該冷却器室から前記貯蔵室へ冷気を送風する送風機と、前記送風機で送風された冷気の前記貯蔵室への供給量を制御するダンパ装置と、を備えた冷蔵庫において、前記ダンパ装置は、駆動手段により駆動される開閉体と、該開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有し、前記フレームの外周に設けられたフランジの高さは前記開閉体の軸支側よりも反軸支側を低くしたことを特徴とする。
また、冷蔵庫本体に設けられた貯蔵室と、該貯蔵室の後方に設けられ冷却器が設置された冷却器室と、該冷却器室から前記貯蔵室へ冷気を送風する送風機と、前記送風機で送風された冷気の前記貯蔵室への供給量を制御するダンパ装置と、を備えた冷蔵庫において、前記ダンパ装置は、駆動手段により駆動される開閉体と、該開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有し、前記開閉体は該開閉体の一端が前記駆動手段の駆動軸に支持され、且つ該開閉体の他端が前記駆動軸に対向する位置に設けられた前記フレームの支軸に支持された回転軸を有し、前記フレームの高さは前記回転軸側よりも反回転軸側が低いことを特徴とする。
本発明は、冷気入口側の送風抵抗を抑制したダンパ装置を得ることができる。また、冷気入口側の送風抵抗を抑制したダンパ装置を備えることで、冷気ダクトの体積低減を図り貯蔵空間の容積を拡大した冷蔵庫を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の冷蔵庫の正面外形図である。図2は、冷蔵庫の庫内の構成を表す図1におけるX−X縦断面図である。図3は、冷蔵庫の庫内の構成を表す正面図であり、図4は、図2の要部拡大説明図であり、冷気ダクトや吹き出し口の配置などを示す図である。図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、上方から、冷蔵室2,製氷室3及び上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6を有する。一例として、冷蔵室2及び野菜室6は、およそ3〜5℃の冷蔵温度帯の貯蔵室である。また、製氷室3,上段冷凍室4及び下段冷凍室5は、およそ−18℃の冷凍温度帯の貯蔵室である。
冷蔵室2は前方側に、左右に分割された観音開き(いわゆるフレンチ型)の冷蔵室扉2a,2bを備えている。製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5,野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a,上段冷凍室扉4a,下段冷凍室扉5a,野菜室扉6aを備えている。
以下では、冷蔵室扉2a,2b,製氷室扉3a,上段冷凍室扉4a,下段冷凍室扉5a,野菜室扉6aを単に扉2a,2b,3a,4a,5a,6aと称する。
また、冷蔵庫1は、扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示なし)と、各扉が開放していると判定された状態が所定時間、例えば、1分間以上継続された場合に、使用者に報知するアラーム(図示なし)と、冷蔵室2の温度設定や上段冷凍室4や下段冷凍室5の温度設定をする温度設定器(図示なし)等を備えている。
図2に示すように、冷蔵庫1の庫外と庫内は、内箱10aと外箱10bとの間に発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体10により隔てられている。また、冷蔵庫1の断熱箱体10は複数の真空断熱材25を実装している。
庫内は、断熱仕切壁28により冷蔵室2と、上段冷凍室4及び製氷室3(図1参照,図2中で製氷室3は図示されていない)とが隔てられ、断熱仕切壁29により、下段冷凍室5と野菜室6とが隔てられている。
扉2a,2bの庫内側には複数の扉ポケット32が備えられている(図1,図2参照)。また、冷蔵室2は複数の棚36により縦方向に複数の貯蔵スペースに区画されている。
図2に示すように、上段冷凍室4,下段冷凍室5及び野菜室6は、それぞれの室の前方に備えられた扉3a,4a,5a,6aと一体に、収納容器3b,4b,5b,6bがそれぞれ設けられている。そして、扉4a,5a,6aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、収納容器4b,5b,6bが引き出せるようになっている。
図1に示す製氷室3にも同様に、扉3aと一体に、図示しない収納容器(図2中(3b)で表示)が設けられ、扉3aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより収納容器3bが引き出せるようになっている。
図2に示すように(適宜図3参照)、冷却器7は下段冷凍室5の略背部に備えられた冷却器収納室8内に設けられている。冷却器7の上方に庫内送風機9(送風機)が設けられている。
冷却器7で熱交換して冷やされた空気(以下、冷却器7で熱交換した低温の空気を「冷気」という)は、庫内送風機9によって冷蔵室送風ダクト11,符号省略の野菜室送風ダクト(図3参照),上段冷凍室送風ダクト12,下段冷凍室送風ダクト13及び図示しない製氷室送風ダクトを介して、冷蔵室2,野菜室6,上段冷凍室4,下段冷凍室5,製氷室3の各室へ送られる。各室への送風は冷蔵室ダンパ20と冷凍室ダンパ50の開閉により制御される。
ちなみに、冷蔵室2,製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5及び野菜室6への各送風ダクトは、図3に破線で示すように冷蔵庫1の各室の背面側に設けられている。
具体的には、冷蔵室ダンパ20が開状態、冷凍室ダンパ50が閉状態のときには、冷気は、冷蔵室送風ダクト11を経て多段に設けられた吹き出し口2cから冷蔵室2に送られる。そして、冷蔵室送風ダクト11から分岐した野菜室送風ダクト(図3参照)を経て、吹き出し口6cから野菜室6に送られる。
なお、冷蔵室2を冷却した冷気は、例えば、冷蔵室2の下面に設けられた戻り口2dから冷蔵室戻りダクト16を経て、冷却器収納室8の正面から見て、例えば、右側下部に戻る。また、野菜室6からの戻り空気は、戻り口6dを経て、冷却器収納室8の下部に戻る。
冷凍室ダンパ50が開状態のとき、冷却器7で熱交換された冷気が庫内送風機9により図示省略の製氷室送風ダクトや上段冷凍室送風ダクト12を経て吹き出し口3c,4cからそれぞれ製氷室3,上段冷凍室4へ送風される。また、下段冷凍室送風ダクト13を経て吹き出し口5cから下段冷凍室5へ送風される。この点、上記冷凍室ダンパ50は、後述する送風機カバー56部の上方に取り付けられ、先の、製氷室送風を容易にしている。
また、上段冷凍室4,下段冷凍室5,製氷室3を冷却した冷気は、下段冷凍室5の奥下方に設けられた冷凍室戻り口17を介して、冷却器収納室8に戻る。
而して図4に於いて、吹き出し口3c,4c,5cを形成するのが仕切り54である。
この仕切り54は上段冷凍室4,製氷室3及び下段冷凍室5,冷却器収納室8を区画する。
55は、庫内送風機9が取り付けられているファンモータ固定部である。このファンモータ固定部55は冷却器収納室8と仕切り54間を区画している。
庫内送風機9はこのファンモータ固定部55に取り付けられている。56は送風機カバーで、上記庫内送風機9の前面を覆っている。この送風機カバー56と仕切り54との間には冷気ダクト13が形成されている。また、この送風機カバー56の上部は、先の冷凍室ダンパ50の吹き出し口56aを形成している。
また、この送風機カバー56は、送風機9の前面を覆う整流部56bを備える。これによって、吹き出す冷気が引き起こす乱流を整流して、騒音等の発生を防止する。
また、送風機カバー56は仕切り54との間に庫内送風機9より吹き出された冷気を吹き出し口3c,4c,5c等に導くべく、上段冷凍室送風ダクト12、及び下段冷凍室送風ダクト13を形成している。
さらに、この送風機カバー56は庫内送風機9が吹き出す冷気を冷蔵室ダンパ20側に送風する役目も果たしている。すなわち、送風機カバー56部に設けられた冷凍室ダンパ50に入らない冷気は、冷蔵室ダクト15を経由して図4の如く冷蔵室ダンパ20側に行く。
そして、冷凍温度帯室(上段冷凍室4,下段冷凍室5及び製氷室3)と、冷蔵温度帯室(冷蔵室2及び野菜室6)との両方の室に冷却器7を経た冷気を送る時には、圧倒的に冷凍室ダンパ50側に冷気は送られるが、わずかの冷気はこの冷蔵室ダクト15側に行くよう構成されている。
なお、上記の冷蔵室ダンパ20は、図4にも示す如く冷蔵室2の後部に取り付けられているものである。
また、冷却器7の下方に除霜ヒータ22が設置されており、除霜ヒータ22の上方には、除霜水が除霜ヒータ22に滴下することを防止するために、上部カバー53が設けられている。
冷却器7及びその周辺の冷却器収納室8の壁に付着した霜の除霜(融解)によって生じた除霜水は、冷却器収納室8の下部に備えられた樋23に流入した後に、排水管27を介して後記する機械室19に配された蒸発皿21に達し、後記する凝縮器(図示せず)の熱により蒸発させられる。
また、冷却器7の正面から見て右上部には冷却器に取り付けられた冷却器温度センサ35,冷蔵室2には冷蔵室温度センサ33,下段冷凍室5には冷凍室温度センサ34がそれぞれ備えられており、それぞれ冷却器7の温度(以下、「冷却器温度」という),冷蔵室2の温度(以下、「冷蔵室温度」という),下段冷凍室5の温度(以下、冷凍室温度と称する)を検知できるようになっている。
さらに、冷蔵庫1は、庫外の温湿度環境(外気温度,外気湿度)を検知する図示しない外気温度センサと外気湿度センサを備えている。なお、野菜室6にも野菜室温度センサ33aを配置しても良い。
断熱箱体10の下部背面側には、機械室19が設けられており、機械室19には、圧縮機24及び図示しない凝縮器が収納されており、図示しない庫外送風機により凝縮器の熱が除熱される。
ちなみに、本実施形態では、イソブタンを冷媒として用い、冷媒封入量は約80gと少量にしている。
冷蔵庫1の天井壁上面側にはCPU,ROMやRAM等のメモリ,インターフェース回路等を搭載した制御基板31が配置されている。制御基板31は、前記した外気温度センサ,外気湿度センサ,冷却器温度センサ35,冷蔵室温度センサ33,冷凍室温度センサ34,扉2a,2b,3a,4a,5a,6aの各扉の開閉状態をそれぞれ検知する前記した扉センサ,冷蔵室2内壁に設けられた図示しない温度設定器,下段冷凍室5内壁に設けられた図示しない温度設定器等と接続する。そして、前記ROMに予め搭載されたプログラムにより、圧縮機24のON/OFFや回転数の制御,冷蔵室ダンパ20及び冷凍室ダンパ50を個別に駆動する後述するそれぞれの駆動モータの制御,庫内送風機9のON/OFFや回転速度の制御,前記庫外送風機のON/OFFや回転速度の制御等の制御,前記した扉開放状態を報知するアラームのON/OFF等の制御を行う。
次に、冷蔵室ダンパ20が閉状態で、且つ冷凍室ダンパ50が開状態で、冷凍温度帯室(製氷室3,上段冷凍室4及び下段冷凍室5)のみの冷却が行われている場合、製氷室3に製氷室送風ダクトを介して送風された冷気及び上段冷凍室4に上段冷凍室送風ダクト12(図2参照)を介して送風された冷気は、下段冷凍室5に下降する。そして、下段冷凍室5に下段冷凍室送風ダクト13(図2参照)を介して送風された冷気とともに、図4中に矢印Cで示す冷凍室戻り空気のように流れる。すなわち、下段冷凍室5の背面下部に配された冷凍室戻り口17を経由して冷却器収納室8の下部前方から冷却器収納室8に流入し、冷却器配管7aに多数のフィンが取り付けられて構成された冷却器7と熱交換する。
ちなみに、冷凍室戻り口17の横幅寸法は、冷却器7の幅寸法とほぼ等しい横幅である。
一方、冷蔵室ダンパ20が開状態で、且つ冷凍室ダンパ50が閉状態で、冷蔵温度帯室(冷蔵室2及び野菜室6)のみの冷却が行われている場合、冷蔵室2からの戻り冷気は、図3中に矢印Dで示す冷蔵室戻り空気のように、冷蔵室戻りダクト16を介して、冷却器収納室8の側方下部から冷却器収納室8に流入し、冷却器7と熱交換する。
なお、野菜室6を冷却した冷気は、図4に示す如く、野菜室戻り口6d(図4参照)を介して、冷却器収納室8の下部に流入するが、風量は冷凍温度帯室を循環する風量や冷蔵室2を循環する風量に比べて少ない。
上記にて説明したように、冷蔵庫1内の冷気の切り替えは、冷蔵室ダンパ20および冷凍室ダンパ50それぞれを適宜に開閉することにより行う構成である。次に、図5から図11を用いて、冷凍室ダンパ50を例としてダンパの構成と動作の一例について説明する。
図5は、冷凍室ダンパ50の構成の一例を示す斜視図である。図6は、図5を矢印S方向から見た図である。図7は、図5におけるY−Y方向の断面図である。
冷凍室ダンパ50は、開口62を一面に備えた、例えば樹脂製の一体成形された横長のフレーム63と、フレーム63の一端(長方形状の短手部)にモータや減速歯車などの駆動系を内蔵した駆動手段60を備え、駆動軸61から駆動力を出力する。開閉体64は、フレーム63の開口62に対向して設けられており、開閉体64の一端は駆動軸61に軸支されており、開閉体64の他端はフレーム63の他端に設けられた支軸65のまわりに回転自在に設けられている。
開閉体64は、樹脂製の板状の開閉板64aと、開閉板64aの一面には、例えば発泡ウレタンや発泡ポリエチレンといった柔軟な材料で成形された緩衝部材64bを備える。
開閉体64は、駆動軸61と支軸65とを結んだ回動軸のまわりに揺動自在であり、かつ前記回動軸は開閉体64の長手方向の一辺と沿うように略平行に、その一辺の近傍に配置されている。
フレーム63の開口62は、横長の略長方形状である。開口62の長手方向略中央部には、該開口62の一辺と他辺を連結して、開口62の変形を抑制するための連結手段62aが設けられている。連結手段62aは、補強のための支柱としてはたらく。なお、連結手段62aは、開口62の変形を抑制するものであれば、フレーム63と一体であっても、別体であってもよい。
図5から図7は、開閉体64が閉鎖された状態を示している。開閉体64は、閉位置においては柔軟な緩衝部材64bがフレーム63の開口62の内周に沿って開閉体64側に立設した接触部66と接触する。これによって、開口62を通して冷気が流れることを抑制する。
モータを回転させると、駆動軸61を介して開閉体64が矢印方向(図5,図7参照)におよそ90°回動して開閉体は64′で示した開位置となり、開位置と閉位置との間を開閉体64が開閉動作することによって、開位置においては開口62を冷気が通過することができ、閉位置においては冷気の流れを阻止して閉鎖する構成である。
次に、駆動手段60の構成と動作の一例について図8から図11を用いて説明する。図8から図11は駆動手段60を図5の矢印Z方向に見た概略図である。駆動手段60にはモータ70を内在して、モータ70の出力軸71にはピニオンギヤ72が設けられており、モータ70の駆動とともに回転してトルクを出力する。アイドラギヤ73は、アイドラ支点74のまわりに回動自在に軸支された減速歯車である。アイドラギヤ73の外周には、ピニオンギヤ72とかみ合うギヤ73aを備え、ピニオンギヤ72からのトルクを減速しながら伝達する。
アイドラギヤ73の一部には部分歯車73bが設けられており、例えばアイドラギヤ73が90°回転する範囲のみに設けられている。部分歯車73bの歯車形状以外の部分には円柱状をなした円柱部73cが設けられている。
出力ギヤ75は駆動軸61のまわりに回動自在に軸支され、駆動軸61が開閉体64と嵌合されており、開閉体64(開閉板64a,緩衝部材64b)と出力ギヤ75とは連結されており一体として回動する。すなわち、開閉体64は該開閉体64の長手方向の駆動軸(開閉体64の一端が駆動軸61に軸支され、他端がフレーム63の支軸65に軸支された駆動軸)回りに駆動する。
出力ギヤ75の一部には、部分歯車75bが設けられ、アイドラギヤ73の一部に設けられた部分歯車73bとかみ合って、アイドラギヤ73と連動して例えば90°だけ回転する。出力ギヤ75の部分歯車75bを挟んで両側には円弧形状をした第一のストッパ75cと第二のストッパ75dとが設けられる。第一のストッパ75cと第二のストッパ75dは、開閉体64が開位置および閉位置においてアイドラギヤ73の円柱部73cと互いに接触する位置関係にある。
出力ギヤ75が部分歯車75bのかみ合う範囲であるおよそ90°回動することにより、出力ギヤ75と連結された開閉体64が回動して、その後、第一のストッパ75cと第二のストッパ75dがアイドラギヤ73と接触して回動規制される。
次に、駆動手段60の動作について説明する。図8においては、駆動手段60は開閉体64が閉鎖状態にあって、図5から図7と同様な状態を図示している。アイドラギヤ73に設けられた円柱部73cは、出力ギヤ75の第二のストッパ75dと嵌合しており、開閉体64を閉鎖状態で保持している。図9は、図8の状態からモータ70を駆動して、ピニオンギヤ72,アイドラギヤ73,出力ギヤ75とをそれぞれ矢印方向に回転した状態であり、出力ギヤ75の一部である部分歯車75bとアイドラギヤ73の一部に設けられた部分歯車73bとかみ合っている。
出力ギヤ75の第二のストッパ75dはアイドラギヤ73の円柱部73cから離反した位置となる。図10は図9よりもさらに矢印方向に回動した位置を示している。図11においては、およそ90°回動して、出力ギヤ75の一部である部分歯車75bとアイドラギヤ73の一部に設けられた部分歯車73bとのかみ合いが終了して、出力ギヤ75の第一のストッパ75cはアイドラギヤ73の円柱部73cと嵌合した位置となって、開閉体64を開放状態で保持する。
開閉体64を再度閉鎖する際には、図11の状態から図10,図9の状態を経由して図8の状態に至る。
上記のように動作することによって、冷凍室ダンパ50は開閉体64の開閉動作を行う。
先に説明したように、冷気の通風抵抗を低減するためには、冷凍室ダンパ50の冷気出口側でケース60aがフレーム63の出口側面よりも突起しないようにする必要がある。その課題について、以下図12から図13を用いてさらに詳細に説明する。
冷蔵庫内に設置された冷凍室ダンパ50による冷気の流れは、図2から図4で説明したが、冷蔵室ダンパ20が開状態、冷凍室ダンパ50が閉状態のときには、冷気は、冷蔵室送風ダクト11を経て多段に設けられた吹き出し口2cから冷蔵室2に送られる。そして、冷蔵室送風ダクト11から分岐した野菜室送風ダクト(図3参照)を経て、吹き出し口6cから野菜室6に送られる。
本実施形態の冷凍室ダンパ50の取り付け断面図(開閉体64が閉時)を図12に示す。冷凍室ダンパ50は、冷気通路内に設けられ冷凍温度帯室(製氷室3,上段冷凍室4,下段冷凍室5)へ冷気分配を行う。この際、冷凍室ダンパ50のフレーム下部63aが冷気通路側に突出した構成の場合、冷蔵室ダンパ20に向かう冷気76aの通風抵抗が増加する。
次に、本実施形態の冷凍室ダンパ50の取り付け断面図(開閉体64が開時)を図13に示す。この状態においても、冷凍室ダンパ50のフレーム下部63aが冷気通路側に突出した場合、冷蔵室ダンパ20に向かう冷気76aの通風抵抗が増加する。
また、冷凍室ダンパ50は、開閉体64が動作して閉状態になった場合、開閉体64に駆動トルクが加わって開閉体64は接触部66からの反力を受け、その反力によって緩衝部材64bは圧縮されて凹む(図7参照)。また、開閉板64aは弾性変形することが考えられるため、冷凍室ダンパ50のフレーム63の高さを全体的に低くした場合、フレーム63の強度が低下し、より一層弾性変形しやすくなる。
そこで、本実施の形態では、フレーム63の外周フランジ63cの高さを、開閉体64の軸支側のフランジ63bよりも反軸支側を低くする構成である。これにより、冷気の通風抵抗を低減するとともに、フレーム63の強度低下を抑制することができる。
また、冷凍室ダンパ50が開状態の時は、図2から図4で説明したように、冷却器7で熱交換された冷気が庫内送風機9により製氷室送風ダクト(図示なし)や上段冷凍室送風ダクト12を経て吹き出し口3c,4cからそれぞれ製氷室3,上段冷凍室4へ送風される。また、下段冷凍室送風ダクト13を経て吹き出し口5cから下段冷凍室5へ送風される。この点、上記冷凍室ダンパ50は、送風機カバー56部の上方に取り付けられ、下方から上方、すなわち、冷却器収納室8から製氷室3への送風をスムーズにしている。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室(冷蔵温度帯室)
3 製氷室(冷凍温度帯室)
4 上段冷凍室(冷凍温度帯室)
5 下段冷凍室(冷凍温度帯室)
6 野菜室(冷蔵温度帯室)
7 冷却器
8 冷却器収納室
9 庫内送風機(送風機)
10 断熱箱体
10a 内箱
10b 外箱
20 冷蔵室ダンパ
50 冷凍室ダンパ
54 仕切り
55 ファンモータ固定部
56 送風機カバー
56a 吹き出し口
56b 整流部
60 駆動手段
61 駆動軸
62 開口
62a 連結手段
63 フレーム
63a フレーム下部
64 開閉体
64a 開閉板
64b 緩衝部材
65 支軸
66 接触部
67 圧接力
2 冷蔵室(冷蔵温度帯室)
3 製氷室(冷凍温度帯室)
4 上段冷凍室(冷凍温度帯室)
5 下段冷凍室(冷凍温度帯室)
6 野菜室(冷蔵温度帯室)
7 冷却器
8 冷却器収納室
9 庫内送風機(送風機)
10 断熱箱体
10a 内箱
10b 外箱
20 冷蔵室ダンパ
50 冷凍室ダンパ
54 仕切り
55 ファンモータ固定部
56 送風機カバー
56a 吹き出し口
56b 整流部
60 駆動手段
61 駆動軸
62 開口
62a 連結手段
63 フレーム
63a フレーム下部
64 開閉体
64a 開閉板
64b 緩衝部材
65 支軸
66 接触部
67 圧接力
Claims (4)
- 駆動手段により駆動される開閉体と、該開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有するダンパ装置において、
前記フレームの外周に設けられたフランジの高さは前記開閉体の軸支側よりも反軸支側を低くしたことを特徴とするダンパ装置。 - 駆動手段により駆動される開閉体と、該開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有するダンパ装置において、
前記開閉体は該開閉体の一端が前記駆動手段の駆動軸に支持され、且つ該開閉体の他端が前記駆動軸に対向する位置に設けられた前記フレームの支軸に支持された回転軸を有し、
前記フレームの高さは前記回転軸側よりも反回転軸側が低いことを特徴とするダンパ装置。 - 冷蔵庫本体に設けられた貯蔵室と、
該貯蔵室の後方に設けられ冷却器が設置された冷却器室と、
該冷却器室から前記貯蔵室へ冷気を送風する送風機と、
前記送風機で送風された冷気の前記貯蔵室への供給量を制御するダンパ装置と、を備えた冷蔵庫において、
前記ダンパ装置は、駆動手段により駆動される開閉体と、該開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有し、
前記フレームの外周に設けられたフランジの高さは前記開閉体の軸支側よりも反軸支側を低くしたことを特徴とする冷蔵庫。 - 冷蔵庫本体に設けられた貯蔵室と、
該貯蔵室の後方に設けられ冷却器が設置された冷却器室と、
該冷却器室から前記貯蔵室へ冷気を送風する送風機と、
前記送風機で送風された冷気の前記貯蔵室への供給量を制御するダンパ装置と、を備えた冷蔵庫において、
前記ダンパ装置は、駆動手段により駆動される開閉体と、該開閉体により開閉される開口が形成されたフレームと、を有し、
前記開閉体は該開閉体の一端が前記駆動手段の駆動軸に支持され、且つ該開閉体の他端が前記駆動軸に対向する位置に設けられた前記フレームの支軸に支持された回転軸を有し、
前記フレームの高さは前記回転軸側よりも反回転軸側が低いことを特徴とする冷蔵庫。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
JP2009207653A JP2011058694A (ja) | 2009-09-09 | 2009-09-09 | ダンパ装置及びダンパ装置を用いた冷蔵庫 |
CN2010101156409A CN101886868B (zh) | 2009-05-11 | 2010-02-11 | 挡板装置及具有挡板装置的冰箱 |
KR1020100014553A KR101122951B1 (ko) | 2009-05-11 | 2010-02-18 | 댐퍼 장치 및 댐퍼 장치를 구비한 냉장고 |
KR1020110116317A KR101121377B1 (ko) | 2009-05-11 | 2011-11-09 | 댐퍼 장치 및 댐퍼 장치를 구비한 냉장고 |
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JP2009207653A Withdrawn JP2011058694A (ja) | 2009-05-11 | 2009-09-09 | ダンパ装置及びダンパ装置を用いた冷蔵庫 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011058694A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014134332A (ja) * | 2013-01-09 | 2014-07-24 | Toshiba Corp | 冷蔵庫 |
CN104964507A (zh) * | 2015-07-30 | 2015-10-07 | 宁波爱姆优东海精工电器有限公司 | 一种冰箱风门的定位结构 |
JP2018077036A (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-17 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ダンパ装置およびそれを用いた冷蔵庫 |
JP2019011933A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-24 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 冷蔵庫 |
JP2021071272A (ja) * | 2019-11-01 | 2021-05-06 | 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 | 冷蔵庫 |
-
2009
- 2009-09-09 JP JP2009207653A patent/JP2011058694A/ja not_active Withdrawn
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JP7389615B2 (ja) | 2019-11-01 | 2023-11-30 | 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 | 冷蔵庫 |
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