JP2014183844A - ゲル状食品およびその製造方法 - Google Patents

ゲル状食品およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014183844A
JP2014183844A JP2014030298A JP2014030298A JP2014183844A JP 2014183844 A JP2014183844 A JP 2014183844A JP 2014030298 A JP2014030298 A JP 2014030298A JP 2014030298 A JP2014030298 A JP 2014030298A JP 2014183844 A JP2014183844 A JP 2014183844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel
food
spoon
premix
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014030298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6499394B2 (ja
Inventor
Tomoko Kushima
智子 久嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Co Ltd
Original Assignee
Meiji Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Co Ltd filed Critical Meiji Co Ltd
Priority to JP2014030298A priority Critical patent/JP6499394B2/ja
Publication of JP2014183844A publication Critical patent/JP2014183844A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6499394B2 publication Critical patent/JP6499394B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】 乳幼児にスプーンですくい、口に運ぶ経験を積ませるために適しており、かつゲル状食品本来の物性を維持している、スプーンですくったときにスプーンから落ちにくいゲル状食品を提供する。
【解決手段】 本発明は、ゲル状食品用プレミックスであって、液状成分に溶解させた後に冷却することにより、ゲル状食品の全体重量に対して83重量%の水を含ませた当該ゲル状食品を調製したときに、当該ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの前記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上である、ゲル状食品用プレミックスを提供する。本発明のゲル状食品用プレミックスは、スプーンから落ちにくくするために、増粘剤およびゲル化剤を含んでいてもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゲル状食品およびその製造方法に関する。
ゲル状食品のうち、プリンは、そのミルク感と甘さから、子供から大人まで楽しまれている代表的なデザートである。プリンは、「焼きプリン」および「蒸しプリン」と、「ゲルプリン」とに大別される。「焼きプリン」および「蒸しプリン」は、たとえば、牛乳などの乳製品、卵および砂糖を混合し、加熱することで、卵由来のゲル化作用を生かして調製するものであり、カスタードプリンなどを含む。「ゲルプリン」は、たとえば、ゲル化剤を溶解してから冷却した後のゲル化作用によって調製する。
特に、ゲルプリンは、オーブンおよび蒸し器などの高温長時間加熱を必要とせず、一般家庭で加熱溶解することでも作ることができるため、予め粉体原料のみをブレンドしたプレミックスの形態でも売ることが可能である。このようなプレミックスを用いれば、たとえば、温めた水および牛乳などにプレミックスを溶解した後に、容器ごと冷やすことで、家庭でプリンを手軽に楽しむことができる。
ゲル状食品のうち、ゼリーは、肉および魚などのゼラチン質を含んだブイヨンから作られる「煮こごり」と、果汁およびワインなどに砂糖などで甘味を加えた後、溶解したゲル化剤の冷却後のゲル化作用をもって調整する「ゼリー」に大別される。
特に、ゼリーは、煮出すなどの高温長時間加熱を必要とせず、一般家庭で加熱溶解することでも作ることができるため、粉体原料のみを予めブレンドしたプレミックスの形態でも売られている。このようなプレミックスを用いることで、家庭で手軽にゼリーを楽しむことができる。
また、プリンおよびゼリーなどのゲル状食品は、その栄養の豊富さおよび、おいしさから、乳幼児向けの食品として活用されている。一般的にプリンは、スプーンですくって食べるが、乳幼児がスプーンで食べる練習(訓練)を行う最中に、すくったプリンがスプーンから落ちてしまうと、乳幼児およびその親の食育に対するモチベーションを低下させてしまう。
特許文献1には、咀嚼・嚥下困難者用の常温流通可能なゲル状食品について、熱変性した微粒子の乳清タンパク質、微結晶セルロースおよび/又は微小繊維状セルロースを含む組成物、並びにゲルを形成させるためのゲル化剤を含有することが記載されている。
特開2004-344042
しかし、プリンなどのゲル状食品は、一般的にスプーンですくったときに容易にスプーンからこぼれ落ちる程度の柔らかさを有しており、乳幼児がスプーンで食べる練習(訓練)用とするために適していないという問題がある。
ここで、上記の特許文献1では、つるんとして、なめらかな、チルドプリン本来の特徴を再現することで、咀嚼・嚥下が困難な人のための食品について記載しているのみであり、スプーンから落ちにくい、乳幼児のスプーン食べの練習用に適したゲル状食品については記載も示唆もない。
このような状況に対し、本発明では、乳幼児にスプーンですくい、口に運ぶ経験を積ませるために適しており、かつゲル状食品本来の物性を保持(維持)している、スプーンですくったときにスプーンから落ちにくいゲル状食品のためのプレミックス、ゲル状食品、ゲル状食品用プレミックスの製造方法、ゲル状食品の形態の保持剤およびゲル状食品の形態を保持する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題に鑑み、鋭意研究を進めたところ、以下の知見を得た。すなわち、種々のゲル状食品を調製して検討した結果、2〜3gをスプーンですくい、スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上であるゲル状食品であれば、スプーンから落ちにくく、乳幼児にスプーンですくって口に運ぶ経験を積ませるために適しており、かつゲル状食品本来の食感を残していることを見出した。そして、所定量の増粘剤と、所定量のゲル化剤とを添加(配合)することで、このようなゲル状食品を実現することができることを見出した。したがって、このようなゲル状食品であれば、乳幼児にスプーンを用いた食べ方を無理なく経験(訓練)させられ、上記課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は、増粘剤およびゲル化剤を含むゲル状食品用プレミックスであって、液状成分に溶解させた後に冷却することにより、ゲル状食品を調製したときに、当該ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上である、ゲル状食品用プレミックスを提供する。
また、本発明は、上記ゲル状食品用プレミックスにおいて、上記増粘剤が、加工デンプン、キサンタンガム、グアガムおよびタマリンドガムからなる群より選択される1種または2種以上である、ゲル状食品用プレミックスを提供する。
また、本発明は、上記いずれかのゲル状食品用プレミックスにおいて、上記ゲル状食品用プレミックス全体に対して、上記加工デンプンの含有量が5重量%以上であり、上記キサンタンガムの含有量が1重量%以上であり、上記グアガムの含有量が1重量%以上であり、上記タマリンドガムの含有量が2重量%以上である、ゲル状食品用プレミックスを提供する。
また、本発明は、上記いずれかのゲル状食品用プレミックスにおいて、上記ゲル化剤が寒天およびカラギナンからなる群より選択される1種または2種である、ゲル状食品用プレミックスを提供する。
また、本発明は、上記いずれかのゲル状食品用プレミックスにおいて、上記ゲル状食品用プレミックス全体に対して、上記ゲル化剤の含有量が2重量%以上である、ゲル状食品用プレミックスを提供する。
また、本発明は、上記いずれかのゲル状食品用プレミックスを液状成分に溶解させた後に冷却することにより調製した、ゲル状食品を提供する。
また、本発明は、乳幼児用(乳幼児のスプーン食べ用、乳幼児のスプーン食べの練習用)である上記ゲル状食品を提供する。
また、本発明は、ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、増粘剤およびゲル化剤を添加(配合)する工程を有する、ゲル状食品の製造方法を提供する。
また、本発明は、ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、ゲル状食品をスプーン上に保持するための保持剤であって、増粘剤およびゲル化剤を含む、保持剤を提供する。
また、本発明は、ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの前記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、ゲル状食品をスプーン上に保持する方法であって、増粘剤およびゲル化剤を添加(配合)する工程を有する方法を提供する。
本発明は、ゲル状食品本来の物性を維持している、スプーンですくったときにスプーンから落ちにくいゲル状食品を提供することができる。したがって、本発明によるゲル状食品は、乳幼児にスプーンですくい、口に運ぶ経験を積ませるために適している。
以下では、本発明を詳細に説明するが、本発明は、個々の形態には限定されない。
〔ゲル状食品用プレミックス〕
本発明のゲル状食品用プレミックスは、液状成分に溶解させた後に冷却することにより、ゲル状食品を調製したときに、当該ゲル状食品を2〜3gにおいてスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときのゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上である、ゲル状食品を調製するためのプレミックスである。本発明のゲル状食品用プレミックスは、ゲル化させるための有効成分として、増粘剤およびゲル化剤を含む。
本発明において、ゲル状食品用プレミックスとは、液状成分に溶解させた後に冷却することによりゲル状食品を調製することができる組成物をいう。本発明のゲル状食品用プレミックスは、液状、粉末状および固形状などの形態であってもよい。本発明のゲル状食品用プレミックスは、たとえば、家庭などにおいて加熱した水または牛乳などを添加(配合)して溶解させた後に冷却することによりゲル状食品を調製するための、粉末状のゲル状食品用プレミックスの形態であってもよい。
本発明において、ゲル状食品とは、増粘剤およびゲル化剤のゲル化能によってゲル状に固めた全ての食品をいい、たとえば、ゲルプリン、ゼリー、水羊羹、煮こごりおよび寒天寄せなどを含み、好ましくは、ゲルプリンおよびゼリーであり、より好ましくは、ゲルプリンである。すなわち、本発明のゲル状食品は、卵のゲル化能を利用して、オーブンで焼いたり、蒸し器で蒸したりして、ゲル化させる焼きプリンおよび蒸しプリンを含まない。
本発明において、ゲルプリンは、たとえば、加工デンプンなどの増粘剤と寒天などのゲル化剤とを併用して、ゲル状食品ベース(原料液)を調製し、当該ゲル状食品ベースの冷却によるゲル化能を利用した乳入りデザートである。ここで、ゲルプリンの成分は、2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときのゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上であれば、特に限定されない。ゲルプリンであれば、乳幼児期の成長に必要な栄養成分として、変色しやすい良質なタンパク質などの栄養素および食品の原材料を十分に添加(配合)することができる。
本発明において、増粘剤とは、水に溶かすことで、粘性を帯びて保水性を発揮する原材料の全部をいい、食品添加物などの表示に限定されない。本発明における増粘剤は、たとえば、高分子の絡み合いまたは摩擦などにより見かけ上で構造化する多糖類であって、この構造が強固ではなく、攪拌操作などで速やかに、ほどけるような可逆的な構造であるものであってもよい。
本発明において、ゲル化剤とは、液状組成物を固形化または半固形化させることのできるものであって、水に溶かすことで高分子の網目構造を形成し、ゲル状を呈する原材料をいい、食品添加物などの表示に限定されない。本発明におけるゲル化剤は、ゲル化させたときの構造が増粘剤による構造よりも強固であり、攪拌操作によって不可逆的に変形するものであってもよい。
本発明における増粘剤は、加工デンプン、キサンタンガム、グアガムおよびタマリンドガムからなる群より選択される1種または2種以上であってもよい。
本発明における増粘剤の含有量は、ゲル状食品(たとえば、ゲル状食品の全体重量に対して83重量%の水を含む当該ゲル状食品)の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となる量であればよく、適宜調整することができる。たとえば、ゲル状食品用プレミックス全体に対して、加工デンプンの含有量は5重量%以上であってもよく、キサンタンガムの含有量は1重量%以上であってもよく、グアガムの含有量は1重量%以上であってもよく、タマリンドガムの含有量は2重量%以上であってもよい。このような含有量であれば、スプーンからゲル状食品を落ちにくくすることができる。増粘剤の含有量の上限は、特に限定されないが、ゲル状食品本来の食感を残すという観点から、加工デンプンでは、たとえば25重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは12重量%以下であってもよく、キサンタンガム、グアガム、またはタマリンドガムでは、たとえば10重量%以下、好ましくは8重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下であってもよい。
また、本発明のゲル状食品用プレミックスにおける増粘剤(特に加工デンプン)のゲル化剤に対する配合割合は、ゲル化剤の含有量を1とした場合に6以下、好ましくは5以下において含有されることができる。後述する実施例において示すように、このような配合割合であれば、スプーンからゲル状食品を落ちにくくすることができる。また、増粘剤(特に加工デンプン)のゲル化剤に対する配合割合の下限は、特に限定されないが、ゲル化剤の含有量を1とした場合に、たとえば2以上、好ましくは3以上であってもよい。
本発明におけるゲル化剤は、寒天およびカラギナンからなる群より選択される1種または2種以上であってもよい。
本発明のゲル状食品用プレミックスにおけるゲル化剤の含有量は、ゲル状食品(たとえば、ゲル状食品の全体重量に対して83重量%の水を含む当該ゲル状食品)の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となる量であればよく、適宜調整することができる。たとえば、ゲル状食品用プレミックス全体に対して、ゲル化剤の含有量は2重量%以上であってもよい。このような含有量であれば、ゲル状食品をスプーン上に一定時間以上保持することができる。ゲル化剤の含有量の上限は、特に限定されないが、ゲル状食品本来の食感を残すという観点から、たとえば5重量%以下、好ましくは4重量%、より好ましくは3重量%以下であってもよい。
本発明のゲル状食品用プレミックスは、ゲル状食品の商品設計に応じて、その他の原材料を適宜添加(配合)することができる。その他の原材料には、たとえば、砂糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、異性化糖、卵白、卵黄、牛乳、乳製品、豆乳、果実、果汁、野菜、野菜汁、栄養素(各種、ビタミン類およびミネラル類など)などが含まれる。
本発明のゲル状食品用プレミックスは、液状成分に溶解させた後に冷却することにより、容易にゲル状食品を得ることができる。本発明のゲル状食品用プレミックスは、たとえば、液状成分を予め加熱してから混合することによって、または加熱しながら液状成分と混合することによって、または液状成分と混合してから加熱することによって、液状成分に溶解させることができる。ゲル状食品用プレミックスと混合する液状成分の温度あるいはゲル状食品用プレミックスと液状成分とを混合する温度は、当該ゲル状食品用プレミックスが溶解される程度に加熱されていれば、特に制限されないが、たとえば60℃以上である。本発明における液状食品は、水、牛乳、豆乳、果汁、野菜汁、飲料類、スープおよび、だし汁などであってもよい。本発明における液状成分の添加量(配合量)は、ゲル状食品用プレミックスに対して約4〜6倍の重量に設定することができる。本発明における液状成分の添加量(配合量)はまた、ゲル状食品の全体重量に対する水分含量が75〜90重量%、好ましくは80〜85重量%となるように設定することができる。また、本発明におけるゲル状食品ベース(原料液)を冷却する温度は、特に限定されないが、たとえば0℃以上10℃以下であってもよい。
本発明におけるゲル状食品の物性の評価は、一定量をスプーンですくい、所定角度に傾斜させたときのゲル状食品の落下する時間を測定して評価する。たとえば、ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けて評価する場合、ゲル状食品がスプーンから落ちるまでの時間が10秒以上であれば、良好な物性であると判断する。本発明におけるスプーンは、プリンなどのゲル状食品を食べるときに通常で用いられるスプーンであればよい。
ゲル状食品(たとえば、ゲル状食品の全体重量に対して83重量%の水を含む当該ゲル状食品)の2〜3g(好ましくは2g)をスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときのゲル状食品が落ちるまでの時間は、10秒以上であれば良好であるが、より好ましくは15秒以上、さらに好ましくは18秒以上である。このような物性であれば、ゲル状食品をスプーン上に長く保持させることができるため、乳幼児がスプーンですくって、自ら口まで届けて食べる経験を積むために適している。また、ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときのゲル状食品が落ちるまでの時間は、長いほど好ましいが、60秒以内であれば、ゲル状食品本来の食感を残すことができる。
なお、対象となるゲル状食品(たとえば、ゲル状食品の全体重量に対して83重量%の水を含む当該ゲル状食品)をスプーンで2〜3gにおいてすくうこと、および40°の傾斜でスプーンからの落下時間を測定することは、基準となる物性評価を指標として提示するために設定した条件であり、これ以外の条件を除外するものではない。ゲル状食品の物性評価において、ゲル状食品をすくう量、および/又は傾斜角度は、適宜変更することができる。すなわち、仮に、他の条件によってゲル状食品を評価したとしても、当該ゲル状食品が、2〜3gをスプーンにとり40°の傾斜で保持したときに10秒以上でスプーン上に保持される場合、当該ゲル状食品は本発明に包含される。
本発明において、ゲル状食品の物性評価は、たとえば、20℃において行うことができ、実際にも、20℃において行っている。また、高温な地域を想定すれば、20℃以上の温度設定で評価してもよく、寒冷な地域を想定すれば、20℃以下の温度設定で評価してもよい。
本発明のゲル状食品用プレミックスは、乳幼児用のゲル状食品のためのプレミックスであってもよい。本発明のゲル状食品用プレミックスを用いて調製したゲル状食品は、それをスプーンにとり、所定の角度で傾斜させた際に、スプーンから落ちにくく、スプーン上に長く保持される。したがって、乳幼児のスプーン食べ用として適しており、乳幼児がスプーンで食べる練習(訓練)用として適している。
本発明のゲル状食品用プレミックスは、1食分の分量が容器に入れられた形態であってもよい。本発明における1食分の分量は、たとえば、乳幼児が1回に食べる平均的な分量に設定することができる。本発明における容器は、食品に通常で用いられる容器を好適に用いることができる。本発明における容器は、たとえば、液状成分を加熱してから直接添加(配合)して混合した後に、冷蔵庫などで冷却することができる容器であってもよい。
〔ゲル状食品〕
また、本発明は、上述したゲル状食品用プレミックスを液状成分に溶解させた後に冷却することにより調製したゲル状食品をも包含する。すなわち、本発明のゲル状食品は、2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときのゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上である組成物である。
本発明のゲル状食品における増粘剤およびゲル化剤の含有量は、ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となる量であれば、特に限定されない。
たとえば、増粘剤が加工デンプンである場合、ゲル状食品に対する含有量は、好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは0.6〜2.5重量%、さらに好ましくは、0.8〜2.2重量%である。増粘剤が加工デンプンである場合、ゲル状食品に対する含有量が3重量%以下であれば、ゲル状食品本来の食感を残すことができる。また、ゲル状食品に対する含有量が0.5重量%以上であれば、スプーンからゲル状食品を落ちにくくすることができる。
また、増粘剤がキサンタンガムである場合、ゲル状食品に対する含有量は、好ましくは0.05〜0.5重量%、より好ましくは0.08〜0.4重量%、さらに好ましくは、0.1〜0.3重量%である。増粘剤がキサンタンガムである場合、ゲル状食品に対する含有量が0.5重量%以下であれば、ゲル状食品本来の食感を残すことができる。また、ゲル状食品に対する含有量が0.05重量%以上であれば、スプーンからゲル状食品を落ちにくくすることができる。
また、増粘剤がグアガムである場合、ゲル状食品に対する含有量は、好ましくは0.05〜0.5重量%、より好ましくは0.08〜0.4重量%、さらに好ましくは、0.1〜0.3重量%である。増粘剤がグアガムである場合、ゲル状食品に対する含有量が0.5重量%以下であれば、ゲル状食品本来の食感を残すことができる。また、ゲル状食品に対する含有量が0.05重量%以上であれば、スプーンからゲル状食品を落ちにくくすることができる。
また、増粘剤がタマリンドガムである場合、ゲル状食品に対する含有量は、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.2〜0.8重量%、さらに好ましくは、0.3〜0.5重量%である。増粘剤がタマリンドガムである場合、ゲル状食品に対する含有量が1重量%以下であれば、ゲル状食品本来の食感を残すことができる。また、ゲル状食品に対する含有量が0.1重量%以上であれば、スプーンからゲル状食品を落ちにくくすることができる。
また、ゲル化剤が寒天である場合、ゲル状食品に対する含有量は、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.2〜0.8重量%、さらに好ましくは、0.3〜0.5重量%である。ゲル化剤が寒天である場合、ゲル状食品に対する含有量が1重量%以下であれば、ゲル状食品本来の食感を残すことができる。また、ゲル状食品に対する含有量が0.1重量%以上であれば、スプーンからゲル状食品を落ちにくくすることができる。
また、ゲル化剤がカラギナンである場合、ゲル状食品に対する含有量は、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.2〜0.8重量%、さらに好ましくは、0.3〜0.5重量%である。ゲル化剤がカラギナンである場合、ゲル状食品に対する含有量が1重量%以下であれば、ゲル状食品本来の食感を残すことができる。また、ゲル状食品に対する含有量が0.1重量%以上であれば、スプーンからゲル状食品を落ちにくくすることができる。
本発明のゲル状食品は、乳幼児用であってもよい。本発明のゲル状食品は、それをスプーンにとり、所定の角度で傾斜させた際に、スプーンから落ちにくく、スプーン上に長く保持される。したがって、乳幼児のスプーン食べ用として適しており、乳幼児がスプーンで食べる練習(訓練)用として適している。
本発明において、乳幼児とは、0歳から就学前(小学校の入学前)の子供(児)を意味する。なお、個人差があるものの、乳幼児にとって、手づかみ食べの訓練(練習)の時期には、生後の9ヵ月〜18ヵ月の時期が好適であると言われており(厚生労働省策定 健やか親子21 「授乳・離乳の支援ガイド 実践手引き、編集 財団法人 母子衛生研究会、第1版、2008年3月25日」)、乳幼児として、生後の6ヵ月〜60ヵ月を対象とすることが好ましく、生後の7ヵ月〜48ヵ月を対象とすることがより好ましく、生後の8ヵ月〜36ヵ月を対象とすることがさらに好ましく、生後の9ヵ月〜24ヵ月を対象とすることがよりさらに好ましい。
本発明のゲル状食品は、1食分の分量が容器に入れられた形態であってもよい。本発明における1食分の分量は、たとえば、乳幼児が1回に食べる平均的な分量に設定することができる。本発明における容器は、食品に通常で用いられる容器を好適に用いることができる。本発明において、容器とは、たとえば、紙カップ、紙袋、プラスチックカップ(ポリカップ)、プラスチック袋(ポリ袋)、陶器、磁器、およびガラスカップなどを挙げることができる。なかでも、実際の使用者(乳幼児など)の利便性、火傷しにくさ、および容器の破損しにくさなどの観点では、紙カップおよびプラスチックカップなどを用いることが好ましく、実際の容器の価格などの観点では、紙袋およびプラスチック袋を用いることが好ましい。実際の使用者の利便性などの観点では、乳幼児が1回に食べる平均的な分量を紙袋またはプラスチック袋に充填し、その紙袋またはプラスチック袋を紙カップまたはプラスチックカップに充填したものを用いることがより好ましい。実際の使用者の利便性、容器の価格、および製品の保存性などの観点では、乳幼児が1回に食べる平均的な分量をプラスチック袋に充填し、そのプラスチック袋を紙カップに充填したものを用いることがさらに好ましい。
〔スプーン食べの練習方法〕
本発明は、上述したゲル状食品を用いた乳幼児のスプーン食べの練習(訓練)方法をも包含する。本発明の練習方法は、上述したゲル状食品をスプーンですくう過程(プロセス)を含む。また、本発明の練習方法は、上記スプーンですくう過程(プロセス)の前に、ゲル状食品を調製する工程をさらに含んでもよい。本発明におけるゲル状食品を調製する工程は、上述したゲル状食品用プレミックスを液状成分に溶解させた後に冷却することにより、ゲル状食品を調製する工程である。
本発明におけるスプーンですくう過程(プロセス)では、たとえば乳幼児自身がスプーンを持ってゲル状食品をすくってもよいし、他の人がスプーンでゲル状食品をすくった後に、乳幼児の手にスプーンを持たせてもよいし、乳幼児の手を補助しながら食べさせてもよい。本発明の練習方法は、たとえば乳幼児のための食べ方教室などにおいて実施してもよい。本発明の練習方法によれば、ゲル状食品がスプーンから落ちにくく、スプーン上に長く保持されるため、乳幼児がゲル状食品をすくったスプーンを自分で持って、口に運んで食べる経験を十分に積ませることができる。
〔ゲル状食品用プレミックスの製造方法〕
本発明は、ゲル状食品用プレミックスの製造方法をも包含する。本発明の製造方法は、ゲル状食品用プレミックスの他の原材料に対し、増粘剤およびゲル化剤を添加(配合)する工程を有する。
本発明のゲル状食品用プレミックスの他の原材料は、ゲル状食品の原材料として通常で用いられるものを好適に用いることができる。この原材料を添加(配合)する方法は、特に限定されず、食品の原材料を添加(配合)する際に通常で用いられる方法を好適に用いることができる。
本発明のゲル状食品用プレミックスにおける増粘剤およびゲル化剤の添加量(配合量)は、ゲル状食品用プレミックスを液状成分に溶解させた後に冷却することによりゲル状食品を調製したときに、当該ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように適宜設定される。この添加量(配合量)は、たとえば、上述したようなゲル状食品用プレミックスにおける含有量となるように設定することができる。
〔ゲル状食品の製造方法〕
本発明は、ゲル状食品の製造方法をも包含する。この製造方法は、ゲル状食品の他の原材料に対し、増粘剤およびゲル化剤を添加(配合)する工程を有する。
本発明のゲル状食品の他の原材料は、ゲル状食品の原材料として通常で用いられるものを好適に用いることができる。この原材料を添加(配合)する方法は、特に限定されず、食品の原材料を添加(配合)する際に通常で用いられる方法を好適に用いることができる。
本発明のゲル状食品における増粘剤およびゲル化剤の添加量(配合量)は、ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように適宜設定される。この添加量(配合量)は、たとえば、上述したようなゲル状食品における含有量となるように設定することができる。
本発明のゲル状食品の製造方法は、上記の添加(配合)する工程の後に、液状成分に溶解させる工程および、その後に冷却する工程をさらに有していてもよい。これら液状成分に溶解させる方法および冷却する方法は、特に限定されず、食品の原材料に対し、液状成分に溶解させた後に冷却する際に通常で用いられる方法を好適に用いることができる。
〔ゲル状食品の保持剤〕
本発明は、ゲル状食品(たとえば、ゲル状食品の全体重量に対して83重量%の水を含ませた当該ゲル状食品)の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、ゲル状食品をスプーン上に保持するための保持剤をも包含する。本発明の保持剤は、増粘剤およびゲル化剤を含む。
本発明の保持剤は、ゲル状食品の原材料として添加(配合)することにより、ゲル状食品をスプーン上に一定時間で保持させ、スプーンから落ちにくくさせることができる。本発明のゲル状食品における原材料は、特に限定されず、従来のゲル状食品の原材料を好適に用いることができる。本発明の保持剤は、ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、ゲル状食品の原材料として添加(配合)することができる。本発明の保持剤における増粘剤およびゲル化剤の添加量(配合量)は、上述したような含有量となるように設定することができる。
本発明の保持剤を添加(配合)して調製(製造)したゲル状食品は、乳幼児用であってもよい。本発明のゲル状食品は、それをスプーンにとり、所定の角度で傾斜させた際に、スプーンから落ちにくく、スプーン上に長く保持される。したがって、乳幼児のスプーン食べ用として適しており、乳幼児がスプーンで食べる練習(訓練)用として適している。
〔ゲル状食品を保持する方法〕
本発明は、ゲル状食品(たとえば、ゲル状食品の全体重量に対して83重量%の水を含む当該ゲル状食品)の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの上記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、ゲル状食品をスプーン上に保持する方法をも包含する。本発明の方法は、増粘剤およびゲル化剤を添加(配合)する工程を有する。
本発明における添加(配合)する工程では、ゲル状食品の(プレミックスの)他の原材料に対し、増粘剤およびゲル化剤を添加(配合)する。この原材料を添加(配合)する方法は、特に限定されず、食品の原材料を添加(配合)する際に通常で用いられる方法を好適に用いることができる。本発明の方法における増粘剤およびゲル化剤の添加量(配合量)は、上述したようなゲル状食品における含有量となるように設定することができる。
本発明は、また、以下をも包含する。
[1] 増粘剤とゲル化剤を添加(配合)してなる、ゲル状食品。
[2] 増粘剤が加工デンプン0.5〜3重量%、キサンタンガム0.05〜0.5重量%、グアガム0.05〜0.5重量%、タマリンドガム0.1〜1重量%のいずれか1種または2種以上であることを特徴とする、前記[1]記載のゲル状食品。
[3] ゲル化剤が寒天0.3〜1重量%であることを特徴とする、前記[1]〜[2]の何れか1項記載のゲル状食品。
[4] 前記[1]〜[3]の何れか1項記載のゲル状食品の製造方法。
[5] ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、スプーンを40°に傾けて、ゲル状食品が落ちるまでの時間を測定することを特徴とする、スプーンから落ちにくいゲル状食品の評価方法。
以下では、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されない。
(実施例1)
乳糖30g、砂糖20g、α化加工デンプン11.66g、脱脂粉乳35.12g、速溶性寒天2.62g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中のα化加工デンプンは1.94重量%、寒天は0.44重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを実施例1とした。
(実施例2)
乳糖30g、砂糖25.83g、α化加工デンプン5.83g、脱脂粉乳35.12g、速溶性寒天2.62g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中のα化加工デンプンは0.97重量%、寒天は0.44重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを実施例2とした。
(実施例3)
乳糖30g、砂糖22.62g、加工デンプン11.66g、脱脂粉乳35.12g、速溶性寒天2.62g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中の加工デンプンは1.94重量%、寒天は0.44重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを実施例3とした。
(実施例4)
乳糖30g、砂糖31g、キサンタンガム1.2g、脱脂粉乳35.12g、速溶性寒天2.62g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中のキサンタンガムは0.2重量%、寒天は0.44重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを実施例4とした。
(実施例5)
乳糖30g、砂糖31g、グアガム1.2g、脱脂粉乳35.12g、速溶性寒天2.62g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中のグアガムは0.2重量%、寒天は0.44重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを実施例5とした。
(実施例6)
乳糖30g、砂糖30g、タマリンドガム2.4g、脱脂粉乳35.12g、速溶性寒天2.62g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中のタマリンドガムは0.4重量%、寒天は0.44重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを実施例6とした。
(実施例7)
乳糖20g、砂糖30g、α化加工デンプン11.66g、脱脂粉乳35.12g、加熱溶解寒天1.83g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中のα化加工デンプンは1.94重量%、寒天は0.30重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを実施例7とした。
(比較例1)
乳糖30g、砂糖21.32g、α化加工デンプン11.66g、脱脂粉乳35.12g、速溶性寒天1.3g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中のα化加工デンプンは1.94重量%、寒天は0.22重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを比較例1とした。
(比較例2)
乳糖30g、砂糖31.66g、脱脂粉乳35.12g、速溶性寒天2.62g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中の寒天は0.44重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを比較例2とした。
(比較例3)
乳糖30g、砂糖22.62g、α化加工デンプン11.66g、脱脂粉乳35.12g、乾燥卵黄0.29g、食塩0.29g、ピロリン酸第二鉄0.02gを混合し、ゲルプリンプレミックス100gを調製した。
得られたゲルプリンプレミックス10gと90℃の熱湯50gに溶解し、ゲルプリンベース(原料液)を調製した。ゲルプリンベース中のα化加工デンプンは1.94重量%、水分は約83重量%であった。
得られたゲルプリンベースを180ml容量のマグカップに入れ、5℃の冷蔵庫で1時間保持して冷却したものを比較例3とした。
(試験例1)
実施例1〜7、比較例1〜3、および市販品1(チルドプリン(商品名「プッチンプリン」、グリコ乳業社製))の物性を評価した。
それぞれゲルプリンの試料より、20℃の部屋で、スプーン(2.5cm×3.0cm)に2.5gとり、スプーンの先を分度器で40°の傾斜になるよう、下に向けた。スプーンにあるゲルプリンが落下しはじめた時間を測定した。
また、専門パネラー5名による官能の評価を、市販品1を基準とし、○(市販品1と同等の食感)、△(市販品1とやや食感が異なるが許容範囲)、×(市販品1と異なる食感)で表現した。
得られた結果は、表1の通りである。
表1より、実施例1〜実施例7では、保持時間が10〜60秒であり、市販品1と同等の食感でありながら、スプーンから落ちづらい傾向がみられた。このため、所定濃度の「加工デンプン」、「キサンタンガム」、「グアガム」、および「タマリンドガム」のうち1つと、所定濃度の「寒天」とを添加(配合)することがゲルプリンのスプーン保持性を良好にすることがわかった。また、「加工デンプン」、および/又は「寒天」を所定量より少なくすると、ゲルプリンのスプーン保持性が悪くなることがわかった。一方、乳幼児向けのゲルプリンとしては、実施例1〜7は適していた。
なお、実施例1〜6および比較例1について、ゲルプリンプレミックス中の増粘剤およびゲル化剤の含有量(重量%)を表2に示した。また、ゲル化剤の含有量を1とした場合の増粘剤の配合割合を表3に示した。
実施例1のゲルプリンと市販品1のプリンを、乳幼児の1名(満1歳11ヵ月児)に提供したところ、乳幼児は実施例1のゲルプリンを落とさず、口に運び入れ、スムーズに無理なく食べる(咀嚼、嚥下する)ことができたのに対し、乳幼児は市販品1のプリンを落としていた。
本発明により、乳幼児にとってスプーン食べのしやすい、スプーンから落ちにくいゲル状食品および、これのためのプレミックスを提供することができる。本発明により、しっかりとしたスプーンを用いた食べ方を乳幼児が経験することができ、乳幼児の食育を効率よく進めることができる。

Claims (10)

  1. 増粘剤およびゲル化剤を含むゲル状食品用プレミックスであって、
    液状成分に溶解させた後に冷却することにより、ゲル状食品を調製したときに、当該ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの前記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上である、ゲル状食品用プレミックス。
  2. 前記増粘剤が、加工デンプン、キサンタンガム、グアガムおよびタマリンドガムからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項1に記載のゲル状食品用プレミックス。
  3. 前記ゲル状食品用プレミックス全体に対して、前記加工デンプンの含有量が5重量%以上であり、前記キサンタンガムの含有量が1重量%以上であり、前記グアガムの含有量が1重量%以上であり、前記タマリンドガムの含有量が2重量%以上である、請求項2に記載のゲル状食品用プレミックス。
  4. 前記ゲル化剤が寒天およびカラギナンからなる群より選択される1種または2種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状食品用プレミックス。
  5. 前記ゲル状食品用プレミックス全体に対して、前記ゲル化剤の含有量が2重量%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲル状食品用プレミックス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲル状食品用プレミックスを液状成分に溶解させた後に冷却することにより調製した、ゲル状食品。
  7. 乳幼児用である、請求項6に記載のゲル状食品。
  8. ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの前記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、増粘剤およびゲル化剤を添加する工程を有する、ゲル状食品の製造方法。
  9. ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの前記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、ゲル状食品をスプーン上に保持するための保持剤であって、
    増粘剤およびゲル化剤を含む、保持剤。
  10. ゲル状食品の2〜3gをスプーンですくい、当該スプーンを水平面に対して40°に傾けたときの前記ゲル状食品が落ちるまでの時間が10秒以上となるように、ゲル状食品をスプーン上に保持する方法であって、
    増粘剤およびゲル化剤を添加する工程を有する、方法。
JP2014030298A 2013-02-21 2014-02-20 ゲル状食品およびその製造方法 Active JP6499394B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014030298A JP6499394B2 (ja) 2013-02-21 2014-02-20 ゲル状食品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013032665 2013-02-21
JP2013032665 2013-02-21
JP2014030298A JP6499394B2 (ja) 2013-02-21 2014-02-20 ゲル状食品およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014183844A true JP2014183844A (ja) 2014-10-02
JP6499394B2 JP6499394B2 (ja) 2019-04-10

Family

ID=51832045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014030298A Active JP6499394B2 (ja) 2013-02-21 2014-02-20 ゲル状食品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6499394B2 (ja)

Citations (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6143965A (ja) * 1984-08-03 1986-03-03 Mitsubishi Acetate Co Ltd 食品用ゲル状組成物
JPS63272A (ja) * 1986-04-11 1988-01-05 シ−・ピ−・シ−・インタ−ナシヨナル・インコ−ポレイテツド ドライフ−ド組成物
JPH0220254A (ja) * 1988-07-08 1990-01-23 Ajinomoto Co Inc 耐冷凍性を有するゼリー
JPH03191759A (ja) * 1989-12-20 1991-08-21 Ina Shokuhin Kogyo Kk 寒天組成物
JP2000157212A (ja) * 1998-11-25 2000-06-13 Lion Corp 易嚥下補助組成物並びにそれを用いた食品用組成物及び医薬品用組成物
JP2000295969A (ja) * 1999-04-12 2000-10-24 Q P Corp 密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品
JP2003023977A (ja) * 2001-05-08 2003-01-28 Ina Food Ind Co Ltd 寒天組成物
JP2003235476A (ja) * 2002-02-20 2003-08-26 House Foods Corp 保存性ゲル状食品の製造方法
JP2005176749A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Sanei Gen Ffi Inc ドリンクゼリー用ゲル化剤及びドリンクゼリー
JP2008073023A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 House Foods Corp エネルギー補給用ゼリーの製造方法
JP2008220362A (ja) * 2007-02-16 2008-09-25 Sanei Gen Ffi Inc 咀嚼・嚥下困難者用ゲル化剤
JP2008237186A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Nof Corp ゲル状流動食
JP2009045018A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Morinaga Milk Ind Co Ltd ゲル状食品及びその製造方法
JP2009532485A (ja) * 2006-04-06 2009-09-10 ターロ ファーマシューティカルズ ノース アメリカ インコーポレイテッド 親水コロイド重合体を含む新規な耐流出性製剤
JP2010088422A (ja) * 2008-09-09 2010-04-22 Nisshin Oillio Group Ltd 嚥下用ゼリー
WO2012102063A1 (ja) * 2011-01-24 2012-08-02 日清オイリオグループ株式会社 デンプン含有食品用品質改良剤及び品質改良されたデンプン含有食品
JP2013085508A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 House Foods Corp エネルギー補給用ゲル状食品及びその製造方法
JP2013183693A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Nisshin Oillio Group Ltd 液状食品のゲル化剤組成物及びゲル状食品
JP2013247910A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Q P Corp 乳幼児用ゼリー状食品
JP2014023478A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 錠剤型の増粘化剤
JP2014030384A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Pokka Sappro Food & Beverage Ltd 粉末調味料及びその製造法

Patent Citations (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6143965A (ja) * 1984-08-03 1986-03-03 Mitsubishi Acetate Co Ltd 食品用ゲル状組成物
JPS63272A (ja) * 1986-04-11 1988-01-05 シ−・ピ−・シ−・インタ−ナシヨナル・インコ−ポレイテツド ドライフ−ド組成物
JPH0220254A (ja) * 1988-07-08 1990-01-23 Ajinomoto Co Inc 耐冷凍性を有するゼリー
JPH03191759A (ja) * 1989-12-20 1991-08-21 Ina Shokuhin Kogyo Kk 寒天組成物
JP2000157212A (ja) * 1998-11-25 2000-06-13 Lion Corp 易嚥下補助組成物並びにそれを用いた食品用組成物及び医薬品用組成物
JP2000295969A (ja) * 1999-04-12 2000-10-24 Q P Corp 密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品
JP2003023977A (ja) * 2001-05-08 2003-01-28 Ina Food Ind Co Ltd 寒天組成物
JP2003235476A (ja) * 2002-02-20 2003-08-26 House Foods Corp 保存性ゲル状食品の製造方法
JP2005176749A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Sanei Gen Ffi Inc ドリンクゼリー用ゲル化剤及びドリンクゼリー
JP2009532485A (ja) * 2006-04-06 2009-09-10 ターロ ファーマシューティカルズ ノース アメリカ インコーポレイテッド 親水コロイド重合体を含む新規な耐流出性製剤
JP2008073023A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 House Foods Corp エネルギー補給用ゼリーの製造方法
JP2008220362A (ja) * 2007-02-16 2008-09-25 Sanei Gen Ffi Inc 咀嚼・嚥下困難者用ゲル化剤
JP2008237186A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Nof Corp ゲル状流動食
JP2009045018A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Morinaga Milk Ind Co Ltd ゲル状食品及びその製造方法
JP2010088422A (ja) * 2008-09-09 2010-04-22 Nisshin Oillio Group Ltd 嚥下用ゼリー
WO2012102063A1 (ja) * 2011-01-24 2012-08-02 日清オイリオグループ株式会社 デンプン含有食品用品質改良剤及び品質改良されたデンプン含有食品
JP2013085508A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 House Foods Corp エネルギー補給用ゲル状食品及びその製造方法
JP2013183693A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Nisshin Oillio Group Ltd 液状食品のゲル化剤組成物及びゲル状食品
JP2013247910A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Q P Corp 乳幼児用ゼリー状食品
JP2014023478A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 錠剤型の増粘化剤
JP2014030384A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Pokka Sappro Food & Beverage Ltd 粉末調味料及びその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6499394B2 (ja) 2019-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2003296675B2 (en) Method for preparing a gelled food product
Macdonald et al. The Anne of Green Gables Cookbook: Charming Recipes from Anne and Her Friends in Avonlea
JP6499394B2 (ja) ゲル状食品およびその製造方法
Field Culinary Reactions: The everyday chemistry of cooking
JP5879958B2 (ja) 嚥下困難者用食肉加工食品及び、嚥下困難者用食肉加工食品の製造法
US20220142222A1 (en) Texture modified food product
Tips et al. Nutrition education
JP2006014733A (ja) 吸い口付き密封容器入りゼリー状食品及びその製法
JPH10215797A (ja) ゲル化食品及びその製造法
JP6063769B2 (ja) 凍結乾燥かき卵及び凍結乾燥かき卵スープの製造方法
JP2009000091A (ja) 抱気性乳清タンパク質の調製方法及び該方法によって調製される食品
JP6170788B2 (ja) 凍結乾燥かき卵及び凍結乾燥かき卵スープ並びにそれらの製造方法
JPS6027503B2 (ja) 食品およびその製造法
JP2013039104A (ja) 気泡入りポテトサラダ
JP2004081092A (ja) フォンデュソース
Mancini Leopold Bloom’s grilled mutton kidneys
JP2002262832A (ja) 濃厚卵白入り加熱殺菌液全卵
Amsterdam The Gluten-Free Almond Flour Cookbook: Breakfasts, Entrees, and More
Roberts Gluten-free baking classics
TR2023000798U5 (tr) Yumurta Tozu ile Kolay Gıda Seti
CN112806559A (zh) 一种用于食物泥的果冻化粉及其使用方法
McDermott Southern Cakes: Sweet and Irresistible Recipes for Everyday Celebrations
Ford et al. The Contented Child's Food Bible
ES1216099U (es) Queso cremoso.
JP2019193586A (ja) メレンゲ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180925

A603 Late request for extension of time limit during examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A603

Effective date: 20180925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6499394

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150