JP2000295969A - 密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品 - Google Patents

密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品

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JP2000295969A
JP2000295969A JP11104056A JP10405699A JP2000295969A JP 2000295969 A JP2000295969 A JP 2000295969A JP 11104056 A JP11104056 A JP 11104056A JP 10405699 A JP10405699 A JP 10405699A JP 2000295969 A JP2000295969 A JP 2000295969A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間保存可能であり、また、加圧加熱及び長
期間保存してもゼリー状食品は硬化することはなく、口
の中で解けるようなソフトな食感を保持し、しかも、ゼ
リー状食品本来の風味のある密封容器詰ゼリー状食品を
提供する。 【解決手段】ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物の全
量に対し、寒天及びゼラチンをその合計量が0.25〜
1.60%含有し、寒天とゼラチンの重量比率が1:5
〜3:1であり、ガム類としてキサンタンガム、ローカ
ストビーンガム、ジェランガムもしくはタマリンドガム
のうち1種又は2種以上を0.001〜0.10%含有
し、ゲル強度が60〜200g、かつ、pHが4.6超
8.5以下であり、100℃を超える温度で加圧加熱殺
菌してなる密封容器詰ゼリー状食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デザート類として
用いられる長期保存可能な密封容器詰ゼリー状食品及び
その製造方法、並びに、密封容器詰ゼリー状食品を用い
たデザート食品に関し、特に、杏仁豆腐様ゼリーや牛乳
羹様ゼリーに関する。
【0002】
【従来の技術】デザートとしてのゼリー状食品は、その
食感がソフトなことから、子供から老人まで大衆に親し
まれており、すでに長期間保存可能な密封容器詰の酸味
のあるゼリー状食品が市販されている。また、中華料理
のデザートとして人気の高い杏仁豆腐は、家庭で調理す
るのは手間がかかるため、簡便に食べられるよう菱形に
カットし酸味のあるpHの低いシラップとともに容器に
密封され100℃以下の加熱殺菌された製品が市販され
ている。また、殺菌のために100℃以下の加熱処理を
施しても、ゼリー状食品が解けたり、くずれたりしない
ように、ジェランガムを添加する技術が、特開昭64−
55152号公報、特開昭64−60335号公報に紹
介されている。
【0003】しかしながら、上記のゼリー状食品は、い
ずれも日持ちのため、あるいは、味付けのために、pH
が4.6以下程度の酸味のあるものとしており、このた
め、加熱殺菌及び保管中に酸により、ゼリーが硬くな
り、ソフト感が不充分であった。また、シラップやゼリ
ー状食品そのもののpHが低くなると、ゼリー状食品が
硬化するだけではなく、酸味により、ゼリー状食品、特
に杏仁豆腐や牛乳羹が持つ「本来の風味、美味しさ」を
損なうものとなっていた。
【0004】そこで、酸味がなく、ゼリー状食品自体が
持つ本来の風味、美味しさを呈し、口の中で解けるよう
な非常にソフトな食感を有し、かつ、長期間保存できる
密封容器詰ゼリー状食品及びその製造方法、並びに、密
封容器詰ゼリー状食品を用いたデザート食品を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するために種々検討した結果本発明に到達した。す
なわち、本発明は、(1)少なくとも寒天及びゼラチン
と、ガム類としてキサンタンガム、ローカストビーンガ
ム、ジェランガムもしくはタマリンドガムのうち1種又
は2種以上を含有し、ゲル強度が60〜200g、か
つ、pHが4.6超8.5以下であり、100℃を超え
る温度で加圧加熱殺菌してなる密封容器詰ゼリー状食
品、(2)ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物に対
し、寒天及びゼラチンをその合計量が0.25〜1.6
0%含有し、寒天とゼラチンの重量比率が1:5〜3:
1であり、ガム類を0.001〜0.10%含有してな
る(1)項記載の密封容器詰ゼリー状食品、(3)ゼリ
ー状食品が、ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物の全
量に対し、脱脂粉乳及び/又は脂肪分を0.1〜5.0
%含有してなる(1)項又は(2)項に記載の密封容器
詰ゼリー状食品、(4)(1)項乃至(3)項のいずれ
かに記載の密封容器詰ゼリー状食品と、他の容器に密封
してなる具材及び/又はシラップとを一体にしたことを
特徴とするデザート食品、(5)pH4.6以下の具を
含まない(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の密封
容器詰ゼリー状食品、及び、(6)少なくとも寒天及び
ゼラチンと、ガム類としてキサンタンガム、ローカスト
ビーンガム、ジェランガムもしくはタマリンドガムのう
ち1種又は2種以上を混合溶解し、pHを4.6超8.
5以下に調整して、容器に充填後、100℃を超える温
度で加圧加熱した後、冷却して凝固させ、得られた凝固
物のゲル強度が60〜200gである密封容器詰ゼリー
状食品の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。な
お、本発明において、「%」はすべて「重量%」、ま
た、「部」はすべて「重量部」を意味する。
【0007】本発明の容器詰ゼリー状食品とは、ほぼ均
一の成分が容器の中で一つの固まりとして凝固してなる
デザート用のゼリー状凝固物であり、ゼリー状凝固物
は、フルーツや栗、小豆等を、適宜、具材として含んで
いてもよい。ゼリー状凝固物は、一つの固まりであれ
ば、容器に満杯充填されていても、空間を有していても
よい。そして本発明のゼリー状食品は、ゼリー状凝固物
のゲル強度が60〜200gであり、かつ、pHが4.
6超8.5以下であり、100℃を超える温度で加圧加
熱殺菌を施されている。
【0008】そして、そのまま単独で食する態様でもよ
く、その他、好みに応じ別途フルーツや、栗、小豆等の
具材と交ぜて食してもよい。場合によっては、ゼリー状
食品を、加熱して溶解後、冷却して再度凝固させてから
供してもよい。また、ゼリー状凝固物を収容する容器と
は別に、他の容器にフルーツやシラップを収容し、食す
る時にそれぞれを交ぜ合わせる態様にすることもでき
る。この場合、フルーツやシラップに含まれる酸とゼリ
ー状食品とは接触することなく保管できるので、ゼリー
状食品の硬化を防止でき、商品形態として特に有効であ
る。なお、ゼリー状食品はpH4.6以下のフルーツ等
の具を含んでいても良いが、より望ましくは、含めない
ほうが良い。ゼリー状食品にpH4.6以下の具が入る
と、具周辺のゼリーが、加熱殺菌及び保存期間中に、若
干硬さを感じられるようになるからである。
【0009】ここでゲル強度とは、ゼリー状凝固物が破
断するときの応力のことをいい、レオメーターによりゼ
リー状凝固物が破断するときの応力を測定して数値化し
たものである。その値が低い、つまりゲル強度が低い
と、軟らかな食感を呈し、逆に数値が高い、つまりゲル
強度が高いと、硬い食感を呈する。具体的には、ゼリー
状凝固物(10℃)を4cm×4cm×3cmにカット
し、レオメーター(プランジャー:球型、直径20mm、
上昇速度:6cm/分)で測定した場合、その破断応力の
値が60〜200gがよく、70〜120gであるとよ
り好ましい。後の試験例で詳しく述べるが、ゼリー状凝
固物のゲル強度が60〜200gであると、軟らかな食
感を呈するが、ゲル強度が60g未満では保存期間中に
水分が分離し商品価値が下がり、逆に、200gを超え
て高くなると、軟らかさが失われ、硬い食感を呈するゼ
リー状凝固物となる。
【0010】次にゼリー状食品のpHとしては、後の試
験例で詳しく述べるが、4.6超8.5以下にするとよ
く、6.0〜8.0であるとより好ましい。この範囲で
あると、3ヶ月間や半年間保存後も、変色せず、ゼリー
状凝固物は軟らかく、口の中で解けるようなソフトな食
感を保持することができる。pHが4.6以下である
と、酸により、ソフト感が失われ、硬い食感となる。p
Hが8.5を超えて高くなると、色が褐変して商品価値
が下がるものとなる。
【0011】また、本発明のゼリー状食品はpHが低く
ないので、酸味がなく、長期間保管してもゼリー状食品
本来の風味を保持できるものである。特に杏仁豆腐様ゼ
リーや牛乳羹様ゼリーの場合、本来有する風味を保持で
き、特に好ましい製品を得ることができる。
【0012】なお、ゼリー状食品のpH測定方法として
は、具を含む場合は具を除いたゼリー状凝固物部分のみ
を、ミキサーで充分にペースト状とした後、pHメータ
ーで測定する。このようにして測定した本発明のゼリー
状食品のpHが4.6超8.5以下である。ゼリー状食
品が、このpH域であると、100℃を超える温度とい
う過酷な条件で加圧加熱殺菌しても、そして、これを3
ヶ月、半年、あるいは1年と長期間保存しても、変色せ
ず、かつ、硬化しないソフトな食感を維持するゼリー状
食品を得ることができる。
【0013】次に、本発明に用いる容器としては、密封
でき、加熱処理に耐え、また、形状を保つ程度の剛性を
有する材質で、少なくともスプーンなどの器具を使用し
得る程度の口部を有する形状であれば、通常用いられて
いるものでよい。形状を保つ程度の剛性を有する材質と
は、容器を持った程度の軽い力では変形しない強度を有
することをいい、容器が軽い力で自由自在に変形してし
まうと、凝固したゼリー状食品が崩れてしまい、商品と
して望ましくないからである。ただし、容器単独では容
易に変形するが、容器内部にゼリー状食品を満杯充填し
ているために、ゼリー状食品が崩れない場合でも、本発
明の容器として用いることができるものとする。
【0014】本発明のゼリー状食品の原料としては、少
なくとも寒天及びゼラチンを用いる。寒天のみでは、ゲ
ル強度が60〜200gでも、口解け感が不充分であ
り、ゼラチンのみでは、ゲル強度を60〜200gにす
ると、保管や運搬中に、水分を分離し易く、特に夏場
等、気温が高くなると液状になりやすく、商品価値が損
なわれるものとなる。
【0015】寒天及びゼラチンを用いる量としては、そ
の合計量が、ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物に対
して、0.25〜1.60%であるとより望ましい。こ
の量であるとゲル強度を60〜200gに調整でき、保
管中もこのゲル強度を維持することができる。また、食
した時、口解けのよいソフトな食感のゼリー状凝固物と
なる。特に、寒天とゼラチンの比率を1:5〜3:1で
あると、長期間保管しても、より口解け感がありソフト
な食感を保持できるゼリー状凝固物が得られる。
【0016】本発明に用いるゼラチンとしては、通常用
いられる板ゼラチンや粉末ゼラチン等でよく、寒天とし
ては、通常用いられる粉末寒天、フレーク寒天、固形寒
天等である。
【0017】また、本発明のゼリー状食品の原料にガム
類を用いるとよく、ガム類としては、キサンタンガム、
ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム
の1種又は2種以上を混合して用いるとよい。これらの
なかでも特にキサンタンガムは少量の添加で水分分離の
抑制効果が得られ、食感にあまり影響しないことから、
特に望ましい。ガム類を用いることで、寒天及びゼラチ
ンからなるゼリー状食品を100℃を超える温度で加圧
加熱処理しても、加圧加熱処理時及び保存中の水分分離
をより抑制することができる。
【0018】ガム類の添加量としては、ゼリー状食品の
ゼリー状凝固物に対して0.001〜0.10%含有さ
せるとよい。添加量がこの範囲より少ないと、水分分離
の抑制効果がさほど得られず、逆に多く添加すると粘度
が高くなり、食感が悪くなる。
【0019】本発明のゼリー状食品の中でも、特に好ま
しい態様として、杏仁豆腐様ゼリー又は牛乳羹様ゼリー
があげられる。杏仁豆腐や牛乳羹は元来例えばアーモン
ド風味あるいは乳風味を呈するものであるが、pH4.
6以下のシラップや具材と共に100℃以上の加圧加熱
や長期間保存すると、その風味が酸により損なわれてし
まうものとなる。よって、本発明のゼリー状食品とし
て、杏仁豆腐様ゼリー又は牛乳羹様ゼリーは好適であ
る。
【0020】杏仁豆腐様ゼリーあるいは牛乳羹様ゼリー
とするには、脱脂粉乳及び/又は脂肪分を、ゼリー状食
品におけるゼリー状凝固物の全量に対し、0.5〜5.
0%を含有させるとよい。ここで、本発明に用いる脂肪
分としては、乳脂肪、植物油脂、乳化油脂、牛乳であ
り、添加量は、それぞれに含まれる脂肪分で換算して
0.5〜5.0%となるように配合するとよい。
【0021】脱脂粉乳及び/又は脂肪分を用いること
で、口当たりがまろやかで、不透明なゼリー状食品が得
らる。植物油脂を直接使用する場合は、混合しよく攪拌
して乳化させるとよい。また、適宜好みに応じ着色する
こともできる。例えば、イチゴやオレンジ、黄桃等の果
汁又は果肉や、ニンジン、カボチャ、トマト等の野菜汁
やその砕片、その他、食用色素を用いてカラフルなゼリ
ー状食品を得ることができる。
【0022】杏仁豆腐や牛乳羹に通常用いられる牛乳を
用い、100℃を超える温度で加圧加熱殺菌を施すと、
メイラード反応によると思われる褐変が生じるので、乳
糖などの還元糖が極力入らない配合にしたり、あるい
は、褐変を抑制する方法として、クエン酸や乳酸、リン
ゴ酸などの有機酸を配合するとよい。特に、牛乳を用い
る場合には、有機酸を添加することにより褐変を抑制で
き、有効である。
【0023】次に、本発明のゼリー状食品の代表的な製
造方法としては、寒天とゼラチンをその合計量で0.25〜
1.60%、ガム類を0.001〜0.10%、好みに応じ、グラニ
ュー糖などの糖類を5〜10%程度、牛乳や脱脂粉乳、乳
脂肪、植物油脂、乳化油脂等を用いるとよい。この場
合、油脂類が分離するのを抑制するため、ショ糖脂肪酸
エステル、カゼインナトリウム、大豆レシチン、卵黄レ
シチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤を0.
05〜1.0%程度添加するとよい。そして香料を混合し、
清水を加え加熱溶解する。そのままでは、褐変が生じ易
くなる場合があるので、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の
有機酸を用いて、pHを4.6超8.5以下に調整する
とよい。このときに、pHが4.6以下にならないよう
にすることが肝要である。pHが4.6以下であると加
熱殺菌及び保存期間中にゼリー状凝固物は硬くなるから
である。加熱溶解して90〜98℃に達したところで、
125℃程度の温度に耐えうる広口の剛性又は準剛性の
容器に充填密封し、100〜130℃程度、5〜60分
程度の加圧加熱処理を施し、冷却するとよい。加圧加熱
処理中は、容器内に充填密封されいるゼリー状凝固物の
状態は液状となる。これを冷却して、一つの固まりとし
て全体を凝固させ、ゲル強度60〜200gの長期間保
存可能な密封容器詰ゼリー状食品を得る。必要に応じ、
フルーツ等の具材及び/又はシラップを別の容器に充填
密封し、密封容器詰ゼリー状食品とセットにして梱包
し、食する時に交ぜ合わせる態様にするとよい。また、
10℃以下に保管すると、デザートとして良好な口当た
りの非常にソフトな食感のゼリー状食品となる。
【0024】杏仁豆腐様ゼリー又は牛乳羹様ゼリーを製
する場合は、脱脂粉乳及び/又は脂肪分を、ゼリー状食
品におけるゼリー状凝固物の全量に対し、0.5〜5.
0%程度添加すればよい。また、フルーツなどの具を入
れる場合には、容器にゼリー状凝固物を充填する時に入
れればよい。
【0025】
【実施例】実施例1 コーヒーゼリー 下記配合の原料を準備し、まず、粉体原料を予めよく混
合した後、清水を加えて加熱し溶解する。微沸したら、
液原料を投入し、よく攪拌する。レトルト耐性の広口容
器に満杯充填し、蓋をシールする。貯湯式のレトルト殺
菌機で、105℃、30分間の加熱殺菌を施し、冷却し
て、本発明のコーヒーゼリーを得た。10℃で1ヶ月間
保管後開封し、食したところ口の中で解けるような、非
常にソフトな食感であった。ゲル強度をレオメーター
(プランジャー:球型、直径20mm、上昇速度:6cm/
分)で測定したところ110g、pH=7.0であった。
【0026】
【0027】実施例2 杏仁豆腐様ゼリー 下記配合の内、粉体原料を予めよく混合した後、清水を
加えて加熱し溶解する。微沸したら、液原料を投入し、
よく攪拌する。レトルト耐性の容器に満杯充填し、蓋を
シールする。貯湯式のレトルト殺菌機で、105℃、3
0分間の加熱殺菌を施し、冷却し、本発明の杏仁豆腐様
ゼリー状食品が得られた。10℃で6ヶ月間保管後開封
したところ褐変しておらず、食したところアーモンド風
味がよく感じられ、口の中で解けるような、非常にソフ
トな食感であった。実施例1と同様にゲル強度を測定し
たところ70g、pH=7.2であった。
【0028】
【0029】実施例3 フルーツ イン 牛乳羹様ゼリ
ー 下記配合により、実施例2と同様の方法で、牛乳羹様ゼ
リー状食品を製した。ただし、パイナップルは、生のも
のを一口大にカットし、予め容器に充填しておき、そこ
に、粉体原料を加熱溶解し液原料とよく攪拌したものを
満杯充填した。また、116℃、20分間、加圧加熱殺
菌を施した。10℃で3ヶ月保管し、開封してみたとこ
ろ、褐変しておらず、また、口の中で解けるような、非
常にソフトな食感であった。また、乳風味があり、まろ
やかでコク味が感じられた。パイナップル周辺のゼリー
部分がほんのわずかに硬く感じられた。ゲル強度は12
0g、pH=5.0であった。
【0030】
【0031】実施例4 実施例2で得られた、容器詰のゼリー状食品を開封し、
スプーンですくって、一口大にカットした黄桃、パイナ
ップル、みかん、グレープフルーツなどの果実と混合
し、デザートを製した。
【0032】実施例5 実施例2で得た容器に充填密封したままの杏仁豆腐様ゼ
リーとは別の容器に、生のみかん、ブドウ、黄桃、サク
ランボ、水煮した栗と小豆を、pH=4.0のシラップ
とともに充填密封し、90℃、30分加熱して殺菌し
た。杏仁豆腐様ゼリーとフルーツ類を、別々の容器のま
まセットにして、食するときに、混ぜて食する態様の製
品とした。15℃で2ヶ月保管してから、混ぜて食した
ところ、杏仁豆腐様ゼリーはアーモンド風味が感じら
れ、口解けのよいソフトな食感で、フルーツ類はフレッ
シュ感があり、美味しいものであった。
【0033】試験例1.下記基本配合に寒天及びゼラチ
ンの量を変えて配合し、ゲル強度と食感、及び離水しに
くさを試験した。まず、粉体原料を予めよく混合した
後、清水を加えて加熱し溶解する。微沸したら、液原料
を投入し、よく攪拌する。レトルト耐性の容器に満杯充
填し、蓋をシールする。貯湯式のレトルト殺菌機で、1
10℃、20分間の加熱殺菌を施し、冷却して、10℃
で1ヶ月保管した牛乳羹様ゼリー状食品を準備した。こ
れらを専門のパネラー10人より、食感と水分の分離に
ついて評価し、平均点を小数点以下四捨五入して、評価
値とした。
【0034】ゲル強度は、ゼリー状凝固物(10℃)を
4cm×4cm×3cmにカットし、不動工業株式会社
製レオメーターNRM−2010J−CW(プランジャー:球型、
直径20mm、上昇速度:6cm/分)で測定した。水分分
離の測定方法は、ゼリー状食品を容器から皿にだし、目
で確認した。結果を表1に示す。
【0035】表1より、ゲル強度が60g未満であると
水分が分離し、200gを超えると硬さを感じるように
なる。ゲル強度が60〜200gであると商品として良
好であり、70〜120gであるとより良好であること
が判る。また、寒天及びゼラチンを0.25〜1.60
%含有させるとよいことが判る。
【0036】 ※ 基本配合に寒天、ゼラチンの量を変えて配合し、清
水を加えて100%とする。
【0037】
【表1】
【0038】試験例2.下記配合を基本にして、粉体原
料を予めよく混合した後、清水を加えて加熱し溶解し、
微沸したら液原料を投入しよく攪拌する。ここで、10
%クエン酸溶液と1%リン酸3ナトリウム溶液でpH調
整し、レトルト耐性の容器に満杯充填し、蓋をシールす
る。貯湯式のレトルト殺菌機で、110℃、20分間の
加圧加熱殺菌を施し、冷却して、4℃で3ヶ月保管した
牛乳羹様ゼリー状食品を準備した。これらの食感及び変
色の度合いを、専門のパネラー10人により、評価基準
に照らして評価し、その平均点の小数点以下を四捨五入
し、評価値とした。なお、変色の度合いは、加圧加熱殺
菌することなく冷却して得たゼリー状凝固物と比較し
て、目で確認して評価した。結果を表2に示す。
【0039】表2より、pHが4.6以下であると、酸
により、ソフト感が失われ、硬い食感となり、pHが
8.5を超えて高くなると、色が褐変して商品価値が下
がることが判る。
【0040】 [基本配合] 重量部 寒天 0.25 ゼラチン 0.50 キサンタンガム 0.05 グラニュー糖 9.00 ショ糖脂肪酸エステル 0.30 食用植物油脂 1.00 香料 0.01 牛乳 15.00 清水 73.89
【0041】
【表2】
【0042】試験例3 下記配合に、寒天とゼラチンの配合比率を、表3のよう
に変化させて得たゼリー状食品の食感と水分の分離を、
専門のパネラー10人により評価した。まず、粉体原料
を予めよく混合した後、清水を加えて加熱し溶解し、微
沸したら、液原料を投入し、よく攪拌し、レトルト耐性
の容器に満杯充填し、蓋をシールし、貯湯式のレトルト
殺菌機で、105℃、30分間の加熱殺菌を施し、冷却
し、杏仁豆腐様ゼリー状食品を準備した。4℃で3ヶ月
間保管後開封して評価に供した。結果を表3に示す。
【0043】表3より、寒天とゼラチンの配合比率は
1:5〜3:1、より望ましくは1:3〜2:1である
とよいことが判る。
【0044】
【0045】
【表3】
【0046】
【効果】本発明によれば、長期間保存可能であり、ま
た、pHが低くないので、加圧加熱及び長期間保存して
もゼリー状食品は硬化することはなく、口の中で解ける
ようなソフトな食感を保持し、しかも、ゼリー状食品本
来の風味のある密封容器詰ゼリー状食品を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E035 AA15 BA05 BC02 BD06 CA04 4B021 LA07 LP01 LP07 LW05 LW08 4B041 LD01 LD08 LE08 LH07 LH10 LH16 LK17 LK18 LK37 LP01 LP17 LP21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも寒天及びゼラチンと、ガム類
    としてキサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェラ
    ンガムもしくはタマリンドガムのうち1種又は2種以上
    を含有し、ゲル強度が60〜200g、かつ、pHが
    4.6超8.5以下であり、100℃を超える温度で加
    圧加熱殺菌してなる密封容器詰ゼリー状食品。
  2. 【請求項2】 ゼリー状食品におけるゼリー状凝固物の
    全量に対し、寒天及びゼラチンをその合計量が0.25
    〜1.60%含有し、寒天とゼラチンの重量比率が1:
    5〜3:1であり、ガム類を0.001〜0.10%含
    有してなる請求項1記載の密封容器詰ゼリー状食品。
  3. 【請求項3】 ゼリー状食品が、ゼリー状食品における
    ゼリー状凝固物の全量に対し、脱脂粉乳及び/又は脂肪
    分を0.1〜5.0%含有してなる請求項1又は2に記
    載の密封容器詰ゼリー状食品。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の密封
    容器詰ゼリー状食品と、他の容器に密封してなる具材及
    び/又はシラップとを一体にしたことを特徴とするデザ
    ート食品。
  5. 【請求項5】 pH4.6以下の具を含まない請求項1
    乃至3のいずれかに記載の密封容器詰ゼリー状食品。
  6. 【請求項6】 少なくとも寒天及びゼラチンと、ガム類
    としてキサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェラ
    ンガムもしくはタマリンドガムのうち1種又は2種以上
    を混合溶解し、pHを4.6超8.5以下に調整して、
    容器に充填密封後、100℃を超える温度で加圧加熱し
    た後、冷却して凝固させ、得られた凝固物のゲル強度が
    60〜200gである密封容器詰ゼリー状食品の製造方
    法。
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