JP2009045018A - ゲル状食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のゲル状食品は、寒天、キサンタンガム、及び成分(A)からなり、成分(A)がガラクトマンナン及び/又はグルコマンナンであり、少なくともキサンタンガムを含む成分が、高圧均質機で均質化されることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
文献2には、寒天を酸処理して、寒天そのものの分子量を小さくすることにより、ゼリー強度を低下させた低強度寒天が開示されている。この低強度寒天は付着性や曳糸性の少ない増粘剤として使用できる。
文献2の低強度寒天を用いると、通常の寒天を用いた場合と比較して、破断強度のみが低下し、弾性率の低下はない。そのため、柔らかいだけのゼリーができてしまう。
また、キサンタンガム、及び成分(A)の合計含有量が、寒天の含有量に対して80〜160質量%であることが好ましく、その中でもキサンタンガムの含有量が、キサンタンガム、及び成分(A)の合計含有量に対して10〜90質量%であることが好ましい。
本発明のゲル状食品は、寒天、キサンタンガム、及び成分(A)を含むゲル状食品であって、成分(A)が、ガラクトマンナン及び/又はグルコマンナンであり、少なくとも前記キサンタンガムを含む成分が、高圧均質機で均質化されることを特徴とする。
本発明のゲル状食品の具体的な製品としては、ゼリー、プリン、水羊羹、煮こごり、アスピックゼリー、トコロテン等が挙げられる。
寒天は、紅藻類から粘性物質を抽出したものであり、様々な形状に加工される。中でもオゴノリ寒天や天草寒天を使用することが好ましく、市販のものを使用してよい。寒天の含有量は、最終製品の総質量に対して0.1〜0.5質量%の範囲が目安であり、所望の破断応力によって変更する。
キサンタンガムは、ブドウ糖をキサントモナス キャンペストリス(Xanthomonas canpestris)で発酵させて得られる粘性物質で、市販のものを利用できる。キサンタンガムの含有量は最終製品の総質量に対して0.1〜0.6質量%の範囲が目安である。
成分(A)は、ガラクトマンナン及び/又はグルコマンナンからなる。
ガラクトマンナンは、主に豆類から得られ、マンノースを主鎖とし、ガラクトースを側鎖にもつ多糖類である。具体例としては、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム等が挙げられる。ローカストビーンガムは、ローカストの豆(イナゴマメ)から抽出されるガラクトマンナンであり、タラガムは、タラの豆から抽出されるガラクトマンナンであり、グアーガムは、グアーの豆から抽出されるガラクトマンナンであり、それぞれ市販のものが利用できる。グルコマンナンは、コンニャク芋から得られ、マンノースを主鎖とし、グルコースを側鎖にもつ多糖類で、市販のものが利用できる。
成分(A)は、ローカストビーンガム、タラガム、及びグアーガムのいずれかであるガラクトマンナン、並びにグルコマンナンからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。成分(A)の含有量は最終製品の総質量に対して0.1〜0.6質量%の範囲が目安である。
キサンタンガム及び成分(A)の合計含有量が、寒天の含有量に対して80質量%以下であるとゲル状食品の弾性率の低下が殆ど無くなり、160質量%以上であるとゲル状食品の破断応力が大きくなる。
ここで、キサンタンガムの含有量が、該合計含有量に対して10質量%以下であると、ゲルの弾性率が低下し難くなり、キサンタンガムの含有量が増加するに従って、弾性率の低下が大きくなる。キサンタンガムの含有量が、該合計含有量に対して90質量%以上であると成分(A)の比率が小さすぎ、破断応力が低下する。
本発明のゲル状食品に用いられるその他の原料に、特に限定は無く、乳製品、油脂類、果物・果菜類、野菜・根菜類、豆類、魚介・肉類、糖類、餡類、甘味料、酸味料、強化剤、色素類、香料、乳化剤等を必要に応じて使用できる。
本発明のゲル状食品の製造方法においては、寒天、キサンタンガム、及び成分(A)等からなるゲル状食品の原料のうち、少なくともキサンタンガムを含む成分を高圧均質機で均質化する。これにより、破断応力を低下させずに弾性率を低下させることができる。これは、均質機の剪断力によりキサンタンガムの分子量が低下するためであると考えられる。
製造方法の一つとして、寒天、キサンタンガム、成分(A)、及びその他の成分である乳製品や香料等、原料の全てを混合溶解した後に、高圧均質機で均質化する製造方法が挙げられる。この製造方法は、ゲル状食品中に固形物を残さない場合に用いることが好ましい。
UHT殺菌機では、殺菌温度が120〜150℃で、保持時間が1〜5秒の条件で殺菌を行うことが好ましい。殺菌温度が高過ぎたり、保持時間が長過ぎたりすると、寒天、キサンタンガム、ガラクトマンナン、グルコマンナンの分解が起こり、ゲル化作用が低下するおそれがある。また、殺菌温度が低すぎたり、保持時間が短すぎたりすると、殺菌効率が小さく、製品の保存性が悪くなる。
ここで、均質化は殺菌工程とは別に行うこともできるが、殺菌機に内蔵された高圧均質機で行うことが、一貫した工程で行えること、温度管理が容易であること等の理由より好ましい。
どちらのタイプを使用するかは、寒天、キサンタンガム及び成分(A)以外の原料を考慮して選択する。殺菌機の最高加熱部で凝集物が生成するおそれがある場合には、DOWNホモで凝集物を砕けば、得られる組織のザラツキを軽減できる。最高加熱部に至る前に、脂肪分等が分離するおそれがある場合には、UPホモで乳化状態を良くした上で、最高加熱部に送液すると、成分の分離を避けることができる等の効果がある。
均質圧が低過ぎると破断応力が大きくなり、均質圧が高過ぎると破断応力が低下し、弾性率が変化しなくなる。
また、温度は70〜100℃の範囲であることが好ましい。均質時の温度は、低過ぎると均質化の効果が悪くなり、高過ぎると、高圧均質機の出口で沸騰が起こるおそれがあり、装置全体に衝撃を与えるので好ましくなく、またエネルギーの無駄でもある。
容器に充填する温度は、低過ぎると充填前に寒天のゲル化が始まって、静置冷却後のゲル強度が低下する。殺菌・均質化が終了した時点の温度以下であれば、温度が高すぎてもゲルの物性に影響は与えないが、静置冷却時の冷却負荷が大きくなり、エネルギー的に無駄となる。
もう一つの製造方法として、寒天、キサンタンガム、及び成分(A)を含むゲル状食品の原料を、キサンタンガムを含む成分とそれ以外の成分に分け、少なくともキサンタンガムを含む成分を高圧均質機で均質化する製造方法が挙げられる。
この製造方法は、ゲル状食品中に固形物を残したい場合に用いることが好ましい。原料を、固形物を残す成分と固形物を残さない成分に分け、固形物を残さない成分に少なくともキサンタンガムを含ませ、これを高圧均質機で均質化した後、固形物を残す成分と混合して製造する。
キサンタンガムを含む成分の混合溶解には、前記の高速撹拌機が使用でき、同一の条件で混合溶解を行うことが好ましい。固形物を残す成分の混合には、低速撹拌機を使用することが好ましく、撹拌機付きタンク(例えば、商品名:Bパス;ヤスダファインテ社製)等が使用できる。このとき、固形物以外の成分を溶解した後、固形物である果物等を投入し混合することが好ましい。
また、固形物を残す成分は、固形物を潰さないように設計された殺菌機で殺菌することが好ましい。掻き取り式殺菌機(例えば、商品名:SSHE;チェリーバレル社製)やチューブラー式殺菌機(例えば、商品名:チューブラー式UHT殺菌機;森永エンジニアリング社製)が使用できる。
固形物を残さないゲル状食品であっても、キサンタンガムを含む成分とその他の成分に分けて製造することができる。但し、メリットが無い限り、成分を分けることは工程が複雑になり、歩留りが低下する等のデメリットの方が大きくなる。メリットのある例としては、pHが下がると殺菌効率が向上することを利用し、原料を酸性成分と中性成分に分け、酸性成分の殺菌温度を下げて加熱による風味変化を軽減する等の例が挙げられる。
(目的)
この試験は、本発明で使用する市販の通常の寒天と従来技術(特開平5−317008号公報)の低強度寒天の破断応力と弾性率の関係を調べる目的で実施された。
表1の配合割合に従い、原料をステンレスバットに入れ混合し、湯せん入れて95℃に加熱し10分間保持した後、冷却水槽に入れて50℃に冷却して、容器に充填し、冷蔵庫にて10℃に静置冷却することにより、No.a〜hの8種類の試料を調製した。
圧縮試験機(商品名:RHEONERII;山電社製)にて、1cm2円盤のプランジャーに、1mm/秒の速度で試料を押し上げて、破断時の応力(以後「破断応力」と記載する。)と破断時の歪(以後「破断歪」と記載する。)を求め、破断応力を破断歪で除した値を弾性率とした。この結果を表2に示し、弾性率と破断応力の関係を図1に示す。
表2及び図1を参照すると、寒天と低強度寒天は破断応力の低下と共に弾性率の低下が起き、破断応力と弾性率とは同じ様な挙動を示すことが確認された。
低強度寒天を使用しても通常の寒天と同様、弾性率を低下させようとすると、破断応力も低下させる必要がある。従って、寒天及び低強度寒天のいずれを使用しても、単独で使用した際、その性質は同じである。以後の試験例においては通常の寒天を使用した。
(目的)
この試験は、高圧均質機における均質圧を検索する目的で実施された。
(1)比較試料
表3のテストNo.1の配合割合に従い、原料をステンレスバットに入れ混合し、湯せん入れて95℃に加熱し10分間保持した後、80℃にして高圧均質機(商品名:HOMOGENIZER;三丸機械工業製)で、0、5、10、20、30、40、又は50MPaの均質圧で均質化した後、冷却水槽に入れて50℃まで冷却して、容器に充填し、冷蔵庫にて10℃に静置冷却することにより、表4におけるテストNo11〜18の8種類の試料を調製した。
(2)試験試料
表3のテストNo.2の配合割合に従い、比較試料と同一の方法で、テストNo.21〜28の8種類の試料を調製した。
試験1と同一の方法で行なった。この結果を表4、表5、及び図2に示す。
表4及び図2より、比較試料(No.11〜18)の破断応力は、0〜30MPaの均質圧の範囲(No.11〜16)では、均質圧に関係なくほぼ一定であり、均質圧が40MPa以上(No.17〜18)で低下する。また、弾性率は、均質圧が0〜50MPaの範囲(No.11〜18)でバラツキと低下傾向がみられるが、値はほぼ一定である。
これに対して、試験試料(No.21〜28)を均質圧が同一の比較試料と各々比較すると、破断応力については、均質圧が0〜10MPaの範囲(No.11〜13とNo.21〜23)で、試験試料(No.21〜23)の方が大きく、均質圧が15〜30MPaの範囲(No.14〜16とNo.24〜26)でほぼ等しく、均質圧が40MPa以上(No.17〜18とNo.27〜28)で、比較試料(No.17〜18)の方が大きい。
弾性率についてはいずれの均質圧でも比較例のほうが大きいが、均質圧が0〜10MPaの範囲(No.11〜13とNo.21〜23)では差が小さく、均質圧が15MPa以上(No.14〜18とNo.24〜28)では差が大きくなっている。
寒天、キサンタンガム(X)、ローカストビーンガム(L)を配合した試験試料(X,L併用)と、寒天を単独で使用した比較試料(寒天単用)とを比べると、同一の均質圧において、試験試料、比較試料双方の破断応力がほぼ等しく、かつ、試験試料の弾性率の方が低いのは、均質圧が15〜30MPaの範囲であることが分った。
(目的)
この試験は、増粘多糖類の種類を検索する目的で実施された。
表6の配合に従い、試験2と同一の方法で、試験試料を調製した。
但し、均質圧は、20MPaで行なった。
試験1と同一の方法で行なった。この結果を表7に示す。
表7より、試験2の比較試料(No.15)と破断応力がほぼ等しく、比較試料(No.15)より弾性率が低い試験試料は、No.31〜34である。
表6の配合による試験試料と、比較試料(No.15)とを比較して、試験試料、比較試料双方の破断応力がほぼ等しく、かつ、比較試料(No.15)に比べ試験試料の弾性率が低いのは、増粘多糖類が、キサンタンガムとローカストビーンガム、キサンタンガムとタラガム、キサンタンガムとグアーガム及びキサンタンガムとグルコマンナンであることが分った。
(目的)
この試験は、寒天の配合量に対する増粘多糖類の配合量を検索する目的で実施された。
表8の配合に従い、試験3と同一の方法で調製した。
試験1と同一の方法で実施した。この結果を表9及び図3に示す。
表9及び図3より、試験2の比較試料(No.15)と破断応力がほぼ等しい試験試料は、No.41〜45で、弾性率が比較試料(No.15)より低い試験試料は、No.43〜46である。
表8の配合による試験試料と、比較試料(No.15)とを比較して、試験試料、比較試料の破断応力がほぼ等しく、かつ、比較試料に比べ試験試料の弾性率が低いのは、寒天の配合量に対するキサンタンガムとローカストビーンガムの配合量の合計が、80〜160%の範囲であることが分った。
(目的)
この試験は、キサンタンガムとガラクトマンナンの比率を検索する目的で実施された。
表10の配合割合に従い、試験3と同一の方法で調製した。
試験1と同一の方法で評価した。この結果を表11及び図4に示す。
表11及び図4より、試験2の比較試料(No.15)と破断応力がほぼ等しい試験試料は、No.51〜56であり、弾性率が比較試料(No.15)より低い試験試料は、No.52〜57であった。
表10の配合による試験試料と、比較試料(No.15)とを比較して、試験試料、比較試料双方の破断応力がほぼ等しく、かつ、比較試料に比べ試験試料の弾性率が低いのは、キサンタンガムの配合量が、キサンタンガムとローカストビーンガムの合計配合量に対して10〜90質量%の範囲である場合であり、キサンタンガムの割合が増すに従って、弾性率が低下することが分った。
(目的)
この試験は、2成分に分けて製造する際の条件を検索する目的で実施された。
表12の配合割合に従い、均質化する成分は、原料をステンレスバットに入れ混合し、湯せん入れて95℃に加熱し10分間保持した後、80℃にして高圧均質機(商品名:HOMOGENIZER;三丸機械工業製)で、20MPaの均質圧で均質化した後、冷却水槽に入れて50℃に冷却して調製した。
均質化しない成分は、原料をステンレスバットに入れ混合し、湯せん入れて95℃に加熱し10分間保持した後、冷却水槽に入れて50℃に冷却して調製した。
その後、均質化する成分と均質化しない成分を混合し、容器に充填し、冷蔵庫にて10℃に静置冷却して、No.61〜69の9種類の試料を調製した。
試験1と同一の方法で評価した。この結果を表13に示す。
表13より、試験2の比較試料(No.15)と破断応力がほぼ等しい試験試料は、No.62,65,67,69あり、弾性率が比較試料(No.15)より低くなっている試験試料はNo.61〜69であった。
表12の配合による試験試料と、比較試料(No.15)とを比較して、試験試料、比較試料双方の破断応力がほぼ等しく、試験試料の弾性率が比較試料(No.15)より低いのは、高圧均質機で均質化する成分にキサンタンガムが含まれている場合であることが分った
(試料の調製)
表14のNo.71に示した配合割合に従って、原料をスーパーミキサー(ヤスダファインテ社製)で90℃で溶解した後、高圧均質機を内蔵するプレート式UHT殺菌機(森永エンジニアリング社製)で、130℃で2秒間の殺菌を行なった後、85℃に冷却して、高圧均質機で圧力20MPa、温度85℃の条件下で均質化し、更に50℃に冷却して、カップ充填機(MTYパッカー:トーワテクノ社製)でプラスチックカップ(生駒化学社製)に充填し、アルミ蓋(東洋アルミニウム社製)を被せて、熱圧シールし、冷蔵庫に静置し、10℃に冷却してミルクプリンを製造した。
(試料の調製)
表14のNo.72に示した配合割合に従って、原料をスーパーミキサー(ヤスダファインテ社製)で90℃で溶解後、高圧均質機を内蔵するプレート式UHT殺菌機(森永エンジニアリング社製)で、130℃で2秒間の殺菌を行なった後、85℃に冷却して、高圧均質機で圧力20MPa、温度85℃の条件下で均質化し、50℃に冷却して、カップ充填機(MTYパッカー:トーワテクノ社製)でプラスチックカップ(生駒化学社製)に充填し、アルミ蓋(東洋アルミニウム社製)を被せて、熱圧シールし、冷蔵庫に静置し、10℃に冷却してミルクプリンを製造した。
実施例1及び比較例1のミルクプリンは、試験1と同一の方法で、破断応力と破断歪を測定し、弾性率を計算した。
また、20名のパネラーに、「硬さ」、「歯切れの良さ」、「脂肪感」及び「風味の好み」について評価させた。この結果を2点嗜好試験法(おいしさを測る−食品官能検査の実際,p21、古川秀子著、幸書房、1994年)によって検定した。
結果を表15、16に示す。
表15より、破断応力はNo.71と72ではほぼ等しいが、弾性率はNo.71の方がNo.72より低いことが分る。
また、表16より、
「硬さ」 :No.71<No.72
「歯切れの良さ」 :No.71≧No.72
「脂肪感」 :No.71>No.72
「風味の好み」 :No.71>No.72
であることが分る。
従って、実施例1及び比較例1より、本発明の方法によるミルクプリンは、弾性率の低下により、硬さが和らぎ歯切れが良くなる等、食感が改良され、脂肪感が増し、風味が好まれるようになることが分った。
なお符号は、
≧:左が右より上位であるが統計的有意差はない。
<:右が左より上位で、統計的有意差認める。
>:左が右より上位で、統計的有意差認める。
を示す。
(試料の調製)
表14のNo.73の配合割合に従って、ベース成分の原料をスーパーミキサー(ヤスダファインテ社製)で、90℃で溶解後、高圧均質機を内蔵するプレート式UHT殺菌機(森永エンジニアリング社製)で、130℃で2秒間の殺菌を行なった後、85℃に冷却して、高圧均質機で圧力20MPa、温度85℃の条件下で均質化し、60℃に冷却してタンクに保持した。
ソース成分は、スーパーミキサー(ヤスダファインテ社製)で85℃で溶解後、チューブラー式UHT殺菌機で、120℃で2秒間の殺菌を行った後、25℃に冷却してタンクに保持した。
ベース成分とソース成分をそれぞれ定量ポンプ(ロータリーポンプ:ナカキン社製)で引き出し、ベース成分とソース成分の質量比が、ベース成分:ソース成分=7:3、になるようにライン混合して、50℃に調整し、カップ充填機(MTYパッカー:トーワテクノ社製)でプラスチックカップ(生駒化学社製)に充填し、アルミ蓋(東洋アルミニウム社製)を被せて、熱圧シールし、冷蔵庫に静置し、10℃に冷却してフルーツゼリーを製造した。
(試料の調製)
表14のNo.74の配合割合に従って、ベース成分の原料をスーパーミキサー(ヤスダファインテ社製)で、90℃で溶解後、高圧均質機を内蔵するプレート式UHT殺菌機(森永エンジニアリング社製)で、130℃で2秒間の殺菌を行なった後、85℃に冷却して、高圧均質機で圧力20MPa、温度85℃の条件下で均質化し、60℃に冷却してタンクに保持した。
ソース成分は、スーパーミキサー(ヤスダファインテ社製)で85℃で溶解後、チューブラー式UHT殺菌機で、120℃で2秒間の殺菌を行った後、25℃に冷却してタンクに保持した。
ベース成分とソース成分をそれぞれ定量ポンプ(ロータリーポンプ:ナカキン社製)で引き出し、ベース成分とソース成分の質量比が、ベース成分:ソース成分=7:3、になるようにライン混合して、50℃に調整し、カップ充填機(MTYパッカー:トーワテクノ社製)でプラスチックカップ(生駒化学社製)に充填し、アルミ蓋(東洋アルミニウム社製)を被せて、熱圧シールし、冷蔵庫に静置し、10℃に冷却してフルーツゼリーを製造した。
実施例2及び比較例2のフルーツゼリーは、試験1と同一の方法で、破断応力と破断歪を測定し、弾性率を計算した。
また、20名のパネラーに、「硬さ」、「歯切れの良さ」、「果肉感」及び「風味の好み」について、評価させた。この結果を2点嗜好試験法(おいしさを測る−食品官能検査の実際,p21、古川秀子著、幸書房、1994年)によって検定した。
これら結果を表15、17に示す。
表15より、破断応力はNo.73と74ではほぼ等しいが、弾性率はNo.73の方がNo.74より低いことが分る。
また、表17より、
「硬さ」 :No.73<No.74
「歯切れの良さ」 :No.73≧No.74
「果肉感」 :No.73>No.74
「風味の好み」 :No.73>No.74
であることが分わかる。
従って、実施例2及び比較例2から、本発明の方法のフルーツゼリーは、弾性率の低下により、硬さが和らぎ歯切れが良くなる等、食感が改良され、果肉感が増し、風味が好まれるようになることが分った。
Claims (7)
- 寒天、キサンタンガム、及び成分(A)を含むゲル状食品であって、
成分(A)が、ガラクトマンナン及び/又はグルコマンナンであり、
少なくとも前記キサンタンガムを含む成分が、高圧均質機で均質化されることを特徴とするゲル状食品。 - 成分(A)がローカストビーンガム、タラガム、及びグアーガムのいずれかであるガラクトマンナン、並びにグルコマンナンからなる群より選択される1種以上である請求項1に記載のゲル状食品。
- キサンタンガム及び成分(A)の合計含有量が、寒天の含有量に対して80〜160質量%である請求項1又は2に記載のゲル状食品。
- キサンタンガムの含有量が、キサンタンガム及び成分(A)の合計含有量に対して10〜90質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のゲル状食品。
- 請求項1〜4いずれかに記載のゲル状食品の製造方法であって、
寒天、キサンタンガム及び成分(A)を含むゲル状食品の原料を、キサンタンガムを含む成分とその他の成分に分け、キサンタンガムを含む成分を高圧均質機で均質化した後、前記キサンタンガムを含む成分と、前記その他の成分を混合することを特徴とするゲル状食品の製造方法。 - 前記高圧均質機による均質化を、15〜30MPaの圧力下で行うことを特徴とする請求項5に記載のゲル状食品の製造方法。
- 前記その他の成分が固形物を含む、請求項5または6に記載のゲル状食品の製造方法。
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