JP2014093978A - 加温して喫食可能なゲル状食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】20℃における硬さが2×104N/m2以下のゲル状食品であって、ジェランガムと重量平均分子量が600000以上であり、分子量分布が13以下である寒天を含有することを特徴とするゲル状食品。
【選択図】なし
Description
[1] 20℃における硬さが2×104N/m2以下のゲル状食品であって、
ジェランガムと
重量平均分子量が600000以上であり、分子量分布が13以下である寒天
を含有することを特徴とするゲル状食品。
[2] ジェランガムが脱アシル型ジェランガムである、[1]のゲル状食品。
[3] 容器入りである、[1]又は[2]のゲル状食品。
本発明のゲル状食品は、20℃における硬さが2×104N/m2以下のゲル状食品である。すなわち、本発明のゲル状食品は、日本介護食品協議会が制定したユニバーサルデザインフード規格の区分3に該当し、咀嚼困難者に適したゲル状食品である。
また、本発明のゲル状食品は、適度な弾力性を有し、滑らかな食感を有する。
2.1.水
本発明のゲル状食品は、全重量あたりの水分量が50〜85重量%、好ましくは60〜80重量%、さらに好ましくは65〜75重量%であることを特徴とする。一般的に、水道水や井戸水にはミネラル分が含まれており、このミネラル分がゲル化剤の作用に影響を及ぼし得ることから、本発明に使用する水は、ミネラル分が低減された水が好ましい。水中のミネラル分を低減する方法としては、例えば、イオン交換樹脂を用いた方法が挙げられ、イオン交換樹脂に水を通すことによって、水中のミネラル分を吸着・除去することができる。
ジェランガムは、β−D−グルコース、β−D−グルクロン酸、β−D−グルコース、α−L−ラムノースの繰り返し構造をモノマーとする直鎖状のヘテロ多糖類である。1−3結合したグルコースに存在するアセチル基とグリセリル基の有無により、ネイティブ型ジェランガムと脱アシル型ジェランガムの2種類に分類される。当該アセチル基とグリセリル基を有さないものが、脱アシル型ジェランガムである。
本発明のゲル状食品中のジェランガムの量は、得られるゲル状食品の20℃における硬さが2×104N/m2以下となる範囲で、併用する寒天やゲル状食品に配合されるその他の材料の量や性質に応じて適宜調整することができ、特に限定はされないが、当該ゲル状食品の全重量を基準として、好ましくは0.3重量%以下、より好ましくは0.25重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下、最も好ましいのは0.15重量%以下とすることができる。ジェランガム量の下限値は特に限定されないが、当該ゲル状食品の全重量を基準として、0.1重量%以上であることが望ましい。ゲル状食品におけるジェランガム含量の割合が高いと、硬く脆いゲルが形成され食感が悪くなり、逆に、ジェランガム含量の割合が低いと耐熱性が低下し、加温(例えば80℃程度)した際にゲルが融解する。
本発明のゲル状食品に用いられる寒天としては、重量平均分子量が600000以上、好ましくは700000以上、さらに好ましくは800000以上であり、分子量分布が13以下、好ましくは9以下、さらに好ましくは7以下である、高分子量であり、かつ分子量分布の小さな寒天である。なお、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は以下の式より求めることができる。
本発明のゲル状食品には、カチオンを添加することができる。1価のカチオンは、脱アシル型ジェランガムのカルボキシル基の電荷を中和し、分子間を水素結合により会合することにより、脱アシル型ジェランガムをゲル化する。また、2価のカチオンは、脱アシル型ジェランガムのカルボキシル基間をイオン的に架橋して分子間を会合することにより、脱アシル型ジェランガムをゲル化する。
本発明のゲル状食品には、必要に応じて、上記ジェランガム及び寒天に加えてさらなるゲル化剤を加えることができる。さらなるゲル化剤としては、カラギナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアーガム、グルコマンナン、アルギン酸ナトリウム、タラガム、ペクチン等が挙げられ、これらから選択される一又は複数のものを使用することができる。さらなるゲル化剤の添加量は、本発明のゲル状食品の20℃における硬さが2×104N/m2以下となる範囲で、所定の食感を得るべく適宜調整することができる。
本発明のゲル状食品には、必要に応じて、油脂を含めることができる。本発明のゲル状食品に用いられる油脂としては、牛脂、豚脂、魚油、バター、ギー等の動物油脂、大豆油、コーン油、パーム油、菜種油、オリーブオイル等の植物油脂、ジアシルグリセロール、マーガリン等の加工油脂が挙げられる。本発明のゲル状食品は、油脂の分離安定性のために、乳化剤を更に含有しても良い。
本発明のゲル状食品は以下の手順で製造することができる。
まず、原料を均一に溶解・混合し、60℃〜80℃に加熱して原料混合物を調製する。均一な原料混合物を得ることができればよく、原料の混合順序は特に制限されないが、脱アシル型ジェランガムを使用し、カチオンを添加する場合には、次の順序で混合することが好ましい。すなわち、脱アシル型ジェランガムと他の原料を均一に混合した後、カチオンを添加する。脱アシル型ジェランガムはカチオンが存在する溶媒には水和しづらいため、上記の順序で混合することにより均一な原料混合物を得ることができる。また、必要に応じて、ジェランガム、寒天、その他のゲル化剤はそれぞれ別個に、溶解可能な温度まで加熱して適当な溶媒に溶解した後に原料混合物に加えてもよい。
本発明のゲル状食品の硬さは、一般公知の手法で測定することができ、すなわち、一定の速度で圧縮した時のゲル状食品の反発力(弾力)を測定することにより行うことができる。より詳細には、ゲル状食品試料を直径40mmの容器に高さ15mmに充填し、20±2℃の条件下において、当該試料を直径20mmのプランジャーを用い、圧縮速度10mm/sec、クリアランス5mmで定速2回圧縮し、圧縮応力(N/m2)を測定する。
・実施例1〜3、比較例1
表1に示す配合にて、水、原料ペースト、油脂、粉末原料、調味料、脱アシル型ジェランガムと寒天を混合し、ホモジナイザー(PRIMIX株式会社製)で攪拌混合しながら68℃達温まで均質化した。次いで、80℃以上に加熱したゲル化剤(κ−カラギナン、ローカストビーンガム、ι−カラギナン、キサンタンガム)の水溶液を加えて均一になるまで混合し、さらに、70℃の少量のお湯に溶いた乳酸カルシウムを加えて均一になるまで混合した。この混合液を70℃台に保ったままスチール製カップに充填し、プラスチックフィルムを蓋面に被せてシールした。このカップを品温121℃で20分間レトルト殺菌し、十分に冷却して容器入りゲル状食品を得た。
静置加温としてホットベンダー(エイシン電機株式会社)にて品温80℃で4時間保管後にホットベンダーから容器入りゲル状食品を取り出した。容器からゲルを取り出し、ゲルの状態を確認した。また、水温20℃の環境下でゲル状食品を20±2℃まで冷却し、ゲルの強度を測定した。
実施例1は80℃で加温した場合でもゲル状食品の保形成は保たれていた。また、20℃におけるゲルの硬さは1.0×104N/m2であり、咀嚼困難者用ゲル状食品として好ましいものであった。
Claims (3)
- 20℃における硬さが2×104N/m2以下のゲル状食品であって、
ジェランガムと
重量平均分子量が600000以上であり、分子量分布が13以下である寒天
を含有することを特徴とするゲル状食品。 - ジェランガムが脱アシル型ジェランガムである、請求項1に記載のゲル状食品。
- 容器入りである、請求項1又は2に記載のゲル状食品。
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