JP2015195749A - 野菜ゼリー及び野菜ゼリーの素 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、嚥下困難者でも手軽に野菜やタンパク質、カロリーを摂取でき、且つゼリー中の成分によりタンパク質は凝集を起こすことが無いためゼリーの食感は損なわれることがない高カロリーで高タンパク質含有の野菜ゼリー、及びこれらのゼリーが用時調整できる高カロリーで高タンパク質含有の野菜ゼリーの素を提供することを目的とする。【解決手段】 タンパク素材として分離大豆タンパク質を使用することにより、野菜粉末や凝固剤、塩類、糖類、pHの変化によって凝集や変性をおこさず、結果的にゼリーの物性や食感が良好な高カロリーで高タンパク質含有の野菜ゼリー、及び高カロリーで高タンパク質含有の野菜ゼリーの素である。【選択図】 なし

Description

本発明は、簡便に調整することができ、高カロリーで且つ、高齢者や嚥下困難者にも容易に摂取できる野菜粉末およびタンパク質を含むゼリー及びそのゼリーの素に関する。
食の欧米化が進み、メタボリックシンドロームが問題視されるようになり、健康における食の重要性が見直されている。野菜は健康を担う重要な食材であることは、野菜の消費量が多い長野県が長寿県であることからも証明されている。このように野菜は健康に良いことは知られていても、調理に手間がかかることなどから手軽に食することできなかった。特に高齢者などの介護食や嚥下困難者の嚥下食に使用する場合は、調理後更にきざんだり、ミキサーにかけてペーストにし、場合によりゼリー化するなど、更に煩雑な作業が必要であった。また、高齢者や嚥下困難者にタンパク質は重要な栄養素であるが、野菜にはタンパク質が不足している問題点がある。タンパク質を補うために通常のタンパク質を添加すると味が損なわれたりざらつきが生じたり、介護食や嚥下食に適した物性が損なわれることがあった。
さらに高齢者は食が細く、日々必要栄養の食事量を摂食することができず栄養不足になりやすい。このため少量の食事量でも高カロリーを摂取できる、食事重量あたりのエネルギーを従来より高めた高カロリーの料理を提供することが必要とされている。しかしこのような高カロリー食品を作るためには含水量を下げる必要があり、水を多く含む野菜などは使いづらい。また高タンパクにするようタンパク量を高めると他の素材との間で調理中や加工中(熱殺菌)によりタンパク凝集を起こしてしまう問題もある。
従来においては野菜を含んだゼリー状食品は市販されていたが、1gあたりのカロリーが充分でなく、さらに水分を多量に含んだ最終製品であるために流通に耐えうるようにするために加熱による殺菌工程が必要であり、また加熱殺菌による変質が避けられず、経時変化も大きくなるという問題があった。
これに対し、特許文献1には野菜粉末とアミノ酸類を併用し、有機酸を加えてpH5.5以下とし、この水溶液にカラギーナン類等の海藻抽出物とガラクトマンナン、ペクチン、キサンタンガム等の一種類または二種類以上と併用した野菜ゼリーの製造法が記載されている。また特許文献2には活性成分を含有する嚥下食であり、増粘多糖類がキサンタンガムとガラクトース単位に対してマンノース単位がモル以上であるガラクトマンナンとで構成される、ゲル構造の変化点における変形率が20〜50%であり、かつ前記変化点における力学的接損失tanδが0.1〜1であるゲルが記載されている。さらに特許文献3には分離大豆タンパク質を使用した大豆タンパク質配合食品が記載されている。
特開平1−285163 特開2008−99670 特開2002−45149
しかしながら、特許文献1に記載されたものは、凝固剤としてカラギーナン類等の海藻抽出物とガラクトマンナン、ペクチン、キサンタンガム等の1以上を併用しているもののゲルの物性値については何ら記載されていない。また、アミノ酸を使用しているため独特の苦味、エグ味があり味的に満足できるものではなかった。特許文献2に記載されたものはtanδが0.1〜1とするためにキサンタンとガラクトマンナンを併用している。キサンタンガムとガラクトマンナンを併用したゲルは粘弾性が強いゴム状のゲルとなる。このため食品の味立ちや風味が悪くなるという問題がある。また記載された活性成分は素材を羅列しているのみでゲル(ゼリー)に与える影響(ざらつき感や物性変化)については考慮されていない。特許文献3は分離大豆タンパク質を使用しているものの様々な成分が複合的に含まれている野菜粉末の添加については記載がなく、単なるタンパク質含有食品についての記載である。
さらに引用文献1〜3においては高齢者が必要とする高カロリー食品を作るための記載はなく、水を多く含む野菜の加工についてもなんら触れておらず、タンパク量を高めることによる調理中や加工中(熱殺菌)によりタンパク凝集を起こしてしまう問題の改善も記載されていない。
そこで、本発明は、嚥下困難者でも手軽に野菜やタンパク質、カロリーを摂取でき、且つゼリー中の成分によりタンパク質は凝集を起こすことが無いためゼリーの食感は損なわれることがない高カロリーで高タンパク質含有の野菜ゼリー、及びこれらのゼリーが用時調整できる高カロリーで高タンパク質含有の野菜ゼリーの素を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明者らは、創意工夫を重ねた結果、含水している野菜を脱水された状態で利用できる形態、すなわち乾燥野菜として利用すること、このとき好ましくはビタミンやミネラルをなるべく残した状態で乾燥すること、さらに最終の嚥下しやすい形態として粉末や細かい刻み状態にすることを見出した。またタンパク質含量を高めても他の具材の影響を受けないで調理や加熱加工でき凝集のおこらないタンパク素材を見出した。すなわちタンパク素材として分離大豆タンパク質を使用することにより、野菜粉末や凝固剤、塩類、糖類、pHの変化によって凝集や変性をおこさず、結果的にゼリーの物性や食感が良好な高カロリーで高タンパク質含有の野菜ゼリー、及び高カロリーで高タンパク質含有の野菜ゼリーの素を作製できることを見出した。
本発明で使用する野菜粉末や細断品には野菜に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維、色素、ポリフェノールなどが、野菜自体に含有されている糖質やタンパク質と複合して存在しているため、他のタンパク質と共存させた場合、相互作用や変性を起こして凝集を起こしやすいという問題がある。しかし上述したように分離大豆タンパク質を使用することにより凝集や変性を抑えることができるのである。
本発明の高カロリー高タンパク質含有野菜ゼリーは、凝固剤の種類を組み合わせることにより、冷やした状態でも温めた状態でも摂食することができ、料理にあう調理方法に対応することができる。すなわち熱可逆性のゼリーの融解温度の違いを利用することや、熱不可逆性のゼリーを用いることによりゼリーの温度を調整できる。例えば高齢者施設などにおいては微生物危害を防ぐための事前の熱殺菌や温冷配膳車で保温される場合のゼリーの耐熱性が求められることもある。このように熱変化を伴う場合にも、分離大豆タンパク質を使用することにより凝集や変性をおこすことがない。
これらの技術をもとに栄養バランスを整え、高カロリーで高齢者に向く均質な食品となり、かつ品質の経時安定性もよい状態とするために、本発明は乾燥物のミックス品であり、用時加水(冷水または熱水)により、目的の食品が得られる高齢者食品を作り上げた。
すなわち本発明は、タンパク質として分離大豆タンパク質を使用することにより、野菜粉末や凝固剤、塩類、糖類、pHの変化によって凝集や変性をおこさず、結果的にゼリーの物性や食感を変えない安定したタンパク質含有野菜ゼリーを作製できる高カロリー高タンパク質含有野菜ゼリーの素、およびそれから作られる凝固剤でゼリー化した高カロリー高タンパク質含有ゼリーである。
以上のように、本発明によれば、タンパク質として分離大豆タンパク質を使用することにより、野菜粉末や凝固剤、塩類、糖類、pHの変化によって凝集や変性をおこさず、結果的にゼリーの物性や食感を変えない安定したタンパク質含有野菜ゼリー及びタンパク質含有野菜ゼリーの素を提供することができる。また、野菜の摂取が困難であり、且つタンパク質の摂取が重要となる高齢者向けの食品を提供することができる。タンパク質は高齢者の骨格筋を構成するアミノ酸原料になり、またタンパク質から生成されるペプチドが2次的な作用として働き基礎代謝向上などの重要な役割を担う。
本発明のメカニズムについて説明する。タンパク質原料としては主として大豆、乳、小麦、米、畜肉、魚肉、卵などが知られている。タンパク質は多種類のアミノ酸で構成され、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファンなどの塩基性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸などの電荷を有するアミノ酸も含まれている。この電荷を有するアミノ酸が野菜粉末中のミネラル、ペクチン等と反応し結果的にタンパク質と凝集を起こしゼリーにざらつきや分離が生じてしまうのである。これに対し、分離大豆蛋白は、大豆から蛋白を分離させる工程で行われる酸処理等によりタンパク質の変性が事前に行われ、野菜粉末中のミネラル、ペクチン等と反応しにくい構造に変化しているためである。
また、本発明は乾燥された粉末または細断品を原料に使用したゼリー状食品の素であるが、本発明における乾燥された状態とは、原料の流動性に支障のない、外観において粉末状または細断状であればよい。一般的には水分値が13%以下のものであれば問題ない。水分値が高すぎるとゼリー状食品の素が凝集や固結が起きたり、経時安定性が悪くなる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下に説明する部材や材料、配置等によって限定されず、これらの部材等は本発明の主旨に沿って適宜改変することができる。
(野菜ゼリー)
本発明の野菜ゼリーは、寒天、カラギナン、ファーセレラン、脱アシル型ジェランガム、ネーティブ型ジェランガムのいずれか1以上または/および、ローカストビーンガム、タラガム、蒟蒻マンナンのいずれか1以上とカラギナンの組み合わせまたは/および、ローカストビーンガム、タラガム、蒟蒻マンナンのいずれか1以上とキサンタンガムの組み合わせを使用した凝固剤、乾燥野菜粉末または細断品、及び大豆分離タンパク質を必須成分として含有したゼリー状食品および熱水を加えて作製する用時調整用の野菜ゼリーの素である。
(凝固剤)
本発明に使用される凝固剤は、一般的に使用されている寒天、カラギナン、ファーセレラン、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム、ローカストビーンガム、タラガム、蒟蒻マンナン、キサンタンガムであればよい。寒天は特許3023244や特許3414954に示す方法により製造され、従来の寒天に較べて低強度のゲルを形成することができる低強度寒天を使用することも可能である。また、特告昭63−005053などに示されている即溶性に加工された寒天を使用することにより溶解性を改善することができる。カラギナンはゲル化能力の強いκカラギナンが好ましい。ゼリー強度を調整したり、離水を防止する目的でιカラギナンやλカラギナンが使用されることもある。ローカストビーンガムやタラガム、蒟蒻マンナン、キサンタンガムは単独ではゼリー化することはできないがローカストビーンガム、タラガム、蒟蒻マンナンはカラギナンまたはキサンタンガムと反応することによりゼリーを形成する。アルギン酸ナトリウムは単独でゲル化することは無いが、カルシウムイオンと反応することによりゼリーを形成する。アルギン酸ナトリウムとカルシウムイオンとの反応は早くプリセットしてしまうため、実際にはアルギン酸ナトリウムは炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの難溶解性のカルシウム塩とGDL(グルコノデルタラクトン)と併用して用いられる。これらの凝固剤を組み合わせることにより、熱可逆性のゼリーの融解温度の違いを利用すること、熱不可逆性のゼリーを用いることにより、冷やした状態でも温めた状態でも摂食することができるゼリーを提供することができる。
これらの凝固剤を複合させるのに、特に物性や味立ちの点から、寒天、カラギナンとローカストビーンガムの組み合わせ、カラギナンとタラガムの組み合わせのいずれか1以上が好ましい。凝固剤の添加量は、凝固剤の種類、組み合わせにより得られる硬さ、付着性が異なるため、目的の物性になるように調整することが必要であるが、加水して調整した出来上りのゼリーに対して0.03%〜1.5%が好ましい。0.03%より少ないと出来上りのゼリーの破断応力が小さく、逆に1.5%より多いと破断応力が大きすぎる。
(野菜粉末または細断品)
使用する野菜粉末は粉末化できるものであれば特に限定されない。例えば、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、青麦若葉、ケール、人参、トマト、かぼちゃ、キャベツ、レタス、ピーマン、にら、モロヘイヤ、チンゲン菜、野沢菜、などの緑黄色野菜、馬鈴薯、サツマイモ、サトイモ、長いも、などの芋類、ごぼう、大根、小豆、エンドウ、大豆、インゲンなどの豆類、トウモロコシ、きゅうり、もやし、などがある。乾燥方法は、送風乾燥、真空乾燥、真空凍結乾燥、ドラムドライなど通常の乾燥方法であればよい。乾燥野菜は出来上りのゼリーに対し0.5〜30重量%含まれている。野菜粉末含量は多いほど目的を達成するが、0.5重量%より少ないと野菜の存在感が乏しく、30重量%より多いと付着性が上昇しゼリーの物性が悪くなる。乾燥野菜にはビタミンやミネラルがより残存されていることが好ましい。また、本発明においては野菜を乳酸発酵などさせた発酵野菜も含まれる。
(分離大豆タンパク)
分離大豆タンパク質の一般的な製法は、脱脂豆乳に酸(pH4.5付近)を加えカードを形成させる。形成されたカードを分離し中和することにより得られ、酸処理された濃縮大豆タンパク質も分離大豆タンパク質に含まれる。さらに噴霧乾燥等で粉末化することもできる。大豆タンパク質は栄養的にも優れておりPDCAASは1.00である。主成分は大豆グロブリンであり、11S(グリシニン)、7S(β−コングリシニン、γ−コングリシニン)、2S(α-コングリシニン)から形成されている。高濃度において、7Sは粘性のあるソフトなゲルを形成するのに対し、11Sは弾力のある硬いゲルを形成する。これらのタンパク質が抽出時の酸処理により変性するため、野菜や凝固剤と併用した場合でも沈殿や凝集を起こさず滑らかな食感の良好なゼリーが作製できるのである。さらに分離大豆タンパク質には親水性アミノ酸、新油性アミノ酸が局在化した構造があり、乳化作用を有している。このため野菜や素材中に含まれる脂肪分と容易になじむことができ、ゼリーの食感を妨げることがない。分離大豆タンパク質は出来上りのゼリーに対し0.1〜20重量%含まれていることが好ましい。タンパク質含量は多いほど目的を達成する。20重量%より多いとゼリー強度が極端に低下して好ましくない。
(他の成分)
本発明の野菜ゼリーおよび野菜ゼリーの素には凝固剤と分離大豆タンパク質のほかに、本効果を妨げない範囲で他の成分を添加することができる。このような他の成分としては、例えば、多糖類、糖、油脂、塩類、乳化剤、機能性物質などが挙げられる。多糖類としては、フェヌグリークガム、グアガム、アラビアガム、キサンタンガム、α化デンプン、大豆多糖類、ペクチン、プルラン、アルギン酸プロピレングリコール、タマリンドガム、デンプン、などがある。糖類としてはデキストリン、オリゴ糖、2糖類、単糖類、還元糖、などがある。油脂は特に規定はないが粉末油脂が好ましい。機能性成分としては酸化防止剤、アガロオリゴ糖、ポリフェノール類、ビタミン、ミネラルなどがある。また、保存性を高める目的で防腐剤を添加しても良い。防腐剤としては、ソルビン酸、安息香酸、パラオキシ安息香酸類などの合成品、ポリリジン、グリシン、プロタミン、ペクチン分解物、その他の天然物由来の抗菌成分などが挙げられる。味の調整の調味料、香辛料、酸味料を加えることもできる。
本発明品は用時調整できるゼリーの素であるために、栄養バランスを整えるためにビタミン、ミネラル、脂質を任意に添加することが可能になり、しかも水分値が低いために経時変化が少なく、高齢者にとって理想的な栄養バランスに仕上げることが可能になる。また乾燥品であるために、ビタミンの失活やタンパク質の変性を防ぐことができる。
(野菜ゼリーの製造方法)
本発明の野菜ゼリーは作製方法に特に限定はないが、凝固剤を溶解温度以上の水で溶解して使用する通常のゼリーの作製方法であればよい。用時調整のものは調味料や具材にゲル化剤と分離大豆タンパク質を混ぜた状態(野菜ゼリーの素)で保管し、使用時に熱湯を添加して凝固剤等を溶解させて野菜ゼリーを作製することができる。本発明品は乾燥された状態のゼリーの素であるために保存性がよいことが特徴である。
(嚥下食としての物性)
本発明の野菜ゼリーは20℃において、破断応力が300N/m〜20000N/m、付着性が1J/m〜1500J/m、凝集性が0.2〜0.9の範囲に調整されている。これは厚生労働省が規格化している特別用途食品の許可基準3に適合しており、嚥下困難者にも容易に適用することができる。また、硬さは凝固剤の添加量を任意に変えることにより調整できる。
本発明の野菜ゼリーの物性(破断応力、付着性、凝集性)は以下の方法で測定することができる。
破断応力、付着性、凝集性:テクスチャーアナライザー(TxPuls 英弘精機社製)を使用した。測定条件は直径20mmの円柱状プランジャーを使用し、進入速度20mm/分、測定温度20℃とした。クリアランスは5mm、圧縮は1mm/秒を2回、測定容器はシャーレとし直径40mm、高さ15mmのシャーレに充填されたゼリーを測定する。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り重量基準である。
実施例及び比較例に用いた主たる原料等は、以下の通りである。
寒天(1):伊那寒天UP−37(即溶性寒天)(伊那食品工業社製)Mw250000
寒天(2):伊那寒天S−7(伊那食品工業社製)Mw250000
低強度寒天(1):ウルトラ寒天UX−200(伊那食品工業社製)Mw95000
キサンタンガム:ケルトロール(CPケルコ社製)
カラギナン(1):イナゲルE−25 κタイプ(伊那食品工業社製)
カラギナン(2):イナゲルV−120 ιタイプ(伊那食品工業社製)
ファーセレラン:ファーセレラン(伊那食品工業社製)
脱アシル型ジェランガム:ケルコゲル(CPケルコ社製)
ネーティブ型ジェランガム(CPケルコ社製)
ローカストビーンガム:イナゲルL−15(伊那食品工業社製)
タラガム:イナゲル タラガムA(伊那食品工業社製)
蒟蒻マンナン:イナゲル マンナン100(伊那食品工業社製)
アルギン酸ナトリウム:イナゲルGS−70(伊那食品工業社製)
リン酸1水素カルシウム:(太平化学産業社製)
GDL:(協和ハイフーズ社製)
野菜粉末(1):人参パウダー(こだま食品社製)
野菜粉末(2):かぼちゃパウダー(こだま食品社製)
野菜粉末(3):トマトパウダー(こだま食品社製)
野菜粉末(4):ほうれん草パウダー(こだま食品社製)
野菜粉末(5):コーンパウダー(こだま食品社製)
野菜粉末(6):さつまいもパウダー(こだま食品社製)
野菜粉末(7):馬鈴薯パウダー(カルビーポテト社製)
野菜粉末(8):ごぼうパウダー(こだま食品社製)
野菜粉末(9):枝豆パウダー(こだま食品社製)
分離大豆タンパク質(1):ニューフジプロSE(不二製油社製)
分離大豆タンパク質(2):フジプロCLE(不二製油社)
分離大豆タンパク質(3):SUPRO710(不二製油社製)
分離大豆タンパク質(4):ニューフジプロ1200(不二製油社製)
分離大豆タンパク質(5):フジプロCL(不二製油社製)
分離大豆タンパク質(6):フジプロE(不二製油社製)
乳タンパク質(1):ビプロ(DAVISCO FOODS社製)
乳タンパク質(2):WPI(フォンテラジャパン)
卵タンパク質:卵白粉末(キユーピー社製)
小麦タンパク質:AグルG(グリコ栄養食品社製)
魚肉タンパク質:市販のかまぼこ用魚肉すり身を真空凍結乾燥により乾燥粉末化(水分値10%)
豆乳粉末:ソヤフィット2000(不二製油社製)
デキストリン:パインデックス#4(松谷化学工業社製)
粉末油脂:エマファット(理研ビタミン社製)
(試験例1)
タンパク質の比較
(実施例1〜6、比較例1〜5)
表1及び2に示した配合の野菜ゼリーの素を作製した。次にこの野菜ゼリーの素を使用して野菜ゼリーを作製した。具体的には表1の粉末成分100gを混合し、95℃の水200gを加え1分間撹拌し溶解した。この溶液を直径40mm、高さ15mmのシャーレに充填、蓋をして、4℃に2時間放置しゲル化させた。これを20℃で1時間放置後に物性を測定した。物性(評価項目)はゲルの破断応力(かたさ)、付着性、凝集性、官能検査として外観(凝集物の有無)、食感(滑らかさ)、野菜ゼリーの素の水分値、野菜ゼリーの1gあたりのカロリーを測定し表3に示した。
評価項目
(1)破断応力(かたさ)(N/m
(2)付着性(J/m
(3)凝集性
(1)〜(3)
テクスチャーアナライザー(TxPuls 英弘精機社製)を使用した。測定条件は直径20mmの円柱状プランジャーを使用し、進入速度20mm/分、測定温度20℃とした。クリアランスは5mm、圧縮は1mm/秒を2回、測定容器はシャーレとし直径40mm、高さ15mmのシャーレに充填されたゼリーの物性を測定した。
(4)外観
ゼリーの凝集または分離状態を目視により確認した。状態を下記の指標で表した。
A:凝集または分離がない
B:凝集または分離が極わずか確認されるが問題ない程度
C:凝集または分離が激しい
(5)食感
ゼリーの食感を10名のパネラーで調べた。結果を下記の指標で表した。
A:非常に滑らかで軟らかく食べやすい
B:極わずかざらつきを感じるが軟らかく問題なく食することができる
C:ざらつき感が強く違和感がある。またゼリーがばらけやすい。
(6)ゼリーの素の水分値
ゼリーの素10gを105℃に6時間放置し、減少した重量を水分値とした。
(7)作製したゼリーの1g当たりのカロリー
作製したゼリーの1g当たりのカロリーを計算により算出した。
以上のように実施例1〜6にかかる分離大豆タンパク質は良好な物性であったのに対し、他のタンパク質を使用した比較例1〜6は分離や沈殿が生じ、食感もざらつきがあり好ましくなかった。
(試験例2)
野菜粉末の種類
(実施例7〜15)
表4及び5に示した配合にて野菜ゼリーの素を作製した。次にこの野菜ゼリーの素を使用して野菜ゼリーを作製した。具体的には表4の粉末成分100gを混合し、95℃の水200gを加え、95℃に加温しながら1分間撹拌し溶解した。以後は試験例1と同様にして野菜ゼリーの物性を測定し結果を表6に示した。
以上のように分離大豆タンパク質を使用した場合、野菜粉末の種類を変えても分離や沈殿が生じることが無く、食感もなめらかで良好な結果であった。
(試験例3)
凝固剤の種類
(実施例16〜24)
表7及び8に示した配合にて野菜ゼリーの素を作製した。次にこの野菜ゼリーの素を使用して野菜ゼリーを作製した。具体的には表7の粉末成分100gを混合し、95℃の水200gを加え、1分間撹拌し溶解した。以後は試験例1と同様にして野菜ゼリーの物性を測定し結果を表9に示した。
以上のように本願に係る凝固剤を使用することにより良好な物性を得ることができる。
(試験例4)
野菜粉末量
(実施例25〜28)
表10に示した配合にて野菜ゼリーの素を作製した。次にこの野菜ゼリーの素を使用して野菜ゼリーを作製した。具体的には表10の粉末成分100gを混合し、95℃の水200gを加え、95℃に加温しながら1分間撹拌し溶解した。以後は試験例1と同様にして野菜ゼリーの物性を測定し結果を表11に示した。
以上のように、野菜粉末の量は出来上りのゼリー量に対し0.5%〜30%の範囲において良好な結果が得られた。
(実験例5)
分離大豆タンパク質量
(実施例29〜32)
表12に示した配合にて野菜ゼリーの素を作製した。次にこの野菜ゼリーの素を使用して野菜ゼリーを作製した。具体的には表12の粉末成分100gを混合し、95℃の水200gを加え、95℃に加温しながら1分間撹拌し溶解した。以後は試験例1と同様にして野菜ゼリーの物性を測定し結果を表13に示した。
以上のように、分離大豆タンパク質の量は出来上りのゼリー量に対し0.1%〜20%の範囲において良好な結果が得られた。
(実験例6)
経時変化
(実施例33)
表14に示した配合にて用時調整できるタンパク質を添加した野菜ゼリーの素を作製した。これをアルミニウムのラミネート袋に充填して25℃の恒温槽にて2年間保管した。
保管直後(実施例33)と2年後(実施例34)において、ゼリーの物性を比較した。ゼリーの作製方法は、粉末100gに95℃の水200gを加え、95℃に加温しながら1分間撹拌し溶解した。以後は試験例1と同様にして野菜ゼリーの物性を測定し結果を表15に示した。
以上のように作製直後と2年間保存後の物性は同一であり保存性の良好な野菜ゼリーの素であることが示された。
(実験例7)
(実施例35〜39)
表16の配合にて野菜ゼリーを作製した。具体的には表16の粉末成分100gを混合し、95℃の水200gを加え、1分間撹拌し溶解した。以後は試験例1と同様にして野菜ゼリーの物性を測定し結果を表17に示した。
調整された出来上りの野菜ゼリーに対して凝固剤量が0.05%〜1.35%において良好な物性のゼリーが得られた。
(試験例8)
加熱装置としてスチームコンベクションを使用
(実施例40〜63 ,比較例7〜12)
表18及び19、表20及び21、表22および23に示した配合の野菜ゼリーの素を作製した。次にこの野菜ゼリーの素を使用して野菜ゼリーを作製した。具体的には表18、表20、表22の粉末成分100gを混合し、60℃の水200gを加え1分間撹拌した。この溶液を直径40mm、高さ15mmのシャーレに充填、蓋をした後、スチームコンベクション(Self Cooking Center,RATIONAL社製)を用いて90℃で15分間加熱し、中心温度が80℃以上になるように熱殺菌と加熱調理を兼ねて行った。これらについて、4℃に2時間放置しゲル化させてさらに20℃で1時間放置し物性を測定した。測定項目は試験例1で示した、破断応力、付着性、官能検査として外観、食感とし、結果を表24に示した。
以上のように調理器具としてスチームコンベクションを使用した場合においても良好な物性が得られた。
(試験例9)
60℃における物性
介護現場においては温冷配膳車を使用して温かい介護食の配膳も行われる。そのため実施例40〜63で作製した、4℃で2時間放置したシャーレに充填されたゼリーを、60℃に1時間放置した後、60℃における物性を測定した。測定項目は試験例1で示した、破断応力、付着性、官能検査として外観、食感とし、結果を表25に示した。
以上のように60℃においてもゼリーが溶解することなく良好な物性が得られた。
(試験例10)
野菜粉末を使用しない場合
(参考例1〜12)
表1及び表2に示した配合のうち、野菜粉末(1)の代わりにデキストリンを使用した以外は試験例1と同様にしてタンパク質含有ゼリーを作製した。これらについて20℃における外観を確認し、表26に示した。
以上のように野菜粉末が添加されない場合においては何れのタンパク質を使用した場合においても作製したゼリーに凝集や分離は確認されず、野菜粉末の添加により分離大豆タンパク質以外のタンパク質において分離が生じることが確認された。

Claims (4)

  1. 寒天、カラギナン、ファーセレラン、脱アシル型ジェランガム、ネーティブ型ジェランガム、アルギン酸ナトリウムのいずれか1以上または/および、ローカストビーンガム、タラガム、蒟蒻マンナンのいずれか1以上とカラギナンの組み合わせまたは/および、ローカストビーンガム、タラガム、蒟蒻マンナンのいずれか1以上とキサンタンガムの組み合わせを使用した凝固剤、乾燥野菜粉末または細断品、及び乾燥大豆分離タンパク質を必須成分として含有したゼリー状食品を作製するための、水分値が13%以下であって加水して作製することを特徴とするゼリー状食品の素
  2. 加水して喫食状態のゼリー状にしたときのカロリーが1.3kcal/g以上であることを特徴とする請求項1のゼリー状食品の素
  3. 加水して喫食状態のゼリー状にしたときの20℃における物性が、破断応力が300N/m〜20000N/m、付着性が1J/m〜1500J/m、凝集性が0.2〜0.9の範囲であることを特徴とする請求項1〜2のゼリー状食品の素。
  4. 請求項1〜3に記載の特徴を有するゼリー状食品の素に加水して用時調整されるゼリー状食品であって、カロリーが1.3kcal/g以上であり、且つ20℃における物性が、破断応力が300N/m〜20000N/m、付着性が1J/m〜1500J/m、凝集性が0.2〜0.9の範囲であることを特徴とするゼリー状食品
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