JP5373227B1 - 栄養組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明による栄養組成物の製造方法は、タンパク質と、2種以上のミネラルを含むミネラル群とを含んでなる栄養組成物の製造方法であって、
ホエイタンパク質由来のタンパク質量が2〜12g/100mlとなる量でホエイタンパク質を含むタンパク質濃厚水溶液に、
a)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体もしくは水溶液、又は
b)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルと、ミネラル群に含まれる他の1種以上のミネラルとからなるミネラル粉体混合物
を投入して混合し、
ミネラル群に残りの種のミネラルが存在する場合には、得られたタンパク質濃厚水溶液にさらに残りの種のミネラルの粉体を同時または逐次投入して混合することを含む。

Description

関連出願の参照
本特許出願は、先に出願された日本国特許出願である特願2011−270610号(出願日:2011年12月9日)に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体を参照することによりここに組み込まれる。
発明の背景
技術分野
本発明は、タンパク質およびミネラルを含む栄養組成物の製造方法に関する。
背景技術
高齢者など食物の咀嚼・嚥下が低下した者(嚥下困難者)や、手術前後の患者は、食物から体に必要な各種栄養素(タンパク質、糖質、脂質、ミネラル、ビタミン類、水など)を得ることができないため、流動食、医療食および経腸栄養剤を、食品または医薬として経口摂取または経腸(経管)投与している。また、近年では、手軽に必要な栄養素を補給するための栄養補給飲食品が、健康志向の高い人々に広まっている。
前記栄養素の中でも、タンパク質およびミネラルを高濃度で含む栄養組成物は、栄養学的なバランスが良いため、臨床現場だけでなく多くの現場で求められている。
このようなタンパク質とミネラルを高濃度で含有する栄養組成物として、例えば、特許第4344943号公報(特許文献1)には、ホエイタンパク質とカルシウムを高濃度で含有する酸性ゲル状組成物の製造方法が開示されている。しかしながら、この栄養組成物には、カルシウム以外のミネラルは高濃度で含まれていない。
ホエイタンパク質は、国際公開2008/136420号(特許文献2)でも報告されているように、その性質上、高温の水溶液中に高濃度で存在する状態では、ゲル化や凝集が起こりやすい。
また、ミネラルは、タンパク質を高濃度で含む水溶液に添加すると、ミネラルの塩析作用によりタンパク質を不安定化し、水溶液の粘度を増加させたり、凝集や沈殿物を発生させたりすることが報告されている(特開2008−301723号公報参照)。
特許第4344943号公報 国際公開2008/136420号
ホエイタンパク質が水溶液中に高濃度で存在する状態では、ゲル化や凝集を生じやすく、その状態にさらにミネラルが加わると、ゲル化や凝集がいっそう起こりやすくなる。実際に、本発明者らがホエイタンパク質を高濃度に含むタンパク質濃厚水溶液にミネラルの粉体を添加したところ、ミネラル添加時の混合液には粘度の増加およびゲル化がみられ、ミネラルを混合するには強い撹拌力を用いてもかなりの時間が必要であり、さらには均一に混合できない部分もあった。また、混合液は、粘度が過度に増加したため一定の流動性を保てなくなり、製造ラインの送液ポンプや攪拌機等の機器類へ過剰な負荷をかけることもあった。そのため、ミネラルをタンパク質濃厚水溶液に均一に混合し、かつ製造時の混合液の流動性を維持するためには、事前に複数種類のミネラルを水に溶解し、ミネラル溶解水の形態で添加する必要があった。
しかしながら、この方法は、工場などの生産量が多い場合には、複数種類のミネラル溶解水をあらかじめ調製および保存するためのタンクやラインが必要となるため、製造工程は煩雑であり、かつ、コスト上も不利であった。また、ミネラル溶解水に含まれる水により、混合するタンパク質濃厚水溶液のタンパク質がさらに希釈されるため、高濃度のタンパク質を含む栄養組成物を製造するには、効率が悪かった。
本発明者らは、今般、ホエイタンパク質を含むタンパク質濃厚水溶液に、最初に投入するミネラルの種類およびその組合せにより、ミネラルを投入した後の混合液の粘度および状態が変化することを、予想外にも見出した。そして、水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルを、粉体もしくは水溶液の形態で単独、または粉体の形態で他の1種以上のミネラルと混合して、最初に投入することによって、ミネラル溶解水を用いなくても、ミネラルを投入した後の混合液の急激な粘度増加およびゲル化を防ぐことができることを見出し、ミネラルが均一に混合した栄養組成物を製造することに成功した。本発明はこれら知見に基づくものである。
よって本発明は、簡便、かつ、効率的に、低コストで、ミネラルが均一に混合されたタンパク質およびミネラルを高濃度で含む栄養組成物の製造方法を提供することをその目的とする。
本発明による栄養組成物の製造方法は、
タンパク質と、ナトリウム、カリウム、鉄、カルシウムおよびマグネシウムから選択される2種以上のミネラルを含むミネラル群とを含んでなる栄養組成物の製造方法であって、
ホエイタンパク質由来のタンパク質量が2〜12g/100mlとなる量でホエイタンパク質を含むタンパク質濃厚水溶液に、
a)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体もしくは水溶液、または
b)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルと、ミネラル群に含まれる他の1種以上のミネラルとからなるミネラル粉体混合物
を投入して混合し、
ミネラル群に残りの種のミネラルが存在する場合には、得られた混合液にさらに残りの種のミネラルの粉体を同時または逐次投入して混合する
ことを含む、製造方法である。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明による栄養組成物の製造方法において、タンパク質濃厚水溶液、タンパク質濃厚水溶液に前記a)のミネラルの粉体もしくは水溶液または前記b)のミネラル粉体混合物を投入して得られる混合液、および前記混合液に残りのミネラルを投入して得られる混合液は、機械的撹拌可能な流動性を有する。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明による栄養組成物の製造方法において、タンパク質濃厚水溶液、タンパク質濃厚水溶液に前記a)の粉体または前記b)の粉体混合物を投入して得られる混合液、および前記混合液に残りのミネラルを投入して得られる混合液の粘度は、1〜7000mPa・s(20℃、12rpm、B型粘度計)である。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明による栄養組成物の製造方法において、タンパク質濃厚水溶液は糖質をさらに含み、タンパク質濃厚水溶液中における糖質の濃度は50g/100ml以下である。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明による栄養組成物の製造方法において、水溶液中で2価イオンとなるミネラルは、カルシウムまたはマグネシウムである。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明による栄養組成物の製造方法において、タンパク質濃厚水溶液のpHは、2.5〜8である。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明により製造される栄養組成物は、亜鉛、銅、マンガン、セレン、モリブデンおよびクロムから選択される1種以上の追加ミネラルをさらに含む。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明により製造される栄養組成物は、脂質をさらに含む。
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明により製造される栄養組成物の熱量は、0.5〜2.5kcal/mlである。
本発明の別の態様によれば、本発明により製造される栄養組成物は、食品組成物または医薬組成物である。
本発明の別の態様によれば、本発明により製造される栄養組成物は、流動食、医療食、経腸栄養剤、特別用途食品、または栄養補給飲食品である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明により製造される栄養組成物は、嚥下困難者用食品である。
本発明の他の態様によれば、本発明の栄養組成物は、本発明の栄養組成物の製造方法により製造されたものある。
本発明によれば、簡便、かつ、効率的に、低コストで、ミネラルが均一に混合された、タンパク質およびミネラルを高濃度で含む栄養組成物の製造方法を提供することができる。また、本発明の製造方法は、製造時の混合液の過度な粘度上昇を防ぐことができるため、製造ラインの送液ポンプや攪拌機等の機器類へ過剰な負荷をかけずに、栄養組成物を製造することができる。さらに、本発明の製造方法では、複数種類のミネラル溶解水を調製および保存するタンクが不要なため、小規模な工場であっても適用可能である。
発明の具体的説明
本発明の栄養組成物の製造方法は、前記したように、タンパク質と、ナトリウム、カリウム、鉄、カルシウムおよびマグネシウムから選択される2種以上のミネラルを含むミネラル群とを含んでなる栄養組成物の製造方法であって、
ホエイタンパク質由来のタンパク質量が2〜12g/100mlとなる量でホエイタンパク質を含むタンパク質濃厚水溶液に、
a)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体もしくは水溶液、または
b)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルと、ミネラル群に含まれる他の1種以上のミネラルとからなるミネラル粉体混合物
を投入して混合し、
ミネラル群に残りの種のミネラルが存在する場合には、得られた混合液にさらに残りの種のミネラルの粉体を同時または逐次投入して混合する
ことを含む、製造方法である。
ここで、本発明により製造される栄養組成物は、タンパク質と、ミネラル群とを含んでなる。また、本発明により製造される栄養組成物は、さらに、糖質、脂質、追加ミネラル、食物繊維および他の成分から選択される1種以上の成分を、必要に応じて含んでいてもよい。
タンパク質
本発明で用いられるタンパク質は、少なくともホエイタンパク質由来のタンパク質を含む。
ここで、本発明において「タンパク質量」とは、ホエイタンパク質や後述する他のタンパク質などの各種タンパク質に含まれるアミノ酸高分子としてのタンパク質の量を意味する。タンパク質量は、例えば、公知の情報に基づいて算出してもよく、またケルダール法やローリー法などの慣用の方法により測定し算出してもよい。例えば、ケルダール法の場合、各種タンパク質に含まれる窒素を測定し、その値に窒素−タンパク質換算係数(通常6.25)を乗じて算出することができる。例えば、タンパク質含有率が90重量%のホエイタンパク質の場合には、ホエイタンパク質1gに含まれるタンパク質量は、0.9gとなる。
本発明において「ホエイタンパク質」には、ホエイの原液や濃縮物、分離物、乾燥物、凍結物、加水分解物、およびホエイ粉等の還元溶液が包含される。本発明で用いられるホエイタンパク質としては、ホエイタンパク質精製物(WPI)、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)、甘性ホエイ、酸ホエイ、脱塩ホエイ、α−La(ラクトアルブミン)、およびβ−Lg(ラクトグロブリン)などが包含され、これらは組み合わせて使用してもよい。また、これらは市販品を使用してもよい。ホエイの主要な成分組成は、典型例を挙げると、WPCでは、例えば、固形分が95.5%であり、このとき、タンパク質が76.0%、乳糖が12.0%、灰分が2.5%である。WPIでは、例えば、固形分が94.1%であり、このとき、タンパク質が90.0%、乳糖が1.7%、灰分が1.8%である。また、甘性ホエイ粉では、例えば、固形分が97.0%であり、このとき、タンパク質が12.0%、乳糖75.5%、灰分8.5%である。脱塩ホエイ粉では、例えば、固形分が98.1%であり、このとき、タンパク質が11.8%、乳糖が79.7%、灰分が5.6%である。そして、脱脂粉乳では、例えば、固形分が95.5%であり、このとき、タンパク質が34.0%、乳糖53.5%、灰分8.0%である。これらの主要な成分組成は、ホエイの原料や製品、調製方法などにより変動しうる。
本発明で用いられるホエイタンパク質は、好ましくは、ホエイタンパク質濃縮物(WPC)、ホエイタンパク質精製物(WPI)、甘性ホエイ粉、酸ホエイ粉、脱塩ホエイ粉、またはこれらの混合物であり、より好ましくはWPIであり、さらに好ましくは酸性WPIまたは中性WPIである。ここで、酸性WPIとは、水溶液中で酸性(pH6未満)となるものを意味し、中性WPIとは、水溶液中で中性(pH6〜8)となるものを意味する。
本発明において、タンパク質濃厚水溶液とは、タンパク質などを水に添加し、混合した水溶液であって、少なくとも水溶液中にホエイタンパク質を含むものを意味する。具体的には、タンパク質濃厚水溶液は、ホエイタンパク質が均一に溶解および/または分散した状態になっているものである。ここで、均一に分散とは、ホエイタンパク質のダマが存在しない程度を指す。
タンパク質濃厚水溶液の調製において、水に、ホエイタンパク質を添加し混合する際の温度は、好ましくは50〜80℃、より好ましくは50〜70℃、さらに好ましくは50〜65℃、さらにより好ましくは56〜65℃である。
タンパク質濃厚水溶液中のホエイタンパク質の濃度は、ホエイタンパク質由来のタンパク質量が2〜12g/100mlとなる濃度であり、好ましくは4〜12g/100ml、より好ましくは6〜12g/100ml、さらにより好ましくは8〜12g/100mlとなる濃度である。
タンパク質濃厚水溶液のpHは、好ましくは2.5〜8、より好ましくは3〜6である。
本発明の一つの態様によれば、本発明で用いられるタンパク質は、ホエイタンパク質以外に、他のタンパク質由来のタンパク質をさらに包含していてもよい。
他のタンパク質とは、ホエイタンパク質以外のタンパク質を意味する。他のタンパク質は、食品や医薬用途に使用可能なものであれば特に限定されず、いずれのものであってもよい。このようなタンパク質の具体例としては、乳タンパク質(カゼイン、カゼインナトリウム、α−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン、MPC(Milk Protein Concentrate)、脱脂粉乳、全粉乳、部分脱脂乳、れん乳等)、大豆タンパク質(グリシニン、βコングリシニン等)、小麦タンパク質(グルテン、グルアジン、グルテリン等)、畜肉タンパク質(筋肉構造タンパク、ミオシン、アクチン等)、魚肉(筋繊維タンパク、アクトミオシン、ミオシン、アクチン等)、鶏卵タンパク質(卵白アルブミン、卵黄リポタンパク等)、豚皮タンパク質(ゼラチン等)、コラーゲン等、またはこれらタンパク質の加水分解物を挙げることがでる。これらは、単独で使用しても、任意に組み合わせて使用してもよい。
他のタンパク質は、タンパク質濃厚水溶液の粘性や、水溶液中で2価イオンとなるミネラル添加後の混合液の物性に実質的な影響を及ぼさない限りにおいて、ミネラル群を投入する前のタンパク質濃厚水溶液に添加してもよい。また、栄養組成物の物性に実質的な影響を及ぼさない限りにおいて、タンパク質濃厚水溶液とミネラル群とを混合した後に添加してもよい。好ましくは、他のタンパク質は、タンパク質濃厚水溶液に添加するものである。
タンパク質濃厚水溶液中の他のタンパク質の濃度は、水溶液に投入するミネラルを均一に撹拌することができる限り、特に限定されない。具体的には、他のタンパク質の濃度は、作製する栄養組成物の熱量、粘度、pH、イオン強度、温度、タンパク質の種類・含量、他成分の種類・含量、および均質処理圧などによって適宜調整することができる。
ミネラル群
本発明で主に用いられるミネラルは、ナトリウム、カリウム、鉄、カルシウムおよびマグネシウムから選択される。
本発明において、ミネラル群とは、前記ミネラルの2種以上を含んでなり、かつ、その中の少なくとも1種以上が水溶液中で2価イオンとなるミネラルである群を意味する。
本発明において、水溶液中で2価イオンとなるミネラルとは、前記ミネラル群のうち、鉄、カルシウムまたはマグネシウムから選択されるミネラルを意味する。この水溶液中で2価イオンとなるミネラルが、タンパク質濃厚水溶液に前記ミネラル群を添加した際に起こる、混合液の粘度増加を抑えゲル化を防止する。水溶液中で2価イオンとなるミネラルは、好ましくは、カルシウムまたはマグネシウムである。
本発明で用いられるミネラルの存在形態は、有機酸塩(グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩等)、無機塩(塩化物塩、水酸化物塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等)、炭酸塩、ミネラル酵母(亜鉛酵母、セレン酵母、クロム酵母、マンガン酵母等)、ミネラルを多く含む食品(カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、カゼインナトリウムカルシウム、にがり、卵殻カルシウム、貝殻カルシウム、珊瑚カルシウム、脱脂粉乳、海藻、魚介類、ドロマイト等)など、いずれの形態であってもかまわない。
本発明において、粉体とは、多数の固体の微粒子の集合体を意味する。本発明において、粉体は主に目的とする成分からなるものであってもよく、賦形剤等の他の成分を含むものであってもよい。また、本発明において、ミネラル粉体とは、ミネラルが粉体の状態であるものを意味する。
本発明において、ミネラルの水溶液とは、ミネラルを、水、または水および有機溶媒の混合溶媒に、溶解または分散したものを意味する。ここで、本発明で用いられる有機溶媒としては、食品や医薬用途に使用可能なものであれば特に限定されず、例えば、エタノールなどが挙げられる。
本発明において、ミネラル粉体混合物とは、2種以上のミネラルが粉体の状態で混合しているものを意味する。具体的には、ミネラル粉体混合物は、2種以上のミネラルの粉体同士をあらかじめ混合したものであってもよい。ここで混合方法としては、例えば、ブレンダーなど粉粒体の混合装置を用いた混合や、袋など容器につめて手動で混合する方法が挙げられる。あるいは、ミネラル粉体混合物は、2種類以上の固形または粒状のミネラルを混合し、その後粉砕することにより粉体の状態にしたものであってもよい。さらに、ミネラル粉体混合物は、2種以上のミネラルを含む水溶液の水分を蒸発させて得られた結晶であってもよい。
タンパク質濃厚水溶液にミネラル群を投入し混合する際の温度は、好ましくは50〜80℃、より好ましくは50〜70℃、さらに好ましくは50〜65℃、さらにより好ましくは56℃〜65℃である。
タンパク質濃厚水溶液にミネラル群を投入した後の混合液のpHは、タンパク質および前記ミネラル群に含まれるミネラルの種類および濃度により変動する。好ましくは、2.5〜8である。
タンパク質濃厚水溶液中のカルシウム、マグネシウム、鉄、ナトリウムまたはカリウムの濃度は、作製する栄養組成物のpH、イオン強度、温度、ミネラルの種類、タンパク質の種類・含量、他成分の種類・含量などによって適宜調整することができる。例えば、カルシウムの場合は、前記濃度はミネラル換算量で、好ましくは10〜230mg/100mlであり、より好ましくは100〜200mg/100mlであり、さらに好ましくは100〜160mg/100mlである。マグネシウムの場合は、前記濃度はミネラル換算量で、好ましくは10〜124mg/100mlであり、より好ましくは30〜100mg/100mlであり、さらに好ましくは30〜60mg/100mlである。ナトリウムの場合は、前記濃度はミネラル換算量で、好ましくは15〜400mg/100mlであり、より好ましくは60〜300mg/100mlであり、さらに好ましくは100〜200mg/100mlである。カリウムの場合は、前記濃度はミネラル換算量で、好ましくは15〜350mg/100mlであり、より好ましくは30〜340mg/100mlであり、さらに好ましくは80〜330mg/100mlであり、100〜200mg/100mlである。ここで、ミネラル換算量とは、ミネラルが含まれる塩の形態での、ミネラルのみを分子量から計算したものを意味する。また、ホエイタンパク質に含まれる(ホエイタンパク質由来の)タンパク質量に対する換算ミネラル含有量とは、ホエイタンパク質中に含まれるタンパク質量に対するミネラル換算量に100分率をかけたものである。
タンパク質濃厚水溶液中における水溶液中で2価イオンとなるミネラルの濃度は、タンパク質濃厚水溶液に含まれるホエイタンパク質に含まれるタンパク質の濃度や、ミネラル群のうち水溶液中で1価イオンとなるミネラルの種類・濃度により変動する。すなわち、水溶液中で2価イオンとなるミネラルのタンパク質濃厚水溶液中における含有量は、所望の粘度増加を抑えることができる限り、タンパク質濃厚水溶液中のホエイタンパク質由来のタンパク質量に対し、適宜調製することができる。水溶液中で2価イオンとなるミネラルのタンパク質濃厚水溶液中における含有量(換算ミネラル含有量)は、好ましくは、ホエイタンパク質由来のタンパク質量に対して0.2重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは0.6重量%以上、さらにより好ましくは0.7重量%以上である。なお、この含有量は、水溶液中で2価イオンとなるミネラルを単独で最初に投入した場合の量である。したがって、水溶液中で2価イオンとなるミネラルを2種以上混合する場合には、2種以上のミネラルの合計含有量としてこれらの数値以上となっていればよい。含有量の上限は、作製する栄養組成物のpH、イオン強度、温度、ミネラルの種類・含量、他成分の種類・含量などによって適宜調整することができる。
本発明により製造される栄養組成物は、カルシウムを強化しあるいは多く含ませたものであってもよい。ここで、健康増進法第31条第1項の規定に基づく厚生労働省の告示である栄養表示基準によると、カルシウムが「高い」「多い」等の文言を使用するためには、カルシウムの含量について210mg/100g以上、105mg/100ml以上、あるいは70mg/100kcal以上のいずれかを満たしておればよいとされている。
また、「強化」「含む」等の文言を表示するためには、カルシウムの含量について105mg/100g以上、53mg/100ml以上、あるいは35mg/100kcal以上のいずれかを満たしておればよいとされている。よって、具体的には、本発明の製造方法による栄養組成物に含まれるカルシウムの濃度は、ミネラル換算で210mg/100g以上、105mg/100ml以上、70mg/100kcal以上、105mg/100g以上、53mg/100ml以上または35mg/100kcal以上のいずれかを満たしていてもよい。
本発明により製造される栄養組成物は、マグネシウムを強化しあるいは多く含ませたものであってもよい。ここで、前記栄養表示基準によると、マグネシウムが「高い」「多い」等の文言を表示するためには、マグネシウムの含量について75mg/100g以上、38mg/100ml以上、あるいは25mg/100kcal以上のいずれかを満たしておればよいとされている。また、「強化」「含む」等の文言を使用するためには、マグネシウムの含量について38mg/100g以上、19mg/100ml以上、あるいは13mg/100kcal以上のいずれかを満たしておればよいとされている。よって、具体的には、本発明の製造方法による栄養組成物に含まれるマグネシウムの濃度は、ミネラル換算で75mg/100g以上、38mg/100ml以上、25mg/100kcal以上、38mg/100g以上、19mg/100ml以上または13mg/100kcal以上のいずれかを満たしていてもよい。
本発明により製造される栄養組成物は、鉄分を強化しあるいは多く含ませたものであってもよい。ここで、前記栄養表示基準によると、鉄分が「高い」「多い」等の文言を表示するためには、鉄の含量について2.25mg/100g以上、1.13mg/100ml以上あるいは0.75mg/100kcal以上のいずれかを満たしておればよいとされている。また、「強化」「含む」等の文言を使用するためには、鉄の含量について1.13mg/100g以上、0.56mg/100ml以上あるいは0.38mg/100kcal以上のいずれかを満たしておればよいとされている。よって、具体的には、本発明の製造方法による栄養組成物に含まれる鉄の濃度は、ミネラル換算で2.25mg/100g以上、1.13mg/100ml以上、0.75mg/100kcal以上、1.13mg/100g以上、0.56mg/100ml以上または0.38mg/100kcalのいずれかを満たしていてもよい。
糖質
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明の製造方法による栄養組成物は、糖質をさらに含んでいてもよい。
本発明で用いられる糖質としては、食品や医薬用途で使用可能なものであれば、特に限定されず、いずれのものであってもよい。このような糖質の具体例としては、でんぷん、デキストリン、セルロース、グルコマンナン、グルカン、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等の多糖類や、キチン類、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、低分子多糖類、低分子デキストリン、低分子セルロース、低分子グルコマンナン、イソマルチュロース、トレハロース、ショ糖、麦芽糖、ブドウ糖、糖アルコール(キシリトールなど)等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、任意に組み合わせて使用してもよい。糖質は、好ましくは、デキストリン、ショ糖である。
なお、本発明で用いられるデキストリンのDE値は、好ましくは10〜50、より好ましくは15〜40、さらに好ましくは15〜30である。
糖類の由来は植物、動物、微生物等のいずれであってもよく、化学的に合成したものであってもよい。例えば、植物(バレイショ、米、サツマイモ、トウモロコシ、小麦、豆類(そらまめ、緑豆、小豆等)、キャッサバ等)、動物(甲殻類、昆虫、貝等)、微生物(キノコ、かび等)などに由来する糖類をそのまま、あるいは、酵素反応、微生物を用いた反応、熱、化学反応等の手段を用いて一部または全部を分解、修飾等の処理をしたものを使用してもよい。
糖質は、ミネラル群を投入する前のタンパク質濃厚水溶液に添加してもよく、またはタンパク質濃厚水溶液とミネラル群とを混合した後に添加してもよい。
栄養組成物中における糖質の濃度は、作製する栄養組成物の熱量、粘度、pH、イオン強度、温度、タンパク質の種類・含量、他成分の種類・含量、および均質処理圧などによって適宜調整することができる。
タンパク質濃厚水溶液中における糖質の濃度は、好ましくは50g/100ml以下である。より好ましくは10〜30g/100ml以下である。
脂質
本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明の製造方法による栄養組成物は、脂質をさらに含んでいてもよい。
本発明で用いられる脂質としては、食品や医薬用途で使用可能なものであれば、特に限定されず、いずれのものであってもよい。このような脂質の具体例としては、大豆油、コーン油、綿実油、シソ油、ヤシ油、菜種油、ヒマワリ油、オリーブ油、ベニバナ油、大豆レシチンなどの植物油脂、牛脂、豚脂、鶏油、乳脂肪、魚油、乳リン脂質、卵黄レシチンなどの動物油脂、合成トリグリセリド、あるいはこれらの分別油、水素添加油、エステル交換油などが挙げられる。これらは単独で使用しても、任意に組み合わせて使用しても良い。脂質は、好ましくは、植物油脂である。
脂質は、タンパク質濃厚水溶液とミネラル群とを混合した後に添加することが好ましい。この場合、脂質に水と乳化剤を加え、乳化状態にしてからタンパク質とミネラル群との混合物に、混合することができる。
栄養組成物中における脂質の濃度は、作製する栄養組成物の熱量、粘度、pH、イオン強度、温度、タンパク質の種類・含量、他成分の種類・含量、および均質処理圧などによって適宜調整することができる。濃度は、好ましくは4g/100ml/100kcal以下であり、より好ましくは、3g/100ml/100kcal以下である。
追加ミネラル
本発明の一つのより好ましい態様によれば、本発明の製造方法による栄養組成物は、追加ミネラルをさらに含んでいてもよい。
本発明で用いられる追加ミネラルとしては、栄養補助用の微量ミネラルとして慣用されているミネラルを使用することができ、例えば、亜鉛、銅、マンガン、セレン、モリブデン、およびクロムから選択することができる。好ましくは、追加ミネラルは、亜鉛、銅およびセレンから選択される。
追加ミネラルは、タンパク質濃厚水溶液とミネラル群とを混合した後に添加してもよい。また、タンパク質濃厚水溶液の粘性や水溶液中で2価イオンとなるミネラル添加後の混合液の物性に実質的な影響を及ぼさない限りにおいて、ミネラル群を投入する前のタンパク質濃厚水溶液に単独あるいは複数種類を少量ずつ(例えば、追加ミネラル1種類につきミネラル換算量で2mg/100ml以下、好ましくは1.8mg/100ml以下)の追加ミネラルを添加してもよい。
栄養組成物中における追加ミネラルの濃度は、作製する栄養組成物の熱量、粘度、pH、イオン強度、温度、タンパク質の種類・含量、他成分の種類・含量、均質処理圧、および投入する工程などによって適宜調整することができる。
食物繊維
本発明の一つのより好ましい態様によれば、本発明の製造方法による栄養組成物は、食物繊維をさらに含んでなる。
本発明において、食物繊維とは、ヒトの消化酵素によって水解されない食物中の物質を意味し、水に対する親和性から、水溶性食物繊維および不溶性食物繊維に分類される。本発明で用いられる食物繊維の例として、難消化性オリゴ糖、ラクツロース、ラクチトール、ラフィノース、ペクチン(プロトペクチン、ペクチニン酸、ペクチン酸)、グァーガム・酵素分解物、タマリンドシードガム、高分子水溶性食物繊維、大豆増粘多糖類、こんにゃくグルコマンナン、アルギン酸、低分子アルギン酸、サイリウム、アラビアガム、海藻多糖類(セルロース、リグニン様物質、寒天、カラギーナン、アルギン酸、フコダイン、ラミナリン)、微生物ガム(ウエランガム、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、デキストラン、プルラン、ラムザンガム)、その他のガム(ローカストビーンガム、タマリンドガム、タラガム、カラヤガム、トラガントガム)、低分子水溶性食物繊維、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、マルチトール、セルロース、ヘミセルロース、ホロセルロース、マトリックス多糖、大豆ふすま、小麦ふすま、大麦ふすま、トウモロコシふすま、オート麦ふすま、ライ麦ふすま、ハトムギふすま、米糠、キビ、アワ、ヒエ、モロコシ等の雑穀ふすま、菽穀(マメ科)ふすま、ソバ等の擬穀ふすま、ゴマふすま、おから等などが挙げられる。また、前記食物繊維を化学的・微生物学的に修飾・部分分解又は精製したものや、化学的・微生物学的に合成した喫食可能な食物繊維を用いてもよい。
食物繊維は、ミネラル群を投入する前のタンパク質濃厚水溶液に添加してもよく、またはタンパク質濃厚水溶液とミネラル群とを混合した後に添加してもよい。好ましくは、食物線維は、タンパク質濃厚水溶液に添加するものである。
栄養組成物中における食物繊維の濃度は、作製する栄養組成物の熱量、粘度、pH、イオン強度、温度、タンパク質の種類、他成分の種類・含量、均質処理圧などによって適宜調整することができる。濃度は、好ましくは0〜3g/100mlであり、より好ましくは、1〜2.5g/100mlである。または、濃度は、好ましくは0〜3g/100kcalであり、より好ましくは、1〜2.5g/100kcalとすることもできる。
本発明により製造される栄養組成物は、食物繊維を強化しあるいは多く含ませたものであってもよい。ここで、健康増進法第31条第1項の規定に基づく厚生労働省の告示である栄養表示基準によると、食物繊維が「高い」「多い」等の文言を表示するためには、食物繊維の含量について6g/100g以上、3g/100ml以上、あるいは3g/100kcal以上のいずれかを満たしておればよいとされている。また、「強化」「含む」等の文言を使用するためには、食物繊維の含量について3g/100g以上、1.5g/100ml以上、あるいは1.5g/100kcal以上のいずれかを満たしておればよいとされている。具体的には、本発明の製造方法による栄養組成物に含まれる食物繊維の濃度は、6g/100g以上、3g/100ml以上、3g/100kcal以上、3g/100g以上、1.5g/100ml以上または1.5g/100kcal以上のいずれかを満たしていてもよい。
他の成分
本発明の好ましい態様によれば、本発明の製造方法による栄養組成物は、前記のタンパク質、ミネラル群、脂質、糖質、追加ミネラル、食物繊維の他に、他の成分をさらに含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、ビタミン類、有機酸、有機塩基、果汁、またはフレーバー類、乳化剤、増粘剤、または安定化剤などが挙げられる。ここで、ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ビタミンU、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸、L−カルニチンなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、エリソルビン酸などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、ヒスチジンなどが挙げられる。
また、他の成分としては、便臭低減効果のある素材(例えば、シャンピニオンエキスを5mg〜500mg(0.005%〜0.5%))、カロチノイド製剤(例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコピン、ルテインなどを含む製剤)、抗酸化剤(例えば、カテキン、ポリフェノール等)、または各種乳由来成分(例えば、バター、ホエイ(乳清)ミネラル、クリーム、ホエイ、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖等)なども挙げることができる。
さらに、本発明の栄養組成物が医薬用途に使用される場合には、例えば、生薬、核酸、ペプチド類、抗生物質などの併用可能な補助的有効成分などを挙げることができる。
これらの他の成分は、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これら他の成分としては、合成品を用いてもよく、またはこれら他の成分を多く含む食品を用いてもよい。
他の成分は、ミネラル群を投入する前のタンパク質濃厚水溶液に添加してもよく、またはタンパク質濃厚水溶液とミネラル群とを混合した後に添加してもよい。好ましくは、他の成分は、タンパク質濃厚水溶液とミネラル群とを混合した後に添加するものである。ここで、他の成分が複数種類ある場合は、それぞれを同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。
製造方法
本発明の栄養組成物の製造方法は、前記のように、タンパク質と、ナトリウム、カリウム、鉄、カルシウムおよびマグネシウムから選択される2種以上のミネラルを含むミネラル群とを含んでなる栄養組成物の製造方法であって、
ホエイタンパク質由来のタンパク質量が2〜12g/100mlとなる量でホエイタンパク質を含むタンパク質濃厚水溶液に、
a)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体もしくは水溶液、または
b)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルと、ミネラル群に含まれる他の1種以上のミネラルとからなるミネラル粉体混合物
を投入して混合し、
ミネラル群に残りの種のミネラルが存在する場合には、得られたタンパク質濃厚水溶液にさらに残りの種のミネラルの粉体を同時または逐次投入して混合する
ことを含む、製造方法であるが、ミネラルを投入する態様ごとに分けて、以下説明する。
なお、本発明において、ミネラル(ミネラルの粉体、ミネラルの水溶液、またはミネラル粉体混合物)の投入および混合とは、投入したミネラルを混合液中で溶解させるか、または均一に分散するまで撹拌することを意味する。混合後の混合液は、ミネラルが均一に分散されている限り、ミネラルの全部または一部が溶解してなくともよい。均一に分散とは、例えば、ミネラルの粉体を投入した場合は、粉体のダマが存在しない程度を指す。
また、本発明において、同時投入とは、全てを一緒に投入すること、またはミネラル投入後、そのミネラルが均一に分散する前に、次のミネラルを投入することを意味する。また、逐次投入とは、ミネラルが均一に分散した後に、次のミネラルを投入することを意味する。
第一の態様
本発明の第一の態様によれば、本発明の栄養組成物の製造方法は、タンパク質と、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムから選択される2種以上のミネラルを含むミネラル群とを含んでなる栄養組成物の製造方法であり、
ホエイタンパク質由来のタンパク質量が2〜12g/100mlとなる量でホエイタンパク質を含むタンパク質濃厚水溶液に、水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体もしくは水溶液を投入して混合し、
ミネラル群に残りの種のミネラルが存在する場合には、得られたタンパク質濃厚水溶液にさらに残りの種のミネラルの粉体を同時または逐次投入して混合する
ことを含む、製造方法である。
ここで、ミネラル群の残りの種のミネラルとは、ミネラル群のうち水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラル以外のミネラルを意味する。例えば、ミネラル群がナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムからなり、カルシウムを2価イオンとなるミネラルとして最初にタンパク質濃厚水溶液に投入する場合は、残りの種のミネラルは、ナトリウム、カリウムおよびマグネシウムとなる。残りの種のミネラルは、カルシウムをタンパク質濃厚水溶液に混合させた後、その中のそれぞれの粉体を同時または逐次投入および混合してもよい。
第二の態様
本発明の第二の態様によれば、本発明の栄養組成物の製造方法は、タンパク質と、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムから選択される2種以上のミネラルを含むミネラル群とを含んでなる栄養組成物の製造方法であり、
ホエイタンパク質由来のタンパク質量が2〜12g/100mlとなる量でホエイタンパク質を含むタンパク質濃厚水溶液に、水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルと、ミネラル群に含まれる他の1種以上のミネラルとからなるミネラル粉体混合物を投入して混合し、
ミネラル群に残りの種のミネラルが存在する場合には、得られたタンパク質濃厚水溶液にさらに残りの種のミネラルの粉体を同時または逐次投入して混合する
ことを含む、製造方法である。
ここで、ミネラル群に含まれる他の1種以上のミネラルとは、ミネラル群のうちミネラル粉体混合物に含まれる水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラル以外のミネラルを意味する。また、ミネラル群の残りの種のミネラルとは、ミネラル群のうち水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルと他の1種以上のミネラル以外のミネラルを意味する。例えば、ミネラル群がナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムからなり、カルシウムとナトリウムをミネラル粉体混合物とする場合は、他の1種以上のミネラルはナトリウムであり、残りの種のミネラルは、カリウムとマグネシウムとなる。残りの種のミネラルは、ミネラル粉体混合物をタンパク質濃厚水溶液に混合させた後、その中のそれぞれの粉体を同時または逐次投入および混合してもよい。また、例えば、ミネラル群がナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムからなり、これら全てのミネラルをミネラル粉体混合物とする場合は、他の1種以上のミネラルはナトリウム、カリウムおよびカルシウムまたはマグネシウムであり、残りの種のミネラルは存在しないこととなる。
後述する実施例の例1〜3に示すように、上記第一の態様または第二の態様によって、タンパク質濃厚水溶液に単回または複数回に分けてミネラル群を混合するとき、各混合液の粘度は変動し、混合液の流動性は変動する。
本発明の一つの態様によれば、ミネラル群を投入する前のタンパク質濃厚水溶液(タンパク質濃厚水溶液を調製する際の流動性も含む)、ならびにタンパク質濃厚水溶液に前記水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体もしくは水溶液、または前記ミネラル粉体混合物を投入して得られる混合液、および前記混合液に残りのミネラルを投入して得られる混合液は、タンパク質濃厚水溶液にミネラル群を投入し混合する際の温度において機械的撹拌可能な流動性を有することが望ましい。ここで、機械的撹拌可能とは、食品や医薬の製造分野で、液状のものを撹拌する際に慣用される攪拌機などの機器類を用いて、機器類に過剰な負荷を与えたりすることなく、撹拌できることを意味する。液体が機械的撹拌可能な流動性を有していれば、送液ポンプなど液体にある程度の流動性を必要とする他の機器類に対しても過剰な負荷はかからない。
タンパク質濃厚水溶液にミネラル群を投入し混合する際の温度において機械的撹拌可能な流動性は、例えば、粘度を指標にすることができる。したがって、本発明の一つの好ましい態様によれば、ミネラル群を投入する前のタンパク質濃厚水溶液の粘度、ならびにタンパク質濃厚水溶液に前記水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体もしくは水溶液、または前記ミネラル粉体混合物を投入して得られる混合液、および前記混合液に残りのミネラルを投入して得られる混合液の粘度は、20℃、12rpm(B型粘度計)の条件で測定した場合、1〜7000mPa・s、好ましくは1〜5000mPa・s、より好ましくは1〜2500mPa・s、さらに好ましくは1〜1500mPa・s、さらにより好ましくは1〜500mPa・sであり、50℃、12rpm(B型粘度計)の条件で測定した場合は、1〜1500mPa・s、好ましくは1〜1000mPa・s、より好ましくは1〜500mPa・s、さらに好ましくは1〜300mPa・s、さらにより好ましくは1〜100mPa・sである。一方、タンパク質濃厚水溶液にミネラル群を投入し混合する際の温度において機械的撹拌が困難な流動性の例として、ミネラル群を投入する前のタンパク質濃厚水溶液の粘度、ならびにタンパク質濃厚水溶液に前記水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体または前記ミネラル粉体混合物を投入して得られる混合液、および前記混合液に残りのミネラルを投入して得られる混合液の粘度で、7000mPa・s(20℃、12rpm、B型粘度計)より高い粘度、または1500mPa・s(50℃、12rpm、B型粘度計)より高い粘度を例示することができる。
本発明の一つの態様によれば、上記第一の態様または第二の態様により製造される、タンパク質と、ミネラル群と、必要に応じて糖質、脂質、追加ミネラル、食物繊維および他の成分から選択される1種以上の成分とが混合した混合液は、栄養組成物として、そのまま用いてもよく、また所望の栄養組成物(熱量、粘度、および濃度など)にするために任意の希釈倍率で希釈してもよい。さらに、前記混合液は、高温殺菌した後に均質化または均質化した後に高温殺菌してもよい。
高温殺菌の加熱条件は、食品や医薬の分野で慣用の加熱殺菌処理条件であれば特に限定されず、いずれも使用することができる。酸性溶液における高温殺菌尾加熱条件としては、温度90〜100℃で30〜60秒で殺菌を行い、ホットパック充填(熱間充填)する方法を例示することができる。中性溶液における高温殺菌の加熱条件としては、温度120〜130℃で5〜10秒間などの通常行われる高温殺菌を例示することができる。
また、高温殺菌する際に、任意に混合液に圧力を負荷してもよい。高温殺菌する装置は、例えば、プレート式熱交換機、チューブ式熱交換機、スチームインジェクション式殺菌機、スチームインフュージョン式殺菌機、通電加熱式殺菌機などがある。
均質化は、例えば、ホモジナイザーを使用することができる。ここで、その操作条件は、製造スケール、作製する栄養組成物のタンパク質、ミネラル群、他成分の種類・含量などによって適宜調製することができる。例えば、温度を40〜80℃程度、流量を10〜2000L/hとした場合、圧力は10〜100MPa、10〜50MPa、15〜30MPaを例示することができる。必要であれば、操作条件を変えて複数回で処理してもよい。
栄養組成物
本発明の製造方法による栄養組成物は、前記のように、タンパク質と、ナトリウム、カリウム、鉄、カルシウムおよびマグネシウムから選択される2種以上のミネラルを含むミネラル群とを含んでなる。本発明の栄養組成物は、さらに、糖質、脂質、追加ミネラル、食物繊維および他の成分から選択される1種以上の成分を必要に応じて含んでなる。
本発明の栄養組成物は、必要に応じて、さらに添加剤として、例えば、増粘剤・ゲル化剤、安定剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、酸化防止剤、pH調整剤を含んでいてもよい。
ここで、増粘剤・ゲル化剤は、本発明の栄養組成物に粘度を付与し、液状、半固形状、固形状、ゼリー状に物性を自由に調整することができる。本発明で用いられる増粘剤・ゲル化剤としては、例えば、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、アラビアガム、カラヤガム、寒天、カラギーナン、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、ペクチン、セルロース、キチン、キトサン、または大豆多糖類などが挙げられる。増粘剤・ゲル化剤は、本発明の栄養組成物に任意の種類・割合・配合量で使用することができる。
本発明の栄養組成物は、主として栄養補給を目的としたものであり、好ましい態様によれば、食品組成物または医薬組成物として提供される。本発明の栄養組成物は、単独で、そのまま経口摂取または経腸(管)投与する他、市販の食品または医薬と任意の割合で混合して経口摂取または経腸投与してもよい。
本発明の一つの態様によれば、本発明の栄養組成物は、流動食、医療食、経腸栄養剤、特別用途食品、または栄養補給飲食品である。また本発明の一つの好ましい態様によれば、本発明の栄養組成物は、嚥下困難者用食品である。ここで、本発明の栄養組成物の形状としては、例えば、液体、とろみのある液体、とろみのある懸濁液、ゼリー、ペースト、または半固形物などが挙げられる。
流動食とは、患者等が噛まずに飲み込めるような流動性を有する食品または医薬のことをいい、例えば、水分含量が60〜85重量%であて、栄養チューブでの良好な流動性を有するものをいう。そのような流動性としては、例えば、温度25℃で、落差60cmでの流下速度100ml/時間以上のような条件を満たすものがあげられる。
医療食とは、医療現場で使用される治療や予防の観点から、患者に摂取が推奨される食品または医薬である。経腸栄養剤とは、経管の栄養補給剤をいう。
特別用途食品とは、乳児、妊産婦・授乳婦、病者など、医学・栄養学的な配慮が必要な対象者の発育や、健康の保持・回復に適するという「特別の用途の表示が許可された食品」をいう。特別用途食品には、嚥下困難者用食品、特定保健用食品などが含まれる。本発明の一つの好ましい態様によれば、特別用途食品は、嚥下困難者用食品である。
栄養補給飲食品には、健康食品、機能性食品、疾病リスク提示表示が付された食品等が含まれる他、病者用食品のような分類の食品も含まれる。
本発明の一つの態様によれば、本発明の栄養組成物は、その栄養機能用途、すなわち栄養成分による健康維持および増進効果を訴求した、栄養補給剤、栄養バランス調整剤、ミネラル補給剤、ミネラルバランス調整剤、水分補給調整剤、浸透圧バランス調整剤などであってもよい。更に、本発明の栄養組成物は、使用態様により、経口摂取剤、経管栄養剤、経腸栄養剤、嚥下困難者用剤などであってもよい。
本発明の栄養組成物のpHは、好ましくは2.5〜8、より好ましくは3〜6である。一般的に、pHを酸性に調整した栄養食品または医薬は、製品としての保存性が良く、また経腸栄養剤として使用した場合は中性液状栄養食品よりもチューブを介して胃中に投与する際に起こる胃液によるタンパク質成分の凝集が少なくチューブ詰まりを抑制することができるため、好ましい。
栄養組成物のpHは、例えば、pH調整剤を用いて調整することができる。ここで、使用可能なpH調製剤は、上記の領域にpHを調整でき、かつ食品や医薬で使用可能なものであれば特に限定されず、典型的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。これらは、単独であっても、組み合わせて使用してもよい。
本発明の栄養組成物の熱量(もしくはエネルギー値)は、栄養組成物に含まれる成分により適宜調製することができる。栄養組成物の熱量は、好ましくは50〜250kcal/100ml、より好ましくは100〜200kcal/100mlである。
栄養組成物中の各成分が占めるエネルギー量は、タンパク質が2〜24kcal/100mlまたは2〜24kcal/100kcal、糖質が0〜96kcal/100mlまたは0〜96kcal/100kcal、脂質が0〜36kcal/100mlまたは0〜36kcal/100kcalであることが好ましい。
本発明を以下の例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例1
下記表1の配合で混合液を製造した。具体的には、水温60℃の水に、酸性ホエイタンパク質精製物(WPI)(タンパク質含有率90重量%)と、DE値20〜40のデキストリンと、難消化性デキストリンと、甘味料および抑泡剤と、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅、セレン酵母とを添加し混合した。得られた水温50〜70℃のタンパク質濃厚水溶液に、表1の配合比率のミネラル(乳酸カルシウム(Ca)、塩化ナトリウム(Na)、硫酸マグネシウム・7水和物(Mg)および塩化カリウム(K))の粉体を単独、またはあらかじめ2種以上のミネラルの粉体を粉体の状態で均一に混合したものを投入し、均一になるまで撹拌しながら混合し、混合液を得た。混合液のpHはミネラルの投入により変動し、その範囲は2.5〜5であった。
ここで、ミネラル換算量とは、ミネラルが含まれる塩の形態での、ミネラルのみを分子量から計算したものを意味する。また、ホエイタンパク質に含まれるタンパク質量に対する換算ミネラル含有量とは、配合されたホエイタンパク質(酸性WPI)中に含まれるタンパク質量に対するミネラル換算量に100分率をかけたものである。具体的には、ミネラル換算量/ホエイタンパク質に含まれるタンパク質量×100、すなわち、ミネラル換算量/{ホエイタンパク質配合量×ホエイタンパク質のタンパク質含有率}×100により算出することができる。
Figure 0005373227
得られた混合液の粘度を、B型粘度計(「TVB−10」、東機産業株式会社製)を用いて、水温20℃、12rpmの条件下にて測定した。さらにそのゲル状または液状などの溶液の状態について目視や匙ですくって滴下させたときの感触で判別した。本発明において、ゲル状とはジャムの様に粘性と供に立体構造を有し、流動性が乏しい物性を意味し、とろみのある液状とは粘性を伴うものの立体構造をあまり有しておらず、タンパク質濃厚水溶液にミネラル群を投入し混合する際の温度において機械的撹拌可能な流動性を有する物性を意味し、また、液状とは粘性が低く立体構造を有さず、タンパク質濃厚水溶液にミネラル群を投入し混合する際の温度において機械的撹拌可能な流動性を有する物性を意味する。結果を表2に示す。
Figure 0005373227
例2
下記表3の配合で混合液を製造した。混合液の製造は、上記例1と同じ方法で行った。
得られた混合液の粘度および溶液の性質の結果は、表4に示す。
Figure 0005373227
Figure 0005373227
例3
下記表5の配合で混合液を製造した。具体的には、水温70℃の水に、例1と同様の酸性WPIと、デキストリンと、抑泡剤とを添加し、均一になるまで混合した。得られたタンパク質濃厚水溶液のpHは、3.25〜3.3であった。得られた水温50〜70℃のタンパク質混合液に、表5の配合量のミネラル(乳酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム・7水和物、塩化カリウム)の粉体を、表6に記載の順序に従い1種類ずつ投入した。2成分目以降のミネラル投入は、前に投入したミネラルが溶液中で均一になるまで混合した後に行った。全てのミネラルを順序通りに投入および混合し、混合液を得た。
Figure 0005373227
得られた混合液の粘度を、上記例1と同様に、B型粘度計を用いて、水温20℃、12rpmの条件下にて測定し、さらに溶液の状態について目視や匙ですくって滴下させたときの感触で判別した。結果を表6に示す。
Figure 0005373227
Figure 0005373227
Figure 0005373227
なお、表5のタンパク質濃厚水溶液の条件の内、ホエイタンパク質(酸性WPI)の濃度を14〜20g/100mlとした場合は、ミネラル群を投入する前に、タンパク質濃厚水溶液がゲル化し、その後ミネラル群を添加しても、均一に撹拌することはできなかった。
例4:液状栄養組成物の製造
液状栄養組成物を、以下の手順に従って製造した。
(1)水溶性混合液の調製
下記表7の配合で水溶性タンクにおいて、水温70℃の温水に、例1と同様の酸性WPIと、デキストリンおよび難消化性デキストリンと、甘味料および抑泡剤と、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅およびセレン酵母とを添加し、均一になるまで混合した。得られたタンパク質濃厚水溶液液のpHは、3.25〜3.3であった。
ミネラルの投入は以下の2つの方法で行った。
1.タンパク質混合液に、ミネラル粉体を、乳酸カルシウム、硫酸マグネシウム・7水和物、塩化ナトリウム、塩化カリウムの順序に従い1種類ずつ投入した。2成分目以降のミネラル投入は、前に投入したミネラルが混合液中で均一に溶解または分散するまで混合した後に行った。全てのミネラルを順序通りに投入および混合し、水溶性混合液を得た。
ミネラル投入による粘度の上昇は見られたが、粘度は7000mPa・s(20℃、12rpm、B型粘度計)未満に抑えられ、製造上の問題はなかった。
2.タンパク質混合溶液に、あらかじめ乳酸カルシウムと硫酸マグネシウム・7水和物とを粉体の状態で混合したものを投入および混合し、その後、塩化ナトリウム、塩化カリウムの順序に従い1種類ずつ投入した。投入方法は1と同様である。ミネラル投入による粘度の上昇は見られたが、粘度は7000mPa・s(20℃、12rpm、B型粘度計)未満に抑えられ、製造上の問題はなかった。
Figure 0005373227
(2)脂溶性混合液の調製
下記表8の配合で別のタンク(脂溶性タンク)において、水温85〜90℃の水に、乳化剤と、グラニュー糖と、植物油脂とを添加し、均一になるまで撹拌しながら混合し、脂溶性混合液を得た。
Figure 0005373227
(3)液状栄養組成物の製造
水溶性混合液と脂溶性混合液とをさらに別のタンク(調合タンク)において混合し、そこに、50〜60℃で、均一になるまで下記表9の配合で香料と、クエン酸と、硫酸第一鉄と、ビタミンミックス、アスコルビン酸を添加し、撹拌しながら混合した。
Figure 0005373227
調合タンクに水を加えて、表10の配合量となるように調整を行った。
Figure 0005373227
得られた混合液を均質化(ホモゲナイザー、1段目12MPa、2段目3MPa)してから90℃、10分間保持し殺菌を行った。その結果、液状の栄養組成物が得られた。栄養組成物の比重と栄養組成を測定した。結果は、表11の通りである。
Figure 0005373227
例5:半固形状栄養組成物の製造
半固形状栄養組成物を、以下の手順に従って製造した。
(1) 水溶性混合液の調製
例4に記載の方法に従って、水溶性混合液を調製した。
(2)脂溶性混合液の調製
下記表12の配合で別のタンク(脂溶性タンク)において、水温85〜90℃の水に、寒天、ゲル化剤、乳化剤と、グラニュー糖と、植物油脂とを添加し、均一になるまで撹拌しながら混合し、脂溶性混合液を得た。
Figure 0005373227
(3)半固形状栄養組成物の製造
水溶性混合液と脂溶性混合液とをさらに別のタンク(調合タンク)において混合し、そこに、50〜60℃で、均一になるまで表9の配合で香料と、クエン酸と、硫酸第一鉄と、ビタミンミックス、アスコルビン酸を添加し、撹拌しながら混合した。
調合タンクに水を加えて、表13の配合量となるように調整を行った。
Figure 0005373227
得られた混合液を均質化(ホモゲナイザー、1段目12MPa、2段目3MPa)してから90℃、10分間保持し殺菌を行った。その結果、半固形状の栄養組成物が得られた。栄養組成物の比重と栄養組成を測定した。結果は、表14の通りである。
Figure 0005373227

Claims (12)

  1. タンパク質と、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムから選択される2種以上のミネラルを含むミネラル群とを含んでなる栄養組成物の製造方法であって、
    ホエイタンパク質由来のタンパク質量が2〜12g/100mlとなる量でホエイタンパク質を含むタンパク質濃厚水溶液に、
    a)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルの粉体もしくは水溶液、または
    b)水溶液中で2価イオンとなるいずれか一種のミネラルと、ミネラル群に含まれる他の1種以上のミネラルとからなるミネラル粉体混合物
    を投入して混合し、
    ミネラル群に残りの種のミネラルが存在する場合には、得られた混合液にさらに残りの種のミネラルの粉体を同時または逐次投入して混合する
    ことを含む、製造方法。
  2. タンパク質濃厚水溶液、タンパク質濃厚水溶液に前記a)のミネラルの粉体もしくは水溶液または前記b)のミネラル粉体混合物を投入して得られる混合液、および前記混合液に残りのミネラルを投入して得られる混合液が、機械的撹拌可能な流動性を有する、請求項1に記載の方法。
  3. タンパク質濃厚水溶液、タンパク質濃厚水溶液に前記a)の粉体または前記b)の粉体混合物を投入して得られる混合液、および前記混合液に残りのミネラルを投入して得られる混合液の粘度が、1〜7000mPa・s(20℃、12rpm、B型粘度計)である、請求項1または2に記載の方法。
  4. タンパク質濃厚水溶液が糖質をさらに含み、タンパク質濃厚水溶液中における糖質の濃度が50g/100ml以下である、請求項1〜3いずれか一項に記載の方法。
  5. タンパク質濃厚水溶液のpHが、2.5〜8である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 栄養組成物が、亜鉛、銅、マンガン、セレン、モリブデンおよびクロムから選択される1種以上の追加ミネラルをさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 栄養組成物が脂質をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 栄養組成物の熱量が0.5〜2.5kcal/mlである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 栄養組成物が、食品組成物または医薬組成物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 栄養組成物が、流動食、医療食、経腸栄養剤、特別用途食品、または栄養補給飲食品である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 栄養組成物が、嚥下困難者用食品である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法により製造された、栄養組成物。
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