JP2014177049A - 液滴吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置、電気機械変換素子の分極処理方法、及び、液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
ノズルと、液室と、電気機械変換素子と、電気機械変換素子の基板側の第1の駆動電極に接続された第1の端子電極19と、電気機械変換素子の基板側とは反対側の第2の駆動電極に接続された第2の端子電極21とを、複数組備え、複数の第2の端子電極21が所定の間隔で並ぶように配置され、複数の第2の端子電極21の列の端部に隣接する位置に、ダミーの端子電極35を設ける。
【選択図】図5
Description
図1は、本発明の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの基本構成部分である液滴吐出部10の一構成例を示す概略構成図である。
図1において、液滴吐出部10は、インクなどの液体の液滴を吐出するノズル11を有するノズル基板12と、ノズル11に連通し液体を収容した液室13が形成された液室基板14とを備えている。更に、液室基板(以下、単に「基板」という。)14上には、振動板15と、振動板15を介して液室13内の液体を加圧するための電気機械変換素子としての圧電素子16が設けられている。圧電素子16は、基板14側の第1の駆動電極としての下部電極である共通電極161と、電気機械変換膜としてのPZTなどからなる圧電膜162と、圧電膜162の基板14側とは反対側の第2の駆動電極としての上部電極である個別電極163とが積層されている。共通電極161は、後述の外部接続用の第1の端子電極としての共通電極用のパッド電極に接続されている。また、個別電極163は、後述の外部接続用の第2の端子電極としての個別電極用のパッド電極に接続されている。図1の液滴吐出部10において、第1パッド電極及び第2パッド電極を介して圧電素子16の共通電極161と個別電極163との間に所定の周波数及び振幅の駆動電圧が印加される。この駆動電圧が印加された圧電素子16が、基板14と圧電素子16との間にある図示しない振動板を変形させるように振動し、その振動板の変形により液室13内の液体が加圧され、ノズル11から液滴を吐出させることができる。
圧電素子16の下部電極である共通電極161と基板14との間には、成膜により形成された振動板15が配置されている。この振動板15に接するように圧電素子16が形成された後、第1の絶縁保護膜18が形成される。更に、共通電極161とパッド電極19とを接続する第1の配線20と、個別電極163とパッド電極21とを接続する第2の配線22と、が形成される。第1の絶縁保護膜18は、共通電極161と第2の配線22との間を電気的に絶縁している。また、共通電極161と第1の配線20との間及び個別電極163と第2の配線22との間は、第1の絶縁保護膜18に形成された開口部であるコンタクトホール18aを介して接続されている。
本実施形態では、共通電極用のパッド電極19及び個別電極用のパッド電極21それぞれが露出する開口部26c,26dを有するサブフレーム26に対して、コロナ放電方式又はグロー放電方式の放電処理を行っている。この放電処理により、共通電極用のパッド電極19及び個別電極用のパッド電極21を介して、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に、所定極性の互いに異なる電荷量の電荷を付与している。この電荷付与により、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に挟まれた圧電膜162に対して分極処理を行うことができる。
図6において、コロナワイヤ電極31を用いて例えばコロナ放電させると、大気中の分子がイオン化して陽イオンと陰イオンが発生する。この発生したイオンのうち、陽イオンがパッド電極19及び21を介して、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に流れ込み、それらの電極に蓄積される。
図8(a)及び(b)はそれぞれ、分極処理前及び分極処理後のP−Eヒステリシスループ特性の測定例を示すグラフである。図8に示すように±150[kV/cm]の電界強度かけてヒステリシスループを測定する。そして、最初の0[kV/cm]時の分極をPiniとし、+150[kV/cm]の電圧印加後、0[kV/cm]まで戻したときの0[kV/cm]時の分極をPrとしたときに、Pr−Piniの値を分極量差として定義する。この分極量差(Pr−Pini)から分極状態の良し悪しを判断することができる。例えば、分極量差(Pr−Pini)は10[μC/cm2]以下となっていることが好ましく、図8(b)に示すように5[μC/cm2]以下となっていることがさらに好ましい。一方、分極量差(Pr−Pini)の値が、図8(a)に示すように10[μC/cm2]よりも大きい場合は、圧電素子かなる圧電アクチュエータとして連続駆動後の変形劣化(変位劣化)については、十分な特性が得られない。
上記列の両端部に位置する個別電極用のパッド電極21に接続されている圧電素子16が電荷集中を起こし、後述の図14に示すように圧電素子16に絶縁破壊が発生するおそれがある。
基板14としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、通常100[μm]以上600[μm]以下の範囲の厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種あるが、半導体産業では一般的に(100)、(111)が広く使用されており、本構成例においては、主に(100)の面方位を持つ単結晶基板を主に使用した。また、図1に示すような液室(圧力室)13を作製していく場合、エッチングを利用してシリコン単結晶基板を加工していく。この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることが一般的である。異方性エッチングとは結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えばKOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。従って、面方位(100)では約54°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝をほることができるため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができることが分かっている。本構成例としては(110)の面方位を持った単結晶基板を使用することも可能である。但し、この場合、マスク材であるSiO2もエッチングされてしまうため、この点も留意して利用することが好ましい。
図1に示すように電気機械変換素子としての圧電素子16によって発生した力を受けて、その下地の振動板15が変形して、液室(圧力室)13のインクなどの液体の液滴を吐出させる。そのため、振動板15としては所定の強度を有したものであることが好ましい。材料としては、Si、SiO2、Si3N4などを例えばCVD法により作製したものが挙げられる。さらに図1に示すような共通電極(下部電極)161及び圧電膜162の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、圧電膜としては、一般的に材料としてPZTが使用される場合が多い。従って、振動板15の材料は、PZTの線膨張係数8×10−6(1/K)に近い5×10−6(1/K)以上10×10−6(1/K)以下の範囲の線膨張係数を有した材料が好ましく、さらには7×10−6(1/K)以上9×10−6(1/K)以下の範囲の線膨張係数を有した材料がより好ましい。具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びそれらの化合物等が挙げられる。これらの材料を、例えばスパッタ法又はゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。膜厚としては0.1[μm]以上10[μm]以下の範囲が好ましく、0.5[μm]以上3[μm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より小さいと、図1に示すような液室(圧力室)13の加工が難しくなる。また、上記範囲より大きいと振動板15が変形しにくくなり、インク滴などの液滴の吐出が不安定になる。
共通電極(第1の駆動電極)161としては、金属もしくは金属と酸化物からなっていることが好ましい。ここで、どちらの材料も振動板15と共通電極161を構成する金属膜との間に密着層を入れて剥がれ等を抑制するように工夫している。以下に密着層含めて金属電極膜及び酸化物電極膜の詳細について記載する。
密着層は、例えば次のように形成する。Tiをスパッタ成膜後、成膜したチタン膜をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて熱酸化して酸化チタン膜にする。熱酸化の条件は、例えば、650[℃]以上800[℃]以下の範囲の温度、1[分]以上30[分]以下の範囲の処理時間、及びO2雰囲気である。酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいがチタン膜の高温による熱酸化法が望ましい。反応性スパッタによる作製では、シリコン基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成を必要とする。さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方がチタンO2膜の結晶性が良好になる。なぜなら、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るため、一旦、それを壊す必要が生じるためである。したがって、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。また、Ti以外の材料としては、Ta、Ir、Ru等の材料を用いることもできる。密着層の膜厚としては、10[nm]以上50[nm」以下の範囲が好ましく、15[nm]以上30[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲以下の場合においては、密着性に懸念があり、また、この範囲以上になってくると、その密着層の上で作製する電極膜の結晶の質に影響が出てくる。
金属電極膜の金属材料としては、従来から高い耐熱性と低い反応性を有する白金が用いられているが、鉛に対しては十分なバリア性を持つとはいえない場合もあり、イリジウムや白金−ロジウムなどの白金族元素や、これらの合金膜も挙げられる。また、白金を使用する場合には下地(特にSiO2)との密着性が悪いために、前述の密着層を先に積層することが好ましい。作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が一般的である。膜厚としては、80[nm]以上200[nm]以下の範囲が好ましく、100[nm]以上150[nm]以下の範囲がより好ましい。この範囲より薄い場合においては、共通電極161として十分な電流を供給することができなくなり、液滴の吐出をする際に不具合が発生する。さらに、この範囲より厚い場合においては、白金族元素の高価な材料を使用する場合においては、コストアップとなる。また、白金を材料とした場合においては、膜厚を厚くしていたったときに表面粗さが大きくなり、その上に作製する酸化物電極膜やPZTの表面粗さや結晶配向性に影響を及ぼして、インク吐出に十分な変位が得られないような不具合が発生する。
酸化物電極膜の材料としては、SrRuO3(以下、適宜「SRO」と略す。)を用いることが好ましい。SrRuO3以外にも、Srx(A)(1−x)Ruy(1−y)、A=Ba、Ca、B=Co、Ni、x、y=0〜0.5で記述されるような材料も挙げられる。酸化物電極膜は例えばスパッタ法等の成膜方法により作製することができる。スパッタ条件によってSrRuO3の薄膜の膜質が変わる。従って、特に結晶配向性を重視し、第1の駆動電極のPt(111)にならってSrRuO3の膜についても(111)配向させるためには、成膜温度については500[℃]以上での基板加熱を行い、成膜することが好ましい。例えば特許文献4に記載のSRO成膜条件については、室温成膜でその後、RTA処理にて結晶化温度(650℃)で熱酸加している。この場合、SRO膜としては、十分結晶化され、電極としての比抵抗としても十分な値が得られるが、膜の結晶配向性としては、(110)が優先配向しやすくなり、その上に成膜したPZTについても(110)配向しやすくなる。
圧電膜162の材料としては、PZTを主に使用した。PZTとはジルコン酸鉛(PbTiO3)とチタン酸(PbTiO3)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrO3とPbTiO3の比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O3、一般PZT(53/47)と示される。PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。これら材料は一般式ABO3で記述され、A=Pb、Ba、Sr、 B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が該当する。その具体的な記述として(Pb1−x,Ba)(Zr,Ti)O3、(Pb1−x,Sr)(Zr,Ti)O3、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
また、圧電膜162の比誘電率としては600以上2000以下の範囲になっていることが好ましく、さらに1200以上1600以下の範囲になっていることが好ましい。このとき、この範囲よりも小さいときには十分な変形(変位)特性が得られなかったり、この範囲より大きくなると、分極処理が十分行われず、連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないといった不具合が発生する。
個別電極(第2の駆動電極)163としては、金属もしくは酸化物と金属からなっていることが好ましい。以下に酸化物電極膜及び金属電極膜の詳細について記載する。
酸化物電極膜の材料等については、前述の共通電極(第1の駆動電極)161で使用した酸化物電極膜について記載したものと同様なものを挙げることができる。酸化物電極膜(SRO膜)の膜厚としては、20[nm]以上80[nm]以下の範囲が好ましく、40[nm]以上60[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期変形(変位)や変形(変位)の劣化特性については十分な特性が得られない。また、この範囲を超えると、その後に成膜した圧電膜(PZT膜)の絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。
金属電極膜の材料等については、前述の共通電極(第1の駆動電極)161で使用した金属電極膜について記載したものと同様なものを挙げることができる。金属電極膜とで記載しており、膜厚としては30[nm]以上200[nm]以下の範囲が好ましく、50[nm]以上120[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より薄い場合においては、個別電極163として十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出する際に不具合が発生する。また、上記範囲より厚いと、白金族元素の高価な材料を使用する場合にコストアップとなる。また、白金を材料とした場合に膜厚を厚くしていたったときに表面粗さが大きくなり、絶縁保護膜を介して配線などを作製する際に、膜剥がれ等のプロセス不具合が発生しやすくなる。
成膜・エッチングの工程による圧電素子へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過しづらい材料を選定する必要があるため、第1の絶縁保護膜18の材料は緻密な無機材料とする必要がある。また、第1の絶縁保護膜18として有機材料を用いる場合は、十分な保護性能を得るために膜厚を厚くする必要があるため、適さない。第1の絶縁保護膜18を厚い膜とした場合、振動板15の振動を著しく阻害してしまうため、吐出性能の低い液滴吐出ヘッドになってしまう。薄膜で高い保護性能を得るには、酸化物,窒化物,炭化膜を用いるのが好ましいが、第1の絶縁保護膜18の下地となる電極材料、圧電体材料及び振動板材料と密着性が高い材料を選定する必要がある。また、第1の絶縁保護膜18の成膜法も、圧電素子16を損傷しない成膜方法を選定する必要がある。すなわち、反応性ガスをプラズマ化して基板上に堆積するプラズマCVD法やプラズマをターゲット材に衝突させて飛ばすことで成膜するスパッタリング法は好ましくない。第1の絶縁保護膜18の好ましい成膜方法としては、蒸着法、ALD法などが例示できるが、使用できる材料の選択肢が広いALD法が好ましい。好ましい材料としては、Al2O3,ZrO2,Y2O3,Ta2O3,TiO2などのセラミクス材料に用いられる酸化膜が例として挙げられる。特にALD法を用いることで、膜密度の非常に高い薄膜を作製し、プロセス中でのダメージを抑制することができる。
配線20、22及びパッド電極19、21の材料は、Ag合金、Cu、Al、Au、Pt、Irのいずれかから成る金属電極材料であることが好ましい。これらの電極の作製方法としては、スパッタ法、スピンコート法を用いて作製し、その後フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。膜厚としては、0.1[μm]以上20[μm]以下の範囲が好ましく、0.2[μm]以上10[μm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より小さいと抵抗が大きくなり電極に十分な電流を流すことができなくなりヘッド吐出が不安定になる。一方、この範囲より大きいとプロセス時間が長くなる。また、共通電極161及び個別電極163に接続されるコンタクトホール部(例えば10[μm]×10[μm])での接触抵抗としては、共通電極161に対して10[Ω]以下、個別電極163に対して1[Ω]以下が好ましい。さらに好ましくは、共通電極161に対して5[Ω]以下、個別電極163に対して0.5[Ω]以下である。この範囲を超えると十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出をする際に不具合が発生する。
第2の絶縁保護膜23としての機能は、共通電極用の第1の配線20や個別電極用の第2の配線22の保護層としての機能を有するパシベーション層である。前述の図3及び図4に示したように、個別電極163の引き出し部(開口部23a)と図示しない共通電極161の引き出し部とを除き、個別電極163及び共通電極161を被覆する。これにより、電極材料に安価なAlもしくはAlを主成分とする合金材料を用いることができる。その結果、低コストかつ信頼性の高い液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)とすることができる。第2の絶縁保護膜23の材料としては、任意の無機材料、有機材料を使用することができるが、透湿性の低い材料とする必要がある。無機材料としては、酸化物、窒化物、炭化物等が例示でき、有機材料としてはポリイミド、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が例示できる。ただし、有機材料の場合には厚膜とすることが必要となるため、パターニングに適さない。そのため、薄膜で配線保護機能を発揮できる無機材料とすることが好ましい。特に、Al配線上にSi3N4を用いることが、半導体デバイスで実績のある技術であるため好ましい。また、膜厚は200[nm]以上とすることが好ましく、さらに好ましくは500[nm]以上である。膜厚が薄い場合は十分なパシベーション機能を発揮できないため、配線材料の腐食による断線が発生し、インクジェットの信頼性を低下させてしまう。
<実施例1、2>
まず、前述の図5に基づいて、実施例1、2について説明する。
本実施例1、2では、下地基板14としての6インチシリコンウェハに熱酸化膜(膜厚1[μm])を形成し、共通電極(第1の駆動電極)161を形成した。まず、共通電極161の密着膜として、チタン膜(膜厚30[nm])をスパッタ装置にて成膜した後、RTAを用いて750[℃]にて熱酸化した。引き続き、金属膜として白金膜(膜厚100[nm])、酸化物膜としてSrRuO膜(膜厚60[nm])をスパッタ成膜した。スパッタ成膜時の基板加熱温度については550[℃]にて成膜を実施した。
(1)コロナ放電の分極処理による圧電素子16の上下電極間の絶縁破壊発生の有無
(2)分極量差(Pr−Pini)
次に、図10を用いて、実施例3について説明する。
本実施例3では、以下の点を除き、実施例1、2と同様に液滴吐出ヘッドを作製した。
上記構成の液滴吐出ヘッドを用いたインクジェット方式の画像形成装置では、印刷速度の向上等を狙いとして、多ノズル化が求められており、液滴吐出ヘッドの長尺化が進んでいる。この多ノズル及び液滴吐出ヘッドの長尺を実現するには、複数の圧電素子駆動用ICを同一列上に実装することが必要である。そのため、圧電素子駆動用ICの実装精度および実装エリア50の確保のため、圧電素子駆動用ICのつなぎ部51では、個別電極用のパッド電極間は距離が離れることとなる。この不連続部となるつなぎ部51の個別電極用のパッド電極にはコロナ放電等による分極処理時に電荷が集中するため、絶縁破壊が発生しやすい。
ダミー圧電素子41は、レイアウト上、液滴吐出部(駆動チャネル)の圧電素子16と同一列上に形成することはできず、この圧電素子16の列上から外れた位置に配置されている。また、ダミー圧電素子41は形状の制約はなく、静電容量が同じになるように対向面積が液滴吐出部(駆動チャネル)の圧電素子16と同一になるように設定されていることが好ましい。静電容量が同じになるように面積をそろえることで、コロナ放電等による分極処理時の電荷注入プロファイルを液滴吐出部(駆動チャネル)とそろえることができ、列内での分極量差(Pr−Pini
)のばらつきを抑えることができる。
本実施例4では、以下の点を除き、実施例1、2と同様に液滴吐出ヘッドを作製した。
本実施例4では、圧電素子駆動用IC間のつなぎ部51に、ダミーパッド電極36を4個連続して形成し、このダミーパッド電極36の数に比例して、4個のダミーパッド電極36が接続された単一のダミー圧電素子42の面積を4倍にして共通で接続している。ダミー圧電素子42を共通化することで個別に設けるよりも設置面積を小さくすることができる。従って、アクチュエータ基板25が形成されるチップの面積を小さくして小型化を図ることができる。また、微小面積内でのダミーパッド電極36の個数を増加させることができるので、列内における圧電素子間の分極量差のばらつきをより確実に低減できる。
次に、図12を用いて、実施例5について説明する。
本実施例5では、以下の点を除き、実施例1、2と同様に液滴吐出ヘッドを作製した。
本実施例5では、複数の個別電極用のパッド電極21の列の端部に隣接する位置に形成されているダミーパッド電極35が、配線37を介してグラウンド(GND)配線38に接続されている。
また、本実施例5では、コロナ放電による分極処理において、φ50[μm]のタングステンのコロナワイヤを用い、コロナワイヤと処理対象のサンプル(アクチュエータ基板)と間の距離を5[mm]に設定し、コロナワイヤに6[kV]の電圧を印加し、サンプル(アクチュエータ基板)に対して20分間、分極処理を行った。
本実施例6では、コロナ放電を用いた分極処理において、コロナワイヤに8[kV]の電圧を印加し、サンプル(アクチュエータ基板)に対して20分間、分極処理を行った以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
本実施例7では、コロナ放電を用いた分極処理において、コロナワイヤに6[kV]の電圧を印加し、サンプル(アクチュエータ基板)に対して1分間、分極処理を行った以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
<実施例8>
本実施例8では、図13に示すようにグラウンド(GND)配線38’をパターニングしてダミーパッド電極35の直下まで引き出して配置した以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
コロナ放電を用いた分極処理コロナ帯電処理を行わなかったこと以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
個別電極PAD列に対してダミーPADを用意しないこと以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
実施例5〜8については、初期特性及び耐久性試験後の結果についても一般的なセラミック焼結体と同等の特性を有していた。具体的には、残留分極Prが20〜27[μC/cm2]であり、圧電定数は−120〜−160[pm/V]であった。
比較例2、3については、若干初期特性としては一般的なセラミックス焼結体に比べて特性が変わらない。しかしながら、比較例2に関しては1×1010回後(1×1010回繰り返し印加電圧を加えた直後)の特性においては、実施例5〜8に比べて、大きく劣化しているのが確認された。また、比較例2に関しては、図14中の枠Aで囲んだ圧電素子16に示すように端部での破壊が確認された。
図13は、本実施形態に係る液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置の一例を示す側面図である。また、図14は、同画像形成装置の部分平面図である。
本実施形態の画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とで、液滴吐出装置(インク滴吐出装置)としてのキャリッジ103が主走査方向に摺動自在に保持されている。キャリッジ103は、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して矢示方向(主走査方向)に移動走査される。
(態様A)
液滴を吐出するノズル11と、ノズル11に連通する液室13と、液室13内の液体を加圧可能に基板上に設けられた圧電素子16などの電気機械変換素子と、電気機械変換素子の基板側の共通電極161などの第1の駆動電極に接続されたパッド電極19などの第1の端子電極と、電気機械変換素子の基板側とは反対側の個別電極163などの第2の駆動電極に接続されたパッド電極21などの第2の端子電極と、を複数組備え、前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置され、前記複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に、ダミーパッド電極35などのダミーの端子電極を設けた。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記カバー部材の少なくとも第1の端子電極及び第2の端子電極が露出する開口部に向けて放電処理を行うことにより、その端子電極に電荷を注入することができる。この端子電極に注入された電荷は、第1の駆動電極及び第2の駆動電極に到達するので、第1の駆動電極及び第2の駆動電極に互いに異なる電荷量の電荷を付与することができる。そして、この電荷の付与により第1の駆動電極と第2の駆動電極との間に所定の電位差が形成されるので、電気機械変換素子に対して分極処理を行うことができる。この放電による分極処理は、端子電極に直接接触させるプローブカードが不要であり、また、簡易な構成で複数の電気機械変換素子に対して一括して分極処理できるので、製造コストの低減を図ることができる。
しかも、前記複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に、ダミーパッド電極35などのダミーの端子電極を設けているため、前記複数の第2の端子電極の列の端部への過剰な電荷注入を回避できる。従って、その端部の第2の端子電極に接続されている電気機械変換素子への過剰な電荷集中が発生せず、電気機械変換素子の絶縁破壊を回避することができるので、電気機械変換素子のより均一な分極処理が可能になる。従って、上記注入電荷によって分極処理される電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
以上のように、製造コストの低減を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記複数の第2の端子電極は、所定の間隔で並ぶように配置され、前記ダミーの端子電極は、前記複数の第2の端子電極の列に沿って該複数の第2の端子電極の間隔と同じ間隔で、該複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に設けられている。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記複数の第2の端子電極の列の端部への過剰な電荷注入をより確実に回避できるので、電気機械変換素子の分極特性のばらつきをより確実に低減することができる。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、前記ダミーの端子電極は、前記第2の端子電極と同じ面積を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記複数の第2の端子電極の列の端部への過剰な電荷注入をより確実に回避できるので、電気機械変換素子の分極特性のばらつきをより確実に低減することができる。
(態様D)
上記態様A乃至Cのいずれかにおいて、前記ダミーの端子電極及び前記第2の端子電極にバンプ電極が形成されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、放電にさらされる端子電極の表面積を増加させることができるので、端子電極へ所定の電荷を安定して注入することができ、放電による安定した分極処理を実施できる。
(態様E)
上記態様Dにおいて、前記バンプ電極は、金スタッドバンプ電極である。これによれば、上記実施形態について説明したように、金めっきバンプ電極に比して製造コストを低減できる。
(態様F)
上記態様A乃至Eのいずれかにおいて、前記ダミーの端子電極に接続された電荷蓄積素子を設ける。これによれば、上記実施形態について説明したように、放電によってダミーの端子電極に注入された電荷を電荷蓄積素子に逃がして蓄積できるので、ダミーの端子電極における電荷量の過剰な上昇を回避し、ダミーの端子電極における絶縁破壊を防止できる。
(態様G)
上記態様Fにおいて、前記電荷蓄積素子は、前記電気機械変換素子と同じ素子である。これによれば、上記実施形態について説明したように、ダミーの端子電極における電荷量の上昇を、そのダミーの端子電極に隣接する第2の端子電極と同等になるので、上記ダミーの端子電極における絶縁破壊をより確実に防止できる。
(態様H)
上記態様F又はGにおいて、前記複数の電気機械変換素子は、所定の間隔で並ぶように配置され、前記電荷蓄積素子は、前記複数の電気機械変換素子の列方向に沿って前記複数の電気機械変換素子の間隔と同じ間隔で、該複数の電気機械変換素子の列の端部に隣接する位置に設けられている。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の電気機械変換素子と同様に電荷蓄積素子を形成できるため、製造が容易になる。
(態様I)
上記態様F又はGにおいて、前記複数の電気機械変換素子は、所定の間隔で並ぶように配置され、前記電荷蓄積素子は、前記複数の電気機械変換素子の列方向とは異なる位置に設けられている。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の電気機械変換素子の列の並び方向の影響を受けることなく、電荷蓄積素子を形成することができ、電荷蓄積素子のレイアウト上の制約が少なくなる。
(態様J)
上記態様A乃至Iのいずれかにおいて、前記ダミーの端子電極は、所定の間隔で並ぶように複数形成され、前記複数のダミーの端子電極は、そのダミーの端子電極の個数に応じて静電容量が設定された単一の電荷蓄積素子に接続されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数のダミーの端子電極に対して電荷蓄積素子を共通化することにより、個別に電荷蓄積素子を設ける場合に比して電荷蓄積素子の設置面積を小さくすることができる。従って、小型化を図ることができる。また、微小面積内でのダミーの端子電極の個数を増加させることができ、列内における電気機械変換子間の分極量差のばらつきを低減できる。
(態様K)
上記態様A乃至Eのいずれかにおいて、前記ダミーの端子電極はグラウンドに接続されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、ダミーの端子電極に過剰に注入された電化をグラウンドへ速やかに逃がすことができるので、そのダミーの端子電極に隣接する第2の端子電極における電荷集中をより効果的に防止できる。
(態様L)
上記態様A乃至Kのいずれかにおいて、前記電気機械変換素子に空隙を介して該電気機械変換素子を覆うように設けられたサブフレーム26などの構造体を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記構造体が設けられている場合でも、上記放電による分極処理を行ったときの電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
(態様M)
上記態様A乃至Kのいずれかにおいて、前記電気機械変換素子に対して接触の状態で該電気機械変換素子を覆うように設けられた第2の絶縁性保護膜23などの絶縁性保護膜を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記絶縁性保護膜が設けられている場合でも、上記放電による分極処理を行ったときの電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
(態様N)
上記態様A乃至Mのいずれかの液滴吐出ヘッドにおける電気機械変換素子の分極処理方法であって、前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極と、放電手段とを、空隙を介して互いに対向させる工程と、前記放電手段により、前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極を介して前記第1の駆動電極及び前記第2の駆動電極に互いに異なる電荷量の電荷を付与するように前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極に向けて放電処理を行う工程と、を含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、製造コストの低減を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
(態様O)
上記態様Nにおいて、前記放電処理は、コロナ放電もしくはグロー放電により発生した正極性の電荷を前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極に注入するように行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記端子電極への電荷注入を安定して行うことができ、安定した分極処理が可能になる。
(態様P)
上記態様N又はOにおいて、前記放電処理は、前記電気機械変換素子について、電界強度が±150[kV/cm]になるように電圧を印加して該電気機械変換素子の電界強度と分極との関係のヒステリシスループを測定し、測定開始時の電界強度が0[kV/cm]のときの分極をPiniとし、その後の電界強度が+150[kV/cm]になった後に電界強度が0[kV/cm]まで戻ったときの分極をPrとしたときに、分極量差Pr−Piniが10[μC/cm2]以下になるように行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、電気機械変換素子の連続駆動後の変形劣化(変位劣化)を防止することができ、長期にわたって安定した液滴吐出特性を得ることができる。
(態様Q)
液滴を吐出するノズル11と、ノズル11に連通する液室13と、液室13内の液体を加圧可能に基板上に設けられた圧電素子16などの電気機械変換素子と、電気機械変換素子の基板側の共通電極161などの第1の駆動電極に接続されたパッド電極19などの第1の端子電極と、電気機械変換素子の基板側とは反対側の個別電極163などの第2の駆動電極に接続されたパッド電極21などの第2の端子電極と、を複数組備え、前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置されている液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記基板上に設けられた電気機械変換素子を設ける工程と、前記第1の端子電極と前記第2の端子電極とを形成する工程と、前記カバー部材を設ける工程と、請求項N乃至Pのいずれかの分極処理の工程と、を含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出ヘッドの製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減することができる。
(態様R)
上記態様A乃至Mのいずれかの液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出装置の製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減することができる。
(態様S)
上記態様N乃至Pのいずれかの分極処理方法で処理した電気機械変換素子を有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出装置の製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減することができる。
(態様T)
インク滴吐出装置として態様R又はSの液滴吐出装置を備えた画像形成装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成装置の製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減させ、画像品質の向上を図ることができる。
11 ノズル
12 ノズル基板
13 液室(圧力室)
14 基板(液室基板)
15 振動板
16 圧電素子
161 共通電極(下部電極)
162 圧電膜(圧電体)
163 個別電極(上部電極)
15 振動板
18 第1の絶縁保護膜
18a コンタクトホール
19 共通電極用のパッド電極
20 第1の配線
21 個別電極用のパッド電極
22 第2の配線
23 第2の絶縁保護膜
23a コンタクトホール
25 アクチュエータ基板
26 サブフレーム
26a 凹部
26b〜26d 開口部
27 バンプ電極
28 シリコンウェハ
29 アクチュエータ
31 コロナワイヤ
32 グリッド電極
33 ベースプレート
35、36 ダミーパッド電極
37 配線
38、38’ グラウンド(GND)配線
40〜42 ダミー圧電素子
107 記録ヘッド
Claims (20)
- 液滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通する液室と、該液室内の液体を加圧可能に基板上に設けられた電気機械変換素子と、該電気機械変換素子の該基板側の第1の駆動電極に接続される第1の端子電極、該電気機械変換素子の該基板側とは反対側の第2の駆動電極に接続される第2の端子電極とを、複数組備え、
前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置され、前記複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に、ダミーの端子電極を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記複数の第2の端子電極は、所定の間隔で並ぶように配置され、
前記ダミーの端子電極は、前記複数の第2の端子電極の列に沿って該複数の第2の端子電極の間隔と同じ間隔で、該複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1又は2のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ダミーの端子電極は、前記第2の端子電極と同じ面積を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至3のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ダミーの端子電極及び前記第2の端子電極にバンプ電極が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項4の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記バンプ電極は、金スタッドバンプ電極であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至5のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ダミーの端子電極に接続された電荷蓄積素子を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項6の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記電荷蓄積素子は、前記電気機械変換素子と同じ素子であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項6又は7の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記複数の電気機械変換素子は、所定の間隔で並ぶように配置され、
前記電荷蓄積素子は、前記複数の電気機械変換素子の列方向に沿って前記複数の電気機械変換素子の間隔と同じ間隔で、該複数の電気機械変換素子の列の端部に隣接する位置に設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項6又は7の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記複数の電気機械変換素子は、所定の間隔で並ぶように配置され、
前記電荷蓄積素子は、前記複数の電気機械変換素子の列方向とは異なる位置に設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至9のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ダミーの端子電極は、所定の間隔で並ぶように複数形成され、
前記複数のダミーの端子電極は、そのダミーの端子電極の個数に応じて静電容量が設定された単一の電荷蓄積素子に接続されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至5のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ダミーの端子電極はグラウンドに接続されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至11のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記電気機械変換素子に空隙を介して該電気機械変換素子を覆うように設けられた構造体を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至11のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記電気機械変換素子に対して接触の状態で該電気機械変換素子を覆うように設けられた絶縁性保護膜を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至13のいずれかの液滴吐出ヘッドにおける電気機械変換素子の分極処理方法であって、
前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極と、放電手段とを、空隙を介して互いに対向させる工程と、
前記放電手段により、前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極を介して前記第1の駆動電極及び前記第2の駆動電極に互いに異なる電荷量の電荷を付与するように前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極に向けて放電処理を行う工程と、を含むことを特徴とする電気機械変換素子の分極処理方法。 - 請求項14の電気機械変換素子の分極処理方法において、
前記放電処理は、コロナ放電もしくはグロー放電により発生した正極性の電荷を前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極に注入するように行うことを特徴とする電気機械変換素子の分極処理方法。 - 請求項14又は15の電気機械変換素子の分極処理方法において、
前記放電処理は、前記電気機械変換素子について、電界強度が±150[kV/cm]になるように電圧を印加して該電気機械変換素子の電界強度と分極との関係のヒステリシスループを測定し、測定開始時の電界強度が0[kV/cm]のときの分極をPiniとし、その後の電界強度が+150[kV/cm]になった後に電界強度が0[kV/cm]まで戻ったときの分極をPrとしたときに、分極率Pr−Piniが10[μC/cm2]以下になるように行うことを特徴とする電気機械変換素子の分極処理方法。 - 液滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通する液室と、該液室内の液体を加圧可能に基板上に設けられた電気機械変換素子と、該電気機械変換素子の該基板側の第1の駆動電極に接続される第1の端子電極と、該電気機械変換素子の該基板側とは反対側の第2の駆動電極に接続される第2の端子電極とを、複数組備え、
前記電気機械変換素子を覆うように設けられた少なくとも表面が絶縁性を有するカバー部材を備え、
前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置されている液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
前記基板上に設けられた電気機械変換素子を設ける工程と、
前記第1の端子電極と前記第2の端子電極とを形成する工程と、
前記カバー部材を設ける工程と、
請求項14乃至16のいずれかの分極処理の工程と、を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1乃至13のいずれかの液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
- 請求項14乃至16のいずれかの分極処理方法で処理した電気機械変換素子を有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
- インク滴吐出装置として請求項18又は19の液滴吐出装置を備えた画像形成装置。
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