JP2014177049A - 液滴吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置、電気機械変換素子の分極処理方法、及び、液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液体吐出装置、画像形成装置、電気機械変換素子の分極処理方法、及び、液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストの低減を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを確実に低減することができる液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】
ノズルと、液室と、電気機械変換素子と、電気機械変換素子の基板側の第1の駆動電極に接続された第1の端子電極19と、電気機械変換素子の基板側とは反対側の第2の駆動電極に接続された第2の端子電極21とを、複数組備え、複数の第2の端子電極21が所定の間隔で並ぶように配置され、複数の第2の端子電極21の列の端部に隣接する位置に、ダミーの端子電極35を設ける。
【選択図】図5

Description

本発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッド、その液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置及びプリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像形成装置、電気機械変換素子の分極処理方法、並びに、液滴吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
従来、インクなどの液体の液滴を吐出するノズルと、このノズルに連通し液体を収容した液室(圧力室、加圧室、吐出室などとも称される。)と、液室内の液体を加圧するための電気機械変換素子としての圧電素子と、を備えた液滴吐出ヘッドが知られている。この液滴吐出ヘッドでは、圧電素子に所定の電圧が印加されることにより、液室の壁の一部を形成する振動板を変形させるように振動し、その振動板の変形により液室内の液体が加圧され、ノズルから液滴を吐出させることができる。
また、上記圧電素子を構成する圧電体の結晶は、その圧電素子の作製直後の状態では図19(a)に示すように分極の向きがランダムな状態となっている。その後、上記電圧印加を繰り返すことで、図19(b)に示すように圧電体の結晶は分極の向きが揃ったドメインの集合体となってくる。この圧電体の結晶の分極の向きは、圧電素子の分極特性及びその圧電素子を用いた液滴吐出ヘッドの特性の安定化のため、液滴吐出ヘッドの使用開始時から揃っていることが好ましい。
そこで、従来、液滴吐出ヘッドの使用開始前に、圧電素子の分極の向きを揃える分極処理を行う方法が提案されている。例えば、特許文献1、2には、圧電素子に実使用時の駆動電圧よりも大きいエージング電圧を圧電素子に印加するエージング工程を実施し、駆動電圧に対する圧電素子の変位量を安定化させる圧電素子の製造方法が開示されている。また、特許文献3には、圧電体の表面に間隙を介して対向するように、コロナ放電を発生させる電荷供給手段を配置し、そのコロナ放電により圧電体の表面に電荷を供給することにより、圧電体内に電界を発生させて分極処理(ポーリング処理)を行う方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1、2に開示されているエージング工程を実施する方法では、圧電素子を構成する駆動電極又はその駆動電極に接続された端子電極に直接接触させて上記エージング電圧を印加するためのプローブカードやそのプローブカードを駆動する駆動機構などを作製する必要があり、コスト高になるおそれがある。
また、上記特許文献3に開示されている方法では、圧電体が形成された後、その後の後工程(層間膜形成や引出配線形成)が行われる前に、圧電素子の表面が露出した状態で分極処理(ポーリング処理)を行う必要がある。そのため、分極処理(ポーリング処理)が実施された圧電素子に、高温(例えば300℃を超える温度)の熱処理を伴う後工程(層間膜形成や引出配線形成)が実施されることになる。従って、その後工程での熱履歴等による影響で圧電素子が脱分極し、例えば図20のP−Eヒステリシス特性に示すように、電気機械変換能の特性が上記分極処理(ポーリング処理)の前の状態に戻ってしまうおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、製造コストの低減を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、画像形成装置、電気機械変換素子の分極処理方法、及び、液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通する液室と、該液室内の液体を加圧可能に基板上に設けられた電気機械変換素子と、該電気機械変換素子の該基板側の第1の駆動電極に接続された第1の端子電極と、該電気機械変換素子の該基板側とは反対側の第2の駆動電極に接続された第2の端子電極とを、複数組備え、前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置され、前記複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に、ダミーの端子電極を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、製造コストの低減を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
本発明の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの基本構成部分である液滴吐出部の一構成例を示す概略構成図。 基板上の振動板及び圧電素子の層構造の一例を示す断面図。 圧電素子周辺の構成例のより詳細な断面図。 圧電素子周辺の構成例のより詳細な平面図。 実施例1、2に係る液滴吐出ヘッドの複数の液滴吐出部を互いに向かい合わせて2列に形成したアクチュエータ基板の一例を示す平面図。(b)は、図5(a)のa−a’面を矢印方向から見た断面図。 放電処理による共通電極用のパッド電極及び個別電極用のパッド電極への電荷注入の様子を模式的に示す説明図。 (a)及び(b)はそれぞれ、電荷注入による圧電素子の分極の原理を示す電極配置図及び等価回路図。 (a)及び(b)はそれぞれ、分極処理前及び分極処理後の圧電素子のP−Eヒステリシスループ特性の測定例を示すグラフ。 酸化物電極膜を構成するSROについて測定したX線のθ−2θ測定データを示すグラフ。 実施例3に係る液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板の一例を示す平面図。 実施例4に係る液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板の一例を示す拡大平面図。 実施例5〜7に係る液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板の圧電素子周辺の構成例を示す拡大平面図。 実施例8に係る液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板の圧電素子周辺の構成例を示す拡大平面図。 比較例に係る液滴吐出ヘッドにおけるアクチュエータ基板の個別電極の端部に生じた破壊の様子を示す説明図。 圧電素子の代表的なP−Eヒステリシスループ特性の例を示すグラフ。 複数の液滴吐出部を備えた液滴吐出ヘッドの一構成例を示す概略構成図。 本実施形態に係る液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置の一例を示す側面図。 同画像形成装置の部分平面図。 (a)は分極処理前における圧電体の分域の様子を示す説明図。(b)は分極処理後における圧電体の分域の様子を示す説明図。 分極処理前、分極処理後及び300℃熱履歴後それぞれにおける圧電素子のP−Eヒステリシスループ特性を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの基本構成部分である液滴吐出部10の一構成例を示す概略構成図である。
図1において、液滴吐出部10は、インクなどの液体の液滴を吐出するノズル11を有するノズル基板12と、ノズル11に連通し液体を収容した液室13が形成された液室基板14とを備えている。更に、液室基板(以下、単に「基板」という。)14上には、振動板15と、振動板15を介して液室13内の液体を加圧するための電気機械変換素子としての圧電素子16が設けられている。圧電素子16は、基板14側の第1の駆動電極としての下部電極である共通電極161と、電気機械変換膜としてのPZTなどからなる圧電膜162と、圧電膜162の基板14側とは反対側の第2の駆動電極としての上部電極である個別電極163とが積層されている。共通電極161は、後述の外部接続用の第1の端子電極としての共通電極用のパッド電極に接続されている。また、個別電極163は、後述の外部接続用の第2の端子電極としての個別電極用のパッド電極に接続されている。図1の液滴吐出部10において、第1パッド電極及び第2パッド電極を介して圧電素子16の共通電極161と個別電極163との間に所定の周波数及び振幅の駆動電圧が印加される。この駆動電圧が印加された圧電素子16が、基板14と圧電素子16との間にある図示しない振動板を変形させるように振動し、その振動板の変形により液室13内の液体が加圧され、ノズル11から液滴を吐出させることができる。
図2は、基板上の振動板及び圧電素子の層構造の一例を示す断面図である。また、図3及び図4はそれぞれ、圧電素子16周辺のより詳細な断面図及び平面図である。なお、図4において、第1の絶縁保護膜18及び第2の絶縁保護膜23の図示は省略している。
圧電素子16の下部電極である共通電極161と基板14との間には、成膜により形成された振動板15が配置されている。この振動板15に接するように圧電素子16が形成された後、第1の絶縁保護膜18が形成される。更に、共通電極161とパッド電極19とを接続する第1の配線20と、個別電極163とパッド電極21とを接続する第2の配線22と、が形成される。第1の絶縁保護膜18は、共通電極161と第2の配線22との間を電気的に絶縁している。また、共通電極161と第1の配線20との間及び個別電極163と第2の配線22との間は、第1の絶縁保護膜18に形成された開口部であるコンタクトホール18aを介して接続されている。
上記第1の配線20及び第2の配線22が形成された後、全体を覆うように第2の絶縁保護膜23が形成される。パッド電極19及び21は、第2の絶縁保護膜23が形成された開口部としてのコンタクトホール23aに形成される。この第2の絶縁保護膜23が形成された後の液室基板14と基板14と圧電素子16と各種電極とを含む複合積層基板全体(以下、「アクチュエータ基板」という。)に対して、圧電素子16に空隙を介して非接触の状態で圧電素子16を覆うように設けられた構造体としての後述のサブフレームが接合されている。
図5(a)は、上記構成の複数の液滴吐出部10を互いに向かい合わせて2列に形成したアクチュエータ基板25の一例を示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)のa−a’面を矢印方向から見た断面図である。なお、図5において、第1の絶縁保護膜18及び第2の絶縁保護膜23の図示は省略している。
図5において、アクチュエータ基板25に対してサブフレーム26が接合されている。このサブフレーム26は、アクチュエータ基板25の圧電素子16に空隙を介して非接触の状態で圧電素子16を覆うように設けられた少なくとも表面が絶縁性を有する構造体であり、圧電素子16が位置する部分に凹部26aが形成されている。また、サブフレーム26は、複数の液室13に液体を供給する共通液体供給路の一部を形成する開口部26bを有している。更に、サブフレーム26は、複数の圧電素子16に所定の振幅及び周波数からなるパルス駆動電圧を印加するための駆動用電気回路素子としての圧電素子駆動ICが配置される開口部26cを有している。この開口部26に、個別電極用のパッド電極21が露出している。圧電素子駆動ICは、バンプ電極27を介して、個別電極用のパッド電極21に電気的に接続される。また、サブフレーム26は、共通電極用のパッド電極19が露出している開口部26dを有している。
次に、アクチュエータ基板25にサブフレーム26を接合した後に行う圧電素子16の分極処理について説明する。
本実施形態では、共通電極用のパッド電極19及び個別電極用のパッド電極21それぞれが露出する開口部26c,26dを有するサブフレーム26に対して、コロナ放電方式又はグロー放電方式の放電処理を行っている。この放電処理により、共通電極用のパッド電極19及び個別電極用のパッド電極21を介して、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に、所定極性の互いに異なる電荷量の電荷を付与している。この電荷付与により、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に挟まれた圧電膜162に対して分極処理を行うことができる。
図6は、放電処理による共通電極用のパッド電極19及び個別電極用のパッド電極21への電荷注入の様子を模式的に示す説明図である。図7(a)及び(b)はそれぞれ、電荷注入による圧電素子16の分極の原理を示す電極配置図及び等価回路図である。
図6において、コロナワイヤ電極31を用いて例えばコロナ放電させると、大気中の分子がイオン化して陽イオンと陰イオンが発生する。この発生したイオンのうち、陽イオンがパッド電極19及び21を介して、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に流れ込み、それらの電極に蓄積される。
ここで、図7(a)に示すように、個別電極用のパッド電極21の数がA個であり、共通電極用のパッド電極19の数がB個であるとする。また、各パッド電極19、21の露出面積が同じであると仮定する。この条件下で、仮に各パッド電極に電荷Qが注入されると、図7(b)中のコンデンサで示す各圧電素子に対する電荷の蓄積量は示すようになる。すなわち、圧電素子16の個別電極(上部電極)163側には電荷Qが発生するのに対して、共通電極(下部電極)161側にはQ×(B/A)だけの電荷が発生する。この個別電極163及び共通電極161それぞれに発生する電荷量の差によって、電極間に内部電位差が生じ、圧電膜162の分極処理が行われていると考えられる。
なお、共通電極用のパッド電極19の数(B個)及び面積(b)と、個別電極用のパッド電極21の数(A個)及び面積(a)とを考慮すると、(A×a)/(B×b)の値は次の範囲が好ましい。すなわち、(A×a)/(B×b)の値は、0.1以上となっていることが好ましく、さらに好ましくは1以上となっていることが好ましい。この値に満たなくなると、個別電極163及び共通電極161それぞれに発生する電荷量の差が少なくなり、電極間の内部電位差がなくなってくるため、分極処理が行われなくなる。
ここで、圧電膜162の分極処理の状態については、圧電素子のP−Eヒステリシスループ特性から判断することができる。
図8(a)及び(b)はそれぞれ、分極処理前及び分極処理後のP−Eヒステリシスループ特性の測定例を示すグラフである。図8に示すように±150[kV/cm]の電界強度かけてヒステリシスループを測定する。そして、最初の0[kV/cm]時の分極をPiniとし、+150[kV/cm]の電圧印加後、0[kV/cm]まで戻したときの0[kV/cm]時の分極をPrとしたときに、Pr−Piniの値を分極量差として定義する。この分極量差(Pr−Pini)から分極状態の良し悪しを判断することができる。例えば、分極量差(Pr−Pini)は10[μC/cm]以下となっていることが好ましく、図8(b)に示すように5[μC/cm]以下となっていることがさらに好ましい。一方、分極量差(Pr−Pini)の値が、図8(a)に示すように10[μC/cm]よりも大きい場合は、圧電素子かなる圧電アクチュエータとして連続駆動後の変形劣化(変位劣化)については、十分な特性が得られない。
また、本実施形態の液滴吐出ヘッドは、前述の図5に示しているように複数の個別電極用のパッド電極21が所定の間隔で並ぶように配置されている。このように列状に配置された複数の個別電極用のパッド電極21に対して、上記コロナ放電又はグロー放電による分極処理を行うと、列の両端部に位置する個別電極用のパッド電極21への電荷注入が増加しやすい。そのため、
上記列の両端部に位置する個別電極用のパッド電極21に接続されている圧電素子16が電荷集中を起こし、後述の図14に示すように圧電素子16に絶縁破壊が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、複数の個別電極用のパッド電極21の列の端部に隣接する位置に、ダミーの端子電極としてのダミーパッド電極35を設けている。このダミーパッド電極35により、上記列の両端部に位置する個別電極用のパッド電極21への過剰な電荷注入を回避できる。従って、その個別電極用のパッド電極21に接続されている圧電素子16への過剰な電荷集中が発生せず、圧電素子16の絶縁破壊を回避することができるので、圧電素子16のより均一な分極処理が可能になる。特に、図5に示すようにダミーパッド電極35に電荷蓄積素子であるダミーの圧電素子40を接続したり、ダミーパッド電極35をグラウンド(GND)に接続したりすると、上記圧電素子16への過剰な電荷集中をより効果的に防止することができる。
次に、本実施形態の液滴塗布ヘッドを構成する構成要素である各部及び部材などの材料及び工法について、より具体的に説明する。
〔基板〕
基板14としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、通常100[μm]以上600[μm]以下の範囲の厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種あるが、半導体産業では一般的に(100)、(111)が広く使用されており、本構成例においては、主に(100)の面方位を持つ単結晶基板を主に使用した。また、図1に示すような液室(圧力室)13を作製していく場合、エッチングを利用してシリコン単結晶基板を加工していく。この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることが一般的である。異方性エッチングとは結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えばKOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。従って、面方位(100)では約54°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝をほることができるため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができることが分かっている。本構成例としては(110)の面方位を持った単結晶基板を使用することも可能である。但し、この場合、マスク材であるSiOもエッチングされてしまうため、この点も留意して利用することが好ましい。
〔振動板〕
図1に示すように電気機械変換素子としての圧電素子16によって発生した力を受けて、その下地の振動板15が変形して、液室(圧力室)13のインクなどの液体の液滴を吐出させる。そのため、振動板15としては所定の強度を有したものであることが好ましい。材料としては、Si、SiO、Siなどを例えばCVD法により作製したものが挙げられる。さらに図1に示すような共通電極(下部電極)161及び圧電膜162の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、圧電膜としては、一般的に材料としてPZTが使用される場合が多い。従って、振動板15の材料は、PZTの線膨張係数8×10−6(1/K)に近い5×10−6(1/K)以上10×10−6(1/K)以下の範囲の線膨張係数を有した材料が好ましく、さらには7×10−6(1/K)以上9×10−6(1/K)以下の範囲の線膨張係数を有した材料がより好ましい。具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びそれらの化合物等が挙げられる。これらの材料を、例えばスパッタ法又はゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。膜厚としては0.1[μm]以上10[μm]以下の範囲が好ましく、0.5[μm]以上3[μm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より小さいと、図1に示すような液室(圧力室)13の加工が難しくなる。また、上記範囲より大きいと振動板15が変形しにくくなり、インク滴などの液滴の吐出が不安定になる。
[共通電極(第1の駆動電極)]
共通電極(第1の駆動電極)161としては、金属もしくは金属と酸化物からなっていることが好ましい。ここで、どちらの材料も振動板15と共通電極161を構成する金属膜との間に密着層を入れて剥がれ等を抑制するように工夫している。以下に密着層含めて金属電極膜及び酸化物電極膜の詳細について記載する。
[密着層]
密着層は、例えば次のように形成する。Tiをスパッタ成膜後、成膜したチタン膜をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて熱酸化して酸化チタン膜にする。熱酸化の条件は、例えば、650[℃]以上800[℃]以下の範囲の温度、1[分]以上30[分]以下の範囲の処理時間、及びO雰囲気である。酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいがチタン膜の高温による熱酸化法が望ましい。反応性スパッタによる作製では、シリコン基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成を必要とする。さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方がチタンO膜の結晶性が良好になる。なぜなら、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るため、一旦、それを壊す必要が生じるためである。したがって、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。また、Ti以外の材料としては、Ta、Ir、Ru等の材料を用いることもできる。密着層の膜厚としては、10[nm]以上50[nm」以下の範囲が好ましく、15[nm]以上30[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲以下の場合においては、密着性に懸念があり、また、この範囲以上になってくると、その密着層の上で作製する電極膜の結晶の質に影響が出てくる。
〔金属電極膜〕
金属電極膜の金属材料としては、従来から高い耐熱性と低い反応性を有する白金が用いられているが、鉛に対しては十分なバリア性を持つとはいえない場合もあり、イリジウムや白金−ロジウムなどの白金族元素や、これらの合金膜も挙げられる。また、白金を使用する場合には下地(特にSiO)との密着性が悪いために、前述の密着層を先に積層することが好ましい。作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が一般的である。膜厚としては、80[nm]以上200[nm]以下の範囲が好ましく、100[nm]以上150[nm]以下の範囲がより好ましい。この範囲より薄い場合においては、共通電極161として十分な電流を供給することができなくなり、液滴の吐出をする際に不具合が発生する。さらに、この範囲より厚い場合においては、白金族元素の高価な材料を使用する場合においては、コストアップとなる。また、白金を材料とした場合においては、膜厚を厚くしていたったときに表面粗さが大きくなり、その上に作製する酸化物電極膜やPZTの表面粗さや結晶配向性に影響を及ぼして、インク吐出に十分な変位が得られないような不具合が発生する。
〔酸化物電極膜〕
酸化物電極膜の材料としては、SrRuO(以下、適宜「SRO」と略す。)を用いることが好ましい。SrRuO以外にも、Srx(A)(1−x)Ruy(1−y)、A=Ba、Ca、B=Co、Ni、x、y=0〜0.5で記述されるような材料も挙げられる。酸化物電極膜は例えばスパッタ法等の成膜方法により作製することができる。スパッタ条件によってSrRuOの薄膜の膜質が変わる。従って、特に結晶配向性を重視し、第1の駆動電極のPt(111)にならってSrRuOの膜についても(111)配向させるためには、成膜温度については500[℃]以上での基板加熱を行い、成膜することが好ましい。例えば特許文献4に記載のSRO成膜条件については、室温成膜でその後、RTA処理にて結晶化温度(650℃)で熱酸加している。この場合、SRO膜としては、十分結晶化され、電極としての比抵抗としても十分な値が得られるが、膜の結晶配向性としては、(110)が優先配向しやすくなり、その上に成膜したPZTについても(110)配向しやすくなる。
Pt(111)上に作製したSROの結晶性については、PtとSROで格子定数が近いため、通常のX線のθ−2θ測定では、SRO(111)とPt(111)の2θ位置が重なってしまい判別が難しい。Ptについては消滅則の関係からPsi=35°だけ傾けた2θが約32°付近の位置には回折線が打ち消し合い、回折強度が見られない。そのため、Psi方向を約35°傾けて、2θが約32°付近のピーク強度で判断することで、SROが(111)に優先配向しているかを確認することができる。
図9は、上記酸化物電極膜を構成するSROの結晶性について、2θ=32°に固定し、Psiを振って測定したX線のθ−2θ測定データを示すグラフである。Psi=0°ではSRO(110)ではほとんど回折強度が見られず、Psi=35°付近において、回折強度が見られることから本成膜条件にて作製したものについては、SROが(111)配向していることが確認できた。また、上述記載の室温成膜+RTA処理により作製されたSROについては、Psi=0°のときにSRO(110)の回折強度が見られる。
また、圧電アクチュエータとして連続動作したときに、駆動させた後の変位量が、初期変位に比べてどのくらい劣化したかを見積もったところ、PZTの配向性が非常に影響しており、(110)では変位劣化抑制において不十分である。さらにSRO膜の表面粗さを見たときに、成膜温度に影響し、室温から300℃では表面粗さが非常に小さく2[nm]以下になる。粗さについてはAFMにより測定される表面粗さ(平均粗さ)を指標としている。表面粗さとしては、非常にフラットにはなっているが結晶性が十分でなく、その後成膜したPZTの圧電アクチュエータとしての初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られない。表面粗さとしては、4[nm]以上15[nm]の範囲になっていることが好ましく、6[nm]以上10[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲を超えると、その後成膜したPZTの絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。従って上述に示すような、結晶性や表面粗さを得るためには、成膜温度としては500[℃]以上700[℃]、好ましくは520[℃]以上600[℃]の範囲で成膜を実施している。
成膜後のSrとRuの組成比については、Sr/Ruが0.82以上1.22以下であることが好ましい。この範囲から外れると比抵抗が大きくなり、電極として十分な導電性が得られなくなる。更に、SRO膜の膜厚としては、40[nm]以上150[nm]以下の範囲が好ましく、50[nm]以上80[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られず、圧電膜(PZT膜)のオーバーエッチングを抑制するためのストップエッチング層としての機能も得られにくくなる。また、この膜厚範囲を超えると、その後に成膜した圧電膜(PZT膜)の絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。また、比抵抗としては、5×10−3[Ω・cm]以下になっていることが好ましく、さらに1×10−3[Ω・cm]以下になっていることがさらに好ましい。この範囲よりも大きくなると共通電極161として、配線との界面で接触抵抗が十分得られず、共通電極161として十分な電流を供給することが出来なくなり、液滴を吐出をする際に不具合が発生する。
〔圧電膜(電気機械変換膜)〕
圧電膜162の材料としては、PZTを主に使用した。PZTとはジルコン酸鉛(PbTiO3)とチタン酸(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O、一般PZT(53/47)と示される。PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。これら材料は一般式ABOで記述され、A=Pb、Ba、Sr、 B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が該当する。その具体的な記述として(Pb1−x,Ba)(Zr,Ti)O3、(Pb1−x,Sr)(Zr,Ti)O、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
圧電膜162の作製方法としては、スパッタ法もしくは、ゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。その場合は、パターニング化が必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。PZTをゾルゲル法により作製した場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ均一溶液を得ることで、PZT前駆体溶液が作製できる。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
基板14の全面に圧電膜(PZT膜)162を得る場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100[nm]以下の膜厚が得られるように前駆体濃度の調整が必要になる。
圧電膜162の膜厚としては0.5[μm]以上5[μm]以下の範囲が好ましく、1[μm]以上2[μm]以下の範囲がより好ましい。この範囲より小さいと十分な変形(変位)を発生することができなくなり、この範囲より大きいと何層も積層させていくため、工程数が多くなりプロセス時間が長くなる。
また、圧電膜162の比誘電率としては600以上2000以下の範囲になっていることが好ましく、さらに1200以上1600以下の範囲になっていることが好ましい。このとき、この範囲よりも小さいときには十分な変形(変位)特性が得られなかったり、この範囲より大きくなると、分極処理が十分行われず、連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないといった不具合が発生する。
〔個別電極(第2の駆動電極)〕
個別電極(第2の駆動電極)163としては、金属もしくは酸化物と金属からなっていることが好ましい。以下に酸化物電極膜及び金属電極膜の詳細について記載する。
〔酸化物電極膜〕
酸化物電極膜の材料等については、前述の共通電極(第1の駆動電極)161で使用した酸化物電極膜について記載したものと同様なものを挙げることができる。酸化物電極膜(SRO膜)の膜厚としては、20[nm]以上80[nm]以下の範囲が好ましく、40[nm]以上60[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期変形(変位)や変形(変位)の劣化特性については十分な特性が得られない。また、この範囲を超えると、その後に成膜した圧電膜(PZT膜)の絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。
〔金属電極膜〕
金属電極膜の材料等については、前述の共通電極(第1の駆動電極)161で使用した金属電極膜について記載したものと同様なものを挙げることができる。金属電極膜とで記載しており、膜厚としては30[nm]以上200[nm]以下の範囲が好ましく、50[nm]以上120[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より薄い場合においては、個別電極163として十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出する際に不具合が発生する。また、上記範囲より厚いと、白金族元素の高価な材料を使用する場合にコストアップとなる。また、白金を材料とした場合に膜厚を厚くしていたったときに表面粗さが大きくなり、絶縁保護膜を介して配線などを作製する際に、膜剥がれ等のプロセス不具合が発生しやすくなる。
〔第1の絶縁保護膜〕
成膜・エッチングの工程による圧電素子へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過しづらい材料を選定する必要があるため、第1の絶縁保護膜18の材料は緻密な無機材料とする必要がある。また、第1の絶縁保護膜18として有機材料を用いる場合は、十分な保護性能を得るために膜厚を厚くする必要があるため、適さない。第1の絶縁保護膜18を厚い膜とした場合、振動板15の振動を著しく阻害してしまうため、吐出性能の低い液滴吐出ヘッドになってしまう。薄膜で高い保護性能を得るには、酸化物,窒化物,炭化膜を用いるのが好ましいが、第1の絶縁保護膜18の下地となる電極材料、圧電体材料及び振動板材料と密着性が高い材料を選定する必要がある。また、第1の絶縁保護膜18の成膜法も、圧電素子16を損傷しない成膜方法を選定する必要がある。すなわち、反応性ガスをプラズマ化して基板上に堆積するプラズマCVD法やプラズマをターゲット材に衝突させて飛ばすことで成膜するスパッタリング法は好ましくない。第1の絶縁保護膜18の好ましい成膜方法としては、蒸着法、ALD法などが例示できるが、使用できる材料の選択肢が広いALD法が好ましい。好ましい材料としては、Al,ZrO,YO3,Ta,TiOなどのセラミクス材料に用いられる酸化膜が例として挙げられる。特にALD法を用いることで、膜密度の非常に高い薄膜を作製し、プロセス中でのダメージを抑制することができる。
第1の絶縁保護膜18の膜厚は、圧電素子16の保護性能を確保できる十分な薄膜とする必要があると同時に、振動板15の変形(変位)を阻害しないように可能な限り薄くする必要がある。第1の絶縁保護膜18の膜厚は、20[nm]以上100[nm]以下の範囲が好ましい。100[nm]より厚い場合は、振動板15の変形(変位)量が低下するため、吐出効率の低い液滴吐出ヘッドとなる。一方、20[nm]より薄い場合は、圧電素子16の保護層としての機能が不足してしまうため、圧電素子16の性能が前述の通り低下してしまう。
また、第1の絶縁保護膜18を2層にする構成も考えられる。この場合は、2層目の絶縁保護膜を厚くするため、振動板15の振動を著しく阻害しないように個別電極(第2の駆動電極)163付近において2層目の絶縁保護膜を開口するような構成も挙げられる。この場合、2層目の絶縁保護膜としては、任意の酸化物,窒化物,炭化物またはこれらの複合化合物を用いることができ、また、半導体デバイスで一般的に用いられるSiOを用いることもできる。2層の第1の絶縁保護膜18の成膜は任意の手法を用いることができ、例えばCVD法、スパッタリング法等が例示できる。電極形成部等のパターン形成部の段差被覆を考慮すると等方的に成膜できるCVD法を用いることが好ましい。2層目の絶縁保護膜の膜厚は共通電極(下部電極)161と個別電極の配線22との間に印加される電圧で絶縁破壊されない膜厚とする必要がある。すなわち第1の絶縁保護膜18に印加される電界強度を、絶縁破壊しない範囲に設定する必要がある。さらに、第1の絶縁保護膜18の下地の表面性やピンホール等を考慮すると、第1の絶縁保護膜18の膜厚は200[nm]以上必要であり、さらに好ましくは500[nm]以上である。
〔配線、パッド電極〕
配線20、22及びパッド電極19、21の材料は、Ag合金、Cu、Al、Au、Pt、Irのいずれかから成る金属電極材料であることが好ましい。これらの電極の作製方法としては、スパッタ法、スピンコート法を用いて作製し、その後フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。膜厚としては、0.1[μm]以上20[μm]以下の範囲が好ましく、0.2[μm]以上10[μm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より小さいと抵抗が大きくなり電極に十分な電流を流すことができなくなりヘッド吐出が不安定になる。一方、この範囲より大きいとプロセス時間が長くなる。また、共通電極161及び個別電極163に接続されるコンタクトホール部(例えば10[μm]×10[μm])での接触抵抗としては、共通電極161に対して10[Ω]以下、個別電極163に対して1[Ω]以下が好ましい。さらに好ましくは、共通電極161に対して5[Ω]以下、個別電極163に対して0.5[Ω]以下である。この範囲を超えると十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出をする際に不具合が発生する。
〔第2の絶縁保護膜〕
第2の絶縁保護膜23としての機能は、共通電極用の第1の配線20や個別電極用の第2の配線22の保護層としての機能を有するパシベーション層である。前述の図3及び図4に示したように、個別電極163の引き出し部(開口部23a)と図示しない共通電極161の引き出し部とを除き、個別電極163及び共通電極161を被覆する。これにより、電極材料に安価なAlもしくはAlを主成分とする合金材料を用いることができる。その結果、低コストかつ信頼性の高い液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)とすることができる。第2の絶縁保護膜23の材料としては、任意の無機材料、有機材料を使用することができるが、透湿性の低い材料とする必要がある。無機材料としては、酸化物、窒化物、炭化物等が例示でき、有機材料としてはポリイミド、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が例示できる。ただし、有機材料の場合には厚膜とすることが必要となるため、パターニングに適さない。そのため、薄膜で配線保護機能を発揮できる無機材料とすることが好ましい。特に、Al配線上にSiを用いることが、半導体デバイスで実績のある技術であるため好ましい。また、膜厚は200[nm]以上とすることが好ましく、さらに好ましくは500[nm]以上である。膜厚が薄い場合は十分なパシベーション機能を発揮できないため、配線材料の腐食による断線が発生し、インクジェットの信頼性を低下させてしまう。
また、圧電素子16上とその周囲の振動板15上に開口部をもつ構造が好ましい。これは、前述の第1の絶縁保護膜18の個別液室に対応した領域を薄くしていることと同様の理由である。これにより、高効率かつ高信頼性の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)とすることが可能になる。絶縁保護膜18、23で圧電素子16が保護されているため、第2の絶縁保護膜23の開口部の形成には、フォトリソグラフィー法とドライエッチングを用いることができる。また、パッド電極19,21の面積については、50×50[μm]以上になっていることが好ましく、さらに100×300[μm]以上になっていることが好ましい。この値に満たない場合は、十分な分極処理ができなくなり、連続駆動後の変形(変位)劣化については十分な特性が得られないといった不具合が発生する。
次に、本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造方法における放電を用いた分極処理のより具体的な実施例について説明する。
<実施例1、2>
まず、前述の図5に基づいて、実施例1、2について説明する。
本実施例1、2では、下地基板14としての6インチシリコンウェハに熱酸化膜(膜厚1[μm])を形成し、共通電極(第1の駆動電極)161を形成した。まず、共通電極161の密着膜として、チタン膜(膜厚30[nm])をスパッタ装置にて成膜した後、RTAを用いて750[℃]にて熱酸化した。引き続き、金属膜として白金膜(膜厚100[nm])、酸化物膜としてSrRuO膜(膜厚60[nm])をスパッタ成膜した。スパッタ成膜時の基板加熱温度については550[℃]にて成膜を実施した。
次に、圧電膜(素子電気機械変換膜)163を形成した。まず、Pb:Zr:Ti=114:53:47に調整された溶液を準備し、スピンコート法により膜を成膜した。具体的な前駆体塗布液の合成については、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用いた。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。化学両論組成に対し鉛量を過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、先記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。このPZT前駆体溶液のPZT濃度は0.5モル/リットルした。このPZT前駆体溶液を用いて、スピンコートにより成膜し、その成膜後、120[℃]での乾燥と500[℃]での熱分解とを行った。3層目の熱分解処理後に、結晶化熱処理(温度750[℃])をRTA(急速熱処理)にて行った。このときPZTの膜厚は240[nm]であった。この工程を合計8回(24層)実施し、約2[μm]のPZT膜厚を得た。
次に、個別電極(第2の駆動電極)163を形成した。まず、個別電極163の酸化物膜として、SrRuO膜(膜厚40[nm])、金属膜としてPt膜(膜厚125[nm])をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィー法でレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ社製)を用いて、前述の図4に示すようなパターンを作製した。
次に、第1の絶縁保護膜18として、ALD工法を用いてAl膜を50[nm]成膜した。このとき、Alの原材料としてはTMA(シグマアルドリッチ社)、Oの原材料としてはオゾンジェネレーターによって発生させたOを用い、AlとOとを交互に積層させることで成膜を進めた。その後、図3及び図4に示すように、エッチングによりコンタクトホール部18aを形成した。その後、配線及びパッド電極としてAlをスパッタ成膜し、エッチングによりパターニング形成し、第2の絶縁保護膜23としてSiをプラズマCVDにより500[nm]成膜し、圧電素子(電気機械変換素子)16を作製した。このとき、6インチウェハ内の30[mm]×10[mm]四方のエリアを25個配置した。この25個のエリアそれぞれは、300個の個別電極用のパッド電極21を有し、1列が150個のパッド電極21が2列になった2列構成となっている。
以上のように作製した圧電素子(電気機械変換素子)16を含むアクチュエータ基板25に対して、共通液室の一部を形成する開口部26bや圧電素子駆動ICを配置するための開口部26c等を設けたサブフレーム26を接着接合した。サブフレーム26はシリコンウェハを活用し作製し、サブフレーム26の表面には熱酸化膜を形成した。
本実施例1、2では圧電素子駆動ICをアクチュエータ基板25上に実装する構成としている。圧電素子駆動用ICを直接アクチュエータ基板25上に実装することにより、実装スペースを小さくできるため、シリコンウェハからのアクチュエータ基板の取れ数を拡大でき、低コスト化が可能となる。
また、本実施例1、2では、圧電素子駆動用ICの端子に接続されるアクチュエータ基板25上の複数の個別電極用のパッド電極21の列の端部に隣接する位置に、ダミーパッド電極35が形成されている。このダミーパッド電極35は、液滴吐出部(駆動チャネル)を構成する個別電極用のパッド電極21と同一列上に形成されている。すなわち、ダミーパッド電極35は、複数の個別電極用のパッド電極21の列に沿って個別電極用のパッド電極21の間隔と同じ間隔で、個別電極用のパッド電極21の列の端部に隣接する位置に設けられている。また、ダミーパッド電極35は、個別電極用のパッド電極21と同じ面積を有している。
更に、本実施例1、2では、ダミーパッド電極35に、配線を介して、電荷蓄積素子であるダミーの電気機械変換素子としてのダミー圧電素子40が接続されている。このダミー圧電素子40は、液滴吐出部(駆動チャネル)を構成する圧電素子16と同一列上に形成されている。すなわち、ダミー圧電素子40は、複数の圧電素子16の列に沿って圧電素子16の間隔と同じ間隔で、圧電素子16の列の端部に隣接する位置に設けられている。また、ダミー圧電素子40は、圧電素子16と同じ面積を有している。
また、本実施例1、2では、個別電極用のパッド電極21と同様に、ダミーパッド電極35上にバンプ電極27が形成されている。このバンプ電極27の材料は金であることが望ましく、更には金スタッドバンプとすることで更にコストダウンが図れる。この金スタッドバンプとする効果は、アクチュエータ基板25の面積に対してバンプ電極が形成されている面積が小さく、めっき工法による金メッキバンプでは工程及び材料の損失コストが大きくなるためである。
また、コロナ放電等による分極処理前に、個別電極用のパッド電極21及びダミーパッド電極35それぞれにバンプ電極を形成することは、次のような効果もある。すなわち、圧電素子駆動用ICの高密度実装化に伴い、個別電極用のパッド電極21の面積が非常に小さくなる。これに対してコロナ放電等による分極処理を行おうとすると、個別電極用のパッド電極21と共通電極用のパッド電極19に所定の電荷を注入する必要がある。ここで、個別電極用のパッド電極21上にバンプ電極27を形成することで、パッド電極21の表面積を大きくすることができるため、安定した分極処理を実施することができるようになる。
なお、実施例1は、個別電極用のパッド電極21上にバンプ電極27を形成しない実施例であり、実施例2は、個別電極用のパッド電極21上にバンプ電極27を形成する実施例である。
上記実施例1,2のダミーパッド電極35及びダミー圧電素子40を有する構成の効果を確認するために、表1に示す実施例1,2のアクチュエータ基板と比較例のアクチュエータ基板について分極処理の実験を行った。本実験に用いたコロナ放電による帯電処理装置の構成はスコロトロン方式を採用し、φ50[μm]のタングステンのコロナワイヤに対して8[kV]の電圧を印加し、グリッド電極に対して2.5[kV]の電圧を印加し、30秒間処理を行った。評価項目は、次の(1)及び(2)の2項目である。
(1)コロナ放電の分極処理による圧電素子16の上下電極間の絶縁破壊発生の有無
(2)分極量差(Pr−Pini)
表1の実施例1、2では、個別電極用のパッド電極21の同一列上にダミーパッド電極35を形成し、ダミーパッド電極35とダミー圧電素子40とを結線した。これにより、個別電極用のパッド電極21が結線されている個別電極163への電荷集中を抑えられ、液滴吐出部(駆動チャネル)の圧電素子16での絶縁破壊を防止できた。但し、ダミーパッド電極35には電荷注入が集中するため、ダミー圧電素子40には絶縁破壊が発生した。この絶縁破壊部を起点にダミーー圧電素子40にクラックが発生したが、未駆動チャネルの圧電素子のため品質上は問題がない。また、実施例2のように個別電極用のパッド電極21にバンプ電極27を形成することで、パッド電極21への電荷注入量を多くでき、前述の分極量差(Pr−Pini)を小さくすることができた。
<実施例3>
次に、図10を用いて、実施例3について説明する。
本実施例3では、以下の点を除き、実施例1、2と同様に液滴吐出ヘッドを作製した。
上記構成の液滴吐出ヘッドを用いたインクジェット方式の画像形成装置では、印刷速度の向上等を狙いとして、多ノズル化が求められており、液滴吐出ヘッドの長尺化が進んでいる。この多ノズル及び液滴吐出ヘッドの長尺を実現するには、複数の圧電素子駆動用ICを同一列上に実装することが必要である。そのため、圧電素子駆動用ICの実装精度および実装エリア50の確保のため、圧電素子駆動用ICのつなぎ部51では、個別電極用のパッド電極間は距離が離れることとなる。この不連続部となるつなぎ部51の個別電極用のパッド電極にはコロナ放電等による分極処理時に電荷が集中するため、絶縁破壊が発生しやすい。
そこで、本実施例3では、個々の圧電素子駆動用ICが接続されている複数の実装エリア50間のつなぎ部51において、個別電極用のパッド電極21に隣接している位置にダミーパッド電極36を設けている。ダミーパッド電極36は、個別電極用のパッド電極21と同一列上に、個別電極用のパッド電極21のピッチと同じピッチで形成し、ダミー圧電素子41と結線されている。
ダミー圧電素子41は、レイアウト上、液滴吐出部(駆動チャネル)の圧電素子16と同一列上に形成することはできず、この圧電素子16の列上から外れた位置に配置されている。また、ダミー圧電素子41は形状の制約はなく、静電容量が同じになるように対向面積が液滴吐出部(駆動チャネル)の圧電素子16と同一になるように設定されていることが好ましい。静電容量が同じになるように面積をそろえることで、コロナ放電等による分極処理時の電荷注入プロファイルを液滴吐出部(駆動チャネル)とそろえることができ、列内での分極量差(Pr−Pini
)のばらつきを抑えることができる。
ここで、圧電素子駆動用IC間のダミー圧電素子41の直下は液室加工を施していない。これは、同一列以外の箇所で液室加工を施すと、液室を構成しているシリコンの応力分布が不均一となるためである。液室13を構成しているシリコンの応力分布が不均一になると、振動板15の一部に応力が加わるため、圧電素子16の変形(変位)特性のばらつきを発生させてしまう。
本実施例3では、上記構成により試作評価した結果、実施例2と同様に圧電素子駆動用ICのつなぎ部51の液滴吐出部(駆動チャネル)においても絶縁破壊を発生することなく、安定した分極量差が得られることを確認した。
次に、図11を用いて、実施例4について説明する。
本実施例4では、以下の点を除き、実施例1、2と同様に液滴吐出ヘッドを作製した。
本実施例4では、圧電素子駆動用IC間のつなぎ部51に、ダミーパッド電極36を4個連続して形成し、このダミーパッド電極36の数に比例して、4個のダミーパッド電極36が接続された単一のダミー圧電素子42の面積を4倍にして共通で接続している。ダミー圧電素子42を共通化することで個別に設けるよりも設置面積を小さくすることができる。従って、アクチュエータ基板25が形成されるチップの面積を小さくして小型化を図ることができる。また、微小面積内でのダミーパッド電極36の個数を増加させることができるので、列内における圧電素子間の分極量差のばらつきをより確実に低減できる。
以上、上記実施例1〜4で作製した液滴吐出ヘッド10を用いて液吐出評価を行った。粘度を5[cp]に調整したインクを用いて、単純プッシュ波形により−3〜−20[V]の電圧を印加したときの吐出状況を確認したところ、全てのノズル孔11からインク液滴を安定してた吐出できていることを確認した。
<実施例5>
次に、図12を用いて、実施例5について説明する。
本実施例5では、以下の点を除き、実施例1、2と同様に液滴吐出ヘッドを作製した。
本実施例5では、複数の個別電極用のパッド電極21の列の端部に隣接する位置に形成されているダミーパッド電極35が、配線37を介してグラウンド(GND)配線38に接続されている。
また、本実施例5では、コロナ放電による分極処理において、φ50[μm]のタングステンのコロナワイヤを用い、コロナワイヤと処理対象のサンプル(アクチュエータ基板)と間の距離を5[mm]に設定し、コロナワイヤに6[kV]の電圧を印加し、サンプル(アクチュエータ基板)に対して20分間、分極処理を行った。
<実施例6>
本実施例6では、コロナ放電を用いた分極処理において、コロナワイヤに8[kV]の電圧を印加し、サンプル(アクチュエータ基板)に対して20分間、分極処理を行った以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
<実施例7>
本実施例7では、コロナ放電を用いた分極処理において、コロナワイヤに6[kV]の電圧を印加し、サンプル(アクチュエータ基板)に対して1分間、分極処理を行った以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
<実施例8>
本実施例8では、図13に示すようにグラウンド(GND)配線38’をパターニングしてダミーパッド電極35の直下まで引き出して配置した以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
<比較例2>
コロナ放電を用いた分極処理コロナ帯電処理を行わなかったこと以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
<比較例3>
個別電極PAD列に対してダミーPADを用意しないこと以外は、実施例5と同様な圧電素子を含むアクチュエータ基板25を作製した。
上記実施例5〜8及び比較例2、3で作製した圧電素子について、電気特性、電気機械変換能(圧電定数)の評価を行った。代表的なP−Eヒステリシス曲線を図15に示す。電気機械変換能(圧電定数)は電界印加(150[kV/cm])による変形量をレーザードップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。初期特性を評価した後に、耐久性(1×1010回繰り返し印可電圧を加えた直後の特性)の評価を実施した。
実施例5〜8については、初期特性及び耐久性試験後の結果についても一般的なセラミック焼結体と同等の特性を有していた。具体的には、残留分極Prが20〜27[μC/cm]であり、圧電定数は−120〜−160[pm/V]であった。
比較例2、3については、若干初期特性としては一般的なセラミックス焼結体に比べて特性が変わらない。しかしながら、比較例2に関しては1×1010回後(1×1010回繰り返し印加電圧を加えた直後)の特性においては、実施例5〜8に比べて、大きく劣化しているのが確認された。また、比較例2に関しては、図14中の枠Aで囲んだ圧電素子16に示すように端部での破壊が確認された。
また、実施例5〜8で作製した圧電素子を用いて、図16の液体吐出ヘッドを作製し液の吐出評価を行った。粘度を5[cp]に調整したインクを用いて、単純プッシュ波形により−10〜−30[V]の印加電圧を加えたときの吐出状況を確認したところ、全てのノズル孔11からインク液滴を吐出できていることを確認した。図16は、1個のノズル孔11を有する図1の液滴吐出ヘッド10を複数個配置した構成例である。
以上のように、本実施形態によれば、バルクセラミックスと同等の性能を持つ圧電素子16を簡便な製造工程で形成することができる。そして、前述の図1、16に示すように、その後の液室(圧力室)13の形成のための裏面からのエッチング除去を行い、ノズル孔11を有するノズル板12を接合することで、液滴吐出ヘッド10が作製することができる。なお、前述の図1、16では液体供給手段、流路、流体抵抗について図示を省略している。
次に、上記構成の液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置について説明する。
図13は、本実施形態に係る液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置の一例を示す側面図である。また、図14は、同画像形成装置の部分平面図である。
本実施形態の画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とで、液滴吐出装置(インク滴吐出装置)としてのキャリッジ103が主走査方向に摺動自在に保持されている。キャリッジ103は、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して矢示方向(主走査方向)に移動走査される。
キャリッジ103には、記録ヘッド107を主走査方向に沿う方向に配置し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。記録ヘッド107は、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の記録液の液滴(インク滴)を吐出する液滴吐出ヘッド107k、107c、107m、107yで構成されている。なお、ここでは独立した液滴吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
また、キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108が搭載されている。このサブタンク108には、インク供給チューブ109を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
また、本実施形態の画像形成装置は、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した被記録媒体としての用紙112を給紙するための給紙部が設けられている。この給紙部は、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロからなる給紙ローラ113と分離パッド114とを備えている。分離パッド114は、給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる。分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
また、本実施形態の画像形成装置は、上記給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部が設けられている。この搬送部は、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122とを備えている。更に、上記搬送部は、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された加圧コロ125A及び先端加圧コロ125Bとを備えている。また、搬送ベルト121の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されている。そして、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、搬送ベルト121がベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成されている。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129が配置されている。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端それぞれに例えば2.5[N]がかけられている。
さらに、本実施形態の画像形成装置は、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部が設けられている。この排紙部は、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、本実施形態の画像形成装置の背部には、両面給紙ユニット155が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット155は、搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
さらに、図14に示すように、キャリッジ103の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド107のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構156が配置されている。この維持回復機156は、記録ヘッド107の各ノズル面をキャピングするための各キャップ157と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード158とを備えている。更に、維持回復機156は、増粘した記録液(インク)を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け159などを備えている。
以上のように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送される。更に、用紙112は、先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加される。これにより、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そして、キャリッジ103を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112が両面給紙ユニット155内に送り込まれる。そして、両面給紙ユニット155で用紙112が反転されて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙される。この給紙に応じてタイミング制御が行われ、前述したと同様に搬送ベル121上に搬送して裏面に記録を行った後、両面に画像が記録された用紙112が排紙トレイ154に排紙される。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ103は維持回復機構155側に移動され、キャップ157で記録ヘッド107のノズル面がキャッピングされ、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良が防止される。また、キャップ157で記録ヘッド107をキャッピングした状態でノズルから記録液が吸引され(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作が行われる。この回復動作によって記録ヘッド107のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード158でワイピングが行われる。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作が行われる。これによって、記録ヘッド107の安定した吐出性能が維持される。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置においては、上記構成の液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備えるので、小型化、低コスト化を図るとともに吐出ヘッドサイズが同等で吐出可能なノズル数を増やせることから、更なる高速印刷も可能となる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、本発明はインク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
液滴を吐出するノズル11と、ノズル11に連通する液室13と、液室13内の液体を加圧可能に基板上に設けられた圧電素子16などの電気機械変換素子と、電気機械変換素子の基板側の共通電極161などの第1の駆動電極に接続されたパッド電極19などの第1の端子電極と、電気機械変換素子の基板側とは反対側の個別電極163などの第2の駆動電極に接続されたパッド電極21などの第2の端子電極と、を複数組備え、前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置され、前記複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に、ダミーパッド電極35などのダミーの端子電極を設けた。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記カバー部材の少なくとも第1の端子電極及び第2の端子電極が露出する開口部に向けて放電処理を行うことにより、その端子電極に電荷を注入することができる。この端子電極に注入された電荷は、第1の駆動電極及び第2の駆動電極に到達するので、第1の駆動電極及び第2の駆動電極に互いに異なる電荷量の電荷を付与することができる。そして、この電荷の付与により第1の駆動電極と第2の駆動電極との間に所定の電位差が形成されるので、電気機械変換素子に対して分極処理を行うことができる。この放電による分極処理は、端子電極に直接接触させるプローブカードが不要であり、また、簡易な構成で複数の電気機械変換素子に対して一括して分極処理できるので、製造コストの低減を図ることができる。
しかも、前記複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に、ダミーパッド電極35などのダミーの端子電極を設けているため、前記複数の第2の端子電極の列の端部への過剰な電荷注入を回避できる。従って、その端部の第2の端子電極に接続されている電気機械変換素子への過剰な電荷集中が発生せず、電気機械変換素子の絶縁破壊を回避することができるので、電気機械変換素子のより均一な分極処理が可能になる。従って、上記注入電荷によって分極処理される電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
以上のように、製造コストの低減を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記複数の第2の端子電極は、所定の間隔で並ぶように配置され、前記ダミーの端子電極は、前記複数の第2の端子電極の列に沿って該複数の第2の端子電極の間隔と同じ間隔で、該複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に設けられている。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記複数の第2の端子電極の列の端部への過剰な電荷注入をより確実に回避できるので、電気機械変換素子の分極特性のばらつきをより確実に低減することができる。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、前記ダミーの端子電極は、前記第2の端子電極と同じ面積を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記複数の第2の端子電極の列の端部への過剰な電荷注入をより確実に回避できるので、電気機械変換素子の分極特性のばらつきをより確実に低減することができる。
(態様D)
上記態様A乃至Cのいずれかにおいて、前記ダミーの端子電極及び前記第2の端子電極にバンプ電極が形成されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、放電にさらされる端子電極の表面積を増加させることができるので、端子電極へ所定の電荷を安定して注入することができ、放電による安定した分極処理を実施できる。
(態様E)
上記態様Dにおいて、前記バンプ電極は、金スタッドバンプ電極である。これによれば、上記実施形態について説明したように、金めっきバンプ電極に比して製造コストを低減できる。
(態様F)
上記態様A乃至Eのいずれかにおいて、前記ダミーの端子電極に接続された電荷蓄積素子を設ける。これによれば、上記実施形態について説明したように、放電によってダミーの端子電極に注入された電荷を電荷蓄積素子に逃がして蓄積できるので、ダミーの端子電極における電荷量の過剰な上昇を回避し、ダミーの端子電極における絶縁破壊を防止できる。
(態様G)
上記態様Fにおいて、前記電荷蓄積素子は、前記電気機械変換素子と同じ素子である。これによれば、上記実施形態について説明したように、ダミーの端子電極における電荷量の上昇を、そのダミーの端子電極に隣接する第2の端子電極と同等になるので、上記ダミーの端子電極における絶縁破壊をより確実に防止できる。
(態様H)
上記態様F又はGにおいて、前記複数の電気機械変換素子は、所定の間隔で並ぶように配置され、前記電荷蓄積素子は、前記複数の電気機械変換素子の列方向に沿って前記複数の電気機械変換素子の間隔と同じ間隔で、該複数の電気機械変換素子の列の端部に隣接する位置に設けられている。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の電気機械変換素子と同様に電荷蓄積素子を形成できるため、製造が容易になる。
(態様I)
上記態様F又はGにおいて、前記複数の電気機械変換素子は、所定の間隔で並ぶように配置され、前記電荷蓄積素子は、前記複数の電気機械変換素子の列方向とは異なる位置に設けられている。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の電気機械変換素子の列の並び方向の影響を受けることなく、電荷蓄積素子を形成することができ、電荷蓄積素子のレイアウト上の制約が少なくなる。
(態様J)
上記態様A乃至Iのいずれかにおいて、前記ダミーの端子電極は、所定の間隔で並ぶように複数形成され、前記複数のダミーの端子電極は、そのダミーの端子電極の個数に応じて静電容量が設定された単一の電荷蓄積素子に接続されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数のダミーの端子電極に対して電荷蓄積素子を共通化することにより、個別に電荷蓄積素子を設ける場合に比して電荷蓄積素子の設置面積を小さくすることができる。従って、小型化を図ることができる。また、微小面積内でのダミーの端子電極の個数を増加させることができ、列内における電気機械変換子間の分極量差のばらつきを低減できる。
(態様K)
上記態様A乃至Eのいずれかにおいて、前記ダミーの端子電極はグラウンドに接続されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、ダミーの端子電極に過剰に注入された電化をグラウンドへ速やかに逃がすことができるので、そのダミーの端子電極に隣接する第2の端子電極における電荷集中をより効果的に防止できる。
(態様L)
上記態様A乃至Kのいずれかにおいて、前記電気機械変換素子に空隙を介して該電気機械変換素子を覆うように設けられたサブフレーム26などの構造体を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記構造体が設けられている場合でも、上記放電による分極処理を行ったときの電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
(態様M)
上記態様A乃至Kのいずれかにおいて、前記電気機械変換素子に対して接触の状態で該電気機械変換素子を覆うように設けられた第2の絶縁性保護膜23などの絶縁性保護膜を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記絶縁性保護膜が設けられている場合でも、上記放電による分極処理を行ったときの電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
(態様N)
上記態様A乃至Mのいずれかの液滴吐出ヘッドにおける電気機械変換素子の分極処理方法であって、前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極と、放電手段とを、空隙を介して互いに対向させる工程と、前記放電手段により、前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極を介して前記第1の駆動電極及び前記第2の駆動電極に互いに異なる電荷量の電荷を付与するように前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極に向けて放電処理を行う工程と、を含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、製造コストの低減を図りつつ、電気機械変換素子の分極特性のばらつきを低減することができる。
(態様O)
上記態様Nにおいて、前記放電処理は、コロナ放電もしくはグロー放電により発生した正極性の電荷を前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極に注入するように行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記端子電極への電荷注入を安定して行うことができ、安定した分極処理が可能になる。
(態様P)
上記態様N又はOにおいて、前記放電処理は、前記電気機械変換素子について、電界強度が±150[kV/cm]になるように電圧を印加して該電気機械変換素子の電界強度と分極との関係のヒステリシスループを測定し、測定開始時の電界強度が0[kV/cm]のときの分極をPiniとし、その後の電界強度が+150[kV/cm]になった後に電界強度が0[kV/cm]まで戻ったときの分極をPrとしたときに、分極量差Pr−Piniが10[μC/cm]以下になるように行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、電気機械変換素子の連続駆動後の変形劣化(変位劣化)を防止することができ、長期にわたって安定した液滴吐出特性を得ることができる。
(態様Q)
液滴を吐出するノズル11と、ノズル11に連通する液室13と、液室13内の液体を加圧可能に基板上に設けられた圧電素子16などの電気機械変換素子と、電気機械変換素子の基板側の共通電極161などの第1の駆動電極に接続されたパッド電極19などの第1の端子電極と、電気機械変換素子の基板側とは反対側の個別電極163などの第2の駆動電極に接続されたパッド電極21などの第2の端子電極と、を複数組備え、前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置されている液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記基板上に設けられた電気機械変換素子を設ける工程と、前記第1の端子電極と前記第2の端子電極とを形成する工程と、前記カバー部材を設ける工程と、請求項N乃至Pのいずれかの分極処理の工程と、を含む。これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出ヘッドの製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減することができる。
(態様R)
上記態様A乃至Mのいずれかの液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出装置の製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減することができる。
(態様S)
上記態様N乃至Pのいずれかの分極処理方法で処理した電気機械変換素子を有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出装置の製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減することができる。
(態様T)
インク滴吐出装置として態様R又はSの液滴吐出装置を備えた画像形成装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成装置の製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減させ、画像品質の向上を図ることができる。
10 液滴吐出部
11 ノズル
12 ノズル基板
13 液室(圧力室)
14 基板(液室基板)
15 振動板
16 圧電素子
161 共通電極(下部電極)
162 圧電膜(圧電体)
163 個別電極(上部電極)
15 振動板
18 第1の絶縁保護膜
18a コンタクトホール
19 共通電極用のパッド電極
20 第1の配線
21 個別電極用のパッド電極
22 第2の配線
23 第2の絶縁保護膜
23a コンタクトホール
25 アクチュエータ基板
26 サブフレーム
26a 凹部
26b〜26d 開口部
27 バンプ電極
28 シリコンウェハ
29 アクチュエータ
31 コロナワイヤ
32 グリッド電極
33 ベースプレート
35、36 ダミーパッド電極
37 配線
38、38’ グラウンド(GND)配線
40〜42 ダミー圧電素子
107 記録ヘッド
特開2004−202849号公報 特開2010−034154号公報 特開2006−203190号公報 特許第3782401号公報

Claims (20)

  1. 液滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通する液室と、該液室内の液体を加圧可能に基板上に設けられた電気機械変換素子と、該電気機械変換素子の該基板側の第1の駆動電極に接続される第1の端子電極、該電気機械変換素子の該基板側とは反対側の第2の駆動電極に接続される第2の端子電極とを、複数組備え、
    前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置され、前記複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に、ダミーの端子電極を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記複数の第2の端子電極は、所定の間隔で並ぶように配置され、
    前記ダミーの端子電極は、前記複数の第2の端子電極の列に沿って該複数の第2の端子電極の間隔と同じ間隔で、該複数の第2の端子電極の列の端部に隣接する位置に設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記ダミーの端子電極は、前記第2の端子電極と同じ面積を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記ダミーの端子電極及び前記第2の端子電極にバンプ電極が形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項4の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記バンプ電極は、金スタッドバンプ電極であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記ダミーの端子電極に接続された電荷蓄積素子を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項6の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記電荷蓄積素子は、前記電気機械変換素子と同じ素子であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  8. 請求項6又は7の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記複数の電気機械変換素子は、所定の間隔で並ぶように配置され、
    前記電荷蓄積素子は、前記複数の電気機械変換素子の列方向に沿って前記複数の電気機械変換素子の間隔と同じ間隔で、該複数の電気機械変換素子の列の端部に隣接する位置に設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  9. 請求項6又は7の液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記複数の電気機械変換素子は、所定の間隔で並ぶように配置され、
    前記電荷蓄積素子は、前記複数の電気機械変換素子の列方向とは異なる位置に設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  10. 請求項1乃至9のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記ダミーの端子電極は、所定の間隔で並ぶように複数形成され、
    前記複数のダミーの端子電極は、そのダミーの端子電極の個数に応じて静電容量が設定された単一の電荷蓄積素子に接続されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  11. 請求項1乃至5のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記ダミーの端子電極はグラウンドに接続されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  12. 請求項1乃至11のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記電気機械変換素子に空隙を介して該電気機械変換素子を覆うように設けられた構造体を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  13. 請求項1乃至11のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記電気機械変換素子に対して接触の状態で該電気機械変換素子を覆うように設けられた絶縁性保護膜を備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  14. 請求項1乃至13のいずれかの液滴吐出ヘッドにおける電気機械変換素子の分極処理方法であって、
    前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極と、放電手段とを、空隙を介して互いに対向させる工程と、
    前記放電手段により、前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極を介して前記第1の駆動電極及び前記第2の駆動電極に互いに異なる電荷量の電荷を付与するように前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極に向けて放電処理を行う工程と、を含むことを特徴とする電気機械変換素子の分極処理方法。
  15. 請求項14の電気機械変換素子の分極処理方法において、
    前記放電処理は、コロナ放電もしくはグロー放電により発生した正極性の電荷を前記第1の端子電極及び前記第2の端子電極に注入するように行うことを特徴とする電気機械変換素子の分極処理方法。
  16. 請求項14又は15の電気機械変換素子の分極処理方法において、
    前記放電処理は、前記電気機械変換素子について、電界強度が±150[kV/cm]になるように電圧を印加して該電気機械変換素子の電界強度と分極との関係のヒステリシスループを測定し、測定開始時の電界強度が0[kV/cm]のときの分極をPiniとし、その後の電界強度が+150[kV/cm]になった後に電界強度が0[kV/cm]まで戻ったときの分極をPrとしたときに、分極率Pr−Piniが10[μC/cm]以下になるように行うことを特徴とする電気機械変換素子の分極処理方法。
  17. 液滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通する液室と、該液室内の液体を加圧可能に基板上に設けられた電気機械変換素子と、該電気機械変換素子の該基板側の第1の駆動電極に接続される第1の端子電極と、該電気機械変換素子の該基板側とは反対側の第2の駆動電極に接続される第2の端子電極とを、複数組備え、
    前記電気機械変換素子を覆うように設けられた少なくとも表面が絶縁性を有するカバー部材を備え、
    前記複数の第2の端子電極が、所定の間隔で並ぶように配置されている液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記基板上に設けられた電気機械変換素子を設ける工程と、
    前記第1の端子電極と前記第2の端子電極とを形成する工程と、
    前記カバー部材を設ける工程と、
    請求項14乃至16のいずれかの分極処理の工程と、を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  18. 請求項1乃至13のいずれかの液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
  19. 請求項14乃至16のいずれかの分極処理方法で処理した電気機械変換素子を有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
  20. インク滴吐出装置として請求項18又は19の液滴吐出装置を備えた画像形成装置。
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