JP2015088581A - 電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents

電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長尺形状の電気機械変換膜における電圧印加時の十分な変形量を確保しつつクラックの発生を抑制することができる電気機械変換素子を提供する。
【解決手段】第1の電極と、第1の電極上に形成された電気機械変換膜162と、電気機械変換膜162上に形成された第2の電極163とを備え、電気機械変換膜162及び第2の電極163の平面形状が長尺形状である電気機械変換素子であって、電気機械変換膜162及び第2の電極163の長手方向における同一箇所に、部分的に幅が細くなっている細幅部162a、163aが形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、電気機械変換素子、その電気機械変換素子を備えた液滴吐出ヘッド、その液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、この種の電気機械変換素子として、下電極(第1の電極)と、その下電極上に設けられた圧電体膜等の電気機械変換膜と、その電気機械変換膜上に設けられた上電極(第2の電極)とを備えたものが知られている。この電気機械変換素子は、基板などのベース部材上に設けられ、下電極と上電極との間に電圧を印加することによって変形させることができ、各種のアクチュエータとして使用することができる。例えば、上記構成の電気機械変換素子は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにおける液室の壁の一部を構成する変形可能なベース部材(振動板)上に設けられ、液室内の液体に圧力を発生させるアクチュエータとして使用することができる。この液滴吐出ヘッドでは、ベース部材上の電気機械変換素子に電圧を印加して変形させることにより、液室の壁の一部を構成するベース部材を湾曲させ、液室内の液体に圧力を発生させる。この圧力により液室内の液体を、液室に連通するノズルから液滴として吐出することができる。
上記従来の電気機械変換素子では、製造時の分極処理における電圧印加や使用時の駆動電圧の印加によって電気機械変換膜にクラックが発生するおそれがある。
例えば、電気機械変換素子の変形量を高めたりその変形量を経時的に安定化させたりするために、電気機械変換素子に高電圧を印加して電気機械変換膜の結晶の分極の向きを揃える分極処理を行う場合がある。この分極処理時に電気機械変換膜にクラックが発生するおそれがある。また、上記電気機械変換膜のクラックは、電気機械変換素子に高電圧からなる駆動電圧を印加して電気機械変換素子をアクチュエータとして使用する実際の使用時にも発生するおそれがある。
このような電気機械変換膜のクラックは例えば次のようなメカニズムで発生すると考えられる。電気機械変換素子に印加された電圧によって電気機械変換膜が伸縮しようとするとき、電気機械変換素子が設けられているベース部材から、その伸縮を阻止するような拘束力を受ける。この電気機械変換膜の伸縮に対する拘束力のうち、電気機械変換膜が収縮するときにベース部材側から受ける拘束力は、その電気機械変換膜の収縮を阻止する抗力として、ベース部材側から電気機械変換膜に対して作用する。その結果、電気機械変換膜内の各部における収縮方向に直交する仮想断面に、膜を分断するような内部応力が生じる。この電気機械変換膜の内部応力によって電気機械変換膜にクラックが生じるおそれがある。電気機械変換膜にクラックが発生すると歩留まりが低下し、電気機械変換素子がコストアップしてしまう。
上記電圧印加による電気機械変換膜のクラックは、長尺形状の電気機械変換膜を有する電気機械変換素子で特に発生しやすい。長尺形状の電気機械変換膜では、その幅方向と直交する長手方向(長さ方向)において、電圧印加時に収縮しようとするときの変形量が大きくなる。そして、上記電気機械変換膜内に生じる内部応力は、電気機械変換膜の変形量が大きいほど大きくなる。このため、上記電気機械変換膜における内部応力が長手方向に強く生じ、電気機械変換膜が長手方向に分断されやすくなるので、電気機械変換膜の長手方向に交差する短手方向(幅方向)に延びたクラックが発生しやすい。
特許文献1には、長尺形状の圧電体膜(電気機械変換膜)及び上電極を有する圧電素子(電気機械変換素子)において、圧電体膜に電圧を印加したときのクラックの発生を抑制できるように構成したものが開示されている。この特許文献1の圧電素子では、長尺形状の上電極の長手方向における一部を切除した切除部を形成することにより、圧電体膜の長手方向に作用する内部応力を緩和させ、圧電体膜のクラックの発生を抑制している。
しかしながら、上記特許文献1に開示されている圧電素子では、上電極が切除されている部分に圧電体膜が露出している。この圧電体膜の露出部分は、上電極がないので電圧が印加されず、電圧印加による変形が発生しない。従って、圧電体膜の露出部分は、電圧印加時に圧電体膜の全体が幅方向(短手方向)に伸縮しようとする変形を阻害してしまう。よって、電圧印加時に圧電素子が変形するときの変形量が低下し、電圧印加の十分な変形量を確保することができないおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、長尺形状の電気機械変換膜における電圧印加時の十分な変形量を確保しつつクラックの発生を抑制することができる電気機械変換素子を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、第1の電極と、前記第1の電極上に形成された電気機械変換膜と、前記電気機械変換膜上に形成された第2の電極とを備え、前記電気機械変換膜及び前記第2の電極の平面形状が長尺形状である電気機械変換素子であって、前記電気機械変換膜及び前記第2の電極の長手方向における同一箇所に、部分的に幅が細くなっている細幅部が形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、長尺形状の電気機械変換膜における電圧印加時の十分な変形量を確保しつつクラックの発生を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの基本構成部分である液滴吐出部の一構成例を示す概略構成図。 基板上の振動板及び圧電素子の層構造の一例を示す断面図。 圧電素子及びその周辺のより具体的な構成例を示す断面図。 圧電素子及びその周辺のより具体的な構成例を示す平面図。 放電を用いた分極処理における共通電極用のパッド電極及び個別電極用のパッド電極への電荷注入の様子を模式的に示す説明図。 SROからなる酸化物電極膜のX線回析測定結果の一例を示すグラフ。 参考例に係る電気機械変換素子の一例を示す上面図。 実施例1に係る電気機械変換素子の一例を示す上面図。 実施例2に係る電気機械変換素子の一例を示す上面図。 本実施形態に係る液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置の一例を示す側面図。 同画像形成装置の部分平面図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液滴吐出ヘッドの基本構成部分である液滴吐出部10の一構成例を示す概略構成図である。
図1において、液滴吐出部10は、インクなどの液体の液滴を吐出する液滴吐出孔としてのノズル11を有するノズル基板12と、ノズル11に連通し液体を収容した液室としての個別液室13が形成された液室基板14とを備えている。更に、液室基板(以下、単に「基板」という。)14上には、個別液室13の壁の一部を形成する振動板15と、電気機械変換素子としての圧電素子16とが設けられている。圧電素子16は、振動板15を介して個別液室13内の液体に圧力を発生させる圧力発生手段(アクチュエータ)として機能する。圧電素子16は、基板14側の第1の電極としての下電極である共通電極161と、電気機械変換膜としての圧電体膜162と、圧電体膜162の基板14側とは反対側の第2の電極としての上電極である個別電極163とが積層されている。共通電極161は、後述の外部接続用の第1の端子電極としての共通電極用のパッド電極に接続されている。また、圧電体膜162は、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)などから形成されている。また、個別電極163は、後述の外部接続用の第2の端子電極としての個別電極用のパッド電極に接続されている。図1の液滴吐出部10において、第1パッド電極及び第2パッド電極を介して圧電素子16の共通電極161と個別電極163との間に所定の周波数及び振幅の駆動電圧が印加される。この駆動電圧が印加された圧電素子16が、基板14と圧電素子16との間にある振動板15を変形させるように振動し、その振動板15の変形により個別液室13内の液体が加圧され、ノズル11から液滴を吐出させることができる。
図2は、基板上の振動板及び圧電素子の層構造の一例を示す断面図である。また、図3及び図4はそれぞれ圧電素子16及びその周辺のより具体的な構成例を示すである。なお、図4において、第1の絶縁保護膜18及び第2の絶縁保護膜23の図示は省略している。
圧電素子16の共通電極161とベース部材を構成する基板14との間には、成膜により形成されたベース部材の一部である振動板15が配置されている。この振動板15に接するように圧電素子16が形成された後、第1の絶縁保護膜18が形成される。更に、共通電極161とパッド電極19とを接続する第1の配線20と、個別電極163とパッド電極21とを接続する第2の配線22と、が形成される。第1の絶縁保護膜18は、共通電極161と第2の配線22との間を電気的に絶縁している。また、共通電極161と第1の配線20との間及び個別電極163と第2の配線22との間は、第1の絶縁保護膜18に形成された開口部であるコンタクトホール18aを介して接続されている。
上記第1の配線20及び第2の配線22が形成された後、全体を覆うように第2の絶縁保護膜23が形成される。パッド電極19及び21は、第2の絶縁保護膜23が形成された開口部としてのコンタクトホール23aに形成される。
次に、圧電素子16の分極処理について説明する。
本実施形態では、共通電極用のパッド電極19及び個別電極用のパッド電極21それぞれが露出するコンタクトホール23aに対して、コロナ放電方式又はグロー放電方式の放電処理を行っている。この放電処理により、共通電極用のパッド電極19及び個別電極用のパッド電極21を介して、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に、所定極性の互いに異なる電荷量の電荷を付与している。この電荷付与により、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に挟まれた圧電体膜162に対して分極処理を行うことができる。
図5は、放電を用いた分極処理における共通電極用のパッド電極19及び個別電極用のパッド電極21への電荷注入の様子を模式的に示す説明図である。
図5において、コロナワイヤ電極31を用いて例えばコロナ放電を発生させると、大気中の分子がイオン化して陽イオンと陰イオンが発生する。この発生したイオンのうち、陽イオンがパッド電極19及び21を介して、圧電素子16の共通電極161及び個別電極163に流れ込み、それらの電極に蓄積される。共通電極161はシリコン基板の裏面に対して所定の抵抗値(本実施形態では1×10[Ω]程度)を持っている。分極処理時の電荷はほぼグラウンド(GND)に流れてしまい、個別電極163にチャージされた電荷により電位差が発生して分極処理されていると考えられる。
次に、本実施形態の液滴塗布ヘッドを構成する構成要素である各部及び部材などの材料及び工法について、より具体的に説明する。
〔基板〕
基板14としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、通常100[μm]以上及び600[μm]以下の範囲の厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種あるが、半導体産業では一般的に(100)、(111)が広く使用されており、本構成例においては、主に(100)の面方位を持つ単結晶基板を主に使用した。また、図1に示すような液室(圧力室)13を作製していく場合、エッチングを利用してシリコン単結晶基板を加工していく。この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることが一般的である。異方性エッチングとは結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えばKOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。従って、面方位(100)では約54°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝をほることができるため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができることが分かっている。本構成例としては(110)の面方位を持った単結晶基板を使用することも可能である。但し、この場合、マスク材であるSiOもエッチングされてしまうため、この点も留意して利用することが好ましい。
〔振動板〕
図1に示すように電気機械変換素子としての圧電素子16によって発生した力を受けて、その下地の振動板15が変形して、液室(圧力室)13のインクなどの液体の液滴を吐出させる。そのため、振動板15としては所定の強度を有したものであることが好ましい。材料としては、Si、SiO、Siなどを例えばCVD法により作製したものが挙げられる。さらに図1に示すような共通電極(下電極)161及び圧電体膜162の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、圧電体膜としては、一般的に材料としてPZTが使用される場合が多い。従って、振動板15の材料は、PZTの線膨張係数8×10−6(1/K)に近い5×10−6(1/K)以上及び10×10−6(1/K)以下の範囲の線膨張係数を有した材料が好ましい。さらには7×10−6(1/K)以上及び9×10−6(1/K)以下の範囲の線膨張係数を有した材料がより好ましい。具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びそれらの化合物等が挙げられる。これらの材料を、例えばスパッタ法又はゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。膜厚としては0.1[μm]以上及び10[μm]以下の範囲が好ましく、0.5[μm]以上及び3[μm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より小さいと、図1に示すような液室(圧力室)13の加工が難しくなる。また、上記範囲より大きいと振動板15が変形しにくくなり、インク滴などの液滴の吐出が不安定になる。
[共通電極(第1の電極)]
共通電極(第1の電極)161としては、金属もしくは金属と酸化物からなっていることが好ましい。ここで、どちらの材料も振動板15と共通電極161を構成する金属膜との間に密着層を入れて剥がれ等を抑制するように工夫している。以下に密着層含めて金属電極膜及び酸化物電極膜の詳細について記載する。
[密着層]
密着層は、例えば次のように形成する。Tiをスパッタ成膜後、成膜したチタン膜をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて熱酸化して酸化チタン膜にする。熱酸化の条件は、例えば、650[℃]以上及び800[℃]以下の範囲の温度、1[分]以上及び30[分]以下の範囲の処理時間、及びO雰囲気である。酸化チタン膜を作成するには反応性スパッタでもよいがチタン膜の高温による熱酸化法が望ましい。反応性スパッタによる作製では、シリコン基板を高温で加熱する必要があるため、特別なスパッタチャンバ構成を必要とする。さらに、一般の炉による酸化よりも、RTA装置による酸化の方がチタンO膜の結晶性が良好になる。なぜなら、通常の加熱炉による酸化によれば、酸化しやすいチタン膜は、低温においてはいくつもの結晶構造を作るため、一旦、それを壊す必要が生じるためである。したがって、昇温速度の速いRTAによる酸化の方が良好な結晶を形成するために有利になる。また、Ti以外の材料としては、Ta、Ir、Ru等の材料を用いることもできる。密着層の膜厚としては、10[nm]以上及び50[nm」以下の範囲が好ましく、15[nm]以上及び30[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲以下の場合においては、密着性に懸念があり、また、この範囲以上になってくると、その密着層の上で作製する電極膜の結晶の質に影響が出てくる。
〔金属電極膜〕
金属電極膜の金属材料としては、従来から高い耐熱性と低い反応性を有する白金が用いられているが、鉛に対しては十分なバリア性を持つとはいえない場合もあり、イリジウムや白金−ロジウムなどの白金族元素や、これらの合金膜も挙げられる。また、白金を使用する場合には下地(特にSiO)との密着性が悪いために、前述の密着層を先に積層することが好ましい。作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が一般的である。膜厚としては、80[nm]以上及び200[nm]以下の範囲が好ましく、100[nm]以上及び150[nm]以下の範囲がより好ましい。この範囲より薄い場合においては、共通電極161として十分な電流を供給することができなくなり、液滴の吐出をする際に不具合が発生する。さらに、この範囲より厚い場合においては、白金族元素の高価な材料を使用する場合においては、コストアップとなる。また、白金を材料とした場合においては、膜厚を厚くしていたったときに表面粗さが大きくなり、その上に作製する酸化物電極膜やPZTの表面粗さや結晶配向性に影響を及ぼして、インク吐出に十分な変位が得られないような不具合が発生する。
〔酸化物電極膜〕
酸化物電極膜の材料としては、SrRuO(以下、適宜「SRO」と略す。)を用いることが好ましい。SrRuO以外にも、Sr(A)(1−x)Ruy(1−y)、A=Ba、Ca、B=Co、Ni、x、y=0〜0.5で記述されるような材料も挙げられる。酸化物電極膜は例えばスパッタ法等の成膜方法により作製することができる。スパッタ条件によってSrRuOの薄膜の膜質が変わる。従って、特に結晶配向性を重視し、第1の電極のPt(111)にならってSrRuOの膜についても(111)配向させるためには、成膜温度については500[℃]以上での基板加熱を行い、成膜することが好ましい。例えば特許文献2に記載のSRO成膜条件については、室温成膜でその後、RTA処理にて結晶化温度(650℃)で熱酸加している。この場合、SRO膜としては、十分結晶化され、電極としての比抵抗としても十分な値が得られるが、膜の結晶配向性としては、(110)が優先配向しやすくなり、その上に成膜したPZTについても(110)配向しやすくなる。
Pt(111)上に作製したSROの結晶性については、PtとSROで格子定数が近いため、通常のX線のθ−2θ測定では、SRO(111)とPt(111)の2θ位置が重なってしまい判別が難しい。Ptについては消滅則の関係からPsi=35°だけ傾けた2θが約32°付近の位置には回折線が打ち消し合い、回折強度が見られない。そのため、Psi方向を約35°傾けて、2θが約32°付近のピーク強度で判断することで、SROが(111)に優先配向しているかを確認することができる。
図6は、SROからなる酸化物電極膜のX線回析測定結果の一例を示すグラフである。図6は、2θ=32°に固定し、Psiを振ったときのX線回析測定結果のデータを示している。測定に用いたXRD装置はPhilips社製の「X’Pert MRD」であり、X線源はCuKα、X線の波長は1.541[Å](0.1541[nm])、Slit1/4、Mask15を用いた。
図6において、Psi=0°ではSRO(110)ではほとんど回折強度が見られず、Psi=35°付近において、回折強度が見られることから本成膜条件にて作製したものについては、SROが(111)配向していることが確認できた。また、上述記載の室温成膜+RTA処理により作製されたSROについては、Psi=0°のときにSRO(110)の回折強度が見られる。
また、圧電アクチュエータとして連続動作したときに、駆動させた後の変位量が、初期変位に比べてどのくらい劣化したかを見積もったところ、PZTの配向性が非常に影響しており、(110)では変位劣化抑制において不十分である。さらにSRO膜の表面粗さを見たときに、成膜温度に影響し、室温から300[℃]では表面粗さが非常に小さく2[nm]以下になる。粗さについてはAFMにより測定される表面粗さ(平均粗さ)を指標としている。表面粗さとしては、非常にフラットにはなっているが結晶性が十分でなく、その後成膜したPZTの圧電アクチュエータとしての初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られない。表面粗さとしては、4[nm]以上及び15[nm]の範囲になっていることが好ましく、6[nm]以上及び10[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲を超えると、その後成膜したPZTの絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。従って上述に示すような、結晶性や表面粗さを得るためには、成膜温度としては500[℃]以上及び700[℃]、好ましくは520[℃]以上及び600[℃]以下の範囲で成膜を実施している。
上記圧電素子の製造例では、圧電体膜としてPZTの(111)配向膜を形成した場合について説明しているが、共通電極(下電極)161を変更し、PZTの(100)配向膜を形成するようにしてもよい。
成膜後のSrとRuの組成比については、Sr/Ruが0.82以上及び1.22以下であることが好ましい。この範囲から外れると比抵抗が大きくなり、電極として十分な導電性が得られなくなる。更に、SRO膜の膜厚としては、40[nm]以上及び150[nm]以下の範囲が好ましく、50[nm]以上及び80[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期変位や連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られず、圧電体膜(PZT膜)のオーバーエッチングを抑制するためのストップエッチング層としての機能も得られにくくなる。また、この膜厚範囲を超えると、その後に成膜した圧電体膜(PZT膜)の絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。また、SRO膜の比抵抗としては、5×10−3[Ω・cm]以下になっていることが好ましく、さらに1×10−3[Ω・cm]以下になっていることがさらに好ましい。この範囲よりも大きくなると共通電極161として、配線との界面で接触抵抗が十分得られず、共通電極161として十分な電流を供給することが出来なくなり、液滴を吐出する際に不具合が発生する。
〔圧電体膜(電気機械変換膜)〕
圧電体膜162の材料としては、PZTを主に使用した。PZTとはジルコン酸鉛(PbTiO)とチタン酸(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合であり、化学式ではPb(Zr0.53,Ti0.47)Oと示され、更に一般的にはPZT(53/47)と示される。PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。これら材料は一般式ABOで記述され、A=Pb、Ba、Sr、 B=Ti、Zr、Sn、Ni、Zn、Mg、Nbを主成分とする複合酸化物が該当する。その具体的な記述として(Pb1−x,Ba)(Zr,Ti)O、(Pb1−x,Sr)(Zr,Ti)O、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
圧電体膜162の作製方法としては、スパッタ法もしくは、ゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。その場合は、パターニング化が必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。PZTをゾルゲル法により作製した場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ均一溶液を得ることで、PZT前駆体溶液が作製できる。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
基板14の全面に圧電体膜(PZT膜)162を得る場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100[nm]以下の膜厚が得られるように前駆体濃度の調整が必要になる。
圧電体膜162の膜厚としては0.5[μm]以上及び5[μm]以下の範囲が好ましく、1[μm]以上及び2[μm]以下の範囲がより好ましい。この範囲より小さいと十分な変形(変位)を発生することができなくなり、この範囲より大きいと何層も積層させていくため、工程数が多くなりプロセス時間が長くなる。
また、圧電体膜162の比誘電率としては600以上及び2000以下の範囲になっていることが好ましく、さらに1200以上及び1600以下の範囲になっていることが好ましい。このとき、この範囲よりも小さいときには十分な変形(変位)特性が得られず、この範囲より大きくなると、分極処理が十分行われず、連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られないといった不具合が発生する。
〔個別電極(第2の電極)〕
個別電極(第2の電極)163としては、金属もしくは酸化物と金属からなっていることが好ましい。以下に酸化物電極膜及び金属電極膜の詳細について記載する。
〔酸化物電極膜〕
酸化物電極膜の材料等については、前述の共通電極(第1の電極)161で使用した酸化物電極膜について記載したものと同様なものを挙げることができる。酸化物電極膜(SRO膜)の膜厚としては、20[nm]以上及び80[nm]以下の範囲が好ましく、40[nm]以上60[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期変形(変位)や変形(変位)の劣化特性については十分な特性が得られない。また、この範囲を超えると、その後に成膜した圧電体膜(PZT膜)の絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなる。
〔金属電極膜〕
金属電極膜の材料等については、前述の共通電極(第1の電極)161で使用した金属電極膜について記載したものと同様なものを挙げることができる。金属電極膜の膜厚としては、30[nm]以上及び200[nm]以下の範囲が好ましく、50[nm]以上及び120[nm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より薄い場合においては、個別電極163として十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出する際に不具合が発生する。また、上記範囲より厚いと、白金族元素の高価な材料を使用する場合にコストアップとなる。また、白金を材料とした場合に膜厚を厚くしていたったときに表面粗さが大きくなり、絶縁保護膜を介して配線などを作製する際に、膜剥がれ等のプロセス不具合が発生しやすくなる。
〔第1の絶縁保護膜〕
成膜・エッチングの工程による圧電素子へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過しづらい材料を選定する必要があるため、第1の絶縁保護膜18の材料は緻密な無機材料とする必要がある。また、第1の絶縁保護膜18として有機材料を用いる場合は、十分な保護性能を得るために膜厚を厚くする必要があるため、適さない。第1の絶縁保護膜18を厚い膜とした場合、振動板15の振動を著しく阻害してしまうため、吐出性能の低い液滴吐出ヘッドになってしまう。薄膜で高い保護性能を得るには、酸化物,窒化物,炭化膜を用いるのが好ましいが、第1の絶縁保護膜18の下地となる電極材料、圧電体材料及び振動板材料と密着性が高い材料を選定する必要がある。また、第1の絶縁保護膜18の成膜法も、圧電素子16を損傷しない成膜方法を選定する必要がある。すなわち、反応性ガスをプラズマ化して基板上に堆積するプラズマCVD法やプラズマをターゲット材に衝突させて飛ばすことで成膜するスパッタリング法は好ましくない。第1の絶縁保護膜18の好ましい成膜方法としては、蒸着法、ALD法などが例示できるが、使用できる材料の選択肢が広いALD法が好ましい。好ましい材料としては、Al,ZrO,Y,Ta,TiOなどのセラミクス材料に用いられる酸化膜が例として挙げられる。特にALD法を用いることで、膜密度の非常に高い薄膜を作製し、プロセス中でのダメージを抑制することができる。
第1の絶縁保護膜18の膜厚は、圧電素子16の保護性能を確保できる十分な薄膜とする必要があると同時に、振動板15の変形(変位)を阻害しないように可能な限り薄くする必要がある。第1の絶縁保護膜18の膜厚は、20[nm]以上及び100[nm]以下の範囲が好ましい。100[nm]より厚い場合は、振動板15の変形(変位)量が低下するため、吐出効率の低い液滴吐出ヘッドとなる。一方、20[nm]より薄い場合は、圧電素子16の保護層としての機能が不足してしまうため、圧電素子16の性能が前述の通り低下してしまう。
また、第1の絶縁保護膜18を2層にする構成も考えられる。この場合は、2層目の絶縁保護膜を厚くするため、振動板15の振動を著しく阻害しないように個別電極(第2の電極)163付近において2層目の絶縁保護膜を開口するような構成も挙げられる。この場合、2層目の絶縁保護膜としては、任意の酸化物,窒化物,炭化物またはこれらの複合化合物を用いることができ、また、半導体デバイスで一般的に用いられるSiOを用いることもできる。2層の第1の絶縁保護膜18の成膜は任意の手法を用いることができ、例えばCVD法、スパッタリング法等が例示できる。電極形成部等のパターン形成部の段差被覆を考慮すると等方的に成膜できるCVD法を用いることが好ましい。2層目の絶縁保護膜の膜厚は共通電極(下電極)161と個別電極の配線22との間に印加される電圧で絶縁破壊されない膜厚とする必要がある。すなわち第1の絶縁保護膜18に印加される電界強度を、絶縁破壊しない範囲に設定する必要がある。さらに、第1の絶縁保護膜18の下地の表面性やピンホール等を考慮すると、第1の絶縁保護膜18の膜厚は200[nm]以上必要であり、さらに好ましくは500[nm]以上である。
〔配線、パッド電極〕
配線20、22及びパッド電極19、21の材料は、Ag合金、Cu、Al、Au、Pt、Irのいずれかから成る金属電極材料であることが好ましい。これらの電極の作製方法としては、スパッタ法、スピンコート法を用いて作製し、その後フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。膜厚としては、0.1[μm]以上及び20[μm]以下の範囲が好ましく、0.2[μm]以上及び10[μm]以下の範囲がさらに好ましい。この範囲より小さいと抵抗が大きくなり電極に十分な電流を流すことができなくなりヘッド吐出が不安定になる。一方、この範囲より大きいとプロセス時間が長くなる。また、共通電極161及び個別電極163に接続されるコンタクトホール部(例えば10[μm]×10[μm])での接触抵抗としては、共通電極161に対して10[Ω]以下、個別電極163に対して1[Ω]以下が好ましい。さらに好ましくは、共通電極161に対して5[Ω]以下、個別電極163に対して0.5[Ω]以下である。この範囲を超えると十分な電流を供給することができなくなり、液滴を吐出をする際に不具合が発生する。
〔第2の絶縁保護膜〕
第2の絶縁保護膜23としての機能は、共通電極用の第1の配線20や個別電極用の第2の配線22の保護層としての機能を有するパシベーション層である。前述の図3及び図4に示したように、個別電極163の引き出し部(開口部23a)と図示しない共通電極161の引き出し部とを除き、個別電極163及び共通電極161を被覆する。これにより、電極材料に安価なAlもしくはAlを主成分とする合金材料を用いることができる。その結果、低コストかつ信頼性の高い液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)とすることができる。第2の絶縁保護膜23の材料としては、任意の無機材料、有機材料を使用することができるが、透湿性の低い材料とする必要がある。無機材料としては、酸化物、窒化物、炭化物等が例示でき、有機材料としてはポリイミド、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が例示できる。ただし、有機材料の場合には厚膜とすることが必要となるため、パターニングに適さない。そのため、薄膜で配線保護機能を発揮できる無機材料とすることが好ましい。特に、Al配線上にSiを用いることが、半導体デバイスで実績のある技術であるため好ましい。また、膜厚は200[nm]以上とすることが好ましく、さらに好ましくは500[nm]以上である。膜厚が薄い場合は十分なパシベーション機能を発揮できないため、配線材料の腐食による断線が発生し、インクジェットの信頼性を低下させてしまう。
また、圧電素子16上とその周囲の振動板15上に開口部をもつ構造が好ましい。これは、前述の第1の絶縁保護膜18の個別液室に対応した領域を薄くしていることと同様の理由である。これにより、高効率かつ高信頼性の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)とすることが可能になる。絶縁保護膜18、23で圧電素子16が保護されているため、第2の絶縁保護膜23の開口部の形成には、フォトリソグラフィー法とドライエッチングを用いることができる。また、パッド電極19,21の面積については、50×50[μm]以上になっていることが好ましく、さらに100×300[μm]以上になっていることが好ましい。この値に満たない場合は、十分な分極処理ができなくなり、連続駆動後の変形(変位)劣化については十分な特性が得られないといった不具合が発生する。
次に、本実施形態に係る圧電素子のより具体的な実施例について、参考例とともに説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、6インチシリコンウェハに熱酸化膜(膜厚1[μm])を形成した。
次いで、第1の電極を形成した。具体的にはまず、密着膜として、チタン膜(膜厚30[nm])をスパッタ装置にて成膜した後にRTAを用いて750[℃]にて熱酸化した。そして、引き続き金属膜として白金膜(膜厚100[nm])、酸化物膜としてSrRuO膜(膜厚:60[nm])をスパッタ成膜した。スパッタ成膜時の基板加熱温度については550[℃]にて成膜を実施した。
次に、電気機械変換膜としての圧電体膜(PZT膜)162を形成した。具体的には、モル比でPb:Zr:Ti=114:53:47に調整された溶液を準備し、スピンコート法により膜を成膜した。
具体的な前駆体塗布液の合成については、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用いた。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。化学両論組成に対し鉛量を過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。
イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、上記酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。合成したPZT前駆体溶液中のPZT濃度は0.5[モル/L]とした。
上記前駆体溶液を用いて、スピンコートにより前記第1の電極が形成された基板上に成膜し、成膜後、120[℃]乾燥を行い、その後さらに500[℃]熱分解を行う操作を複数回繰り返し行い、複数の圧電体膜を積層した。
上記手順により繰り返し圧電体膜を積層する際に、3層目の熱分解処理後に、結晶化熱処理(温度750[℃])をRTA(急速熱処理)にて行った。3層目の熱分解処理後、RTA処理を施した圧電体膜(PZT膜)の膜厚は240[nm]であった。
上記工程を計8回(24層)実施し、膜厚が約2[μm]の圧電体膜(PZT膜)を得た。
次に、第2の電極の酸化物膜としてSrRuO膜(膜厚:40[nm])を、金属膜としてPt膜(膜厚:125[nm])を、それぞれスパッタ成膜した。
その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィーでレジストパターンを形成した。その後、ICPエッチング装置(サムコ製)を用いて、圧電体膜(PZT膜)162及び第2の電極をエッチングにより個別化し、後述の図7〜図9に示すようなパターンを作製した。このようなパターン作製により、第2の電極は個別電極163として機能し、第1の電極は、個別化された圧電体膜(PZT膜)162及び第2の電極(個別電極)163に対して共通電極として機能する。
次に、第1の絶縁保護膜として、ALD法によりAl膜を50[nm]成膜した。原材料としてAl源としては、トリメチルアルミニウム(TMA)(シグマアルドリッチ社製)、O源としては、オゾンジェネレーターによって発生させたOを用いた。そして、Al源、O源を交互に基板上に供給して積層させることで、成膜を行った。
その後、図7に示すように、エッチングによりコンタクトホール部18aを形成した。そして、第1の配線及び第2の配線としてAlをスパッタ成膜し、エッチングによりパターニング形成した。
さらにその後、第2の絶縁膜としてSiをプラズマCVDにより500[nm]成膜し、圧電素子16を作製した。このとき、6インチウェハ内に30[mm]×10[mm]四方のエリアを25個配置した。
なお、本実施例及び参考例では、圧電素子16を駆動する駆動用ドライバICをアクチュエータ基板上に実装する構成としている。駆動用ドライバICを直接アクチュエータ基板上に実装することにより、実装スペースを小さくできるためシリコンウェハからのアクチュエータ基板取れ数を拡大でき、低コスト化が可能となる。
また、本実施例及び参考例では、解像度300[DPI]の画像を形成可能な画像形成装置への適用を考慮し、ノズル11のピッチ(個別液室13のピッチも同様)を300[個/インチ]に設定した。また、個別液室13の幅Wcは60[μm]に設定し、個別液室13の長さLcは900[μm]に設定した。これにより、個別液室13の幅Wcと長さLcとの比であるアスペクト比(=Lc/Wc)は15となる。この個別液室13の幅Wc及び長さLcはそれぞれ、振動板15の変形可能な部分の幅Wv及び長さLvに対応する。
上記個別液室13の平面形状に対して、圧電体膜162は短手方向で両側に4[μm]のギャップを設けて形成し、長手方向に4[μm]のギャップを設けて形成した。つまり、圧電体膜162の平面形状における幅W2は52[μm]であり、長さL2は892[μm]である。この場合、圧電体膜162の平面形状の幅W2に対する長さL2の比であるアスペクト比(=L2/W2)は約17であり、このアスペクト比は2以上となっている。
また、本実施例及び参考例では、前述のように個別液室13のアスペクト比(=Lc/Wc)を2以上の高めに設定することにより、液滴吐出ヘッドの剛性を確保することができるため、高粘度のインクなどの液滴を吐出することが可能となる。また、個別液室13の長さLcを相対的に長くすることにより、アクチュエータとしての変形(表面変位)が小さくても、個別液室13内の体積変動を大きくすることができるので、所定の吐出量を確保することが容易となる。ただし、圧電素子16に高い電位差を与えたときに発生する圧電体膜162の長手方向における内部応力が大きくなり、圧電体膜162にクラックが発生しやすいという課題を持ち合わせている。この課題を解決するため、以下の実施例及び参考例に示すように圧電素子16を構成した。
〔参考例〕
まず、図7を用いて参考例の構成について説明する。図7の参考例では、個別電極163に、部分的に幅が細くなっている細幅部としての個別電極細幅部163aが長手方向に複数形成されている。具体的な寸法例は次のとおりである。
上記圧電体膜162の平面形状に対して、個別電極163は短手方向で両側に4[μm]のギャップを設けて形成し、長手方向に4[μm]のギャップを設けて形成した。つまり、個別電極163の平面形状における幅W3は46[μm]であり、長さL3は884[μm]である。この場合、個別電極163の平面形状の幅W3に対する長さL3の比であるアスペクト比(=L3/W3)は約19であり、このアスペクト比は2以上となっている。
また、個別電極細幅部163aの形成間隔(ピッチ)P3は、個別電極163の幅W3よりも短い45[μm]である。また、個別電極細幅部163aを個別電極163の幅方向における中央部に設けるように、個別電極163の幅方向における両端縁から中央部に向かって個別電極切欠部163bを形成した。この個別電極切欠部163bの切欠幅W3bは3[μm]とし、切欠長L3bは16[μm]とした。これにより、個別電極細幅部163aの幅W3aは14[μm]となる。
本参考例では、上記構成の個別電極細幅部163aを形成した個別電極163及び個別電極細幅部163aを形成していない個別電極163のそれぞれについて、個別液室13を加工する前の状態でコロナ放電による分極処理を実施した。これらの2種類の個別電極163についてアクチュエータ基板に対するコロナ放電による分極処理を実施するにあたり、アクチュエータ基板をセットするステージはGNDに結線した。共通電極161に供給される電荷は、1×10[Ω]〜1×1010[Ω]の抵抗を介して所定の時定数でGNDへリークする。そして、個別電極163へ供給される電荷により、共通電極161と個別電極163とで挟まれた圧電体膜162に高い電位差が発生し、分極処理を進めることができる。このコロナ放電による分極処理の条件を徐々に強くして評価したところ、個別電極細幅部163aを形成していない圧電素子には短手方向に延びたクラックが発生した。一方、個別電極細幅部163aを形成した圧電素子にはクラックは発生しなかった。
上記分極処理の後、個別液室13を加工した。そして、圧電素子16に所定の駆動電圧を繰り返し印加した場合の圧電素子16のたわみ変形によって生じる個別液室13の壁の一部を構成する振動板15の表面変位量の経時的な変化を測定した。
本実施例1、2及び参考例において、上記圧電素子16のたわみ変形によって生じる振動板15の表面変位量及びその経時的な変化特性(劣化特性)は、次の方法で評価した。本実施例及び参考例で作製された液滴吐出ヘッドを用いて、印加電界150[kV/cm]、立ち上がり時間1[μs]、立ち下がり時間1[μs]、パルス幅4[μs]及び繰り返し周波数100[kHz]のパルス波形の駆動電圧を印加した。そして、このパルス波形の駆動電圧を印加した連続駆動における振動板15の表面変位の経時的な変動の評価を行った。振動板15の表面変位は、振動板15を個別液室13側からみたときの振動板15の中央部に対してレーザードップラ振動計を用いて計測した。また、振動板15の表面変位量の経時的な変動の評価は、製造後に最初に測定した振動板15の初期の表面変位量(初期変位量)の絶対値を100%とした。そして、その後に上記パルス波形の駆動電圧を10回繰り返し印加した後の振動板15の表面変位量の低下率で評価した。この評価の合格基準である指標値として、振動板15の初期の表面変位量の大きさについては、液滴を吐出するのに十分な変位量である0.26[μm]以上とした。また、振動板15の表面変位の劣化については、液滴吐出ヘッドの液滴吐出能力を担保できる範囲である5%以内とした。
上記振動板15の表面変位量及びその経時的な変化特性(劣化特性)の結果、個別電極163に個別電極細幅部163aを形成した場合の振動板15の表面変位量の低下は3[%]以下であった。このような結果が得られたのは、圧電体膜162の長手方向のたわみ変形は振動板15の表面変位にほとんど寄与せず、圧電体膜162の短手方向のたわみ変形が振動板15の表面変位に寄与しているからである、と考えられる。
また、参考例では、上記個別液室13の加工及び振動板15の表面変位量の測定の後、更に、個別電極細幅部163aを形成した圧電素子16を液滴吐出ヘッドに搭載して液滴の吐出特性の経時的な変化を評価した。その結果、液滴の吐出速度(Vj)及び吐出滴量(Mj)はともに5[%]以下の変化であり、個別電極細幅部163aが形成されていない場合に対して、ほとんど吐出特性の低下は見られないことを確認した。
〔実施例1〕
図8は、実施例1に係る圧電素子16の一例を示す上面図である。本実施例1では、上記参考例と同様に圧電体膜162を成膜した後、圧電体膜162にも細幅部を形成した。圧電素子16の短手方向の寸法は前述の参考例と同じである。
本実施例1では、図8に示すように、圧電体膜162にも、部分的に幅が細くなっている細幅部としての圧電体膜細幅部162aが長手方向に複数形成されている。この圧電体膜細幅部162aと前述の個別電極細幅部163aは、圧電素子16の長手方向における同一箇所に形成されている。具体的な寸法例は次のとおりである。圧電体膜162の幅W2は52[μm]である。圧電体膜細幅部162aの形成間隔(ピッチ)P2は、圧電体膜162の幅W2よりも短い、個別電極細幅部163aの形成間隔(ピッチ)P3と同じ45[μm]である。このように圧電体膜細幅部162a及び個別電極細幅部163aは、圧電体膜162の幅W2又は個別電極163の幅W3よりも短い間隔(ピッチ)で長手方向に複数形成されている。圧電体膜細幅部162a及び個別電極細幅部163aの形成間隔P2,P3が広すぎると、電圧印加時に圧電体膜162の長手方向の内部応力を十分に緩和することができないおそれがある。このため、圧電体膜162の幅W2又は個別電極163の幅W3よりも短い間隔で各細幅部162a,163aを形成することにより、圧電体膜162の長手方向の内部応力をより確実に緩和することができる。
また、本実施例1では、圧電体膜細幅部162aを圧電体膜162の幅方向における中央部に設けるように、圧電体膜162の幅方向における両端縁から中央部に向かって圧電体膜切欠部162bを形成した。この圧電体膜切欠部162bの切欠幅W2bは2[μm]とし、切欠長L2bは18[μm]とした。これにより、圧電体膜細幅部162aの幅W2aは16[μm]となる。なお、圧電体膜細幅部162a及び個別電極細幅部163aは必ずしも幅方向の中央部に設けなくてもよく、圧電体膜162の幅方向における任意の位置に設けてもよい。
また、本実施例1では、個別電極切欠部163bの切欠長L3bは前述の参考例と同様に16[μm]としたが、個別電極切欠部163bの切欠幅W3bについては、2[μm]と5[μm]との2種類とした。
個別電極切欠部163bの切欠幅W3bが5[μm]の場合、圧電体膜切欠部162bの切欠幅W2bの2[μm]よりも広いので、図8に示すように個別電極切欠部163bが圧電体膜切欠部162bの内側に形成される。つまり、個別電極切欠部163bの外周縁が、圧電体膜切欠部162bの外周縁よりも内側にくるように形成される。
一方、個別電極切欠部163bの切欠幅W3bが2[μm]の場合、圧電体膜切欠部162bの切欠幅W2bと同じ幅になる。そのため、図示を省略したが、圧電素子の長手方向において個別電極切欠部163bの外周縁が圧電体膜切欠部162bの外周縁に揃うように形成される。
上記個別電極切欠部163bの切欠幅W3bが互いに異なる2種類の圧電素子について、共通電極161と個別電極163との間にDC50[V]を印加し、電極間のリーク電流特性を評価した。その評価結果は次のとおりである。
個別電極切欠部163bの切欠幅W3b及び圧電体膜切欠部162bの切欠幅W2bはともに2[μm]の圧電素子の場合は、個別電極切欠部163b及び圧電体膜切欠部162bの外周縁(エッジ)が揃っている。この圧電素子の場合、電極間のリーク電流は5×10−9[A]以下であった。
一方、個別電極切欠部163bの切欠幅W3bが5[μm]及び圧電体膜切欠部162bの切欠幅W2bが2[μm]の圧電素子の場合は、個別電極切欠部163bの外周縁(エッジ)が圧電体膜切欠部162bの外周縁(エッジ)より内側にある。この圧電素子の場合、電極間のリーク電流は5×10−10[A]以下であった。
上記評価結果より、次のことがわかる。すなわち、個別電極切欠部163bの外周縁を圧電体膜切欠部162bの外周縁より内側に形成した場合、個別電極163の外周縁が共通電極161から離れ、共通電極161と個別電極163との間のリーク電流を低減できることが分かる。このリーク電流特性は、コロナ放電による分極処理を行う際に特に重要な特性である。つまり、共通電極161と個別電極163との間のリーク電流が大きくなってくると、圧電体膜162の分極処理が進みにくくなってしまうことが確認されている。
さらに、本実施例1では、個別電極切欠部163bの切欠幅W3bが5[μm]及び圧電体膜切欠部162bの切欠幅W2bが2[μm]の圧電素子について、後工程の特性を評価した。評価対象の圧電素子としては、個別電極細幅部163a及び圧電体膜細幅部162aが形成された圧電素子と、個別電極細幅部163a及び圧電体膜細幅部162aのいずれも形成されていない圧電素子とを用意した。
まず、個別電極細幅部163a及び圧電体膜細幅部162aが形成された圧電素子16の構成について、個別液室13を加工する前の状態でコロナ放電による分極処理を実施した。このコロナ放電による分極処理の条件を徐々に強くして評価したところ、圧電素子にクラックは発生しなかった。一方、個別電極細幅部163a及び圧電体膜細幅部162aのいずれも形成されていない圧電素子では短手方向に延びたクラックが発生した。
上記分極処理の後、個別液室13を加工した。そして、圧電素子16に所定の駆動電圧を繰り返し印加した場合の圧電素子16のたわみ変形によって生じる個別液室13の壁の一部を構成する振動板15の表面変位量の変化を測定した。その結果、個別電極163に個別電極細幅部163aを形成した場合の振動板15の表面変位量の低下は3[%]以下であった。このような結果が得られたのは、圧電体膜162の長手方向のたわみ変形は振動板15の表面変位にほとんど寄与せず、圧電体膜162の短手方向のたわみ変形が振動板15の表面変位に寄与しているからである、と考えられる。
また、本実施例1では、上記細幅部162、163aの有無による振動板15の表面変位量の差はなかった。この理由としては、圧電体膜162の長手方向のたわみ変形は振動板15の表面変位にほとんど寄与せず、圧電体膜162の幅方向(短手方向)のたわみ変形が振動板15の表面変位に寄与しているからである、と考えられる。
また、本実施例1では、前述の個別電極切欠部163bのみを設けた参考例に比して、振動板15の表面変位量が大きい結果が得られた。この結果は、圧電体膜162に圧電体膜切欠部162bを設けたことにより、圧電体膜162の幅方向(短手方向)におけるたわみ変形に対する阻害要因が減り、圧電体膜162がより変形しやすくなったためと考えられる。
これに対し、前述の個別電極切欠部163bのみを設けた参考例の場合は、個別電極163が切除されている個別電極切欠部163bに圧電体膜162が露出している。この圧電体膜162の露出部分は、個別電極163が存在しないため電圧が印加されず、電圧印加による変形が発生しない。そのため、電圧印加時に圧電体膜162が幅方向(短手方向)に伸縮しようとする変形が阻害され、圧電体膜162が変形しにくい。
また、本実施例1では、上記個別液室13の加工及び振動板15の表面変位量の測定の後、更に、個別電極細幅部163aを形成した圧電素子16を液滴吐出ヘッドに搭載して液滴の吐出特性の経時的な変化を評価した。その結果、液滴の吐出速度(Vj)及び吐出滴量(Mj)のいずれについても、個別電極細幅部163aが形成されていない場合に対して、吐出特性の低下は見られないことを確認した。
〔実施例2〕
図9は、実施例2に係る圧電素子16の一例を示す上面図である。本実施例2では、図9に示すように、圧電体膜162及び個別電極163それぞれの切欠部162b,163bの切欠幅を外側から中央側に向けて徐々に狭くなるテーパをつけてくさび状とした。このように圧電体膜切欠部162b及び個別電極切欠部163bそれぞれの形状をテーパのついたくさび状とすることにより、圧電素子16が変形する際の拘束力がより小さくなる。従って、圧電体膜162における応力集中が低減することができ、圧電素子16の繰返し駆動時における耐久性を更に向上することができる。
なお、図9の実施例2では、個別電極切欠部163bの外周縁(エッジ)を圧電体膜切欠部162bの外周縁(エッジ)より内側に形成している。これにより、共通電極161と個別電極163との間のリーク電流が低減され、コロナ放電による分極処理を良好に行うことができる。
次に、上記構成の液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置について説明する。
図10は、本実施形態に係る液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置の一例を示す側面図である。また、図11は、同画像形成装置の部分平面図である。
本実施形態の画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とで、液滴吐出装置(インク滴吐出装置)としてのキャリッジ103が主走査方向に摺動自在に保持されている。キャリッジ103は、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して矢示方向(主走査方向)に移動走査される。
キャリッジ103には、記録ヘッド107を主走査方向に沿う方向に配置し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。記録ヘッド107は、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の記録液の液滴(インク滴)を吐出する液滴吐出ヘッド107k、107c、107m、107yで構成されている。なお、ここでは独立した液滴吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
また、キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108が搭載されている。このサブタンク108には、インク供給チューブ109を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
また、本実施形態の画像形成装置は、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した被記録媒体としての用紙112を給紙するための給紙部が設けられている。この給紙部は、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロからなる給紙ローラ113と分離パッド114とを備えている。分離パッド114は、給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる。分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
また、本実施形態の画像形成装置は、上記給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部が設けられている。この搬送部は、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122とを備えている。更に、上記搬送部は、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された加圧コロ125A及び先端加圧コロ125Bとを備えている。また、搬送ベルト121の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されている。そして、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、搬送ベルト121がベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成されている。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129が配置されている。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端それぞれに例えば2.5[N]がかけられている。
さらに、本実施形態の画像形成装置は、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部が設けられている。この排紙部は、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、本実施形態の画像形成装置の背部には、両面給紙ユニット155が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット155は、搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
さらに、図11に示すように、キャリッジ103の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド107のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機156が配置されている。この維持回復機156は、記録ヘッド107の各ノズル面をキャピングするための各キャップ157と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード158とを備えている。更に、維持回復機156は、増粘した記録液(インク)を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け159などを備えている。
以上のように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送される。更に、用紙112は、先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加される。これにより、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そして、キャリッジ103を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112が両面給紙ユニット155内に送り込まれる。そして、両面給紙ユニット155で用紙112が反転されて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙される。この給紙に応じてタイミング制御が行われ、前述したと同様に搬送ベルト121上に搬送して裏面に記録を行った後、両面に画像が記録された用紙112が排紙トレイ154に排紙される。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ103は維持回復機156側に移動され、キャップ157で記録ヘッド107のノズル面がキャッピングされ、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良が防止される。また、キャップ157で記録ヘッド107をキャッピングした状態でノズルから記録液が吸引され(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作が行われる。この回復動作によって記録ヘッド107のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード158でワイピングが行われる。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作が行われる。これによって、記録ヘッド107の安定した吐出性能が維持される。
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置においては、上記構成の各色の液滴吐出ヘッド107k、107c、107m、107yで構成した記録ヘッド107を備える。従って、小型化、低コスト化を図るとともに吐出ヘッドサイズが同等で吐出可能なノズル数を増やせることから、更なる高速印刷も可能となる。
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、本発明は、例えば、プリンタ、ファックス及びコピアの各機能を備えた複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、本発明は、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置の液滴吐出ヘッドを構成する圧電素子16などの電気機械変換素子にも適用することができる。また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
また、本発明は、画像形成装置以外の液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドを構成する電気機械変換素子にも適用することができる。例えば、本発明は、画像形成用の液滴を着弾させて付与する媒体が、用紙以外の媒体(記録媒体、転写材、記録紙)、例えば糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体である場合も同様に適用することができる。また、本発明は、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与すること場合だけでなく、文字等の意味を持たないパターンを媒体に付与する(単に液滴を吐出する)装置にも適用することができる。また、本発明は、パターニング用の液体レジストを吐出して被着弾媒体上に着弾させる装置にも適用することができる。また、本発明は、遺伝子分析試料を吐出して被着弾媒体上に着弾させる液滴吐出装置や、三次元造型用の液滴吐出装置などにも適用することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
基板14などのベース部材上に形成された共通電極161などの第1の電極と、第1の電極上に形成された圧電体膜162などの電気機械変換膜と、電気機械変換膜上に形成された個別電極163などの第2の電極とを備え、電気機械変換膜及び第2の電極の平面形状が長尺形状である圧電素子16などの電気機械変換素子であって、前記電気機械変換膜及び第2の電極は、部分的に幅が細くなっている圧電体膜細幅部162a及び個別電極細幅部163aなどの細幅部が長手方向に複数形成されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、長手方向に延在する電気機械変換膜及び第2の電極に形成した細幅部により、電気機械変換膜の長手方向において伸縮しようとする変形を分断することができる。この電気機械変換膜の長手方向における伸縮変形の分断により、電気機械変換膜の長手方向における内部応力を緩和することができる。従って、電圧印加時における電気機械変換層の内部応力によるクラックの発生を抑制することができる。
しかも、上記細幅部は、電気機械変換膜及び第2の電極の長手方向における同一箇所において、第2の電極だけでなく電気機械変換膜にも形成されている。この細幅部では、第2の電極の幅だけでなく電気機械変換膜の幅も細くなっている。このため、第2の電極の幅だけが細くなるように構成した場合に比して、電圧印加による変形が発生しない電気機械変換膜の露出部分が少なく、電気機械変換素子の全体の変形に大きく寄与する短手方向(幅方向)における所定の変形が阻害されにくい。従って、電圧印加時における電気機械変換素子の所定の変形を抑制することなく、電圧印加時に十分な変形量を確保することができる。
以上のように、長尺形状の電気機械変換膜における電圧印加時の十分な変形量を確保しつつクラックの発生を抑制することができる。特に、本態様Aでは、電気機械変換素子の印加電圧に対する変形量を大きくするために電気機械変換膜の膜厚を厚くする場合に効果的である。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記細幅部は、電気機械変換膜の幅又は第2の電極の幅よりも短い間隔で長手方向に複数形成されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記細幅部が、電気機械変換膜の幅又は第2の電極の幅よりも短い間隔で長手方向に複数形成されているので、電気機械変換膜の長手方向における内部応力をより確実に緩和することができる。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、前記細幅部は、電気機械変換膜及び第2の電極の幅方向の中央部に形成されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、電気機械変換膜の幅方向において変形量が極大となる中央部に、電気機械変換膜及び第2の電極が残る。従って、電気機械変換膜の幅方向における変形量の低下を抑制しつつ、電気機械変換膜の幅方向の中央部を中心として電気機械変換膜の変形を対称且つ均等にすることができる。
(態様D)
上記態様A乃至Cのいずれかにおいて、細幅部における電気機械変換膜が形成されていない圧電体膜切欠部162bなどの切欠部の切欠幅は、第2の電極が形成されていない個別電極切欠部163bなどの切欠部の切欠幅よりも狭く、第2の電極の外周縁は、電気機械変換膜の外周縁よりも内側に位置する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第2の電極の端部などの外周縁を電気機械変換膜の端部などの外周縁よりも内側に形成したので、第2の電極の外周縁が第1の電極から離れる。従って、第1の電極と第2の電極との間のリーク電流を低減することができ、電圧印加による電気機械変換膜の良好な分極処理や電気機械変換素子の良好な駆動を行うことができる。
(態様E)
上記態様Dにおいて、前記切欠部は、その切欠幅が中央部にいくほど狭くなったテーパ形状を有する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、電圧印加時の電気機械変換膜における応力集中が低減できるので、電気機械変換膜におけるクラックの発生をより確実に抑制することができる。
(態様F)
液滴を吐出するノズル11などの液滴吐出孔と、液滴吐出孔が連通する個別液室13などの液室と、液室内の液体に圧力を発生させる圧力発生手段と、を備えた液滴吐出ヘッド107k、107c、107m、107yにおいて、前記圧力発生手段は、液室の壁の一部を形成する振動板15と、振動板15に設けられた上記態様A乃至Eのいずれかの電気機械変換素子と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、クラックのない分極処理が確実に行われた電気機械変換素子によって液室13内の液体を昇圧させることができるので、安定した液滴吐出特性が得られる。
(態様G)
上記態様Fの液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置である。これによれば、上記実施形態について説明したように、安定した液滴吐出特性が得られる。
(態様H)
記録媒体に向けてインクの液滴を吐出するインク液滴吐出手段を備え、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、前記インク滴吐出手段として、上記態様Gの液滴吐出装置を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成装置の製造コストの低減を図りつつ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出特性のばらつきを低減させ、画像品質の向上を図ることができる。
10 液滴吐出部
11 ノズル
12 ノズル基板
13 個別液室(圧力室)
14 基板(液室基板)
15 振動板
16 圧電素子
107 記録ヘッド
107k、107c、107m、107y 液滴吐出ヘッド
161 共通電極(第1の電極、下電極)
162 圧電体膜
162a 圧電体膜細幅部
162b 圧電体膜切欠部
163 個別電極(第2の電極、上電極)
163a 個別電極細幅部
163b 個別電極切欠部
18 第1の絶縁保護膜
18a コンタクトホール
19 共通電極用のパッド電極
20 第1の配線
21 個別電極用のパッド電極
22 第2の配線
23 第2の絶縁保護膜
23a コンタクトホール
31 コロナワイヤ電極
107 記録ヘッド
特開2005−253274号公報 特許第3782401号公報

Claims (8)

  1. 第1の電極と、前記第1の電極上に形成された電気機械変換膜と、前記電気機械変換膜上に形成された第2の電極と、を備え、前記電気機械変換膜及び前記第2の電極の平面形状が長尺形状である電気機械変換素子であって、
    前記電気機械変換膜及び前記第2の電極の長手方向における同一箇所に、部分的に幅が細くなっている細幅部が形成されていることを特徴とする電気機械変換素子。
  2. 請求項1の電気機械変換素子において、
    前記細幅部は、前記電気機械変換膜の幅又は前記第2の電極の幅よりも短い間隔で長手方向に複数形成されていることを特徴とする電気機械変換素子。
  3. 請求項1又は2の電気機械変換素子において、
    前記細幅部は、前記電気機械変換膜及び前記第2の電極の幅方向の中央部に形成されていることを特徴とする電気機械変換素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの電気機械変換素子において、
    前記細幅部における前記電気機械変換膜が形成されていない切欠部の切欠幅は、前記第2の電極が形成されていない切欠部の切欠幅よりも狭く、該第2の電極の外周縁は、該電気機械変換膜の外周縁よりも内側に位置することを特徴とする電気機械変換素子。
  5. 請求項4の電気機械変換素子において、
    前記切欠部は、その切欠幅が中央部にいくほど狭くなったテーパ形状を有することを特徴とする電気機械変換素子。
  6. 液滴を吐出するノズルと、該ノズルに連通する液室と、該液室内の液体に圧力を発生させる圧力発生手段と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記圧力発生手段は、前記液室の壁の一部を形成する振動板と、該振動板に設けられた請求項1乃至5のいずれかの電気機械変換素子とを備えることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項6の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
  8. 記録媒体に向けてインクの液滴を吐出するインク液滴吐出手段を備え、該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記インク滴吐出手段として、請求項7の液滴吐出装置を備える画像形成装置。
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