JP6531978B2 - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1において、圧電アクチュエータ20は、液室基板21と振動板(成膜振動板)22と電気機械変換素子200とが積層されている。電気機械変換素子200は、液室基板21上に振動板22を介して形成された第1の電極としての下部電極23と、下部電極23上に形成された電気機械変換膜24と、電気機械変換膜24上に形成された第2の電極としての上部電極25とを有している。なお、電気機械変換素子200の下部電極23と振動板22との間には、下部電極23と振動板22との密着性を高める密着層を設けてもよい。
図6の構成例では、電気機械変換素子200の配列方向の一方の端部(図中の左端部)Aにおける補強壁28aの間隔L1を、両端部以外における補強壁28aの間隔L0よりも大きくしている。また、図5では省略されているが、電気機械変換素子200の配列方向のもう一方の端部における補強壁28aの間隔L1についても、両端部以外における補強壁28aの間隔L0よりも大きくしている。これにより、液室基板21の両端部側での反りを抑制し、その反りの影響で高まりやすい補強壁28aによる上記振動板22の液室内壁部分に隣接する挾持部分に対する拘束力を低下させている。この振動板22の挾持部分に対する拘束力の低下により、液室基板21の両端部両端部の近くに位置する液室21aに対応する振動板22の液室内壁部分の変位量を、その他の液室21aに対応する振動板22の液室内壁部分の変位量と同程度まで抑えることができる。従って、上記配列方向における液滴吐出特性のバラツキを抑制することができる。
図7の構成例では、電気機械変換素子200の配列方向の端部(図中の左端部)Aでは、液室21に連通するノズルを形成していない。また、図7では省略されているが、電気機械変換素子200の配列方向のもう一方の端部においても、液室21に連通するノズルを形成していない。この構成の場合、上記液室基板21の両端部では液滴が吐出されないので、その両端部側において隔壁21aの剛性が若干低下しても、その剛性低下によるクロストークなどの液滴吐出特性の問題を解消することができる。
図8の構成例では、前記配列方向における液室基板21の両端部側それぞれに位置する2個の開口部21a’の互いに隣り合う部分の隔壁21bに対応する位置に、補強壁が設けられていない。すなわち、電気機械変換素子200の配列方向の端部(図中の左端部)Aにおける2個の電気機械変換素子200の素子間に補強壁が設けられていない。また、図8では省略されているが、電気機械変換素子200の配列方向のもう一方の端部においても、電気機械変換素子200の素子間に補強壁が設けられていない。このように補強壁を設けないことにより、液室基板21の両端部側での反りを抑制し、その反りの影響で高まりやすい補強壁28aによる上記振動板22の液室内壁部分に隣接する挾持部分に対する拘束力を低下させている。これにより、液室基板21の両端部それぞれの近くに位置する液室21aに対応する振動板22の液室内壁部分の変位量を、その他の液室21aに対応する振動板22の液室内壁部分の変位量と同程度まで抑えることができる。従って、上記液室基板21の液室21aの配列方向における液滴吐出特性のバラツキを抑制することができる。特に、この構成の場合は、前記配列方向の両端部におけるサイズを大きくすることなく、前記配列方向における両端部の液滴吐出特性のバラツキを抑制することができる。
図9の構成例では、電気機械変換素子200の配列方向の端部(図中の左端部)Aでは、液室21に連通するノズルを形成していない。また、図9では省略されているが、電気機械変換素子200の配列方向のもう一方の端部においても、液室21に連通するノズルを形成していない。この構成の場合、両端部では液滴が吐出されないので、両端部において隔壁21aの剛性が若干低下しても、その剛性低下によるクロストークなどの液滴吐出特性の問題を解消することができる。
また、図8及び図9の構成例において、両端部における素子間に補強壁が設けられていない電気機械変換素子の個数は、液滴吐出ヘッド全体の電気機械変換素子の総数(例えば80個以上)の1/20以下であってもよい。この場合、液室基板21の両端部側以外において振動板22の変形量が過剰に低下することによる液滴吐出特性のバラツキを防止できる。
本実施形態の電気機械変換素子200は、液室基板21上に振動板22を介して形成される。まず、液室基板21上に接合された振動板22上に、下部電極23の電極層、電気機械変換膜24及び上部電極25の電極層が形成される。その後、上部電極25、電気機械変換膜24及び下部電極23を所望の形状にエッチングした後に、絶縁保護膜を作製し、液室基板21側からエッチングし、図2に示すような液体を吐出させるための液室21aを作製している。
ρ(hkl)=I(hkl)/ΣI(hkl)・・・(1)
ここで、ρ(hkl)は(hkl)面方位の配向度である。また、I(hkl)は、X線回折法のθ−2θ測定における任意の配向に対応するピーク強度であり、ΣI(hkl)は各ピーク強度の総和である。
図10(a)及び(b)はそれぞれ、実施形態に係る電気機械変換素子の製造工程において電気機械変換層の分極処理に用いられる分極処理装置40の概略構成例を示す斜視図及び正面図である。
図10において、分極処理装置40は、コロナ電極41と、グリッド電極42と、対向電極を有するステージ43とを備えている。コロナ電極41及びグリッド電極42はそれぞれコロナ電極用電源411及びグリッド電極用電源421に接続されている。コロナ電極41は例えばワイヤー形状を有するものであってもよい。グリッド電極42については、メッシュ加工を施し、コロナ電極41に高電圧を印加したときに、コロナ放電により発生するイオンや電荷等を効率良く下のサンプルステージに降り注ぐように構成してもよい。また、放電処理対象(試料)である多数の電気機械変換素子が形成されたウェハ基板45に対して電荷が流れやすくするように、ウェハ基板45を設置するステージ43にはアース線44が接続された構成にしてもよい。また、ステージ43には、ウェハ基板45を加熱できるように温調機能を設けてもよい。この際の加熱温度は特に限定されるものではないが、最大350[℃]まで加熱できるように構成してもよい。
図11に示すように、コロナ電極41(例えば、コロナワイヤー)を用いてコロナ放電させる場合、分極処理は、大気中の分子401をイオン化させることで陽イオンを発生する。発生した陽イオンは、ウェハ基板の電気機械変換素子200の例えば共通電極パッドや個別電極パッドを介して電気機械変換膜に流れ込み、電気機械変換素子200に電荷が蓄積した状態となる。そして、上部電極と下部電極との電荷差によって内部電位差が生じて、分極処理が行われる。
〔実施例1〕
実施例2では、電気機械変換素子200の配列方向の両端部における補強壁28aの間隔L1を225[μm]とした以外は、実施例1と同等である。
実施例3では、下部電極23の電極層を形成したあと、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ株式会社製)を用いて下部電極23をパターン化した。その後、実施例1と同様にPZTを成膜し、PZT膜をパターン化して電気機械変換膜24とし、その後、上部電極25を成膜した。上部電極25はPZT膜に沿ってパターン化は実施していない。その後は実施例1と同等の方法で作製した。
実施例4では、電気機械変換素子200の配列方向の両端部において電気機械変換素子200を覆う支持基板の開口は、3つの電気機械変換素子200が含められるように形成した。すなわち、電気機械変換素子200の配列方向の両端部における補強壁28aの間隔L1を、両端部以外における補強壁28aの間隔L0(75[μm])の3倍の225[μm]にした。それ以外の構成は、実施例1と同等である。
実施例5では、前述の図8に示すように、電気機械変換素子200の配列方向の両端部において電気機械変換素子200を覆う支持基板28の開口は、2つの電気機械変換素子200が含められるように形成した。すなわち、電気機械変換素子200の配列方向の両端部における補強壁28aの間隔L1を、両端部以外における補強壁28aの間隔L0(75[μm])の2倍の150[μm]にした。それ以外の構成は、実施例1と同等である。
実施例6では、下部電極23の電極層を形成したあと、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ株式会社製)を用いて下部電極23をパターン化した。その後、実施例1と同様にPZTを成膜し、PZT膜をパターン化して電気機械変換膜24とし、その後、上部電極25を成膜した。上部電極25はPZT膜に沿ってパターン化は実施していない。その後は実施例1と同等の方法で作製した。
比較例1では、電気機械変換素子200の配列方向の両端部における補強壁28aの間隔L1を、両端部以外における補強壁28aの間隔L0と同じ75[μm]とした以外は、実施例1と同等である。
電気機械変換素子200の配列方向の両端部において電気機械変換素子200を覆う支持基板の開口は、20個の電気機械変換素子200が含められるように形成した。すなわち、電気機械変換素子200の配列方向の両端部における補強壁28aの間隔L1を、両端部以外における補強壁28aの間隔L0(75[μm])の20倍の1500[μm]にした。それ以外の構成は、実施例4と同等である。
(態様A)
所定の配列方向に配列する複数の液室21aをそれぞれ形成するように互いに独立した複数の開口部21a’を有する液室基板21と液室基板21の複数の液室21aそれぞれに連通する複数のノズル26aを有し、液室基板21の一方の面側で各液室21aの内壁を構成するように設けられたノズル板26と、液室基板21の他方の面側で各液室21aの内壁を構成するように設けられた振動板22と、振動板22の液室基板21側とは反対側の表面に、複数の液室21aそれぞれに対応するように配列させて設けられた複数の電気機械変換素子200と、液室基板21の前記配列方向における複数の開口部21a’が形成されていない複数の隔壁21bなどの非開口部に対応するように、振動板22の液室基板21側とは反対側に直接又は中間層を介して接合された複数の補強壁28aを有する支持基板28と、を備えた液滴吐出ヘッドであって、前記配列方向における液室基板21の両端部それぞれの近くに位置する一又は複数の開口部に隣接する複数の非開口部に対応する複数の補強壁28aの互いに隣り合う補強壁間の間隔L1は、その他の複数の非開口部に対応する複数の補強壁28aの互いに隣り合う補強壁間の間隔L0よりも大きい。
本態様Aによれば、上記実施形態について説明したように、前記配列方向において液室基板の複数の開口部が形成されていない複数の非開口部に対応するように、振動板の液室基板側とは反対側に直接又は中間層を介して複数の補強壁が接合されている。これらの複数の補強壁により液室基板の複数の非開口部それぞれを補強し、非開口部の剛性を高めることができる。
また、以下に示すように補強壁間の間隔を規定することにより、前記配列方向における液室基板の両端部の近くに位置する液室に対応する振動板の液室内壁を構成している液室内壁部分の特異的な変位特性を抑制することができる。
前記配列方向における液室基板の両端部の近くに位置する液室(開口部)に対応する振動板の液室内壁部分は、他の液室に対応する振動板の液室内壁部分よりも駆動時の変位量が大きくなる特異的な変位特性を有するおそれがある。この振動板の液室内壁部分の特異的な変位特性の原因について、本発明者らが実験及び検討を行った結果、前記配列方向における液室基板の両端部側での液室基板の反りが影響していることがわかった。すなわち、上記構成の液滴吐出ヘッドでは、上記複数の開口部を有する液室基板の2つの面のうち振動板側の面は、振動板を介して、上記非開口部の剛性を高めるための支持基板の補強壁が接合されている。このため、液室基板の振動板側の面はその面に沿った方向に延びにくい。一方、液室基板のノズル板側の面は、比較的薄いノズル板が取り付けられているものの、上記補強壁を有する支持基板は取り付けられていないため、面に沿った方向に延びやすい。この液室基板の2つ面における面方向の延びに関する特性差により、製造時に液室基板が振動板側に曲がる反りが発生する。特に、前記配列方向における液室基板の両端部側では、上記延びを規制する力が弱いため、上記反りが大きくなる。この液室基板の両端部側で強い反りが発生すると、その両端部それぞれの近くに位置する液室に対応する振動板の液室内壁部分に隣接する挾持部分(液室基板の非開口部と支持基板の補強壁とで挟まれている部分)を拘束する拘束力がより強くなる。この振動板の挾持部分における上記拘束力が強いと、その振動板を電気機械変換素子で駆動したときに振動板の振動が上記挾持部分から逃げにくくなり、振動板の液室内壁部分に振動エネルギーがより集中し、振動板の液室内壁部分の変位量が大きくなる。従って、上記配列方向における液室基板の両端部それぞれの近くに位置する液室に対応する振動板の液室内壁部分の駆動時の変位量が、他の液室に対応する振動板の液室内壁部分よりも大きくなる特異的な変形特性を有する。以上示したように、上記配列方向における液室基板の両端部側での大きな反りの影響により、前記配列方向における液室基板の両端部の近くに位置する液室(開口部)に対応する振動板の液室内壁部分が上記特異的な変位特性を有することがわかった。
本態様Aでは、前記配列方向における液室基板の両端部の近くに位置する液室に対応する振動板の液室内壁部分における特異的な変位特性について得られた知見により、次のように補強壁間の間隔を規定している。すなわち、前記配列方向における液室基板の両端部それぞれの近くに位置する一又は複数の開口部に隣接する複数の非開口部に対応する複数の補強壁の補強壁間の間隔を、その他の複数の非開口部に対応する複数の補強壁の補強壁間の間隔よりも大きくしている。このように液室基板の両端部それぞれの近くでの補強壁間の間隔を大きくすることにより、液室基板の振動板側の面に沿った方向の延びを規制する力を低下させ、前述の製造時に発生する液室基板の両端部側での反りを抑制できる。このように液室基板の両端部側での反りを抑制できるため、その反りの影響で高まりやすい前述の振動板の液室内壁部分に隣接している挾持部分に対する拘束力を低下させている。この振動板の挾持部分に対する拘束力の低下により、振動板を電気機械変換素子で駆動したときの振動板の振動が挾持部分を介して若干逃げるようになるため、前記振動板の液室内壁部分への振動エネルギーの集中を緩和できる。よって、液室基板の両端部それぞれの近くに位置する液室に対応する振動板の液室内壁部分の変位量を、他の液室に対応する振動板の液室内壁部分と同程度まで抑えることができる。従って、上記液室基板の液室の配列方向における液滴吐出特性のバラツキを抑制することができる。
以上のように、液室基板の液室が形成される開口部に隣接する非開口部の剛性を高めることができるとともに、液室基板の液室の配列方向における液滴吐出特性のバラツキを抑制することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記間隔が大きくなっている補強壁間に位置する電気機械変換素子は、液滴吐出に用いられないダミーの電気機械変換素子である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記間隔が大きくなっている補強壁間に位置する液室に圧力変化は発生しないことにより、当該液室に連通するノズルから液滴が吐出されない。従って、上記液室基板の両端部側において隔壁21aの剛性が若干低下しても、その剛性低下によるクロストークなどの液滴吐出特性の問題を解消することができる。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、前記ノズル板は、前記間隔が大きくなっている補強壁間に対応する開口部によって形成される液室に連通するノズルを有していない。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記間隔が大きくなっている補強壁間に位置する液室に隣接する隔壁の剛性が若干低下しても、その剛性低下によるクロストークなどの液滴吐出特性の問題を解消することができる。
(態様D)
所定の配列方向に配列する複数の液室21aをそれぞれ形成するように互いに独立した複数の開口部21a’を有する液室基板21と液室基板21の複数の液室21aそれぞれに連通する複数のノズル26aを有し、液室基板21の一方の面側で各液室21aの内壁を構成するように設けられたノズル板26と、液室基板21の他方の面側で各液室21aの内壁を構成するように設けられた振動板22と、振動板22の液室基板21側とは反対側の表面に、複数の液室21aそれぞれに対応するように配列させて設けられた複数の電気機械変換素子200と、液室基板21の前記配列方向における複数の開口部21a’が形成されていない複数の隔壁21bなどの非開口部に対応するように、振動板22の液室基板21側とは反対側に直接又は中間層を介して接合された複数の補強壁28aを有する支持基板28と、を備えた液滴吐出ヘッドであって、前記配列方向における前記液室基板の両端部側それぞれに位置する二以上の開口部の互いに隣り合う部分の非開口部に対応する位置に、前記補強壁が設けられていない。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記配列方向において液室基板の複数の開口部が形成されていない複数の非開口部に対応するように、振動板の液室基板側とは反対側に直接又は中間層を介して複数の補強壁が接合されている。これらの複数の補強壁により液室基板の複数の非開口部それぞれを補強し、非開口部の剛性を高めることができる。
また、本態様Dでは、前記配列方向における液室基板の両端部側それぞれに位置する二以上の開口部の互いに隣り合う部分の非開口部に対応する位置に、補強壁が設けられていない。このように補強壁を設けないことにより、液室基板の振動板側の面に沿った方向の延びを規制する力を低下させ、前述の製造時に発生する液室基板の両端部側での反りを抑制できる。このように液室基板の両端部側での反りを抑制できるため、その反りの影響で高まりやすい前述の振動板の液室内壁部分に隣接している挾持部分に対する拘束力を低下させている。この振動板の挾持部分に対する拘束力の低下により、振動板を電気機械変換素子で駆動したときの振動板の振動が挾持部分を介して若干逃げるようになるため、前記振動板の液室内壁部分への振動エネルギーの集中を緩和できる。よって、液室基板の両端部それぞれの近くに位置する液室に対応する振動板の液室内壁部分の変位量を、他の液室に対応する振動板の液室内壁部分と同程度まで抑えることができる。従って、上記液室基板の液室の配列方向における液滴吐出特性のバラツキを抑制することができる。
以上のように、液室基板の液室が形成される開口部に隣接する非開口部の剛性を高めることができるとともに、液室基板の液室の配列方向における液滴吐出特性のバラツキを抑制することができる。特に、本態様Dでは、液室基板の両端部における補強壁の位置を配列方向における外側に変更する必要がないため、液室基板の配列方向における大サイズ化を回避できる。
(態様E)
上記態様Dにおいて、前記液室基板に有する前記複数の開口部の総数は80以上であり、前記補強壁が設けられていない部分に対応する前記非開口部に隣接する複数の開口部の個数は、前記複数の開口部の総数の1/20以下である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記液室基板の両端部側の開口部以外において振動板の変形量が過剰に低下することを防止できる。
(態様F)
上記態様D又はEにおいて、前記補強壁が設けられていない部分に対応する前記非開口部に隣接する複数の開口部それぞれに対応する電気機械変換素子は、液滴吐出に用いられないダミーの電気機械変換素子である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記補強壁が設けられていない部分に対応する非開口部に隣接する複数の液室に圧力変化は発生しないことにより、当該複数の液室に連通するノズルから液滴が吐出されない。従って、上記液室基板の両端部側において隔壁21aの剛性が若干低下しても、その剛性低下によるクロストークなどの液滴吐出特性の問題を解消することができる。
(態様G)
上記態様D乃至Fのいずれかにおいて、前記ノズル板は、前記補強壁が設けられていない部分に対応する前記非開口部に隣接する複数の開口部によってそれぞれ形成される複数の液室に連通するノズルを有していない。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記補強壁が設けられていない部分に対応する非開口部に隣接する複数の液室に隣接する隔壁の剛性が若干低下しても、その剛性低下によるクロストークなどの液滴吐出特性の問題を解消することができる。
(態様H)
上記態様A乃至Gのいずれかにおいて、前記支持基板の補強壁は、前記振動板の前記電気機械変換素子によって駆動されない非活性部分に対応するように設けられている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、補強壁の位置よって影響を受ける、電気機械変換素子の駆動による振動板の変形のバラツキを抑制できる。
(態様I)
上記態様A乃至Hのいずれかにおいて、前記複数の電気機械変換素子が設けられた第1のウエハと、前記支持基板が設けられた第2のウエハとを接合し、その接合したウエハ接合部材を切断して個別化されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ウエハ接合部材を切断して個別化されるときに発生しやすい上記配列方向の両端部における液室基板の反りを抑制することができる。
(態様J)
上記態様A乃至Iのいずれかの液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、液室基板の液室を区画する隔壁の剛性不足による液室間のクロストークなどの液滴吐出特性の劣化を防止できるので、複数のノズルそれぞれから吐出される液滴の量や速度の精度を高めることができる。また、電気機械変換素子の配列方向における液滴吐出特性のバラツキを抑制できるので、複数のノズルそれぞれから吐出される液滴の前記配列方向の両端部における吐出ムラを低減することができる。
(態様K)
上記態様A乃至Iのいずれかの液滴吐出ヘッドを有する画像形成装置である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、液室基板の液室を区画する隔壁の剛性不足による液室間のクロストークなどの液滴吐出特性の劣化を防止できる。従って、複数のノズルそれぞれから吐出される画像形成用の液滴の量や速度の精度を高めることができる。また、電気機械変換素子の配列方向における液滴吐出特性のバラツキを抑制できるので、複数のノズルそれぞれから吐出される画像形成用の液滴の前記配列方向の両端部における吐出ムラを低減することができる。従って、画像形成用の液滴吐出による濃度ムラの少ない所定濃度の画像を形成することができる。
21 液室基板
21a 液室
21a’ 開口部
21b 隔壁(非開口部)
22 振動板
23 下部電極
24 電気機械変換膜(PZT膜)
25 上部電極
26 ノズル板
26a ノズル
27 段差部
28 支持基板
28a 補強壁
200 電気機械変換素子(圧電素子)
Claims (10)
- 所定の配列方向に配列する複数の液室をそれぞれ形成するように互いに独立した複数の開口部を有する液室基板と、
前記液室基板の複数の液室それぞれに連通する複数のノズルを有し、前記液室基板の一方の面側で各液室の内壁を構成するように設けられたノズル板と、
前記液室基板の他方の面側で各液室の内壁を構成するように設けられた振動板と、
前記振動板の前記液室基板側とは反対側の表面に、前記複数の液室それぞれに対応するように配列させて設けられた複数の電気機械変換素子と、
前記液室基板の前記配列方向における複数の開口部が形成されていない複数の非開口部に対応するように、前記振動板の前記液室基板側とは反対側に直接又は中間層を介して接合された複数の補強壁を有する支持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドであって、
前記配列方向における前記液室基板の両端部それぞれの近くに位置する一又は複数の開口部に隣接する複数の非開口部に対応する複数の補強壁の互いに隣り合う補強壁間の間隔は、その他の複数の非開口部に対応する複数の補強壁の互いに隣り合う補強壁間の間隔よりも大きく、
前記間隔が大きくなっている補強壁間に位置する電気機械変換素子は、液滴吐出に用いられないダミーの電気機械変換素子であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ノズル板は、前記間隔が大きくなっている補強壁間に対応する開口部によって形成される液室に連通するノズルを有していないことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 所定の配列方向に配列する複数の液室をそれぞれ形成するように互いに独立した複数の開口部を有する液室基板と、
前記液室基板の複数の液室それぞれに連通する複数のノズルを有し、前記液室基板の一方の面側で各液室の内壁を構成するように設けられたノズル板と、
前記液室基板の他方の面側で各液室の内壁を構成するように設けられた振動板と、
前記振動板の前記液室基板側とは反対側の表面に、前記複数の液室それぞれに対応するように配列させて設けられた複数の電気機械変換素子と、
前記液室基板の前記配列方向における複数の開口部が形成されていない複数の非開口部に対応するように、前記振動板の前記液室基板側とは反対側に直接又は中間層を介して接合された複数の補強壁を有する支持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドであって、
前記配列方向における前記液室基板の両端部それぞれの近くに位置する一又は複数の開口部に隣接する複数の非開口部に対応する複数の補強壁の互いに隣り合う補強壁間の間隔は、その他の複数の非開口部に対応する複数の補強壁の互いに隣り合う補強壁間の間隔よりも大きく、
前記ノズル板は、前記間隔が大きくなっている補強壁間に対応する開口部によって形成される液室に連通するノズルを有していないことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 所定の配列方向に配列する複数の液室をそれぞれ形成するように互いに独立した複数の開口部を有する液室基板と、
前記液室基板の複数の液室それぞれに連通する複数のノズルを有し、前記液室基板の一方の面側で各液室の内壁を構成するように設けられたノズル板と、
前記液室基板の他方の面側で各液室の内壁を構成するように設けられた振動板と、
前記振動板の前記液室基板側とは反対側の表面に、前記複数の液室それぞれに対応するように配列させて設けられた複数の電気機械変換素子と、
前記液室基板の前記配列方向における複数の開口部が形成されていない複数の非開口部に対応するように、前記振動板の前記液室基板側とは反対側に直接又は中間層を介して接合された複数の補強壁を有する支持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドであって、
前記配列方向における前記液室基板の両端部側それぞれに位置する二以上の開口部の互いに隣り合う部分の非開口部に対応する位置に、前記補強壁が設けられていないことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項4の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記液室基板に有する前記複数の開口部の総数は80以上であり、
前記補強壁が設けられていない部分に対応する前記非開口部に隣接する複数の開口部の個数は、前記複数の開口部の総数の1/20以下であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項4又は5の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記補強壁が設けられていない部分に対応する前記非開口部に隣接する複数の開口部それぞれに対応する電気機械変換素子は、液滴吐出に用いられないダミーの電気機械変換素子であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項4乃至6のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ノズル板は、前記補強壁が設けられていない部分に対応する前記非開口部に隣接する複数の開口部によってそれぞれ形成される複数の液室に連通するノズルを有していないことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至7のいずれかの液滴吐出ヘッドにおいて、
前記支持基板の補強壁は、前記振動板の前記電気機械変換素子によって駆動されない非活性部分に対応するように設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 請求項1乃至8のいずれかの液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置。
- 請求項1乃至8のいずれかの液滴吐出ヘッドを有する画像形成装置。
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