JP2017191928A - 電気機械変換電子部品、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置 - Google Patents

電気機械変換電子部品、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置 Download PDF

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Abstract

【課題】個々の電気機械変換素子における圧電体の圧電効果による変位量が大きい電気機械変換電子部品において、電気機械変換素子が配列された素子列内での変位量バラつきを少なく抑えることを課題とする。【解決手段】駆動信号に応じた電圧を第一電極23と第二電極25との間に印加して圧電体24を変形させる電気機械変換素子200が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する電気機械変換電子部品において、各電気機械変換素子の圧電体は、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた(200)面に対応する回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)で測定される(200)面に対応するロッキングカーブ中に回折強度の落ち込み部分を有し、回折ピーク強度Pの素子列ごとの平均値をPAVEとし、当該素子列における該回折ピーク強度Pの最大差をΔPとしたとき、ΔP/PAVEが20%以下である。【選択図】図11

Description

本発明は、電気機械変換電子部品、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット及び液体を吐出する装置に関するものである。
従来、インクジェット記録装置等の画像形成装置において、液室内の液体を吐出孔から吐出させるために液室の壁面を構成する変位板を駆動信号に応じて変位させる電気機械変換素子が複数個並べて配列された電気機械変換電子部品が知られている。
例えば、特許文献1には、下部電極、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などのペロブスカイト結晶構造を有する電気機械変換膜、上部電極などを積層させた電気機械変換素子が複数個並べて配列された電気機械変換電子部品が開示されている。この特許文献1には、(100)面の結晶配向性を高く(結晶配向度80%以上)して自発分極軸方向を揃えた電気機械変換膜を形成することにより、圧電効果による歪変位を大きくできることが記載されている。
一般に、電気機械変換電子部品においては、個々の電気機械変換素子における電気機械変換膜等の圧電体の圧電効果による変位量を更に大きくし、しかも電気機械変換素子が配列された素子列内での変位量バラつきを少なく抑えたいという課題がある。
上述した課題を解決するために、本発明は、少なくとも第一電極、圧電体、第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する電気機械変換電子部品において、各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に、回折強度の落ち込み部分を有し、各電気機械変換素子の圧電体における前記回折ピーク強度Pの素子列ごとの平均値をPAVEとし、当該素子列における該回折ピーク強度Pの最大差をΔPとしたとき、ΔP/PAVEが20%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、個々の電気機械変換素子における圧電体の圧電効果による変位量が大きい電気機械変換電子部品において、電気機械変換素子が配列された素子列内での変位量バラつきを少なく抑えることができるという優れた効果が奏される。
実施形態における電気機械変換素子の概略構成の一例を示す断面図である。 実施形態における電気機械変換素子の概略構成の他の例を示す断面図である。 (a)は、実施形態における液体吐出ヘッドに設けた電気機械変換素子の概略構成例を示す断面図である。(b)は、その電気機械変換素子の上面図である。 実施形態における電気機械変換素子の製造工程において電気機械変換膜の分極処理に用いられる分極処理装置の概略構成例を示す斜視図である。 同分極処理装置における分極処理の説明図である。 (a)は、分極処理を行う前の電気機械変換素子のP−Eヒステリシスループの一例を示す特性図である。(b)は、分極処理後の電気機械変換素子のP−Eヒステリシスループの一例を示す特性図である。 X線回折法のθ−2θ測定で得られた電気機械変換膜(PZT膜)の2θ値の測定結果の一例を示すグラフである。 同電気機械変換膜(PZT膜)について、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる位置(2θ)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブを示すグラフである。 図8に示したロッキングカーブを3つのロッキングカーブ成分にピーク分離した説明図である。 同電気機械変換膜(PZT膜)の結晶構造を模式的に示す説明図である。 ノズル配列方向に沿って切断したときの液体吐出ヘッドの一部を示す断面図である。 複数の圧電アクチュエータチップが形成されたSiウエハを模式的に示す平面図である。 同Siウエハ上に形成された1つの圧電アクチュエータチップを模式的に示す平面図である。 図12に示される4つの圧電アクチュエータチップにおける各電気機械変換素子による振動板の変位量の一例を示す説明図である。 ウエハ中心部に近い圧電アクチュエータチップとウエハ外周部に近い圧電アクチュエータチップについて、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた(200)面に対応する回折ピーク強度Pと変位量δとの関係を示すグラフである。 実施例1において、ウエハ中心部に近い圧電アクチュエータチップとウエハ外周部に近い圧電アクチュエータチップについての回折ピーク強度Pと変位量δとの関係を示すグラフである。 ウエハ中心部に近い圧電アクチュエータチップとウエハ外周部に近い圧電アクチュエータチップについて、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた(200)面に対応する回折ピーク強度P1の位置θ1maxと変位量δとの関係を示すグラフである。 実施例6において、ウエハ中心部に近い圧電アクチュエータチップとウエハ外周部に近い圧電アクチュエータチップについて、回折ピーク強度P1のピーク位置θ1maxと変位量δとの関係を示すグラフである。 実施形態におけるインクジェット記録装置の要部平面説明図である。 同装置の要部側面説明図である。 実施形態における液体吐出ユニットの他の例を示す要部平面説明図である。 実施形態における液体吐出ユニットの更に他の例を示す要部平面説明図である。
以下、本発明に係る電気機械変換電子部品を、液体を吐出する装置としてのインクジェット記録装置の液体吐出ヘッドに適用した一実施形態について説明する。なお、本発明は以下に例示する実施形態によって限定されるものではない。
インクジェット記録装置は、騒音が極めて小さくかつ高速印字が可能であり、更には画像形成用の液体であるインクの自由度があり、安価な普通紙を使用できるなど多くの利点がある。そのために、インクジェット記録装置は、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像形成装置として広く展開されている。
インクジェット記録装置において使用する液体吐出ヘッドには、画像形成用の液体(インク)を吐出する吐出孔であるノズルが複数個並んで配列されたノズル列が1列以上設けられている。この液体吐出ヘッドには、各ノズルにそれぞれ連通する加圧液室と、各加圧液室内のインクを吐出するための圧力をそれぞれ発生させる圧力発生手段とが備わっている。本実施形態における圧力発生手段は、加圧液室の壁面の一部を構成する変位板としての振動板と、その振動板を変形させる圧電体を有する電気機械変換素子とを備えたピエゾ方式の圧力発生手段である。この電気機械変換素子は、所定の電圧が印加されることにより自らが変形し、加圧液室に対して振動板の表面を変位させることで加圧液室内の液体に圧力を発生させる。この圧力により、加圧液室に連通したノズルから液体(インク滴)を吐出させることができる。
圧電体は、電圧の印加によって変形する圧電特性を有する材料である。この圧電体として、本実施形態では、ペロブスカイト結晶構造を有する三元系金属酸化物であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti1−x)O)を用いている。このPZTからなる電気機械変換膜(以下「PZT膜」という。)を有する電気機械変換素子に駆動電圧を印加したときの振動モードとしては、前述のように複数種類の振動モードがある。例えば、圧電定数d33による膜厚方向の変形を伴う縦振動モード(プッシュモード)や、圧電定数d31によるたわみ変形を伴う横振動モード(ベンドモード)がある。更には、膜の剪断変形を利用したシェアモード等もある。
前記PZT膜を有する電気機械変換素子は、後述のように、半導体プロセスやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の技術を利用し、Si基板に加圧液室及び電気機械変換素子を直接作り込むことができる。これにより、電気機械変換素子を、加圧液室内に圧力を発生させる薄膜の圧電アクチュエータとして形成することができる。
図1及び図2は、それぞれ、実施形態における電気機械変換素子を有する圧電アクチュエータの概略構成の一例を示す断面図である。
図1の構成例において、圧電アクチュエータ20は、基板21と振動板22と電気機械変換素子200とが積層されている。電気機械変換素子200は、基板21上に振動板22を介して形成された第1の電極としての下部電極23と、下部電極23上に形成された電気機械変換膜24と、電気機械変換膜24上に形成された第2の電極としての上部電極25とを有している。
下部電極23は、電気機械変換膜24の第1の表面としての下面に直接又は下地層などの中間層を介して設けられた金属層などからなる電極層である。また、上部電極25は、電気機械変換膜24の第2の表面としての上面に直接又は中間層を介して設けられた金属層などからなる電極層である。下部電極23と上部電極25との間に電圧を印加することにより、電気機械変換膜24の膜厚方向に電界を形成することができる。
ここで、下部電極23及び上部電極25はそれぞれ、電気的な抵抗が十分小さい金属層と、導電性を有する酸化物電極膜とを組み合わせたものであってもよい。例えば図2の構成例において、下部電極23は、振動板22側の金属層231と、電気機械変換膜24側の酸化物電極膜232とを積層したものである。また、上部電極25は、電気機械変換膜24側の酸化物電極膜251と、金属層252とを積層したものである。酸化物電極膜232、251を設けることは、圧電アクチュエータとして機能させた際、連続的に駆動させ続けたときの電気機械変換素子200の変形量(表面変位量)の低下を抑制する上で効果的である。酸化物電極膜232、251は、例えば、チタン酸鉛(PT)からなるシード層であってもよく、この場合は、電気機械変換素子200の変形量(表面変位量)の低下をより確実に抑制することができる。
図3は、本実施形態の電気機械変換素子200を有する圧電アクチュエータ20を例えば液体吐出ヘッドなどに用いる際の具体的構成の一例を示す図である。
図3(a)は、実施形態に係る液体吐出ヘッドに設けた電気機械変換素子の概略構成例を示す断面図である。また、図3(b)は、その電気機械変換素子の上面図である。
なお、図3(b)については、電気機械変換素子200の構成が分かり易いように、第1、第2の絶縁保護膜(層間絶縁膜)31、38については記載を省略している。また、図3(a)は、図3(b)のI−I’矢視断面図である。
図3(a)に示すように、圧電アクチュエータ20は、下部電極23と電気機械変換膜24と上部電極25とを備えた電気機械変換素子200を有している。また、図3(b)に示すように、かかる構成の複数の電気機械変換素子200が、基板21の面に沿った所定の方向に配列するように設けられている。この複数の電気機械変換素子200は、基板21上に振動板22を介して形成されている。
下部電極23及び上部電極25のうちのいずれか一方の電極については、複数の電気機械変換素子200で共用されるように1つの共通電極として構成することができる。この場合、下部電極23及び上部電極25のうちの他方の電極はそれぞれの電気機械変換素子200に対応した互いに独立した個別電極として別個に構成されることとなる。なお、図3の構成例では、下部電極23を共通電極として構成し、上部電極25を電気機械変換素子200毎に独立した別個の個別電極として構成した例を示している。
上部電極25及び下部電極23の上の所定エリアには層間絶縁膜としての第1の絶縁保護膜31が設けられている。第1の絶縁保護膜31は後述するように無機化合物により構成してもよい。また、第1の絶縁保護膜31の所定位置には、上部電極25および下部電極23が他の電極と電気的に接続できるようにコンタクトホール32が形成されている。
図3において、個別電極である上部電極25はそれぞれ、外部回路に接続するための個別電極パッド34に接続されている。上部電極(個別電極)25と個別電極パッド34との間は例えば接続部材35により電気的に接続することができる。
また、図3において、共通電極である下部電極23は、外部回路に接続するための共通電極パッド36に接続されている。下部電極(共通電極)23と共通電極パッド36との間は例えばパッド間接続部材37により電気的に接続することができる。
共通電極パッド36及び個別電極パッド34の上には、第2の絶縁保護膜38が設けられている。第2の絶縁保護膜38は後述のように例えば無機化合物により構成してもよい。また、第2の絶縁保護膜38には、共通電極パッド36及び個別電極パッド34それぞれの一部を露出させる開口部が設けられている。
次に、前記構成の電気機械変換素子200の製造工程において電気機械変換膜24に分極処理を施す方法について説明する。
図4は、実施形態に係る電気機械変換素子の製造工程において電気機械変換膜の分極処理に用いられる分極処理装置40の概略構成例を示す斜視図である。
図4において、分極処理装置40は、コロナ電極41と、グリッド電極42と、対向電極を有するステージ43とを備えている。コロナ電極41及びグリッド電極42はそれぞれコロナ電極用電源45及びグリッド電極用電源46に接続されている。コロナ電極41は例えばワイヤー形状を有するものであってもよい。グリッド電極42については、メッシュ加工を施し、コロナ電極41に高電圧を印加したときに、コロナ放電により発生するイオンや電荷等を効率良く下のサンプルステージに降り注ぐように構成してもよい。また、放電処理対象である試料(電気機械変換素子)に対して電荷が流れやすくするように、試料を設置するステージ43にはアース線44が接続された構成にしてもよい。また、ステージ43には、電気機械変換素子を加熱できるように温調機能を設けてもよい。この際の加熱温度は特に限定されるものではないが、最大350[℃]まで加熱できるように構成してもよい。
コロナ電極41及びグリッド電極42それぞれに印加する電圧の大きさや、試料と各電極間の距離は特に限定されるものではない。例えば、試料に対して十分に分極処理を施すことができるように、コロナ電極41及びグリッド電極42それぞれに印加する電圧の大きさや試料と各電極間の距離は試料に応じて調整し、コロナ放電の強弱をつけるようにしてもよい。
図5は、分極処理装置40における分極処理の説明図である。
図5に示すように、コロナ電極41(例えば、コロナワイヤー)を用いてコロナ放電させる場合、分極処理は、大気中の分子401をイオン化させることで陽イオンを発生する。発生した陽イオンは、電気機械変換素子200の例えば共通電極パッドや個別電極パッドを介して電気機械変換膜に流れ込み、電気機械変換素子200に電荷が蓄積した状態となる。そして、上部電極と下部電極との電荷差によって内部電位差が生じて、分極処理が行われる。
前記分極処理に必要な電荷量Qについては特に限定されるものではないが、例えば電気機械変換素子200に1.0×10−8[C]以上の電荷量が蓄積されるようにしてもよい。また、電気機械変換素子200に4.0×10−8[C]以上の電荷量が蓄積されるようにしてもよい。このような範囲の電荷量を電気機械変換素子200に蓄積させることにより、より確実に後述の分極率となるように分極処理を行うことができる。蓄積される電荷量が、1.0×10−8[C]に満たない場合、電気機械変換素子の連続駆動後の変位劣化について十分な特性が得られない場合がある。
電気機械変換素子200の分極処理の状態については、電気機械変換素子200のP−Eヒステリシスループから判断することができる。
図6は、電気機械変換素子200の分極処理の状態を判断することができるP−Eヒステリシスループの例を示している。図6(a)は、分極処理を行う前の電気機械変換素子のP−Eヒステリシスループの一例を示す特性図であり、図6(b)は、分極処理後の電気機械変換素子のP−Eヒステリシスループの一例を示す特性図である。
図6(a)及び(b)に示すように、電気機械変換素子に電圧を印加して±150[kV/cm]の電界強度かけてヒステリシスループを測定した場合に、電気機械変換素子に電圧を印加する前の0[kV/cm]時の分極をPiniとする。また、電気機械変換素子に+150[kV/cm]の電圧印加後に0[kV/cm]まで戻したときの0[kV/cm]時の分極をPrとする。このとき、Pr−Piniの値を「分極率」として定義し、この分極率により、分極の状態が適切であるか否かを判断することができる。具体的には、図6(b)に示すように、分極処理を行った後の電気機械変換素子について測定した分極率Pr−Piniの値が所定値以下になった場合に、分極の状態が適切であると判断することができる。例えば、分極率Pr−Piniの値が10[μC/cm]以下になった場合に分極の状態が適切であると判断してよい。また、分極率Pr−Piniの値が5[μC/cm]以下となった場合に、分極の状態が適切であると判断してよい。Pr−Piniの値が十分に小さくなっていない場合は、分極が十分になされておらず、電気機械変換素子の所定駆動電圧に対する変形量(表面変位量)が安定しない状態となる。また、電気機械変換素子の連続駆動後の変形量(表面変位量)の劣化を抑制できない場合がある。
次に、本実施形態に係る電気機械変換素子の各部材の具体例について説明する。
上述したように、本実施形態の電気機械変換素子200は、基板21上に振動板22を介して形成される。基板21の材料は、特に限定されるものではないが、加工の容易性や、入手しやすさ等を鑑みると、シリコン単結晶基板を用いることが好ましい。シリコン単結晶基板としては、面方位が(100)、(110)、(111)の3種あるが、特に限定されるものではなく、加工の内容等に応じて適切な基板を選択することができる。
例えば、基板21に対してエッチング加工を要する場合には、エッチング加工の内容にあわせて所定の面方位を有する基板を選択することができる。後述する液体吐出ヘッドを形成する場合を例に説明すると、通常エッチングにより基板に加圧液室を作製するが、この際のエッチング方法としては一般的に異方性エッチングが用いられている。ここで、異方性エッチングとは、結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものであり、例えばKOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。従って、面方位(100)では約54[°]の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝を掘ることができ、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができることが分かっている。このため、例えば液体吐出ヘッドを構成する基板の場合には(110)の面方位を持ったシリコン単結晶基板を好ましく用いることができる。
基板21の厚さは用途等により選択することができ、特に限定されるものではないが、例えば、100〜600[μm]の厚みを持つものであってもよい。
振動板22としては、後述する液体吐出ヘッドを形成する場合、電気機械変換素子200によって発生した力を受けて、下地膜である振動板22が変形(表面変位)して、圧力室のインク滴を吐出させる機能を有する。そのため、下地膜としては所定の強度を有するものでもよい。振動板22の材料としては、Si、SiO、SiをCVD(Chemical Vapor Deposition)法により作製したものが挙げられる。さらに、前述の図1に示すような下部電極23及び電気機械変換膜24の線膨張係数に近い線膨張係数を有する材料を選択してもよい。特に、電気機械変換膜24の材料としては、一般的にPZTが使用されることから、PZTの線膨張係数8×10−6[1/K]に近い5×10−6〜10×10−6[1/K]の線膨張係数を有する材料で振動板22を形成してもよい。さらには、7×10−6〜9×10−6[1/K]の線膨張係数を有する材料で振動板22を形成してもよい。
振動板22の具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びそれらの化合物等であり、これらをスパッタ法もしくは、Sol−gel法を用いてスピンコーターにて作製することができる。膜厚は、1[μm]以上、3[μm]以下であるのが好ましく、1.5[μm]以上、2.5[μm]以下であるのがさらに好ましい。この範囲より小さいと、加圧液室80の加工が難しくなり、この範囲より大きいと下地が変形変位しにくくなって、吐出が不安定になりやすい。
また、振動板22の膜厚がノズル81ごとにバラついていると、振動板22の変位量がノズル81ごとにバラつき、各ノズル81から吐出される液体の吐出量にバラつきが生じる。特に、ノズル列内における振動板22の膜厚がノズル81間でバラついて、ノズル列内における各ノズルの吐出量バラつきがあると、インクジェット記録装置の画質に及ぼす影響が大きいなど、悪影響が大きい。そのため、振動板22の膜厚は、ノズル列内における平均をdsAVEとし、ノズル列内における最大差をΔdsとしたとき、Δds/dsAVEが5%以下であることが好ましい。
なお、ノズル列内における振動板22の膜厚は、その製造工程によって、ノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラつくことがある。例えば、1枚のSiウエハから複数の圧電アクチュエータチップ(電気機械変換電子部品)を作製する場合、ウエハ外周部に近い領域に作製される圧電アクチュエータチップについては、その振動板22の膜厚がノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラつきやすい。このようなバラつきをもつ場合、振動板22の膜厚は、ノズル配列方向における振動板22の膜厚の変化率(傾き)をΔds’としたときのΔds’/dsAVEが±5%以内であることが好ましい。
下部電極23及び上部電極25については、特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。例えば、下部電極23及び上部電極25は、金属膜や酸化物電極膜により構成することができ、特に金属膜と酸化物電極膜の積層体で構成してもよい。また、前述の図2に示したように、下部電極23及び上部電極25はそれぞれ、電気的な抵抗が十分小さい金属層231、252を有してもよい。金属層231、252の金属材料としては、高い耐熱性と低い反応性を有する白金が用いることができる。但し、鉛に対しては十分なバリア性を持つとはいえない場合もあるため、イリジウムや白金−ロジウムなどの白金族元素や、これら合金膜を金属層231、252に使用してもよい。また、白金を使用する場合には下地(特にSiO)との密着性が悪いために、中間層としてTi、TiO、Ta、Ta、Ta等を先に積層することが好ましい。作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着法等を用いることができる。膜厚は、0.05〜1[μm]の範囲に設定してもよいし、0.1〜0.5[μm]の範囲に設定してもよい。
また、前述の図2に示したように、下部電極23及び上部電極25は、電気機械変換膜24との界面に導電性を有した酸化物電極膜232、251を有してもよい。酸化物電極膜232、251の材料としては、例えばSrRuOやLaNiOを用いることができる。酸化物電極膜232、251の成膜方法についても特に限定されるものではないが、例えばスパッタ法により成膜することができる。
下部電極23を構成する酸化物電極膜232は、その上に作製する電気機械変換膜24(PZT膜)の配向制御にも影響してくるため、配向優先させたい方位によっても選択される材料は異なってくる。本実施形態においては、PZT膜を(100)面に優先配向させたいため、酸化物電極膜232としては、LaNiO、TiO又はPbTiOからなるシード層を金属層231上に作製し、その後PZT膜を形成してもよい。
上部電極25を構成する酸化物電極膜251としてはSROを用いることできる。酸化物電極膜251の膜厚は20[nm]〜80[nm]の範囲が好ましく、30[nm]〜50[nm]の範囲がより好ましい。この膜厚範囲よりも薄いと初期の変形量(表面変位量)や経時おける変形量(表面変位量)劣化特性については十分な特性が得られない。また、この膜厚範囲を超えると、その後に成膜したPZT膜の絶縁耐圧が非常に悪く、リークしやすくなるおそれがある。
電気機械変換膜24(圧電体膜)の材料としては、Pbを含んだ酸化物(例えば、PZT)で形成することができる。以下、PZTで形成したときの電気機械変換膜を適宜「PZT膜」と記載する。PZTとは、ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が異なる。一般的に優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)O、一般的にはPZT(53/47)とも示される。
電気機械変換膜24の材料としては、前記PZT以外の複合酸化物としてチタン酸バリウムなども挙げられる。この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。
本実施形態では、電気機械変換膜24としてPZTを使用し、PZTの(100)面を優先配向とする場合について例示している。この場合、Zr/Tiの組成比率:Ti/(Zr+Ti)は、0.45(45%)以上、0.55(55%)以下の範囲に設定してもよいし、更には0.48(48%)以上、0.52(52%)以下の範囲に設定してもよい。
電気機械変換膜24の作製方法としては特に限定されるものではないが、例えばスパッタ法により、又は、ゾルゲル(Sol−gel)法を用いてスピンコーターにより作製することができる。いずれの場合でも、パターニング化が必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。
電気機械変換膜24(PZT膜)をゾルゲル(Sol−gel)法により作製する場合は、例えば次の手順で作製する。まず、酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールにこれらの出発材料を溶解させ均一溶液を得ることで、PZT前駆体溶液が作製できる。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加してもよい。
下部電極等が形成された下地基板全面にPZT膜を得る場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100[nm]以下の膜厚が得られるように前駆体溶液の濃度を調整することが好ましい。
また、インクジェット工法により作製していく場合については、酸化物電極膜232と同様の作製フローにてパターニングされた膜を得ることができる。表面改質材については、下地の金属層231の材料によっても異なるが、酸化物を下地とする場合は、主にシラン化合物を選定し、金属を下地とする場合は主にアルカンチオールを選定することができる。
電気機械変換膜24の膜厚としては特に限定されるものではなく、要求される変形量(表面変位量)等により任意に選択することができる。例えば、その膜厚は0.5〜5[μm]の範囲でもよいし、さらには1[μm]〜2[μm]の範囲でもよい。このような範囲の膜厚とすることにより十分な変形量(表面変位量)を発生させることができる。また、前記範囲の膜厚であれば、積層して形成する工程数も必要以上に多くはならないため、生産性良く製造することができる。
第1の絶縁保護膜31、第2の絶縁保護膜38及び接続部材35,37は、例えば次のように作製することができる。
第1の絶縁保護膜31は、成膜及びエッチングの工程による電気機械変換素子200へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過しづらい材料を用いてもよい。このため、例えば緻密な無機材料(無機化合物)を用いてもよい。また、第1の絶縁保護膜31は、薄膜で高い保護性能を得るには、酸化物、窒化物、炭化膜を用いてもよい。また、第1の絶縁保護膜31と接触する下地の材料(上部電極25及び下部電極23及び電気機械変換膜24の材料や基板21上面の材料)と密着性が高い材料であってもよい。このような材料としては、例えば、Al、ZrO、Y、Ta、TiOなどのセラミクス材料に用いられる酸化膜が挙げられる。
第1の絶縁保護膜31の成膜方法は、特に限定されるものではないが、電気機械変換素子200を損傷しない成膜方法を選択してもよい。例えば、蒸着法又はALD法を用いることができ、中でも適用できる材料の選択肢が多いALD法により成膜してもよい。特にALD法によれば、膜密度の非常に高い薄膜を作製することができ、プロセス中での電気機械変換素子へのダメージを抑制することができる。
第1の絶縁保護膜31の膜厚は、特に限定されるものではないが、電気機械変換素子の保護性能を確保できる十分な厚さであり、かつ、電気機械変換素子の変位を阻害しないように可能な限り薄くしてもよい。例えば、第1の絶縁保護膜31の膜厚は20[nm]以上、100[nm]以下の範囲であってもよい。100[nm]より厚い場合は、電気機械変換素子200の変位を阻害する場合がある。一方、20[nm]より薄い場合は電気機械変換素子200の保護層としての機能が十分ではなく、電気機械変換素子200の性能が低下する場合がある。
また、第1の絶縁保護膜31を複数層からなる構成としてもよい。例えば2層から構成する場合、2層目の絶縁保護膜を厚くするため、電気機械変換素子の振動変位を著しく阻害しないように上部電極付近において2層目の絶縁保護膜に開口部を形成する構成も挙げられる。この場合、2層目の絶縁保護膜としては、任意の酸化物、窒化物、炭化物またはこれらの複合化合物を用いることができる。例えば半導体デバイスで一般的に用いられるSiOを用いてもよい。成膜は任意の手法を用いることができ、CVD法、スパッタリング法等により成膜することができる。特に電極形成部等のパターン形成部の段差被覆を考慮すると等方的に成膜できるCVD法を用いてもよい。2層目の絶縁保護膜の膜厚についても特に限定されるものではなく、各電極に印加される電圧を考慮し、絶縁破壊されない膜厚を選択することができる。例えば、絶縁保護膜に印加される電界強度を、絶縁破壊しない範囲に設定する。さらに、絶縁保護膜の下地の表面性やピンホール等を考慮すると膜厚は200[nm]以上にしてもよく、更には500[nm]以上にしてもよい。
接続部材35,37の材料は特に限定されるものではなく、各種導電性材料を用いることができる。例えば、接続部材35,37は、Cu、Al、Au、Pt、Ir、Ag合金、Al合金から選択されるいずれかの金属電極材料で構成することができる。また、接続部材35,37の作製方法についても特に限定されるものではなく、任意の方法により形成することができる。例えば、接続部材35,37は、スパッタ法又はスピンコート法を用いて作製し、その後、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得ることができる。また、接続部材35,37の膜厚についても特に限定されるものではなく、例えば0.1[μm]以上、20[μm]以下の範囲でもよく、さらには、0.2[μm]以上、10[μm]以下の範囲でもよい。この範囲よりも膜厚が薄いと、抵抗が大きくなり電極に十分な電流を流すことができない場合がある。また、前記範囲よりも膜厚が厚いと製造プロセスに時間を要するため生産性が低下する場合がある。
また、第1の絶縁保護膜31を設ける場合、接続部材35,37はそれぞれ、第1の絶縁保護膜31にコンタクトホール部を設け、このコンタクトホール部において共通電極及び個別電極と接続することができる。コンタクトホール部のサイズは特に限定されるものではないが、例えば10[μm]×10[μm]の大きさとすることができる。また、コンタクトホール部における接触抵抗として、共通電極については10[Ω]以下、個別電極については1[Ω]以下となるように構成してもよい。このような範囲とすることにより、各電極に十分な電流を安定して供給できる。特に、共通電極については5[Ω]以下、個別電極については0.5[Ω]以下としてもよい。この範囲より大きいと、電気機械変換素子200を後述する液体吐出ヘッド(図11参照)に用いたときに、十分な電流を供給することができなくなり、液体を吐出する際に不具合が発生する場合がある。
第2の絶縁保護膜38は、接続部材35,37を保護する機能を有するパシベーション層である。第2の絶縁保護膜38は、個別電極パッド34及び共通電極パッド36の部分を除き、接続部材35,37上を被覆する。これにより、これらの接続部材35,37に安価なAlもしくはAlを主成分とする合金材料を用いた場合でも、電気機械変換素子200の信頼性を高めることができる。また、これらの接続部材35,37に安価な材料を用いることができるため、電気機械変換素子200のコストを低減することができる。
第2の絶縁保護膜38の材料は、特に限定されるものではなく、任意の無機材料、有機材料を使用することができ、例えば透湿性の低い材料を使用してもよい。無機材料としては、例えば、酸化物、窒化物、炭化物等を用いることができる。また、有機材料としては、例えば、ポリイミド、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができる。但し、有機材料の場合、絶縁保護膜として機能させるためには、その膜厚が厚くなり、パターニングを行うことが困難な場合がある。このため、薄膜で配線保護機能を発揮できる無機材料を用いてもよい。特に、接続部材35,37としてAl配線を用いた場合には、第2の絶縁保護膜としては半導体デバイスで実績のあるSiを用いてもよい。
第2の絶縁保護膜38の膜厚は200[nm]以上としてもよく、さらには500[nm]以上としてもよい。この範囲よりも膜厚が薄い場合は、十分なパシベーション機能を発揮できないため、接続部材の腐食による断線が発生する等して信頼性を低下させてしまう場合がある。
また、第2の絶縁保護膜38は、電気機械変換素子200上に開口部をもつ構造であってもよい。また、後述する液体吐出ヘッドに適用する場合、第2の絶縁保護膜38はさらに振動板の部分にも開口部を有する構造としてもよい。これにより、より高効率かつ高信頼性の電気機械変換素子とすることができる。
また、第2の絶縁保護膜38は、共通電極パッド36及び個別電極パッド34を露出するための開口部を形成してもよい。この開口部の形成には、フォトリソグラフィー法とドライエッチングを用いることができる。
また、共通電極パッド36及び個別電極パッド34の面積については特に限定されるものではない。但し、共通電極パッド36及び個別電極パッド34と第2の絶縁保護膜38とを形成した後に分極処理を行う場合、各パッド部(36、34)から電荷が供給されるため、分極処理が十分に行えるように面積を設定してもよい。例えば、各パッド部の大きさは50×50[μm]以上に設定してもよく、さらには100×300[μm]以上に設定してもよい。共通電極パッド36及び個別電極パッド34の面積が、前記範囲よりも小さいと、十分な分極処理を行うことができず、連続駆動後の経時における変形量(表面変位量)の劣化が大きくなる場合がある。
次に、本実施形態におけるPZTからなる電気機械変換膜24(PZT膜)の結晶配向性と電気機械変換素子200としての特性との関係について説明する。
本実施形態において、Sol−gel法により作製したPZT前駆体溶液を用いてスピンコートにより2[μm]の電気機械変換膜24を成膜した後、その電気機械変換膜24をX線回折装置により評価した。その結果、電気機械変換膜24は、(100)面に非常に優先配向した膜が得られていることが確認された。ここで、電気機械変換膜24は、下記の式(1)を用いて得られる(100)面及び/又は(001)面の配向度ρ100,ρ001が、85%以上であり、かつ、(110)面の配向度ρ110が5%以下であることが好ましい。より好ましくは、(100)面及び/又は(001)面の配向度ρ100,ρ001が、95%以上であり、更に99%以上であるのが更に好ましい。なお、配向度が85%未満であると、連続駆動後の変位劣化については十分な特性が得られない。
ρ = I(hkl) / ΣI(hkl) ・・・(1)
前記式(1)は、X線回折により得られた(100)面、(010)面、(001)面、(011)面、(101)面、(110)面、(111)面の各配向のピーク強度の総和を1としたときのそれぞれの配向の比率を算出するもので、各配向についての平均配向度を示す。なお、前記式(1)の右辺分母は各配向のピーク強度の総和であり、前記式(1)の右辺分子は、算出する配向のピーク強度である。
なお、ここで(100)面及び/又は(001)面と記載しているのは、(100)面と(001)面のX線回折(XRD:X‐ray diffraction)のピーク強度の2θ値が近接しているため、重なったピークとして観察され、これらを区別して把握することが困難だからである。また、特性上も、PZT自体が擬似的に正方晶であると考えられるため、(100)面及び/又は(001)面を区別して把握する必要がない。
X線回折としてよく用いられる測定法として、θ−2θ法がある。θ−2θ法では、測定する試料基板面に対してθの角度でX線を入射させ、試料から反射してくるX線のうち、X線入射方向に対して2θの角度のX線を検出し、θを変化させたときの回折強度の変化を調べる。X線による回折では、ブラッグの条件(2dsinθ=nλ(λ:X線の波長、d:結晶面間隔、n:整数))を満足するときに回折強度が高くなるが、そのときの結晶面間隔(格子定数)と前記の2θとの間には相関がある。したがって、回折強度が高くなる2θの値に基づいて、X線が入射したサンプルの結晶構造を把握することができる。
図7は、本実施形態における電気機械変換膜24について、X線回折のθ−2θ法による測定で得られる2θ値の測定結果の一例を示すグラフである。
θ−2θ法は、測定する膜の基板面上のある点での膜厚方向において、結晶面の間隔がどのように分布しているかを判断するために用いられる。そのため、基板面上のある点から基板面の面方向へ微小に移動した点では、膜厚方向において結晶面の間隔がどのように分布しているか判断することはできない。
これを判断する方法としては、ロッキングカーブ法が知られている。ロッキングカーブ法は、X線の入射角度と検出器の角度(2θ)をθ−2θ法による測定で回折強度が最大となる位置に固定し、試料基板面と入射X線との角度(ω)のみをθ付近で微小に変化させて回折強度を測定するものである。また、X線の入射角度と検出器の角度(2θ)をθ−2θ法による測定で回折強度が最大となる位置に固定し、試料基板面のあおり角(χ)のみを微小に変化させて回折強度を測定する方法でもよい。
図8は、電気機械変換膜24について、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる位置(2θ)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブを示すグラフである。
図7に示したとおり、本実施形態における電気機械変換膜24の(200)面についてのピーク位置が2θ値で46.229[°]である。図8に示すロッキングカーブは、このピーク位置(46.229[°])において試料基板面と入射X線との角度(ω)のみを微小に変化させて回折強度を測定して得られたものである。以下、単に「ロッキングカーブ」というときは、このようにして得られるロッキングカーブを意味するものとする。
図8に示すように、本実施形態における電気機械変換膜24は、ロッキングカーブ中に回折強度の落ち込み部分Aが1つ存在し、その両側に位置するように2つのピーク部分B1,B2が存在している。また、このロッキングカーブの半値幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)C、すなわち、ロッキングカーブ中の最大ピーク強度の半値に対応する地点間の幅は11.3[°]である。
ここで、下部電極23の上に形成される電気機械変換膜24は、下部電極23上の結晶核となるシード層から結晶を成長させて形成される。従来は、圧電効果による変位量を大きくするには、結晶の成長方向が揃っている方が良いと考えられていた。結晶の成長方向が揃っているほど、ロッキングカーブの形状は、その成長方向に対応する1つのピークを中心に半値幅の狭いシャープな形状となる。したがって、従来は、ロッキングカーブに1つのピークをもち、そのロッキングカーブの半値幅が狭いPZT膜を作製していた。しかしながら、従来の考え方に従って得られる変位量には限界があり、より大きな変位量が得られる電気機械変換素子が望まれている。
本発明者は、鋭意研究の結果、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる位置(2θ)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に回折強度の落ち込み部分Aが存在する電気機械変換膜24であれば、ロッキングカーブ中に1つのピークをもつ従来のPZT膜よりも大きな変位を生じさせ得ることを見出した。ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するということは、その落ち込み部分を挟んで2つのピーク部分B1,B2が少なくとも存在する。これは、電気機械変換膜24における結晶の成長方向の揃い方が、1つの方向に揃っているわけではなく、当該2つのピーク部分にそれぞれ対応した各成長方向に分かれて揃っていると解することができる。このように、PZT膜内の結晶が成長方向の異なる2種類又はそれ以上の種類の結晶部分に分かれていることで、結晶の成長方向に対して直交する方向において、成長方向の異なる結晶部分間で干渉が生じる。そして、その干渉部分に生じる応力が電気機械変換膜24の変形に有利に作用し、振動板22の変位量を増大させることにつながっているものと考えられる。従来のPZT膜は、結晶の成長方向が1つの方向に揃っているため、このような干渉部分が少なく、干渉部分に生じる応力を利用することなく変位するものである。そのため、本態様によれば、従来のPZT膜では実現できなかった大きさの変位量を実現することが可能となる。
図9は、図8に示したロッキングカーブを3つのロッキングカーブ成分にピーク分離した説明図である。
図8に示すロッキングカーブは、ピーク分離によって、図9に示す3つのロッキングカーブ成分I1,I2,I3に分離することができる。なお、図9において、各ロッキングカーブ成分I1,I2,I3の回折強度は、図8に示すロッキングカーブの最大強度を基準にして規格化してある。3つのロッキングカーブ成分I1,I2,I3のうち、第2ロッキングカーブ成分I2は、基板21の面に対して垂直に結晶方位がある結晶部分に対応するものである。一方、第1ロッキングカーブ成分I1及び第3ロッキングカーブ成分I3は、基板21の面に対して傾斜した方向に結晶方位がある結晶部分に対応するものである。
図10は、電気機械変換膜24の結晶構造を模式的に示す説明図である。
本実施形態の電気機械変換膜24は、第2ロッキングカーブ成分I2と第1ロッキングカーブ成分I1又は第3ロッキングカーブ成分I3に対応する結晶部分との境界に双晶面をもつ。図9に示すピーク分離した3つのロッキングカーブ成分からわかるとおり、本実施形態の電気機械変換膜24は、基板21の面に対して傾斜した方向に結晶方位がある結晶部分(第1ロッキングカーブ成分I1及び第3ロッキングカーブ成分I3に対応する結晶部分)の占める割合が、ロッキングカーブ中に1つのピークをもつ従来のPZT膜よりも多く、双晶面も多く存在しているものと解される。この双晶面に生じる応力が電気機械変換膜24の変形に有利に作用し、振動板22の変位量を増大させることにつながっているものと考えられる。
なお、第1ロッキングカーブ成分I1及び第3ロッキングカーブ成分I3に対応する結晶部分の占める割合が、第2ロッキングカーブ成分I2に対応する結晶部分に比べて大きいほど、第1ロッキングカーブ成分I1及び第3ロッキングカーブ成分I3に対応する結晶部分の結晶方位が基板21の面に対して傾斜しているほど、電気機械変換膜24の内部応力は緩和される傾向にあり、より大きな変位を得やすい。
次に、ロッキングカーブの形状(落ち込み部分の有無)と電気機械変換膜24の製造方法との関係について説明する。
下部電極23の作製時における白金の成膜温度(基板温度)を調整して、ロッキングカーブの半値幅が異なる電気機械変換素子を作製した。下部電極23の作製時における白金の成膜温度(基板温度)が300[℃]である場合、ロッキングカーブの半値幅は、7.7[°]以上、9.4[°]以下の範囲内でばらついたが、いずれも1つのピーク部分が存在するシャープなロッキングカーブ形状をとり、ロッキングカーブ中に落ち込み部分が無い。このときの変位量は0.2[μm]以下であった。
下部電極23の作製時における白金の成膜温度(基板温度)が300[℃]〜400[℃]未満である場合、ロッキングカーブの半値幅は、9.6[°]以上、9.8[°]以下の範囲内でばらついたが、多くは、1つのピーク部分が存在するシャープなロッキングカーブ形状をとるものであった。ただし、ロッキングカーブ形状にはばらつきがあり、安定した再現性は得られなかった。
下部電極23の作製時における白金の成膜温度(基板温度)が400[℃]以上である場合、ロッキングカーブの半値幅は、10[°]以上の範囲内でばらついた。ロッキングカーブの半値幅が10[°]以上、11.2[°]以下の範囲内である場合、多くは2つのピーク部分が存在するロッキングカーブ形状をとり、ロッキングカーブ中に落ち込み部分が存在するものであったものの、2つのピーク部分を略直線状に結んだような台形形状のロッキングカーブも一部確認され、再現性に関しては多少不十分である。しかしながら、ロッキングカーブの半値幅が11.3[°]以上、12.4[°]以下の範囲内である場合には、いずれも2つのピーク部分が存在するロッキングカーブ形状をとり、ロッキングカーブ中に落ち込み部分が存在するものであり、高い再現性が確認された。
他方、ロッキングカーブの半値幅が15[°]である場合、ブロードなロッキングカーブ形状をとり、その配向性の悪さから、変位量は小さいものとなった。
なお、落ち込み部分Aの位置(角度ω)は、本実施形態ではロッキングカーブの中央付近に存在しているが、いずれか一方へずれている場合であっても、同様の効果が確認されている。また、2つのピーク部分B1,B2の位置(角度ω)は、本実施形態ではロッキングカーブの中央(46.229[°])を境に略対称位置に存在しているが、いずれか一方へ偏って位置する場合も、同様の効果が確認されている。また、2つのピーク部分B1,B2の位置(角度ω)は、本実施形態ではほぼ同じピーク強度をもつが、異なるピーク強度をもつ場合でも、同様の効果が確認されている。
次に、本実施形態に係る電気機械変換電子部品としての圧電アクチュエータチップを備えた液体吐出ヘッドについて説明する。
図11は、ノズル配列方向に沿って切断したときの液体吐出ヘッドの一部を示す断面図である。
図11に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズル81と、ノズルが連通する加圧液室80と、加圧液室80内の液体を昇圧させる圧力発生手段と、を備えている。この圧力発生手段は、加圧液室80の壁の一部を構成する振動板22と、振動板22に配置された電気機械変換素子200を複数個備える電気機械変換電子部品としての圧電アクチュエータチップとから構成される。
本実施形態の液体吐出ヘッドは、基板21の部分に加圧液室80が形成され、加圧液室80の下端部分には、液体を吐出するノズル81が設けられたノズル板82が配置される。そして、電気機械変換素子200に駆動信号が印加され、電気機械変換膜24が変位すると、振動板22が変形(表面変位)して加圧液室80の液体をノズル81から吐出するように構成されている。また、液体吐出ヘッドには、加圧液室80にインクなどの液体を供給する液体供給手段、液体が流れる流路が備えてもよい。流路を備える場合は、液体の流体抵抗を考慮してもよい。
本実施形態における加圧液室80の幅(ノズル配列方向の長さ)は、50[μm]以上、70[μm]以下の範囲内であるのが好ましく、さらに好ましくは55[μm]以上、65[μm]以下の範囲である。この範囲よりも大きいと、残留振動が大きくなりすぎて高周波での吐出性能を確保することが困難となる。また、この範囲よりも小さいと、振動板22が変位しにくくなり、必要な変位量を確保するために大きな駆動電圧が必要になる。また、加圧液室80の幅がノズル81ごとにバラついていると、振動板22の変位量がノズル81ごとにバラつき、各ノズル81から吐出される液体の吐出量にバラつきが生じる。特に、ノズル列内における加圧液室80の幅がバラついてノズル列内における各ノズルの吐出量バラつきがあると、インクジェット記録装置の画質に及ぼす影響が大きいなど、悪影響が大きい。そのため、各加圧液室80の幅は、ノズル列内における平均をLAVEとし、ノズル列内における最大差をΔLとしたとき、ΔL/LAVEが2.5%以下であることが好ましい。
なお、ノズル列内における加圧液室80の幅は、その製造工程によって、ノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラつくことがある。例えば、1枚のSiウエハから複数の圧電アクチュエータチップ(電気機械変換電子部品)を作製する場合、ウエハ外周部に近い領域に作製される圧電アクチュエータチップについては、その加圧液室80の幅がノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラつきやすい。このようなバラつきをもつ場合、各加圧液室80の幅は、ノズル配列方向における加圧液室80の幅の変化率(傾き)をΔL’としたときのΔL’/LAVEが±2.5%以内であることが好ましい。
各加圧液室80の幅を、ΔL/LAVEが2.5%以下あるいはΔL’/LAVEが±2.5%以内となるようにする方法としては、例えば、加圧液室80をエッチングにより形成するときのレジストマスクの設計段階で対応して、加圧液室80の幅を調整する。
次に、本実施形態に係る電気機械変換素子200のより具体的な実施例について比較例とともに説明する。但し、電気機械変換素子200の実施例は以下に例示したものに限定されるものではない。
〔実施例1〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの一実施例(以下、本実施例を「実施例1」という。)について説明する。
本実施例1においては、まず、(100)の面方位を持つシリコン単結晶基板(6インチシリコンウエハ)上に、振動板構成膜として、SiO(膜厚600[nm])、Si(膜厚200[nm])、SiO(膜厚100[nm])、SiN(膜厚150[nm])、SiO(膜厚130[nm])、SiN(膜厚150[nm])、SiO(膜厚100[nm])、Si(膜厚200[nm])、SiO(膜厚600[nm])の順に成膜し、振動板22を作製する。このとき、各層の単層での剛性と膜厚から、振動板22の全体厚みでの等価ヤング率を計算し、さらに単層で最も高い剛性が得られるSiN膜の膜厚分布と振動板22の全体厚みとしての膜厚分布について測定を行った。
その後、チタン膜(膜厚20[nm])を成膜温度350[℃]でスパッタ装置にて成膜した後、RTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いて750[℃]にて熱酸化して下部電極23の密着膜を形成し、引き続き白金膜(膜厚160[nm])を成膜温度300[℃]でスパッタ装置にて成膜し、下部電極23を形成した。
次に、電気機械変換膜24の下地層となるPbTiO層となるPb:Ti=1:1に調整した溶液と、電気機械変換膜24となるPb:Zr:Ti=115:49:51に調整された溶液(PZT前駆体溶液)とを準備し、スピンコート法によりそれぞれの膜を成膜する。PZT前駆体溶液の合成については、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用いた。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。化学両論組成に対して鉛量を過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、前記酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。PZT濃度は0.5[モル/L]である。下地層となるPbTiO層の溶液についても、PZT前駆体溶液と同様に作製する。
これらの液を用いて、最初に、PbTiO層をスピンコートにより成膜(膜厚7[nm])し、成膜後に120[℃]で乾燥を実施する。その後、PZT前駆体溶液をスピンコートにより成膜し、120[℃]で乾燥した後、380[℃]で熱分解処理を行った。乾燥、熱分解ともに、ホットプレートを用いて処理を実施した。このとき、ホットプレートの温度バラつきをモニターし、熱分解処理中のウエハ中心部と外周部との温度差を管理して、例えば±3[℃]以内に収まるようにホットプレートの制御を行った。
また、3層目の熱分解処理を終えた後、結晶化熱処理(温度730[℃])をRTA装置にて行った。このときも、ホットプレート同様、RTA装置の温度バラつきをモニターし、結晶化熱処理中のウエハ中心部と外周部との温度差を、例えば±3[℃]以内に収まるようにRTA装置の制御を行った。このようにして成膜されたPZTの膜厚は240[nm]であった。この工程を計8回(24層)繰り返し実施して、約2[μm]の膜厚をもった電気機械変換膜24を形成した。
次に、上部電極25として、SrRuO膜(膜厚40[nm])の酸化物膜と、Pt膜(膜厚125[nm])の金属膜をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィーでレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ社製)を用いて、図3に示すような電極パターンを作製した。
次に、第1の絶縁保護膜31として、ALD(原子層堆積)工法を用いてAl膜を膜厚が50[nm]になるように成膜した。このときの原材料として、AlについてはTMA(トリメチルアルミニウム:シグマアルドリッチ社製)を、Oについてはオゾンジェネレーターによって発生させたOを交互に供給、積層させることで成膜を進めた。
次に、図3に示すように、エッチングによりコンタクトホール32を形成した。そして、上部電極−個別電極パッド間の接続部材35、下部電極−共通電極パッド間の接続部材37、個別電極パッド34及び共通電極パッド36として、Alをスパッタ成膜し、エッチングによりパターニング形成した。
次に、第2の絶縁保護膜38として、SiをプラズマCVD法により膜厚が500[nm]になるように成膜し、その後、個別電極パッド34及び共通電極パッド36の位置に開口部を形成した。その後、図4に示す分極処理装置40を用いて、コロナ帯電処理により分極処理を行った。コロナ帯電処理に用いるコロナ電極としては、φ50[μm]のタングステンのワイヤーを用いている。分極処理条件としては、処理温度80[℃]、コロナ電圧9[kV]、グリッド電圧2.5[kV]、処理時間30[s]、コロナ電極−グリッド電極間距離4[mm]、グリッド電極−ステージ間距離4[mm]にて行った。その後、図11に示すように、ウエハ裏面のSiをエッチングし、幅(ノズル列方向長さ)が60[nm]である加圧液室80を作製し、液体を吐出するノズル81が設けられたノズル板82を接合した。
図12は、複数の圧電アクチュエータチップが形成されたSiウエハを模式的に示す平面図である。
図13は、そのうちの1つの圧電アクチュエータチップを模式的に示す平面図である。
本実施例1における製造工程を経ることで、ノズル列に沿って複数の電気機械変換素子200が配列された図13に示す圧電アクチュエータチップ202が、図12に示すようにSiウエハ201上に複数個同時に形成される。なお、図12には、一部の圧電アクチュエータチップ202しか図示されていないが、圧電アクチュエータチップ202はSiウエハ201の全体に形成される。
ここで、本実施形態のようにSiウエハ201上に複数の圧電アクチュエータチップ202を作製する場合、その作製段階で種々形成される各種膜の膜厚や膜質等が特にウエハ中心部から外周部にかけてバラつく。このようなバラつきは、各圧電アクチュエータチップ202内において、電気機械変換素子200間で振動板22の変位量バラつきをもたらし、各ノズル81からのインク吐出量やインク吐出時の吐出速度といった吐出性能がノズル81間でばらついてしまうという問題を引き起こす。
特に、本実施形態のように、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24を作製する場合には、その電気機械変換膜24の膜厚や膜質等のバラつきが、電気機械変換素子200の変位量バラつきに影響しやすく、電気機械変換素子200間での振動板22の変位量バラつきを生じやすい。
図14は、図12に示される4つの圧電アクチュエータチップ202A〜202Dにおける各電気機械変換素子200による振動板22の変位量の一例を示す説明図である。
図14に示す例において、ウエハ201の中心部に近い箇所に形成される圧電アクチュエータチップ202B,202Cについては、各電気機械変換素子200の変位量バラつきが小さい。一方、ウエハ201の外周部に近い箇所に形成される圧電アクチュエータチップ202A,202D(ウエハ201のオリエンテーションフラットOFに近い圧電アクチュエータチップ202Dと、ウエハ201のOFの反対側の外周部(反OF)に近い圧電アクチュエータチップ202A)については、各電気機械変換素子200の変位量バラつきが大きいことがわかる。特に、本実施形態においては、ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dでは、ウエハ201の外周部へ向かうほど変位量が徐々に小さくなっている。
図14に示す例において、ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dにおけるノズル配列方向は、ウエハ201の中心部から外周部へ向かっている。そのため、これらの圧電アクチュエータチップ202A,202Dは、ノズル配列方向に沿って、各電気機械変換素子200の変位量が線形的に小さくなる又は大きくなるようにバラつくものとなる。よって、このような圧電アクチュエータチップ202A,202Dが液体吐出ヘッドに搭載されると、インク吐出量やインク吐出時の吐出速度といった吐出性能がノズル列内でバラつき、画質低下を招く。
その結果、ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dの良品率が悪化し、コストアップを招く。
また、圧電アクチュエータチップ202A,202Dに印加する駆動信号を電気機械変換素子200ごとに調整することで、電気機械変換素子200間の変位量バラつきを低減することは可能である。しかしながら、この場合、圧電アクチュエータチップ202A,202Dを搭載した液体吐出ヘッドを備えるインクジェット記録装置において複数波形の駆動信号を準備する必要があり、インクジェット記録装置全体のコストアップ要因となる。
そこで、本実施例1においては、ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dであっても、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきが8%以内に収まるようにしている。具体的には、150[kV/cm]の電界強度を印加したときの変位量δのノズル列ごとの平均値をδAVEとし、ノズル列内における変位量δの最大差をΔδとしたとき、Δδ/δAVEが8%以下となるようにしている。
電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきは、Siウエハ201上に形成される各種膜の膜厚や膜質等のバラつきが影響するが、本実施形態のように、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24を利用した圧電アクチュエータチップ202においては、ノズル列内における電気機械変換素子200間における電気機械変換膜24の結晶構造のバラつきによる影響が大きく、これを改善することが重要となる。
図15は、ウエハ201の中心部に近い圧電アクチュエータチップ202B,202Cとウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dについて、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた(200)面に対応する回折ピーク強度Pと変位量δとの関係を示すグラフである。
なお、図15に示すグラフは、各圧電アクチュエータチップ202A〜202Dについて、ノズル列の中央部と両端部に位置する3つのノズル81に対応する回折ピーク強度Pをプロットしたものである。
本発明者は、図15に示すように、(200)面に対応する回折ピーク強度Pと変位量δとの間には高い相関関係があり、この回折ピーク強度Pのバラつきを抑制すれば、変位量δのバラつきも抑制できる関係にあることを見出した。そして、各電気機械変換素子200の電気機械変換膜24における回折ピーク強度Pのノズル列内での平均値をPAVEとし、ノズル列内における回折ピーク強度Pの最大差をΔPとしたとき、ΔP/PAVEが20%以下であれば、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24を利用した圧電アクチュエータチップ202において、ウエハ201の外周部に近い箇所でも、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきを8%以内に収めることが実現できる。
なお、本実施例1においては、図14や図15に示すように、ノズル列内における振動板22の変位量δがノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラついたものとなっている。このようなバラつきをもつ場合、図15に示すように、ノズル列内における回折ピーク強度Pも、ノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラついたものとなる。このような場合、ノズル配列方向における回折ピーク強度Pの変化率(傾き)をΔP’としたときのΔP’/PAVEが±20%以内であることが好ましい。
ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dにおける回折ピーク強度Pのノズル列内でのバラつきについて、ΔP/PAVEが20%以下あるいはΔP’/PAVEが±20%以内となるようにする方法としては、例えば、下部電極23と電気機械変換膜24との間にチタン酸鉛(PT)等の配向制御層あるいはシード層を設け、その配向制御層あるいはシード層の表面粗さあるいは粒径を制御することが有効である。また、電気機械変換膜24の成膜時における乾燥、仮焼、焼成といったプロセスでの温度や雰囲気についてウエハ面方向のバラつきを抑制するように管理、制御することも有効である。本実施例1では、上述したとおり、PZT前駆体溶液のスピンコート後の熱分解処理時において、ホットプレートの温度バラつきをモニターし、熱分解処理中のウエハ中心部と外周部との温度差が±3[℃]以内に収まるようにホットプレートの制御を行っている。また、結晶化熱処理中もRTA装置の温度バラつきをモニターし、結晶化熱処理中のウエハ中心部と外周部との温度差が±3[℃]以内に収まるようにRTA装置の制御を行っている。
図16は、本実施例1において、ウエハ201の中心部に近い圧電アクチュエータチップ202B,202Cとウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dについての回折ピーク強度Pと変位量δとの関係を示すグラフである。
本実施例1によれば、ウエハ201の中心部に近い圧電アクチュエータチップ202B,202Cだけでなく、ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dについても、ΔP/PAVEが20%以下あるいはΔP’/PAVEが±20%以内となっている。その結果、ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dについても、ウエハ201の中心部に近い圧電アクチュエータチップ202B,202Cと同様、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきを8%以内に収めることが実現されている。
〔実施例2〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの他の実施例(以下、本実施例を「実施例2」という。)について説明する。
本実施例2は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=115:45:55に調整された溶液を用いた点を除いて、前記実施例1と同様である。
〔実施例3〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例3」という。)について説明する。
本実施例3は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=115:55:45に調整された溶液を用いた点を除いて、前記実施例1と同様である。
〔実施例4〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例4」という。)について説明する。
本実施例4は、電気機械変換膜24を成膜する際に、ウエハ中心部と外周部との間のホットプレートの温度差(仮焼温度バラつき)が10[℃]である状態で熱分解処理を行い、かつ、ウエハ中心部と外周部との間のRTA装置の温度差(本焼温度バラつき)が10[℃]である状態で結晶化熱処理を行った点を除いて、前記実施例1と同様である。
〔実施例5〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例5」という。)について説明する。
本実施例5は、電気機械変換膜24を成膜する際に、ウエハ中心部と外周部との間のホットプレートの温度差(仮焼温度バラつき)が15[℃]である状態で熱分解処理を行い、かつ、ウエハ中心部と外周部との間のRTA装置の温度差(本焼温度バラつき)が15[℃]である状態で結晶化熱処理を行った点を除いて、前記実施例1と同様である。
〔比較例1〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの比較例(以下、本比較例を「比較例1」という。)について説明する。
本比較例1は、電気機械変換膜24の下地層(シード層)として、TiO層をスパッタ法で7[nm]成膜し、電気機械変換膜24を成膜する際に、ウエハ中心部と外周部との間のホットプレートの温度差(仮焼温度バラつき)が25[℃]である状態で熱分解処理を行い、かつ、ウエハ中心部と外周部との間のRTA装置の温度差(本焼温度バラつき)が25[℃]である状態で結晶化熱処理を行った点を除いて、前記実施例1と同様である。
〔比較例2〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの他の比較例(以下、本比較例を「比較例2」という。)について説明する。
本比較例2は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=115:57:43に調整された溶液を用いた点を除いて、前記実施例1と同様である。
〔比較例3〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの更に他の比較例(以下、本比較例を「比較例3」という。)について説明する。
本比較例3は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=115:41:59に調整された溶液を用い、電気機械変換膜24を成膜する際に、ウエハ中心部と外周部との間のホットプレートの温度差(仮焼温度バラつき)が25[℃]である状態で熱分解処理を行い、かつ、ウエハ中心部と外周部との間のRTA装置の温度差(本焼温度バラつき)が25[℃]である状態で結晶化熱処理を行った点を除いて、前記実施例1と同様である。
下記の表1は、上述した実施例1〜5と比較例1〜3における、各種条件及び各種測定結果をまとめた表である。
前記実施例1〜5並びに前記比較例1〜3におけるウエハ201の外周部に近い各圧電アクチュエータチップについて、回折ピーク強度P,P1,P2と変位量δとの関係を測定した。変位量δは、圧電アクチュエータチップを形成したSiウエハの裏面に加圧液室80を形成した後、ノズル板82を接合しない状態で電界印加(150[kV/cm])し、そのときの変形量をレーザードップラー振動計で計測した。d31は圧電定数であり、圧電定数d31は、測定結果を利用してシミュレーションにより算出した。
Figure 2017191928
前記表1において、ΔP1は、X線の入射角度と検出器の角度(2θ)をθ−2θ法による測定で回折強度が最大となる位置に固定し、試料基板面のあおり角(χ)のみを微小に変化させて回折強度を測定したときのχ=0[°]の回折ピーク強度P1についてのノズル列内における最大差である。また、P1AVEは、電気機械変換素子200の電気機械変換膜24におけるχ=0[°]の回折ピーク強度P1のノズル列内での平均値である。この場合、ΔP1/P1AVEが20%以下であれば、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24を利用した圧電アクチュエータチップ202において、ウエハ201の外周部に近い箇所でも、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきを8%以内に収めることが実現できる。
なお、ノズル列内における振動板22の変位量δがノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラついている場合、各ノズル列内におけるχ=0[°]の回折ピーク強度P1も、ノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラついたものとなる。このような場合、ノズル配列方向におけるχ=0[°]の回折ピーク強度P1の変化率(傾き)をΔP1’としたときのΔP1’/P1AVEが±20%以内であることが好ましい。
また、前記表1において、ΔP2は、照射面積補正をかけた後の補正後ロッキングカーブ中におけるω=θmax/2に対応する位置の回折ピーク強度P2についてのノズル列内における最大差である。また、P2AVEは、その回折ピーク強度P2についてのノズル列内での平均値である。ここで、補正後ロッキングカーブは、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブの回折強度にそれぞれの位置(ω)のsinωを乗じて得られるものである。
この場合、ΔP2/P2AVEが20%以下であれば、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24を利用した圧電アクチュエータチップ202において、ウエハ201の外周部に近い箇所でも、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきを8%以内に収めることが実現できる。なお、ノズル列内における振動板22の変位量δがノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラついている場合、各ノズル列内における回折ピーク強度P2も、ノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラついたものとなる。このような場合、ノズル配列方向における回折ピーク強度P2の変化率(傾き)をΔP2’としたときのΔP2’/P2AVEが±20%以内であることが好ましい。
ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24においては、上述したとおり、基板21の面に対して傾斜した方向に結晶方位がある結晶部分(図9に示した第1ロッキングカーブ成分I1及び第3ロッキングカーブ成分I3に対応する結晶部分)の占める割合が多く、多くの双晶面が存在していることが振動板22の変位量増大につながるものと考えられる。電気機械変換膜24内に存在する双晶面の割合を示す指標値としては、ΔP/PAVE、ΔP’/PAVE、ΔP1/P1AVE、ΔP1’/P1AVE、ΔP2/P2AVE、ΔP2’/P2AVEが高い相関性を示し、振動板22の変位量δのバラつきと相関性が高く、好ましい。
なお、ΔP/PAVE、ΔP’/PAVE、ΔP1/P1AVE、ΔP1’/P1AVE、ΔP2/P2AVE、ΔP2’/P2AVEは、20%以内に収まっていることが好ましく、10%以内に収まっていることが更に好ましい。
実施例1〜5については、ノズル列内における変位量δのバラつきΔδ/δAVEが±8%以内に収まり、また、圧電定数d31は一般的なセラミック焼結体と同等の特性を有していた(圧電定数=−120〜−160[pm/V])。
一方、比較例1、3については、ノズル列内における変位量δのバラつきΔδ/δAVEが±8%という範囲から大きく外れた。
また、比較例2については、十分な圧電定数d31が得られず、吐出に必要な変位量が得られなかった。
また、前記実施例1〜5並びに前記比較例1及び比較例3による圧電アクチュエータチップを搭載した液体吐出ヘッドを作製し、吐出評価を行った。この吐出評価では、粘度を5[cp]に調整したインクを用い、単純Push波形により−10〜−30[V]の駆動電圧を印加したときの吐出状況を確認した。いずれの液体吐出ヘッドにおいても、全ノズル81からインクの吐出がなされ、かつ、高周波での吐出駆動が可能であることが確認されたが、比較例1と比較例3については、ノズル列内で吐出速度が大きくバラつくことが確認された。
〔実施例6〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの他の実施例(以下、本実施例を「実施例6」という。)について説明する。
本実施例6の圧電アクチュエータチップは、前記実施例1と同様の材料及び同様の製造条件で製造したものである。下記表2中の「Pb/(Zr+Ti)」の値については、評価後のサンプルをICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により分析した結果となる。
図17は、ウエハ201の中心部に近い圧電アクチュエータチップ202B,202Cとウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dについて、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた(200)面に対応する回折ピーク強度P1の位置(2θ=θ1max)と変位量δとの関係を示すグラフである。
なお、図17に示すグラフは、各圧電アクチュエータチップ202A〜202Dについて、ノズル列の中央部と両端部に位置する3つのノズル81に対応する回折ピーク強度P1の位置(以下「ピーク位置」という。)θ1maxをプロットしたものである。
本発明者は、図17に示すように、(200)面に対応する回折ピーク強度P1のピーク位置θ1maxと変位量δとの間には高い相関関係があり、このピーク位置θ1maxのバラつきを抑制すれば、変位量δのバラつきも抑制できる関係にあることを見出した。そして、各電気機械変換素子200の電気機械変換膜24におけるピーク位置θ1maxのノズル列内での最大差Δθ1maxが0.02[°]以下であれば、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24を利用した圧電アクチュエータチップ202において、ウエハ201の外周部に近い箇所でも、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきを8%以内に収めることが実現できる。
このとき、ピーク位置θ1maxを、電気機械変換膜24の下地層(シード層)となるチタン酸鉛(PT)に対応した(111)面の回折ピーク強度P2の位置(ピーク位置)θ2maxに対する相対値として特定してもよい。具体的には、例えば、電気機械変換膜24のピーク位置θ1maxとチタン酸鉛(PT)のピーク位置θ2maxとの差分値を用い、この差分値のノズル列内での最大差Δθ12maxが0.02[°]以下とする。この場合も、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24を利用した圧電アクチュエータチップ202において、ウエハ201の外周部に近い箇所でも、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきを8%以内に収めることが実現できる。
なお、実施例6においては、図14や図17に示すように、ノズル列内における振動板22の変位量δがノズル配列方向に沿って線形的に大きくなる又は小さくなるようにバラついたものとなっている。このようなバラつきをもつ場合、図17に示すように、ノズル列内におけるピーク位置θ1maxも、ノズル配列方向に沿って線形的に変位してバラついたものとなる。
ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dにおけるピーク位置θ1maxのノズル列内での最大差Δθ1maxが0.02[°]以下となるようにする方法としては、例えば、下部電極23と電気機械変換膜24との間にチタン酸鉛(PT)等の配向制御層あるいはシード層を設け、その配向制御層あるいはシード層の表面粗さあるいは粒径を制御することが有効である。これは、電気機械変換膜24のピーク位置θ1maxとチタン酸鉛(PT)のピーク位置θ2maxとの差分値のノズル列内での最大差Δθ12maxを0.02[°]以下にする場合でも同様である。
また、電気機械変換膜24の成膜時における乾燥、仮焼、焼成といったプロセスでの温度や雰囲気についてウエハ面方向のバラつきを抑制するように管理、制御することも有効である。これは、電気機械変換膜24のピーク位置θ1maxとチタン酸鉛(PT)のピーク位置θ2maxとの差分値のノズル列内での最大差Δθ12maxを0.02[°]以下にする場合でも同様である。実施例6では、上述したとおり、PZT前駆体溶液のスピンコート後の熱分解処理時において、ホットプレートの温度バラつきをモニターし、熱分解処理中のウエハ中心部と外周部との温度差が±3[℃]以内に収まるようにホットプレートの制御を行っている。また、結晶化熱処理中もRTA装置の温度バラつきをモニターし、結晶化熱処理中のウエハ中心部と外周部との温度差が±3[℃]以内に収まるようにRTA装置の制御を行っている。
このとき、ICP分析によって得られる鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Pb/(Zr+Ti))における素子列内での最大差ΔPbが10%以下であるのが好ましい。より好ましくは、ΔPbが5%以下である。また、鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Pb/(Zr+Ti))における素子列内での平均値PbAVEが100%以上、120%以下であるのが好ましい。より好ましくは、PbAVEが105%以上、115%以下である。電気機械変換膜24中の鉛(Pb)の量は、ウエハ面内の膜厚や膜質等のバラつきに大きく影響する。PbAVEがこの範囲より小さいと、ウエハ面内での鉛(Pb)量のバラつきが大きくなり(ΔPbが大きくなり)、かつ、電気機械変換膜24の結晶構造中に鉛(Pb)が不足した状態になって圧電性能が十分に得られない。一方、PbAVEがこの範囲より大きいと、電気機械変換膜24中に結晶系以外でPbOとして存在する量が増え、電流リーク等の問題が発生しやすくなる。そのため、鉛(Pb)の量をある適正な範囲としたうえで、電気機械変換膜24のウエハ面内における鉛(Pb)量のバラつきを抑制するようなプロセス管理を行うことが非常に重要となる。
また、ICP分析によって得られるジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Ti/(Zr+Ti))における素子列内での最大差ΔTiが2%以下であるのが好ましい。より好ましくは、ΔTiが1%以下である。電気機械変換膜24中のチタン(Ti)の量も、ウエハ面内の膜厚や膜質等のバラつきに大きく影響するためである。
図18は、実施例6において、ウエハ201の中心部に近い圧電アクチュエータチップ202B,202Cとウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dについて、回折ピーク強度P1のピーク位置θ1maxと変位量δとの関係を示すグラフである。
実施例6によれば、ウエハ201の中心部に近い圧電アクチュエータチップ202B,202Cだけでなく、ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dについても、ピーク位置θ1maxのノズル列内での最大差Δθ1max、あるいは、ピーク位置θ1maxとピーク位置θ2maxとの差分値のノズル列内での最大差Δθ12maxが0.02[°]以下となっている。その結果、ウエハ201の外周部に近い圧電アクチュエータチップ202A,202Dについても、ウエハ201の中心部に近い圧電アクチュエータチップ202B,202Cと同様、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきを8%以内に収めることが実現されている。
〔実施例7〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの他の実施例(以下、本実施例を「実施例7」という。)について説明する。
本実施例7は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=115:45:55に調整された溶液を用いた点を除いて、前記実施例6と同様である。
〔実施例8〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例8」という。)について説明する。
本実施例8は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=118:55:45に調整された溶液を用いた点を除いて、前記実施例6と同様である。
〔実施例9〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例9」という。)について説明する。
本実施例9は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=121:49:51に調整された溶液を用い、電気機械変換膜24を成膜する際に、ウエハ中心部と外周部との間のホットプレートの温度差(仮焼温度バラつき)が10[℃]である状態で熱分解処理を行い、かつ、ウエハ中心部と外周部との間のRTA装置の温度差(本焼温度バラつき)が10[℃]である状態で結晶化熱処理を行った点を除いて、前記実施例6と同様である。
〔実施例10〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの更に他の実施例(以下、本実施例を「実施例10」という。)について説明する。
本実施例10は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=108:49:51に調整された溶液を用い、電気機械変換膜24を成膜する際に、ウエハ中心部と外周部との間のホットプレートの温度差(仮焼温度バラつき)が15[℃]である状態で熱分解処理を行い、かつ、ウエハ中心部と外周部との間のRTA装置の温度差(本焼温度バラつき)が15[℃]である状態で結晶化熱処理を行った点を除いて、前記実施例6と同様である。
〔比較例4〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの比較例(以下、本比較例を「比較例4」という。)について説明する。
本比較例4は、電気機械変換膜24の下地層(シード層)として、TiO層をスパッタ法で7[nm]成膜し、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=100:37:63に調整された溶液を用い、電気機械変換膜24を成膜する際に、ウエハ中心部と外周部との間のホットプレートの温度差(仮焼温度バラつき)が25[℃]である状態で熱分解処理を行い、かつ、ウエハ中心部と外周部との間のRTA装置の温度差(本焼温度バラつき)が25[℃]である状態で結晶化熱処理を行った点を除いて、前記実施例6と同様である。
〔比較例5〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの他の比較例(以下、本比較例を「比較例5」という。)について説明する。
本比較例5は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=130:57:43に調整された溶液を用いた点を除いて、前記実施例6と同様である。
〔比較例6〕
次に、本実施形態における圧電アクチュエータチップの更に他の比較例(以下、本比較例を「比較例6」という。)について説明する。
本比較例6は、電気機械変換膜24を成膜する際のPZT前駆体溶液として、Pb:Zr:Ti=118:41:59に調整された溶液を用い、電気機械変換膜24を成膜する際に、ウエハ中心部と外周部との間のホットプレートの温度差(仮焼温度バラつき)が25[℃]である状態で熱分解処理を行い、かつ、ウエハ中心部と外周部との間のRTA装置の温度差(本焼温度バラつき)が25[℃]である状態で結晶化熱処理を行った点を除いて、前記実施例6と同様である。
下記の表2は、上述した実施例6〜10と比較例4〜6における、各種条件及び各種測定結果をまとめた表である。
前記実施例6〜10並びに前記比較例4〜6におけるウエハ201の外周部に近い各圧電アクチュエータチップについて、回折ピーク強度P1のピーク位置θ1maxのノズル列内での最大差Δθ1max、ピーク位置θ1maxとピーク位置θ2maxとの差分値のノズル列内での最大差Δθ12maxと変位量δとの関係を測定した。変位量δは、圧電アクチュエータチップを形成したSiウエハの裏面に加圧液室80を形成した後、ノズル板82を接合しない状態で電界印加(150[kV/cm])し、そのときの変形量をレーザードップラー振動計で計測した。圧電定数d31は、測定結果を利用してシミュレーションにより算出した。また、測定後に各圧電アクチュエータチップを分解、解析して、ICP分析により電気機械変換膜24の組成分析を実施し、鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Pb/(Zr+Ti))における素子列内での最大差ΔPb、ジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Ti/(Zr+Ti))における素子列内での最大差ΔTiも得た。
Figure 2017191928
前記表2において、Δθ1maxあるいはΔθ12maxが0.02[°]以下であれば、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような結晶構造をもつ電気機械変換膜24を利用した圧電アクチュエータチップ202において、ウエハ201の外周部に近い箇所でも、ノズル列内における電気機械変換素子200間における振動板22の変位量バラつきを8%以内に収めることが実現できる。
実施例6〜10については、ノズル列内における変位量δのバラつきΔδ/δAVEが±8%以内に収まり、また、圧電定数d31は一般的なセラミック焼結体と同等の特性を有していた(圧電定数=−120〜−160[pm/V])。
一方、比較例4、6については、ノズル列内における変位量δのバラつきΔδ/δAVEが±8%という範囲から大きく外れた。
また、比較例5については、十分な圧電定数d31が得られず、吐出に必要な変位量が得られなかった。
また、前記実施例6〜10並びに前記比較例4及び比較例6による圧電アクチュエータチップを搭載した液体吐出ヘッドを作製し、吐出評価を行った。この吐出評価では、粘度を5[cp]に調整したインクを用い、単純Push波形により−10〜−30[V]の駆動電圧を印加したときの吐出状況を確認した。いずれの液体吐出ヘッドにおいても、全ノズル81からインクの吐出がなされ、かつ、高周波での吐出駆動が可能であることが確認されたが、比較例4と比較例6については、ノズル列内で吐出速度が大きくバラつくことが確認された。
次に、本実施形態における液体吐出ヘッドを備えた液体を吐出する装置の一例であるインクジェット記録装置について説明する。
図19は同装置の要部平面説明図である。
図20は同装置の要部側面説明図である。
図19中の矢印「α」は主走査方向を示し、図19中の矢印「β」は副走査方向を示す。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本実施形態における液体吐出ヘッド404とヘッドタンク441とを一体にした液体吐出ユニット440が搭載されている。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズル81からなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズル81が形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、本実施形態における液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本実施形態における液体吐出ユニットの他の例について説明する。
図21は同ユニットの要部平面説明図である。図21中の矢印「α」は主走査方向を示す。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本実施形態における液体吐出ユニットの更に他の例について説明する。
図22は同ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本明細書において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
前記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
前記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、壁紙や床材などの建材、衣料用のテキスタイルなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、インク、処理液、DNA試料、レジスト、パターン材料、結着剤、造形液、又は、アミノ酸、たんぱく質、カルシウムを含む溶液及び分散液なども含まれる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、図20で示した液体吐出ユニット440のように、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、図21で示したように、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、図22で示したように、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が
一体化されているものがある。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものとする。
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
少なくとも下部電極23等の第一電極、電気機械変換膜24等の圧電体、上部電極25等の第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子200が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する圧電アクチュエータチップ202等の電気機械変換電子部品において、各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に、回折強度の落ち込み部分Aを有し、各電気機械変換素子の圧電体における前記回折ピーク強度Pの素子列ごとの平均値をPAVEとし、当該素子列における該回折ピーク強度Pの最大差をΔPとしたとき、ΔP/PAVEが20%以下であることを特徴とする。
従来、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成される圧電体については、圧電効果により第一電極を支持する変位板を変位させる変位量を大きくするには、結晶の成長方向を揃えるのが良いと考えられていた。結晶の成長方向が揃っているほど、ロッキングカーブの形状は、その成長方向に対応する1つのピークを中心に半値幅の狭いシャープな形状となる。したがって、従来は、このように1つのピークをもつロッキングカーブについての半値幅をより狭くした圧電体を作製していた。しかしながら、従来の考え方に従って得られる変位量には限界があり、より大きな変位量が得られる電気機械変換素子が望まれていた。
本発明者は、鋭意研究の結果、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に回折強度の落ち込み部分Aが存在する圧電体であれば、ロッキングカーブ中に1つのピークをもつ従来の圧電体よりも大きな変位を生じさせ得ることを見出した。
詳しくは、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するということは、その落ち込み部分を挟んで2つのピーク部分B1,B2が少なくとも存在する。これは、圧電体における結晶の成長方向の揃い方が、1つの方向に揃っているわけではなく、当該2つのピーク部分にそれぞれ対応した各成長方向に分かれて揃っていると解することができる。このように、圧電体内の結晶が成長方向の異なる2種類又はそれ以上の種類の結晶部分に分かれている結晶構造では、多数の双晶面が存在し、その双晶面に生じる応力が電気機械変換素子の変形に有利に作用して、変位板の変位量を増大させることにつながっているものと考えられる。従来の圧電体は、結晶の成長方向が1つの方向に揃っているため、双晶面が少なく、双晶面に生じる応力を利用することなく変位板を変位させている。そのため、本態様によれば、従来の圧電体では実現できなかった大きさの変位量を実現することが可能となる。
ただし、個々の電気機械変換素子の変位量を大きくできても、電気機械変換素子が配列された素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが生じることがある。例えば、1枚の半導体ウエハから複数の電気機械変換電子部品を作製する場合、第一電極、圧電体、第二電極等の各種の膜をウエハ面上に形成するときに、ウエハ面内で膜厚や膜質等にバラつきが生じる。特に、ロッキングカーブ中に落ち込み部分Aが存在するような電気機械変化素子の変位量は、ウエハ面内で圧電体の結晶構造(圧電体内に存在する双晶面の割合等)のバラつき(格子定数のバラつき等)に影響を受ける。加えて、ウエハ外周部に近いウエハ面上の領域では、圧電体の結晶構造のバラつきがウエハ外周部に向けて大きく変化しやすいので、ウエハ外周部に近いウエハ面上の領域に形成される電気機械変換電子部品では、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量を超えてしまうことがある。
本態様の電気機械変換電子部品は、各電気機械変換素子の圧電体における回折ピーク強度Pの素子列ごとの平均値PAVEに対する、当該素子列における該回折ピーク強度Pの最大差ΔPの比率ΔP/PAVEが、20%以下である。この比率ΔP/PAVEは、圧電体の結晶構造のバラつき(圧電体内に存在する双晶面の割合等)と高い相関性がある指標値である。この比率ΔP/PAVEが20%以下であれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様B)
少なくとも下部電極23等の第一電極、電気機械変換膜24等の圧電体、上部電極25等の第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子200が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する圧電アクチュエータチップ202等の電気機械変換電子部品において、各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)であおり角(χ)を振ったときに得られる回折強度分布中に回折強度の落ち込み部分Aを有し、各電気機械変換素子の圧電体におけるχ=0[°]の前記回折ピーク強度P1の素子列ごとの平均値をP1AVEとし、当該素子列における該回折ピーク強度P1の最大差をΔP1としたとき、ΔP1/P1AVEが20%以下であることを特徴とする。
本態様の電気機械変換電子部品は、各電気機械変換素子の圧電体におけるχ=0[°]の回折ピーク強度P1の素子列ごとの平均値P1AVEに対する、当該素子列における該回折ピーク強度P1の最大差ΔP1の比率ΔP1/P1AVEが、20%以下である。この比率ΔP1/P1AVEも、上述した比率ΔP/PAVEと同様、圧電体の結晶構造のバラつき(圧電体内に存在する双晶面の割合等)と高い相関性がある指標値である。したがって、この比率ΔP1/P1AVEが20%以下であれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様C)
少なくとも下部電極23等の第一電極、電気機械変換膜24等の圧電体、上部電極25等の第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子200が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する圧電アクチュエータチップ202等の電気機械変換電子部品において、各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブの回折強度にそれぞれの位置(ω)のsinωを乗じて得られる補正後ロッキングカーブ中に回折強度の落ち込み部分Aを有し、前記補正後ロッキングカーブ中におけるω=θmax/2に対応する位置の回折ピーク強度をP2とし、各電気機械変換素子の圧電体における該回折ピーク強度P2の素子列ごとの平均値をP2AVEとし、当該素子列における該回折ピーク強度P2の最大差をΔP2としたとき、ΔP2/P2AVEが20%以下であることを特徴とする。
本態様の電気機械変換電子部品は、各電気機械変換素子の圧電体における補正後ロッキングカーブのω=θmax/2の回折ピーク強度P2の素子列ごとの平均値P2AVEに対する、当該素子列における該回折ピーク強度P2の最大差ΔP2の比率ΔP2/P2AVEが、20%以下である。この比率ΔP2/P2AVEも、上述した比率ΔP/PAVEや比率ΔP1/P1AVEと同様、圧電体の結晶構造のバラつき(圧電体内に存在する双晶面の割合等)と高い相関性がある指標値である。したがって、この比率ΔP2/P2AVEが20%以下であれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様D)
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記圧電体は、ジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Ti/(Zr+Ti))が0.45以上、0.55以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする。
これによれば、高い圧電定数が得られる圧電体を実現して、より大きな変位量を達成することが可能となる。
(態様E)
少なくとも下部電極23等の第一電極、電気機械変換膜24等の圧電体、上部電極25等の第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子200が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する圧電アクチュエータチップ202等の電気機械変換電子部品において、各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度P1の位置(2θ=θ1max)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に、回折強度の落ち込み部分Aを有し、各電気機械変換素子の圧電体における前記回折ピーク強度P1の位置θ1maxの素子列内での最大差Δθ1maxが、0.02[°]以下であることを特徴とする。
本態様の電気機械変換電子部品は、各電気機械変換素子の圧電体における回折ピーク強度P1の位置θ1maxの素子列内での最大差Δθ1maxが、0.02[°]以下である。この回折ピーク強度P1の位置θ1maxは、圧電体の結晶構造の格子定数と高い相関があるため、この位置θ1maxの素子列内での最大差Δθ1maxは、素子列内での圧電体の結晶構造のバラつきと高い相関性がある指標値である。この最大差Δθ1maxが0.02[°]以下であれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様F)
少なくとも下部電極23等の第一電極、電気機械変換膜24等の圧電体、上部電極25等の第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子200が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する圧電アクチュエータチップ202等の電気機械変換電子部品において、各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度P1の位置(2θ=θ1max)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に、回折強度の落ち込み部分Aを有し、各電気機械変換素子の圧電体における、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(111)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度P2の位置(2θ=θ2max)と前記回折ピーク強度P1の位置θ1maxとの差分値の素子列内での最大差Δθ12maxが、0.02[°]以下であることを特徴とする。
本態様の電気機械変換電子部品は、各電気機械変換素子の圧電体における(111)面に対応した回折ピーク強度P2のピーク位置θ2maxと(200)面及び/又は(002)面に対応した回折ピーク強度P1のピーク位置θ1maxとの差分値の素子列内での最大差Δθ12maxが0.02[°]以下である。この最大差Δθ12maxも、上述した最大差Δθ1maxと同様、圧電体の結晶構造のバラつき(格子定数のバラつき等)と高い相関性がある指標値である。したがって、この最大差Δθ12maxが0.02[°]以下であれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様G)
前記態様E又はFにおいて、前記圧電体は、鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Pb/(Zr+Ti))における素子列内での最大差ΔPbが10%以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする。
これによれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様H)
前記態様E〜Gのいずれかの態様において、前記圧電体は、鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Pb/(Zr+Ti))における素子列内での平均値PbAVEが100%以上、120%以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする。
これによれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様I)
前記態様E〜Hのいずれかの態様において、前記圧電体は、ジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Ti/(Zr+Ti))における素子列内での最大差ΔTiが2%以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする。
これによれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様J)
前記態様E〜Iのいずれかの態様において、前記圧電体は、ジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Ti/(Zr+Ti))における素子列内での平均値TiAVEが45%以上55%以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする。
これによれば、素子列内における電気機械変換素子間の変位量バラつきが許容量以内となるように、圧電体の結晶構造のバラつきを収めることができる。
(態様K)
前記態様A〜Jのいずれかの態様において、前記電気機械変換素子は、前記圧電体と前記第一電極との間にチタン酸鉛からなるシード層を有することを特徴とする。
これによれば、大きな変位量が得られる圧電体を実現することができる。
(態様L)
前記態様A〜Kのいずれかの態様において、各電気機械変換素子の圧電体における(100)面及び/又は(001)面の配向度ρの素子列ごとの平均値ρAVEが95%以上であることを特徴とする。
これによれば、大きな変位量が得られる圧電体を実現することができる。
(態様M)
前記態様A〜Lのいずれかの態様において、150[kV/cm]の電界強度を印加したときの変位量δの素子列ごとの平均値をδAVEとし、当該素子列における該変位量δの最大差をΔδとしたとき、Δδ/δAVEが8%以下であることを特徴とする。
これによれば、電気機械変換素子が配列された素子列内での変位量バラつきを少なく抑えることができる。
(態様N)
インク等の液体を吐出するノズル81等の吐出孔が複数個並べて配列され、各吐出孔に連通する加圧液室80等の液室の少なくとも1つの壁を構成する振動板22等の変位板を駆動信号に基づいて変位させる電気機械変換素子200を吐出孔ごとに備えた圧電アクチュエータチップ202等の電気機械変換電子部品を有する液体吐出ヘッド404において、前記電気機械変換電子部品として、前記態様A〜Mのいずれかの態様に係る電気機械変換電子部品を用いたことを特徴とする。
これによれば、吐出孔列内における吐出性能のバラつきが少ない液体吐出ヘッドを実現できる。
(態様O)
駆動信号に基づいて吐出孔から液体を吐出させる液体吐出ヘッド404と、ヘッドタンク441等の少なくとも1つの外部部品とを一体化した液体吐出ユニット440において、前記液体吐出ヘッドとして、前記態様Nに係る液体吐出ヘッドを用いたことを特徴とする。
これによれば、吐出孔列内における吐出性能のバラつきが少ない液体吐出ユニットを実現できる。
(態様P)
前記態様Oに係る液体吐出ユニットにおいて、外部部品は、液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク441、液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ403、液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構494、液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構420、液体吐出ヘッドを移動させる主走査移動機構493等の移動機構の少なくとも1つであることを特徴とする。
これによれば、吐出孔列内における吐出性能のバラつきが少ない多様な液体吐出ユニットを実現できる。
(態様Q)
駆動信号に基づいて吐出孔から液体を吐出させる液体吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置等の液体を吐出する装置において、液体吐出ヘッドとして、前記態様Nに係る液体吐出ヘッドを用いたことを特徴とする。
これによれば、吐出孔列内における吐出性能のバラつきが少ない液体を吐出する装置を実現できる。
20 圧電アクチュエータ
21 基板
22 振動板
23 下部電極
24 電気機械変換膜
25 上部電極
80 加圧液室
81 ノズル
82 ノズル板
200 電気機械変換素子
201 Siウエハ
202 圧電アクチュエータチップ
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
410 用紙
420 維持回復機構
440 液体吐出ユニット
441 ヘッドタンク
493 主走査移動機構
494 供給機構
495 搬送機構
特開2008−192868号公報

Claims (17)

  1. 少なくとも第一電極、圧電体、第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する電気機械変換電子部品において、
    各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に、回折強度の落ち込み部分を有し、
    各電気機械変換素子の圧電体における前記回折ピーク強度Pの素子列ごとの平均値をPAVEとし、当該素子列における該回折ピーク強度Pの最大差をΔPとしたとき、ΔP/PAVEが20%以下であることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  2. 少なくとも第一電極、圧電体、第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する電気機械変換電子部品において、
    各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)であおり角(χ)を振ったときに得られる回折強度分布中に回折強度の落ち込み部分を有し、
    各電気機械変換素子の圧電体におけるχ=0[°]の回折ピーク強度P1の素子列ごとの平均値をP1AVEとし、当該素子列における該回折ピーク強度P1の最大差をΔP1としたとき、ΔP1/P1AVEが20%以下であることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  3. 少なくとも第一電極、圧電体、第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する電気機械変換電子部品において、
    各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度Pの位置(2θ=θmax)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブの回折強度にそれぞれの位置(ω)のsinωを乗じて得られる補正後ロッキングカーブ中に回折強度の落ち込み部分を有し、
    前記補正後ロッキングカーブ中におけるω=θmax/2に対応する位置の回折ピーク強度をP2とし、各電気機械変換素子の圧電体における回折ピーク強度P2の素子列ごとの平均値をP2AVEとし、当該素子列における該回折ピーク強度P2の最大差をΔP2としたとき、ΔP2/P2AVEが20%以下であることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気機械変換電子部品において、
    前記圧電体は、ジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Ti/(Zr+Ti))が0.45以上、0.55以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  5. 少なくとも第一電極、圧電体、第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する電気機械変換電子部品において、
    各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度P1の位置(2θ=θ1max)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に、回折強度の落ち込み部分を有し、
    各電気機械変換素子の圧電体における前記回折ピーク強度P1の位置θ1maxの素子列内での最大差Δθ1maxが、0.02[°]以下であることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  6. 少なくとも第一電極、圧電体、第二電極が順次積層され、駆動信号に応じた電圧を該第一電極と該第二電極との間に印加して該圧電体を変形させる電気機械変換素子が複数個並べて配列された素子列を少なくとも一列有する電気機械変換電子部品において、
    各電気機械変換素子の圧電体は、(100)面及び/又は(001)面に優先配向されたペロブスカイト型構造を有する複合酸化物で構成され、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(200)面及び/又は(002)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度P1の位置(2θ=θ1max)で測定される(200)面及び/又は(002)面に対応するロッキングカーブ中に、回折強度の落ち込み部分を有し、
    各電気機械変換素子の圧電体における、X線回折のθ−2θ法による測定で得られた回折強度のピークのうち(111)面に対応する回折強度のピークにおいて回折強度が最大となる回折ピーク強度P2の位置(2θ=θ2max)と前記回折ピーク強度P1の位置θ1maxとの差分値の素子列内での最大差Δθ12maxが、0.02[°]以下であることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  7. 請求項5または6に記載の電気機械変換電子部品において、
    前記圧電体は、鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Pb/(Zr+Ti))における前記素子列内での最大差ΔPbが10%以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の電気機械変換電子部品において、
    前記圧電体は、鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Pb/(Zr+Ti))における前記素子列内での平均値PbAVEが100%以上、120%以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の電気機械変換電子部品において、
    前記圧電体は、ジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Ti/(Zr+Ti))における前記素子列内での最大差ΔTiが2%以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  10. 請求項5乃至9のいずれか1項に記載の電気機械変換電子部品において、
    前記圧電体は、ジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)との組成比(Ti/(Zr+Ti))における前記素子列内での平均値TiAVEが45%以上、55%以下であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)で形成されていることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電気機械変換電子部品において、
    前記電気機械変換素子は、前記圧電体と前記第一電極との間にチタン酸鉛からなるシード層を有することを特徴とする電気機械変換電子部品。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電気機械変換電子部品において、
    各電気機械変換素子の前記圧電体における(100)面及び/又は(001)面の配向度ρの前記素子列ごとの平均値ρAVEが95%以上であることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電気機械変換電子部品において、
    150[kV/cm]の電界強度を印加したときの変位量δの前記素子列ごとの平均値をδAVEとし、当該素子列における前記変位量δの最大差をΔδとしたとき、Δδ/δAVEが8%以下であることを特徴とする電気機械変換電子部品。
  14. 液体を吐出する吐出孔が複数個並べて配列され、各吐出孔に連通する液室の少なくとも1つの壁を構成する変位板を駆動信号に基づいて変位させる電気機械変換素子を吐出孔ごとに備えた電気機械変換電子部品を有する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記電気機械変換電子部品として、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の電気機械変換電子部品を用いたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  15. 駆動信号に基づいて吐出孔から液体を吐出させる液体吐出ヘッドと、少なくとも1つの外部部品とを一体化した液体吐出ユニットにおいて、
    前記液体吐出ヘッドとして、請求項14に記載の液体吐出ヘッドを用いたことを特徴とする液体吐出ユニット。
  16. 請求項15に記載の液体吐出ユニットにおいて、
    前記外部部品は、前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを移動させる移動機構の少なくとも1つであることを特徴とする液体吐出ユニット。
  17. 駆動信号に基づいて吐出孔から液体を吐出させる液体吐出ヘッドを備えた液体を吐出する装置において、
    前記液体吐出ヘッドとして、請求項14に記載の液体吐出ヘッドを用いたことを特徴とする液体を吐出する装置。
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