JP2014141659A - 耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂およびそれを用いた粘着剤組成物、粘着剤、耐熱粘着フィルム、ならびに耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂の製造方法 - Google Patents
耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂およびそれを用いた粘着剤組成物、粘着剤、耐熱粘着フィルム、ならびに耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを主成分として含有する重合成分[I]を重合開始剤の存在下で重合するアクリル系樹脂の製造方法であって、反応液中の開始剤の含有濃度が300ppm以下の状態にて、上記重合開始剤の10時間半減期温度より高い温度で2時間以上加熱することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、重合開始剤含有濃度が280ppm以下である耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂を第1の要旨とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、先に述べたように、「フィルム」とは、シート、フィルム、テープを概念的に包含するものである。
本発明において、重合成分[I]は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)を主成分として含有する重合成分[I](モノマー成分)を重合して得られるものであり、上記重合成分[I]に含有される上記(a1)以外の他のモノマー成分として、後記窒素原子含有モノマー(a3)以外の官能基含有モノマー(a2)、窒素原子含有モノマー(a3)、その他の重合性モノマー(a4)から適宜選択したモノマーが含有される。なお、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)を主成分として含有するとの「主成分」とは、具体的には、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)が重合成分[I](モノマー成分)全量に対して、通常、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、殊に好ましくは80重量%以上含有することを意味する。なお、上限としては、通常100重量%である。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a1)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチルアクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族(メタ)アクリル酸エステル等があげられる。そして、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの場合、アルキル基の炭素数が、通常1〜20、特には1〜12、更には1〜8、殊には4〜8であることが好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記官能基含有モノマー(a2)は、後述の窒素原子含有モノマー(a3)以外の官能基含有モノマーであって、水酸基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー等があげられ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらの中でも、効率的に架橋反応ができる点から水酸基含有モノマーが好ましく用いられる。
上記窒素原子含有モノマー(a3)としては、窒素原子を含有するモノマーであればよく、例えば、アミノ基含有単量体、アミド基含有単量体、窒素系複素環含有単量体、シアノ基含有単量体、イミド基含有単量体、ベタイン類単量体等があげられる。中でも、触媒活性の作用を示す塩基性が高いモノマーが好ましく、例えば、置換アミノ基含有単量体、置換アミド基含有単量体および窒素系複素環含有単量体から選ばれるものが好ましく、特に置換アミノ基含有単量体が好ましい。また、これらの単量体としては(メタ)アクリルモノマーが好ましい。これら窒素原子含有モノマー(a3)は単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等のN,N−ジアルキルアミノアルキルの(メタ)アクリル酸エステル等の二置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、これらアミノ基含有単量体の四級化塩等;
p−アミノスチレン等のアミノ基含有スチレン類;
3−(ジメチルアミノ)スチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル等のジアルキルアミノアルキルビニルエーテル類;
アリルアミン、4−ジイソプロピルアミノ−1−ブテン、トランス−2−ブテン−1,4−ジアミン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン等が用いられる。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(s−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシル(メタ) アクリルアミド、N,N−ジヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチルアクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド:
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド:
N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミドエチルエチレンウレア、(メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸等の置換アミド基含有単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアミド;
N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n―ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のアルコキシ基含有(メタ)アクリルアミド;
これらアミド基含有単量体の四級化塩等があげられる。
N−アリルモルフォリン等のN−アリル系単量体;
N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン, N−(メタ)アクリロイルアジリジン, N−(メタ)アクリロイルアジリジン、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のN−(メタ)アクリロイル系単量体;
上記単量体にハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジル、アルキル若しくはアリールスルホン酸又は硫酸ジアルキル等の公知の四級化剤を作用させて得られる窒素系複素環含有単量体の四級化塩;4−メチル−5−ビニルチアゾール等があげられる。
N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド、イタコンイミド等のイタコンイミド系単量体;
N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系単量体等があげられる。
上記その他の重合性モノマー(a4)は、上記(a1)、(a2)および(a3)の各モノマー以外のモノマーであり、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン等の1つの芳香環を含有するモノマー;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはオキシアルキレン基を含有するモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等があげられる。好ましくは、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃以上となるモノマーである。これらその他の重合性モノマー(a4)は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記各モノマー成分(a1)〜(a4)の中で、ガラス転移温度が−30℃以上である硬質モノマー(X)を具体的にあげると、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(a1)の中からは、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等があげられ、
窒素原子含有モノマー(a3)の中からは、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等があげられ、
その他の重合性モノマー(a4)の中からは、アクリル酸フェノキシエチル、スチレン等があげられる。
本発明のアクリル系樹脂の製造方法におけるラジカル重合に使用する重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(67℃)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(65℃)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン(58℃)、2,2'−アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(52℃)、2,2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)(49.6℃)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリル)(30℃)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド(73.6℃)、ラウロイルパーオキサイド(61.6℃)、t−ブチルペルオキシピバレート(54.6℃)、t−ヘキシルペルオキシピバレート(53.2℃)、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート(44.5℃)、ジイソプロピルペルオキシカーボネート(40.5℃)、ジイソブチリルペルオキシド(32.7℃)等の過酸化物系重合開始剤等が具体例としてあげられる。なお、上記各化合物名に続いて記載された( )内の数値は各化合物の10時間半減期温度である。
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、アミノエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤があげられる。
これら各酸化防止剤は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明のアクリル系樹脂において、実測される残存開始剤量(重合開始剤含有濃度)は、アクリル系樹脂中280ppm以下である。より好ましくは240ppm以下で、さらに好ましくは180ppm以下であり、特に好ましくは125ppm以下であり、最も好ましくは80ppm以下である。なお、残存開始剤量は少ないほうが好ましいが、下限値としては通常0.1ppmである。
この実測値はLC−MS/MS[LC装置:島津製作所社製、LC−10A;MS装置:Applied Biosystems API3000]を用いて測定した値によるものである。
これらの溶剤の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全上から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、更に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
重合成分[I]の反応率、すなわち、アクリル系樹脂の反応率(%)は、反応率を確認したい対象となる樹脂をアルミ箔上にて試料1gを精秤し、ケット(赤外線乾燥機、185W、高さ5cm)で45分加熱後の残量により反応途中の固形分を算出して、モノマー分(モノマーが全て反応したと仮定した場合の固形分)から、下記の式により反応率を算出することができる。
反応率(%)=[(反応途中の固形分)/(モノマー分)]×100
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wa :モノマーAの重量分率
Wb :モノマーBの重量分率
Wn :モノマーNの重量分率
(ただし、Wa+Wb+・・・+Wn=1である。)
本発明の粘着剤組成物は、上記アクリル系樹脂を必須成分として含有するものであり、これを架橋させることにより、例えば、耐熱粘着フィルム用の粘着剤となる。上記粘着剤組成物を架橋させるに際しては、粘着剤組成物に架橋剤をさらに含有させる。
粘着剤層を積層形成する基材としては、例えば、金属、ポリエステル系樹脂、ポリフッ化エチレン系樹脂、ポリイミドおよびその誘導体、エポキシ樹脂等からなる単層または積層構造のフィルムがあげられるが、耐熱性や実際の使用上の利便性の面から、ポリイミドフィルムおよびポリエステル系フィルムがより好ましい。具体的にはデュポン社の商品名「カプトン」等の芳香族ポリイミドフィルムや、「テオネックス」等のポリエチレンナフタレートフィルムがあげられる。耐熱粘着フィルムには、粘着剤層の基材とは反対側の面に、さらに離型フィルムを設けることが好ましい。耐熱粘着フィルムを実用に供する際には、上記離型フィルムを剥離して用いられる。上記離型フィルムとしては、シリコン系の離型フィルム、オレフィン系の離型フィルム、フッ素系の離型フィルム、長鎖アルキル系離の型フィルム、アルキッド系の離型フィルムを用いることができる。
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、エステルアクリレート等のポリエステル系樹脂;
ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルフォン化ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、ポリアロマーポリブチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂;
ポリスチレン、ポリαメチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体;
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のポリアルキル(メタ)アクリレートやメチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−α−メチルスチレン共重合体等のアクリル系樹脂;
ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、ABS変性ポリ塩化ビニル、後塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−アクリル樹脂アロイ、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ビニル重合体およびその誘導体;
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニロン等のポリ酢酸ビニル、およびその誘導体;
ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルメチルケトン;
ポリホルムアルデヒド、アセタールコポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、塩素化ポリエーテル、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド等のポリエーテル;
ポリテロラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ化樹脂;
ポリカーボネート、ポリカーボネートABSアロイ;
ナイロン、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6/6,6共重合体、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12、ナイロン−11、ナイロン−12等のナイロン(ポリアミド)類;
ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン系プラスチック;
ポリイミドおよびその誘導体、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、高アクリルニトリル共重合体;
ケイ素樹脂、半無機および無機高分子;
フェノール樹脂、フェノール−フルフラール樹脂、変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂およびその誘導体;
フラン樹脂、キシレン樹脂、アニリン樹脂、アセトンホルムアルデヒド樹脂等のホルマリン樹脂;
不飽和ポリエステルとアルキッド樹脂;
ビスフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂複合材料、脂環エポキシ樹脂、エポキシノボラック、ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシアクリレート等のエポキシ樹脂;
ポリウレタン、発泡ウレタン、ウレタンアクリレート等のポリウレタン;
ジアリルフタレート樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリアリルスルホン、アリルジグリコールカーボネート、ポリアリルエーテル、ポリアリレート等のアリル樹脂;
セルロース系プラスチック、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、ニトロセルロースとセルロイド等のセルロース系樹脂。
<アクリル系樹脂(A−1)の製造>
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になった時点で、ブチルアクリレート(BA:a1)91.85部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA:a2)7部、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA:a3)0.15部と2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物の滴下を開始した。この滴下開始を反応開始時間とする。この混合物を2時間にわたって滴下した。反応開始から3時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.8部とAIBN0.05部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.2部とAIBN0.06部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加した。さらに、反応開始から7時間後に酢酸エチル10.0部にペンタエリスリトールテトラキス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1部を溶解させた液を追加して、さらに3時間反応した。
<アクリル系樹脂(A−2)の製造>
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になった時点で、ブチルアクリレート(BA:a1)91.85部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA:a2)7部、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA:a3)0.15部と2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物の滴下を開始した。この滴下開始を反応開始時間とする。この混合物を2時間にわたって滴下した。反応開始から3時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.8部とAIBN0.05部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.2部とAIBN0.06部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加した。
<アクリル系樹脂(A−3)の製造>
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル100部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になった時点で、ブチルアクリレート(BA:a1)41.85部、メチルアクリレート(MA:a1)50部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA:a2)7部、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA:a3)0.15部と2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物の滴下を開始した。この滴下開始を反応開始時間とする。この混合物を2時間にわたって滴下した。反応開始から3時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.8部とAIBN0.05部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.2部とAIBN0.06部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加した。
<アクリル系樹脂(A−4)の製造>
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル60部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になった時点で、ブチルアクリレート(BA:a1)35部、メチルアクリレート(MA:a1)54.50部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA:a2)9部、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA:a3)0.5部と2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3部を混合溶解させた混合物の滴下を開始した。この滴下開始を反応開始時間とする。この混合物を2時間にわたって滴下した。反応開始から3時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.8部とAIBN0.05部を酢酸エチル8.0部に溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.2部とAIBN0.04部を酢酸エチル8.0部に溶解させた液を添加した。さらに、反応開始から7時間後に酢酸エチル10.0部にペンタエリスリトールテトラキス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1部を溶解させた液を追加して、さらに2時間反応した。
<アクリル系樹脂(A−5)の製造>
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になった時点で、ブチルアクリレート(BA:a1)87.85部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA:a2)11部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA:a3)0.15部と2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物の滴下を開始した。この滴下開始を反応開始時間とする。この混合物を2時間にわたって滴下した。反応開始から3時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.8部とAIBN0.05部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.2部とAIBN0.06部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加した。さらに、反応開始から7時間後に酢酸エチル10.0部にペンタエリスリトールテトラキス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1部を溶解させた液を追加して、さらに3時間反応した。
<アクリル系樹脂(A−6)の製造>
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になった時点で、ブチルアクリレート(BA:a1)91.85部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA:a2)7部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA:a3)0.15部と2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物の滴下を開始した。この滴下開始を反応開始時間とする。この混合物を2時間にわたって滴下した。反応開始から3時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.8部とAIBN0.05部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.2部とAIBN0.06部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加した。さらに、反応開始から7時間後に酢酸エチル10.0部にペンタエリスリトールテトラキス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1部を溶解させた液を追加して、さらに3時間反応した。
<アクリル系樹脂(A−7)の製造>
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル70部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になった時点で、ブチルアクリレート(BA:a1)35部、メチルアクリレート(MA:a1)54.80部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA:a2)9部、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA:a3)0.2部と2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3部を混合溶解させた混合物の滴下を開始した。この滴下開始を反応開始時間とする。この混合物を2時間にわたって滴下した。反応開始から3時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.8部とAIBN0.05部を酢酸エチル8.0部に溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.2部とAIBN0.04部を酢酸エチル8.0部に溶解させた液を添加した。さらに、反応開始から7時間後に酢酸エチル10.0部にペンタエリスリトールテトラキス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1部を溶解させた液を追加して、さらに2時間反応した。
<アクリル系樹脂(A'−1)の製造>
温度計、撹拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた反応器内に、酢酸エチル80部を仕込み、撹拌しながら昇温し、78℃になった時点で、ブチルアクリレート(BA:a1)91.85部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA:a2)7部、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA:a3)0.15部と2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.06部を混合溶解させた混合物の滴下を開始した。この滴下開始を反応開始時間とする。この混合物を2時間にわたって滴下した。反応開始から3時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.8部とAIBN0.05部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加し、反応開始から5時間後に4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA:a2)0.2部とAIBN0.06部を酢酸エチル6.0部に溶解させた液を添加した。
半減期時間T=A×10B×(反応温度H)Dであることから、log(T)=log(A×10B)+Dlog(H)
・試料調整
アクリル系樹脂溶液をアセトンに溶解後、アセトニトリルにて再沈殿させ、上澄み液をLC−MS/MSで計測に用いた。
・LC−MS/MS測定条件
LC装置:島津製作所社製、LC−10A
MS装置:Applied Biosystems API3000
カラム:Inertsil ODS−3(GLサイエンス、2.1×100mm、3μm)
温度40℃
溶離液:5mMギ酸アンモニウム水溶液/アセトニトリル=60/40(0分)→0/100(5分)→0/100(6分)、0.2mL/min
注入量:3μL
検出:ESI(+)、MRM m/z 182(M+NH4)/86、Dwell=0.5秒
DP,CE,CAD=15,8,3
<耐熱粘着フィルムの作製>
上記のようにして得られた各アクリル系樹脂溶液に、下記の表6に示す配合量にて架橋剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体:日本ポリウレタン社製、コロネートHX、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体:旭化成ケミカルズ社製、デュラネート24A−100)、および酸化防止剤であるペンタエリスリトールテトラキス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製、イルガノックス1010)を配合し(実施例10、12、16、比較例2)、さらに、酢酸エチルを用いて、固形分濃度33.3%に希釈した後、乾燥後の厚みが約25μmになるように、基材としてのポリイミドフィルム(東レデュポン社製、カプトン:厚み25μm)に塗布し、100℃にて2分間乾燥させた。その後、塗工面に、離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼着して保護し、温度40℃の雰囲気下で7日間養生することにより、耐熱粘着フィルムを作製した。
得られた耐熱粘着フィルムの架橋反応について、赤外分光法を用いて残イソシアネート基のピークを確認した。測定機器は、サーモエレクトロン社製のFT−IR Nicolet380FT−IRを用い、ATR法でスキャン回数は32回で測定した。そして、イソシアネート基の吸収ピークである2200〜2300cm-1のピークの有無とピークの大きさにて評価した。その結果、全ての実施例および比較例においてピークは確認されなかった。
被着体としてステンレス板(SUS304BA板)に、大きさ25mm×100mmの耐熱粘着フィルムを23℃×相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、23℃×相対湿度50%雰囲気下にて30分放置した後、剥離速度300mm/minで180°剥離強度(N/25mm)を測定した。
被着体としてステンレス板(SUS304BA板)に、大きさ25mm×100mmの耐熱粘着フィルムを23℃×相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、各耐熱工程温度(180℃、200℃)にて5時間放置した。その後、23℃に戻し、さらに3時間静置した後に、剥離速度300mm/minで180°剥離強度(N/25mm)を測定した。
得られた耐熱粘着フィルムを用いて25mm×100mmの大きさの試験片を作製し(切り出し)、この試験片を被着体(SUS304BA板)に2kgローラーを2往復させる方法にて圧着させ、下記の表7に記載の温度(180℃、200℃)と時間(5時間)にて放置し23℃に戻した。さらに23℃×相対湿度50%雰囲気下にて2時間放置した後、剥離速度300mm/minで180°剥離後の被着体表面の様子を目視にて観察し、以下の基準に従い評価した。
○:全く汚染が確認されなかった。
△:多少曇りがあったが汚染は確認されなかった。
×:汚染が確認された。
得られた耐熱粘着剤層についてゲル分率を算出した。すなわち、試験片となる耐熱粘着剤層を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。
これら結果を下記の表7に示す。
被着体としてステンレス板(SUS304BA板)に、大きさ25mm×100mmの耐熱粘着フィルムを23℃×相対湿度50%の雰囲気下にて2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、250℃にて5時間放置した。その後、23℃に戻し、さらに3時間静置した後に、剥離速度300mm/minで180°剥離強度(N/25mm)を測定した。
得られた耐熱粘着フィルムを用いて25mm×100mmの大きさの試験片を作製し(切り出し)、この試験片を被着体(SUS304BA板)に2kgローラーを2往復させる方法にて圧着させ、250℃にて5時間放置した後、23℃に戻した。さらに23℃×相対湿度50%雰囲気下にて2時間放置した後、剥離速度300mm/minで180°剥離後の被着体表面の様子を目視にて観察し、以下の基準に従い評価した。
○:全く汚染が確認されなかった。
△:多少曇りがあったが汚染は確認されなかった。
×:汚染が確認された。
Claims (10)
- 重合開始剤含有濃度が280ppm以下であることを特徴とする耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂。
- 請求項1記載の耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂を含有してなることを特徴とする粘着剤組成物。
- 酸化防止剤を含有してなることを特徴とする請求項2記載の粘着剤組成物。
- 請求項2または3記載の粘着剤組成物を硬化してなることを特徴とする粘着剤。
- 請求項4記載の粘着剤からなる粘着剤層を有することを特徴とする耐熱粘着フィルム。
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを主成分として含有する重合成分[I]を重合開始剤の存在下で重合するアクリル系樹脂の製造方法であって、反応液中の重合開始剤の含有濃度が300ppm以下の状態にて、上記重合開始剤の10時間半減期温度より高い温度で2時間以上加熱することを特徴とする耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂の製造方法。
- 反応液中の開始剤の含有濃度が300ppm以下で、かつ重合成分[I]の反応率が80%以上の状態にて、重合開始剤の10時間半減期温度より高い温度で2時間以上加熱することを特徴とする請求項6記載の耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂の製造方法。
- 重合開始剤が、10時間半減期温度が100℃以下である重合開始剤であることを特徴とする請求項6または7記載の耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂の製造方法。
- 酸化防止剤の存在下で重合することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の耐熱粘着フィルム用アクリル系樹脂の製造方法。
- 粘着剤層と基材フィルムを含む耐熱粘着フィルムであって、粘着剤層中の重合開始剤含有濃度が280ppm以下であることを特徴とする耐熱粘着フィルム。
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