JP2014141109A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】静粛性に優れる空気入りタイヤの提供。
【解決手段】この空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなす本体と、この本体の半径方向内側に位置する消音部材とを備えている。この消音部材は、本体の内面から半径方向内側に向けて突出する複数の隔壁を有している。複数の隔壁は、周方向に間隔を空けて本体の内面に配列されている。この間隔は、85mm以下である。それぞれの隔壁の半径方向高さは、タイヤ断面高さの10%以上である。それぞれの隔壁の軸方向幅は、タイヤ最大幅の30%以上である。この消音部材の比重は、0.060より大きい。この消音部材は、ゴム組成物が架橋されることにより得られる。この消音部材の硬さは、70以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
自動車等の走行時に、タイヤは路面と接触する。路面には凹凸がある。路面の凹凸によって、タイヤは振動する。タイヤの内部には、空気が充填されている。走行状態にあるタイヤでは、内部にある空気が共鳴振動する。これにより、約50から400Hzの周波数の音が発生する。この音は、ロードノイズの原因の一つである。ロードノイズは、静粛性を阻害する。このため、ロードノイズの低減を目的として、様々な検討がなされている。
ロードノイズの低減のための検討例が、特開昭63−137005号公報及び特開2006−182280公報に開示されている。
特開昭63−137005号公報 特開2006−182280公報
上記特開昭63−137005号公報に記載のタイヤでは、その内部に遮蔽体が設けられている。これにより、気柱共鳴の発生が抑えられている。しかし、このタイヤの遮蔽体は共振構造を有していない。このタイヤでは、周波数約250Hzのロードノイズは低減されるが、他の周波数域のロードノイズが増大する。このタイヤでは、広い周波数域でロードノイズを有効に低減することができないという問題がある。このタイヤでは、十分な静粛性は得られない。
上記特開2006−182280公報に記載のタイヤでは、制音体が設けられている。この制音体は、スポンジからなる。この制音体は、ロードノイズを吸収し、騒音を緩和する。しかし、この制音体では、低減されるロードノイズの周波数域が限られる。このタイヤでは、広い周波数域でロードノイズを有効に低減することができないという問題がある。このタイヤでは、十分な静粛性は得られない。
本発明の目的は、静粛性に優れる空気入りタイヤの提供である。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなす本体と、本体の半径方向内側に位置する消音部材とを備えている。この消音部材は、本体の内面から半径方向内側に向けて突出する複数の隔壁を有している。複数の隔壁は、周方向に間隔を空けて、本体の内面に配列されている。この間隔は、85mm以下である。
それぞれの隔壁の半径方向高さは、タイヤ断面高さの10%以上が好ましい。
それぞれの隔壁の軸方向幅は、タイヤ最大幅の30%以上が好ましい。
好ましくは、この消音部材の比重は、0.060より大きい。
好ましくは、この消音部材は、ゴム組成物が架橋されることにより得られる。この消音部材の硬さは、70以上が好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、
(1)予備成型によりローカバーが形成される工程、
(2)ローカバーがモールドに投入されて加圧及び加熱されることにより、その外面がトレッド面をなす本体が形成される工程
及び
(3)本体の半径方向内側に消音部材が形成される工程
を含む。この消音部材は、本体の内面から半径方向内側に向けて突出する複数の隔壁を有する。複数の隔壁は、周方向に間隔を空けて、本体の内面に配列されている。この間隔は、85mm以下である。
本発明に係る空気入りタイヤは、消音部材を備えている。この消音部材は、複数の隔壁を備えている。これらの隔壁は、適正な間隔を空けて周方向に配列されている。このタイヤの消音部材は、共振器構造を有している。このため、タイヤの内部で発生した音は隔壁によって反射される。発生した音は、反射された音と干渉する。これにより、特定の周波数(共振周波数)の音が強め合う。共振周波数以外の周波数の音は、干渉によって打ち消し合う。
本発明に係る空気入りタイヤの消音部材では、隔壁の間隔は85mm以下である。このタイヤでは、2000Hzより低い共振周波数の音が強め合う割合は小さい。このタイヤでは、2000Hzより低い周波数域にあるほとんどの音は打ち消し合う。通常、タイヤの内部では、周波数2000Hz以上の音は発生しない。従って、周波数2000Hz以上の音が強め合うことはない。このタイヤでは、広い周波数域で、ロードノイズが有効に低減され得る。このタイヤは、静粛性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤが示された断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面の一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤの本体の内面の一部が示された展開図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った断面の一部が示された断面図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図6は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図7は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。この実施形態に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
図1には、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の赤道面に沿った断面が示されている。図1において、紙面と垂直の方向がタイヤ2の軸方向である。両矢印AAで示されているのは、このタイヤ2の周方向である。
図2には、図1のII−II線に沿った断面が示されている。図2において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図2において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わしている。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、乗用車に装着される。図2に示されているように、装着のとき、タイヤ2はリム4に組み込まれる。タイヤ2とリム4とにより形成される空間に、空気が充填される。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。本明細書においては、タイヤ2とリム4とにより形成される空間はタイヤ内部とも称されている。
このタイヤ2は、本体6と、消音部材8とを備えている。図示されているように、このタイヤ2の赤道面の部分では、消音部材8は、本体6の半径方向内側に位置している。
このタイヤ2の本体6は、トレッド10、サイドウォール12、クリンチ14、ビード16、カーカス18、ベルト20、バンド22、インナーライナー24及びチェーファー26を備えている。
トレッド10は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド10は、路面と接地するトレッド面28を形成する。トレッド面28には、溝30が刻まれている。この溝30により、トレッドパターンが形成されている。トレッド10は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド10の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。
サイドウォール12は、トレッド10の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール12の半径方向外側端は、トレッド10と接合されている。このサイドウォール12の半径方向内側端は、クリンチ14と接合されている。このサイドウォール12は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール12は、カーカス18の損傷を防止する。
クリンチ14は、サイドウォール12の半径方向略内側に位置している。クリンチ14は、軸方向において、ビード16及びカーカス18よりも外側に位置している。クリンチ14は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。
ビード16は、クリンチ14の軸方向内側に位置している。ビード16は、コア32と、このコア32から半径方向外向きに延びるエイペックス34とを備えている。コア32はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス34は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス34は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス18は、カーカスプライ36からなる。カーカスプライ36は、両側のビード16の間に架け渡されており、トレッド10及びサイドウォール12に沿っている。カーカスプライ36は、コア32の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ36には、主部と折り返し部とが形成されている。
図示されていないが、カーカスプライ36は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス18はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス18が、2以上のカーカスプライから形成されてもよい。
ベルト20は、トレッド10の半径方向内側に位置している。ベルト20は、カーカス18と積層されている。ベルト20は、カーカス18を補強する。ベルト20は、内側層及び外側層からなる。図2から明らかなように、軸方向において、内側層の幅は外側層の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層及び外側層のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト20の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト20が、3以上の層を備えてもよい。
バンド22は、ベルト20の半径方向外側に位置している。図示されていないが、このバンド22は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド22は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト20が拘束されるので、ベルト20のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト20及びバンド22は、補強層を構成している。ベルト20のみから、補強層が構成されてもよい。バンド22のみから、補強層が構成されてもよい。
インナーライナー24は、カーカス18の内側に位置している。インナーライナー24は、カーカス18の内面に接合されている。インナーライナー24は、架橋ゴムからなる。インナーライナー24は、本体6の内面を形成する。インナーライナー24には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー24の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー24は、タイヤ2の内圧を保持する。
チェーファー26は、ビード16の近傍に位置している。タイヤ2がリム4に組み込まれると、このチェーファー26がリム4と当接する。この当接により、ビード16の近傍が保護される。チェーファー26は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。チェーファー26が、クリンチ14と一体に形成されてもよい。
消音部材8は、ベース42と、複数の隔壁44とを備えている。ベース42は、シート状である。ベース42は、トレッド10の内側において、インナーライナー24の半径方向内側に位置している。ベース42は、インナーライナー24に沿って周方向に延びている。複数の隔壁44は、ベース42の半径方向内側に位置している。このタイヤ2では、それぞれの隔壁44は、板状である。本発明の目的が達成される限り、隔壁44の形状は特に限定されない。それぞれの隔壁44は、ベース42から半径方向内側に向けて突出している。図1に示されるように、複数の隔壁44は、周方向に間隔を空けて配列されている。
図3は、このタイヤ2の消音部材8の一部が示された展開図である。図3において、上下方向はタイヤ2の周方向に相当する。左右方向はタイヤ2の軸方向に相当する。紙面に垂直な方向はタイヤ2の半径方向に相当する。一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を示している。図3には、ベース42に配列された隔壁B1、B2、B3、B4、B5及びB6が示されている。それぞれの隔壁44は、その幅方向が、軸方向に平行になるように配置されている。それぞれの隔壁44は、その幅方向の中点が赤道面と一致するように配置されている。
図3において、隔壁B2は、隔壁B1と間隔を空けて配置されている。隔壁B3は、隔壁B2と間隔を空けて配置されている。隔壁B4は、隔壁B3と間隔を空けて配置されている。隔壁B4は、隔壁B3と間隔を空けて配置されている。隔壁B5は、隔壁B4と間隔を空けて配置されている。隔壁B6は、隔壁B5と間隔を空けて配置されている。
図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。図4において、上下方向はタイヤ2の半径方向に相当する。左右方向はタイヤ2の周方向に相当する。紙面に垂直な方向はタイヤ2の軸方向に相当する。図4に示される両矢印dは、一の隔壁44と、これに隣接する他の隔壁44との間隔を示している。この間隔dは、図4に示された断面において測定される。このタイヤ2では、一の隔壁44の側面と、これに相対する他の隔壁44の側面との間の距離の最大値が、間隔dとされる。このタイヤ2では、消音部材8の一部をなす複数の隔壁44は、等しい間隔dで配列されている。
このタイヤ2では、内部で発生した音は隔壁44によって反射される。反射された音は、発生した音と干渉する。前述したように、このタイヤ2の消音部材8では、複数の隔壁44が等しい間隔dで配列されている。このタイヤ2の内部では、反射音と発生音との干渉によって、特定の周波数の音が強め合う。換言すれば、この消音部材8は共振器構造を有する。なお、この消音部材8によって強め合う音の周波数は共振周波数と称される。この消音部材8では、共振周波数以外の周波数の音は、干渉によって打ち消し合う。
図4において、隔壁B1と、これに隣接する隔壁B2との間で強め合う音の共振周波数f1(Hz)は、式(1)により計算される。
f1=(1000×V)÷(2×d) ・・・(1)
式(1)において、Vは音速(m/s)であり、dは隔壁44の間隔(mm)である。
図1に示される通り、このタイヤ2の内部は、消音部材8の隔壁44によって完全には仕切られていない。このタイヤ2の内部で発生する音の一部は、隣接する隔壁44を越える。このタイヤ2では、隣接する隔壁44を越えて音の干渉が生じ得る。即ち、図4に示された消音部材8を備えたタイヤ2では、隔壁B1と隔壁B3との間でも音の干渉が生じ得る。この干渉によって、隔壁B1と隔壁B3との間で強め合う音の共振周波数f2(Hz)は、式(2)により計算される。
f2=(1000×V)÷(4×d) ・・・(2)
同様にして、このタイヤ2では、隔壁B1と隔壁B4との間で音の干渉が生じ得る。隔壁B1と隔壁B5との間で音の干渉が生じ得る。隔壁B1と隔壁B6との間で音の干渉が生じ得る。隔壁B1と、B1から数えてn個目の隔壁Bnとの間で強め合う音の共振周波数fn(Hz)は、式(3)により計算される。式(3)において、nは自然数である。
fn=(1000×V)÷(2×n×d) ・・・(3)
このタイヤ2では、消音部材8により複数の共振周波数の音が強め合う。それぞれの共振周波数の音が強め合う割合は、次のように考えられる。
図4において、隔壁B1と、隔壁B3とは、一つの隔壁B2によって隔てられている。隔壁B1と隔壁B3との間で、共振周波数f2の音が強め合う割合は、隔壁B1と隔壁B2との間で、共振周波数f1の音が強め合う割合より小さい。同様に、隔壁B1と隔壁B4との間で、共振周波数f3の音が強め合う割合は、共振周波数f2の音が強め合う割合よりさらに小さい。隔壁B1と隔壁B5との間で、共振周波数f4の音が強め合う割合は、共振周波数f3の音が強め合う割合よりさらに小さい。隔壁B1と隔壁B6との間で、共振周波数f5の音が強め合う割合は、共振周波数f4の音が強め合う割合よりさらに小さい。
タイヤ2内部で発生した音が一つの隔壁44を越える割合を30%と仮定した場合、隔壁B1と、隔壁B1から数えてn個目の隔壁Bnとの間で、共振周波数fnの音が強め合う割合N(n)は、式(4)により求められる。式(4)において、nは自然数である。
N(n)=100×(0.3)(n−1) ・・・(4)
式(4)から、共振周波数f2の音が強め合う割合N(2)は30%であり、共振周波数f3の音が強め合う割合N(3)は9%であり、共振周波数f4の音が強め合う割合N(4)は2.7%であり、共振周波数f5の音が強め合う割合N(5)は0.81%である。即ち、この消音部材8では、共振周波数f1の音が強め合う割合が最も大きい。この消音部材8により強め合う音の割合は、共振周波数f2、f3、f4、f5の順に小さくなる。共振周波数f5の音が強め合う割合は、かなり小さい。
このタイヤ2が備える消音部材8では、間隔dが、85mm以下に制御されている。気温15℃において、音速Vが340(m/s)とされるとき、間隔dが85mmの消音部材8では、式(1)から、共振周波数f1は2000Hzと計算される。通常、タイヤ2の内部では、2000Hz以上の音は発生しない。このタイヤ2では、2000Hz以上の音が強め合うことはない。間隔dが85mmの消音部材8では、共振周波数f2が1000Hzであり、共振周波数f3が667Hzであり、共振周波数f4が500Hzであり、共振周波数f5が400Hzである、共振周波数f2からf5の音が強め合う割合は、共振周波数f1の音が強め合う割合より、小さい。この消音部材8を備えたタイヤ2では、2000Hzより低い共振周波数の音が強め合う割合は小さい。このタイヤ2では、共振周波数以外の周波数域にある音は、打ち消し合う。タイヤ内部の空気の共鳴振動による発生音の周波数は、約50から400Hzである。このタイヤ2の内部で発生する音が強め合う割合はかなり小さい。このタイヤ2では、ほとんどの音は打ち消し合う。このタイヤ2では、広い周波数域で、ロードノイズが低減される。このタイヤ2は静粛性に優れる。
ロードノイズをより効果的に低減するとの観点から、好ましい間隔dは、68mm以下である。式(2)から、間隔dが68mmの消音部材8では、共振周波数f2が2000Hzと計算される。この消音部材8を備えたタイヤ2では、2000Hzより低い共振周波数の音が強め合う割合は、さらに小さい。このタイヤ2の内部で発生するほとんどの音は打ち消し合う。このタイヤ2では、ロードノイズの低減効果が向上する。同様の観点から、間隔dは、51mm以下がより好ましく、34mm以下がさらに好ましく、17mm以下が特に好ましい。タイヤ2の軽量化及び製造容易との観点から、好ましい間隔dは、10mm以上である。
本発明に係るタイヤ2では、消音部材8が備える隔壁44の数は、タイヤ2のサイズによって適宜変更されうる。
隔壁44の形状は、音の反射効率に寄与する。板状の隔壁44は、音を効果的に反射する。板状の隔壁44を有する消音部材8を備えたタイヤ2では、ロードノイズの低減効果が高い。隔壁44の形状は、タイヤ2の剛性にも影響を及ぼす。板状の隔壁44の場合、軸方向におけるタイヤ2の剛性の変動が少ない。このタイヤ2が装着された車両の操縦性能は、阻害されない。
図2において、実線BLはビードベースラインを表している。このビードベースラインは、タイヤ2が装着されるリム4のリム径(JATMA参照)を規定する線である。両矢印Hは、ビードベースラインから赤道までの半径方向高さを表している。この高さHは、タイヤ断面高さである。図2において、両矢印Wで示されているのは、タイヤ最大幅Wである。本明細書において、タイヤ断面高さH及びタイヤ最大幅Wは、図2に示された断面において測定される。
図2において、両矢印wで示されるのは、隔壁44の軸方向幅である。本発明に係るタイヤ2では、隔壁44の軸方向幅wは、タイヤ最大幅Wの30%以上が好ましい。軸方向幅wが、タイヤ最大幅Wの30%以上である隔壁44は、タイヤ内部で発生する音を、効果的に反射しうる。このタイヤ2では、ロードノイズの低減効果が高い。この観点から、隔壁44の軸方向幅wは、タイヤ最大幅Wの50%以上がより好ましい。操縦性能を阻害しないとの観点及び製造容易との観点から、隔壁44の軸方向幅wは、タイヤ最大幅Wの70%以下が好ましい。本明細書において、隔壁44の軸方向幅wは、図2に示される断面において測定される。
図2において、両矢印hは、赤道面における隔壁44の半径方向高さを表している。本発明に係るタイヤ2では、隔壁44の半径方向高さhは、タイヤ断面高さHの10%以上が好ましい。半径方向高さhがタイヤ断面高さHの10%以上である隔壁44は、タイヤ内部で発生する音を、効果的に反射しうる。このタイヤ2では、ロードノイズの低減効果が高い。この観点から、隔壁44の半径方向高さhは、タイヤ断面高さHの30%以上がより好ましい。製造容易との観点から、隔壁44の半径方向高さhは、タイヤ断面高さHの50%以下が好ましい。本明細書において、隔壁44の半径方向高さhは、図2に示される断面において測定される。
図4に示されている両矢印tは、隔壁44の厚みである。ロードノイズ低減効果の向上及び耐久性の観点から、隔壁44の厚みtは2mm以上が好ましい。軽量化の観点から、厚みtは5mm以下が好ましい。本明細書において、隔壁44の厚みtは、図4に示された断面において測定される。
このタイヤ2の消音部材8の比重は、0.060より大きい。消音部材8の比重は、音の反射性能に寄与する。反射性能が大きい消音部材8を備えたタイヤ2では、ロードノイズの低減効果が高い。この観点から、より好ましい比重は、0.20以上である。軽量化の観点から、好ましい比重は、2.0以下である。消音部材8の比重は、「JIS−Z8807」の規格に準拠して、23℃において測定される。
本発明の目的が阻害されない限り、消音部材8の材質は特に限定されない。このタイヤ2では、この消音部材8が樹脂組成物を用いて形成されてもよい。この場合、樹脂組成物の基材ポリマーとして、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーが例示される。この消音部材8が、ゴム組成物を用いて形成されてもよい。この場合、このゴム組成物の基材ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が例示される。複数のゴムがブレンドされたものが基材ゴムとされてもよい。ゴム組成物には、加硫剤や加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等が適宜配合される。軽量化の観点から、この消音部材8が気泡を含むスポンジを用いて形成されてもよい。音の反射性能の観点から、この消音部材8は樹脂組成物又はゴム組成物を用いて形成されるのが好ましい。耐久性及び成形容易との観点から、この消音部材8はゴム組成物を用いて形成されるのがより好ましい。前述したように、消音部材8はベース42と隔壁44とを備えている。このベース42と隔壁44とが同じ材質とされてもよいし、このベース42と隔壁44とが異なる材質とされてもよい
消音部材8がゴム組成物を用いて形成される場合、この消音部材8の硬さは70以上が好ましい。硬さが70以上の消音部材8では、音が効果的に反射される。この観点から、硬さは80以上がより好ましい。この消音部材8の硬さは95以下が好ましい。硬さが95以下の消音部材8では、タイヤ2の剛性に対する影響が少ない。この観点から、硬さは90以下がより好ましい。本明細書において、硬さはJIS−A硬度を意味する。この硬さは、「JIS−K6253」の規定に準拠して、23℃の環境下で、タイプAのデュロメータによって測定される。より詳細には、硬さは、消音部材8の隔壁44又はベース42にタイプAのデュロメータが押し付けられることで測定される。
以上説明されたタイヤ2は、次のようにして製造される。インナーライナー24、カーカス18、ベルト20、バンド22、ビード16、クリンチ14、サイドウォール12及びトレッド10等の部材がフォーマー(図示されず)において組み合わされることにより、ローカバー(未加硫タイヤ)が得られる。このローカバーは、加硫機に供給される。図示されていないが、この加硫機は、モールドと、このモールドの内側にブラダーを備えている。
ローカバーは、開かれたモールドに投入される。投入のとき、ブラダーは収縮している。ブラダーは、ローカバーの内側に位置している。ガスの充填により、ブラダーは膨張する。モールドが締められて、ブラダーの内圧が高められる。ローカバーは、モールドのキャビティ面とブラダーの外面とに挟まれて、加圧される。ローカバーは、ブラダー及びモールドからの熱伝導により、加熱される。ローカバーのゴム組成物は、加圧と加熱とにより流動する。加熱により、ゴム組成物が架橋反応を起こして、図1に示された本体6が得られる。
消音部材8のゴム組成物を用いて、ベース42及び隔壁44が準備される。接着剤、両面テープ等の接合部材を用いて、複数の隔壁44がベース42に固定される。固定のとき、これらの隔壁44は間隔dを空けて配置される。これにより、消音部材8が得られる。ゴム組成物が、そのキャビティが消音部材8の形態に対応するモールドに投入されることにより、消音部材8が形成されても良い。この場合、消音部材8はベース42と複数の隔壁44とが一体に成形されるので、耐久性に優れる。
消音部材8は、接合部材を用いて、本体6の内面に固定される。これにより、図1に示されたタイヤ2が得られる。なお、ベース42が本体6の内面に固定された後に、複数の隔壁44が固定されてもよい。隔壁44が、直接本体6の内面に固定されることによって、このタイヤ2が得られても良い。この方法によれば、タイヤ2のサイズや形状に合わせて、容易に隔壁44の位置を設定できる。さらに別の方法として、ローカバーの内面に消音部材8が固定され、これをモールドに投入してこのタイヤ2を得てもよい。この場合、ブラダーに代えて消音部材8の形状に対応するキャビティ面を有する中子が用いられる。この方法で得られたタイヤ2では、本体6と消音部材8とが一体に成形されている。このタイヤ2は、耐久性に優れる。このタイヤ2では、長期的にロードノイズが低減される。
特に言及されない限り、本発明では、タイヤの各部材の寸法及び角度は、タイヤが正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤに空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤには荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
図5には、本発明の他の実施形態に係るタイヤ50の消音部材の一部が示されている。図5は、タイヤ50が展開された状態における赤道面に沿った断面図である。図5において、上下方向が半径方向であり、左右方向が周方向であり、紙面に垂直な方向が軸方向である。
図5に示される通り、このタイヤ50は、本体52と消音部材54とを備えている。消音部材54は、ベース56と、複数の隔壁58とを有している。このタイヤ50の構成は、隔壁58の形状が異なる以外、図1に示されたタイヤ2の構成と同じである。このタイヤ50では、それぞれの隔壁58の形状は、略直方体である。それぞれの隔壁58は、本体52の内面に対向する上部60と、軸方向に平行な二つの壁部62とを備えている。それぞれの隔壁58の赤道面に平行な面は開放されている。この隔壁58は、中空である。それぞれの壁部62の一方の面が隔壁58の表面であり、他方の面が隔壁58の裏面である。
図5に示された両矢印dは、一の隔壁58と、これに隣接する他の隔壁58との間隔である。この間隔dは、図5に示された断面において測定される。このタイヤ50では、一の隔壁58の一方の壁部62の裏面と、これに隣接する他の隔壁58の対応する壁部62の表面との間の距離の最大値が、間隔dとされる。
このタイヤ50では、消音部材54の一部である複数の隔壁58が、等しい間隔dで配列されている。この消音部材54は、共振器構造を有する。このタイヤ50の内部で発生した音は、隔壁58の表面によって反射される。反射音と発生音との干渉によって、共振周波数の音が強め合う。共振周波数以外の周波数の音は、干渉によって打ち消し合う。この消音部材54の隔壁58の間隔dは、85mm以下である。この消音部材54を備えたタイヤ50では、2000Hzより低い周波数の音が強め合う割合が小さい。このタイヤ50では、2000Hz以上の周波数の音が強め合うことはない。このタイヤ50では、広い周波数域で、ロードノイズが低減される。このタイヤ50の内部で発生した音は、隔壁58の裏面によっても反射され得る。この消音部材54は、ヘルムホルツ形共振器としても機能する。このタイヤ50のロードノイズ低減効果は、高い。このタイヤ50は、静粛性に優れる。
図5に示されている両矢印t1は、壁部62及び上部60の厚みである。耐久性の観点から、厚みt1は2mm以上が好ましい。軽量化の観点から、厚みt1は5mm以下が好ましい。
図6には、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤ70の消音部材の一部が示されている。図6は、タイヤ70が展開された状態における赤道面に沿った断面図である。図6において、上下方向が半径方向であり、左右方向が周方向であり、紙面に垂直な方向が軸方向である。
図6に示される通り、このタイヤ70は、本体72と、消音部材74とを有している。この消音部材74は、ベース76と隔壁78とを備える。このタイヤ70の構成は、隔壁78の形状が異なる以外、図1に示されたタイヤ2の構成と同じである。それぞれの隔壁78の断面の形状は、略三角形である。それぞれの隔壁78は、ベース76と接着される底面と、二つの側面からなる。この隔壁78は中空ではない。
図6に示された両矢印dは、一の隔壁78と、これに隣接する他の隔壁78との間隔である。この間隔dは、図6に示された断面において測定される。このタイヤ70では、一の隔壁78の側面と、これに相対する他の隔壁78の側面との間の距離の最大値が、間隔dとされる。
このタイヤ70では、消音部材74の一部である複数の隔壁78が、等しい間隔dで配列されている。この消音部材74は、共振器構造を有する。この消音部材74の隔壁78の間隔dは、85mm以下である。この消音部材74を備えたタイヤ70では、2000Hzより低い周波数の音が強め合う割合が小さい。このタイヤ70では、2000Hz以上の周波数の音が強め合うことはない。このタイヤ70では、広い周波数域で、ロードノイズが低減される。このタイヤ70は、静粛性に優れる。
図7には、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤ80の消音部材の一部が示されている。図7は、タイヤ80が展開された状態における赤道面に沿った断面図である。図7において、上下方向が半径方向であり、左右方向が周方向であり、紙面に垂直な方向が軸方向である。
図7に示される通り、このタイヤ80は、本体82と、消音部材84とを有している。この消音部材84は、ベース86と隔壁88とを備える。このタイヤ80の構成は、隔壁88の形状が異なる以外、図1に示されたタイヤ2の構成と同じである。複数の隔壁88の断面の形状は、波形である。それぞれの隔壁88は、ベース86と接着される底面と、曲面からなる側面を有する。この隔壁88は中空ではない。
図7に示された両矢印dは、一の隔壁88と、これに隣接する他の隔壁78との間隔である。この間隔dは、図7に示された断面において測定される。このタイヤ80では、一の隔壁88の側面と、これに相対する他の隔壁88の側面との間の距離の最大値が、間隔dとされる。
このタイヤ80では、消音部材84の一部である複数の隔壁88が、等しい間隔dで配列されている。この消音部材84は、共振器構造を有する。この消音部材84の隔壁88の間隔dは、85mm以下である。この消音部材84を備えたタイヤ80では、2000Hzより低い周波数の音が強め合う割合が小さい。このタイヤ80では、2000Hz以上の周波数の音が強め合うことはない。このタイヤ80では、広い周波数域で、ロードノイズが低減される。このタイヤ80は、静粛性に優れる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1及び図2に示された基本構成を備え、下記表3に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、215/45R17である。このタイヤの断面高さHは100mmであり、タイヤ最大幅wは220mmである。このタイヤでは、本体の内面の全周長は、1900mmである。このタイヤは、図3及び図4に示された構造の消音部材を備えている。この消音部材の周方向長さは1900mmであり、軸方向幅は110mmである。表3において、この消音部材の構造が「図4」として示されている。消音部材は、本体の内面に粘着テープにより接着された。消音部材の硬さは、70であり、比重は0.90である。この消音部材は、間隔dを空けて配列された複数の隔壁を備えている。一の隔壁と、隣接する他の隔壁との間隔dは、85mmである。この消音部材が備える隔壁の数は、21である。表3において、隔壁の高さは、タイヤ断面高さHに対する隔壁の半径方向高さhの割合(%)として示されている。このタイヤでは、隔壁の半径方向高さhは30mmである、タイヤ断面高さHの30%に相当する。表3において、隔壁の幅は、タイヤ最大幅Wに対する軸方向幅wの割合(%)として示されている。このタイヤでは、隔壁の軸方向幅wは110mmであり、タイヤ最大幅Wの50%に相当する。それぞれの隔壁の厚みtは、5mmである。このタイヤが備える消音部材の共振周波数(f1からf5)が、表1において「a」として示されている。
[比較例1及び2]
比較例1及2は、従来のタイヤである。これらのタイヤのサイズは、215/45R17である。このタイヤの断面高さHは100mmであり、タイヤ最大幅Wは220mmである。このタイヤでは、本体の内面の全周長は、1900mmである。比較例1のタイヤは、消音部材を備えていない。比較例2のタイヤは、スポンジ材からなる吸音材を備えている。この吸音材の半径方向高さは、タイヤ断面高さHの30%であり、軸方向幅は、タイヤ最大幅Wの50%以上である。この吸音材の比重は0.060である。この吸音材は、共振器構造を有していない。
[実施例2−6及び比較例3−7]
間隔d及び隔壁の個数を表3から表5に示される通りとした以外は、実施例1と同様にして、実施例2−6及び比較例3−7のタイヤを得た。それぞれのタイヤが備える消音部材の共振周波数(f1からf5)が表1及び表2において、「b」及び「f」−「n」として示されている。
[実施例7−9]
隔壁の高さを表5及び表6に示される通りとした以外は、実施例3と同様にして、実施例7−9のタイヤを得た。
[実施例10−12]
隔壁の幅を表6に示される通りとした以外は、実施例3と同様にして、実施例10−12のタイヤを得た。
[実施例13−15]
厚みt及び間隔dを表7に示される通りとした以外は、実施例3と同様にして実施例13−15のタイヤを得た。それぞれのタイヤが備える消音部材の共振周波数(f1からf5)が表1において、「c」−「e」として示されている。
[実施例16−18]
消音部材の比重を表7及び表8に示される通りとした以外は、実施例3と同様にして実施例16−18のタイヤを得た。
[実施例19]
消音部材が、熱可塑性エラストマー(JSR社製の商品名「EXCWLINK」)が射出成形されることにより形成された以外は、実施例3と同様にして実施例19のタイヤを得た。この消音部材の硬さは80であり、比重は0.89である。この消音部材の硬さは、「JIS−K7311」の規定に準拠して測定された。
[実施例20−23]
消音部材の硬さを表8及び表9に示されたる通りとした以外は、実施例3と同様にして、実施例20−23のタイヤを得た。
[実施例24]
消音部材を図5で示された構成とした以外は、実施例1と同様にして実施例24のタイヤを得た。このタイヤが備える消音部材の共振周波数(f1からf5)が、表1において「f」として示されている。この消音部材では、壁部の厚みは5mmであり、上部の厚みは5mmである。
[実施例25]
消音部材を図6で示された構成とした以外は、実施例1と同様にして実施例25のタイヤを得た。このタイヤが備える消音部材の共振周波数(f1からf5)が、表1において「f」として示されている。この消音部材では、全ての隔壁はベース上に連続して配置されている。この消音部材では、それぞれの隔壁の厚みの最大値は、隔壁の間隔dに等しい。
[実施例26]
消音部材を図7で示された構成とした以外は、実施例1と同様にして実施例26のタイヤを得た。このタイヤが備える消音部材の共振周波数(f1からf5)が、表1において「f」として示されている。この消音部材では、全ての隔壁はベース上に連続して配置されている。この消音部材では、それぞれの隔壁の厚みの最大値は、隔壁の間隔dに等しい。
[ロードノイズ測定]
タイヤをリム(サイズ17インチ×7.0J)に組み込み、このタイヤに内圧220kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000cmであるFF車に装着した。車室内における運転席窓側にマイクが設置され、粗い路面を平均速度80km/hで走行した時のロードノイズが、ロードノイズ計測器(アスファルト粗路面用)により測定された。50Hz、100Hz、200Hz、240Hz、300Hz、400Hz、1000Hz、1500Hz及び2000Hzの各周波数におけるロードノイズが測定され、消音部材を備えていない比較例1のタイヤの測定値を0とした指数値が、表3から表9に示されている。表3から表9において、比較例1よりもロードノイズが低減された場合が、負の数値として表されている。数値が小さいほど、ロードノイズ低減効果が大きい。
[総合評価]
上記ロードノイズ測定により得られた各測定周波数における指数値を合計し、下記の基準に基づいてA−Dに格付けして、タイヤの静粛性を評価した。
A:指数値の合計が、−20未満
B:指数値の合計が、−20以上−10未満
C:指数値の合計が、−10以上0未満
D:指数値の合計が、0以上
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以上の評価結果において、実施例19のタイヤでは、消音部材の一部に、本体からの剥離が観察された。実施例23のタイヤでは、タイヤの剛性が大きくなることにより乗り心地性が低下した。表3から表9に示される通り、本発明に係るタイヤでは、ロードノイズが広い周波数域で低減された。本発明に係るタイヤは、静粛性に優れる。
以上説明された方法は、様々な用途の空気入りタイヤにも適用されうる。
2、50、70、80・・・タイヤ
4・・・リム
6、52、72、82・・・本体
8、54、74、84・・・消音部材
10・・・トレッド
12・・・サイドウォール
14・・・クリンチ
16・・・ビード
18・・・カーカス
20・・・ベルト
22・・・バンド
24・・・インナーライナー
26・・・チェーファー
28・・・トレッド面
30・・・溝
32・・・コア
34・・・エイペックス
36・・・カーカスプライ
42、56、76、86・・・ベース
44、58、78、88・・・隔壁
60・・・上部
62・・・壁部

Claims (6)

  1. その外面がトレッド面をなす本体と、
    上記本体の半径方向内側に位置する消音部材とを備えており、
    上記消音部材が、上記本体の内面から半径方向内側に向けて突出する複数の隔壁を有しており、
    上記複数の隔壁が、周方向に間隔を空けて、上記本体の内面に配列されており、
    上記間隔が、85mm以下である空気入りタイヤ。
  2. 上記それぞれの隔壁の半径方向高さが、タイヤ断面高さの10%以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記それぞれの隔壁の軸方向幅が、タイヤ最大幅の30%以上である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記消音部材の比重が、0.060より大きい請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記消音部材が、ゴム組成物が架橋されることで得られたものであり、
    上記消音部材の硬さが、70以上である請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 予備成型によりローカバーが形成される工程と、
    上記ローカバーがモールドに投入されて加圧及び加熱されることにより、その外面がトレッド面をなす本体が形成される工程と、
    上記本体の半径方向内側に、消音部材が形成される工程とを含んでおり、
    上記消音部材が、上記本体の内面から半径方向内側に向けて突出する複数の隔壁を有しており、
    上記複数の隔壁が、周方向に間隔を空けて、上記本体の内面に配列されており、
    上記間隔が、85mm以下である空気入りタイヤの製造方法。
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