JP2008308089A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ質量の増加を抑え、かつ蓄熱によるタイヤ温度上昇を抑制しながらタイヤ内腔内の気柱共鳴音を減じる。
【解決手段】インナーライナ層10の内面10Sに、タイヤ軸方向にのびる複数本の細溝11をタイヤ周方向に隔設した細溝形成領域Yを具える。細溝11は、溝壁面12が、前記内面10Sの法線に対して10〜30°の角度αaで傾斜する傾斜部12Aを有する断面略V字状をなし、かつ溝深さHaを0.5〜1.5mmとしている。又前記内面10Sに、気孔径が10μm以下かつ空孔率が50%以上の多孔質材からなりかつ少なくとも細溝形成領域Yを被覆する厚さ0.2〜1.0mmの吸音層20を具える。吸音層20は、その内面20Sが前記内面10Sとほぼ平行をなすことにより、該内面20Sに、前記細溝11と同形状の凹条溝21を形成した。
【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤの質量増加を抑えながらタイヤ内腔内の気柱共鳴に起因するタイヤ騒音を低減する空気入りタイヤに関する。
タイヤ騒音の一つに、路面を走行した際に、50〜500Hzの周波数範囲で「ゴー」という音が生じるいわゆるロードノイズがあり、その主原因として、タイヤ内腔内で起こす空気の共鳴振動(気柱共鳴)が知られている。
そこで、例えば特許文献1には、インナーライナ層の内面に、気孔径10μm以下の多孔性材(例えばスポンジ)からなる吸着層を形成し、タイヤ内腔内で生じた共鳴音エネルギーを緩和、吸収することにより、タイヤ騒音を低減する技術が提案されている。
特開平2−127101号公報
しかしながらこのような吸着層にてタイヤ騒音を低減するためには、同文献1にて提案されるように、吸着層として4〜10mm程度の厚さが必要となる。そのため、例え多孔性材を用いるとはいえ、タイヤ質量の増大を招き、燃費性及び転がり抵抗性を低下させるという問題が生じる。又吸着層が厚くその蓄熱効果が高まるため、タイヤ温度が上昇するなど高速耐久性に不利を招くという問題も生じる。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、インナーライナ層の内面に、断面略V字状の複数の細溝を並設するとともに、少なくともこの細溝を並設した細溝形成領域を、厚さ0.2〜1.0mmの薄い吸音層で被覆することを基本として、タイヤ質量の増加を抑え、転がり抵抗性の低下や蓄熱によるタイヤ温度上昇を抑制しながらタイヤ内腔内の気柱共鳴に起因するタイヤ騒音を効果的に低減しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスの内側に配されるインナーライナ層とを有する空気入りタイヤであって、
前記インナーライナ層は、その内面に、タイヤ軸方向に対して10°以下の角度θaでのびる複数本の細溝をタイヤ周方向に2.0〜10.0mmの間隔を有して隔置した細溝形成領域を具え、
各前記細溝は、その溝壁面が、前記インナーライナ層の内面の法線に対して10〜30°の角度αaで傾斜する傾斜部を有する断面略V字状をなし、かつ該細溝の溝深さを0.5〜1.5mmとするとともに、
前記インナーライナ層の内面に、気孔径が10μm以下かつ空孔率が50%以上の多孔質材からなりかつ少なくとも前記細溝形成領域を被覆する厚さ0.2〜1.0mmの吸音層を具え、しかも前記吸音層は、その内面が前記インナーライナ層の内面とほぼ平行をなすことにより、該吸音層の内面に、前記細溝と同形状の凹条溝を形成したことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記細溝は、前記傾斜部の前記法線の方向の長さが0.5mm以上であることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記細溝形成領域は、タイヤ軸方向に対して60°±5°の角度θbで一方側に傾斜する複数本の第1の補助細溝と、他方側に傾斜する複数本の第2の補助細溝とを具え、
各前記第1、第2の補助細溝は、その溝壁面が、前記インナーライナ層の内面の法線に対して10〜30°の角度αbで傾斜する傾斜部を有する断面略V字状をなし、かつ各第1、第2の補助細溝の溝深さを0.5〜1.5mmとするとともに、前記第1の補助細溝間のタイヤ周方向の間隔、及び前記第2の補助細溝間のタイヤ周方向の間隔は、それぞれ4.0〜20.0mmの範囲であることを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記吸音層は、多孔質の骨材を合成ゴム系のバインダによって連結した多孔質材から形成されることを特徴としている。
本発明は叙上の如く構成されるため、後述する「発明を実施するための最良の形態」の欄で説明する如く、タイヤ質量の増加を抑え、転がり抵抗性の低下や蓄熱によるタイヤ温度上昇を抑制しながらタイヤ内腔内の気柱共鳴音を減じてタイヤ騒音を効果的に低減できる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す断面図、図2はそのタイヤ内腔面の一部を示す部分斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカスの内側に配されるインナーライナ層10とを少なくとも具える。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば75゜〜90゜の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るトロイド状のプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを有する。該プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配置されている。前記カーカスコードとしては、本例ではポリエステルコードが採用されるが、これ以外にもナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードやタイヤのカテゴリーに応じてスチールコードなども採用される。
又前記カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部にはベルト層7が配される。このベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35゜程度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成され、各ベルトコードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。ベルトコードとしては、本例ではスチールコードを採用しているが、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、芳香族ポリアミド等の高モジュラスの有機繊維コードも必要に応じて用いうる。
なおこのベルト層7の半径方向外側には、高速耐久性を高める目的で、例えばナイロン等の有機繊維のバンドコードを周方向に対して5度以下の角度で配列させたバンド層9を設けることができる。このバンド層9として、前記ベルト層7のタイヤ軸方向外端部のみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ、及びベルト層7の略全巾を覆うフルバンドプライが適宜使用できる。
次に、前記インナーライナ層10は、空気不透過性ゴムからなる厚さ0.5〜2.0mmの薄いゴム層であって、カーカス6の前記プライ本体部6aの内面に沿ってビード部4、4間を連続してのびることにより、タイヤ内腔内に充填される空気を気密に保持する。前記空気不透過性ゴムとして、例えばゴム成分100質量部中に、ブチルゴム(又はその誘導体)を60質量部以上、好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部配合させたブチル系ゴムが好適に使用できる。なおブチルゴムの誘導体としては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムが挙げられる。又前記空気不透過性ゴムとして、前記ブチルゴム(又はその誘導体)に代えて、イソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を用いることもできる。
なお前記インナーライナ層10とカーカス6との接着性を高めるために、例えばゴム成分100質量部中に、天然ゴム(NR)を60質量部以上、好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部配合させた接着性に優れるNR系ゴムからなり、かつ厚さが0.2〜1.0mm程度の薄いインスレーションゴム層を、前記インナーライナ層10とカーカス6との間に介在させることもできる。
そして、前記インナーライナ層10の内面10Sには、図2、3に示すようにタイヤ軸方向に対して10°以下の角度θaでのびる複数本の細溝11をタイヤ周方向に2.0〜10.0mmの間隔L0を有して隔設した細溝形成領域Yが設けられる。なお図3は、インナーライナ層10の内面10Sを平面に展開した概念図であり、前記間隔L0は、タイヤ赤道C上で測定した値で示される。
前記細溝形成領域Yは、少なくともトレッド接地端TEを通ってインナーライナ層10の内面10Sに直交する第1の基準線X1、X1間で定義されるトレッド内領域を含むことが好ましく、さらにはタイヤ最大幅点Pmを通ってインナーライナ層10の内面10Sに直交する第2の基準線X2、X2間で定義されるタイヤ上半分領域を含むことがより好ましい。本例では、インナーライナ層10の内面10Sの全域を細溝形成領域Yとした最も好ましい場合が提示されている。
次に、図4(A)に前記細溝11の長さ方向と直角な横断面を示すように、前記細溝11は、その溝壁面12が、前記インナーライナ層10の内面10Sの法線nに対して10〜30°の角度αaで傾斜する直線状の傾斜部12Aを有する断面略V字状をなす。なお前記細溝11の溝底13は、本例では、前記溝壁面12と滑らかに連なる円弧状をなし、これにより溝底13からのクラック等の発生を抑制している。又細溝11の、前記内面10Sからの溝深さHaは0.5〜1.5mmの範囲であって、前記傾斜部12Aにおける前記法線n方向の長さhaは0.5mm以上である。
又本例では、前記細溝形成領域Yには、前記図3に一点鎖線で示すように、タイヤ軸方向に対して60°±5°の角度θbで一方側(本例では右上がり)に傾斜する複数本の第1の補助細溝15と、他方側(本例では左上がり)に傾斜する複数本の第2の補助細溝16とが配される。なお図2では、便宜上、補助細溝15、16を削除したものが描かれている。前記第1の補助細溝15、15間のタイヤ周方向の間隔L1、及び前記第2の補助細溝16、16間のタイヤ周方向の間隔L2は、それぞれ4.0〜20.0mmの範囲であって、本例では前記間隔L1、L2がそれぞれ前記間隔L0の2.0倍とすることにより、前記細溝11と、第1、第2の補助細溝15、16とにより、前記細溝形成領域Yを複数の三角形部YAに区分している。
前記第1、第2の補助細溝15、16は、図5(A)に示すように、前記細溝11と同様、その溝壁面17が、前記インナーライナ層10の内面10Sの法線nに対して10〜30°の角度αbで傾斜する直線状の傾斜部17Aを有する断面略V字状をなす。又第1、第2の補助細溝15、16の前記内面10Sからの溝深さHbは0.5〜1.5mmであって、又前記傾斜部17Aにおける前記法線n方向の長さhbは0.5mm以上に設定される。本例では、前記第1、第2の補助細溝15、16と前記細溝11とが、同断面形状で形成された場合が示されているが、補助細溝15と補助細溝16と細溝11とは、前記範囲内において前記角度αa、αb及び溝深さHa、Hbを互いに相違させることもできる。
又前記インナーライナ層10の内面10Sには、少なくとも前記細溝形成領域Yの全域を被覆する厚さtが0.2〜1.0mmの薄い吸音層20が配される。この吸音層20は、気孔径が10μm以下かつ空孔率が50%以上の多孔質材からなり、図4(B)、5(B)に示すように、前記吸音層20の内面20Sが前記インナーライナ層10の内面10Sとほぼ平行をなすことにより、該吸音層20の内面20Sに、前記細溝11と同形状の凹条溝21、及び前記第1、第2の補助細溝15、16と同形状の凹条溝22、23をそれぞれ形成している。即ち、前記凹条溝21、22、23では、それぞれ、溝壁面24が前記内面20Sの法線nに対して10〜30°の角度γで傾斜する傾斜部24Aを有する断面略V字状をなし、かつ前記内面20Sからの溝深さHcを0.5〜1.5mmとしている。なお前記傾斜部24Aの前記法線n方向の長さhcは0.5mm以上である。
本例では、前記吸音層20として、多孔質の骨材を、合成ゴム系のバインダ(結合材)によって連結した多孔質材により形成している。前記骨材としては、例えば焼成発泡させたセラミック系の多孔質骨材が好適に使用できる。このような吸音層20は、例えば細溝11及び第1、第2の補助細溝15、16を形成した既加硫タイヤの内面10Sに、前記骨材と合成ゴム系のバインダとを含む塗剤を、例えばスプレーガンなどを用いて均一に吹き付け塗布することによって形成することができる。
次に、本実施形態の空気入りタイヤ1の作用効果について説明する。タイヤでは、走行時に受ける路面からの衝撃によって、タイヤ内腔内の空気が共鳴振動(気柱共鳴)を起こし、これに起因してロードノイズが発生する。このとき空気の振動波は、タイヤ内腔面で反射しながらタイヤ内腔内を伝播する。
このとき本実施形態の空気入りタイヤでは、図6(A)に略示するように、吸音層20の内面20Sに、断面略V字状の凹条溝21を形成している。この凹条溝21は、溝壁面24が30°以下の小角度γで傾斜するため、前記凹条溝21内に入射した振動波Jは、溝壁面24にて複数回反射しながら凹条溝21外に出射するとともに、このとき振動波Jは細溝11内で互いに交差して干渉し合う。その結果、振動波Jは、お互いの干渉によってそのエネルギーを低減させるとともに、反射の回数が増加するため、反射によるエネルギー低減効果も高まる。しかも吸音層20自体が多孔質材で形成されるため、反射毎のエネルギー低減率も高くなる。
さらに前記インナーライナ層10の内面10Sにも、前記凹条溝21と同形状の細溝11が形成される。従って、例えば振動波Jが薄い吸音層20を通過した場合にも、前記細溝11の溝壁面12によって、同様の反射作用が生まれ、振動波同士の干渉効果、反射回数の増加による反射エネルギーの低減効果が奏される。そしてこれら凹条溝21と細溝11との相乗作用により、前記吸音層20の厚さtを1.0mm以下としながらも、共鳴振動のエネルギーを大幅に減じうる。又前記厚さtが1.0mm以下であることにより、タイヤ質量の増加を低く抑えるとともに、蓄熱による温度上昇を抑制しうる。なお前記細溝11、補助細溝15、16によっても、吸音層20による質量増加がある程度相殺される。
このとき、前記細溝11、凹条溝21の各深さHa、Hcは、それぞれ0.5〜1.5mmの範囲であり、又前記傾斜部12A、24Aの長さha、hcは、それぞれ0.5mm以上である。各深さHa、Hc及び長さha、hcが0.5mmを下回ると、前述の細溝11、凹条溝21による効果が充分発揮されなくなる。逆に前記深さHa、Hcが1.5mmを超える、特に深さHaが1.5mmを超えると、細溝11の溝底13におけるインナーライナ層10のゴム厚さが過小となって、タイヤの気密性を維持することが難しくなる。
なお図6(B)に略示するように、凹条溝21の溝壁面24や細溝11の溝壁面12の傾斜角度γ、αaが30°より大きい場合には、凹条溝21(及び細溝11)内に入射した振動波Jが、溝壁面24(及び溝壁面12)にて反射する回数が減じるとともに、互いの交差がなくなり、振動波同士の干渉効果、及び反射によるエネルギー低減効果が充分に発揮されなくなる。
他方、前記傾斜角度γ、αaがそれぞれ10°未満では、凹条溝21および細溝11の巾が小となり、振動波Jが凹条溝21及び細溝11内に入射しにくくなるため、共鳴振動のエネルギー低減効果が充分に発揮されなくなる。
又同様の理由により、前記細溝11、11間のタイヤ周方向の間隔L0は10.0mm以下であり、これを超えると、振動波Jが凹条溝21及び細溝11内に入射する機会が減り、共鳴振動のエネルギー低減効果が充分発揮されなくなる。なお前記間隔L0の下限値は2.0mm以下であり、これを下回ると、タイヤの気密性が低下するという不利を招く。
ここで、前記細溝11及び凹条溝21は、タイヤ周方向の振動波に対してのエネルギー低減効果が高い反面、それ以外の例えばタイヤ軸方向の振動波に対してのエネルギー低減効果が低い。そのため、本例では、タイヤ周方向以外の振動波に対するエネルギー低減効果も高めて、ロードノイズを総合的に減じるために、前記補助細溝15、16及びそれに基づく凹条溝22、23を形成している。この補助細溝15、16及び凹条溝22、23は、前記細溝11及び凹条溝21と同様、振動波に対するエネルギー低減効果を奏することができる。そのため、前記補助細溝15、16における溝壁面17の角度αb、深さHb及び傾斜部17Aの長さhb、並びに前記凹条溝22、23における溝壁面24の角度γ、深さHc及びその傾斜部24Aの長さhcは、前記細溝11における溝壁面12の角度αa、深さHa及びその傾斜部12Aの長さha、並びに前記凹条溝21における溝壁面24の角度γ、深さHc及びその傾斜部24Aの長さhcとは、それぞれ同じ理由により前述の範囲に設定している。
なお前記補助細溝15、16のタイヤ軸方向に対する前記角度βbが、60°±5°の範囲から外れると、各方向の振動波に対してエネルギー低減効果をバランス良く発揮することができず、ロードノイズのさらなる低減効果が見込めなくなる。
又前記吸音層20における気孔径が10μmを上回る場合、空孔率が50%を下回る場合、及び吸音層20の厚さtが0.2mmを下回る場合には、吸音層20による吸音効果が減じるため、エネルギー低減効果が充分に発揮されなくなる。又吸音層20の厚さtが1.0mmを超えると、タイヤ質量の不必要な増加を招き、燃費性を低下させるとともに、吸音層20による蓄熱効果が高まるため高速耐久性に不利を招く。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の内部構造を有するタイヤサイズ245/45R18の乗用車用ラジアルタイヤを表1の仕様にて試作するとともに、該試供タイヤの気柱共鳴音、タイヤ質量、及び転がり抵抗を測定しその結果を表1に示す。
なお実施例、比較例において細溝のタイヤ軸方向に対する角度θaは0°であり、補助細溝のタイヤ軸方向に対する角度θbは60°としている。又細溝形成領域Yは、タイヤ内腔面の全域に設けられている。又吸音層は、焼成発泡させたセラミック系の多孔質骨材と、合成ゴム系のバインダ(結合材)とを含む塗剤を、スプレーガンを用いて吹き付け塗布することによって形成した。なお均一な吹き付けにより、吸音層の内面に、前記細溝および補助細溝と同形状の凹条溝を形成している。
(1)気柱共鳴音:
試供タイヤをリム(18×8J)、内圧(230kPa)の条件にて、車両1(国産4600cc、FR車)の全輪に装着し、ロードノイズ計測路(アスファルト粗面路)を速度60km/hで走行させたときの車内騒音を運転席窓側耳許位置に設置したマイクロホンで採取し、狭帯域240Hz付近の気柱共鳴音のピーク値の音圧レベルを測定した。評価は、従来例を100としてた指数で示し、数値が大きいほど良好である。
(2)タイヤ質量:
タイヤ1本当たりの質量を測定し、従来例を100とする指数で表示している。数値が小なほど軽量である。
(3)転がり抵抗:
転がり抵抗試験機を用い、下記の条件での転がり抵抗を測定した。評価は、従来例を100とする指数で表示しており、数値が小なほど転がり抵抗が小さく良好である。
リム:18×8J
内圧:230kPa
荷重:4.5kN
速度:80km/h
Figure 2008308089
Figure 2008308089
実施例のタイヤは、質量増加、転がり抵抗の低下などを招くことなく、気柱共鳴音を大幅に低減しているのが確認できる。
本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 タイヤ内腔面を細溝とともに示す斜視図である。 タイヤ内腔面を平面に展開して細溝の配列状態を示す概念図である。 (A)は細溝の断面形状を示す断面図、(B)は細溝を吸音層とともに示す断面図である。 (A)は補助細溝の断面形状を示す断面図、(B)は補助細溝を吸音層とともに示す断面図である。 (A)、(B)は、細溝の効果を説明する作用図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
10 インナーライナ層
10S 内面
11 細溝
12 溝壁面
12A 傾斜部
15 第1の補助細溝
16 第2の補助細溝
20 吸音層
20S 内面
21 凹条溝
24 溝壁面
24A 傾斜部
Y 細溝形成領域

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスの内側に配されるインナーライナ層とを有する空気入りタイヤであって、
    前記インナーライナ層は、その内面に、タイヤ軸方向に対して10°以下の角度θaでのびる複数本の細溝をタイヤ周方向に2.0〜10.0mmの間隔を有して隔置した細溝形成領域を具え、
    各前記細溝は、その溝壁面が、前記インナーライナ層の内面の法線に対して10〜30°の角度αaで傾斜する傾斜部を有する断面略V字状をなし、かつ該細溝の溝深さを0.5〜1.5mmとするとともに、
    前記インナーライナ層の内面に、気孔径が10μm以下かつ空孔率が50%以上の多孔質材からなりかつ少なくとも前記細溝形成領域を被覆する厚さ0.2〜1.0mmの吸音層を具え、しかも前記吸音層は、その内面が前記インナーライナ層の内面とほぼ平行をなすことにより、該吸音層の内面に、前記細溝と同形状の凹条溝を形成したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記細溝は、前記傾斜部の前記法線の方向の長さが0.5mm以上であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記細溝形成領域は、タイヤ軸方向に対して60°±5°の角度θbで一方側に傾斜する複数本の第1の補助細溝と、他方側に傾斜する複数本の第2の補助細溝とを具え、
    各前記第1、第2の補助細溝は、その溝壁面が、前記インナーライナ層の内面の法線に対して10〜30°の角度αbで傾斜する傾斜部を有する断面略V字状をなし、かつ各第1、第2の補助細の溝深さを0.5〜1.5mmとするとともに、前記第1の補助細溝間のタイヤ周方向の間隔、及び前記第2の補助細溝間のタイヤ周方向の間隔は、それぞれ4.0〜20.0mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記吸音層は、多孔質の骨材を合成ゴム系のバインダによって連結した多孔質材から形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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