JP2000043518A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
- Publication number
- JP2000043518A JP2000043518A JP10211043A JP21104398A JP2000043518A JP 2000043518 A JP2000043518 A JP 2000043518A JP 10211043 A JP10211043 A JP 10211043A JP 21104398 A JP21104398 A JP 21104398A JP 2000043518 A JP2000043518 A JP 2000043518A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt
- tire
- auxiliary layer
- layers
- cords
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 充填空気圧の消失時の走行耐久性を損ねるこ
となく、通常走行時の車室内騒音を低減させる。 【解決手段】 ビードコア４間に延びるコードの二プラ
イ５ａ，５ｂからなる、カーカス５の外周側に、層間で
コードが相互に交差する二層のベルト層６ａ，６ｂから
なるベルト６を配設し、このベルト６の外周側で、実質
上タイヤ周方向に延びるコードよりなる二層のベルト補
助層７ａ，７ｂを配設するとともに、カーカス５の内周
側に、ラジアル断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴム
９を設け、前記ベルト補助層７ａ，７ｂを、５０±５℃
における１．４ｇｆ／ｄの荷重下での伸度を２．７％以
下とするとともに、１７０±５℃における０．７ｇｆ／
ｄの荷重下での伸度を１．５〜６．０％とした有機繊維
コードにより構成する。
となく、通常走行時の車室内騒音を低減させる。 【解決手段】 ビードコア４間に延びるコードの二プラ
イ５ａ，５ｂからなる、カーカス５の外周側に、層間で
コードが相互に交差する二層のベルト層６ａ，６ｂから
なるベルト６を配設し、このベルト６の外周側で、実質
上タイヤ周方向に延びるコードよりなる二層のベルト補
助層７ａ，７ｂを配設するとともに、カーカス５の内周
側に、ラジアル断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴム
９を設け、前記ベルト補助層７ａ，７ｂを、５０±５℃
における１．４ｇｆ／ｄの荷重下での伸度を２．７％以
下とするとともに、１７０±５℃における０．７ｇｆ／
ｄの荷重下での伸度を１．５〜６．０％とした有機繊維
コードにより構成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りラジア
ルタイヤ、なかでもとくに、パンクなどによって充填空
気圧が零もしくは微圧状態にまで減少してなお、所定距
離の走行を可能ならしめる、いわゆるランフラットタイ
プのラジアルタイヤに関し、パンク状態での走行時のす
ぐれた耐久性の確保を併せて、空気圧の充填状態での走
行時の車室内騒音の低減を実現するものである。
ルタイヤ、なかでもとくに、パンクなどによって充填空
気圧が零もしくは微圧状態にまで減少してなお、所定距
離の走行を可能ならしめる、いわゆるランフラットタイ
プのラジアルタイヤに関し、パンク状態での走行時のす
ぐれた耐久性の確保を併せて、空気圧の充填状態での走
行時の車室内騒音の低減を実現するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来のこの種ラジアルタイヤの代表的な
ものとしては、サイドウォール部の内周面全体を、ほぼ
三日月状のラジアル断面形状を有する比較的高硬度の補
強ゴムによって補強するとともに、ベルトを、パンク防
止機能等の発揮を企図して、金属コードからなる複数の
ベルト層をもって強固に構成したものがあり、また、こ
れに加えて、ベルトの外周側に、実質的にタイプ周方向
に延びる、熱収縮性の比較的高いナイロンコード等から
なるベルト補助層の少なくとも一層を、ベルトをそれの
ほぼ全幅にわたって覆った状態で配設したものもある。
これらのラジアルタイヤはいずれも、充填空気圧がたと
え零となっても、とくには、サイドウォール部に配設し
た補強ゴムによって荷重を支持することで、車両の、特
定の速度での、安全地帯までの所定距離の走行を可能な
らしめる。
ものとしては、サイドウォール部の内周面全体を、ほぼ
三日月状のラジアル断面形状を有する比較的高硬度の補
強ゴムによって補強するとともに、ベルトを、パンク防
止機能等の発揮を企図して、金属コードからなる複数の
ベルト層をもって強固に構成したものがあり、また、こ
れに加えて、ベルトの外周側に、実質的にタイプ周方向
に延びる、熱収縮性の比較的高いナイロンコード等から
なるベルト補助層の少なくとも一層を、ベルトをそれの
ほぼ全幅にわたって覆った状態で配設したものもある。
これらのラジアルタイヤはいずれも、充填空気圧がたと
え零となっても、とくには、サイドウォール部に配設し
た補強ゴムによって荷重を支持することで、車両の、特
定の速度での、安全地帯までの所定距離の走行を可能な
らしめる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サイドウォ
ール部の内周面の全体を、比較的高硬度の補強ゴムによ
って補強したこのような従来タイヤでは、タイヤの縦ば
ね定数が必然的に高くなるため、そこへの適正空気圧の
充填状態、すなわち通常状態で、凹凸の存在する路面上
を走行する場合には、タイヤの振動伝達率が高くなり、
これがため、前記凹凸の存在に起因する、１００〜５０
０Ｈｚ程度の周波数帯域の車室内騒音の増加が余儀なく
されるという問題があった。
ール部の内周面の全体を、比較的高硬度の補強ゴムによ
って補強したこのような従来タイヤでは、タイヤの縦ば
ね定数が必然的に高くなるため、そこへの適正空気圧の
充填状態、すなわち通常状態で、凹凸の存在する路面上
を走行する場合には、タイヤの振動伝達率が高くなり、
これがため、前記凹凸の存在に起因する、１００〜５０
０Ｈｚ程度の周波数帯域の車室内騒音の増加が余儀なく
されるという問題があった。
【０００４】この発明は、従来技術が抱えるこのような
問題点を解決することを課題とするものであり、それの
目的とするところは、充填空気圧の消失時の走行耐久性
を損ねることなしに、通常状態の下での走行時の、路面
の凹凸の存在に起因する車室内騒音を有効に低減して、
車室内の居住性を向上させた空気入りラジアルタイヤを
提供するにある。
問題点を解決することを課題とするものであり、それの
目的とするところは、充填空気圧の消失時の走行耐久性
を損ねることなしに、通常状態の下での走行時の、路面
の凹凸の存在に起因する車室内騒音を有効に低減して、
車室内の居住性を向上させた空気入りラジアルタイヤを
提供するにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この発明の空気入りラジ
アルタイヤは、一対のビード部に設けたビードコアの相
互間に延在するラジアル配列のコードの少なくとも一プ
ライからなり、側部をビードコアの周りで内側から外側
へ巻上げたカーカスのクラウン部の外周側に、タイヤ周
方向に対して比較的小さな角度で延びるコードよりな
り、層間でコードが相互に交差する少なくとも二層のベ
ルト層からなるベルトを配設し、このベルトのさらに外
周側で、少なくともベルトの両側部域に、実質上タイヤ
周方向に延びるコードよりなり、たとえば、少なくとも
一本のコードをベルトの周りに所要の密度でヘリカルに
巻き付けた巻回構造を有する一層以上のベルト補助層を
配設するとともに、カーカスの内周側に、ビード部から
サイドウォール部を経てトレッド部に至る、ラジアル断
面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴムを設けたものであ
り、前記ベルト補助層を有機繊維コードにより構成し、
この有機繊維コードの、５０±５℃における１．４ｇｆ
／ｄの荷重下での伸度を２．７％以下とするとともに、
１７０±５℃における０．７ｇｆ／ｄの荷重下での伸度
を１．５〜６．０％としたものである。
アルタイヤは、一対のビード部に設けたビードコアの相
互間に延在するラジアル配列のコードの少なくとも一プ
ライからなり、側部をビードコアの周りで内側から外側
へ巻上げたカーカスのクラウン部の外周側に、タイヤ周
方向に対して比較的小さな角度で延びるコードよりな
り、層間でコードが相互に交差する少なくとも二層のベ
ルト層からなるベルトを配設し、このベルトのさらに外
周側で、少なくともベルトの両側部域に、実質上タイヤ
周方向に延びるコードよりなり、たとえば、少なくとも
一本のコードをベルトの周りに所要の密度でヘリカルに
巻き付けた巻回構造を有する一層以上のベルト補助層を
配設するとともに、カーカスの内周側に、ビード部から
サイドウォール部を経てトレッド部に至る、ラジアル断
面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴムを設けたものであ
り、前記ベルト補助層を有機繊維コードにより構成し、
この有機繊維コードの、５０±５℃における１．４ｇｆ
／ｄの荷重下での伸度を２．７％以下とするとともに、
１７０±５℃における０．７ｇｆ／ｄの荷重下での伸度
を１．５〜６．０％としたものである。
【０００６】この空気入りラジアルタイヤでは、とくに
は、ベルト補助層を構成する有機繊維コードの、５０±
５℃における１．４ｇｆ／ｄの荷重下での伸度を２．７
％以下とし、また、１７０±５℃における０．７ｇｆ／
ｄの荷重下での伸度を１．５〜６．０％としてその有機
繊維コードの伸度を、従来タイヤのベルト補助層を構成
しているナイロンコード等の有機繊維コードのそれより
小さくすることでベルト補助層、ひいては、ベルトおよ
びベルト補助層を含むベルト構造部の全体剛性を従来タ
イヤより高めることができる。
は、ベルト補助層を構成する有機繊維コードの、５０±
５℃における１．４ｇｆ／ｄの荷重下での伸度を２．７
％以下とし、また、１７０±５℃における０．７ｇｆ／
ｄの荷重下での伸度を１．５〜６．０％としてその有機
繊維コードの伸度を、従来タイヤのベルト補助層を構成
しているナイロンコード等の有機繊維コードのそれより
小さくすることでベルト補助層、ひいては、ベルトおよ
びベルト補助層を含むベルト構造部の全体剛性を従来タ
イヤより高めることができる。
【０００７】ところで、凹凸の存在する荒れた路面を走
行する場合の車室内騒音の主たる周波数成分は１００〜
５００Ｈｚの帯域のものであり、かかる騒音は、車両が
凹凸路面を走行する際の振動が、タイヤからサスペンシ
ョン装置を経て車体に伝播されることに起因して発生す
るものであるので、その騒音の低減のためには、タイヤ
のベルト構造部の振動を抑制することおよび、サイドウ
ォール部の振動伝達率を低下させることが有効であり、
ここで、ベルト構造部の振動の抑制は、そのベルト構造
部の剛性を高め、それによってベルト構造部で、路面の
凹凸に追従してベルト等が変形するのを抑制して、サイ
ドウォール部への振動伝達を低減することにより、ま
た、サイドウォール部の振動伝達率の低下は、サイドウ
ォール部の、タイヤ半径方向の柔軟性を高めて、タイヤ
への振動入力をサイドウォール部の変形をもって吸収す
ることで、それぞれ実現されることになる。
行する場合の車室内騒音の主たる周波数成分は１００〜
５００Ｈｚの帯域のものであり、かかる騒音は、車両が
凹凸路面を走行する際の振動が、タイヤからサスペンシ
ョン装置を経て車体に伝播されることに起因して発生す
るものであるので、その騒音の低減のためには、タイヤ
のベルト構造部の振動を抑制することおよび、サイドウ
ォール部の振動伝達率を低下させることが有効であり、
ここで、ベルト構造部の振動の抑制は、そのベルト構造
部の剛性を高め、それによってベルト構造部で、路面の
凹凸に追従してベルト等が変形するのを抑制して、サイ
ドウォール部への振動伝達を低減することにより、ま
た、サイドウォール部の振動伝達率の低下は、サイドウ
ォール部の、タイヤ半径方向の柔軟性を高めて、タイヤ
への振動入力をサイドウォール部の変形をもって吸収す
ることで、それぞれ実現されることになる。
【０００８】従って、この発明に係るラジアルタイヤの
ように、ベルト構造部の全体剛性を、従来タイヤのそれ
より高めた場合には、そのベルト構造部の振動が有効に
抑制されることになり、その結果として、車室内騒音が
低減されることになる。
ように、ベルト構造部の全体剛性を、従来タイヤのそれ
より高めた場合には、そのベルト構造部の振動が有効に
抑制されることになり、その結果として、車室内騒音が
低減されることになる。
【０００９】なおここで、有機繊維コードの伸度を、５
０±５℃および１７０±５℃のそれぞれの温度で特定す
るのは、車両に装着して速度５０〜１００ｋｍ／ｈで実
車走行したときのベルト補助層の温度が約５０℃になる
ことを考慮するとともに、タイヤ製造時の加硫工程での
タイヤ内部温度が約１７０°になることを考慮したもの
である。また、前者の伸度を２．７％以下とするのは、
車室内騒音低減が０．５ｄＢ以上低減可能なコードの剛
性を実現するためであり、荷重条件を１．４ｇｆ／ｄと
するのは、タイヤ内圧を充填して、荷重をかけたとき
の、ベルト補助層にかかる張力の、コード１本分の荷重
を考慮したものである。一方、後者の伸度を１．５〜
６．０％の範囲とするのは、加硫工程で製造上必要なコ
ードの伸びを許容するためであり、そのときの荷重条件
を０．７ｇｆ／ｄとするのは、製造時にかける内圧によ
るコード１本当たりの張力を考慮したものである。
０±５℃および１７０±５℃のそれぞれの温度で特定す
るのは、車両に装着して速度５０〜１００ｋｍ／ｈで実
車走行したときのベルト補助層の温度が約５０℃になる
ことを考慮するとともに、タイヤ製造時の加硫工程での
タイヤ内部温度が約１７０°になることを考慮したもの
である。また、前者の伸度を２．７％以下とするのは、
車室内騒音低減が０．５ｄＢ以上低減可能なコードの剛
性を実現するためであり、荷重条件を１．４ｇｆ／ｄと
するのは、タイヤ内圧を充填して、荷重をかけたとき
の、ベルト補助層にかかる張力の、コード１本分の荷重
を考慮したものである。一方、後者の伸度を１．５〜
６．０％の範囲とするのは、加硫工程で製造上必要なコ
ードの伸びを許容するためであり、そのときの荷重条件
を０．７ｇｆ／ｄとするのは、製造時にかける内圧によ
るコード１本当たりの張力を考慮したものである。
【００１０】ここにおいて、より好ましくは、ベルト補
助層を構成する有機繊維コードの少なくとも一部、いい
かえれば、ベルト幅の少なくとも１０％に相当するベル
ト補助層部分を構成する有機繊維コードを、ポリエチレ
ン−２，６−ナフタレート繊維にて構成する。ここでと
くに、ポリエチレン−２，６−ナフタレート繊維を選択
するのは、アラミド繊維等に比し、１７０℃での伸度を
確保しつつ、５０℃での伸度の抑制が可能であることに
よる。従って、この選択繊維は、それを有機繊維コード
の少なくとも一部として用いることにより、１７０℃で
の伸びが確保できるため、通常のナイロンコードと同じ
製造設備を用いてタイヤ製造が可能となって、コストが
削減できる。また、５０℃での伸度が小さいため、車室
内騒音の低減効果が大きい。
助層を構成する有機繊維コードの少なくとも一部、いい
かえれば、ベルト幅の少なくとも１０％に相当するベル
ト補助層部分を構成する有機繊維コードを、ポリエチレ
ン−２，６−ナフタレート繊維にて構成する。ここでと
くに、ポリエチレン−２，６−ナフタレート繊維を選択
するのは、アラミド繊維等に比し、１７０℃での伸度を
確保しつつ、５０℃での伸度の抑制が可能であることに
よる。従って、この選択繊維は、それを有機繊維コード
の少なくとも一部として用いることにより、１７０℃で
の伸びが確保できるため、通常のナイロンコードと同じ
製造設備を用いてタイヤ製造が可能となって、コストが
削減できる。また、５０℃での伸度が小さいため、車室
内騒音の低減効果が大きい。
【００１１】そして、このタイヤにおいてさらに好まし
くは、少なくとも一層のベルト補助層を、ベルトをそれ
のほぼ全幅にわたって覆うものとする。ベルト補助層の
このような構造によれば、たとえば、一層のベルト補助
層の幅方向の中央部分を省いて、それのベルト補助層
が、ベルトのそれぞれの側部域だけを覆うものとした場
合に比して、車室内騒音の一層の低減効果が（０．３ｄ
Ｂ以上）期待でき、また、ベルトの剛性増加により、ラ
ンフラット走行時の耐久性も向上する。
くは、少なくとも一層のベルト補助層を、ベルトをそれ
のほぼ全幅にわたって覆うものとする。ベルト補助層の
このような構造によれば、たとえば、一層のベルト補助
層の幅方向の中央部分を省いて、それのベルト補助層
が、ベルトのそれぞれの側部域だけを覆うものとした場
合に比して、車室内騒音の一層の低減効果が（０．３ｄ
Ｂ以上）期待でき、また、ベルトの剛性増加により、ラ
ンフラット走行時の耐久性も向上する。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図１はこの発明の
実施の形態を、タイヤのラジアル断面の半部について示
す図であり、図中１は、タイヤの半径方向内端部分に位
置するビード部を示し、対をなすそれぞれのビード部１
は、これも対をなすそれぞれのサイドウォール部２を介
してトレッド部３に連続する。
面に示すところに基づいて説明する。図１はこの発明の
実施の形態を、タイヤのラジアル断面の半部について示
す図であり、図中１は、タイヤの半径方向内端部分に位
置するビード部を示し、対をなすそれぞれのビード部１
は、これも対をなすそれぞれのサイドウォール部２を介
してトレッド部３に連続する。
【００１３】このタイヤは、両ビード部１に配設したそ
れぞれのビードコア４の周りで、それぞれの側部を内側
から外側へ巻上げたカーカス５を具えるものであり、こ
のカーカス５は、ラジアル配列のコードの少なくとも一
プライ、図では二プライ５ａ，５ｂよりなる。
れぞれのビードコア４の周りで、それぞれの側部を内側
から外側へ巻上げたカーカス５を具えるものであり、こ
のカーカス５は、ラジアル配列のコードの少なくとも一
プライ、図では二プライ５ａ，５ｂよりなる。
【００１４】このようなカーカス５のクラウン部の外周
側には、タイヤ周方向に対して比較的小さな角度をなし
て延びるコードよりなり、層間でコードが相互に交差す
る少なくとも二層のベルト層６ａ，６ｂからなるベルト
６を配設し、このベルト６のさらに外周側に、ベルト６
をそれの全幅にわたって覆う第１層目のベルト補助層７
ａと、このベルト補助層７ａの側部域のみを覆う第２層
目のベルト補助層７ｂとを配設する。
側には、タイヤ周方向に対して比較的小さな角度をなし
て延びるコードよりなり、層間でコードが相互に交差す
る少なくとも二層のベルト層６ａ，６ｂからなるベルト
６を配設し、このベルト６のさらに外周側に、ベルト６
をそれの全幅にわたって覆う第１層目のベルト補助層７
ａと、このベルト補助層７ａの側部域のみを覆う第２層
目のベルト補助層７ｂとを配設する。
【００１５】ここで、両ベルト補助層７ａ、７ｂはとも
に、５０±５℃における１．４ｇｆ／ｄの荷重下での伸
度が２．７％以下で、１７０±５℃における０．７ｇｆ
／ｄの荷重下での伸度が１．５〜６．０％の範囲の有機
繊維コード、より好ましくは、少なくとも一部にポリエ
チレン−２，６−ナフタレート繊維を含む、有機繊維コ
ードを実質上タイヤ周方向に延在させて設けてなり、か
かる構成は、たとえば、ゴム被覆した一本もしくは複数
本の有機繊維コードを、ベルト６の外周側で、所要のベ
ルト補助層の一側から他側に向けてヘリカルに巻回する
ことにより実現することができ、これによれば、ベルト
補助層７ａ，７ｂのそれぞれから、周方向の特定位置
で、それらの全幅にわたって延びる有機繊維コードの重
ね合わせ接合部を取り除くことができる利点がある。
に、５０±５℃における１．４ｇｆ／ｄの荷重下での伸
度が２．７％以下で、１７０±５℃における０．７ｇｆ
／ｄの荷重下での伸度が１．５〜６．０％の範囲の有機
繊維コード、より好ましくは、少なくとも一部にポリエ
チレン−２，６−ナフタレート繊維を含む、有機繊維コ
ードを実質上タイヤ周方向に延在させて設けてなり、か
かる構成は、たとえば、ゴム被覆した一本もしくは複数
本の有機繊維コードを、ベルト６の外周側で、所要のベ
ルト補助層の一側から他側に向けてヘリカルに巻回する
ことにより実現することができ、これによれば、ベルト
補助層７ａ，７ｂのそれぞれから、周方向の特定位置
で、それらの全幅にわたって延びる有機繊維コードの重
ね合わせ接合部を取り除くことができる利点がある。
【００１６】そしてさらには、カーカス５の内周側で、
インナーライナゴム８より外周側の位置に、ビード部１
からサイドウォール部２を経てトレッド部３に至る、ラ
ジアル断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴム９を設け
る。
インナーライナゴム８より外周側の位置に、ビード部１
からサイドウォール部２を経てトレッド部３に至る、ラ
ジアル断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴム９を設け
る。
【００１７】なお、このようなラジアルタイヤにおい
て、ベルト補助層を図２に示すように、上述した第１層
目のベルト補助層７ａに相当する層のみにて構成するこ
と、または、第２層目のベルト補助層７ｂに相当する層
のみにて構成することも可能であり、さらには、そのベ
ルト補助層構造を、図３に示すように、第２層目のベル
ト補助層７ｂの側部域に、そのベルト補助層７ｂより狭
幅の第３層目のベルト補助層７ｃをさらに積層した構造
のものとすることもできる。
て、ベルト補助層を図２に示すように、上述した第１層
目のベルト補助層７ａに相当する層のみにて構成するこ
と、または、第２層目のベルト補助層７ｂに相当する層
のみにて構成することも可能であり、さらには、そのベ
ルト補助層構造を、図３に示すように、第２層目のベル
ト補助層７ｂの側部域に、そのベルト補助層７ｂより狭
幅の第３層目のベルト補助層７ｃをさらに積層した構造
のものとすることもできる。
【００１８】このように構成してなる空気入りラジアル
タイヤでは、とくには、ベルト補助層を構成する有機繊
維コードの、特定温度条件下での、特定荷重に対するそ
れぞれの伸度を限定することで、ベルト６およびベルト
補助層を含むベルト構造部の全体的な剛性を高めること
ができ、それ故に、タイヤの通常状態の下での車両の走
行に際する、そのベルト構造部の振動を先に述べたよう
にして抑制して、発生するロードノイズ、ひいては、車
室内での騒音を効果的に低減させることができる。
タイヤでは、とくには、ベルト補助層を構成する有機繊
維コードの、特定温度条件下での、特定荷重に対するそ
れぞれの伸度を限定することで、ベルト６およびベルト
補助層を含むベルト構造部の全体的な剛性を高めること
ができ、それ故に、タイヤの通常状態の下での車両の走
行に際する、そのベルト構造部の振動を先に述べたよう
にして抑制して、発生するロードノイズ、ひいては、車
室内での騒音を効果的に低減させることができる。
【００１９】
【実施例】サイズが２２５／６０ Ｒ１６の、実施例タ
イヤ１〜３および従来タイヤを、サイズが７ＪＪ×１６
のリムに組み付けるとともに、充填空気圧を２００ｋｐ
ａとした状態で実車に装着し、車速５０ｋｍ／ｈで、荒
れた凹凸路面を走行したときの運転者の耳の位置での、
１００〜５００Ｈｚの周波数帯域の音圧レベルｄＢ
（Ａ）をそれぞれのタイヤについて測定した。
イヤ１〜３および従来タイヤを、サイズが７ＪＪ×１６
のリムに組み付けるとともに、充填空気圧を２００ｋｐ
ａとした状態で実車に装着し、車速５０ｋｍ／ｈで、荒
れた凹凸路面を走行したときの運転者の耳の位置での、
１００〜５００Ｈｚの周波数帯域の音圧レベルｄＢ
（Ａ）をそれぞれのタイヤについて測定した。
【００２０】その結果を、タイヤへの充填空気圧が零の
場合の走行耐久性と併せて表１に示す。なお、音圧レベ
ルは、従来タイヤを基準として、それより大きいものを
正の値で、小さいものを負の値でそれぞれ示し、また、
走行耐久性は、従来タイヤをコントロールとした指数と
し、大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
場合の走行耐久性と併せて表１に示す。なお、音圧レベ
ルは、従来タイヤを基準として、それより大きいものを
正の値で、小さいものを負の値でそれぞれ示し、また、
走行耐久性は、従来タイヤをコントロールとした指数と
し、大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【００２１】なお、実施例タイヤ１，２および３は、図
１，２および３に示す構造を有するものにおいて、ベル
ト補助層を構成する有機繊維コードを、ポリエチレン−
２，６−ナフタレート繊維にて構成し、その繊維の、５
０℃、１．４ｇｆ／ｄ荷重下での伸度を２．０％とした
ものであり、従来タイヤは、図１に示す構造を有するも
のにおいて、有機繊維コードをナイロン繊維コードとし
たものである。
１，２および３に示す構造を有するものにおいて、ベル
ト補助層を構成する有機繊維コードを、ポリエチレン−
２，６−ナフタレート繊維にて構成し、その繊維の、５
０℃、１．４ｇｆ／ｄ荷重下での伸度を２．０％とした
ものであり、従来タイヤは、図１に示す構造を有するも
のにおいて、有機繊維コードをナイロン繊維コードとし
たものである。
【００２２】
【表１】
【００２３】上記表１によれば、実施例タイヤはいずれ
も、車室内騒音レベルを有効に低減させることができ、
なかでも、実施例タイヤ１および３にあっては、車室内
騒音レベルの低減と、走行耐久性の向上とのそれぞれを
より高いレベルで両立させ得ることが明らかである。
も、車室内騒音レベルを有効に低減させることができ、
なかでも、実施例タイヤ１および３にあっては、車室内
騒音レベルの低減と、走行耐久性の向上とのそれぞれを
より高いレベルで両立させ得ることが明らかである。
【００２４】
【発明の効果】上記実施例からも明らかなように、この
発明によれば、タイヤの通常状態の下での凹凸路面走行
中の発生騒音を有効に低減させることで、車室内騒音の
効果的な低減を実現することができ、また、充填空気圧
の消失時の走行耐久性を、従来タイヤと同等もしくはそ
れ以上とすることができる。
発明によれば、タイヤの通常状態の下での凹凸路面走行
中の発生騒音を有効に低減させることで、車室内騒音の
効果的な低減を実現することができ、また、充填空気圧
の消失時の走行耐久性を、従来タイヤと同等もしくはそ
れ以上とすることができる。
【図１】この発明の実施形態をラジアル断面の半部につ
いて示す図である。
いて示す図である。
【図２】この発明の他の実施形態をラジアル断面の半部
について示す図である。
について示す図である。
【図３】この発明のさらに他の実施形態をラジアル断面
の半部について示す図である。
の半部について示す図である。
１ ビード部 ２ サイドウォール部 ３ トレッド部 ４ ビードコア ５ａ，５ｂ プライ ５ カーカス ６ａ，６ｂ ベルト層 ６ ベルト ７ａ，７ｂ，７ｃ ベルト補助層
Claims (3)
- 【請求項１】 一対のビード部に設けたビードコアの相
互間に延在するラジアル配列のコードの少なくとも一プ
ライからなり、側部をビードコアの周りで内側から外側
へ巻上げたカーカスのクラウン部の外周側に、タイヤ周
方向に対して比較的小さい角度で延びるコードよりな
り、層間でコードが相互に交差する少なくとも二層のベ
ルト層からなるベルトを配設し、このベルトのさらに外
周側で、少なくともベルトの両側部域に、実質上タイヤ
周方向に延びるコードよりなる一層以上のベルト補助層
を配設するとともに、カーカスの内周側に、ビード部か
らサイドウォール部を経てトレッド部に至る、ラジアル
断面形状がほぼ三日月状をなす補強ゴムを設けてなるラ
ジアルタイヤであって、 前記ベルト補助層を有機繊維コードにより構成し、この
有機繊維コードの、５０±５℃における１．４ｇｆ／ｄ
の荷重下での伸度を２．７％以下とするとともに、１７
０±５℃における０．７ｇｆ／ｄの荷重下での伸度を
１．５〜６．０％としてなる空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項２】 前記有機繊維コードの少なくとも一部
を、ポリエチレン−２，６−ナフタレート繊維にて構成
してなる請求項１に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項３】 ベルトをそれのほぼ全幅にわたって覆う
ベルト補助層を配設してなる請求項１もしくは２に記載
の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10211043A JP2000043518A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10211043A JP2000043518A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000043518A true JP2000043518A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16599441
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10211043A Withdrawn JP2000043518A (ja) | 1998-07-27 | 1998-07-27 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000043518A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005053971A1 (ja) * | 2003-12-02 | 2005-06-16 | Bridgestone Corporation | 空気入りタイヤ |
| JP2006199224A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-03 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ランフラットタイヤ |
| JP2010163008A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Bridgestone Corp | ランフラットタイヤ・ホイール組立体 |
| JP2015145177A (ja) * | 2014-02-03 | 2015-08-13 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットラジアルタイヤ |
| JP2015145176A (ja) * | 2014-02-03 | 2015-08-13 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットラジアルタイヤ |
| CN108859616A (zh) * | 2018-07-12 | 2018-11-23 | 万力轮胎股份有限公司 | 一种缺气保用轮胎 |
| WO2020066865A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットタイヤ |
| CN114340912A (zh) * | 2019-08-29 | 2022-04-12 | 横滨橡胶株式会社 | 充气轮胎 |
-
1998
- 1998-07-27 JP JP10211043A patent/JP2000043518A/ja not_active Withdrawn
Cited By (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005053971A1 (ja) * | 2003-12-02 | 2005-06-16 | Bridgestone Corporation | 空気入りタイヤ |
| JP2005161998A (ja) * | 2003-12-02 | 2005-06-23 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
| EP1698493A1 (en) * | 2003-12-02 | 2006-09-06 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire |
| EP1698493A4 (en) * | 2003-12-02 | 2007-05-02 | Bridgestone Corp | TIRE |
| JP2006199224A (ja) * | 2005-01-24 | 2006-08-03 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ランフラットタイヤ |
| US7712498B2 (en) | 2005-01-24 | 2010-05-11 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Run flat tire |
| JP2010163008A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Bridgestone Corp | ランフラットタイヤ・ホイール組立体 |
| JP2015145177A (ja) * | 2014-02-03 | 2015-08-13 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットラジアルタイヤ |
| JP2015145176A (ja) * | 2014-02-03 | 2015-08-13 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットラジアルタイヤ |
| US20170008352A1 (en) * | 2014-02-03 | 2017-01-12 | Bridgestone Corporation | Run flat radial tire |
| CN108859616A (zh) * | 2018-07-12 | 2018-11-23 | 万力轮胎股份有限公司 | 一种缺气保用轮胎 |
| WO2020066865A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットタイヤ |
| JPWO2020066865A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2021-08-30 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットタイヤ |
| JP7411561B2 (ja) | 2018-09-28 | 2024-01-11 | 株式会社ブリヂストン | ランフラットタイヤ |
| CN114340912A (zh) * | 2019-08-29 | 2022-04-12 | 横滨橡胶株式会社 | 充气轮胎 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| WO2017135004A1 (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP7083741B2 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
| JP7482963B2 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
| US5938870A (en) | Pneumatic radial tire having inner carcass ply cord tension smaller than the outer carcass ply cord tension | |
| JP5294396B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JP3763931B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JP2000043518A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JP2000168319A (ja) | ランフラットタイヤ | |
| JP2004203129A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JP2001039113A (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP7469848B2 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
| WO2020121568A1 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
| JPH04215508A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JP2021091294A (ja) | ランフラットタイヤ | |
| JPH1134610A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| JP5038766B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP2002205515A (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JPH0872506A (ja) | 乗用車用空気入りタイヤ | |
| JP4582698B2 (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
| WO2020121570A1 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
| WO2021095357A1 (ja) | 空気入りタイヤ | |
| WO2020121567A1 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
| WO2020121571A1 (ja) | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ | |
| JP2008001138A (ja) | 空気入りタイヤ | |
| JP2007326439A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20051004 |