JP2006298095A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗の低減とロードノイズの低減とを両立することができるタイヤを提供する。
【解決手段】カーカスコード41とカーカスコード41を包むカーカスコンパウンド42とから形成されるカーカス層4を有するサイド補強式ランフラットタイヤ1において、カーカスコンパウンド42を、カーカスコード41と直接接触する接触コンパウンド42aと、カーカスコード41に接触しない非接触コンパウンド42bとから構成し、接触コンパウンド42aのtanδを非接触コンパウンド42bのtanδより高く設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タイヤに関し、より詳細には転がり抵抗を低減することができるタイヤに関するものである。
従来のタイヤとしては、ベルト層のゴムやサイドウォール部のゴムの損失正接(以下、tanδと称す)を小さく設定することで転がり抵抗を低減し、低燃費性を向上するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−286203号公報
ところで、走行時、タイヤが撓むとカーカスに曲げ、圧縮、引っ張り、せん断などの変形が生じる。また、コード補強ゴム層(カーカス、ベルト等)には大きな層間せん断変形が発生しており、この層間せん断変形は振動を減衰する効果がある。
しかしながら、上記従来のタイヤにあっては、単にベルト層やサイドウォール部に低tanδのゴム(すなわち、減衰性の悪いゴム)を適用しているので、振動伝達率が大きくなり、走行時のロードノイズを低減することはできないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、転がり抵抗の低減とロードノイズの低減とを両立することができるタイヤを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るタイヤは、カーカスコンパウンドを、カーカスコードと直接接触する接触コンパウンドと、該接触コンパウンドの外周に接触し、前記カーカスコードと非接触な非接触コンパウンドとで構成し、前記接触コンパウンドの損失正接を前記非接触コンパウンドの損失正接より高く設定する。
本発明によれば、カーカスコンパウンドを接触コンパウンドと非接触コンパウンドとで構成し、接触コンパウンドのtanδを非接触コンパウンドのtanδより高く設定するので、カーカス全体の曲げ変形によるエネルギーロスを小さくして転がり抵抗を低減することができると共に、カーカスコード・コンパウンド間のせん断変形によるエネルギーロスを大きくしてロードノイズを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の本実施形態を示す概略構成図であり、空気入りタイヤ1(以下、タイヤ1と称す)の右半断面を示す図である。このタイヤ1はサイド補強式ランフラットタイヤであり、耐外傷性に優れるコンパウンドを配するサイドウォール2の内周側に、断面が略三日月状のサイド補強ゴム層3を備えている。
これにより、サイドウォール2を補強して剛性を高め、例えばパンクにより内圧が低下又は零になった場合であっても車両総重量を安定して支持すると共に、パンクした場所からある程度の距離を走行可能としている。
またタイヤ1は、その骨格を構成するカーカス層4を有する。このカーカス層4は、荷重支持や振動吸収などの役割を担う要素であって、ポリエステル、レーヨンなどの撚り糸で構成されるカーカスコードと、当該カーカスコードを包むカーカスコンパウンドとで構成される。そして、タイヤ1が撓むと、カーカス層4に曲げ、圧縮、引っ張り、せん断などの変形が生じるようになっている。
図2は、カーカス層4のA−A’断面を示す図であり、図2(a)は従来のカーカス構造、図2(b)は本発明のカーカス構造を示している。図中符号41はカーカスコード、符号42はカーカスコンパウンドである。カーカスコード41は、タイヤ1の周方向と直角に配するものであり、1本又は複数本のフィラメントからなる繊維コードで構成され、当該繊維コードを互いに平行且つ均一なピッチで配列している。本実施形態では、カーカスコード41として、2本のフィラメントを撚り合わせた繊維コードを適用する。
また、従来のカーカスコンパウンド42は、図2(a)に示すように一種類のコンパウンドで構成されているのに対し、本実施形態のカーカスコンパウンド42は、図2(b)に示すようにカーカスコード41に直接接触する接触コンパウンド42aと、カーカスコード41に接触しない非接触コンパウンド42bとで構成され、各接触コンパウンド42aが各カーカスコード41を楕円状に包んでいる。ここでは、接触コンパウンド42aがカーカスコード41を1本毎に包む構成としているが、複数本毎(例えば、2〜3本毎)に包むようにしてもよい。さらに、接触コンパウンド42aの損失正接(tanδ)は、非接触コンパウンド42bのtanδより高く設定されている。
ここで、tanδは、ゴム材料における転がり抵抗、制振材における振動減衰性能の評価に重要な物理量であり、JIS K 6394−1995の「加硫ゴムの動的性質試験方法」に記載されている(1)非共振方法のうち「荷重波形、たわみ波形による場合」に従い、変形の種別は引張りとして求める値である。そして、その測定条件は、温度50℃、周波数14Hz、動的歪2%とする。
また、接触コンパウンド42aの寸法は、図3に示すように、長径(又は長辺)をφmax、短径(又は短辺)をφminとすると、幾何学的に下記の制約条件がある。
H,W>φmax>Dmax
φmax≧φmin>Dmin
ここで、Hはカーカス層4の厚さ、Wはカーカス層4の幅(カーカスコード41中心間の距離)、Dmaxはカーカスコード41の長径、Dminはカーカスコード41の短径である。
つまり、接触コンパウンド42aの長径φmaxの上限は、カーカス層4の厚さH,カーカス層4の幅Wの何れか小さい方の値であり、当該長径φmaxの下限は、カーカスコード41の長径Dmaxである。また、接触コンパウンド42aの短径φminの上限は、接触コンパウンド42aの長径φmaxであり、当該短径φminの下限は、カーカスコード41の短径Dminである。
そして、このようなカーカス層4の端部がタイヤ1の内周側から外周側へ向けてビード部としてのビードコア5に巻き付けられ、ビードコア5の上部のカーカス層4間の隙間には、剛性確保のために硬いコンパウンドを配し細切り形状に形成されたビードフィラー6が埋設されている。
ここで、ビードコア5は、タイヤ1をリムに締め付け固定するために左右一対に配置されるものであり、ピアノ線を層状又は1本で周方向に巻いたものである。このように、左右一対に配置されたビード部間に、カーカス層4が延在している。
サイド補強ゴム層3はカーカス層4より内周側に配置されており、このサイド補強ゴム層3より内周側のタイヤ1の最内層をインナーライナー7が形成している。このインナーライナー7は、タイヤ内部の空気を保持すると共に、タイヤ内部への酸素の透過を防止し、タイヤ内部の酸化劣化を防ぐ機能がある。
前記サイドウォール2、サイド補強ゴム層3、カーカス層4及びビードフィラー6で、荷重支持や振動吸収などの役割を担うサイドウォール部20を構成している。
また、カーカス層4の外周にはトレッド部21を強化する2層のベルト8及びベルトカバー9を備え、ベルト8は、ショルダ領域22にその端部を配置するように構成されている。
ここで、ショルダ領域とは、タイヤとリムとの組立体に最高空気圧(1998年版のJATMA、TRA、ETRTOの規格による)の10%に相当する微圧を充填したタイヤ断面において、トレッド部の踏面幅を8等分した1/8幅を踏面端から踏面中央側に隔てた位置を通る最内側カーカスプライ内面の法線と、踏面端を通る最内側カーカスプライ内面の法線とで囲まれる領域を指すものと定義する。
ベルト8は、スチール、アラミドなどのコードを2層に積層したものであり、ベルトカバー9は、ナイロン、PEN(ペン)などから成る。そして、ベルト8及びベルトカバー9で、トレッドを適切に接地させるための基礎となるベルト部23を構成している。
トレッド部21は、路面に接触する重要な要素であり、NR(Natural Rubber)、BR(Butadiene Rubber)、SBR(Styrene Butadiene Rubber)などのエラストマーに、カーボンブラック、シリカなどの補強材や硫黄、加硫促進剤などの配合剤を混合したコンパウンドで構成され、接地面に配置されるキャップゴム10と、キャップゴム10とベルト部23との間に配置されるベースゴム11とで構成される。ここでいう接地面側とは、タイヤ径方向の外周側を意味する。
キャップゴム10は、摩擦力を上げるため、他のゴムに比べて高発熱なゴムであり、ベースゴム11は、主にベルト部23へのキャップトレッドの発熱防止オイル成分の移行防止、及びキャップゴム10とベルト部23との接着性向上を目的としている。
タイヤが転動すると、図4(a)に示すように、タイヤの進行方向と反対に転がり抵抗が発生する。この転がり抵抗は燃費性能に影響を与えるものであり、転がり抵抗が低いほど燃費性能に優れる。転がり抵抗を低減するためには、カーカス全体の曲げ変形によるエネルギーロスを小さくすると良い。そのため、従来の空気入りタイヤでは、ゴムのtanδを下げることで転がり抵抗を小さくしている。
ところで、車両走行時、図4(b)に示すように、カーカスコード・カーカスコンパウンド間にはせん断変形が発生しており、このせん断変形が振動を減衰して、路面から車体に伝わる振動騒音であるロードノイズを低減している。
しかしながら、従来の空気入りタイヤのように、ゴムのtanδを小さく設定すると、カーカスコード・カーカスコンパウンド間のせん断変形によるエネルギーロスが小さくなるため、走行時にロードノイズが大きくなるという問題がある。つまり、ロードノイズを低減するためには、カーカスコード・カーカスコンパウンド間のせん断変形によるエネルギーロスを大きくする必要があり、このためにはゴムのtanδを大きく設定する必要がある。
つまり、転がり抵抗とロードノイズとの関係は、表1に示すようになる。
Figure 2006298095
このように、転がり抵抗とロードノイズとは二律背反の関係があるため、転がり抵抗の低減とロードノイズの低減との両立を実現することができないという問題があった。
そこで、本発明では、カーカスコンパウンドを、カーカスコードに接触する高tanδの接触コンパウンドと、カーカスコードに接触しない低tanδの非接触コンパウンドとで構成することで、転がり抵抗の低減とロードノイズの低減との両立を実現する。
今、185/65R14サイズのタイヤを5.5JJのホイールに装着したモデルを用いて、有限要素法(FEM)によるタイヤ解析を行い、図5に示す寸法条件で、表2に示す従来例z及び実施例a〜kについて、転がり抵抗の評価指標となる転がり抵抗係数RRCと、ロードノイズの評価指標となる振動伝達率Gainとの計算を行う。
Figure 2006298095
従来例zは、接触コンパウンドと非接触コンパウンドとのtanδを同じ値に設定したものである。実施例a〜eは、接触コンパウンドと非接触コンパウンドとのtanδを異なる値とし、接触コンパウンドのtanδを非接触コンパウンドのtanδより高く設定している。具体的には、非接触コンパウンドのtanδをtanδA、接触コンパウンドのtanδをtanδBとし、tanδAに対するtanδBの比率tanδB/tanδAを、従来例の比率と同様の値1.0から2.5の間で設定している。この実施例a〜eでは、非接触コンパウンドの単位断面積SAに対する接触コンパウンドの単位断面積SBの比率SB/SAを0.28に固定している。
ここで、単位断面積とは、タイヤ周方向の全面積をカーカスコードの打ち込み本数で割った値とする。
また、実施例fは、接触コンパウンドのtanδを非接触コンパウンドのtanδより低く設定しており、その値は、実施例cと逆の組み合わせとしている。
また、実施例g〜kは、非接触コンパウンドの単位断面積SAに対する接触コンパウンドの単位断面積SBの比率SB/SAを、0.17から0.37の間で設定し、tanδAに対するtanδBの比率tanδB/tanδAを1.8に固定している。
なお、実施例iと実施例cとは同じ実施例である。
図5に示すように、このタイヤ解析に用いるモデルは、カーカス層4の厚さHを1.20mm、カーカス層4の幅Wを1.25mm、カーカスコード41の長径Dmaxを0.80mm、カーカスコード41の短径Dminを0.40mm、接触コンパウンド42aの短径φminを0.65mmとする。つまり、カーカス全面積は60mm2/50mm、カーカスコード面積は10mm2/50mmである。
また、接触コンパウンド42aの長径φmaxを0.85〜1.15の間で変更することで、非接触コンパウンドの単位断面積SAに対する接触コンパウンドの単位断面積SBの比率SB/SAを0.17から0.37の間で変更するものとする。
また、カーカスコード41の構造は、太さを1500dtex/2、打ち込み数を40本/50mmとする。
転がり抵抗係数RRCは、FEMから得られた応力、歪みと粘弾性による位相差δを用いて、損失エネルギーを算出する。計算条件は、空気圧200kPa、リム幅5.5インチ、垂直荷重3.7kNとする。
そして、従来例zを100とする指数で示し、この値が小さいほど転がり抵抗が小さく、燃費性能に優れると判断する。なお、目標レベルは、転がり抵抗係数指数102%以下とする。
振動伝達率Gainは、FEMから得られた入力と出力との比として算出する。入力はトレッド中央部の節点力として与え、出力はリム部の節点力とする。計算条件は、空気圧200kPa、リム幅5.5インチ、垂直荷重0kN(無負荷)とする。
そして、従来例xを0とするオーバーオール値の差を解析結果とし、この値が小さいほど振動伝達率が低く、静粛性に優れると判断する。なお、目標レベルは、振動伝達率差+0.4dB以下とする。
上記のような条件下でタイヤ解析を行った結果を図6及び図7に示す。
図6(a)は、実施例a〜fの転がり抵抗係数指数を示す図であり、横軸はtanδの比率(tanδB/tanδA)、縦軸は転がり抵抗係数指数である。この図からも明らかなように、実施例b〜eが目標レベル102%以下となっており、転がり抵抗を低減できることがわかる。
また、図6(b)は、実施例a〜fの振動伝達率差を示す図であり、横軸はtanδの比率(tanδB/tanδA)、縦軸は振動伝達率差である。この図からも明らかなように、実施例a〜dが目標レベル+0.4dB以下となっており、ロードノイズを低減できることがわかる。
次に、実施例cと実施例fとのタイヤ解析結果を比較する。前述したように、実施例cと実施例fとは、tanδAとtanδBとの組み合わせを逆にしており、実施例cのtanδAはtanδBより高く設定されているのに対し、実施例fのtanδAはtanδBより低く設定されている。実施例fの転がり抵抗係数指数は105%、振動伝達率差は0.7dBであり、何れも目標レベルに到達していない。
つまり、接触コンパウンドのtanδAを非接触コンパウンドのtanδBより低く設定すると、転がり抵抗もロードノイズも共に低減することができないことがわかる。
また、実施例a〜eの解析結果より、tanδの比率(tanδB/tanδA)が大きすぎると転がり抵抗の低減に効果がなく、tanδの比率(tanδB/tanδA)が小さすぎるとロードノイズの低減に効果がないことがわかる。
したがって、図6の解析結果により、実施例b〜dが燃費性能と静粛性との両方に優れていることがわかる。すなわち、燃費性能と静粛性との両方を満足するためには、カーカスコードを包むカーカスコンパウンドを、カーカスコードと接触する接触コンパウンドと、当該カーカスコードと接触しない非接触コンパウンドとから構成し、接触コンパウンドのtanδBを非接触コンパウンドのtanδAより高く設定すればよい。
そして、このtanδの比率(tanδB/tanδA)は、1.5以上2.0以下が好ましい。さらに接触コンパウンドのtanδBは、0.12以上0.16以下が好ましい。
図7(a)は、実施例g〜kの転がり抵抗係数指数を示す図であり、横軸はコンパウンドの単位断面積の比率(SB/SA)、縦軸は転がり抵抗係数指数である。この図からも明らかなように、実施例h〜kが目標レベル102%以下となっており、転がり抵抗を低減できることがわかる。
また、図7(b)は、実施例g〜kの振動伝達率差を示す図であり、横軸はコンパウンドの単位断面積の比率(SB/SA)、縦軸は振動伝達率差である。この図からも明らかなように、実施例g〜jが目標レベル+0.4dB以下となっており、ロードノイズを低減できることがわかる。
実施例g〜kの解析結果より、コンパウンドの単位断面積の比率(SB/SA)が大きすぎると転がり抵抗の低減に効果がなく、コンパウンドの単位断面積の比率(SB/SA)が小さすぎるとロードノイズの低減に効果がないことがわかる。
したがって、図7の解析結果により、実施例h〜jが燃費性能と静粛性との両方に優れていることがわかる。すなわち、燃費性能と静粛性との両方を満足するためには、カーカスコードを包むカーカスコンパウンドを、カーカスコードと接触する高tanδな接触コンパウンドと、当該カーカスコードと接触しない低tanδな非接触コンパウンドとから構成し、非接触コンパウンドの単位断面積SAに対する接触コンパウンドの単位断面積SBの比率(SB/SA)を、0.22以上0.30以下に設定することが好ましい。
このように、上記本実施形態では、カーカスコードを包むカーカスコンパウンドを、カーカスコードと接触する接触コンパウンドと当該カーカスコードと接触しない非接触コンパウンドとから構成し、接触コンパウンドのtanδを非接触コンパウンドのtanδより高く設定するので、カーカス全体の曲げ変形によるエネルギーロスを小さくして、タイヤの転がり抵抗を小さくすることができ、燃費性能を向上することができると共に、カーカスコード・コンパウンド間のせん断変形によるエネルギーロスを大きくして、走行時のロードノイズを低減することができ、静粛性を向上することができる。
また、タイヤが回転するとカーカスコードが接地前端から順番に変形していくため、接触コンパウンドがカーカスコードを1本毎に包む構成とすることで、順次位相を変化させることができ、より高い効果を得ることができる。
さらに、非接触コンパウンドのtanδに対する接触コンパウンドのtanδの比率を1.5以上2.0以下とし、接触コンパウンドのtanδを0.12以上0.16以下とするので、カーカスコンパウンドのtanδをより適正な範囲に設定して、燃費性能と走行時の静粛性との両立を実現することができる。
また、非接触コンパウンドの単位断面積に対する接触コンパウンドの単位断面積の比率を0.22以上0.30以下とするので、カーカスコンパウンドの面積比を適正範囲に設定して、燃費性能と走行時の静粛性との両立を実現することができる。
さらにまた、サイド補強式ランフラットタイヤは、パンク時に荷重を支えるためのサイド補強ゴム層を有するため、転がり抵抗とロードノイズが大幅に悪化するという問題があるが、このようなサイド補強式ランフラットタイヤに本発明を適用することで、上記問題を確実に解決することができる。
なお、上記実施形態においては、カーカスコード毎に接触コンパウンドで包む構成とする場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図8(a)に示すように、各コードをまとめて包むようにしてもよい。また、接触コンパウンドの形状は楕円形でなくてもよく、図8(b)及び(c)に示すように、円形や四角形であってもよい。
また、上記実施形態においては、カーカスコードとして、2本のフィラメントを撚り合わせたコードを適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図9(a)に示すように、フィラメントを撚らずに引き揃えるようにしてもよい。また、図9(b)に示すように、3本以上のフィラメントを撚り合わせたコードを適用するようにしてもよい。また、図9(c)及び(d)に示すように、単一フィラメント(モノフィラメント)を適用するようにしてもよく、このとき、図9(c)のようなスパイラルでも図9(d)のようなストレートでもよい。
さらに、上記実施形態においては、サイド補強式ランフラットタイヤに本発明を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。つまり、タイヤにカーカスコードが配されており、タイヤが撓むとカーカスにせん断変形が発生するものであれば構わなく、図10に示すようなラジアルタイヤ等にも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、タイヤ内部に空気を充填する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、タイヤ内部に窒素及びその他の気体を充填した場合にも適用することができる。
本発明の実施形態を示す概略構成図である。 カーカス構造の詳細を示す図である。 接触コンパウンドの寸法条件を説明する図である。 転がり抵抗とロードノイズとを説明する図である。 タイヤ解析モデルの寸法を示す図である。 実施例a〜fの解析結果を示す図である。 実施例g〜kの解析結果を示す図である。 本発明の別の例を示す図である。 本発明の別の例を示す図である。 本発明の別の例を示す図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 サイドウォール
3 サイド補強ゴム層
4 カーカス
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 インナーライナー
8 ベルト
9 ベルトカバー
10 キャップゴム
11 ベースゴム
20 サイドウォール部
21 トレッド部
22 ショルダ領域
23 ベルト部
41 カーカスコード
42a 接触コンパウンド
42b 非接触コンパウンド

Claims (5)

  1. カーカスコードと該カーカスコードを包むカーカスコンパウンドとを有するカーカス層を、ビード部間に備えるタイヤにおいて、
    前記カーカスコンパウンドは、前記カーカスコードと直接接触する接触コンパウンドと、該接触コンパウンドの外周に接触し、前記カーカスコードと非接触な非接触コンパウンドとで構成され、前記接触コンパウンドの損失正接を前記非接触コンパウンドの損失正接より高く設定することを特徴とするタイヤ。
  2. 前記非接触コンパウンドの損失正接に対する前記接触コンパウンドの損失正接の比率を、1.5以上2.0以下に設定することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記接触コンパウンドの損失正接を、0.12以上0.16以下に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記非接触コンパウンドの単位断面積に対する前記接触コンパウンドの単位断面積の比率を、0.22以上0.30以下に設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記カーカスコードは、1本又は複数本のフィラメントからなる複数本の繊維コードで構成され、前記接触コンパウンドは、前記カーカスコードを前記繊維コード毎に包んでいることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のタイヤ。
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