JP2014117673A - オキシ塩素化触媒およびそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法 - Google Patents

オキシ塩素化触媒およびそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014117673A
JP2014117673A JP2012275758A JP2012275758A JP2014117673A JP 2014117673 A JP2014117673 A JP 2014117673A JP 2012275758 A JP2012275758 A JP 2012275758A JP 2012275758 A JP2012275758 A JP 2012275758A JP 2014117673 A JP2014117673 A JP 2014117673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chloride
oxychlorination
catalyst
dichloroethane
trichloride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012275758A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Imatomi
伸哉 今富
Tetsuo Asakawa
哲夫 淺川
Yoshihiko Mori
嘉彦 森
Motohiro Oguri
元宏 小栗
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2012275758A priority Critical patent/JP2014117673A/ja
Publication of JP2014117673A publication Critical patent/JP2014117673A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】 1,2−ジクロロエタンを高い反応性で製造する新規な中空円筒形状を有するオキシ塩素化触媒及び該オキシ塩素化触媒を用いた生産性に優れる1,2−ジクロロエタンの製造方法を提供する。
【解決手段】 アルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満である金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含み、かつ、中空円筒形状を有するオキシ塩素化触媒及び該オキシ塩素化触媒の存在下、エチレン、塩化水素及び分子状酸素のオキシ塩素化反応を行なう1,2−ジクロロエタンの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なオキシ塩素化触媒及びそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、1,2−ジクロロエタンを高い反応性で製造する新規な中空円筒形状を有するオキシ塩素化触媒及び該オキシ塩素化触媒を用いた生産性に優れる1,2−ジクロロエタンの製造方法に関するものである。
塩化ビニルモノマー(VCMと記すこともある。)の製造法のうち、バランスド・オキシクロリネーション・プロセスと呼ばれる方法、即ち、(1)エチレンの直接塩素化反応による1,2−ジクロロエタン(EDCと記すこともある。)の製造、(2)EDCの熱分解反応によるVCMの製造、および(3)エチレンのオキシ塩素化反応によるEDCの製造、からなるプロセスが石油化学工業で広く採用されている。
このうち、エチレンのオキシ塩素化反応によるEDCの製造法は、EDCの熱分解反応で副生した塩化水素をリサイクルして利用する他、ウレタン原料であるジフェニルメタンジイソシアネート(MDIと記すこともある。)等のジイソシアネート製造時に副生した塩化水素をリサイクルすることが可能であり、ますます重要な製造法として位置づけられている。
エチレンのオキシ塩素化反応は、酸素原料として空気を用いる空気法、空気に少量の分子状酸素を用いる酸素富化法、および酸素原料として分子状酸素を用いる酸素法が知られている。そして、空気法および酸素富化法においては、酸素原料として空気を用いることから、窒素が過剰に含まれ、原料組成としてエチレンの組成を過剰にすることができない。そこで、連続的なオキシ塩素化反応では、反応の後半に分子状酸素が過剰に存在する条件下とすることで、高価なエチレンの転化率を向上させる方法が採用されている。
そして、オキシ塩素化反応によるEDCの製造は、その製造設備の大型化が進んでおり、10万トンスケールでの大型装置が稼動している。このような大型装置での生産においては、生産効率上、1,2−ジクロロエタン選択率は重要なファクターであり、たとえ0.1%程度のエチレン転化率向上であってもその経済的価値は極めて大きなものとなり、その生産効率向上の検討がなされ、例えば、アルミナ担体に塩化銅および塩化カリウムを担持した中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(例えば特許文献1参照。)、アルミナ担体に塩化銅および塩化ナトリウム、塩化マグネシウムを担持した球形状のオキシ塩素化触媒(例えば特許文献2参照。)、等が提案されている。
特公昭46−040251号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開昭56−141842号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1により提案されたオキシ塩素化触媒は、分子状酸素過剰条件下での反応性にまだ課題を有するものである。また、特許文献2により提案されたオキシ塩素化触媒は、エチレン過剰の条件下では高い反応性を示し、効果的な触媒であるが、分子状酸素過剰条件下では反応性、即ち、エチレン転化率に課題を有するものであり、分子状酸素過剰条件下においても高い反応性、即ち、エチレン転化率の高いオキシ塩素化触媒の出現が所望されていた。
そこで、本発明は上記の課題の解決に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い反応性を有するオキシ塩素化触媒、特に分子状酸素過剰条件下であっても、高い反応性、即ち高いエチレン転化率を発現するオキシ塩素化触媒及び該オキシ塩素化触媒を用いた生産性に優れる1,2−ジクロロエタンの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、アルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び特定の金属カチオンのハロゲン化物を含み、かつ、特定形状を有するオキシ塩素化触媒が、高い反応性を有するオキシ塩素化触媒となること、また、アルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び特定の金属カチオンのハロゲン化物を含み、かつ、特定形状を有するオキシ塩素化触媒の存在下、エチレン、塩化水素及び分子状酸素の反応を行うことにより、高いエチレン転化率を有する1,2−ジクロロエタンの製造方法となること、を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満である金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含み、かつ、中空円筒形状を有することを特徴とするオキシ塩素化触媒、及び、アルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満である金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含み、かつ、中空円筒形状を有するオキシ塩素化触媒の存在下、エチレン、塩化水素及び分子状酸素のオキシ塩素化反応を行なうことを特徴とする1,2−ジクロロエタンの製造方法に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のオキシ塩素化触媒は、アルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満である金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含み、かつ、中空円筒形状を有するオキシ塩素化触媒である。
本発明のオキシ塩素化触媒を構成するアルミナ担体としては、アルミナ担体の範疇に属するものであれば制限はなく、その中でも特に触媒活性の高いオキシ塩素化触媒となることから細孔を有する中空円筒形状の多孔質アルミナ担体であることが好ましく、特に細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および15〜50nmの範囲内の細孔を有する中空円筒形状の多孔質アルミナ担体であることが好ましい。このようなアルミナ担体は、いかなる方法により成形されても差し支えなく、例えば押出成形法または圧縮成形法により成形することができる。ここで、担体がアルミナ以外のものである場合、オキシ塩化化反応触媒としての活性は低いものとなる。
本発明のオキシ塩素化触媒を構成する塩化銅としては、塩化銅と称される範疇に属するものであればよく、例えば塩化第一銅および/または塩化第二銅を挙げることができ、その中でも特に安定性、反応性に優れるオキシ塩素化触媒となることから塩化第二銅であることが好ましい。
本発明のオキシ塩素化触媒は、298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満である金属カチオンのハロゲン化物を含んでなるものであり、該金属カチオンのハロゲン化物と該塩化銅とを併用することにより、従来のオキシ塩素化触媒が高い反応性を示すことが困難であった分子状酸素過剰条件下のオキシ塩素化反応においても、高い反応性、即ち、高い触媒活性を有するオキシ塩素化触媒となることを見出したものである。ここで、配位水交換速度とは、Chem.Rev., 2005,105,1923に記載のWater Exchange Rateとして記されるもので、金属カチオンへの水の配位速度および脱離速度を示すものであり、該配位水交換反応速度が如何にしてオキシ塩素化反応に影響するのか、等の効果の発現機構は不明であるが、配位水交換反応速度が1×10−1以上である金属カチオン(例えばカリウムカチオン(配位水交換反応速度;1×10−1)、セシウムカチオン(配位水交換反応速度;6×10−1、ルビジウムカチオン(配位水交換反応速度;2×10−1)等のハロゲン化物と塩化銅の併用を行っても分子状酸素過剰条件下のオキシ塩素化反応においては、触媒活性の向上効果は得られない。
298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンとしては、例えばナトリウムカチオン、リチウムカチオン、ストロンチウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、テルビウムカチオン、ジスプロシウムカチオン、ホルミウムカチオン、エルビウムカチオン、ツリウムカチオン、インジウムカチオン、チタンカチオン、鉄カチオン、アルミニウムカチオン、ロジウムカチオン、亜鉛カチオン等を挙げることができ、298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物としては、例えば塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化ストロンチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、三塩化テルビウム、三塩化ジスプロシウム、三塩化ホルミウム、三塩化エルビウム、三塩化ツリウム、三塩化インジウム、三塩化チタン、三塩化鉄、塩化アルミニウム、三塩化ロジウム、三塩化インジウム、塩化亜鉛、臭化ナトリウム、臭化リチウム、臭化ストロンチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、三臭化テルビウム、三臭化ジスプロシウム、三臭化ホルミウム、三臭化エルビウム、三臭化ツリウム、三臭化インジウム、三臭化チタン、三臭化鉄、臭化アルミニウム、三臭化ロジウム、三臭化インジウム、および臭化亜鉛からなる群から選択される1種類以上が挙げられ、その中でも、特に、高い反応活性を示すオキシ塩素化触媒となることから、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化鉄及び/又は塩化マグネウムであることが好ましい。
本発明のオキシ塩素化触媒におけるアルミナ担体、塩化銅及び該金属カチオンのハロゲン化物の配合割合は、オキシ塩素化反応の触媒として作用する限りにおいて任意であり、その中でも特に活性に優れるオキシ塩素化触媒となることからアルミナ担体55〜91重量%、塩化銅8〜25重量%、該金属カチオンのハロゲン化物1〜20重量%よりなるものであることが好ましく、特にアルミナ担体70〜89重量%、塩化銅10〜20重量%、該金属カチオンのハロゲン化物1〜10重量%よりなるものであることが好ましい。また、塩化銅と該金属カチオンのハロゲン化物との割合は、オキシ塩素化触媒が触媒として作用する限りにおいて任意であり、その中でも触媒活性と安定性に優れるオキシ塩素化触媒となることから塩化銅1モルに対し該金属カチオンのハロゲン化物0.01〜3モルとすることが好ましく、特に0.1〜1モルとすることが好ましい
本発明のオキシ塩素化触媒は、中空円筒形状を有するものであり、中空円筒形状の範疇に属する形状であれば如何なる形状を有することも可能であり、その中でも、特に安定性、活性に優れるオキシ塩素化触媒となることから、外径2〜8mm、内径1〜7mm、長さ2〜8mm、肉厚0.5〜3.5mmの中空円筒形状であることが好ましく、特に外径3〜6mm、内径1〜3mm未満、長さ3〜6mm、肉厚0.5mm〜2.5mmの中空円筒形状であることが好ましい。ここで、中空円筒形状以外の形状、例えば球状、円柱状、角状等の形状である場合、得られる触媒は、オキシ塩素化反応の際の安定性、活性に劣るものとなる。
本発明のオキシ塩素化触媒は、触媒活性が高いものとなることから、100〜300m/gの表面積を有するものであることが好ましく、特に120〜260m/gであることが好ましい。また、0.40〜0.70ml/gの全細孔容積を有するものであることが好ましく特に0.56〜0.65ml/gであることが好ましい。また、特に強度に優れ、使用時の耐久性にも優れるものとなることから、該オキシ塩素化触媒の直径方向に対して5〜80Nの圧縮破壊強度を有するものであることが好ましく、特に10〜40Nであることが好ましい。なお、圧縮破壊強度は、木屋式強度計にて測定することができる。
本発明のオキシ塩素化触媒の製造方法としては、該オキシ塩素化触媒を製造することが可能であればいかなる方法により製造してもよく、例えば中空円筒形状のアルミナ担体、好ましくは細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および15〜50nmの範囲内の細孔を有する中空円筒形状のアルミナ担体に、少なくとも塩化銅および298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物1種類以上を担持・含浸し、更に乾燥および焼成することにより製造する方法を挙げることができる。その際の担持・含浸方法としては、例えば浸漬法、含浸法、共沈殿法等の方法を挙げることができ、これらの中でも、操作が簡便で、生産性に優れることから、浸漬法であることが好ましい。
この際の浸漬法としては、例えば塩化銅、298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物の溶液にアルミナ担体を浸漬し、浸漬処理後、アルミナと溶液を分離した後、塩化銅および298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物が付着したアルミナ担体を乾燥、次いで焼成処理を行い、オキシ塩素化触媒を製造する方法を挙げることができる。その際に塩化銅および298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物の溶液とする時の溶媒に特に制限は無く、特に溶質の溶解度が高いことから、好ましくは水である。塩化銅溶液の濃度としては、好ましくは50〜400g/lであり、さらに好ましくは100〜300g/lである。また、298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物の溶液の濃度としては、好ましくは20〜400g/lであり、さらに好ましくは40〜200g/lである。浸漬時の温度としては、例えば0〜80℃、好ましくは10〜50℃である。浸漬時の圧力としては、常圧でもよい。また、浸漬時間は、温度や塩化銅、298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物の濃度により選択可能であり、例えば1〜10時間を選択することができる。また、浸漬時の雰囲気にも制限はなく、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスによって置換して用いることができる。
本発明のオキシ塩素化触媒を浸漬法で製造する際の塩化銅、298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物の担持・含浸順序に制限はなく、例えば塩化銅、298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物を同時に担持・含浸する方法;塩化銅、298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物を分割して任意に担持・含浸する方法、等を挙げることができる。
本発明のオキシ塩素化触媒を製造する際の乾燥処理の方法にも制限はなく、任意の方式で行うことが可能であり、例えばバッチ式、コンベアー式、ロータリーキルン式、流動層式等の乾燥装置で行うことができる。また、加熱の方法も制限がなく、例えば熱風、赤外線、マイクロ波等の加熱方式で行われる。そして、これらのうち、装置が簡便なことからバッチ式で行うことが好ましい。また、乾燥温度に制限はなく、その中でも塩化銅と298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満の金属カチオンのハロゲン化物が均一に担持したオキシ塩素化触媒となることから、0〜250℃が好ましく、30〜200℃であることが特に好ましい。乾燥時間としては、1〜20時間が好ましく、特に2〜10時間であることが好ましい。乾燥中の雰囲気に制限はなく、空気中でも、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスによって置換してもよい。
本発明のオキシ塩素化触媒を製造する際の焼成処理の方法にも制限はなく、任意の方式で行うことが可能であり、例えばバッチ式、コンベアー式、ロータリーキルン式等の焼成装置で行うことができる。そして、これらのうち、装置が簡便なことからバッチ式で行うことが好ましい。焼成温度に制限はなく、安定性の高いオキシ塩素化触媒が得られることから0〜500℃が好ましく、特に100〜400℃であることが好ましい。焼成時間としては、1〜20時間が好ましく、特に2〜10時間であることが好ましい。また、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスによって置換して焼成することもできる。なお、乾燥処理と焼成処理は同じ装置で、実施しても差し支えない。
本発明のオキシ塩素化触媒は、エチレン、塩化水素及び分子状酸素から1,2−ジクロロエタンを製造する際のオキシ塩素化反応の触媒(オキシ塩素化触媒)として用いることができ、特に従来のオキシ塩素化触媒では活性に課題の発生し易い分子状酸素過剰条件下でも高いエチレン転化効率、つまり高い触媒活性を発現するものである。そして、特に1,2−ジクロロエタンを製造する際に製造後期において分子状酸素過剰条件下での運転が実施される空気法オキシ塩素化反応プロセス、酸素富化法オキシ塩素化反応プロセスの触媒として適したものであり、1,2−ジクロロエタンを製造する際の高い反応性、つまり高いエチレン転化率を達成するものである。
そして、本発明のオキシ塩素化触媒を用い、エチレン、塩化水素および分子状酸素を原料にして、オキシ塩素化反応により1,2−ジクロロエタンを製造する際の反応形式に制限はなく、任意の反応形式で行うことが可能であり、例えば固定床流通式、流動床流通式等で行うことができる。これらのうち、装置が簡便なことから固定床流通式で行うことが好ましい。反応温度は任意であり、中でもエチレンの1,2−ジクロロエタンへの転換が効率的になることから、100℃〜400℃が好ましく、特に150℃〜350℃であることが好ましい。反応圧力も任意であり、中でも絶対圧で0.01〜2MPaが好ましく、特に0.05〜1MPaであることが好ましい。また、固定床流通式反応を行う場合のガス時間空間速度(GHSV)は、1,2−ジクロロエタンへの転換が効率的に優れることから、10hr−1〜10000hr−1が好ましく、特に30hr−1〜8000hr−1であることが好ましい。ここで、ガス時間空間速度(GHSV)とは、単位触媒体積当たりの単位時間(hr)に対するエチレンの供給量を表すものである。
そして、本発明のオキシ塩素化触媒を用いオキシ塩素化反応を行う際は、該オキシ塩素化反応が発熱反応であることから、急激な発熱、ヒートスポット等を希釈・抑制するために必要に応じて希釈剤を混合しても良い。希釈剤としては、例えばシリカ、アルミナ、カーボン等が挙げられる。
本発明のオキシ塩素化触媒を用いオキシ塩素化反応により1,2−ジクロロエタンを製造する際に、エチレン、塩化水素および分子状酸素は、そのまま用いても、不活性ガス等で希釈して用いても良い。その際の不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウムまたはアルゴン等が挙げられ、これらの不活性ガスは単独で使用するのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。そして、1,2−ジクロロエタンを製造する際の代表的な製造方法として、原料の一つである分子状酸素の供給源として空気を用いるいわゆる空気法オキシ塩素化反応プロセス、分子状酸素の供給源として空気に酸素を追加して用いる酸素富化法オキシ塩素化反応プロセス、分子状酸素の供給源として分子状酸素をそのまま用いる酸素法オキシ塩素化反応プロセスが、工業化プロセスとして広く採用され実施されている。本発明のオキシ塩素化触媒は、いずれのプロセスにも好適に使用することができ、その中でも、特に分子状酸素過剰条件下となりやすい空気法オキシ塩素化反応プロセス、酸素富化法オキシ塩素化反応プロセスで好適に触媒として用いることができる。その際の分子状酸素過剰条件としては、例えば分子状酸素/エチレン(モル比)が0.5以上となる条件、特に0.6以上の条件であり、このような条件下では従来のオキシ塩素化触媒は、高いエチレン転化率を望むことはできないが、本発明のオキシ塩素化触媒によればこのような条件下であっても高いエチレン転化率を達成することが可能となり、生産効率よく1,2−ジクロロエタンを製造することが可能となる。
本発明の新規なオキシ塩素化触媒、それを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法は、従来のオキシ塩素化触媒が効率よく反応を行うことが困難であった反応条件下でもエチレンから塩化ビニルモノマーの原料として有用な1,2−ジクロロエタンを高い反応性で製造することが可能となり、工業的にも極めて有用である。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に実施例に用いた測定方法および反応評価方法を示す。
〜定量分析〜
金属成分の定量は、蛍光X線(XRF)(理学製、(商品名)ZSX PrimusII)を用い、管球Rh、管電圧50kV、管電流60mA、測定域Cu;45.00deg、Na;48.00deg、Mg;39.46deg、K;136.64deg、Ca;113.06deg、Fe;57.50deg、Rb;26.60deg、Sr;25.13deg、Cs;11.45degの測定条件で行った。
〜反応ガス成分分析〜
充填剤として、(商品名)PorapakQ(Waters社製)およびGLサイエンス社製(商品名)MS−5A(GLサイエンス社製)を装着したガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−14B)により分析した。
〜反応液成分分析〜
分離カラムとして、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)TC−1)を装着したガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−2014)により分析した。
実施例1
蒸留水1リットルに、CuClを181g、NaCl(ナトリウムカチオンの配位水交換速度;9×10−1)を26g、MgCl(マグネシウムカチオンの配位水交換速度;7×10−1)を84gのそれぞれを混合溶解し、CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液を調製した。
そして、中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mm)に蒸留水を十分に吸収させたものを30g採取し、該塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlに浸漬した。室温で2時間浸漬した後、浸漬液からアルミナ担体を取り出し、マッフル炉を用いて105℃で乾燥し、150℃から400℃まで5時間かけながら昇温しながら焼成を行い、オキシ塩素化触媒の製造を行った。
得られたオキシ塩素化触媒は、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有するものであり、アルミナ担体に塩化銅、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムを含んだ中空円筒形状のオキシ塩素化触媒であった。
ガラス製反応管(内径22mm、長さ600mm)の中段に、得られたオキシ塩素化触媒及び球形アルミナ希釈剤(直径5.0mm)を充填し、固定床気相流通式反応装置とした。その際のオキシ塩素化触媒と球形アルミナ希釈剤の合計容量は30ccとし、エチレン反応率が70%となるように触媒充填率の調整を行った。
該固定床気相流通式反応装置にエチレン:空気(分子状酸素):塩化水素=1.00:3.94(0.82):1.82(容積比)で供給し、触媒層入口温度が230℃となるように制御を行い1,2−ジクロロエタンの製造を行った。その際の分子状酸素/エチレン(モル比)は0.82であった。
該固定床気相流通式反応装置の反応出口から反応ガス成分および反応液成分を採取し、1,2−ジクロロエタンの製造評価を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は2.11と高く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に優れるものであった。
得られたオキシ塩素化触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
実施例2
CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlの代わりに、CuCl=181g/l、NaCl=77g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム水溶液81m1を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化ナトリウムを含んだ中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を得た。
得られたオキシ塩素化触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は1.88と高く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に優れるものであった。
得られたオキシ塩素化触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
実施例3
CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlの代わりに、CuCl=181g/l、MgCl=125g/lの濃度の塩化銅−塩化マグネシウム水溶液81mlを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化マグネシウムを含んだ中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を得た。
得られたオキシ塩素化触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は2.76と高く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に優れるものであった。
得られたオキシ塩素化触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
実施例4
CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlの代わりに、CuCl=181g/l、CaCl(カルシウムカチオンの配位水交換速度;4×10−1)=146g/lの濃度の塩化銅−塩化カルシウム水溶液81mlを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化カルシウムを含んだ中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を得た。
得られたオキシ塩素化触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は2.02と高く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に優れるものであった。
得られたオキシ塩素化触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
実施例5
CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlの代わりに、CuCl=181g/l、SrCl(ストロンチウムカチオンの配位水交換速度;8×10−1)=208g/lの濃度の塩化銅−塩化ストロンチウム水溶液81m1を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化ストロンチウムを含んだ中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を得た。
得られたオキシ塩素化触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は1.92と高く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に優れるものであった。
得られたオキシ塩素化触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
実施例6
CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlの代わりに、CuCl=181g/1、FeCl(鉄カチオンの配位水交換速度;2×10−1)=213g/1の濃度の塩化銅−塩化第二鉄水溶液81mlを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化第二鉄を含んだ中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を得た。
得られたオキシ塩素化触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は2.78と高く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に優れるものであった。
得られたオキシ塩素化触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
実施例7
中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mm)の代わりに、中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.4mm、長さ4.9mm、肉厚1.80mm)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、直径5.0mm、内径1.4mm、長さ4.9mm、肉厚1.80mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムを含んだ中空円筒形状のオキシ塩素化触媒を得た。
得られたオキシ塩素化触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は2.03と高く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に優れるものであった。
得られた触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
比較例1
CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlの代わりに、CuCl=181g/l、KCl(カリウムカチオンの配位水交換速度;1×10−1)=98g/lの濃度の塩化銅−塩化カリウム水溶液81mlを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化カリウムを含んだ中空円筒形状の触媒を得た。
得られた触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は1.27と低く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に劣るものであった。
得られた触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
比較例2
CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlの代わりに、CuCl=181g/l、RbCl(ルビジウムカチオンの配位水交換速度;2×10−1)=159g/lの濃度の塩化銅−塩化ルビジウム水溶液81mlを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化ルビジウムを含んだ中空円筒形状の触媒を得た。
得られた触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は1.25と低く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に劣るものであった。
得られた触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
比較例3
CuCl=181g/l、NaCl=26g/l、MgCl=84g/lの濃度の塩化銅−塩化ナトリウム−塩化マグネシウム水溶液81mlの代わりに、CuCl=181g/l、CsCl(セシウムカチオンの配位水交換速度;6×10−1)=221g/の濃度の塩化銅−塩化セシウム水溶液81mlを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化セシウムを含んだ中空円筒形状の触媒を得た。
得られた触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は1.25と低く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に劣るものであった。
得られた触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
比較例4
中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm、肉厚1.55mm)の代わりに、球形状のアルミナ担体(直径5.0mm)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、直径5.0mmを有し、アルミナ担体に塩化銅、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムを含んだ球形状の触媒を得た。
得られた触媒を用い、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は1.79と低く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に劣るものであった。
得られた触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表1に示す。
Figure 2014117673
実施例8
実施例1と同様の方法によりオキシ塩素化触媒を得た。
エチレン:空気(分子状酸素):塩化水素=1.00:3.94(0.82):1.82(容積比)、分子状酸素/エチレン(モル比)=0.82の代りに、エチレン:空気(分子状酸素):塩化水素=1.49:3.94(0.82):1.82(容量比)、分子状酸素/エチレン(モル比)=0.55とした以外は、実施例1と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.55におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は2.60と高く、1,2−ジクロロエタンの製造効率に優れるものであった。
得られたオキシ塩素化触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表2に示す。
比較例5
比較例1と同様の方法により触媒を得た。
得られた触媒を用い、実施例8と同様の方法により、1.2−ジクロロエタンの製造を行った。分子状酸素/エチレン(モル比)=0.55におけるエチレン反応量(mmol/(Cat・cc・h))は1.98であり、分子状酸素/エチレン(モル比)を同様の条件とした実施例8と比較して1,2−ジクロロエタンの製造効率に劣るものであった。
得られた触媒の物性および1,2−ジクロロエタン製造の評価結果を表2に示す。
Figure 2014117673
本発明の新規なオキシ塩素化触媒、それを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法は、従来のオキシ塩素化触媒が効率よく反応を行うことが困難であった反応条件下でもエチレンから塩化ビニルモノマーの原料として有用な1,2−ジクロロエタンを高い反応性で製造することが可能となり、工業的にも極めて有用である。

Claims (10)

  1. アルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満である金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含み、かつ、中空円筒形状を有することを特徴とするオキシ塩素化触媒。
  2. 上記金属カチオンのハロゲン化物が、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化ストロンチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、三塩化テルビウム、三塩化ジスプロシウム、三塩化ホルミウム、三塩化エルビウム、三塩化ツリウム、三塩化インジウム、三塩化チタン、三塩化鉄、塩化アルミニウム、三塩化ロジウム、三塩化インジウム、塩化亜鉛、臭化ナトリウム、臭化リチウム、臭化ストロンチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、三臭化テルビウム、三臭化ジスプロシウム、三臭化ホルミウム、三臭化エルビウム、三臭化ツリウム、三臭化インジウム、三臭化チタン、三臭化鉄、臭化アルミニウム、三臭化ロジウム、三臭化インジウムおよび臭化亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種類以上のハロゲン化物であることを特徴とする請求項1に記載のオキシ塩素化触媒。
  3. 上記金属カチオンのハロゲン化物が、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化鉄及び/又は塩化マグネシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のオキシ塩素化触媒。
  4. 少なくともアルミナ担体55〜91重量%、塩化銅8〜25重量%及び上記金属カチオンのハロゲン化物1〜20重量%よりなり、塩化銅に対する上記金属カチオンのハロゲン化物のモル比率が1:0.1〜1の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒。
  5. 外径3〜6mm、内径1〜3mm未満、長さ3〜6mm、肉厚0.5〜2.5mmの中空円筒形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒。
  6. 空気法オキシ塩素化反応用触媒又は酸素富化法オキシ塩素化反応用触媒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒。
  7. アルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び298Kにおける配位水交換反応速度が1×10−1未満である金属カチオンのハロゲン化物を1種類以上含み、かつ、中空円筒形状を有するオキシ塩素化触媒の存在下、エチレン、塩化水素及び分子状酸素のオキシ塩素化反応を行なうことを特徴とする1,2−ジクロロエタンの製造方法。
  8. 上記金属カチオンのハロゲン化物が、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化鉄及び/又は塩化マグネシウムであるオキシ塩素化触媒の存在下、オキシ塩素化反応を行うことを特徴とする請求項7に記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
  9. 分子状酸素の供給源が少なくとも空気であることを特徴とする請求項7又は8に記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
  10. オキシ塩素化反応を行う際の分子状酸素/エチレン(モル比)が0.5以上の条件下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の1,2−ジクロロエタンの製造方法。
JP2012275758A 2012-12-18 2012-12-18 オキシ塩素化触媒およびそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法 Pending JP2014117673A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012275758A JP2014117673A (ja) 2012-12-18 2012-12-18 オキシ塩素化触媒およびそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012275758A JP2014117673A (ja) 2012-12-18 2012-12-18 オキシ塩素化触媒およびそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014117673A true JP2014117673A (ja) 2014-06-30

Family

ID=51173018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012275758A Pending JP2014117673A (ja) 2012-12-18 2012-12-18 オキシ塩素化触媒およびそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014117673A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109569730A (zh) * 2018-11-27 2019-04-05 江苏师范大学 一种催化剂及其应用
CN110054546A (zh) * 2019-03-18 2019-07-26 浙江师范大学 一种反式1,2-二氯乙烯的生产工艺

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4914723B1 (ja) * 1970-07-07 1974-04-10
JPS56141842A (en) * 1980-04-07 1981-11-05 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd Catalyst formed in novel cylindrical shape
JPS6322528A (ja) * 1986-06-27 1988-01-30 ソルベイ(ソシエテ アノニム) 炭化水素特にエチレンのオキシクロリネ−シヨン方法およびそれに使用する触媒組成物
JPS6384638A (ja) * 1986-09-26 1988-04-15 Sumitomo Chem Co Ltd オキシクロリネ−シヨン用触媒担体及び触媒
JPH11221465A (ja) * 1997-11-24 1999-08-17 Degussa Ag エチレンのオキシ塩素化用の担持触媒、その製造方法及び1,2−ジクロロエタンの製造方法
JP2001293376A (ja) * 2000-02-25 2001-10-23 Basf Ag 成形触媒
JP2003181291A (ja) * 2001-10-25 2003-07-02 Sud Chem Mt Srl エチレンの1,2−ジクロロエタンへのオキシ塩素化用触媒
JP2010142803A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Sud-Chemie Catalysts Italia Srl エチレンの1,2−ジクロロエタンへのオキシ塩素化用の触媒
JP2010149115A (ja) * 2008-12-23 2010-07-08 Sud-Chemie Catalysts Italia Srl エチレンの1,2−ジクロロエタンへの固定床でのオキシ塩素化用の触媒
JP2012187569A (ja) * 2011-02-21 2012-10-04 Tosoh Corp オキシ塩素化触媒

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4914723B1 (ja) * 1970-07-07 1974-04-10
JPS56141842A (en) * 1980-04-07 1981-11-05 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd Catalyst formed in novel cylindrical shape
JPS6322528A (ja) * 1986-06-27 1988-01-30 ソルベイ(ソシエテ アノニム) 炭化水素特にエチレンのオキシクロリネ−シヨン方法およびそれに使用する触媒組成物
JPS6384638A (ja) * 1986-09-26 1988-04-15 Sumitomo Chem Co Ltd オキシクロリネ−シヨン用触媒担体及び触媒
JPH11221465A (ja) * 1997-11-24 1999-08-17 Degussa Ag エチレンのオキシ塩素化用の担持触媒、その製造方法及び1,2−ジクロロエタンの製造方法
JP2001293376A (ja) * 2000-02-25 2001-10-23 Basf Ag 成形触媒
JP2003181291A (ja) * 2001-10-25 2003-07-02 Sud Chem Mt Srl エチレンの1,2−ジクロロエタンへのオキシ塩素化用触媒
JP2010142803A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Sud-Chemie Catalysts Italia Srl エチレンの1,2−ジクロロエタンへのオキシ塩素化用の触媒
JP2010149115A (ja) * 2008-12-23 2010-07-08 Sud-Chemie Catalysts Italia Srl エチレンの1,2−ジクロロエタンへの固定床でのオキシ塩素化用の触媒
JP2012187569A (ja) * 2011-02-21 2012-10-04 Tosoh Corp オキシ塩素化触媒

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109569730A (zh) * 2018-11-27 2019-04-05 江苏师范大学 一种催化剂及其应用
CN110054546A (zh) * 2019-03-18 2019-07-26 浙江师范大学 一种反式1,2-二氯乙烯的生产工艺
CN110054546B (zh) * 2019-03-18 2021-10-15 浙江师范大学 一种反式1,2-二氯乙烯的生产工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5414527B2 (ja) 触媒およびその製法、ならびに該触媒を用いた塩素の製造方法
JP2645467B2 (ja) オキシ塩素化用触媒
US20070274897A1 (en) Processes for the preparation of chlorine by gas phase oxidation
JP6379781B2 (ja) 不均一系触媒および1,2−ジクロロエタンの製造用触媒システム
Song et al. Acetylene hydrochlorination over 13X zeolite catalysts at high temperature
JP6215514B2 (ja) オキシ塩素化触媒
JP2014117673A (ja) オキシ塩素化触媒およびそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法
JP5015057B2 (ja) 塩素合成用触媒およびその製造方法、ならびに該触媒を用いた塩素の合成方法
JP5414300B2 (ja) 塩素の製造方法
WO2018101357A1 (ja) 塩化水素酸化による塩素の製造方法
CN105107533B (zh) 一种气相脱氟化氢催化剂的制备方法
CN113164924A (zh) 用于制氯的氯化氢氧化反应用催化剂及其制备方法
JP5817427B2 (ja) オキシ塩素化触媒及びそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法
JP5281558B2 (ja) 塩素の製造方法
JP6543972B2 (ja) 均一な触媒混合物を用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法
JP5776492B2 (ja) オキシ塩素化触媒の製造方法
JP6194809B2 (ja) 1,2−ジクロロエタンの製造方法
JP5817435B2 (ja) オキシ塩素化触媒の製造法
JP6056457B2 (ja) 1,2−ジクロロエタンの製造方法
WO2012133054A1 (ja) 臭素の製造方法
JP2012161717A (ja) 担持酸化ルテニウムの製造方法及び塩素の製造方法
JPH07206727A (ja) 塩素化炭化水素の製法
EP3995478A1 (en) Method for producing alkane
JP2013169517A (ja) 担持酸化ルテニウムの製造方法及び塩素の製造方法
JP2023102534A (ja) オキシ塩素化触媒及びそれを用いた1,2-ジクロロエタンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171003