JP6215514B2 - オキシ塩素化触媒 - Google Patents

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本発明は、新規なオキシ塩素化触媒に関するものであり、さらに詳しくは、エチレンから塩化ビニルモノマーの原料として有用な1,2−ジクロロエタンを高選択的に製造する新規なオキシ塩素化触媒及びそれを用いた1,2−ジクロロエタンの製造方法に関する。
1,2−ジクロロエタンは、エチレンの塩素による直接塩素化法、エチレン、塩化水素および酸素を原料とするオキシ塩素化法、等の方法により製造されている。その中でも、オキシ塩素化法による1,2−ジクロロエタンの製造においては、その製造設備の大型化が進んでおり、10万トンスケールでの大型装置が稼動している。このような大型装置での生産においては、生産効率上、1,2−ジクロロエタン選択率は重要なファクターであり、たとえ0.1%の選択率向上であってもその経済的価値は極めて大きなものとなる。
そして、エチレン、塩化水素および酸素を原料とするオキシ塩素化反応により1,2−ジクロロエタンを製造する方法として、アルミナ担体に塩化銅および塩化カリウムを担持した中空円筒状のオキシ塩素化触媒を用いる方法が知られており、例えば円筒形の形状寸法が規定されたオキシ塩素化触媒が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特開昭56−141842号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1により提案されたオキシ塩素化触媒であっても、その1,2−ジクロロエタン選択性はまだ満足できるものではなく、更に1,2−ジクロロエタン選択性の向上したオキシ塩素化触媒が期待されている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は高い1,2−ジクロロエタン選択率を発現するオキシ塩素化触媒を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の細孔、特定形状を有するオキシ塩素化触媒が、高い1,2−ジクロロエタン選択率を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、アルミナ担体に少なくとも塩化銅および周期表1族元素の塩化物を担持した中空円筒形状を有するオキシ塩素化触媒であって、細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および細孔直径15〜250nmの範囲内の細孔を有するとともに、細孔直径3〜15nm未満の細孔および細孔直径15〜250nmの細孔の細孔分布が共に1つのピーク頂点を有し、全細孔分布におけるピーク頂点はこれら2つであることを特徴とするオキシ塩素化触媒に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のオキシ塩素化触媒は、アルミナ担体に少なくとも塩化銅および周期表1族元素の塩化物を担持した中空円筒形状の触媒であり、細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および細孔直径15〜250nmの範囲内のそれぞれの細孔を有するものである。
ここで、細孔とは、IUPACにおいては、直径2nm以下の細孔をマイクロ孔、直径2〜50nmの細孔をメソ孔、直径50nm以上の細孔をマクロ孔と定義されている。本発明においては、細孔直径1〜300nm程度のものを細孔と称するものである。本発明における細孔直径は、例えば触媒粒子に水銀を圧入し、圧入時の水銀の圧力から測定する方法(水銀圧入法)により測定することが可能であり、細孔容積は、水銀の細孔への進入容積から算出できる。また、触媒粒子の表面に吸着占有面積のわかったガス分子を吸着させ、ガス分子の凝縮から細孔分布を測定する方法(ガス吸着法)により測定することも可能であり、特に水銀圧入法により測定したものであることが好ましい。
ここで、細孔分布とは、細孔の大きさとその体積の関係を示すものであり、表現方法として、積算細孔容積分布、差分細孔容積分布、微分細孔容積分布(dV/dD)、Log微分細孔容積分布(dV/d(logD))等が知られている。本発明における細孔直径は、Log微分細孔容積分布(dV/d(logD))で得られる細孔分布により求めることが可能であり、細孔直径とLog微分細孔容積の関係から導きだされる細孔分布として示される。
本発明のオキシ塩素化触媒は、細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および細孔直径15〜250nmの範囲内の細孔を共に有するものであり、細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および細孔直径15〜90nmの範囲内の細孔を共に有するものであることが好ましい。
そして、特に1,2−ジクロロエタン選択率と触媒強度のバランスに優れたオキシ塩素化触媒となることから、これら細孔を細孔分布として表した際に細孔直径3〜15nm未満の範囲内及び細孔直径15〜250nmの範囲内のそれぞれに1つ以上のピーク頂点を有するものであることが好ましい。細孔直径3〜15nm未満の細孔における細孔分布のピーク頂点の数としては、好ましくは1〜2点であり、さらに好ましくは1点である。また、細孔直径15〜250nmの細孔における細孔分布のピーク頂点の数は、さらに1,2−ジクロロエタン選択率が高い触媒となることから1〜5点が好ましく、特に好ましくは1点である。この際、1,2−ジクロロエタンの選択性と触媒強度に共に優れる触媒となることから、細孔直径3〜15nm未満の範囲内のピーク頂点に対する細孔直径15〜250nmの範囲内のピーク頂点の強度比が0.1〜1.0であるものが好ましく、特に0.2〜0.8であるものが好ましい。また、該細孔分布のピーク頂点は、細孔直径5〜13nmの範囲内および細孔直径20〜200nmの範囲内にそれぞれ存在することがより好ましい。
本発明のオキシ塩素化触媒は、アルミナ担体に少なくとも塩化銅および周期表1族元素の塩化物を担持した中空円筒形状を有するものである。ここで、塩化銅としては、塩化第一銅および/または塩化第二銅を挙げることができ、その中でも特に安定性に優れるオキシ塩素化触媒となることから塩化第二銅であることが好ましい。また、オキシ塩素化触媒に担持されている塩化銅の担持量としては、オキシ塩素化触媒が触媒として作用する限りにおいて如何なる制限はなく、その中でも触媒活性に優れるオキシ塩素化触媒となることから8〜25重量%であることが好ましく、特に10〜20重量%であることが好ましい。
周期表1族元素の塩化物の担持量としては、オキシ塩素化触媒が触媒として作用する限りにおいて如何なる制限はなく、その中でも塩化銅の安定性に寄与し触媒活性に優れるオキシ塩素化触媒となることから1〜20重量%であることが好ましく、特に1〜10重量%であることが好ましい。また、本発明のオキシ塩素化触媒における塩化銅と周期表1族元素の塩化物の担持割合は、オキシ塩素化触媒が触媒として作用する限りにおいて如何なる制限はなく、その中でも触媒活性と安定性に優れるオキシ塩素化触媒となることからに塩化銅1モルに対し周期表1族元素の塩化物0.1〜3モルであることが好ましく、特に0.2〜1モルであることが好ましい。そして、周期表1族元素の塩化物としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム等を挙げることができ、その中でも、オキシ塩素化触媒の安定性が高まるものとなることから塩化カリウムが好ましい。
本発明のオキシ塩素化触媒は、特に触媒活性と安定性に優れたものとなることから、さらに周期表2族元素の塩化物を担持したものであることが好ましい。この際の周期表2族元素の塩化物としては、例えば塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム等が挙げられ、その中でも、特に塩化マグネシウムであることが好ましい。その際の周期表2族元素の塩化物の担持量としては、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。また、本発明のオキシ塩素化触媒において周期表1族元素の塩化物として塩化カリウムを用いた場合、特に触媒活性と安定性に優れたものとなることから、さらに塩化カリウムを除く周期表1族元素の塩化物、周期表2族元素の塩化物を担持したものであることが好ましい。この際の塩化カリウムを除く周期表1族元素の塩化物、周期表2族元素の塩化物としては、例えば塩化ナトリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム等が挙げられ、その中でも、特に塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化セシウムであることが好ましい。その際の塩化カリウムを除く周期表1族元素の塩化物、周期表2族元素の塩化物の担持量としては、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。
本発明のオキシ塩素化触媒は、触媒活性が高いものとなることから、100〜300m/gの表面積を有するものであることが好ましく、特に120〜260m/gであることが好ましい。また、0.40〜0.70mL/gの全細孔容積を有するものであることが好ましく特に0.56〜0.65mL/gであることが好ましい。
本発明のオキシ塩素化触媒は、直径方向に対し5〜30N(木屋式強度計での測定値。)の圧縮破壊強度を有するものであることが好ましく、特に10〜20Nであることが好ましい。
本発明のオキシ塩素化触媒は、中空円筒形状を有するものであり、その形状寸法に特に制限はなく、その中でも触媒活性に優れるものとなることから外径2〜8mm、内径1〜7mm、長さ2〜8mmの円筒形状であることが好ましく、さらに外径3〜6mm、内径1〜3mm未満、長さ3〜6mmであることが好ましい。
本発明のオキシ塩素化触媒を構成するアルミナ担体に特に限定はなく、その中でも細孔を有する多孔質アルミナ担体が好ましく、特に細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および細孔直径15〜250nmの範囲内の細孔を有する中空円筒形状の多孔質アルミナ担体であることが好ましく、特に細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および細孔直径15〜90nmの範囲内の細孔を共に有するものであることが好ましい。このようなアルミナ担体は、いかなる方法により成形されても差し支えなく、例えば押出成形法または圧縮成形法により成形することができる。
本発明のオキシ塩素化触媒は、いかなる方法により製造されても差し支えなく、例えば細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および15〜250nmの範囲内の細孔を有する中空円筒形状のアルミナ担体に、少なくとも塩化銅および周期表1族元素の塩化物を担持することにより製造する方法を挙げることができる。その際の担持方法としては、例えば浸漬法、含浸法、共沈殿法、等の方法を挙げることができ、これらの中でも、操作が簡便で、生産性に優れることから、浸漬法であることが好ましい。
この際の浸漬法としては、例えば塩化銅および周期表1族元素の塩化物の溶液に該アルミナ担体を浸漬し、浸漬処理後、アルミナと溶液を分離した後、塩化銅および周期表1族元素の塩化物が付着したアルミナを乾燥、次いで焼成処理を行い、オキシ塩素化触媒を製造する方法を挙げることができる。浸漬液としては、特に制限はなく、塩化銅水溶液、周期表1族元素の塩化物水溶液を挙げることができる。塩化銅水溶液の濃度としては、好ましくは50〜400g/lであり、さらに好ましくは100〜300g/lである。また、周期表1族元素の塩化物水溶液の濃度としては、好ましくは20〜400g/lであり、さらに好ましくは40〜200g/lである。浸漬時の温度としては、例えば0〜80℃、好ましくは10〜50℃である。浸漬時の圧力としては、通常、常圧である。また、浸漬時間は、温度や塩化銅、周期表1族元素の塩化物の濃度により選択可能であり、通常、1〜10時間である。浸漬時の雰囲気に特に制限はなく、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスによって置換して用いることができる。
本発明のオキシ塩素化触媒を浸漬法で製造する場合の塩化銅および周期表1族元素の塩化物の担持順序に制限はなく、例えば塩化銅および周期表1族元素の塩化物を一度に担持する方法、塩化銅および周期表1族元素の塩化物を分割して担持する方法、を挙げることができ、さらに、周期表1族元素の塩化物を塩化カリウムとした際には、前記の塩化カリウムを除く周期表1族元素の塩化物、周期表2族元素の塩化物も必要に応じて各々の塩化物水溶液の状態で担持することができる。
また、乾燥温度としては、0〜250℃が好ましく、30〜200℃であることが特に好ましい。乾燥時間としては、1〜20時間が好ましく、特に2〜10時間であることが好ましい。乾燥中の雰囲気に制限はなく、通常、空気中で行なわれる。また、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスによって置換して乾燥することもできる。
焼成温度としては、0〜500℃が好ましく、100〜400℃であることが好ましい。焼成時間としては、1〜20時間が好ましく、特に2〜10時間であることが好ましい。また、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスによって置換して焼成することもできる。
本発明のオキシ塩素化触媒は、エチレン、塩化水素および酸素を原料にして1,2−ジクロロエタンを製造する際のオキシ塩素化触媒として用いることが可能であり、特に1,2−ジクロロエタンの選択性に優れる製造方法となるものである。
エチレン、塩化水素および酸素を原料にして、オキシ塩素化反応による1,2−ジクロロエタンを製造する際の反応形式に特に制限はなく、任意の反応形式で行うことが可能であり、例えば、固定床流通式または流動床流通式で行うことができる。これらのうち、装置が簡便なことから固定床流通式で行うことが好ましい。反応温度に特に制限はなく、中でも1,2−ジクロロエタンへ転換が効率的になることから、100℃〜400℃が好ましく、特に150℃〜350℃であることが好ましい。反応圧力に特に制限はなく、通常、絶対圧で0.01〜2MPaであり、好ましくは0.05〜1MPaである。また、固定床流通式反応の際のガス時間空間速度(GHSV)は、1,2−ジクロロエタンへ効率的に転換できることから、好ましくは10hr−1〜10000hr−1、さらに好ましくは30hr−1〜8000hr−1である。ここで、ガス時間空間速度(GHSV)とは、単位触媒体積当たりの単位時間(hr)に対するエチレンの供給量を表すものである。
オキシ塩素化反応は発熱反応であることから、必要に応じて希釈剤を触媒層に混合しても良い。希釈剤としては、特に限定されないが、例えばシリカ、アルミナ、カーボン等が用いられる。
なお、エチレン、塩化水素および酸素は、そのまま用いても、不活性ガスで希釈して用いても良い。不活性ガスとしては特に制限されるものではないが、例えば窒素、ヘリウムまたはアルゴン等が挙げられ、これらの不活性ガスは単独で使用するのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。代表的な例として、原料の一つである酸素に空気を用いるいわゆる空気法、空気に酸素を追加して用いる酸素富化法、窒素などの不活性ガスを使用しない酸素法が、工業化プロセスとして広く採用され実施されている。本発明のオキシ塩素化触媒は、いずれのプロセスにも好適に使用することができる。
本発明の新規なオキシ塩素化触媒は、エチレンから塩化ビニルモノマーの原料として有用な1,2−ジクロロエタンを高選択的に製造することが可能となり、工業的にも極めて有用である。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に実施例に用いた測定方法および反応評価方法を示す。
<細孔分布の測定>
細孔分布の測定は、水銀圧入法細孔分布測定装置(カンタクローム社製、(商品名)PoreMaster 60GT)を用い、細孔直径0.0036μm〜400μmの範囲で測定を行った。細孔分布のピークおよびピークの頂点は、Log微分細孔容積分布(dV/d(logD))、即ち、横軸に細孔直径、縦軸にLog微分細孔容積をプロットした図から読み取った。
<塩化銅の定量>
銅の定量は誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES、京都光研製、(商品名)UOP−1MKII)を用い、プラズマ電力1.2kW、測定波長は銅が324.754nm、アルミニウムが396.152nmの測定条件で行った。
<カリウムの定量>
カリウムの定量は原子吸光分光光度計(AA)(ジャーレルアッシュ製、(商品名)AA800MarkII)を用い、フレームはアセチレン−エアー、測定波長はナトリウムが58250nm、カリウムが766.5nmの測定条件で行った。
<反応方法>
オキシ塩素化触媒の反応評価は、ガラス製反応管(内径22mm、長さ600mm)を用いた固定床気相流通式反応装置を用いた。ガラス製反応管の中段に、オキシ塩素化触媒を充填し、エチレン、塩化水素、分子状酸素および希釈用窒素を触媒層に供給した。反応温度は電気炉を用いエチレン転化率が80%になるよう触媒層の温度を制御した。反応出口ガスおよび反応液を採取し、ガスクロマトグラフを用い、ガス成分および液成分を個別に分析した。ガス成分は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−1700)を用いて分析した。充填剤は、Waters社製PorapakQ(商品名)およびGLサイエンス社製MS−5A(商品名)を用いた。液成分は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−1700)を用いて分析した。分離カラムは、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)TC−1)を用いた。
実施例1
細孔直径6nmおよび36nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mm)に水を十分に吸収させた。CuCl=123g/l、KCl=106g/lの濃度の塩化銅−塩化カリウム水溶液163mlに前記のアルミナ担体30gを浸漬させた。室温で4時間浸漬した後、浸漬液からアルミナ担体を取り出し、マッフル炉を用いて100℃以上の温度で乾燥させた。その後、150〜400℃で5時間焼成し、外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.7mmを有する中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(細孔直径9nmおよび40nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する。)を調製した。調製した触媒の物性および反応評価結果を表1に示す。
実施例2
細孔直径7nmおよび66nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.6mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で外径5.0mm、内径1.9mm、長さ4.6mmを有する中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(細孔直径7nmおよび62nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する。)を調製し、反応評価を行った。調製した触媒の物性および反応評価結果を表1に示す。
実施例3
細孔直径8nmおよび207nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.8mm、長さ4.4mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で外径5.0mm、内径1.8mm、長さ4.4mmを有する中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(細孔直径10nmおよび191nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する。)を調製し、反応評価を行った。調製した触媒の物性および反応評価結果を表1に示す。
実施例4
細孔直径5nmおよび16nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する中空円筒形状のアルミナ担体(外径4.9mm、内径1.8mm、長さ4.5mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で外径4.9mm、内径1.8mm、長さ4.5mmを有する中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(細孔直径8nmおよび20nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する。)を調製し、反応評価を行った。調製した触媒の物性および反応評価結果を表1に示す。
比較例1
細孔直径6nmに細孔分布のピーク頂点を有する中空円筒形状のアルミナ担体(外径5.0mm、内径1.8mm、長さ4.7mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で外径5.0mm、内径1.8mm、長さ4.7mmを有する中空円筒形状のオキシ塩素化触媒(細孔直径8nmに細孔分布のピーク頂点を有する。)を調製し、反応評価を行った。調製した触媒の物性および反応評価結果を表1に示す。
比較例2
細孔直径6nmおよび34nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する球形のアルミナ担体(外径5.0mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で外径5.0mmを有する球形のオキシ塩素化触媒(細孔直径9nmおよび32nmにそれぞれ細孔分布のピーク頂点を有する。)を調製し、反応評価を行った。調製した触媒の物性および反応評価結果を表1に示す。調製した触媒の性能を表1に示す。
Figure 0006215514
本発明の新規なオキシ塩素化触媒は、エチレンから塩化ビニルモノマーの原料として有用な1,2−ジクロロエタンを製造する際の触媒として利用することが可能であり、その際の1,2−ジクロロエタンの選択性は極めて高いものとなり、経済的にも優れたものとなる。

Claims (11)

  1. アルミナ担体に少なくとも塩化銅および周期表1族元素の塩化物を担持した中空円筒形状を有するオキシ塩素化触媒であって、細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および細孔直径15〜250nmの範囲内の細孔を有するとともに、細孔直径3〜15nm未満の細孔および細孔直径15〜250nmの細孔の細孔分布が共に1つのピーク頂点を有し、全細孔分布におけるピーク頂点はこれら2つであることを特徴とするオキシ塩素化触媒。
  2. 外径3〜6mm、内径1〜3mm未満、長さ3〜6mmの中空円筒形状を有することを特徴とする請求項1に記載のオキシ塩素化触媒。
  3. 塩化銅の担持量が8〜25重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオキシ塩素化触媒。
  4. 周期表1族元素の塩化物の担持量が1〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒。
  5. 塩化銅1モルに対する周期表1族元素の塩化物の担持量が0.1〜1モルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒。
  6. 周期表1族元素の塩化物が塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウムおよび塩化セシウムからなる群から選択される1種以上の塩化物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒。
  7. 周期表1族元素の塩化物が塩化カリウムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒。
  8. さらに、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムおよび塩化セシウムからなる群より選択される1種以上の金属塩化物を担持したことを特徴とする請求項7に記載のオキシ塩素化触媒。
  9. 細孔直径3〜15nm未満の範囲内の細孔および細孔直径15〜90nmの範囲内の細孔を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒。
  10. 細孔直径3〜15nm未満の細孔および細孔直径15〜250nmの細孔を有する中空円筒形状のアルミナ担体に、少なくとも塩化銅及び周期表1族元素の塩化物を浸漬法で担持する際に100〜300g/lの塩化銅水溶液及び40〜200g/lの周期表1族元素の塩化物水溶液を用い、更に乾燥および焼成することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のオキシ塩素化触媒の存在下、エチレン、塩化水素及び酸素のオキシ塩素化反応を行なうことを特徴とする1,2−ジクロロエタンの製造方法。
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