JP5015057B2 - 塩素合成用触媒およびその製造方法、ならびに該触媒を用いた塩素の合成方法 - Google Patents

塩素合成用触媒およびその製造方法、ならびに該触媒を用いた塩素の合成方法 Download PDF

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本発明は、塩素合成用触媒およびその製造方法、ならびに該触媒を用いた塩素の合成方法に関し、特に、触媒活性に優れる塩素合成用触媒、その製造方法、および塩化水素転化率に優れる塩素合成方法に関する。
塩素は塩化ビニル、ホスゲン等の原料として有用である。塩素を製造する方法としては、主に食塩電解法、あるいは塩化水素の触媒的酸化等がある。ただし、食塩電解法は、多くの電力を用いるため、エネルギー的に不利であり、かつ、苛性ソーダを副生するため、両者のバランスを考慮しなければならない。それに比較して、塩化水素の触媒的酸化による製造は、塩化ビニルやホスゲンの製造などのような塩化水素を副生するプロセスにおいては塩化水素を有効に利用できるため、有利である。
触媒的酸化による塩化水素からの塩素の製造においては、その反応が発熱反応であり、平衡転化率の影響を受けるため、より低温ほど有利である。この反応に用いられる触媒としては、例えば、銅を主成分とするDeacon触媒、Cr23/SiO2触媒、RuO2/TiO2触媒などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
銅を主成分とするDeacon触媒については、例えば、比表面積200m2/g以上および平均細孔直径60A以上のシリカゲル担体に塩化銅、アルカリ金属塩化物、塩化ジジム等のランタノイド類を担持した触媒組成(例えば、特許文献2参照)、410m2/g、0.72ml/gのシリカゲルを用いて銅、カリウム、ジジムを含浸し調製した流動床触媒(例えば、特許文献3参照)、銅、カリウム、ランタンにマグネシウムを添加した触媒(例えば、特許文献4参照)などについての開示がある。
しかしながら、これらの触媒には、一長一短がある。Deacon触媒やCr23/SiO2触媒は活性成分は安価であるが、活性が不十分なため、高温での反応が必要になる。塩酸酸化の反応は発熱反応であり、反応平衡があるため、高温ほど転化率は低くなってしまう。一方、RuO2/TiO2触媒は、少量担持でも高活性であるが、廃触媒から貴金属を回収、リサイクルする必要があり、また、昨今のRuの需要増により価格が上昇するなど、安定供給やコスト面で不利である。
したがって、より低温での反応が可能であり、かつ、価格的にも安価で安定供給が可能である成分元素を用いた触媒の開発が望まれる。
特開平9−67103号公報 米国特許3260678号公報 米国特許3483136号公報 特公昭52−5473号公報
本発明は、触媒活性に優れる塩素合成用触媒、そのような触媒の製造方法、および塩化水素転化率に優れる塩素合成方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素が
担体に担持されてなる塩素合成用触媒において、所定の担体処理を経て得られた担体を採用することにより、触媒活性が著しく向上することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の塩素合成用触媒は、銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分と、当該活性成分を担持するための担体とを含む塩素合成用触媒であって、前記担体が、少なくとも水と未処理担体とを含み、かつ上澄液のpHが6.5〜10.5である浸漬液を調製し、当該浸漬液から未処理担体を回収して得られることを特徴とする。
また、上記担体が、下記要件(1)を満たす未処理担体に担体処理(A)を行うこと、または下記要件(2)を満たす未処理担体に担体処理(B)を行うことにより得られ、
前記担体処理(A)が下記工程(1A)〜(3A)を順次実施する処理であり、
前記担体処理(B)が下記工程(1B)〜(2B)を順次実施する処理であることが好ましい。
要件(1):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5未満または10.5を超えること
要件(2):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5〜10.5であること
(1A)工程:前記未処理担体を1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(a)を調製する工程
(2A)工程:前記浸漬液(a)の上澄液のpHを6.5〜10.5に調整して浸漬液(a´)を調製する工程
(3A)工程:前記浸漬液(a´)から未処理担体を回収する工程
(1B)工程:前記未処理担体を1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(b)を調製する工程
(2B)工程:前記浸漬液(b)から未処理担体を回収する工程
また、上記塩素合成用触媒100重量%あたり、前記担体を60〜98重量%、前記銅元素を1〜12重量%含有し、銅元素とアルカリ金属元素との重量比が、1:0.4〜1:1であり、銅元素と希土類元素との重量比が、1:0.6〜1:1.5であることが好ましい。
本発明の塩素合成方法は、上記塩素合成用触媒の存在下において、塩化水素を酸素により酸化して塩素を合成することを特徴とする。
本発明の塩素合成用触媒の製造方法は、下記要件(1)を満たす未処理担体に、下記工程(1A)〜(3A)を順次実施する担体処理(A)を行って担体を調製する工程(I−A)、
前記担体に銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分を担持する工程(II)、
前記活性成分を担持させた担体を焼成処理する工程(III)を有することを特徴とする。
要件(1):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5未満または10.5を超えること
(1A)工程:前記未処理担体が1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(a)を調製する工程
(2A)工程:前記浸漬液(a)の上澄液のpHを6.5〜10.5に調整して浸漬液(a´)を調製する工程
(3A)工程:前記浸漬液(a´)から未処理担体を回収する工程
本発明の塩素合成用触媒の製造方法は、下記要件(2)を満たす未処理担体に、工程(
1B)〜(2B)を順次実施する担体処理(B)を行って担体を調製する工程(I−B)、
前記担体に銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分を担持する工程(II)、
前記活性成分を担持させた担体を熱処理する工程(III)を有することを特徴とする。
要件(2):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5〜10.5であること
(1B)工程:前記未処理担体が1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(b)を調製する工程
(2B)工程:前記浸漬液(b)から未処理担体を回収する工程
また、上記塩素合成用触媒の製造方法において、前記工程(II)が、前記銅化合物、アルカリ金属化合物および希土類化合物が溶媒に溶解した状態あるいは溶媒に分散された状態で、前記銅化合物、アルカリ金属化合物および希土類化合物を担体に担持させる工程であることが好ましい。
本発明の塩素合成用触媒は、従来の銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を担体に担持した塩素合成用触媒と比べて、再現性良く触媒活性を向上させることができる。さらには、このような触媒を用いることで、塩化水素の酸化反応により、塩素を効率的に合成することができる。
本発明の塩素合成用触媒は、銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分と、当該活性成分を担持するための担体とを含む塩素合成用触媒であって、前記担体が、少なくとも水と未処理担体とを含み、かつ上澄液のpHが6.5〜10.5である浸漬液を調製し、当該浸漬液から未処理担体を回収して得られることを特徴とする。
以下、本発明の塩素合成用触媒について、構成要件ごとに具体的に説明する。
<1.活性成分>
本発明の塩素合成用触媒は、活性成分として、銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する。以下、各活性成分について説明する。
塩素合成用触媒に含まれる銅元素としては、通常1価または2価の原子価の状態で含有されている。また、銅元素の含有量は、塩素合成用触媒100重量%当たり、1〜12重量%であることが好ましく、2〜10重量%であることがより好ましい。このような銅元素の含有量であれば、担体に十分な量であり、かつ分散性が良い状態で存在でき、良好な触媒活性を発揮できるためである。
塩素合成用触媒に含まれるアルカリ金属元素としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられ、これらのアルカリ金属は、単独あるいは2種類以上の組み合わせであってもよい。この中でも、ナトリウムおよびカリウムの組み合わせ、またはナトリウムあるいはカリウム単独が好ましく、カリウム単独がより好ましい。
塩素合成用触媒に含まれる希土類元素としては、元素周期表第3族に属する、スカンジウム、イットリウム、原子数57〜71を有するランタノイドが挙げられ、単独あるいは2種類以上の組み合わせであってもよい。このなかでも、イットリウム、スカンジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ディス
プロシウム、イッテルビウムが好ましく、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウムがより好ましい。
また、活性成分の組成比率(重量比)として、銅元素とアルカリ金属元素との重量比が1:0.4〜1:1であり、銅元素と希土類元素との重量比が1:0.6〜1:1.5であることが好ましい。また、銅元素とアルカリ金属元素との重量比が1:0.5〜1:0.9であり、銅元素と希土類元素との重量比が1:0.8〜1:1.3であることがより好ましい。上記の範囲に規定することにより、各元素が焼成等で複合化しやすく、触媒活性も向上することができる。
本発明の塩素合成用触媒は、活性成分としての銅元素、アルカリ金属元素および希土類以外に、任意成分として、アルカリ土類金属元素、第4族元素、第7族元素、第8族元素、第9族元素、第10族元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素および第14族元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むこともできる。
<2.担体>
本発明に用いる担体は、未処理担体から後述する担体処理(担体処理(A)または担体処理(B))を行うことで得られるものが好ましい。
また、未処理担体の組成としては、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。このなかでも、安定性や入手のし易さという観点から、シリカが好ましい。
例えば、シリカは、通常の市販のシリカゲル、ヒュームドシリカ、ゼオライト等がある。
なお、市販されているシリカは、通常、その構造や結晶性等により製造法は異なり反応器にシリカ以外にpH調整剤、テンプレート等を共存させて製造されている。そのため、シリカ中にこれらの添加物が残存する場合には、これらの添加物の影響を無視できない場合がある。しかしながら、後述するような担体処理を行うことにより、上記影響を無視できる担体が得られ、さらには、この担体を用いることで、触媒活性が高い塩素合成用触媒が得られる。
また、塩素合成用触媒に含まれる担体の含有量としては、担体の組成、形状等により適宜調節することができるが、通常、塩素合成用触媒100重量%当たり、60〜98重量%であることが好ましい。
塩素合成用触媒の形状としては、特に限定されず、反応器の大きさ、形状、方式等を考慮して、適宜選択することができる。具体的には、粉体状、顆粒状、ペレット状、ヌードル状、球状等が挙げられる。
<3.塩素合成用触媒の製造方法>
本願発明の塩素合成用触媒は、少なくとも水と担体とを含み、かつ上澄液のpHが6.5〜10.5である浸漬液を調製し、当該浸漬液から未処理担体を回収する工程、当該未処理担体を乾燥処理あるいは焼成処理して担体を調製する工程、活性成分を担持する工程および活性成分を担持させた担体を焼成処理する工程を行うことにより製造される。
また、前記担体を調製する工程は通常、後述する担体処理(担体処理(A)または(B))を経て担体を調製する工程であることを特徴とし、塩素合成用触媒は以下に述べる製造方法1または2によって製造されることが好ましい。以下、製造方法1および2について詳説する。
(1)塩素合成用触媒の製造方法1
塩素合成用触媒の製造方法1は、下記要件(1)を満たす未処理担体に、工程(1A)〜(3A)を順次実施する担体処理(A)を行って担体を調製する工程(I−A)、前記担体に銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分を担持する工程(II)、前記活性成分を担持させた担体を焼成処理する工程(III)を有する。
要件(1):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5未満または10.5を超えること
(1A)工程:前記未処理担体が1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(a)を調製する工程
(2A)工程:前記浸漬液(a)の上澄液のpHを6.5〜10.5に調整して浸漬液(a´)を調製する工程
(3A)工程:前記浸漬液(a´)から未処理担体を回収する工程
(2)塩素合成用触媒の製造方法2
塩素合成用触媒の製造方法2は、下記要件(2)を満たす未処理担体に、工程(1B)〜(2B)を順次実施する担体処理(B)を行って担体を調製する工程(I−B)、前記担体に銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分を担持する工程(II)、前記活性成分を担持させた担体を焼成処理する工程(III)を有することを特徴とする。
要件(2):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5〜10.5であること
(1B)工程:前記未処理担体を1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(b)を調製する工程
(2B)工程:前記浸漬液(b)から未処理担体を回収する工程
以下、担体処理(A)および(B)、工程(II)および工程(III)について説明する。
まず、要件(1)を満足する未処理担体から担体を得るための担体処理(A)(担体処理工程(I−A))について説明する。
要件(1)とは、未処理担体が未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5未満または10.5を超えることである。
また、未処理担体が要件(1)を満たすことは、未処理担体を5重量%の含有量で水に混合(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(a)を調製し、浸漬液の上澄液のpHが、6.5未満または10.5を超えることを確認することで判断できる。このとき、未処理担体の形状は粉状あるいは成型された形状であってもよく、浸漬液は、前記未処理担体を水中に添加し、未処理担体を崩壊させることなく、攪拌して調製される。また、浸漬液の上澄液は、例えば、浸漬液を一定時間放置して、未処理担体を沈澱させて得ることができる。また、pH値の測定は、pHメーター等の公知のpH測定手段を用いることができる。
前記担体処理(A)における工程(1A)は、未処理担体を1〜50重量%の含有量で水に混合(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液を調製する工程である。このとき、浸漬液(a)は、前記未処理担体を水中に添加し、未処理担体を崩壊させることなく、攪拌して調製される。
担体処理(A)における工程(2A)は、浸漬液(a)の上澄液のpHを6.5〜10
.5、好ましくは7.0〜10.0に調整して浸漬液(a´)を調製する工程である。
浸漬液(a)の上澄液のpH調整に使用されるpH調整剤としては、通常一般的な水溶性の無機酸や無機塩基が用いられる。例えば、担体浸漬液の上澄液のpHが6.5よりも低い場合では、Li、Na,K,Rb、Csなどのアルカリ金属の各種水酸化物等の無機塩基が用いられる。逆にpHが10.5よりも高い場合には、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸が用いられる。
また、浸漬液(a)の上澄液は、浸漬液(a)を、例えば、一定時間の放置をすることにより得られ、pH値の測定は、例えばpHメーター等の公知のpH測定手段を用いることができる。
また、浸漬液(a)を加熱攪拌して調製した場合や、pHの調節時に液温が著しく上昇した場合は、浸漬液(a)の上澄の液温が室温になるまで冷却する。さらに、浸漬液(a)の上澄液のpHを調整した後、所定時間(例えば30分以上)放置して、pH変化がないことを確認することが好ましい。
なお、担体処理(A)を経て調製された担体を用いて、担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した場合、この浸漬液の上澄液のpHは、6.5〜10.5である。
担体処理(A)の工程(3A)は、浸漬液(a´)から未処理担体を回収する工程である。
未処理担体を回収する手段としては、濾過、遠心分離等が挙げられ、製造スケール等を考慮して適宜選択することができる。
なお、工程(1A)〜(2A)を経て、工程(3A)において、浸漬液(a´)から回収された未処理担体を担体という。
担体処理(A)後に適宜、乾燥処理あるいは焼成処理をすることもでき、乾燥手段あるいは焼成手段は、細孔構造に影響を及ぼす蒸し焼き状態にならなければ特に限定されず、風乾、熱風乾燥器、あるいは焼成炉、真空乾燥炉、あるいは真空焼成炉等の公知の乾燥手段あるいは焼成手段が挙げられる。また、乾燥あるいは焼成は、2〜20時間、30〜700℃の条件下において行われることが好ましい。
以下、要件(2)を満足する未処理担体から担体を得るための担体処理(B)について説明する。
要件(2)とは、未処理担体が、未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5〜10.5であることである。
未処理担体が要件(2)を満たすことは、未処理担体を5重量%の含有量で水に混合(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(a)を調製し、浸漬液の上澄液のpHが、6.5〜10.5の範囲であることを確認することで判断できる。このとき、未処理担体は粉状あるいは成型された状態であってもよく、浸漬液(a)は、前記未処理担体を水中に添加し、未処理担体を崩壊させることなく、攪拌して調製される。また、浸漬液(a)の上澄液は、例えば、浸漬液(a)を一定時間放置して、未処理担体を沈降させて得られる。また、pH値の測定は、pHメーター等の公知のpH測定手段を用いることができる。
担体処理(B)の工程(1B)は、未処理担体を1〜50重量%の含有量で水に混合(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(b)を調製する工程である。
担体処理(B)の工程(2B)は、浸漬液(b)から未処理担体を回収する工程であり、担体処理(A)の工程(3A)と同様の回収手段により、未処理担体を回収することができる。
なお、工程(1B)を経て、工程(2B)において、浸漬液(b)から回収された未処理担体を担体という。
また、浸漬液(b)の上澄液のpHが7.0〜10.0の範囲から外れている場合、工程(1B)と工程(2B)との間において、浸漬液(b)の上澄液のpHを7.0〜10.0に調整する工程(1´B)を実施することが好ましい。工程(1´B)を実施することにより、塩素合成用触媒の活性をより向上させることが可能になる。
ここで、浸漬液(b)の上澄液のpH調整をするにあたり、公知のpH調整剤やpH値の測定手段を用いることができ、工程(2A)において使用されるpH調整剤や測定手段を用いることができる。
また、浸漬液(b)を加熱攪拌して調製した場合や、pHの調節時に液温が著しく上昇した場合は、浸漬液(b)の上澄の液温が室温になるまで冷却する。さらに、浸漬液(b)の上澄液のpHを調整した後、所定時間(例えば30分以上)放置して、pH変化がないことを確認することが好ましい。
担体処理(B)後に適宜、乾燥処理あるいは焼成処理をすることもでき、乾燥手段あるいは焼成手段は、細孔構造に影響を及ぼす蒸し焼き状態にならなければ特に限定されず、風乾、熱風乾燥器、あるいは焼成炉、真空乾燥炉、あるいは真空焼成炉等の公知の乾燥手段あるいは焼成手段が挙げられる。また、乾燥あるいは焼成は、2〜20時間、30〜700℃の条件下において行われることが好ましい。
工程(II)担持工程は、活性成分を担体に担持する工程である。以下、工程(II)担持工程について説明する。
なお、活性成分は、該活性成分を含む化合物として担体に担持される。活性成分を含む化合物は、担持後の焼成処理により酸化物あるいは塩化物の形態を採ることができるものであれば特に限定されず、具体的には、塩化物等のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、シュウ酸化物、酸化物、水酸化物、アルコキシド、錯塩等が挙げられる。
この中でも、触媒製造の際に用いる装置は、ステンレス等の鉄系材料が汎用されており、このような材料は、塩化物等のハロゲン化物を用いた場合、腐食しやすいということを考慮すれば、取り扱いが簡便である硝酸塩あるいは酢酸塩を用いることが好ましい。
上述のような担体処理により得られた担体に、活性成分を含む化合物担持させる手段としては、特に限定されず、真空チャンバー内でのCVD等の蒸着法、気相担持法、液相担持法等が挙げられる。この中でも、担体に、活性成分を担持させるにあたり、活性成分を含む化合物が溶媒に溶解した状態あるいは溶媒に分散された状態で、活性成分を担体に担持させること(液相担持法)が好ましい。
以下、液相担持法を用いた担持手段について説明する。
まず、担体と活性成分を含む化合物との混合としては、活性成分を含む化合物が担体と均一に混合できるのであれば特に限定されない。例えば、物理的な混合でも、一旦溶解して複合塩の形態にしてもよく、溶媒中に分散させる場合には、化合物が凝集せず、均一な浸漬液となる溶媒であれば特に制限されない。溶媒中に溶解させる場合には、特に制限はないが、取り扱いの容易さから水の使用が好ましい。
また、上記活性成分を含む化合物を溶媒に溶解するときの濃度は、均一に分散できれば、特に制限されないが、濃度が低すぎると、分散担持に時間がかかるため、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは、2〜40重量%である。
担体を溶液中に浸して担持する場合には、目標とする活性成分が含有率に達するまで繰り返してもよい。この場合、焼成は担体を溶液中に浸して分散担持する操作ごとに行うこともできるし、あるいは目標とする含有率に達してから行うこともできる。
工程(III)焼成処理工程は、工程(II)担持工程を経て活性成分が担持された担体を焼成処理する工程である。この焼成処理の雰囲気、温度は特に限定されないが、大気あるいは酸素中のような酸素を含む雰囲気下で、200〜600℃、好ましくは300〜600℃の温度で1〜10hr焼成することが望ましい。
また、活性成分が担持された担体を焼成処理する前に乾燥することが好ましく、各活性成分を均一に分散、固定化することができる。乾燥は、雰囲気は特に限定されず、室温〜200℃の温度で1〜10h行うことができる。
<4.塩素の製造>
本発明の塩素の製造方法は、塩化水素を酸素により酸化して塩素を製造するにあたり、前記塩素合成用触媒の存在下で実施し、塩化水素の酸化反応を従来の銅系塩素合成触媒(Deacon触媒)と比較して触媒活性が高く、低い温度条件において実施できるため、高い塩化水素転化率を達成できる。
上記塩素の合成における反応方式としては、生産スケール等を考慮して、適宜選択することができる。例えば、バッチ式、流通式の何れでもよく、流通式の場合、反応器は流動床、固定床、移動床の何れでもよい。
反応温度は、塩化水素と酸素が十分に反応し、塩素が生成する温度であれば特に限定されないが、塩化水素と酸素の反応は平衡反応であり、反応温度が高すぎると転化率が低下する。一方、触媒活性は、温度が高いほど高活性である。従って、反応平衡と触媒活性の兼ね合いから、通常、250〜500℃の範囲内で実施され、320〜420℃の範囲内で実施されることが好ましい。250℃未満である場合、触媒の活性が低下し、塩素の生成速度が低下し、一方、500℃を超えると、塩化水素転化率が低下する。
反応時の圧力条件としては、操作性を考慮すると、大気圧〜50気圧程度が好ましい。
反応に用いる酸素の酸素源としては、空気をそのまま使用してもよいが、平衡反応であるために、塩化水素転化率は100%に至らず、未反応の塩化水素と生成物である塩素との分離が必要である。したがって、酸素源は、不活性な窒素を含まない純酸素であることが好ましい。
また、本反応における酸素に対する塩化水素のモル比(塩化水素/酸素)は、理論上4であるが、一般的に理論量よりも酸素を過剰に供給するほうが高い触媒活性を得ることができることから、酸素に対する塩化水素のモル比(塩化水素/酸素)は、1〜2.9であることが好ましい。
また、触媒重量に対する塩化水素の供給速度は、触媒1Kgあたり、通常、130〜3000L/hの範囲内の値であることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
まず、実施例および比較例において用いた(i)未処理担体、(ii)未処理担体の担体処理、(iii)触媒成分およびその成分比率について説明する。
(i)未処理担体
未処理担体の種類および、未処理担体を水に、未処理担体:水=5:95の重量比で、80℃、30分浸漬処理後、20℃に冷却して得た浸漬液の上澄液のpHを、表1に示す。
Figure 0005015057
(ii)担体処理
前記未処理担体を水に、未処理担体:水=5:95の重量比で、80℃、30分浸漬し、20℃に冷却して浸漬液を得た。該浸漬液に行った処理(担体処理1〜4)を、表2に示す。なお、前記未処理担体を水に浸漬しないで、そのまま触媒担持に使用した場合を担体処理0とした。
Figure 0005015057
(iii)触媒成分の重量比
実施例および比較例における塩素合成用触媒の触媒成分とその成分比率(重量比)を表3に示す。なお、用いた化合物は、塩化第二銅(和光純薬、特級)、塩化サマリウム・六水和物(和光純薬、特級)、塩化プラセオジム(和光純薬、特級)、塩化カリウム(和光純薬、特級)である。
Figure 0005015057
[実施例1]
未処理担体1と水を、未処理担体1:水=5:95の重量比で、80℃、30分間攪拌
し、浸漬液(a)を調製した。この浸漬液(a)に担体処理2を行い、浸漬液(a)の上澄液のpHを8.0に調整して浸漬液(a´)を調製した。これを濾過し、未処理担体1を回収し、未処理担体1を120℃、3h乾燥、500℃、2h焼成して担体を得た。
次いで、ガラスフラスコに水30gと塩化第二銅(和光純薬、特級)1.29g(銅として0.01モル)、塩化サマリウム・六水和物(和光純薬、特級)1.41g、塩化カリウム(和光純薬、特級)0.67gを加え溶液とし、これに担体を10.4g加え、エバポレーターを用いて80℃で蒸発乾固した後に、250℃、3hで焼成して、触媒成分3の重量比を有する塩素合成用触媒を得た(触媒1)。
得られた塩素合成用触媒(触媒1)を10〜20メッシュの粒径にそろえて、1/2インチ径の反応管に2g充填し、塩化水素(鶴見曹達、99.7%)を57ml/分、酸素を28.5ml/分供給し、反応温度390℃で反応させた。生成ガスは、ヨウ化カリウム(関東化学、オキシダント測定用)の0.2mol/l水溶液に8分間吸収させ、0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液(関東化学)で生成した塩素の量を測定し塩化水素の転化率を求めた。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例1]
未処理担体1に担体処理を行わなかった(担体処理0)以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒2)を得た。表4に、塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例2]
未処理担体1に担体処理2を行い、浸漬液(a)の上澄液のpHを9.0に調整した以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒3)を得た。表4に、塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例3]
未処理担体1に担体処理3を行い、浸漬液(a)の上澄液のpHを8.0に調整した以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒4)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例4]
未処理担体1に担体処理3を行い、浸漬液(a)の上澄液のpHを9.0に調整した以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒5)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例2]
未処理担体1に担体処理2を行い、浸漬液(a)の上澄液のpHを10.6に調整した以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒6)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例3]
未処理担体を未処理担体2とし、未処理担体2に担体処理を行わなかった(担体処理0)以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒7)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例5]
未処理担体を未処理担体2とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒8)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例4]
未処理担体を未処理担体3とし、未処理担体3に担体処理を行わなかった(担体処理0)以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒9)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例6]
未処理担体を未処理担体3とし、未処理担体3に担体処理1を行い、上澄液のpHが8.0である浸漬液(a)を調整した以外は、実施例1と同様に調整して塩素合成用触媒(触媒10)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例5]
未処理担体を未処理担体3とし、未処理担体3に担体処理4を行い、浸漬液(a)の上澄液のpHを5.0に調整した以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒11)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例6]
未処理担体を未処理担体3とし、未処理担体3に担体処理2を行い、浸漬液(a)の上澄液のpHを11.0に調整した以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒12)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例7]
未処理担体を未処理担体4とし、未処理担体4に担体処理を行わなかった(担体処理0)以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒13)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例7]
未処理担体を未処理担体4とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒14)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例8]
未処理担体を未処理担体4とし、未処理担体に担体処理4を行い、浸漬液(a)の上澄液のpHを5.0に調整した以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒15)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例9]
未処理担体を未処理担体2とし、未処理担体2に担体処理を行わず(担体処理0)、触媒成分を触媒成分1の重量比とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒16)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例8]
未処理担体を未処理担体2とし、触媒成分を触媒成分1の重量比とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒17)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例10]
未処理担体を未処理担体2とし、未処理担体2に担体処理を行わず(担体処理0)、触媒成分を触媒成分2の重量比とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒18)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例9]
未処理担体を未処理担体2とし、触媒成分を触媒成分2の重量比とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒19)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[比較例11]
未処理担体を未処理担体2とし、未処理担体2に担体処理を行わず(担体処理0)、触媒成分を触媒成分4の重量比とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒20)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。なお、塩化水素の転化率を測定する際の反応温度は、380℃である。
[実施例10]
未処理担体を未処理担体2とし、触媒成分を触媒成分4の重量比とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒21)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。なお、塩化水素の転化率を測定する際の反応温度は、380℃である。
[比較例12]
未処理担体に担体処理を行わず(担体処理0)、触媒成分を触媒成分5の重量比とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒22)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
[実施例11]
触媒成分を触媒成分5の重量比とした以外は、実施例1と同様に調製して塩素合成用触媒(触媒23)を得た。塩化水素の転化率の結果については、表4に示す。
Figure 0005015057

Claims (7)

  1. 銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分と、当該活性成分を担持するための担体とを含む塩素合成用触媒であって、
    前記担体が、
    少なくとも水と未処理担体とを含み、かつ上澄液のpHが6.5〜10.5である浸漬液を調製し、当該浸漬液から未処理担体を回収して得られることを特徴とする塩素合成用触媒。
  2. 前記担体が、下記要件(1)を満たす未処理担体に担体処理(A)を行うこと、または下記要件(2)を満たす未処理担体に担体処理(B)を行うことにより得られ、
    前記担体処理(A)が下記工程(1A)〜(3A)を順次実施する処理であり、
    前記担体処理(B)が下記工程(1B)〜(2B)を順次実施する処理であることを特徴とする請求項1に記載の塩素合成用触媒。
    要件(1):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5未満または10.5を超えること
    要件(2):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5〜10.5であること
    (1A)工程:前記未処理担体を1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(a)を調製する工程
    (2A)工程:前記浸漬液(a)の上澄液のpHを6.5〜10.5に調整して浸漬液(a´)を調製する工程
    (3A)工程:前記浸漬液(a´)から未処理担体を回収する工程
    (1B)工程:前記未処理担体を1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(b)を調製する工程
    (2B)工程:前記浸漬液(b)から未処理担体を回収する工程
  3. 前記塩素合成用触媒100重量%あたり、前記担体を60〜98重量%、前記銅元素を1〜12重量%含有し、銅元素とアルカリ金属元素との重量比が、1:0.4〜1:1であり、銅元素と希土類元素との重量比が、1:0.6〜1:1.5であることを特徴とする請求項1または2に記載の塩素合成用触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩素合成用触媒の存在下において、塩化水素を酸素により酸化して塩素を合成することを特徴とする塩素合成方法。
  5. 下記要件(1)を満たす未処理担体に、下記工程(1A)〜(3A)を順次実施する担体処理(A)を行って担体を調製する工程(I−A)、
    前記担体に銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分を担持する工程(II)、
    前記活性成分を担持させた担体を焼成処理する工程(III)を有することを特徴とする、塩素合成用触媒の製造方法。
    要件(1):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5未満または10.5を超えること
    (1A)工程:前記未処理担体が1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(a)を調製する工程
    (2A)工程:前記浸漬液(a)の上澄液のpHを6.5〜10.5に調整して浸漬液(a´)を調製する工程
    (3A)工程:前記浸漬液(a´)から未処理担体を回収する工程
  6. 下記要件(2)を満たす未処理担体に、下記工程(1B)〜(2B)を順次実施する担
    体処理(B)を行って担体を調製する工程(I−B)、
    前記担体に銅元素、アルカリ金属元素および希土類元素を含有する活性成分を担持する工程(II)、
    前記活性成分を担持させた担体を熱処理する工程(III)を有することを特徴とする、塩素合成用触媒の製造方法。
    要件(2):未処理担体5重量%および水95重量%からなる浸漬液を調製した際に、該浸漬液の上澄液のpHが、6.5〜10.5であること
    (1B)工程:前記未処理担体が1〜50重量%の含有量で水に浸漬(ただし、水および未処理担体の合計を100重量%とする。)して浸漬液(b)を調製する工程
    (2B)工程:前記浸漬液(b)から未処理担体を回収する工程
  7. 前記工程(II)が、前記銅化合物、アルカリ金属化合物および希土類化合物が溶媒に溶解した状態あるいは溶媒に分散された状態で、前記銅化合物、アルカリ金属化合物および希土類化合物を担体に担持させる工程であることを特徴とする請求項5または6に記載の塩素合成用触媒の製造方法。
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