JP2014090057A - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、複雑なゲート制御回路を必要とせず、ドリフト層に発生する積層欠陥の拡大を抑制することで、低いオン抵抗を実現する炭化珪素半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、n型の炭化珪素半導体基板1と、炭化珪素半導体基板1上に形成されたn型のドリフト層2と、ドリフト層2表面に形成されたp型の複数のウェル領域3と、少なくとも一部のウェル領域3表面から少なくともドリフト層2中に達して形成された溝部とを備える。溝部は、ドリフト層2の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の絶縁物29で充填されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭化珪素を使用した半導体装置に関するものである。
パワーエレクトロニクス機器では、電気モータ等の負荷を駆動する電力供給の実行と停止とを切り替える手段として、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)およびMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等のスイッチング素子が使用されている。
半導体素子は、通電時に電子あるいは正孔のみが伝導に作用するユニポーラ素子と、電子と正孔の両者が伝導に作用するバイポーラ素子とに大別される。ユニポーラ素子にはショットキーバリヤダイオード(SBD:Schottky Barrier Diode)、MOSFET等が属する。バイポーラ素子にはpnダイオード、バイポーラ接合トランジスタ(BJT:Bipola Junction Transistor)、サイリスタ、GTO(Gate Turn Off)サイリスタ、IGBT等が属する。
炭化珪素(SiC)半導体を用いた半導体装置は、シリコン(Si)半導体で形成したものと比較して、高電圧、大電流、高温動作に優れている。したがって、炭化珪素半導体を用いた半導体装置は、次世代の電力用半導体装置として開発が進められている。
電力用半導体として使用される炭化珪素MOSFETの中で、特に重要な応用として、縦型MOSFETがある。縦型MOSFETには、ゲート構造の違いによって、プレーナ型およびトレンチ型等の種類が存在する。
ゲート構造がプレーナ型の電力用縦型MOSFETは、SiC表面にゲート絶縁膜およびゲート電極が形成されている。ゲート電極に電圧を印加することによりSiC表面に形成されたp型のSiC(Pウェル)を反転させ、SiC表面に形成された高濃度のn型のソース電極とPウェルの下側に存在するn型のSiCからなるNドリフト層とを接続する。n型のソース電極はソース配線と接続されている。またPウェルもPウェル中に設けられた高濃度のp型のPコンタクトを介してソース配線と接続されている。基板裏面側には高濃度のn型のSiC(ドレイン電極)が形成されている。
ゲート構造がトレンチ型の電力用縦型MOSFETでは、SiC基板内にトレンチと呼ばれる溝が形成されており、このトレンチ内にゲート絶縁膜とゲート電極が埋め込まれている。このMOSFETでは、ゲート電極に電圧を印加することによりトレンチ内のゲート絶縁膜の側壁に接したPウェルを反転させ、SiC表面に形成されたソース電極とPウェルの下側に存在するn型のSiCからなるドリフト層を接続する。
大電流での動作を実現するために、電力用縦型MOSFETは、多数のMOSFETの単位セル(ユニットセル)を並列に接続した素子構造から構成されている。大電力の半導体装置を実現するためには、オン抵抗を十分に低減することが必要である。
しかしながら、この電力用縦型MOSFETをモータ等の負荷を駆動制御する電力変換器に使用する場合には問題が生じる。
縦型MOSFETがオン状態からオフ状態へ移行する際、負荷のモータに内蔵されているコイルにおいて電磁誘導により逆起電力が発生する。この逆起電力による縦型MOSFETの破損を回避するために、オフ状態において還流電流を流す必要がある。この還流電流の方向は、縦型MOSFETのオン電流と逆方向になる。
この還流電流の経路として、縦型MOSFETに内在するpn接合を用いることがある。pn接合はPウェルとNドリフト層との界面に形成され、ソース配線、Pコンタクト、Pウェル、Nドリフト層、ドレイン電極を通る経路でダイオードが構成されている。このようなpn接合は縦型MOSFETの内部に存在して、ダイオードとして動作するためボディダイオードと呼ばれている。還流電流を流すためにボディダイオードを使用すれば、縦型MOSFETの外部に別途還流のためのダイオードを設ける必要がなく、電力変換器の部品点数が増加しない利点がある。
しかし、SiCのpnダイオードに順電流を流すとSiCの結晶中に積層欠陥が発生し、拡大するという問題点があった(例えば特許文献1、非特許文献1)。この通電中に発生し、拡大する積層欠陥はキャリアのバリアとなるために、縦型MOSFETのオン抵抗が増大してしまう。
この現象は、SiC基板に存在する基板面転位(BPD:Basal Plane Dislocations)がSiC基板とn型ドリフト層との界面で貫通刃状転位(TED:Threading Edge Dislocation)に変換されることにより発生する。pnダイオードの通電時にこのTEDで電子と正孔が再結合し、この再結合エネルギーによりTEDから積層欠陥が発生し、拡大する。
したがってこの現象は、デバイス内で電子と正孔とが存在するバイポーラ素子では発生が避けられない。また縦型MOSFETはユニポーラ素子であり、通常の動作では積層欠陥は発生しないが、前述したようにボディダイオードに電流を流せば発生する。
特許文献1に開示される技術では、ゲート電極に印加するゲート電圧を調整してPウェルを反転させ、ソース配線、ソース電極、反転したPウェル、Nドリフト層、ドレイン電極の経路で還流電流を流している。ソース配線、Pコンタクト、Pウェル、Nドリフト層、ドレイン電極の経路すなわちpn接合に電流が流れないためユニポーラ素子の動作となり、電子と正孔との再結合エネルギーが発生しないので積層欠陥は発生しない。特許文献2〜4に開示される技術では、その方法は異なっているものの、積層欠陥の種となる欠陥(BPDやTED)の発生を抑制したり、欠陥を除去したりしている。
特開2012−104856号公報 特開2007−27630号公報 特開2011−23502号公報 特許第4827829号公報
M.Nagano,「Journal Of Applied Physics Vol.108 13511」,2010
特許文献1に開示される縦型MOSFETは、所望の経路で還流電流を流すためにゲート電極に印加するゲート電圧を0V以上、MOSFETの閾値電圧(Vth)以下に制御する必要がある。このゲート電圧は不純物濃度やNドリフト層の膜厚、さらにはドレイン電圧(負電圧)によって変わる。したがってこの縦型MOSFETを電力変換器等に使用する場合はゲート制御回路が複雑になりコストが増大する。
また大電流を制御する場合は縦型MOSFETを複数個並列に配置する必要があるが、素子間にバラツキが存在すれば、還流電流が最も流れやすい素子に集中するので素子の寿命が短くなるという問題点が生じる。
特許文献2〜4に開示される縦型MOSFETは、欠陥または欠陥層(BPD、TEDもしくはこれらが集中して存在する層)の除去を製造工程中に行っている。この方法では積層欠陥の発生を完全に無くすことができない。それは以下の理由による。
欠陥を除去した工程の後の製造工程においても新たに欠陥が発生する。縦型MOSFETのボディダイオードに電流を流すと、新たな欠陥を種として積層欠陥が発生し拡大する。積層欠陥は縦型MOSFETのチップの端まで拡大するため、縦型MOSFETのオン抵抗の増大が避けられない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、複雑なゲート制御回路を必要とせず、ドリフト層に発生する積層欠陥の拡大を抑制することで、低いオン抵抗を実現する炭化珪素半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に関する炭化珪素半導体装置は、第1または第2導電型の炭化珪素半導体基板と、前記炭化珪素半導体基板上に形成された第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層表面に形成された第2導電型の複数のウェル領域と、少なくとも一部の前記ウェル領域表面から少なくとも前記ドリフト層中に達して形成された溝部とを備え、前記溝部が、前記ドリフト層の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の絶縁物で充填されていることを特徴とする。
本発明の別の態様に関する炭化珪素半導体装置は、第1または第2導電型の炭化珪素半導体基板と、前記炭化珪素半導体基板上に形成された第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層表面に形成された第2導電型のウェル領域と、前記ウェル領域表面から少なくとも前記ドリフト層中に達して形成されたトレンチと、前記ドリフト層の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の絶縁膜を介して、前記トレンチ内に形成されたゲート電極とを備えることを特徴とする。
本発明の別の態様に関する炭化珪素半導体装置は、第1または第2導電型の炭化珪素半導体基板と、前記炭化珪素半導体基板上に形成された第1導電型のドリフト層と、前記ドリフト層表面に形成された第2導電型のウェル領域と、前記ウェル領域表面から前記ドリフト層中に達して形成されたトレンチと、前記ドリフト層の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の絶縁膜を介して、前記トレンチ内に形成されたゲート電極とを備え、前記トレンチが、前記ウェル領域と前記ドリフト層との界面近傍の深さまで達して形成されており、前記ゲート電極が多結晶珪素を含み、前記ドリフト層の熱膨張率をαc、前記ゲート電極の熱膨張率をαp、前記ゲート電極の形成時の温度と室温との差をΔT、前記多結晶珪素の密度をρ、600℃で形成された多結晶珪素の密度をρ0とするとき、
Figure 2014090057
であることを特徴とする。
本発明の上記態様によれば、少なくともドリフト層中に達して形成された溝部が、ドリフト層の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の絶縁物で充填されていることにより、ドリフト層に発生する積層欠陥の拡大を抑制することができる。
第1実施形態における炭化珪素半導体装置の平面模式図である。 第1実施形態における図1のX−X断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の積層欠陥を示す鳥瞰図である。 第1実施形態における図3のY−Y断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の変形例を示す断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の変形例を示す断面図である。 第3実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。 第4実施形態における炭化珪素半導体装置の断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第1実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 第2実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法を示す工程別断面図である。 溝部(トレンチ)の深さと積層欠陥拡大阻止率との関係を示す図である。
<第1実施形態>
<プレーナゲート構造縦型MOSFET>
図1は、本発明の第1実施形態における半導体装置であるプレーナゲート構造の縦型MOSFETの構成を示す平面図である。本実施形態の縦型MOSFET(以下、単に「MOSFET」という場合がある)は、炭化珪素を用いた炭化珪素半導体装置である。
図1においてMOSFET100は、トランジスタ部200と、トランジスタ部200の外側に設けられた周辺部300と、トランジスタ部200内に周期的に設けられた溝部21と、トランジスタ部200端部に配置されたゲート電極引き出し部700とを備える。
トランジスタ部200の一辺の長さは8mmであり、溝部21の幅は2μm、間隔は200μmである。図1中に矢印で示したAの方向は<11−20>方向(正確には1、1、2バー、0方向。マイナスを表すバーを数字の前に付ける。以下同じ)であり、Bの方向は<1−100>方向となっている。すなわち溝部21は<1−100>方向に垂直な方向に延在するように設けられている。周辺部300はp型のSiC領域がトランジスタ部200を取り囲むように設けられてオフ時の耐圧を確保するためのガードリングを構成している(図示せず)。また図1では明確化のため溝部21以外の構成要素は図示していない。
図2は図1のX−X線上での断面図である。MOSFET100は、n型の炭化珪素半導体基板(以下「炭化珪素基板」という場合がある)1と、炭化珪素半導体基板1上に形成されたn型のドリフト層2と、ドリフト層2上に形成された複数のp型のウェル領域3と、ウェル領域3表面に部分的に形成されたn型のソース領域4と、ウェル領域3表面においてソース領域4に挟まれて形成されたp型のウェルコンタクト領域5と、ソース領域4、ウェル領域3、およびドリフト層2上に亘って形成されたゲート絶縁膜6と、ゲート絶縁膜6を介して、ソース領域4、ウェル領域3、およびドリフト層2上に亘って形成されたゲート電極7と、ゲート電極7を覆って形成された層間絶縁膜8と、層間絶縁膜8、ソース領域4、およびウェルコンタクト領域5を覆い、ソース領域4およびウェルコンタクト領域5と電気的に接続して形成されたソース電極9と、炭化珪素半導体基板1裏面に形成されたドレイン電極10と、一部のウェル領域3において、ウェルコンタクト領域5表面から炭化珪素半導体基板1中に達するように形成された溝部21とを備える。
炭化珪素半導体基板1は、n型の低抵抗の半導体基板であり、例えば4Hのポリタイプを有する炭化珪素基板で実現される。本実施形態における炭化珪素半導体基板1は、主面が(0001)Si面から<11−20>方向に4°のオフ角がついた基板である。<11−20>方向は図1、後述する図3および図4においてA方向で示した方向である。
ドリフト層2は、炭化珪素半導体基板1の厚み方向一方側の表面部に積層されて形成されている。ウェル領域3は、ドリフト層2の厚み方向一方側の表面部に形成されている。ウェル領域3は、第2導電型の不純物であるp型不純物、例えばアルミニウム(Al)を含有する。
ソース領域4は、ウェル領域3の厚み方向一方側の表面部の一部分に、ウェル領域3よりも浅く形成されている。ソース領域4は、第1導電型の不純物であるn型不純物、例えば窒素(N)を含有する。
ウェルコンタクト領域5は、ウェル領域3の厚み方向一方側の表面部のソース領域4が設けられていないところに設けられ、ウェル領域3に接している。
ウェル領域3、ソース領域4およびドリフト層2の一部には、ゲート絶縁膜6が設けられている。ゲート絶縁膜6を介してウェル領域3の一部、ソース領域4の一部、およびドリフト層2を覆うようにゲート電極7が設けられている。ゲート電極7は、本実施形態では、n型の不純物がドープされた多結晶珪素で構成される。
溝部21はウェル領域3からドリフト層2を貫通し、炭化珪素半導体基板1に達するように設けられる。溝部21の内部には熱膨張率がドリフト層2よりも大きい絶縁物29が充填されている。溝部21内に設けられた絶縁物29の材質については後述する。なお、溝部21は、必ずしも炭化珪素半導体基板1まで達している必要はない。
層間絶縁膜8は、ゲート電極7を覆うように形成されている。より詳細には、層間絶縁膜8は、ゲート電極7と、ソース領域4のゲート電極7寄りの部分とを覆うように設けられている。また層間絶縁膜8は、ソース領域4のゲート電極7寄りの部分を除く残余の部分とウェルコンタクト領域5とが露出するように開口されており、この部分には層間絶縁膜8は形成されていない。
ソース電極9は、層間絶縁膜8が形成されていない部分のソース領域4およびウェルコンタクト領域5の厚み方向一方側の表面部に形成されている。ソース電極9は、層間絶縁膜8の開口を通して露出するソース領域4とウェルコンタクト領域5とを電気的に接続する。
ソース領域4およびウェルコンタクト領域5は、ソース電極9との接触抵抗を低減するためにそれぞれn型およびp型の不純物が高濃度に導入されている。ドレイン電極10は、炭化珪素半導体基板1の厚み方向一方側の表面部と反対側の表面部、すなわち炭化珪素半導体基板1の厚み方向他方側(裏面側)の表面部に形成されている。
MOSFETにおいて、ウェル領域3のうち、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7と対向し、オン動作時に反転層が形成される領域をチャネル部という。チャネル部はドリフト層2とソース領域4とで挟まれるウェル領域3によって構成される。
<動作>
次に、本実施形態の縦型MOSFETの動作を簡単に説明する。縦型MOSFETのゲート電極7に、しきい値電圧(Vth)以上のプラス電圧が印加されると、チャネル部に反転チャネルが形成され、n型のソース領域4とn型のドリフト層2との間に、キャリアである電子が流れる経路が形成される。ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7に接しているドリフト層2を特にJFET(Junction FET)と称する。
ソース領域4からドリフト層2へ流れ込む電子は、ドレイン電極10に印加されるプラス電圧によって形成される電界に従って、ドリフト層2および炭化珪素半導体基板1を経由してドレイン電極10に到達する。
したがって、ゲート電極7にプラス電圧を印加することによって、ドレイン電極10からソース電極9に電流が流れる。この状態をオン状態と呼ぶ。
オン状態とは異なり、ゲート電極7にしきい値電圧未満の電圧が印加されると、チャネル部に反転チャネルが形成されないので、ドレイン電極10からソース電極9に電流が流れない。この状態をオフ状態と呼ぶ。
オフ状態では、ドレイン電極10に印加されるプラスの電圧によって、ドリフト層2とウェル領域3との間のpn接合から空乏層が延びる。このpn接合からウェル領域3側に向けて延びた空乏層がソース領域4に達すると、パンチスルー破壊が発生する。このパンチスルー破壊が発生した電圧がオフ耐圧である。
ボディダイオードは、ソース電極9、ウェルコンタクト領域5、ウェル領域3、ドリフト層2、炭化珪素半導体基板1、およびドレイン電極10により構成され、ソース電極9の電圧がドレイン電極10の電圧より高くなると、正確には、ソース電極9の電圧がウェル領域3とドリフト層2との間のpn接合の拡散電位より高くなると、ボディダイオードに電流が流れる。
本実施形態の特徴である溝部21の作用について図3および図4を用いて説明する。
図3は、図1のX−X線の部分の斜視図である。図4は、図3のY−Y線の断面図である。図3および図4においては、炭化珪素半導体基板1、ドリフト層2、および溝20のみを示している。図3において溝20内には何も表示していないが、実際には前述したように絶縁物29で充填されており、図1および図2の溝部21に相当する。
図3および図4中のAの方向は図1のA方向と同じく<11−20>方向であり、図3中のBの方向は図1のB方向と同じく<1−100>方向である。図4に示されるように、炭化珪素半導体基板1に存在するBPD401が炭化珪素半導体基板1とドリフト層2との界面でTED402に変換される。TED402の先端はドリフト層2中に存在し、図3および図4においてEで示されている。
縦型MOSFET作成後すなわち図2の構造において、ボディダイオードに電流を流すとTED402を種として積層欠陥400が発生し、拡大する。積層欠陥400は、TED402の先端であるEから(0001)面に沿って拡大する。よって図3および図4で積層欠陥400の存在する面は(0001)面である。
積層欠陥400は、TED402の先端であるEから図3中のA方向およびAの逆方向に向かってドリフト層2中の(0001)面内で拡大し、その後図3のB方向すなわち<1−100>方向に向かって(0001)面内で拡大する。ここで、積層欠陥400を縦型MOSFETの表面側から見た幅であるCは、(0001)面が炭化珪素半導体基板1と4°傾いているため、ドリフト層2の厚さをDとすると、D/tan(4)で表され非常に大きいものとなる。例えば、ドリフト層2の厚さDが10μmのときCは143μm、Dが30μmのときCは429μmに達する。
本実施形態では溝20(図1および図2では溝部21)が、その長手方向が<11−20>方向と平行で、かつ<1−100>方向と垂直に設けられているため、積層欠陥400はB方向には最大で溝20(図1、2の溝部21)の間隔である200μmまでしか拡大しない。溝20が設けられていないと、積層欠陥400は電流の流れるドリフト層2の端(図1のトランジスタ部200の一辺である8mm(=8000μm))まで拡大する。すなわち、ドリフト層2の厚さDが30μmのとき、従来の技術では、1個のTED402から幅429μm、長さ最大8000μmの積層欠陥が発生し拡大するが、本実施形態では積層欠陥400の大きさは幅429μm、長さ最大200μmに抑制できることになる。
また溝部21は、熱膨張率がドリフト層2よりも大きい絶縁物29で充填されている。通常絶縁物等の物質は室温より高い温度で堆積される。室温より高い温度においてはSiCからなるドリフト層2はSiCの熱膨張率により膨張している。これに伴って、ドリフト層2に設けられた溝部21(図10の溝20に相当)の底部のSiC原子間隔が広がるため、溝部21の幅(2μm)も膨張している。この状態の溝部21に絶縁物29が充填される。
絶縁物形成後、温度が室温まで戻ると、ドリフト層2に設けられた溝部21(図10の溝20に相当)は元の幅(2μm)まで収縮しようとするが、溝部21に充填された絶縁物の熱膨張率がドリフト層2の熱膨張率より小さい場合、溝部21に充填された絶縁物はドリフト層2よりは収縮しない(第3実施形態参照)。
すなわち溝部21に充填された絶縁物は、熱膨張率がドリフト層2より小さいと溝部21(図10の溝20に相当)を押し広げるように作用する。発明者らが測定したところ、ドリフト層2には圧縮応力がかかっていることが判明した。したがって溝部21に充填された絶縁物の熱膨張率がドリフト層2より小さいと、ドリフト層2の圧縮応力を増大させることになる。
後述するように溝部21は製造工程の途中で形成されるため、溝部21が圧縮応力を増大させた場合、後の製造工程で増大した圧縮応力によりドリフト層2の中に新たな欠陥が発生することが見出された。この新たな欠陥も積層欠陥の種となる。本実施形態では、溝部21は熱膨張率がドリフト層2よりも大きい絶縁物29で充填されている。したがってこの絶縁物29はドリフト層2の圧縮応力を減少する方向に作用するので、ドリフト層2の中に新たな欠陥が発生することはない。よって製造工程中に発生する欠陥により積層欠陥が発生し拡大することがないので、縦型MOSFETのオン抵抗の増大を抑制することができる。
このように第1実施形態では、ドリフト層2内に炭化珪素半導体基板1まで達している溝部21を周期的に設けているために積層欠陥が発生してもその拡大を抑制することができる。トランジスタ部200内のTED402の密度が同じ場合、本実施形態では従来の技術よりも積層欠陥400の面積を40分の1(200/8000μm)に削減できる。
したがって、本実施形態ではボディダイオードを使用しても、縦型MOSFETのキャリアのバリアとなりオン抵抗を増大させる積層欠陥の面積を抑制できるので、通電時のオン抵抗の増大を抑制することができる。
さらに第1実施形態では、溝部21は熱膨張率がドリフト層2よりも大きい絶縁物29で充填されているので、製造工程中に新たな欠陥が発生することがなく、新たな欠陥による通電時のオン抵抗の増大を抑制することができる。
<変形例>
<溝部の深さ>
第1実施形態では溝部21がドリフト層2を貫通し、炭化珪素半導体基板1まで達していたが、溝部の深さはこれに限られない。
図5に示されるように、溝部22の深さFがドリフト層2の厚さより短くても良い。図5では、溝部22の深さFがドリフト層2の膜厚(図3のD)の半分程度になっている。
一般的に、TED402の先端であるEはドリフト層2内に一様に分布している(図4参照)。第1実施形態の変形例では、TED402の先端であるE(図3および図4)が溝部22同士の間隔200μm内のドリフト層2に一様に分布すると仮定し、積層欠陥400の拡大を溝部22により阻止した割合(溝部22で阻止された積層欠陥の数/溝部22同士の間隔200μm内に存在するTED402の数=積層欠陥の拡大阻止率)を計算した。
ドリフト層2の膜厚を30μmとして溝部22の深さFを変えて求めた積層欠陥拡大阻止率を図27に示す。図27において、縦軸は積層欠陥の拡大阻止率(%)、横軸は溝部の深さ(μm)を示している。
図27に示されるように、溝部22の深さFがドリフト層2の膜厚D(=30μm、図3および図4参照)の半分の15μmでは積層欠陥の拡大阻止率は72%程度である。また溝部22の深さFが1μmでは拡大阻止率は28%程度である。溝部22の深さFが比較的浅い場合でも一定の欠陥拡大阻止効果があるのは、積層欠陥が一方向(図3で右方向)にのみ伸びるためである。積層欠陥が両方向(図3で右方向および左方向)に伸びれば拡大阻止率は単純にF/Dになる。
したがって充分にBPDやTEDの密度を減少させた炭化珪素基板を用いれば、溝部22の深さFが小さくても積層欠陥の拡大が抑制でき、オン抵抗の増大を許容範囲である5〜10%以下に抑えることができる。逆に言えば、工業製品としてオン抵抗の増大が10%または5%未満になるよう溝部22の深さFを決定すればよい。このように溝部22の深さFが第1実施形態よりも浅く設定することができるため、溝部22の形成工程が短時間で終了し製造コストを減少させる効果がある。
<製造方法>
ここでは、第1実施形態のプレーナゲート構造の縦型MOSFETの製造方法について説明する。
図10〜17は、プレーナゲート構造の縦型MOSFETの各製造工程における構成を示す断面図である。
まず、図10の構成が形成されるまでの工程について説明する。例えば炭化珪素半導体基板1の厚み方向一方側の表面部に、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition:CVD)法によって、n型のドリフト層2をエピタキシャル成長する。炭化珪素半導体基板1としては、4Hのポリタイプを有する、n型で低抵抗の炭化珪素基板を用いる。前述したように炭化珪素半導体基板1は、主面が(0001)Si面から<11−20>方向に4°のオフ角がついた基板である。
ドリフト層2におけるn型不純物の濃度は、1×1015〜1×1017cm−3の範囲に選ばれる。ドリフト層2の厚み寸法は、5〜50μmの範囲に選ばれる。
ドリフト層2を設けた炭化珪素半導体基板1のドリフト層2の側からドリフト層2を貫通し、炭化珪素半導体基板1に達する溝20を開口する。開口は写真製版および反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)技術により行う。開口に当たってはレジストマスクを使用してもよいし、CVD法により堆積した酸化シリコン膜(SiO)をマスクとしてもよい。溝20の幅は2μm、間隔は200μmである。溝20の長手方向は<11−20>方向に選ばれる。
なお、第1実施形態の変形例のプレーナゲート構造の縦型MOSFETを製造する場合は、開口時のRIEの時間を調整して、溝20の深さを所望の深さにすればよい。
次に図11に示されるように、CVD法によりBを10%含む酸化膜(SiO)25(以下酸化膜25と称する)を堆積し、溝20を埋める。ここで酸化膜25の熱膨張率は5.2×10−6/K、ドリフト層2の熱膨張率は4.6×10−6/Kである。酸化膜25はシラン(SiH)、ジボラン(B)および亜酸化窒素(NO)ガスをCVD炉中に導入して形成する。温度は600〜900℃の範囲に選ばれる。
溝20を埋める絶縁物はBを10%含むSiO膜に限られない。熱膨張率がドリフト層2より大きければどのような材料を使用してもよいことは言うまでもない。例えば熱膨張率が7.0×10−6/Kのアルミナ(Al)や熱膨張率が8.0×10−6/Kのフリントガラス等も使用できる。また、溝20の内壁にシリコン酸化膜(SiO)を50nmの厚さで形成した後、Bを10%含むSiO膜を堆積する等複合材による絶縁物を使用してもよい。複合材による絶縁物を使用する場合は、溝20内の絶縁物全体の熱膨張率がドリフト層2の熱膨張率より大きければよい。なお、Bを含むSiO膜の熱膨張率はBの濃度によって変化するため濃度の設定に注意する必要がある。
図12に示されるように、ドリフト層2の表面に存在する酸化膜25をRIE法により除去し、溝内のみに残して溝部21を形成する。
次に図13に示すようにドリフト層2表面内に、p型のウェル領域3を選択的に形成する。さらに、図14に示すように、ウェル領域3の表面内において、n+型のソース領域4およびp型のコンタクト領域であるウェルコンタクト領域5を選択的に形成する。
ここで、n型の領域は、例えば窒素(N)イオンを注入し、p型の領域は、例えばアルミニウム(Al)イオンを注入して形成する。窒素イオンの加速電圧は、50〜200kVの範囲内で選択される。n型不純物のイオン注入の深さは、ウェル領域3の厚さの寸法よりも浅いものとする。また、イオン注入したn型不純物の濃度、すなわちソース領域4のn型不純物濃度は、1×1018〜1×1021cm−3の範囲内で選択される。Alイオンの加速電圧は100〜500kVの範囲から選択される。また、イオン注入されたp型不純物の濃度、すなわちウェル領域3のp型不純物濃度は、1×1017〜5×1017cm−3の範囲で、ドリフト層2のn型不純物濃度よりも高いものとする。ウェル領域3は一回のイオン注入で形成してもよいし、加速電圧を変えて数回イオン注入を行って形成してもよい。ウェルコンタクト領域5のAlイオンの加速電圧は、100〜200kVの範囲内で選択される。また、p型不純物のイオン注入の深さは、ウェル領域3の厚さの寸法よりも浅いものとする。また、イオン注入したp型不純物の濃度、すなわちウェルコンタクト領域5のp型不純物濃度は、1×1018〜1×1021cm−3の範囲内で選択される。
次に、熱処理装置によって、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス雰囲気中で、1300〜1900℃、30秒〜1時間のアニールを行う。このアニールによって、イオン注入された当該n型不純物およびp型不純物を活性化させる。
その後、図15に示すように酸素や水蒸気を含む雰囲気の1300℃程度の温度で酸化する。これにより、JFET領域(表面のドリフト層2)、ウェル領域3、ソース領域4およびウェルコンタクト領域5上に、熱酸化膜(SiO)のゲート絶縁膜6を形成する。ゲート絶縁膜6の膜厚は例えば50nmである。
なお、本実施形態では、ゲート絶縁膜6は熱酸化膜であるものとして説明するが、これに限ったものでない。ゲート絶縁膜6は、CVD法で形成した酸化膜でもよいし、熱酸化膜とCVD法で形成した酸化膜との積層膜であってもよい。
その後図16に示すようにCVD法で全面にn型の多結晶珪素膜を堆積し、写真製版、RIEエッチングによりソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5の上の多結晶珪素膜を除去し、ゲート電極7とする。ゲート電極7は燐(P)を大量にドープした厚さ200〜700nmの多結晶珪素により形成される。CVD法の温度は600℃である。
次に、例えば、CVD法により、ゲート絶縁膜6およびゲート電極7上に1μm程度の膜厚の酸化膜(SiO)を形成する。形成温度は750℃である。その後、写真製版とエッチングにより、ソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5の上部の当該酸化膜を除去する。これにより、ゲート電極を覆うように層間絶縁膜8が形成され、ソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5にソースコンタクトホール90が形成される(図17)。
コンタクト抵抗を下げるために、ソースコンタクトホール90内のソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5の上部にニッケルシリサイド(NiSi)を形成する(図示せず)。さらに炭化珪素半導体基板1の裏面にもニッケルシリサイドを形成する(図示せず)。
次にゲート電極7とのコンタクトを取るためにゲート電極引き出し部700(図1)の層間絶縁膜8を開口する(図示せず)。なお、図1のゲート電極引き出し部700にはウェル領域3、ソース領域4、ウェルコンタクト領域5は存在しない。
次に、基板の表面に電極膜を形成し、写真製版とエッチング処理によりソース電極9が形成される。図示していないが、ゲート電極引き出し部700(図1)にはゲート引き出し電極が同一工程で形成される。当該電極膜は、例えば、膜厚が3μmのアルミニウム(Al)膜を採用することができ、例えばスパッタ法により形成される。
最後にスパッタ法等により、基板の裏面にドレイン電極10を形成する。ドレイン電極10は例えば、膜厚が150nmの金(Au)膜を使用することができる。これらの工程により図2もしくは図5の構成のプレーナゲート構造の縦型MOSFETが完成する。
<効果>
本発明に関する実施形態によれば、炭化珪素半導体装置が、第1または第2導電型、本実施形態では第1導電型であるn型の炭化珪素半導体基板1と、炭化珪素半導体基板1上に形成されたn型のドリフト層2と、ドリフト層2表面に形成された第2導電型であるp型の複数のウェル領域3と、少なくとも一部のウェル領域3表面から少なくともドリフト層2中に達して形成された溝部とを備える。溝部は、ドリフト層2の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の絶縁物29で充填されている。
このような構成によれば、溝部によって積層欠陥の拡大が抑制され、半導体素子のオン抵抗の増大を抑制することができる。さらに溝部が、ドリフト層2より熱膨張率が大きい絶縁物29で充填されているのでドリフト層2に発生している圧縮応力を緩和することができる。よって、製造工程中の新たな欠陥の発生を抑制でき、新たな欠陥による半導体素子のオン抵抗の増大が抑制できる。
また、本発明に関する実施形態によれば、炭化珪素半導体装置が、ウェル領域3表面に部分的に形成されたn型のソース領域4と、ウェル領域3表面においてソース領域4に挟まれて形成されたp型のウェルコンタクト領域5と、ゲート絶縁膜6を介し、ソース領域4上からドリフト層2上に亘って形成されたゲート電極7と、ゲート電極7を覆い、ウェルコンタクト領域5表面および一部のソース領域4表面が露出するように形成された層間絶縁膜8と、露出したウェルコンタクト領域5および露出したソース領域4と電気的に接続して形成されたソース電極9と、炭化珪素半導体基板1裏面側に形成されたドレイン電極10とを備える。溝部は、ウェルコンタクト領域5表面から少なくともドリフト層2中に達して形成される。
このような構成によれば、溝部によって積層欠陥の拡大が抑制され、半導体素子のオン抵抗の増大を抑制することができる。
また、本発明に関する実施形態によれば、溝部21が、ウェル領域3表面から炭化珪素半導体基板1中に達して形成されている。
このような構成によれば、溝部によってより確実に積層欠陥の拡大が抑制され、半導体素子のオン抵抗の増大を抑制することができる。
また、本発明に関する実施形態によれば、炭化珪素半導体基板1が、(0001)Si面から<11−20>方向にオフ角がついた主面を有する基板であり、溝部の長手方向が<11−20>方向と平行で、<1−100>方向と垂直である。
このような構成によれば、積層欠陥の拡大する方向に垂直に溝部を設けたので、積層欠陥の拡大を効率よく抑制でき、半導体素子のオン抵抗の増大を効率よく抑制できる。
<第2実施形態>
<トレンチゲート構造縦型MOSFET>
第1実施形態ではゲート構造がプレーナゲート構造の縦型MOSFETであった。ゲート構造はプレーナ構造に限らない。
図6はゲート電極71がトレンチ構造である縦型MOSFETの断面図である。図6において、ドリフト層2表面にはソース領域4が部分的に形成され、ソース領域4に挟まれてウェルコンタクト領域5が形成されている。そしてトレンチ23は、ソース領域4表面からドリフト層2を貫通し、炭化珪素半導体基板1まで達するよう設けられた溝である。トレンチ23の幅は2μm、間隔は10μmである。トレンチ23は、長手方向が<11−20>方向と平行で、<1−100>方向と垂直である。
トレンチ23の下部、すなわちドリフト層2に挟まれた部分は熱膨張率がドリフト層2より大きい絶縁膜(酸化膜27、酸化膜28)が充填されている。
トレンチ23の上部、すなわちウェル領域3に挟まれた部分は厚さ50nmのゲート絶縁膜61がウェル領域3に接し、その内側にゲート電極71が形成されている。
ゲート電極71はn型の不純物がドープされた多結晶珪素で構成される。またゲート電極71はウェル領域3より深くなるよう形成されている。
ウェル領域3の上部にはn型のソース領域4と、p型のウェルコンタクト領域5とが設けられている。ゲート電極71の上部には層間絶縁膜81が設けられ、ソース電極9とゲート電極71とを電気的に分離している。
ソース電極9は層間絶縁膜81が形成されていない部分のソース領域4およびウェルコンタクト領域5の厚み方向一方側の表面部に形成されている。ソース電極9はソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5とを電気的に接続する。ソース領域4とウェルコンタクト領域5はソース電極9との接触抵抗を低減するために、それぞれn型およびp型の不純物が高濃度に導入されている。ドレイン電極10は、炭化珪素半導体基板1の厚み方向一方側の表面部と反対側の表面部、すなわち炭化珪素半導体基板1の厚み方向他方側の表面部に形成されている。
トレンチ構造のMOSFETにおいて、ウェル領域3のうち、ゲート絶縁膜61を介してゲート電極71と対向し、オン動作時に反転層が形成される領域をチャネル部という。プレーナ構造と異なりチャネル部は炭化珪素半導体基板1の表面に対し垂直な方向に形成される。トレンチ構造のMOSFETはプレーナ構造のMOSFETに存在するJFET部が存在しない。JFET部は濃度の低いn型のSiCで構成されており抵抗が高い。トレンチ構造のMOSFETは抵抗の高いJFET部が存在しないので、プレーナ構造のMOSFETよりオン抵抗を低くすることができる。
また、トレンチ型のゲート電極71の下部のトレンチ23はドリフト層2を貫通して設けられている。トレンチ23は10μm間隔で設けられているため、積層欠陥は10μm以上成長することがない。したがって第1実施形態よりも積層欠陥の面積を小さくすることができる。
以上のように、第2実施形態では、トレンチ23の上部にゲート絶縁膜61とゲート電極71を設けたので、第1実施形態よりもオン抵抗の増大を抑制することができる。さらにJFET部が存在しないためにオン抵抗をさらに低減することができる。
<変形例>
<トレンチの長さ>
第2実施形態ではトレンチ23がドリフト層2を貫通し、炭化珪素半導体基板1まで達していた。第1実施形態の変形例と同じく、トレンチの深さはこれに限られない。図7に示されるようにトレンチ24の深さGがドリフト層2の厚さより浅くても良い。図7ではトレンチ24の深さGがドリフト層2の膜厚(図2、3のD)の半分程度になっている。
第1実施形態の変形例と同じ理由により、トレンチ24の深さGと積層欠陥の拡大阻止率との関係は図27と同様になる。
したがって充分にBPDやTEDの密度を減少させた炭化珪素半導体基板を用いれば、トレンチ24の深さGが小さくても積層欠陥の拡大が抑えられ、オン抵抗の増大を許容範囲である5〜10%以下に抑えることができる。逆に言えば、工業製品としてオン抵抗の増大が10%または5%未満になるようトレンチ24の深さGを決定すればよい。
以上のように、第2実施形態の変形例では、第2実施形態の効果に加え、トレンチ24の深さGが第2実施形態よりも浅く設定することができるため、トレンチ24の形成工程が短時間で終了し、製造コストを減少させる効果がある。
<製造方法>
第2実施形態のトレンチゲート構造の縦型MOSFETの製造方法について、図18〜26を用いて順に説明する。図18〜26は、トレンチゲート構造の縦型MOSFETの各製造工程における構成を示す断面図である。
図18は、ウェル領域3、ソース領域4およびウェルコンタクト領域5の形成が終了した段階における構成を示す断面図である。まず、炭化珪素半導体基板1の厚み方向一方側の表面部に、CVD法によって、n型のドリフト層2をエピタキシャル成長する。炭化珪素半導体基板1としては、第1実施形態と同じn型で低抵抗の炭化珪素基板を用いる。
次に、ドリフト層2の厚み方向一方側の表面部に、p型不純物、例えばAlをイオン注入法によりp型のウェル領域3を形成する。このとき、p型不純物のイオン注入の深さは、ドリフト層2の厚み寸法を超えない深さ、具体的には0.5〜3μm程度とする。イオンの加速電圧は100〜500kVの範囲から選択される。また、イオン注入されたp型不純物の濃度、すなわちウェル領域3のp型不純物濃度は、1×1017〜5×1017cm−3の範囲で、ドリフト層2のn型不純物濃度よりも高いものとする。ウェル領域3は一回のイオン注入で形成してもよいし、加速電圧を変えて数回イオン注入を行って形成してもよい。ウェル領域3は、エピタキシャル成長によって形成してもよい。その場合も、ウェル領域3のp型不純物濃度および厚み寸法は、イオン注入によって形成する場合と同等とする。ここまでの製造工程は第1実施形態と同一の工程で製造する。
次にドリフト層2の厚み方向一方側の表面部に、図示しない注入マスクを介して、n型不純物、例えばNをイオン注入して、n型のソース領域4を形成する。具体的にはウェル領域3の厚み方向一方側の表面部の一部分に、n型不純物をイオン注入して、n型のソース領域4を形成する。n型不純物のイオン注入の深さは、ウェル領域3の厚み寸法よりも浅いものとする。また、イオン注入したn型不純物の濃度、すなわちソース領域4のn型不純物濃度はウェル領域3のp型不純物濃度を超えるものとする。ドリフト層2のウェル領域3内のn型不純物が注入された領域のうちのn型を示す領域が、ソース領域4となる。
次に、ドリフト層2の厚み方向一方側の表面部に、図示しない注入マスクを介して、p型不純物、例えばAlをイオン注入して、p型のウェルコンタクト領域5を形成する。具体的にはウェル領域3の厚み方向一方側の表面部の一部分に、p型不純物をイオン注入して、p型のウェルコンタクト領域5を形成する。p型不純物のイオン注入の深さは、ウェル領域3の厚み寸法よりも浅いものとする。ウェル領域3、ソース領域4、ウェルコンタクト領域5のイオン注入の加速電圧、濃度は第1実施形態と同じである。
図19は、溝26の形成が終了した段階における構成を示す断面図である。図18に示す構造すなわちソース領域4とウェルコンタクト領域5が存在する表面上に、写真製版とRIE法によりドリフト層2をエッチングして溝26を開口する。溝26は、ウェル領域3、ドリフト層2を貫通して、炭化珪素半導体基板1に達するように形成される。溝26を開口する際には、CVD法により堆積された酸化膜(SiO)をエッチングマスクとして使用してもよい。酸化膜は1〜3μm程度堆積し、溝26の開口後はフッ酸(HF)溶液により除去する(図示せず)。
なお、第2実施形態の変形例のトレンチゲート構造の縦型MOSFETを製造する場合は、開口時のRIEの時間を調整して、溝26の深さを所望の深さにすればよい。
次に、熱処理装置によって、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で、1300〜1900℃、30秒〜1時間のアニールを行う。このアニールによって、イオン注入されたn型不純物およびp型不純物を活性化させる。
続いて、図20に示すように、溝26の内壁に接するドリフト層2とウェル領域3とソース領域4を熱酸化することで、酸化膜(SiO)27を形成する。酸化膜27はソース領域4とウェルコンタクト領域5の表面側および溝26の底面の炭化珪素半導体基板1にも形成される。本実施形態では熱酸化の温度は1000〜1300℃、酸化膜27の膜厚は30〜100nmの範囲から選択される。酸化膜27は、熱酸化に限定されず、例えば酸化膜をCVD法により堆積することで形成されてもよい。さらに酸化膜27は形成しなくてもよい。
次に、酸化膜27を形成した溝26の内側にCVD法によりBを10%含む酸化膜(SiO)28(以下酸化膜28と称する)を堆積し、溝26を埋める。ここで酸化膜28の熱膨張率はドリフト層2より大きい。酸化膜28は表面側にも形成される。図21に酸化膜28を形成した直後の断面図を示す。
次に、酸化膜27と酸化膜28をエッチバックし、表面側および溝26内のウェル領域3に接する酸化膜27と酸化膜28を除去する。エッチバックはRIE法で行ってもよいし、フッ酸溶液により除去してもよい。酸化膜27と酸化膜28のエッチバックが完了した直後の断面図を図22に示す。エッチバック工程により残存した酸化膜27と酸化膜28が図6のトレンチ23または図7のトレンチ24を構成する。
酸化膜27は熱酸化膜である。熱酸化膜の熱膨張率は0.5×10−6/Kとドリフト層2より小さいが、溝26内はそのほとんどが熱膨張率が5.2×10−6/Kである酸化膜28によって充填されているため、トレンチ23の全体の熱膨張率はドリフト層2より大きくなる。
次にゲート絶縁膜を形成する。図22の構造を酸素や水蒸気を含む雰囲気の1300℃程度の温度で酸化する。これにより、図23に示すように溝26の内壁のドリフト層2の一部、ウェル領域3、ソース領域4に熱酸化膜(SiO)のゲート絶縁膜61を形成する。ゲート絶縁膜61は表面のソース領域4およびウェルコンタクト領域5上にも形成される。ゲート絶縁膜61の膜厚は例えば50nmである。
なお、本実施形態でも、ゲート絶縁膜61は熱酸化膜であるものとして説明するが、これに限ったものでない。ゲート絶縁膜61は、CVD法で形成した酸化膜でもよいし、熱酸化膜とのCVD法で形成した酸化膜との積層膜であってもよい。
その後図24に示すようにCVD法で全面にn型の多結晶珪素膜72を堆積する。多結晶珪素膜72は燐が多量にドープされており、600℃で形成される。多結晶珪素膜72の膜厚は溝26を完全に埋め込むように選ばれる。本実施形態では溝26の幅が2μmであるため、多結晶珪素膜72の膜厚は1μmに設定した。
続いて、RIEエッチングにより表面のソース領域4とウェルコンタクト領域5の上の多結晶珪素膜72を除去し、ゲート電極71とする。この工程によりゲート電極71が溝26内に充填されたトレンチゲート構造が形成される(図25参照)。
次に、例えば、CVD法により、ゲート絶縁膜61およびゲート電極71上に1μm程度の膜厚の酸化膜(SiO)を形成する。その後、写真製版とエッチングにより、ソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5の上部の当該酸化膜を除去する。これにより、ゲート電極を覆うように層間絶縁膜81が形成され、ソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5にソースコンタクトホール90が形成される(図26参照)。
その後は、第1実施形態の製造方法と同一の工程で、ソース電極9、ドレイン電極10および図示しないゲート引き出し電極を形成して、図6または図7のトレンチゲート構造の縦型MOSFETが完成する。
<効果>
本発明に関する実施形態によれば、炭化珪素半導体装置が、炭化珪素半導体基板1と、炭化珪素半導体基板1上に形成された第1導電型のドリフト層2と、ドリフト層2表面に形成されたウェル領域3と、ウェル領域3表面から少なくともドリフト層2中に達して形成されたトレンチと、ドリフト層2の熱膨張率よりも大きい熱膨張率のゲート絶縁膜61を介して、トレンチ内に形成されたゲート電極71とを備える。
このような構成によれば、トレンチによって積層欠陥の拡大が抑制され、半導体素子のオン抵抗の増大を抑制することができる。さらにトレンチが、ドリフト層2より熱膨張率が大きい絶縁物29で充填されているのでドリフト層2に発生している圧縮応力を緩和することができる。よって、製造工程中の新たな欠陥の発生を抑制でき、新たな欠陥による半導体素子のオン抵抗の増大が抑制できる。
また、本発明に関する実施形態によれば、炭化珪素半導体装置が、ウェル領域3表面に部分的に形成されたソース領域4と、ウェル領域3表面においてソース領域4に挟まれて形成されたウェルコンタクト領域5と、ゲート電極71を覆い、一部のソース領域4表面が露出するように形成された層間絶縁膜81と、露出したソース領域4と電気的に接続して形成されたソース電極9と、炭化珪素半導体基板1裏面側に形成されたドレイン電極10とを備える。
トレンチが、ソース領域4表面から少なくともドリフト層2中に達して形成され、ゲート電極7が、ウェル領域3およびソース領域4に対向する位置に配置される。
このような構成によれば、トレンチによって積層欠陥の拡大が抑制され、半導体素子のオン抵抗の増大を抑制することができる。
また、本発明に関する実施形態によれば、トレンチ23が、ウェル領域3表面から炭化珪素半導体基板1中に達して形成されている。
このような構成によれば、トレンチによってより確実に積層欠陥の拡大が抑制され、半導体素子のオン抵抗の増大を抑制することができる。
<第3実施形態>
<トレンチゲート材料>
第2実施形態では、積層欠陥の拡大を抑制するための溝の上部をトレンチゲートとしていた。これはすなわち、トレンチゲートの下部に絶縁体を備えた構造である。トレンチゲートの構造はこれに限らない。
図8はゲート電極がトレンチゲート構造であり、トレンチゲートの下部に絶縁体を設けない、正確にはゲート電極73の下部に酸化膜27および酸化膜28が充填された領域を設けない構造の断面図である。図8においてドリフト層2の上部すなわちウェル領域3に挟まれた部分は厚さ50nmの酸化膜(SiO)からなるゲート絶縁膜61がウェル領域3に接し、その内側にゲート電極73が形成されたトレンチゲート構造である。
またゲート電極73はウェル領域3より深くなるよう形成されているが、その底面はウェル領域3とドリフト層2との界面近傍の深さとなっている。ゲート電極73の幅は2μm、間隔は10μmである。ウェル領域3の上部にはn型のソース領域4と、p型のウェルコンタクト領域5とが設けられている。ゲート電極73の上部には層間絶縁膜81が設けられ、ソース電極9とゲート電極73とを電気的に分離している。
ソース電極9は層間絶縁膜81が形成されていない部分のソース領域4およびウェルコンタクト領域5の厚み方向一方側の表面部に形成されている。ソース電極9はソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5とを電気的に接続する。
ソース領域4およびウェルコンタクト領域5は、ソース電極9との接触抵抗を低減するためにそれぞれn型およびp型の不純物が高濃度に導入されている。
ドレイン電極10は、炭化珪素半導体基板1の厚み方向一方側の表面部と反対側の表面部、すなわち炭化珪素半導体基板1の厚み方向他方側の表面部に形成されている。
ここでゲート電極73はn型の不純物がドープされた多結晶珪素で構成される。さらにゲート電極73の密度は、第2実施形態のゲート電極71(図6および図7)の密度より小さくなっている。
以下、ゲート電極73の密度を第2実施形態のゲート電極71の密度より小さくする理由について説明する。
第3実施形態では、ドリフト層2を貫通する溝は存在せず、よってそのような溝に充填される熱膨張率がドリフト層2より大きい絶縁物は存在しない。第2実施形態と同じゲート電極71を使用すれば、トレンチには熱膨張率がドリフト層2より小さいゲート絶縁膜61とゲート電極73しか存在しないことになり、ドリフト層2の圧縮応力を増大させてしまう。
ドリフト層2の圧縮応力を増大させないためにはゲート電極73の熱膨張率をドリフト層2より大きくすればよいことは第1および第2実施形態でも述べたとおりである。しかし多結晶珪素の熱膨張率は3.5×10−6/Kであり、これは物性値であるため変えられない。そこで第3実施形態ではゲート電極73の密度を変える。ゲート電極73の密度を小さくすればドリフト層2の圧縮応力を増大させないことができる。
ここで、室温のときのウェル領域3に形成されたトレンチの幅をLc0、室温のときのゲート電極73の幅をLp0とする。Lc0は第3実施形態では2μmである。ここで、トレンチ内にはゲート電極73しかないものとする。ゲート絶縁膜61は50nmと薄いため、トレンチ内の1/20(50nm×2/2μm)の幅を占めるに留まる。よって後述する理由によりゲート絶縁膜61による寄与は無視できる。
SiCと多結晶珪素の熱膨張率をそれぞれαc、αp、ゲート電極73の形成温度(=T)と室温との差をΔT(=T−室温)とすると、形成温度でのトレンチの幅L(T)は、
Figure 2014090057
で表される。トレンチに埋め込まれるゲート電極73の形成温度での幅L‘(T)は同様に、
Figure 2014090057
で表される。ゲート電極73は形成温度Tで形成されるから、
Figure 2014090057
である。(1)〜(3)式より、
Figure 2014090057
となる。
さらに室温でのゲート電極73の密度をρ、室温での多結晶珪素(第1、第2実施形態のゲート電極7、ゲート電極71)の通常の密度をρ0とする。室温でゲート電極73が最終的に通常の多結晶珪素に変化したときの幅をL0とすると、珪素の結晶は等方性であるため、
Figure 2014090057
が成り立つ。ゲート電極73の幅が最終的にL0になる理由については後述する。密度が低いときの珪素の原子間距離は長くなっていると仮定できるため、(5)式は密度ρのときのゲート電極の幅Lp0は最終的にL0になることを示している。
(4)式と(5)式から
Figure 2014090057
となる。
(6)式よりL0がLc0より小さければ、すなわち(6)式の左辺が1より小さければ、ゲート電極73はドリフト層2に形成されたトレンチを押し広げることはない。すなわちドリフト層2の圧縮応力を増大させることはない。(6)式においてρ=ρ0の場合は、αcはαpより大きいのでL0はLc0より大きくなり、ドリフト層2の圧縮応力を増大させる。これが第1および第2実施形態でトレンチ内を熱膨張率の大きい物質で充填する理由である。したがって圧縮応力を低減するためには、ρはρ0より小さくなければならないのである。
αcおよびαpは非常に小さい値なので、圧縮応力を低減するためにはρ/ρ0は1より少しだけ小さければよい。形成温度Tが500℃、室温が27℃のとき、ρ/ρ0は0.998以下であれば(6)式は1より小さくなりドリフト層2の圧縮応力を増大させることがなくなる。
ここで、トレンチ内のゲート電極73の熱膨張率がゲート絶縁膜61(酸化膜)と同じ(αp=0.5×10−6/K)と仮定した場合、ρ/ρ0は0.994以下であればよい。したがって薄いゲート絶縁膜61の影響はρ/ρ0を0.4%小さくすれば無視できる。また(6)式よりρは小さければ小さいほどL0が小さくなり、ドリフト層2の圧縮応力が低減することがわかる。
言い換えれば、本実施形態ではドリフト層2に形成されたトレンチ内にトレンチの幅を押し広げる数未満の珪素を形成していることに等しい。
次にゲート電極73の形成方法について説明する。ゲート電極73はシラン(SiH)、ホスフィン(PH)ガスをCVD炉中に導入して形成する。温度は400〜550℃の範囲に選ばれる。本実施形態では温度を500℃で形成した。形成されたゲート電極73の密度ρは2.2g/cmであった。このときのρ/ρ0は0.96となる。トレンチ内にはゲート電極73だけでなく、熱膨張率の小さいゲート絶縁膜61が存在するため、上述の0.994より小さく設定した。
ちなみに第1、第2実施形態では、ゲート電極は通常の多結晶珪素によって形成されている。第1、第2実施形態で述べたように、通常の多結晶珪素は温度600℃のCVD法により形成される。形成温度が600℃未満の場合は多結晶珪素ではなく非晶質珪素が形成され、その密度が小さくなる。形成温度が低いほど密度は小さくなる。例えば400℃では密度は2.1g/cmになる。
ゲート電極73は形成された直後は非晶質珪素であるが、その後の600℃以上の熱処理、例えば750℃の層間絶縁膜8の形成後多結晶珪素に変わる。多結晶珪素になった後の室温での多結晶珪素の幅が(6)式のL0になるわけである。
第3実施形態では、CVD法によりゲート電極73の多結晶珪素(形成直後は非晶質珪素)を形成したが、形成方法はCVD法に限らない。室温での蒸着法で形成すると、その密度は1.7g/cmになる。また温度300℃のプラズマCVD法では密度は1.9g/cmになる。
以上のように、第3実施形態では第2実施形態の効果に加え、トレンチ内のゲート電極73を密度が2.2g/cmの多結晶珪素で形成したので、ドリフト層2の圧縮応力を低減でき、ゲート電極73の下部に絶縁膜を設けていないにもかかわらず新たな欠陥の発生を抑制することができる。またゲート電極73の下部に絶縁膜を設けていないので形成工程が第2実施形態の変形例よりも短時間で終了し、製造コストを減少させる効果がある。
<効果>
本発明に関する実施形態によれば、ゲート電極73が多結晶珪素を含み、ドリフト層2の熱膨張率をαc、ゲート電極73の熱膨張率をαp、ゲート電極73の形成時の温度と室温との差をΔT、多結晶珪素の密度をρ、600℃で形成された多結晶珪素の密度をρ0とするとき、上記(6)式の左辺が1より小さくなる。
このような構成によれば、ゲート電極73が低密度なのでドリフト層2の圧縮応力を低減できる。よって、製造工程中の新たな欠陥の発生を抑制でき、新たな欠陥によるオン抵抗の増大が抑制できる。また、溝の深さを他の実施形態よりも浅く設定できるので、溝の加工時間が短縮され、製造コストを低減できる。
<第4実施形態>
<溝部のあるトレンチゲート>
第2および第3実施形態では、トレンチゲートの溝を利用して積層欠陥の拡大を抑制していた。一方で本実施形態は、積層欠陥の拡大を抑制することに寄与するものはトレンチゲートの溝のみに限定されない。
図9はトレンチゲート構造であり、さらに溝部30を設けた構造の縦型MOSFETの断面図である。図9において溝部30はドリフト層2を貫通し、炭化珪素半導体基板1まで達するよう設けられた溝である。溝部30は、熱膨張率がドリフト層2より大きい絶縁物29が充填されている。溝部30の周囲にはウェル領域3と、ウェル領域3を貫通するように設けられたトレンチゲートが設けられ、このトレンチゲートは、ゲート絶縁膜61とゲート電極74により構成される。ゲート電極74はウェル領域3より深くなるよう形成されている。
溝部30の幅は1.5μm、間隔は200μmである。トレンチゲートの幅は2μm、間隔は10μmである。
ウェル領域3の上部にはn型のソース領域4と、p型のウェルコンタクト領域5が設けられている。ゲート電極71の上部には層間絶縁膜81が設けられ、ソース電極9とゲート電極71とを電気的に分離している。
ソース電極9は層間絶縁膜8が形成されていない部分のソース領域4およびウェルコンタクト領域5の厚み方向一方側の表面部に形成されている。ソース電極9はソース領域4の一部とウェルコンタクト領域5とを電気的に接続する。ソース領域4とウェルコンタクト領域5はソース電極9との接触抵抗を低減するために、それぞれn型およびp型の不純物が高濃度に導入されている。ドレイン電極10は、炭化珪素半導体基板1の厚み方向一方側の表面部と反対側の表面部、すなわち炭化珪素半導体基板1の厚み方向他方側の表面部に形成されている。
以上のように、第4実施形態では、溝部30を設けたので、第1実施形態の効果に加え、トレンチゲートによる積層欠陥の拡大を抑制する効果もある。
なお第2および第4実施形態ではトレンチゲートのゲート電極として通常の多結晶珪素を使用したが、第3実施形態で使用した密度の小さい多結晶珪素を使用しても良いことは言うまでもない。ゲート電極に密度の小さい多結晶珪素を使用すれば新たな欠陥の発生がより抑制できる。
<変形例>
また、第1〜4実施形態においては、半導体素子が縦型のMOSFETである場合を開示しているが、電子と正孔の両方が伝導に寄与するバイポーラ素子、例えば図2、図5、図6、図7、図8または図9に示す炭化珪素半導体基板1の導電型を第2導電型(p型)にした、IGBTのセル領域を有する半導体素子を構成しても既述した本発明の効果が同様に奏されることは言うまでもない。したがって、本発明の効力が及ぶ範囲は、MOSFETあるいはIGBT等のバイポーラ素子としての半導体素子である。
以上の各実施形態では、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としているが、本発明の実施形態では、第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としてもよい。
<効果>
本発明に関する実施形態によれば、炭化珪素半導体装置が、トレンチに加えて、ウェルコンタクト領域5表面から少なくともドリフト層2中に達して形成された溝部を備える。
このような構成によれば、第1実施形態の効果に加え、トレンチゲートによる積層欠陥の拡大を抑制する効果も生じさせることができる。
本発明の実施形態では、各構成要素の材質、材料、実施の条件等についても記載しているが、これらは例示であって記載したものに限られるものではない。
なお本発明は、その発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明は、例えばインバータのような電力変換器に適用して好適である。
1 炭化珪素半導体基板、2 ドリフト層、3 ウェル領域、4 ソース領域、5 ウェルコンタクト領域、6,61 ゲート絶縁膜、7,71,73,74 ゲート電極、8,81 層間絶縁膜、9 ソース電極、10 ドレイン電極、20,26 溝、21,22,30 溝部、23,24 トレンチ、25,27,28 酸化膜、29 絶縁物、72 多結晶珪素膜、90 ソースコンタクトホール、100 MOSFET、200 トランジスタ部、300 周辺部、400 積層欠陥、401 BPD、402 TED、700 ゲート電極引き出し部。

Claims (12)

  1. 第1または第2導電型の炭化珪素半導体基板と、
    前記炭化珪素半導体基板上に形成された第1導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層表面に形成された第2導電型の複数のウェル領域と、
    少なくとも一部の前記ウェル領域表面から少なくとも前記ドリフト層中に達して形成された溝部とを備え、
    前記溝部が、前記ドリフト層の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の絶縁物で充填されていることを特徴とする、
    炭化珪素半導体装置。
  2. 前記ウェル領域表面に部分的に形成された第1導電型のソース領域と、
    前記ウェル領域表面において前記ソース領域に挟まれて形成された第2導電型のウェルコンタクト領域と、
    ゲート絶縁膜を介し、前記ソース領域上から前記ドリフト層上に亘って形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極を覆い、前記ウェルコンタクト領域表面および一部の前記ソース領域表面が露出するように形成された層間絶縁膜と、
    露出した前記ウェルコンタクト領域および露出した前記ソース領域と電気的に接続して形成されたソース電極と、
    前記炭化珪素半導体基板裏面側に形成されたドレイン電極とをさらに備え、
    前記溝部が、前記ウェルコンタクト領域表面から少なくとも前記ドリフト層中に達して形成されることを特徴とする、
    請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 前記溝部が、前記ウェル領域表面から前記炭化珪素半導体基板中に達して形成されていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 前記炭化珪素半導体基板が、(0001)Si面から<11−20>方向にオフ角がついた主面を有する基板であり、
    前記溝部の長手方向が<11−20>方向と平行で、<1−100>方向と垂直であることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の炭化珪素半導体装置。
  5. 第1または第2導電型の炭化珪素半導体基板と、
    前記炭化珪素半導体基板上に形成された第1導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層表面に形成された第2導電型のウェル領域と、
    前記ウェル領域表面から少なくとも前記ドリフト層中に達して形成されたトレンチと、
    前記ドリフト層の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の絶縁膜を介して、前記トレンチ内に形成されたゲート電極とを備えることを特徴とする、
    炭化珪素半導体装置。
  6. 前記ウェル領域表面に前記トレンチに隣接して部分的に形成された第1導電型のソース領域と、
    前記ウェル領域表面において前記ソース領域に挟まれて形成された第2導電型のウェルコンタクト領域と、
    前記ゲート電極を覆い、一部の前記ソース領域表面が露出するように形成された層間絶縁膜と、
    露出した前記ソース領域と電気的に接続して形成されたソース電極と、
    前記炭化珪素半導体基板裏面側に形成されたドレイン電極とをさらに備え、
    前記トレンチが、前記ソース領域表面から少なくとも前記ドリフト層中に達して形成され、
    前記ゲート電極が、前記トレンチ内において前記ウェル領域および前記ソース領域に対向する位置に配置されることを特徴とする、
    請求項5に記載の炭化珪素半導体装置。
  7. 前記ゲート電極が多結晶珪素を含み、前記ドリフト層の熱膨張率をαc、前記ゲート電極の熱膨張率をαp、前記ゲート電極の形成時の温度と室温との差をΔT、前記多結晶珪素の密度をρ、600℃で形成された多結晶珪素の密度をρ0とするとき、
    Figure 2014090057
    であることを特徴とする、
    請求項5または6に記載の炭化珪素半導体装置。
  8. 前記トレンチが、前記ウェル領域表面から前記炭化珪素半導体基板中に達して形成されていることを特徴とする、
    請求項5〜7のいずれかに記載の炭化珪素半導体装置。
  9. 前記炭化珪素半導体基板が、(0001)Si面から<11−20>方向にオフ角がついた主面を有する基板であり、
    前記トレンチの長手方向が<11−20>方向と平行で、<1−100>方向と垂直であることを特徴とする、
    請求項5〜8のいずれかに記載の炭化珪素半導体装置。
  10. 前記ウェルコンタクト領域表面から少なくとも前記ドリフト層中に達して形成された溝部をさらに備えることを特徴とする、
    請求項6〜9のいずれかに記載の炭化珪素半導体装置。
  11. 第1または第2導電型の炭化珪素半導体基板と、
    前記炭化珪素半導体基板上に形成された第1導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層表面に形成された第2導電型のウェル領域と、
    前記ウェル領域表面から前記ドリフト層中に達して形成されたトレンチと、
    前記トレンチ内に形成されたゲート電極とを備え、
    前記トレンチが、前記ウェル領域と前記ドリフト層との界面近傍の深さまで達して形成されており、
    前記ゲート電極が多結晶珪素を含み、前記ドリフト層の熱膨張率をαc、前記ゲート電極の熱膨張率をαp、前記ゲート電極の形成時の温度と室温との差をΔT、前記多結晶珪素の密度をρ、600℃で形成された多結晶珪素の密度をρ0とするとき、
    Figure 2014090057
    であることを特徴とする、
    炭化珪素半導体装置。
  12. 前記炭化珪素半導体基板が、(0001)Si面から<11−20>方向にオフ角がついた主面を有する基板であり、
    前記トレンチの長手方向が<11−20>方向と平行で、<1−100>方向と垂直であることを特徴とする、
    請求項11に記載の炭化珪素半導体装置。
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